JPH06319790A - 空気清浄機用脱臭フイルター - Google Patents

空気清浄機用脱臭フイルター

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JPH06319790A
JPH06319790A JP5112988A JP11298893A JPH06319790A JP H06319790 A JPH06319790 A JP H06319790A JP 5112988 A JP5112988 A JP 5112988A JP 11298893 A JP11298893 A JP 11298893A JP H06319790 A JPH06319790 A JP H06319790A
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JP
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filter
deodorizing
deodorant
activated carbon
deodorizing filter
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JP5112988A
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English (en)
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Hidehito Ichinose
秀仁 一ノ瀬
Yuzo Mifune
裕造 三船
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Midori Anzen Co Ltd
Original Assignee
Midori Anzen Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フイルターの圧力損失が少なく、他種類の悪
臭ガスに対する除去性能が向上し、現実の悪臭である例
えばタバコ臭気に対して悪臭化することがない。 【構成】 中空形状フイルター担体に活性炭11を担持
する第1脱臭フイルター3と、脱臭剤13を担持する第
2脱臭フイルター5とを風の流れに垂直な面に並列に設
置してなり、フイルター担体を開口率を約90%以上、
格子面積を約35〜60mm2 、厚さを約10mmとし、活
性炭11および脱臭剤13を平均粒径を約0.5〜0.
7mmの粒状固形物とし、第1および第2脱臭フイルター
3,5を面積比率を約80〜50:20〜50とし、活
性炭11および脱臭剤13をエマルジョン系の粘着剤1
5を用いて担持し、かつ第1および第2脱臭フイルター
3,5を目開き約0.7mm、30デニール以下のネット
6で包み、このネット6を枠体7に直接貼りまたは同一
目開きのメッシュ形状箱に収納してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、活性炭および二酸化チ
タンと酸化亜鉛とからなる脱臭剤を中空形状フイルター
担体に担持して低圧損に構成し、タバコ臭気および生活
臭気を除去する空気清浄機用脱臭フイルターに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空気清浄機は、除塵目的で業務
用、家庭用、車載用等に広く使用されているが、悪臭ガ
スの除去には充分な効果が得られず、また長期に亘り使
用していると、タバコヤニ等の臭い物質が集塵部に付着
し、そこが悪臭源となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この問題を
処理するために種々の脱臭フイルターが考案され、実用
化されている。しかし、空気清浄機に用いるには圧力損
失を低く押える必要があるも、充分な効果が得られるも
のはなかった。例えばウレタンフォーム等の圧力損失の
高いフイルター担体を用いると、処理風量が低下し空気
清浄機自体の除塵効果が低下する。
【0004】また、風量低下を補うためにファンの能力
を上げて風量を増加すると騒音が増大する等の問題が生
じる。従って、脱臭剤の担持量を減少せざるを得ないた
めに満足すべき脱臭効果が得られなかった。
