JP2019132366A - コンロッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロッド部とキャップ部とを脆性破断することにより破断面の面性状が確保されたコンロッドの製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】コンロッドの長手方向の端部に形成された貫通孔を前記長手方向に拡張することにより、前記コンロッドをロッド部とキャップ部とに破断分割するコンロッドの製造方法において、前記端部に、前記長手方向に交差する交差方向の引張荷重を予圧として付与する予圧工程と、前記端部に前記予圧が付与された状態で、前記長手方向の引張荷重を前記端部に付与することにより前記端部を前記ロッド部と前記キャップ部とに破断分割する破断工程と、を備えたコンロッドの製造方法。【選択図】図5

Description

本発明は、コンロッドの製造方法に関する。
コンロッドの長手方向の端部に形成された貫通孔を長手方向に拡張することにより、コンロッドをロッド部とキャップ部とに破断分割する方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2016−089977号公報
破断後のロッド部とキャップ部とは、破断面同士が合わさって組み付けられる。ここで、ロッド部とキャップ部との破断が、塑性変形を伴う延性破断により行われると、破断面の面性状が低下する。このように破断面の面性状が低下していると、ロッド部とキャップ部との位置合わせの精度が低下する可能性がある。
そこで本発明は、ロッド部とキャップ部とを脆性破断することにより破断面の面性状が確保されたコンロッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的は、コンロッドの長手方向の端部に形成された貫通孔を前記長手方向に拡張することにより、前記コンロッドをロッド部とキャップ部とに破断分割するコンロッドの製造方法において、前記端部に、前記長手方向に交差する交差方向の引張荷重を予圧として付与する予圧工程と、前記端部に前記予圧が付与された状態で、前記長手方向の引張荷重を前記端部に付与することにより前記端部を前記ロッド部と前記キャップ部とに破断分割する破断工程と、を備えたコンロッドの製造方法によって達成できる。
コンロッドの端部に、コンロッドの長手方向に交差する交差方向の引張荷重が予圧として付与されると、端部には結果的にコンロッドの長手方向に沿った圧縮荷重が作用する。このように予圧に起因して端部に長手方向に沿った圧縮荷重が作用した状態で、端部に長手方向の引張荷重が与えられて破断されると、破断時でのすべり変形が抑制される。これにより、脆性破断が確保され、ロッド部とキャップ部との破断面の面性状を確保できる。
前記端部は、前記貫通孔を介して互いに離れ前記長手方向に沿って延びた第1及び第2ボルト孔を有し、前記予圧工程では、前記第1及び第2ボルト孔のそれぞれに挿入された第1及び第2挿入部材を用いて、前記交差方向の引張荷重が前記端部に付与されてもよい。
前記予圧工程では、前記第1及び第2ボルト孔のそれぞれに一方側から挿入された前記第1及び第2挿入部材と、前記第1及び第2ボルト孔のそれぞれに他方側から挿入された第3及び第4挿入部材とを用いて、前記交差方向の引張荷重が前記端部に付与されてもよい。
前記交差方向は、前記貫通孔の軸方向に直交してもよい。
前記交差方向は、前記貫通孔の軸方向に沿っていてもよい。
前記第1及び第2挿入部材は、それぞれ、前記第1及び第2ボルト孔の軸方向に延びた棒状の部材であってもよい。
本発明によれば、ロッド部とキャップ部とを脆性破断することにより破断面の面性状が確保されたコンロッドの製造方法を提供できる。
図1は、コンロッドの製造方法の工程を示したフローチャートである。 図2Aは、母材の説明図であり、図2Bは、図2Aの部分拡大図であり、図2Cは、図2Bの矢視図である。 図3A及び図3Bは、破断分割装置の説明図である。 図4A及び図4Bは、破断分割装置に母材をセットする工程の説明図である。 図5A及び図5Bは、母材に予圧を付与する工程の説明図である。 図6は、大端部に予圧が付与された場合での溝周辺の拡大図である。 図7A及び図7Bは、母材を破断させる工程の説明図である。 図8A及び図8Bは、母材の溝周辺での原子配列を示した説明図である。 図9A及び図9Bは、変形例の破断分割装置の説明図である。 図10は、変形例の破断分割装置により予圧が付与された状態での母材の断面図である。
