JP2019132187A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】2系統冷却方式の内燃機関において、圧損の低減や構造の簡単化を図る。【解決手段】シンリダブロック1に、横穴方式のサーモ室12と、これに連通した送水通路21とが形成されている。送水通路21にはバイパス通路26が連通しており、バイパス通路26とサーモ室12とは第1冷却水出口穴11に連通している。サーモ室12をサーモ弁で開閉することにより、冷却水は、ヘッドジャケットに流れる状態とブロックジャケット3に流れる状態に切り変わる。サーモ室12を閉じる蓋体14に、冷却水をスムースに方向変換させる整流ガイド部15を内向き突設している。また、送水通路21の軸心をサーモ室12の軸心よりも高くして、サーモ室12に旋回流を生成させることにより、圧損の更なる抑制等を図っている。【選択図】図4

Description

本発明は内燃機関に関するもので、特に、冷却水の流れの制御態様に特徴を有している。
内燃機関ではリンダヘッドとブロックジャケットとを冷却水で冷却しているが、冷間始動時のように低温環境下での運転では、ブロックジャケットを冷却水すると過冷却になることがある。そこで、暖機運転時にはシリンダヘッドのみを冷却するように制御する2系統冷却が提案されている。
その例として、本願出願人は、特許文献1において、シンリダブロックの長手一側面に、シンリダブロックのジャケットに連通した流入通路と、シリンダヘッドのジャケットに連通した流入通路との2つの通路を横向きに開口するように形成して、それぞれの通路に制御弁を設けることを開示した。
特開2015−190350号公報
特許文献1は、シンリダブロック及びシリンダヘッドへの冷却水の流れの制御は概念的に示しており、実用化に当たってはまだ改良の予知があった。例えば、特許文献1では、シンリダブロックに向かう流入通路とシリンダヘッドに向かう流入通路とは、シンリダブロックの外側に配置した送水通路から冷却水が流れるようになっているが、内燃機関のコンパクト化や部材点数の低減によるコストダウンなどのためには、送水通路をシンリダブロックの内部に形成するのが好ましい。
また、冷却水は、送水通路をクランク軸線方向に流れてから、クランク軸線と直交した方向に方向変換して流入通路に流れ込むが、流れ方向が急激な変化すると圧損が大きくなる問題があり、従って、冷却水の流れのスムース化も図る必要がある。
本願発明は、このような現状に鑑み成されたものであり、改良された冷却構造を提供せんとするものである。
本願発明は様々の構成を含んでおり、その典型を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は、
「シリンダボアの群を囲うようにして冷却水が流れるブロックジャケットを上向き開口させたシンリダブロックと、冷却水が流れるヘッドジャケットを内部に形成したシリンダヘッドとを備えており、ウォータポンプで圧送された冷却水が、前記ブロックジャケット及びヘッドジャケットに流れるようになっており、
前記シンリダブロックに、前記ブロックジャケットへの冷却水の流れとヘッドジャケットへの冷却水の流れとを制御するためのサーモ弁を配置したサーモ室が、前記シンリダブロックの外周部のうちクランク軸線と平行な長手一側面に向けて開口するように横穴状に形成されており、
前記サーモ室には、ウォータポンプの吐出口と連通した冷却水入口穴が、クランク軸線と平行な方向に向けて開口するように形成されていると共に、奥部には冷却水出口穴が連通して、かつ、前記サーモ室は、前記シンリダブロックの長手一側面の側に配置された蓋体で塞がれている」
という基本構成において、
「前記蓋体に、前記サーモ弁の冷却水入口穴から流入した冷却水が奥部に向けて方向変換ようにガイドする整流ガイド部を設けている」
という構成が付加されている。
請求項2の発明は、請求項1と同じ基本構成において、
「前記サーモ室の軸心と冷却水入口穴の軸心とを上下方向にずらすことにより、前記サーモ弁に冷却水の旋回流が生成することを許容している」
という構成になっている。
請求項2の展開例として、請求項3では、
「前記冷却水入口穴の軸心は前記サーモ室の軸心よりも上に位置している一方、