【0005】なお、脱臭剤の面からみると、多種類のガ
スに効果を示し、コストも安価なために活性炭が繁用さ
れている。しかし、活性炭は物理的吸着により脱臭する
から活性炭と同様な中性のガス(例えば炭化水素)とは
相性がよく効果も高いが、極性を有するガス(例えば硫
化水素)には効果が乏しく、分子量の小さいアンモニア
分子等は活性炭の細孔を通過してしまうために、ほとん
どその効果がない。
【0006】実際に、悪臭のある現場においては、単一
成分の悪臭ガスが単独で存在することはなく、混合ガス
の状態で存在する。従って、一部のガスを除去するだけ
では不十分であり、場合によってはかえって悪臭化する
こともあり得るものである。例えば、タバコ臭気の場合
は数万成分からなるといわれており、活性炭で脱臭する
とアンモニアおよびアセトアルデヒドに由来する甘酸っ
ぱい刺激臭が残る。このような活性炭の弱点を補うため
に、活性炭に酸・アルカリ・金属触媒等を含浸した添着
活性炭を用いたフイルター、活性炭フイルターと脱臭剤
を担持したフイルターとを重ね合せたフイルター、フイ
ルター枠に活性炭層と脱臭剤層とを交互に積層したフイ
ルター等が実用化されている。
【0007】しかし、添着活性炭の場合に、活性炭の細
孔を覆うために、多量に添着される脱臭剤によって活性
炭の性能が大幅に低下するから、脱臭剤の添着量をコン
トロールするのが困難であるという問題があった。
【0008】また、二層フイルターの場合には、二種類
のフイルターの位相合せが難しく、位相差が生じると圧
力損失が増加する。この圧力損失を下げるために各フイ
ルターの厚さを薄くせざるを得ないから、脱臭性能が低
下する。
【0009】なお、交互に積層するフイルターでは作製
に手間が掛り、効果を相殺するような組合せを取ること
はできない等の問題があった。
【0010】本発明の目的は、上記問題点を改善するた
めに、フイルターの圧力損失が少なく、他種類の悪臭ガ
スに対する除去性能が向上し、現実の悪臭である例えば
タバコ臭気に対して悪臭化することなく効果を有する空
気清浄機用脱臭フイルターを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、活性炭および二酸化チタンと酸化亜鉛と
からなる脱臭剤を中空形状フイルター担体に担持して低
圧損に構成し、タバコ臭気および生活臭気を除去する脱
臭フイルターにおいて、前記中空形状フイルター担体に
活性炭を担持する第1脱臭フイルターと、前記脱臭剤を
担持する第2脱臭フイルターとを風の流れに垂直な面に
並列に設置してなることを特徴とする空気清浄機用脱臭
フイルターである。
【0012】本発明の他の態様によれば、フイルター担
体は、開口率を約90%以上、格子面積を約35〜60
mm2 、厚さを約10mmとする。
【0013】また、本発明の他の態様によれば、活性炭
および脱臭剤は、平均粒径を約0.5〜0.7mmの粒状
固形物である。
【0014】なお、本発明の他の態様によれば、第1お
よび第2脱臭フイルターは、面積比率を約80〜50:
20〜50とする。
【0015】さらに、本発明の他の態様によれば、活性
炭および脱臭剤は、エマルジョン系の粘着剤を用いて担
持する。
【0016】さらにまた、本発明の他の態様によれば、
第1および第2脱臭フイルターは、目開き約0.7mm、
30デニール以下のネットで包み、前記ネットを枠体に
直接貼りまたはこの目開きのメッシュ形状箱に収納す
る。
【0017】
【作用】本発明の空気清浄機用脱臭フイルターを採用す
ることにより、中空形状フイルター担体に活性炭を担持
する第1脱臭フイルターと、脱臭剤を担持する第2脱臭
フイルターとを風の流れに垂直な面に並列に設置してな
り、フイルター担体を開口率を約90%以上、格子面積
を約35〜60mm2 、厚さを約10mmとし、活性炭およ
び脱臭剤を平均粒径を約0.5〜0.7mmの粒状固形物
とし、第1および第2脱臭フイルターを面積比率を約8
0〜50:20〜50とし、活性炭および脱臭剤をエマ
ルジョン系の粘着剤を用いて担持し、かつ第1および第
2脱臭フイルターを目開き約0.7mm、30デニール以
下のネットで包み、このネットを枠体に直接貼りまたは
同一目開きのメッシュ形状箱に収納することによって、
フイルターの圧力損失が少なく、他種類の悪臭ガスに対
する除去性能が向上し、現実の悪臭である例えばタバコ