図1は、コンロッドの製造方法の工程を示したフローチャートである。最初にコンロッドの母材1を準備する(ステップS1)。図2Aは、母材1の説明図である。このコンロッドは、内燃機関に用いられる。母材1は、鋳造又は鍛造により形成された鋼材である。図2Aには、互いに直交したX方向、Y方向、及びZ方向を示している。Y方向及びX方向は、それぞれ母材1の長手方向及び短手方向に相当する。Z方向は、母材1の厚み方向に相当する。尚、X方向は互いに反対向きである+X方向及び−X方向を含むが、本明細書において特に限定しない場合にはX方向と称し、図示した矢印が示すX方向に限定する場合には+X方向と称し、+X方向と反対方向に限定する場合には−X方向と称する。Y方向及びZ方向についても同様である。
母材1では、Y方向の一端側にある小端部11に小端孔12が形成されており、Y方向の他端側にある大端部13には大端孔14が形成されている。小端孔12及び大端孔14は、共に母材1の厚み方向であるZ方向に貫通して形成されている。即ち、小端孔12及び大端孔14の各軸方向はZ方向である。完成後のコンロッドでは、小端孔12及び大端孔14にそれぞれピストンピン及びクランクピンが挿入されて内燃機関に組み付けられる。大端孔14は、小端孔12よりも内径が大きく形成されている。大端孔14は、母材1のY方向の端部である大端部13に形成された貫通孔の一例である。
母材1は、ロッド部20及びキャップ部30を有している。キャップ部30は、ロッド部20から−Y方向に連続している。ロッド部20には、小端部11及び小端孔12や、大端孔14の半円部分が形成されている。キャップ部30には、大端孔14の残りの半円部分が形成されている。ロッド部20とキャップ部30とは、詳しくは後述するが、大端孔14の内周面上に形成された溝17及び18を起点として破断分割される。ロッド部20とキャップ部30とは、詳しくは後述するが、大端孔14内に所定の治具が挿入されてロッド部20を+Y方向に、キャップ部30を−Y方向に引き離すように引張荷重が与えられることにより、溝17及び18を起点として破断分割される。
ロッド部20及びキャップ部30には、破断分割後に互いに接続するためのボルトが挿入されるボルト孔15及び16が形成されている。ボルト孔15及び16は、大端孔14を介してX方向に互いに離れており、Y方向に延びている。具体的にはボルト孔16は、ボルト孔15よりも−X方向に位置している。ボルト孔15及び16は、大端孔14を介して互いに離れY方向に沿って延びた第1及び第2ボルト孔の一例である。
図2Bは、図2Aの部分拡大図であり、図2Cは、図2Bの矢視図である。溝17及び18は、大端孔14を介してX方向に離れた位置に形成され、それぞれZ方向に延びた溝状である。図1Bに示すように、溝17は、Z方向から見てV字状である。溝17は、母材1の厚み方向であり大端孔14の軸方向でもあるZ方向に延びている。溝18についても同様である。溝17及び18は、例えばレーザ加工により予め母材1に形成されている。
次に、破断分割装置Aに母材1をセットする(ステップS3)図3A及び図3Bは、破断分割装置Aの説明図である。図3Aは、Z方向から見た破断分割装置Aを示している。図3Bは、X方向から見た破断分割装置Aを示している。図4A及び図4Bは、破断分割装置Aに母材1をセットする工程の説明図である。図4A及び図4Bは、それぞれ図3A及び図3Bに対応している。尚、図4A及び図4Bに示した母材1において、溝17及び18については図示を省略してある。破断分割装置Aは、母材1を破断分割するための引張荷重を付与するマンドレル90と、母材1を支持すると共に母材1に予圧としての引張荷重を付与する予圧付与機構100とを有している。これらの図では、支持台の面S上に配置された予圧付与機構100を示している。
図3Aに示すように予圧付与機構100は、支持部材101、103、105、及び106を有している。支持部材101及び103はY方向に離れており、支持部材105及び106はX方向に離れている。図4Aに示すように母材1は、小端部11及び大端部13がそれぞれ支持部材101及び103に支持され、母材1の大端孔14を挟んだ両方の側部がそれぞれ支持部材105及び106に支持されるように支持部材101等の上にセットされる。
