JP2019135692A - 車両用照明装置、車両用灯具、およびソケットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
車両用照明装置に設けられるソケットには、発光モジュールにおいて発生した熱の放熱性が高く、且つ、軽量であることが望まれている。
そのため、高熱伝導性樹脂を含むソケット本体が提案されている。
そこで、ソケットの信頼性を向上させることができる技術の開発が望まれていた。
本実施の形態に係る車両用照明装置1は、例えば、自動車や鉄道車両などに設けることができる。自動車に設けられる車両用照明装置1としては、例えば、フロントコンビネーションライト(例えば、デイライトランニングランプ(DRL;Daylight Running Lamp)、ポジションランプ、ターンシグナルランプなどが適宜組み合わされたもの)や、リアコンビネーションライト(例えば、ストップランプ、テールランプ、ターンシグナルランプ、バックランプ、フォグランプなどが適宜組み合わされたもの)などに用いられるものを例示することができる。ただし、車両用照明装置1の用途は、これらに限定されるわけではない。
図2は、車両用照明装置1の模式分解図である。
図3は、図1における車両用照明装置1のA−A線断面図である。
図1〜図3に示すように、車両用照明装置1には、ソケット10、発光モジュール20、および伝熱部40が設けられている。
ソケット本体10aは、装着部11、バヨネット12、フランジ13、および放熱フィン14を有する。
また、ソケット本体10aは、熱伝導領域10a1、絶縁領域10a2、および混合領域10a3を有する。
なお、熱伝導領域10a1、絶縁領域10a2、および混合領域10a3に関する詳細は後述する。
発光モジュール20は、基板21、発光素子22、抵抗23、制御素子24、枠部25、および封止部26を有する。
基板21は、例えば、伝熱部40の面40aに接着することができる。接着剤は、熱伝導率の高い接着剤とすることが好ましい。例えば、接着剤は、無機材料を用いたフィラーが混合された接着剤とすることができる。無機材料は、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、炭素などとすることができる。接着剤の熱伝導率は、例えば、0.5W/(m・K)以上、10W/(m・K)以下とすることができる。
チップ状の発光素子22は、COB(Chip On Board)により実装することができる。チップ状の発光素子22は、例えば、上部電極型の発光素子、上下電極型の発光素子、フリップチップ型の発光素子などとすることができる。図1および図2に例示をした発光素子22は、上下電極型の発光素子である。上部電極型または上下電極型の発光素子22は、配線21bにより配線パターン21aと電気的に接続することができる。発光素子22と配線パターン21aとは、例えば、ワイヤーボンディング法により電気的に接続することができる。フリップチップ型の発光素子22は、配線パターン21aの上に直接実装することができる。
制御素子24は、例えば、ダイオードとすることができる。制御素子24は、例えば、表面実装型のダイオードや、リード線を有するダイオードなどとすることができる。図1および図2に例示をした制御素子24は、表面実装型のダイオードである。
枠部25は、基板21の、凹部11aの底面11a1側とは反対側に設けられている。枠部25は、基板21の上に設けられている。枠部25は、基板21に接着されている。枠部25は、発光素子22を囲んでいる。例えば、枠部25は、環状形状を有し、内側に複数の発光素子22が配置されるようになっている。枠部25は、樹脂から形成することができる。樹脂は、例えば、PBT(polybutylene terephthalate)、PC(polycarbonate)、PET(Polyethylene terephthalate)、ナイロン(Nylon)、PP(polypropylene)、PE(polyethylene)、PS(polystyrene)などの熱可塑性樹脂とすることができる。
すなわち、枠部25は、封止部26の形成範囲を規定する機能と、リフレクタの機能とを有することができる。