臭気に対して悪臭化することなく効果を有する。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて、詳
細に説明する。
【0019】図1は本発明における空気清浄機用脱臭フ
イルターの一実施例の概略構成図を示す。図において本
発明の空気清浄機用脱臭フイルター1は、脱臭フイルタ
ー3と、脱臭フイルター5とをそれぞれネット6にて包
装して枠体7に装着され、風の流れ方向に対して垂直な
面で並列に設置されている。
【0020】脱臭フイルター3は、中空形状のフイルタ
ー担体に活性炭を脱臭剤として担持したものである。ま
た、脱臭フイルター5は、中空形状のフイルター担体に
二酸化チタンと酸化亜鉛とからなる脱臭剤を担持したも
のである。
【0021】図2はハニカム形脱臭フイルター担体の外
観図、図3は図2の格子形状拡大図を示す。ハニカム形
脱臭フイルター担体3a,5aは多数のハニカム格子9
aからなる。
【0022】図4はロールコア形脱臭フイルター担体の
外観図、図5は図4の格子形状拡大図を示す。ロールコ
ア形脱臭フイルター担体3b,5bは多数のロールコア
格子9bからなる。
【0023】図6はコルゲートコア形脱臭フイルター担
体の外観図、図7は図6の格子形状拡大図を示す。コー
ルゲートコア形脱臭フイルター担体3c,5cは多数の
ロールコア格子9cからなる。
【0024】図8は図においてロールコア形脱臭フイル
ター担体3b,5bは、内面に活性炭11または脱臭剤
13を、バインダー(粘着剤)15により担持したもの
である。
【0025】図9は脱臭フイルターの作製フローシート
を示す。図においてフイルター担体、例えばロールコア
担体3bを、バインダー、例えばアクリル系粘着剤15
に含浸させ、乾燥した後、平均粒径約0.5〜0.7mm
の活性炭11を担持し、ネット6で包装して脱臭フイル
ター3とする。
【0026】また、平均粒径約0.5〜0.7mmの二酸
化チタンと酸化亜鉛とからなる脱臭剤13を担持し、ネ
ット6で包装して脱臭フイルター5とする。この脱臭フ
イルター3,5は枠体7内に並列に設置される。脱臭フ
イルター3,5の容積比率を約80〜50:20〜50
とするものとする。
【0027】図10は脱臭剤の調整フローシートを示
す。図において脱臭剤13の原体を圧縮成形して、粉砕
し、分級して脱臭剤フイルター3の原料とする。
【0028】脱臭フイルター1の仕様を表1に示す。
【0029】
【表1】 (実施例1)フイルターサイズと活性炭粒径との検討結
果を表2に示す。
【0030】
【表2】 各種フイルター担体にヤシガラ活性炭(粒径0.15〜
1.68mm,算術平均粒径0.20〜1.26mm)をア
クリルエマルジョンを用いて担持し、圧力損失と脱臭性
能を検討した。サンプルとして50mm×50mm、厚さ5
〜10mmのものを使用した。圧力損失はダクトにサンプ
ルを設置し、風速2m/sec の時点の値を求めたものであ
る。
【0031】その脱臭性能は、1 m3 のチヤンバーを使
用し、サンプルを風速2.7m/secのフアンの前面に設
置し、ガスクロマト・グラフィーにてイソプレンガス
(約80ppm )の1時間の除去率を求めた。さらに、タ
バコ0.5本を燃焼し1時間後のタバコこげ臭の軽減度
を評価した。こげ臭に効果ありを0印で、効果なしを×
印で評価したものである。
【0032】図11に示すように圧力損失について、フ
イルター開口率が大きい程圧力損失が低く、粒径0.3
5〜0.84mmの活性炭を用いた厚み10mmのフイルタ
ーの場合に、風速2m/sec で圧力損失を2mmAq以下とす
るには、開口率が約90%以上必要であった。
【0033】また、図12に示すように活性炭の平均粒
径が小さい程圧力損失が小さかったが、この場合も開口
率が大きい程有利であった。
【0034】なお、図13に示すように脱臭性能につい
て、フイルターの格子形状、格子面積、開口率には関係
なく、活性炭の粒径が大きくなるにつれて性能が向上し
た。ただし、タバコこげ臭に対し脱臭性能を発揮するた
めには、フイルター厚み5〜10mmで平均粒径約0.5
mm以上を必要とする。
【0035】これは、図14,図15に示すように粒径
が小さいと、バインダー15による損失割合が粒径の大
きいものに比較して大きく、ガス分子と活性炭11との
接触チヤンスが減少するためである。活性炭11に限る
