JP2019132403A - 転がり軸受 - Google Patents

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隆秀 堤
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Abstract

【課題】低コストで保持器の耐久性の向上を図ることができる転がり軸受を提供する。
【解決手段】内輪11と、内輪11の外径側に配置された外輪12と、内輪11と外輪12の間に配置された転動体13と、転動体13を保持する保持器14と、を有し、エンジンのカムシャフト20を支持してオイル潤滑環境下で使用される転がり軸受において、保持器14の表面に表面改質層が形成されており、ビッカース硬さが400Hv以上650Hv未満であることを特徴とする転がり軸受を構成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、転がり軸受に関する。
自動車のエンジン周りにおいては、例えば、図14に示すカムシャフト20のジャーナル軸21や、電装品や補機の回転部などを支持するために、転がり軸受(玉軸受)10が用いられる。この転がり軸受10の内部には、エンジンの回転に伴って駆動されるオイルポンプによってエンジンオイルが供給され、このオイルによって転がり軸受10が潤滑される。
エンジンの高温環境下では、オイルの粘度が低下して潤滑作用が低下するため、軸受構成部品の摩耗が生じやすくなる。特にディーゼルエンジンにおいては、燃料の燃焼に伴って発生した煤、酸化物又はブローバイガスなどに係る異物がオイル中に混入しやすく、この異物が混入した状態で各部にオイルが供給される。このため、その異物が研磨材として作用し、オイルによって潤滑される軸受構成部品の摩耗が加速される。従来の玉軸受では、軸受構成部品の中で保持器がボールと比較して硬度が低いため、当該保持器のうちボールを保持するポケットの内面が摩耗しやすい。
ポケットの内面の摩耗が進行すると、ポケット内面とボールとの間の隙間が大きくなる。これにより、図15および図16に示すように、保持器104に作用した遠心力によってこの保持器104と内輪101または外輪102が直接接触することがある。保持器104と内外輪101、102の接触に伴う摩擦は、ボール103と内外輪101、102の軌道面との間の転がり摩擦より大きく、このボール103が荷重非負荷域から荷重負荷域に移動した際に、保持器104は隣り合うボール103と内外輪101、102によって強く押さえ付けられる。しかも、保持器104の公転に伴って、この押さえ付け力が繰り返し作用する。この結果、保持器104の内外輪101、102との対向部(図15、図16中のA部)に接触傷が生じたり、保持器104の曲げR部(図15中のB部)に劣化が生じたりすることがある。
保持器に生じる接触傷や劣化を防止すべく、例えば、特許文献1に示す深溝玉軸受においては、高速回転性能を向上させるために、保持器に727℃以下で窒化処理を行い、その表面に、ビッカース硬さHvが650以上、厚さが1〜20μmの化合物層を形成している。
特開2008−175300号公報
特許文献1に示す深溝玉軸受は、保持器の劣化などの不具合は回避できる一方で、表面硬さを高めた保持器のポケット内面によって転動体が傷付き、軸受の回転安定性が損なわれる虞がある。これを防ぐためには、転動体の表面処理が必須となるが、それにより表面処理コストの増大を生じる問題がある。
そこで、この発明は、エンジンの回転軸を支持してかつオイル潤滑環境下で使用される転がり軸受において、低コストで保持器の耐久性の向上を図ることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明においては、内輪と、前記内輪の外径側に配置された外輪と、前記内輪と前記外輪の間に配置された転動体と、前記転動体を保持する保持器と、を有し、エンジンの回転軸を支持してかつオイルによる潤滑環境下で使用される転がり軸受において、前記保持器の表面に表面改質層が形成されており、ビッカース硬さが400Hv以上650Hv未満であることを特徴とする転がり軸受を構成した。