前記シンリダブロックには、前記ウォータポンプの吐出口及び前記サーモ室の冷却水入口穴に連通した送水通路が、クランク軸線方向に延びるように形成されていて、前記ウォータポンプの吐出口は前記送水通路よりも下方に位置しており、
前記ウォータポンプの吐出口から出た冷却水が、上向きに流れてから方向変換して前記冷却水入口穴に向かうように設定されている」
という構成になっている。
請求項4では、請求項2又は3の展開例として、
「前記蓋体には、前記サーモ弁を押さえ保持するピンと、冷却水の一部を外部に取り出す冷却水取り出し口とが上下にずれるように形成されており、かつ、前記冷却水取り出し口は、前記サーモ室の軸心を挟んで前記冷却水入口穴と反対側に形成されている」
という構成になっている。
サーモ室は、サーモ弁を挿入するためにシンリダブロックの長手一側面に向けて開口していることは必須であり、従って、サーモ室を塞ぐ蓋体も必要になる。そして、請求項1の発明では、サーモ室を塞ぐ蓋体を利用して冷却水がスムースに方向変換されるため、部材点数を増大させることなく、冷却水の流れの圧損を低減できる。従って、圧損の低減による燃費の向上を、できるだけコストを抑制した状態で実現できる。
整流ガイド部としては、サーモ室の軸心に対して傾斜した平板状の反らせ板を設けるといったことも可能であるが、実施形態のように、整流ガイド部を、冷却水入口穴に向けて開口したU形の基本形態として、整流ガイド部の内面と蓋体の内面とが連接する部分を湾曲したガイド面に形成すると、冷却水の流れのガイド機能を向上できて好適である。
請求項2では、前記サーモ室の軸心と冷却水入口穴の軸心とを上下方向にずらすことにより、前記サーモ弁に冷却水の旋回流(渦流)が生成するが、冷却水がサーモ室を旋回すると、それだけ流れがスムースになって、圧損を抑制した状態で方向変換できる。従って、請求項1と同様に、圧損の低減による燃費の向上を、コストを抑制した状態で実現できる。
また、請求項2では、冷却水の運動エネルギがサーモ室を旋回することによって削がれるため、冷却水がブロックジャケットに勢い良く流入することを抑制できる。これにより、ブロックジャケットが部分的に過冷却になることを防止又は著しく抑制できる。その結果、シンリダブロックの熱分布の不均一化を抑制して、ピストンの摺動抵抗の増大を防止できる。この面でも、燃費の向上に貢献できる。
サーモ室にはサーモ弁が配置されているが、サーモ弁は冷却水の流れに対して抵抗として作用する。そして、請求項2では、冷却水がサーモ室の内部を旋回して流れるため、冷却水はサーモ弁の軸心回りに旋回しながら流れる傾向を呈することになる。このため、サーモ弁との衝突による圧損も著しく抑制できるし、冷却水は、攪拌されて温度が均一化された状態でサーモ弁にまんべんなく当たる。従って、サーモ弁を温度に応じて正確に作動させることができる。この点も請求項2の利点である。
請求項1と請求項2とは相反するものではなく、両者を組み合わせることにより、互いの効果を向上させることができる。すなわち、請求項1の整流ガイド部は、旋回流を生成するための部材として機能することができる。換言すると、整流ガイド部に、方向変換のスムース化の機能と旋回流の生成機能を保持させることができる。
請求項3の構成では、ウォータポンプから吐出された冷却水は、上向きに向かうように方向性が付与されて送水通路からサーモ室に噴出するため、旋回流の生成機能を更に向上できる。この場合、実施形態のように、送水通路の下面のうちウォータポンプの吐出口に近い側を湾曲させると、冷却水をウォータポンプの吐出口から送水通路にスムースに流すことができるため、特に好適である。
請求項3とは異なって、ウォータポンプの吐出口を送水通路よりも上に配置することも可能である、この場合は、送水通路の出口(サーモ室の冷却水流入穴)をサーモ室の軸心よりも下に位置させると、旋回流を生成させることができる。
内燃機関において、シンリダブロック及びシリンダヘッドの他の部材を冷却水で冷却することは広く行われている。例えば、ターボ過給機を水冷式とすることが行われている。そして、ターボ過給機を冷却する冷却水はできるだけ低温であることが好ましく、従って、ターボ過給機に向かう冷却水は、シンリダブロック及びシリンダヘッドに流れる前の段階で取り出すのが好ましい。
この点、請求項4の構成を採用すると、蓋体に形成した冷却水取り出し口を利用してターボ過給機用等の冷却水を取り出すことができるため、部材点数を抑制してコストダウンに貢献できる。