ことなく、化学反応によりガス分子を分解する脱臭剤1
3についても、反応をおこすには、ガス分子と脱臭剤粒
子との接触が必要であるから同様のことが言えるのであ
る。
【0036】以上のように検討した結果、圧力損失、脱
臭性能の両面からみて、フイルターの厚み5〜10mmの
場合にフイルター担体の開口率は約90%以上で、粒子
の平均粒径は約0.5〜0.7mmが最適である。
【0037】なお、フイルターの開口率は格子面積に支
配されるが、後述の検討を含めて約35〜60mm2 が最
適である。60mm2 以上の場合には、脱臭剤13を担持
した時に形状の保持が困難で、その対応として格子の箔
厚を増加すると開口率が低下するために適当ではない。
【0038】(実施例2)活性炭11と脱臭剤13とに
よる組合せフイルターについて検討する。表3は脱臭剤
を選定した組合せフイルターについて示す。
【0039】
【表3】 活性炭11はタバコのこげ臭に効果があるが、タバコ煙
中に含有されるアンモニアやアセトアルデヒドにはほと
んど効果がない。このために、タバコ燃焼後活性炭フイ
ルターを使用すると甘酸っぱい刺激臭が残るものであ
る。
【0040】また、活性炭11はアンモニアの他に硫化
水素にも効果不十分なために、トイレのふん便臭、生ゴ
ミ臭等生活臭に対して充分な効果が期待できない。
【0041】それ故に、これらのガスの除去対策とし
て、二酸化チタンと酸化亜鉛とからなる脱臭剤を用い
た。二酸化チタンは固体酸としてアンモニア等の塩基物
を中和し、酸化亜鉛は硫化水素等の硫化物を酸化脱臭す
る金属酸化物として働く。この脱臭剤を活性炭11と組
合せれば、活性炭11の弱点であるアンモニアや硫化水
素に対する脱臭性能を補強することができる。
【0042】この脱臭剤13を担持したフイルターと活
性炭11を担持したフイルターとを組合せたものの脱臭
性能を検討した。また、比較例として前記脱臭剤の代り
にマンガン系脱臭剤、リン酸アルミニウム・亜鉛系脱臭
剤、珪素・亜鉛系脱臭剤、珪素・アルミニウム・亜鉛系
脱臭剤、銅系脱臭剤を用いて同様に、脱臭剤担持フイル
ターを作製し、活性炭担持フイルターと組合せたものお
よび活性炭担持フイルター単独についても検討した。
【0043】各脱臭剤は、原体を圧縮成形、粉砕、分級
して、粒径0.35〜0.84mmの粒子とした。活性炭
も同一粒径のものを使用し、アクリルエマルジョンにて
アルミニウムハニカム(開口率94%,格子面積36mm
2 ,厚さ10mm)に担持した。脱臭剤担持フイルターと
活性炭担持フイルターとの面積比率は50:50とし、
これらを風の流れに垂直な面に並列に設置してテストを
行った。
【0044】試験方法は実施例1のイソプレンガスのテ
スト方法に準拠し、このガスの他に4大悪臭ガスである
硫化水素、メチルメルカプタン,アンモニア,トリメチ
ルアミンについても初期濃度約20ppm でガスクロマト
グラフィーまたは検知管による機器分析を行った。さら
に、タバコ0.5本燃焼後のタバコ臭気に対する効果を
官能的に評価したものである。こげ臭に効果あり0印
で、タバコ臭気を変化させる悪臭化(金属さび臭)を×
印で評価したものである。
【0045】この実施例2はいずれのガスに対しても満
足な結果が得られ、またタバコ臭にも効果があった。比
較例では、Aはトリメチルアミン、BとCとはメチルメ
ルカプタンおよびトリメチルアミン、Dはメチルメルカ
プタンに効果不十分であった。
【0046】一方、Eは硫化物、塩基物のガスに対して
勝れた効果を示したが、タバコ臭気を変容させ悪臭化し
た。その理由は酸化力が強すぎる(硫化物に対する除去
性能が高い)ために、タバコ成分中の有機化合物をも酸
化し、タバコ臭気を変容させるものと考えられる。
【0047】上述のように、二酸化チタンと酸化亜鉛と
からなる脱臭剤は4大悪臭ガスに対して効果があり、活
性炭との面積比率が50:50の場合には、タバコ臭気
を変容させることなく、こげ臭に効果があった。
【0048】(実施例3)さらに、この脱臭剤と活性炭
とを用いた脱臭フイルターの組合せ比率について検討し
た。検討方法は、この脱臭剤の原体(粉体または素粒)
を圧縮成型し、粉砕、分級し粒径0.35〜0.84mm
(平均粒径0.6mm程度)に調整した。活性炭も同一の
粒径として、これらを厚さ10mmのアルミニウムハニカ