また、枠部25を設けずに封止部26のみを設けることもできる。封止部26のみを設ける場合には、例えば、ドーム状の封止部26が基板21の上に設けられるようにすることができる。
また、伝熱部40は、熱伝導グリス(放熱グリス)を介して凹部11aの底面11a1に取り付けることができる。例えば、伝熱部40の周縁近傍に段差部を設け、凹部11aの底面11a1から突出する凸部の頂部を溶融して段差部を保持するようにすることができる。熱伝導グリスの種類には特に限定はないが、例えば、変性シリコーンに、無機材料(例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウムなどのセラミックス、炭素など)を含むフィラーが混合されたものとすることができる。熱伝導グリスの熱伝導率は、例えば、1W/(m・K)以上、5W/(m・K)以下とすることができる。
伝熱部40の形状には特に限定はないが、図1〜図3に示すように、板状を呈する伝熱部40とすることができる。板状を呈する伝熱部40とすれば、伝熱部40の製造が容易となる。
なお、伝熱部40は必ずしも必要ではなく、省くこともできる。ただし、発光モジュール20において発生する熱が多い場合などには伝熱部40を設けることが好ましい。
発光モジュール20において発生した熱は、主に、伝熱部40を介してソケット本体10aに伝わる。ソケット本体10aに伝わった熱は、主に、放熱フィン14から外部に放出される。
この場合、ソケット10は、発光モジュール20において発生した熱を効率よく放熱することができ、且つ、軽量であることが望まれる。そのため、ソケット本体10aは、高熱伝導性樹脂から形成することが好ましい。高熱伝導性樹脂は、例えば、樹脂と、熱伝導率の高い材料を含むフィラーが混合されたものとすることができる。例えば、高熱伝導性樹脂は、PETやナイロン等の樹脂に、炭素や金属などを含むフィラーが混合されたものとすることができる。この場合、炭素や金属などを含むフィラーを用いた高熱伝導性樹脂とすれば、酸化アルミニウムなどを含むフィラーを用いた高熱伝導性樹脂に比べて熱伝導率を高くすることができる。
そのため、導電性を有する高熱伝導性樹脂を用いてソケット本体を形成する場合には、複数の給電端子10bと、導電性を有するソケット本体との間に絶縁部を設けるようにしている。
また、インサート成形法により、複数の給電端子10bが設けられた絶縁部と、ソケット本体とを一体に成形すると、溶融した樹脂が硬化する際に収縮が発生するので、ソケット本体と絶縁部との間に隙間が生じる場合がある。
この様な隙間が生じると、ソケット本体と絶縁部との間の接合力が低下したり、隙間を介して車両用灯具100の内部に水が浸入したりして、ソケット10の信頼性が低下するおそれがある。
熱伝導領域10a1は、導電性を有する高熱伝導性樹脂を含んでいる。導電性を有する高熱伝導性樹脂は、例えば、導電性を有するフィラーを含む高熱伝導性樹脂である。導電性を有するフィラーは、例えば、炭素や金属などを含むフィラーとすることができる。
絶縁領域10a2には、複数の給電端子10bが設けられている。そのため、複数の給電端子10b同士の間で短絡が生じるのを抑制することができる。この場合、絶縁性を有する高熱伝導性樹脂を含む絶縁領域10a2とすれば、発光素子22などにおいて発生した熱の放熱が容易となる。
混合領域10a3は、熱伝導領域10a1と絶縁領域10a2を形成する際に、熱伝導領域10a1の材料(溶融した高熱伝導性樹脂)と、絶縁領域10a2の材料(溶融した樹脂)とが混合されることで形成されたものである。この場合、熱伝導領域10a1、絶縁領域10a2、および混合領域10a3はほぼ同時に硬化するので、硬化の際に収縮が発生したとしても、熱伝導領域10a1と混合領域10a3との間、絶縁領域10a2と混合領域10a3との間に隙間が発生するのを抑制することができる。
そのため、ソケット10の信頼性を向上させることができる。
例えば、熱伝導領域10a1を、PETに、炭素を含むフィラーを混合させた高熱伝導性樹脂から形成し、絶縁領域10a2を、PETから形成することができる。
図4および図5に示すように、車両用照明装置1aには、遮蔽部41がさらに設けられている。
遮蔽部41は、熱伝導領域10a1と絶縁領域10a2を形成する際に、熱伝導領域10a1の材料が複数の給電端子10bに到達するのを抑制するために設けられている。