このように、保持器の表面硬さの範囲を規定することにより、転動体と保持器のポケット内面との間の摺動に伴う摩耗が抑制され、保持器と内外輪が直接接触することに起因して、保持器に不具合が生じるのを防止することができる。また、転動体の表面硬さは、保持器の表面硬さの上記範囲の上限値よりも大きいのが通常なので、保持器のポケット内面と転動体との当接によって転動体が傷付く虞はない。このため、転動体の表面処理が必須ではなく、表面処理の低コスト化を図ることができる。
前記構成においては、前記内輪、前記外輪、および、前記転動体のうち少なくとも一つの軸受部品の表面に表面改質層が形成されており、かつ、その表面硬さが、前記保持器の表面硬さよりも大きい構成とすることができる。このように、内外輪および転動体に表面改質層を形成することにより、軸受の一層の長寿命化を図ることができる。しかも、保持器の表面硬さよりも内外輪及び転動体のいずれか1つの軸受部品の表面硬さを大きくすることにより、保持器との接触によって当該軸受部品に傷が付くのを防止することができる。
前記各構成においては、前記保持器に、前記内輪および前記外輪の少なくとも一方に臨むように径方向に突出した複数の隆条体が形成されている構成とすることができる。このように、隆条体を形成することにより、長期間の使用に伴って保持器の摩耗が進行し、内外輪と保持器が接触する状態になった場合でも、この保持器に形成された隆条体が内外輪と接触することで接触面積(すべり面積)が低減し、摩擦力を減らすことができる。
また、内外輪と保持器に形成された隆条体とが周方向に相対回転する際に、内外輪表面のオイルが各隆条体によってかき集められ、この隆条体と内外輪との間の隙間に流れ込む。このとき、流れ込んだオイルの圧力によって、いわゆる「くさび膜効果」が生じる。このくさび膜効果によって、内外輪と保持器との間の隙間が押し広げられ、この内外輪と保持器が、オイルを介して非接触の状態(流体潤滑状態)となる。このため、内外輪と保持器が接触することに起因するトルク損失や摩耗を防止することができる。しかも、内外輪と保持器との間に、常にオイル膜が形成されていることにより、オイルダンパ作用が生じ、軸受使用時の振動を防止することができる。
前記各構成に係る転がり軸受によって、ディーゼルエンジンの回転軸を支持することができる。
この発明においては、保持器の表面に、ビッカース硬さが400Hv以上650Hv未満の表面改質層を形成したので、転動体と保持器のポケット内面との間の摺動に伴う摩耗が抑制され、保持器の耐久性向上を図ることができるとともに、保持器の表面硬さとの関係で転動体の表面処理が必須ではないため、表面処理の低コスト化を図ることができる。
この発明に係る転がり軸受の第一実施形態を示す正面図 図1中のII−II線に沿う断面図 図1に示す転がり軸受の要部の分解斜視図 図1に示す転がり軸受の変形例を示す断面図 図4に示す変形例の要部の分解斜視図 この発明に係る転がり軸受の第二実施形態を示す断面図 この発明に係る転がり軸受の第三実施形態を示す正面図 図7中のVIII−VIII線に沿う断面図 図7に示す転がり軸受の構成部材を図7中のA方向(内輪側)から見た矢視図 図8に示す転がり軸受の要部の分解斜視図 保持器に形成された隆条体の作用を示す要部の断面図 図8に示す転がり軸受の変形例を示す断面図 図12に示す転がり軸受の構成部材を図7中のA方向(内輪側)から見た矢視図 転がり軸受のカムシャフトへの適用例を示す正面図 一般的な転がり軸受を示す正面図 図15中のXVI−XVI線に沿う断面図
この発明に係る転がり軸受10の第一実施形態を図1から図3に示す。この転がり軸受10は、自動車のエンジンの回転軸を支持する。また、転がり軸受10は、その内部にグリースを封入するグリース潤滑環境下ではなく、オイルポンプから供給されるオイル(潤滑油)によって潤滑されるオイル潤滑環境下において使用される。オイル潤滑環境は、高温・高速回転環境下で使用される転がり軸受の潤滑方法として適している。本実施形態に係る転がり軸受10は、エンジンの不完全燃焼により残留した煤などの異物が混入するエンジンオイルが軸受内部に供給される潤滑環境下で使用され、特に、ディーゼルエンジンのように、燃料(特に軽油)の燃焼に伴って発生した煤や酸化物、ブローバイガスなどに係る異物がエンジンオイル中に混入しやすい状況下で使用される。