ム(格子面積36〜40mm2 ,開口率94〜97%)ま
たはロールコア(格子面積60mm2,開口率94%)にア
クリルエマルジヨンにて担持した。
【0049】この実施例3として、活性炭担持フイルタ
ー、脱臭剤担持フイルターの面積が75:25あるいは
50:50の比率で、これらを風の流れの垂直面に並列
に設置してテストを行った。比較例として、活性炭担持
フイルター単独でもテストを行った。テスト方法は前述
の方法に準拠して実施した。ただし、タバコ臭気官能試
験については、タバコ0.5本燃焼後のタバコ臭気に対
する効果を臭気強度、不快度で評価したものである。
【0050】表4に示すように風速2m /sec の時の圧
力損失は実験例、比較例共に同一で、0.7〜1.1mm
Aqと低圧損であった。
【0051】
【表4】 また、表5に示すように脱臭性能は、実施例では活性炭
の比率が高いとイソプレンに対する効果が高く、脱臭剤
の比率が高いと硫化水素、アンモニアに対する効果が高
かった。しかし、活性炭の比率が50%以上であれば、
イソプレンの除去率が64%であって、前述の図13で
検討したようにタバコこげ臭に効果が得られるものであ
る。
【0052】
【表5】 一方、図16,図17に示すように、比較例ではアンモ
ニアには全く効果なく、これらのことが官能評価によく
反映している。すなわち、この実施例3の場合には臭気
強度および不快度共に軽減し十分な効果が得られたが、
比較例ではこげ臭には効果があるが、甘酸っぱい刺激臭
が残るために、不快度は軽減したが、臭気強度は自然減
衰と変りなく効果不十分であった。
【0053】以上のように、二酸化チタンと酸化亜鉛と
からなる脱臭剤と活性炭との組合せフイルターは、活性
炭の比率が50%以上あればタバコ臭気を変容させるこ
となく、十分な効果をもたらし、さらに4大悪臭に対し
ても効果があることから、タバコ臭気の他、トイレ臭
気、生ゴミ臭気等の生活臭気にも十分な効果を期待する
ことができるものである。
【0054】(実施例4)表6に示すように脱臭剤粒子
脱落止・固定用ネットの検討を行った。目開き寸法0.
3〜2mmのネット材を脱臭フイルターサンプルに取付
け、圧力損失の検討を行った。脱臭剤の粒径0.35〜
0.84mmに対しては、0.3〜0.5mmのネットが粒
子脱落防止の目的では望ましい。しかし、これらのネッ
トを取付けた場合に、風速2m /sec に対して圧力損失
が3mmAq以上となり不適当であった。目開き0.84mm
以上のネットは脱落防止に対して適当ではない。
【0055】
【表6】 このような検討結果、目開き寸法0.7mmが最適である
ことが判明した。この寸法であれば、理論上粒径0.7
〜0.84mmの粒子はネットを通過せず、粒径0.35
〜0.7mmの粒子についてもネット繊維の静電引力によ
りある程度捕捉することができる。
【0056】なお、糸の太さについて50デニール(2
4フイラメント)と30デニール(12フイラメント)
のもので検討したところ、糸の太い50デニールの方が
圧力損失が高かった。さらに、汚れ付着の影響をみるた
めに、タバコ280本を燃焼して、風速2m /sec でフ
イルターを通過させた時の圧力損失の増加を検討した。
ネットを取付けない場合の圧力損失増加0.04mmAqに
対して、30デニールでは0.1mmAq、50デニールで
は0.5mmAqと、この場合も糸の細い30デニールの方
が汚れ成分の付着が少なく、有利であった。
【0057】なお、本発明は、上記実施例に限定される
ものではなく、適宜の実験的変更を行うことにより、他
の態様においても実施することが可能である。
【0058】
【発明の効果】上述の説明ですでに明らかなように、本
発明の空気清浄機用脱臭フイルターは、タバコ臭気に対
して悪臭化することなく、十分な効果を示し、かつ硫化
物および窒素化合物に対しても効果を有することから生
活臭気に対しても十分効果が期待できるものである。
【0059】また、本発明は、従来のフイルターと比較
しても極めて低圧損であって、脱臭剤粒子脱落防止性の
高いネットを用いることにより、室内への飛散が防止さ
れ、しかも低圧損が維持される。
【0060】なお、従来の2種類以上の脱臭層を交互に
積層(重ね合せ)する方式では手数が掛り、脱臭剤同志
で効果を相殺するような場合には採用できないが、本発
明は、それぞれの脱臭フイルターを別々に作製するか