図3Aに示すように、マンドレル90は、予圧付与機構100よりも上方側から支持部材103、105、及び106の間に挿入される。マンドレル90は、Y方向に離間可能な半割型のマンドレル半部92及び94からなる。図4Aに示すように、予圧付与機構100にセットされた母材1の大端孔14内に、マンドレル半部92及び94が挿入される。
予圧付与機構100は、案内部材115及び116、可動台120及び130、駆動機構140及び150を有している。案内部材115及び116は、互いにX方向に離れておりY方向に並行である。可動台120及び130は、案内部材115及び116によりY方向に移動可能に支持されている。尚、案内部材115及び116は共に支持部材101を貫通しており、案内部材115及び116はそれぞれ支持部材105及び106を貫通している。案内部材115及び116は、支持部材101、105、及び106に対して移動不能に固定されている。可動台120は、支持部材101と、支持部材105及び106との間でY方向に移動可能に支持されている。可動台130は、支持部材105及び106を介して可動台120とは反対側でY方向に移動可能に支持されている。
可動台120及び130はそれぞれ上面に駆動機構140及び150を保持している。駆動機構140は挿入部材145及び146を有している。挿入部材145及び146は、互いにX方向に離れてY方向に平行に延びた棒状の部材である。挿入部材145及び146は、それぞれY方向に垂直な断面形状は円形である。駆動機構140は、アクチュエータとこのアクチュエータの動力を挿入部材145及び146に伝達する機構を内蔵している。このアクチュエータの動力により、挿入部材145及び146はX方向に所定の間隔だけ接近及び離間する。同様に、駆動機構150は、挿入部材155及び156を有している。挿入部材155及び156は、互いにX方向に離れてY方向に平行に延びた棒状の部材である。挿入部材155及び156は、それぞれY方向に垂直な断面形状は円形である。駆動機構150はアクチュエータとこのアクチュエータの動力を挿入部材155及び156に伝達する機構を内蔵している。このアクチュエータの動力により、挿入部材155及び156はX方向に所定の間隔だけ接近及び離間する。
図3Aに示すように、挿入部材145及び155は、同一軸線上に位置し、挿入部材146及び156も同一軸線上に位置する。図3AAの状態では、挿入部材145及び146のX方向での間隔は、母材1のボルト孔15及び16のX方向での間隔と略同じに設定されている。挿入部材155及び156についても同様である。このような状態で図4Aに示すように、挿入部材145及び155の軸線が母材1のボルト孔15を通過し、挿入部材146及び156の軸線と母材1のボルト孔16を通過するように、支持部材101等の上に母材1がセットされる。尚、駆動機構140の上面には、図4Bに示すように、支持部材101等の上にセットされた母材1との干渉を防ぐための凹部141が形成されている。また、可動台130の支持部材103側の縁には、可動台130が支持部材103に接近した際に干渉を防ぐための凹部133が形成されている。
次に、母材1に予圧を付与する(ステップS5)。図5A及び図5Bは、母材1に予圧を付与する工程の説明図である。案内部材115及び116により可動台120は−Y方向に案内され、可動台130は+Y方向に案内されて、挿入部材145及び146は母材1のボルト孔15及び16のそれぞれに小端部11側から挿入され、挿入部材155及び156はボルト孔15及び16のそれぞれに大端部13側から挿入される。挿入部材145及び146は、ボルト孔15及び16のそれぞれに小端部11側から挿入された第1及び第2挿入部材の一例であり、挿入部材155及び156は、ボルト孔15及び16のそれぞれに大端部13側から挿入された第3及び第4挿入部材の一例である。
ボルト孔15内で挿入部材145及び155の先端同士が接触しボルト孔16内で挿入部材146及び156の先端同士が接触する前に、可動台120及び130が停止される。この状態で、挿入部材145及び146は互いにX方向に離れるようにそれぞれボルト孔15及び16の内周面を押圧し、同様に挿入部材155及び156も互いにX方向に離れるようにそれぞれボルト孔15及び16の内周面を押圧する。これにより母材1の大端部13には、ボルト孔15側から+X方向に、ボルト孔16側からは−X方向に引張荷重が予圧として付与される。ステップS5の工程は、大端部13に、長手方向に交差する交差方向であるX方向の引張荷重を予圧として付与する予圧工程の一例である。