この場合、遮蔽部41を金属などの熱伝導率の高い材料から形成し、遮蔽部41を伝熱部40と接触させたり、遮蔽部41を伝熱部40と一体に設けたりすれば、発光モジュール20において発生した熱をソケット本体10aの内部、ひいては放熱フィン14に伝えやすくなる。そのため、ソケット10の放熱性を向上させることができる。
例えば、図5に示すように、遮蔽部41の両側の端部を屈曲させ、一列に並ぶ複数の給電端子10bの両側に、遮蔽部41の屈曲部41aが設けられるようにすることができる。
この様にすれば、熱伝導領域10a1の材料が複数の給電端子10bに到達するのを抑制することがさらに容易となる。
本実施の形態に係るソケットの製造方法においては、インサート成形法により、ソケット本体10aと複数の給電端子10bとを一体に成形する。
この際、金型の内部の、複数の給電端子10bが保持された領域に、絶縁領域10a2を形成するための材料を供給する。また、金型の内部の、複数の給電端子10bが保持された領域から離れた領域に、熱伝導領域10a1を形成するための材料を供給する。例えば、二色成形法により、金型の内部に、絶縁領域10a2を形成するための材料と、熱伝導領域10a1を形成するための材料を供給する。
この様にすれば、ソケット本体10aと複数の給電端子10bを一体に成形することができる。また、熱伝導領域10a1、絶縁領域10a2、および混合領域10a3がほぼ同時に硬化するので、硬化の際に収縮が発生したとしても、熱伝導領域10a1と混合領域10a3との間、絶縁領域10a2と混合領域10a3との間に隙間が発生するのを抑制することができる。そのため、ソケット10の信頼性を向上させることができる。
また、インサート成形法により、ソケット本体10a、複数の給電端子10b、伝熱部40、および遮蔽部41を一体に成形することもできる。
インサート成形法により、ソケット本体10aと、複数の給電端子10bと、を一体に成形する工程。
この工程において、金型の内部の、複数の給電端子10bが保持された領域に、絶縁性を有する樹脂を供給する。金型の内部の、複数の給電端子10bが保持された領域から離れた領域に、導電性を有する高熱伝導性樹脂を供給する。そして、導電性を有する高熱伝導性樹脂を含む熱伝導領域10a1と;絶縁性を有する樹脂を含む絶縁領域10a2と;熱伝導領域10a1と、絶縁領域10a2と、の間に設けられ、高熱伝導性樹脂の少なくとも一部の成分と、絶縁性を有する樹脂の少なくとも一部の成分と、を含む混合領域10a3と;を一体に成形する。
この工程において、金型の内部に伝熱部40をさらに保持し、ソケット本体10aの一方の端部に伝熱部40を埋め込む。
この工程において、金型の内部に遮蔽部41をさらに保持し、遮蔽部41の、複数の給電端子10b側に絶縁性を有する樹脂を供給する。遮蔽部41の、複数の給電端子10b側とは反対側に導電性を有する高熱伝導性樹脂を供給する。
この工程において、熱伝導領域10a1、混合領域10a3、および絶縁領域10a2は、一体に成形される。
絶縁性を有する樹脂は、高熱伝導性樹脂に含まれる樹脂と同じとすることができる。
高熱伝導性樹脂は、導電性を有するフィラーを含むことができる。
次に、車両用灯具100について例示する。
なお、以下においては、一例として、車両用灯具100が自動車に設けられるフロントコンビネーションライトである場合を説明する。ただし、車両用灯具100は、自動車に設けられるフロントコンビネーションライトに限定されるわけではない。車両用灯具100は、自動車や鉄道車両などに設けられる車両用灯具であればよい。
図6に示すように、車両用灯具100には、車両用照明装置1、筐体101、カバー102、光学要素部103、シール部材104、およびコネクタ105が設けられている。
例えば、図6に例示をした光学要素部103はリフレクタである。この場合、光学要素部103は、車両用照明装置1から出射した光を反射して、所定の配光パターンが形成されるようにする。
また、コネクタ105は、段差部分を有している。そして、シール部材105aが、段差部分に取り付けられている。シール部材105aは、孔10cの内部に水が侵入するのを防ぐために設けられている。シール部材105aを有するコネクタ105が孔10cに挿入された際には、孔10cが水密となるように密閉される。