ら、製造が容易で、脱臭同志の効果を相殺することがな
い。
【0061】さらに、従来の積層方式では位相合せが難
しく、位相差が生じると圧力損失が増加するが、本発明
は、位相合せが不要で、積層方式に比べて幅をとらず、
空気清浄機に取付ける際に機械全体が薄形に設計するこ
とが可能である。
【0062】さらにまた、用途に応じて、活性炭担持フ
イルターと、脱臭剤担持フイルターとの面積比率の変更
が可能である。
【0063】さらになお、本発明は、独立した脱臭フイ
ルターであるから、別々に交換可能で、使用環境に応じ
て異なる悪臭ガスの種類・濃度に対応して、個々のフイ
ルターの寿命が相違するから、全てを同時に交換する必
要なく、寿命がきた方から交換すればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における空気清浄機用脱臭フイルターの
一実施例の概略構成図である。
【図2】ハニカム形脱臭フイルター担体の外観図であ
る。
【図3】図2の格子形状拡大図である。
【図4】ロールコア形脱臭フイルター担体の外観図であ
る。
【図5】図4の格子形状拡大図である。
【図6】図6はコルゲートコア形脱臭フイルター担体の
外観図である。
【図7】図6の格子形状拡大図である。
【図8】ロールコア形脱臭フイルター格子の内部拡大図
である。
【図9】脱臭フイルターの作製フローシートである。
【図10】脱臭剤の調整フローシートである。
【図11】活性炭のフイルター開口率と圧力損失との関
係線図である。
【図12】活性炭の平均粒径と圧力損失との関係線図で
ある。
【図13】活性炭の平均粒径と脱臭性能との関係線図で
ある。
【図14】粒径の小さい活性炭のバインダ−と担体との
関係図である。
【図15】粒径の大きい活性炭のバインダ−と担体との
関係図である。
【図16】タバコの臭気強度の官能テスト図である。
【図17】タバコの不快度の官能テスト図である。
【符号の説明】
1 脱臭フイルター 3 脱臭フイルター 5 脱臭フイルター 6 ネット 9 フイルター格子 11 活性炭 13 脱臭剤 15 バインダー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭および二酸化チタンと酸化亜鉛と
    からなる脱臭剤を中空形状フイルター担体に担持して低
    圧損に構成し、タバコ臭気および生活臭気を除去する脱
    臭フイルターにおいて、前記中空形状フイルター担体に
    活性炭を担持する第1脱臭フイルターと、前記脱臭剤を
    担持する第2脱臭フイルターとを風の流れに垂直な面に
    並列に設置してなることを特徴とする空気清浄機用脱臭
    フイルター。
  2. 【請求項2】 請求項1の記載において、フイルター担
    体は、開口率を約90%以上、格子面積を約35〜60
    mm2 、厚さを約10mmとすることを特徴とする空気清浄
    機用脱臭フイルター。
  3. 【請求項3】 請求項1および2のいずれかの記載にお
    いて、活性炭および脱臭剤は、平均粒径を約0.5〜
    0.7mmの粒状固形物であることを特徴とする空気清浄
    機用脱臭フイルター。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかの記載にお
    いて、第1および第2脱臭フイルターは、面積比率を約
    80〜50:20〜50とすることを特徴とする空気清
    浄機用脱臭フイルター。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかの記載にお
    いて、活性炭および脱臭剤は、エマルジョン系の粘着剤
    を用いて担持することを特徴とする空気清浄機用脱臭フ
    イルター。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかの記載にお
    いて、第1および第2脱臭フイルターは、目開き約0.
    7mm、30デニール以下のネットで包み、前記ネットを
    枠体に直接貼りまたはこの目開きのメッシュ形状箱に収
    納することを特徴とする空気清浄機用脱臭フイルター。
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