図6は、大端部13に予圧が付与された場合での溝17及び18周辺の拡大図である。大端部13にX方向の引張荷重が予圧として与えられることにより、ポアソン効果により、少なくとも大端孔14周辺には大端孔14をY方向に押しつぶすように圧縮荷重が作用する。尚、予圧が付与された状態では、挿入部材145及び155がボルト孔15の内周面の大端孔14から離れた側に接触し、挿入部材146及び156がボルト孔16の内周面の大端孔14から離れた側に接触している。このため、母材1のX方向やZ方向での位置ずれが抑制される。
次に、上述した予圧が付与された状態で母材1を破断させる(ステップS7)。図7A及び図7Bは、母材1を破断させる工程の説明図である。図7A及び図7Bに示すように、マンドレル半部92が+Y方向に移動しマンドレル半部94が−Y方向に移動して大端孔14の内周面を押圧することにより、大端部13にY方向の引張荷重が与えられる。これにより、溝17を起点として+X方向に亀裂が進行し、溝18を起点として−X方向に亀裂が進行して、大端部13はロッド部20とキャップ部30とに破断される。また、詳しくは後述するが、予圧が付与された状態で母材1が破断されることにより、脆性破断が確保され、破断面Fの面性状が確保される。従って、破断面F同士の位置合わせの精度が確保される。ステップS7の工程は、大端部13に予圧が付与された状態で、長手方向の引張荷重を大端部13に付与することにより大端部13をロッド部20とキャップ部30とに破断分割する破断工程の一例である。
また、破断時には、ロッド部20側のボルト孔15及び16の内周面がそれぞれ挿入部材145及び146に摺接して+Y方向に移動し、キャップ部30側のボルト孔15及び16の内周面がそれぞれ挿入部材155及び156に摺接して−Y方向に移動する。即ち、破断によりロッド部20及びキャップ部30との移動を許容しつつ、破断の最中でのこれらの部材のX方向及びZ方向の位置ずれが規制される。挿入部材145、146、155、及び156と、ボルト孔15及び16とは共にY方向に延びているからである。
次に、予圧が付与された状態で破断されることにより脆性破断が確保される仕組みについて説明する。図8A及び図8Bは、母材1の溝17周辺での原子配列を示した説明図である。図8A及び図8Bには、A列原子、B列原子、すべり面間距離a、すべり方向の原子間距離bを示している。A列原子及びB列原子は、それぞれX方向に並んでいる。A列原子とB列原子とはY方向に隣接している。大端部13はY方向の引張荷重により破断するため、破断時でのすべり方向はX方向である。ここで、X方向で大端部13に作用するせん断応力が臨界せん断応力τmを超えることにより母材1は破断する。臨界せん断応力τmは、母材1の剛性率Gとすると、以下の式により算出できる。
τm=G・b/(2πa)・・・(1)
ここで、上述した予圧が付与されていない状態での臨界せん断応力をτmとし、予圧が付与された状態での臨界せん断応力をτm´とする。上述した予圧が付与されることにより、図8Bに示すようにA列原子とB列原子との間にはY方向の圧縮荷重が作用する。このため、予圧が付与された場合でのすべり面間距離a´は、予圧が付与されていない状態でのすべり面間距離aよりも短くなる。即ち、a´<aの関係式が成立し、上述した式(1)より、τm´>τmの関係式が成立する。このため予圧が付与された状態では、大端部13に作用するせん断応力が、臨界せん断応力τmよりも大きい臨界せん断応力τm´を超えた場合に大端部13は破断する。このように臨界せん断応力が増大することにより、A列原子とB列原子との結合が切断されやすくなり、破断時のすべり変形が抑制される。即ち、破断時での塑性変形が抑制されて、脆性破断が確保される。
ここで、例えば大端孔14の内周面のボルト孔15側を+X方向に押圧し、大端孔14の内周面のボルト孔16側を−X方向に押圧することにより、大端部13に予圧を付与することが考えられる。しかしながらこの場合、予圧の作用点はボルト孔15及び16よりも内側に位置する大端孔14の内周面上となる。このため、予圧を付与してもボルト孔15及び16が縮小するように変形して、ボルト孔15よりも+X方向の外側の部分や、ボルト孔16よりも−X方向の外側の部分には、荷重が十分に作用せずに、脆性破断を確保することができない可能性がある。これに対して本実施例では、ボルト孔15及び16の内周面が予圧の作用点となり、ボルト孔15よりも+X方向の外側の部分や、ボルト孔16よりも−X方向の外側の部分にも、荷重を十分に作用させることができるため、脆性破断を確保できる。