Claims (15)
- ソケット本体と;
前記ソケット本体の一方の端部側に設けられ、発光素子を有する発光モジュールと;
前記ソケット本体の内部に設けられ、一方の端部が前記発光モジュールと電気的に接続された複数の給電端子と;
を備え、
前記ソケット本体は、
導電性を有する高熱伝導性樹脂を含む熱伝導領域と;
絶縁性を有する樹脂を含む絶縁領域と;
前記熱伝導領域と、前記絶縁領域と、の間に設けられ、前記高熱伝導性樹脂の少なくとも一部の成分と、前記絶縁性を有する樹脂の少なくとも一部の成分と、を含む混合領域と;
を有し、
前記複数の給電端子は、前記絶縁領域に設けられている車両用照明装置。 - 前記発光素子は、前記熱伝導領域の上に設けられている請求項1記載の車両用照明装置。
- 前記発光モジュールと、前記ソケット本体の一方の端部と、の間に設けられた伝熱部をさらに備え、
平面視において、前記伝熱部の少なくとも一部は、前記熱伝導領域に設けられている請求項1または2に記載の車両用照明装置。 - 前記熱伝導領域、前記混合領域、および前記絶縁領域は、一体に成形されている請求項1〜3のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 前記絶縁性を有する樹脂は、前記高熱伝導性樹脂に含まれる樹脂と同じである請求項1〜4のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 前記高熱伝導性樹脂は、導電性を有するフィラーを含んでいる請求項1〜5のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 前記ソケット本体の内部に設けられ、平面視において、前記複数の給電端子の前記熱伝導領域側に位置する遮蔽部をさらに備えた請求項1〜6のいずれか1つに記載の車両用照明装置。
- 請求項1〜7のいずれか1つに記載の車両用照明装置と;
前記車両用照明装置が取り付けられる筐体と;
を具備した車両用灯具。 - 車両用照明装置に設けられるソケットを製造する方法であって、
インサート成形法により、ソケット本体と、複数の給電端子と、を一体に成形する工程を備え、
金型の内部の、前記複数の給電端子が保持された領域に、絶縁性を有する樹脂を供給し、
前記金型の内部の、前記複数の給電端子が保持された領域から離れた領域に、導電性を有する高熱伝導性樹脂を供給して、
前記導電性を有する高熱伝導性樹脂を含む熱伝導領域と;
前記絶縁性を有する樹脂を含む絶縁領域と;
前記熱伝導領域と、前記絶縁領域と、の間に設けられ、前記高熱伝導性樹脂の少なくとも一部の成分と、前記絶縁性を有する樹脂の少なくとも一部の成分と、を含む混合領域と;
を一体に成形するソケットの製造方法。 - 前記ソケット本体と、前記複数の給電端子と、を一体に成形する工程において、
前記複数の給電端子は、前記絶縁領域に設けられる請求項9記載のソケットの製造方法。 - 前記ソケット本体と、前記複数の給電端子と、を一体に成形する工程において、
前記金型の内部に伝熱部をさらに保持し、
前記ソケット本体の一方の端部に前記伝熱部を埋め込む請求項9または10に記載のソケットの製造方法。 - 前記ソケット本体と、前記複数の給電端子と、を一体に成形する工程において、
前記金型の内部に遮蔽部をさらに保持し、
前記遮蔽部の、前記複数の給電端子側に前記絶縁性を有する樹脂を供給し、
前記遮蔽部の、前記複数の給電端子側とは反対側に前記導電性を有する高熱伝導性樹脂を供給する請求項9〜11のいずれか1つに記載のソケットの製造方法。 - 前記ソケット本体と、前記複数の給電端子と、を一体に成形する工程において、
前記熱伝導領域、前記混合領域、および前記絶縁領域は、一体に成形される請求項9〜12のいずれか1つに記載のソケットの製造方法。 - 前記絶縁性を有する樹脂は、前記高熱伝導性樹脂に含まれる樹脂と同じである請求項9〜13のいずれか1つに記載のソケットの製造方法。
- 前記高熱伝導性樹脂は、導電性を有するフィラーを含んでいる請求項9〜14のいずれか1つに記載のソケットの製造方法。
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