この転がり軸受10は、内輪11、外輪12、転動体13、および、保持器14を主要な構成要素としている。なお、本実施形態では、転がり軸受10の設計上の回転中心である軸受中心軸に沿った方向を「軸方向」、軸受中心軸に直交する方向を「径方向」、軸受中心軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」という。
内輪11は、その内周に嵌め合い面11aが形成されている。そして、この嵌め合い面11aによって、例えば図14に示すように、カムシャフト20のジャーナル軸21に嵌め込まれる。また、内輪11は、軌道溝11bと、この軌道溝11bの軸方向両側に設けられる肩部11c、11dとを有している。この内輪11は、一般的な軸受鋼(JIS規格SUJ2相当材料)によって構成されている。
外輪12は、内輪11の外径側に配置されており、エンジン周りの固定部材22に固定されている。外輪12には、その外周に嵌め合い面12aが形成されている。また、外輪12は、軌道溝12bと、この軌道溝12bの軸方向両側に設けられる肩部12c、12dとを有している。この外輪12は、内輪11と同様に、一般的な軸受鋼(JIS規格SUJ2相当材料)で構成されている。
転動体13は、内輪11と外輪12の間に介在するように複数個配置されている。転動体13として、この実施形態においては鋼製の玉を使用している。すなわち、本実施形態の転がり軸受10は、玉軸受である。この転動体13は、周方向に互いに所定間隔を保つように、保持器14によって保持されている。
この実施形態において採用される保持器14は、転動体13によって案内される転動体案内方式の保持器14である。この保持器14は、転がり軸受の軸方向に2分割された2個の分割保持器14a、14bを組み合わせた上で、両分割保持器14a、14bに挿通した鋲14cを加締めることにより一体化したものである。この保持器14(分割保持器14a、14b)の素材として、この実施形態では冷間圧延鋼板(SPCC)を採用したが、ステンレス鋼板(SUS)を始め、他の金属材を採用することもできる。
この転がり軸受10を構成する保持器14、内輪11、外輪12、および、転動体13には、表1の「実施例」に示す熱処理が施されている。この熱処理によって、保持器14の表面に、後述する表2に記載の表面硬さを有する表面改質層が形成される。また、この実施例と比較対照するために、同じ素材から構成される構成部材に対して、表1の「比較例」に示す一般的な熱処理を施した。
Figure 2019132403
転動体13には、AS処理(窒化処理)のみが行われているのに対して、内輪11及び外輪12には、AS処理に加えてTS2処理(寸法安定化処理)が行われている。これにより、内輪11及び外輪12の表面硬さは、転動体13の表面硬さよりも大きい。また、保持器14には、軟窒化処理のみが行われている。この軟窒化処理によって、保持器には、6〜10μmの厚みの窒化層が形成されている。
上記の軟窒化処理を施した保持器14の表面硬さをビッカース硬度計を用いて測定したところ、表2に示す結果となった。なお、この測定は、保持器表面の5箇所に荷重を負荷することによって行なった。この荷重の大きさは、0.025kgとした。
Figure 2019132403
この測定結果から、保持器14の表面硬さは、ビッカース硬さHvが400以上650未満の範囲内に制御されていることが確認された。なお、同様に転動体13の表面硬さを測定したところ、ビッカース硬さHvが650以上(ロックウェル硬さHRCが62以上)であることが確認された。
実施例および比較例に係る転がり軸受10の寿命試験の結果(保持器14の不具合発生状況)を表3に示す。ここでいう不具合とは、保持器14の内外輪11、12との対向部(図15、図16中のA部)における接触傷の発生や、保持器14の曲げR部(図15中のB部)の劣化などのことを指す。この寿命試験においては、転がり軸受10の潤滑用のオイルとして、オイル中に2%の煤が混入し、純粋なオイルと比較すると粘度が高い環境スーツ油を使用した。

Figure 2019132403