尚、上述した大端部13に付与される予圧は、この予圧により大端部13に作用する圧縮応力が大端部13の弾性限度以下となるように、予め調整されている。このため大端部13に付与された予圧に起因して大端部13が塑性変形することが抑制される。
また、挿入部材145、146、155、及び156は、母材1の大端部13に上述の予圧を付与すると共に、母材1の位置ずれを抑制しつつ、大端部13の破断時でのロッド部20及びキャップ部30の移動方向を制限する。このように挿入部材145、146、155、及び156には、機能が集約化されており、破断分割装置の部品点数の増大や製造コストの増大が抑制されている
また、母材1の材料を、脆性破断が容易な材料に変更することにより、脆性破断を確保することも考えられる。しかしながらこの場合、材料コストが増大する可能性がある。また、このような材料で製造されたコンロッドの耐久性にも影響を与える可能性がある。従って本実施例のように予圧を付与して母材1の大端部13を破断することにより、材料コストを抑制し耐久性をも確保しつつ、脆性破断を確保できる。
挿入部材145、146、155、及び156は、断面形状が円形であるがこれに限定されない。これらの断面形状は、大端部13に予圧を付与する際にボルト孔15又は16の内周面に沿った円弧部を有した扇形状であってもよい。また、断面形状が角柱状であってもよい。
本実施例では、ボルト孔15の両側から挿入された挿入部材145及び155と、ボルト孔16の両側から挿入された挿入部材146及び156とにより母材1の大端部13に予圧が付与されたが、これに限定されない。例えば、駆動機構150が設けられておらず、挿入部材145及び146のみにより大端部13に予圧を付与してもよい。また、駆動機構140が設けられておらずに、挿入部材155及び156のみにより大端部13に予圧を付与してもよい。尚、この場合、挿入部材がそれぞれボルト孔15及び16にできるだけ深く挿入された状態で大端部13に予圧を付与することが好ましい。ボルト孔15及び16の軸方向、即ちY方向での予圧の分布を均一化でき、これにより予圧に起因する圧縮荷重のY方向でのばらつきを抑制できるからである。
次に変形例について説明する。図9A及び図9Bは、変形例の破断分割装置Aaの説明図である。図9A及び図9Bは、それぞれ図3A及び図3Bに対応している。変形例において、上記実施例と同一・類似の構成については同一・類似の符号を付することにより重複する説明を省略する。
破断分割装置Aaの予圧付与機構100aの駆動機構140aは、挿入部材145a、145b、146a、及び146bを有している。挿入部材145a及び145bは互いにZ方向に重なっており、挿入部材146a及び146bも互いにZ方向に重なっている。駆動機構140aはアクチュエータを内蔵しており、このアクチュエータにより挿入部材145a及び145bをZ方向に所定の間隔だけ接近及び離間可能に保持し、同様に挿入部材146a及び146bをZ方向に所定の間隔だけ接近及び離間可能に保持している。同様に、予圧付与機構100aの駆動機構150aは、挿入部材155a、155b、156a、及び156bを有している。挿入部材155a及び155bは互いにZ方向に重なっており、挿入部材156a及び156bも互いにZ方向に重なっている。駆動機構150aはアクチュエータを内蔵しており、このアクチュエータにより挿入部材155a及び155bをZ方向に所定の間隔だけ接近及び離間可能に保持し、同様に挿入部材156a及び156bをZ方向に所定の間隔だけ接近及び離間可能に保持している。