また、冷却水取り出し口はサーモ室の軸心を挟んで冷却水入口穴と反対側に形成されているため、旋回流の生成機能を一層向上できる。つまり、請求項4の構成では、サーモ室の軸心を挟んで冷却水入口穴と反対側において圧力が下がるため、冷却水を冷却水入口穴と反対側に引く作用が生じて、冷却水に、サーモ室の軸心回りに旋回する方向性が強く付与されるのであり、これにより、旋回流(渦流)の生成機能を一層向上させて、冷却水の流れのスムース化等を向上できる。
(A)はシンリダブロックと蓋体との分離斜視図、(B)は蓋体を表から見た斜視図である((A)において、蓋体はシンリダブロックの縮尺よりも大きく表示している。)。 (A)はシンリダブロックの要部正面図、(B)はウォータポンプを構成するカバーハウジングの正面図である。 シンリダブロックの要部側面図ある。 (A)はシンリダブロックの要部平面図、(B)は図3の IVB-IVB視断面図である((A)において、網かけ表示している部分は、シンリダブロックの上面である。)。 (A)は図4(B)の VA-VA視断面図、(B)は図4(B)の VB-VB視断面図である。 図4(B)のVI-VI 視断面図である。 図6の VII-VII視断面図である。
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下では、方向を特定するため前後・左右の文言を使用するが、内燃機関の一般的な呼び方に基づいて、クランク軸線方向を前後方向としている。正確には、タイミングチェーンを配置している側を前としている。
左右方向は、クランク軸線及びシリンダボア軸線と直交した方向である。念のため、図1に方向を明示している。上下方向はシリンダボア軸線方向と定義している。従って、スラント型の内燃機関の場合は、上下方向と鉛直方向とは相違する。
(1).概要
本実施形態の内燃機関は3気筒であり、従って、図1のとおり、シンリダブロック1には、3つのシリンダボア2が一列に並んで形成されている。シンリダブロック1には、シリンダボア2の群を囲うブロックジャケット3が上向きに開口している。
また、シンリダブロック1の前面(一端面)1aのうち排気側面(長手一側面)1bに寄った部位に、ウォータポンプ4の一部を構成するポンプハウンジング5が、排気側面1bから右側に部分的にはみ出るようにして形成されている。ポンプハウンジング5には、羽根車(図示せず)が配置される渦室6を形成している。
渦室6には上向きの吐出通路7が連通しており、吐出通路7の上端部が吐出口7aになっている。また、渦室6の下部には、水平状還流通路8の終端が連通している。水平状還流通路8はシンリダブロック1の肉厚部内に形成されており、クランク軸線と平行に形成されている。シンリダブロック1の後端部には、水平状還流通路8に連通した縦長還流通路9が、上向きに開口するように形成されている。
シリンダヘッド10を冷却した冷却水は、ラジエータへの通水等を制御する制御ユニット部を経由して、シリンダヘッド10に形成した縦長通路を経由して還流通路9,8に還流し、ウォータポンプ4で圧送される。
シンリダブロック1の上面のうち排気側面1bに寄った部位に、上向きに開口した第1冷却水出口穴11が形成されており、シンリダブロック1の排気側面1bには、第1冷却水出口穴11とは分離した横穴状のサーモ室12が形成されている。図7に示すように、サーモ室12の奥部には、ブロックジャケット3に連通した第2冷却水出口穴12bが連続している。
図4(A)や図6のとおり、サーモ室12は側面視円形に形成されている(ブロックジャケットと連通した第2冷却水出口穴12bは、上下長手の小判形に形成されている。サーモ室12のうち開口部の半分程度は断面円形であり、サーモ室12を囲うようにボス部13が形成されていて、このボス部13に、サーモ室12を塞ぐ蓋体14がボルト14a(図7参照)で固定されている。
例えば図1に示すように、蓋体14は、サーモ室12を塞ぐ円板部から上下に突出したフランジ部を有する目玉状の形態になっており、上下両端部がボルト(図示せず)でボス部13に固定されている。そして、蓋体14の内面には、手前に向けて開口したU型の(馬蹄形)の整流ガイド部15が内向きに突設されている。