この実施例に係る保持器14(軟窒化処理)は、4個の供試材のいずれにおいても不具合は生じなかった(試験は、600時間で打ち切り終了)。その一方で、比較例に係る保持器(標準調質)は、12個の供試材のうちの6個で不具合が生じた。このように、軟窒化処理によって保持器14のビッカース硬さHvを400以上650未満の範囲内とすることによって、この保持器14のポケット内面において、転動体13との摺動に伴う摩耗が防止される。これにより、保持器13の摩耗に起因して、保持器13と内外輪11、12が接触するのを回避して、この保持器14に不具合が生じるのを防止することができる。
表1の熱処理を行った保持器14の機能(異物潤滑下での転動体保持能力、耐久性など)と、その熱処理のために必要な製造工程能力(保持器14の熱処理に要するコストや時間など)をまとめると表4のようになる。なお、表4中の「◎」は優れていること、「×」は劣っていることを示す。
Figure 2019132403
保持器14のビッカース硬さHvを400未満とした場合、保持器14の熱処理が短時間で終了するため、製造工程能力の点では優れているが、転動体13との間の摺動に伴って、保持器14のポケット内面が摩耗する虞がある。また、ビッカース硬さHvを650以上とした場合、保持器14の摩耗防止の点では優れているが、保持器14の熱処理に長時間を要するため、製造工程能力の点で問題がある。また、保持器14の表面硬さが高すぎると、転動体13の表面を傷付ける虞がある。これらに基づいて総合的に判断すると、保持器14のビッカース硬さHvを400以上650未満とすることによって、保持器14の機能と製造工程能力の両立を図ることができる。
図1などに示した転がり軸受10においては、保持器14に軟窒化処理を施す一方で、転動体13にはAS処理を施したが、図4および図5に示すように、保持器14と転動体13の両方に同じ種類の表面改質層(例えば、軟窒化処理)を形成することもできる。また、保持器14のみに表面改質層を形成することもできる。いずれの場合においても、転動体13の傷付きを防止するために、保持器14の表面硬さを転動体13の表面硬さよりも低くするのが好ましい。
この発明に係る転がり軸受10の第二実施形態を図6に示す。この転がり軸受10の基本構成は、第一実施形態に係る転がり軸受10と同じであるが、保持器14の形態が異なっている。第二実施形態に係る保持器14は、転動体13によって案内される転動体案内方式の鉄板爪曲げ保持器である。この保持器14は、転がり軸受10の軸方向に2分割された2個の分割保持器14a、14bを組み合わせた上で、連結爪14dを折り曲げることにより一体化したものである。この保持器14(分割保持器14a、14b)は、冷間圧延鋼板(SPCC)で構成されている。
この転がり軸受10を構成する保持器14、内輪11、外輪12、および、転動体13には、表1の「実施例」に示す熱処理が施されている。この熱処理によって、保持器14の表面に、表2に記載の表面硬さを有する表面改質層が形成される。このように表面改質層を形成することにより、この保持器14のポケット内面において、転動体13との摺動に伴う摩耗が防止される。これにより、保持器14の摩耗に起因して、保持器14と内外輪11、12が接触するのを回避して、この保持器14に不具合が生じるのを防止することができる。
この発明に係る転がり軸受10の第三実施形態を図7から図11に示す。この転がり軸受10の基本構成は、第一実施形態に係る転がり軸受10と同じであるが、保持器14の形態が異なっている。第三実施形態に係る保持器14は、転動体13によって案内される転動体案内方式の保持器14である。この保持器14は、転がり軸受10の軸方向に2分割された2個の分割保持器14a、14bを組み合わせた上で、両分割保持器14a、14bに挿通した鋲14cを加締めることにより一体化したものである。この保持器14(分割保持器14a、14b)は、冷間圧延鋼板(SPCC)で構成されている。
この保持器14には、内輪11の肩部11c、11d、および、外輪12の肩部12c、12dに臨むように、径方向に突出した複数の隆条体15、16が形成されている。この隆条体15、16は、軸方向から見て、周方向に所定間隔をもって形成されている(図7参照)。この実施形態においては、各隆条体15、16は、保持器14の回転方向に対して垂直方向に延びる形状とされているが、この回転方向に対して、所定角度だけ傾斜した方向に延びる形状とすることもできる。