図10は、変形例の破断分割装置Aaにより予圧が付与された状態での母材1の断面図である。図10は、Y方向に垂直な断面を示している。尚、図10においては、マンドレル90については図示を省略してある。ボルト孔15に挿入部材145a及び145bが挿入されて、ボルト孔16に挿入部材146a及び146bが挿入されている。また、図10には示されていないが、ボルト孔15に挿入部材155a及び155bが挿入され、ボルト孔16に挿入部材156a及び156bが挿入されている。この状態で、挿入部材145a及び145bは互いにZ方向に離れるようにボルト孔15の内面を押圧し、同様に挿入部材155a及び155bは互いにZ方向に離れるようにボルト孔15の内面を押圧する。また、挿入部材146a及び146bが互いにZ方向に離れるようにボルト孔16の内面を押圧し、同様に挿入部材156a及び156bは互いにZ方向に離れるようにボルト孔16の内面を押圧する。このようにして、母材1の大端部13には、大端孔14の軸方向であるZ方向に予圧が付与される。このようにX方向ではなくZ方向に引張荷重が予圧として付与された場合であっても、大端部13にはY方向に圧縮荷重が作用して、脆性破断を確保することができる。即ち変形例では、上述した実施例とは異なり、大端部13に、母材1の長手方向に交差する交差方向であるZ方向に引張荷重を予圧として付与される。
本変形例では、ボルト孔15及び16のそれぞれの内部に、Z方向に重なって2つの挿入部材が挿入される。このため、本変形例は、ボルト孔15及び16の内径が大きい場合、即ち、母材1が大型の場合に適している。
尚、本変形例においても、駆動機構150aが設けられておらず、挿入部材145a、145b、146a、及び146bのみにより大端部13に予圧を付与してもよい。また、駆動機構140aが設けられておらずに、挿入部材155a、155b、156a、及び156bのみにより大端部13に予圧を付与してもよい。尚、この場合も、挿入部材がそれぞれボルト孔15及び16にできるだけ深く挿入された状態で大端部13に予圧を付与することが好ましい。
上述の実施例及び変形例では、予圧として付与される引張荷重の方向は、破断時に大端部13に作用する引張荷重の方向であるY方向に直交する方が好ましいが、これに限定されない。上記実施例では、予圧として付与される引張荷重のX方向及びY方向の各成分に関してX方向の成分の方が大きくなる範囲で、予圧として付与される引張荷重の方向がY方向に交差していればよい。上記変形例の場合には、予圧として付与される引張荷重のZ方向及びY方向の各成分に関してZ方向の成分の方が大きくなる範囲で、予圧として付与される引張荷重の方向がY方向に交差していればよい。何れの場合にも、予圧に起因して大端部13にY方向に圧縮荷重が作用するからである。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 母材
13 大端部(端部)
14 大端孔(貫通孔)
15、16 ボルト孔
17、18 溝
20 ロッド部
30 キャップ部
A 破断分割装置
145、146、155、156 挿入部材

Claims (6)

  1. コンロッドの長手方向の端部に形成された貫通孔を前記長手方向に拡張することにより、前記コンロッドをロッド部とキャップ部とに破断分割するコンロッドの製造方法において、
    前記端部に、前記長手方向に交差する交差方向の引張荷重を予圧として付与する予圧工程と、
    前記端部に前記予圧が付与された状態で、前記長手方向の引張荷重を前記端部に付与することにより前記端部を前記ロッド部と前記キャップ部とに破断分割する破断工程と、を備えたコンロッドの製造方法。
  2. 前記端部は、前記貫通孔を介して互いに離れ前記長手方向に沿って延びた第1及び第2ボルト孔を有し、
    前記予圧工程では、前記第1及び第2ボルト孔のそれぞれに挿入された第1及び第2挿入部材を用いて、前記交差方向の引張荷重が前記端部に付与される、請求項1のコンロッドの製造方法。
  3. 前記予圧工程では、前記第1及び第2ボルト孔のそれぞれに一方側から挿入された前記第1及び第2挿入部材と、前記第1及び第2ボルト孔のそれぞれに他方側から挿入された第3及び第4挿入部材とを用いて、前記交差方向の引張荷重が前記端部に付与される、請求項2のコンロッドの製造方法。
  4. 前記交差方向は、前記貫通孔の軸方向に直交する、請求項1乃至3の何れかのコンロッドの製造方法。
  5. 前記交差方向は、前記貫通孔の軸方向に沿っている、請求項1乃至3の何れかのコンロッドの製造方法。
  6. 前記第1及び第2挿入部材は、それぞれ、前記第1及び第2ボルト孔の軸方向に延びた棒状の部材である、請求項2乃至5の何れかのコンロッドの製造方法。
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