このように隆条体15、16を形成することにより、長期間の使用に伴って保持器14の摩耗が進行し、仮に内外輪11、12と保持器14が接触する状態になって場合でも、この保持器14に形成された隆条体15、16が内外輪11、12の肩部11c、11d、12c、12dと接触することで接触面積(すべり面積)が低減し、摩擦力を減らすことができる。
隆条体15、16の断面形状は適宜決めることができるが、図11に示すように、半円柱状の頂部を有する形状とすることができる。例えば、内輪11(の肩部11c、11d)と保持器14との間に潤滑油23が満たされた状態で内輪11が保持器14に対して軸周りに回転すると(図11中の白抜き矢印参照)、この内輪11の回転とともに潤滑油23に同方向の流動が生じる(図11中の黒矢印参照)。
この潤滑油23は、各隆条体15の周方向一方側にかき集められ、各隆条体15の頂部と内輪11との間のくさび形の隙間に入り込む。そして、潤滑油23がこの隙間に入り込む際にその圧力が高まり、くさび膜効果が生じる。この潤滑油23によるくさび膜効果によって、内輪11と保持器14(隆条体15)との間の隙間が押し広げられ、内輪11と保持器14との間に所定厚さの潤滑油膜が形成される。ここで、内輪11と保持器14との間を完全に分離させる潤滑油膜があれば、内輪11と保持器14とが直接接触しない状態で摺動する流体潤滑状態となる。このため、内輪11と保持器14との間の安定的な潤滑状態が確保され、内輪11と保持器14との間の摩擦に伴うトルク損失や摩耗を大幅に低減することができる。なお、上記の隆条体15の断面形状は例示に過ぎず、半楕円形状、台形、多角形など、適宜変更することができる。
図7などに示した転がり軸受10においては、保持器14に軟窒化処理を施す一方で、転動体13にはAS処理を施したが、図12および図13に示すように、保持器14と転動体13の両方に同じ種類の表面改質層(例えば、軟窒化処理)を形成することもできる。また、保持器14のみに表面改質層を形成することもできる。いずれの場合においても、転動体13の傷付きを防止するために、保持器14の表面硬さを転動体13の表面硬さよりも低くするのが好ましい。
上記各実施形態に係る転がり軸受10はあくまでも例示に過ぎず、低コストで保持器14の耐久性の向上を図る、というこの発明の課題を解決し得る限りにおいて、各部材の形状や配置、素材などを適宜変更することが許容される。
例えば、上記の各実施形態においては、エンジンの回転軸を支持する転がり軸受として、カムシャフトを支持する例を示して説明したが、これに限らず、クランクシャフト、バランスシャフト、ロッカーシャフトを支持する転がり軸受であってもよい。
また、隆条体15、16を形成した構成においては、保持器14の内輪11側または外輪12側のいずれか一方のみに隆条体15、16を形成した態様とすることもできる。
10 転がり軸受
11 内輪
12 外輪
13 転動体
14 保持器
15、16 隆条体

Claims (4)

  1. 内輪(11)と、前記内輪(11)の外径側に配置された外輪(12)と、前記内輪(11)と前記外輪(12)の間に配置された転動体(13)と、前記転動体(13)を保持する保持器(14)と、を有し、エンジンの回転軸を支持してかつオイル潤滑環境下で使用される転がり軸受において、
    前記保持器(14)の表面に表面改質層が形成されており、ビッカース硬さが400Hv以上650Hv未満であることを特徴とする転がり軸受。
  2. 前記内輪(11)、前記外輪(12)、および、前記転動体(13)のうち少なくとも一つの軸受部品の表面に表面改質層が形成されており、かつ、その表面硬さが、前記保持器(14)の表面硬さよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 前記保持器(14)に、前記内輪(11)および前記外輪(12)の少なくとも一方に臨むように径方向に突出した複数の隆条体(15、16)が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の転がり軸受。
  4. ディーゼルエンジンの回転軸を支持する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の転がり軸受。
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