図5(A)に明示するように、整流ガイド部15の曲率半径の中心は、蓋体14の中心及びサーモ室12の軸心12aと一致している。また、整流ガイド部15の内面と蓋体14の内面とは、隅肉を付けたように滑らかな曲面によって連続している。換言すると、整流ガイド部15の内面と蓋体14の内面とが、大きなアールの湾曲面(ガイド面)16を介して連続している。湾曲面16の湾曲の程度は、上下中部において最も大きくて、上下の端に分けて小さくなっている(湾曲の程度は、上下全体に亙って同じにしてもよい。)。
蓋体14の内面のうちサーモ室12の中心よりも僅かに下の位置に、サーモ弁18(図7参照)を押さえ保持するピン19が、内向きに突設されている。また、ピン19よりも少し下方で少し手前の部位に、冷却水の一部を蓋体14の外側に取り出す冷却水取り出し口20が開口している。蓋体14には、冷却水取り出し口20と連通した筒部20aが一体に形成されており、筒部20aにホース(図示せす)が接続される。冷却水取り出し口20から取り出された冷却水は、例えばターボ過給機に送られる(他のクーラ類に送水してもよい。)。
(2).冷却水の流れ構造
図4(B)や図6に示すように、シンリダブロック1には、ウォータポンプ4の吐出口7aとサーモ室12との連通させる送水通路21が、前後方向に延びるように形成されている。従って、サーモ室12には、送水通路21と連通した冷却水流入穴22が手前に向けて開口している。
図6のとおり、送水通路21の軸心21aは、サーモ室12の軸心12aよりも少し上に位置している。また、送水通路21の下面21bのうち吐出口7aに寄った部分は、吐出口7aに向けて低くなるように湾曲している。或いは、吐出通路7と送水通路21との連通部の下面が、後ろ下方に向けて凹むように湾曲していると言ってもよい(吐出通路7と送水通路21との境界は必ずしも明確でないので。)。
図3や図4に示すように、ポンプハウンジング5には、ウォータポンプ4を構成するカバーハウジング23が固定されている。カバーハウジング23の正面視形状は図2(B)に明示している。図3及び図4(A)のとおり、カバーハウジング23には、一端部にプーリ24が固定された回転軸が回転自在に配置されており、回転軸の他端部に、渦室6に配置された羽根車が固定されている。図2において、羽根車は反時計回りに回転する。なお、ウォータポンプ4の吐出通路7は、カバーハウジング23によっても構成されている。
既述のとおり、シンリダブロック1の上面には第1冷却水出口穴11が形成されて、第1第1冷却水出口穴11の下半部とサーモ室12とが連通している。図4(A)のとおり、第1第1冷却水出口穴11は手前側において前後幅が広くて、後ろ側は台形状になっている。
そして、図4〜7に、第1第1冷却水出口穴11とシリンダヘッド10のジャケット(ヘッドジャケット)とを連通させる中継通路26が表示されているが、この中継通路26は、図4(A)において一点鎖線の平行斜線で示すように、第1冷却水出口穴11のうち手前側に位置したある程度の部分と連通しており、第1冷却水出口穴11の全体とは連通していない。
そして、ブロックジャケット3と第1冷却水出口穴11とを仕切る隔壁のうち後部に、冷却水を第1冷却水出口穴11からブロックジャケット3に流すための切欠き溝27を形成している。従って、切欠き溝27は、シリンダヘッド10の中継通路26の後ろに位置している。なお、図5において示す符号28はガスケットであり、中継通路26の箇所はくり抜かれている。
図4(A)(B)に示すように、第1冷却水出口穴11の前端はサーモ室12の前端よりも手前にずれており、図4(B)及び図6に示すように、シンリダブロック1のうちサーモ室12の手前側に、送水通路21と第1冷却水出口穴11とに連通したバイパス通路29を形成している。
図5(B)に示すように、第1冷却水出口穴11のうち手前側の部分は深くなっていて、この深くなった部分にバイパス通路29が連通している。他方、第1冷却水出口穴11のうちサーモ室12の上に位置した部分は浅くなっていて、サーモ室12とは連通していない。すなわち、第1冷却水出口穴11のうち浅くなっている部分の下方にサーモ室12の奥部が配置されている。従って、既述のとおり、第1冷却水出口穴11とサーモ室12とは隔壁によって分断されている。
そして、サーモ室12が塞がれると、冷却水はバイパス通路29を介して第1冷却水出口穴11に流れて、サーモ室12が塞がれていない状態では、冷却水の一部はバイパス通路29第1冷却水出口穴11に流入して、冷却水の残りの部分は、サーモ室12から第2冷却水出口穴12bを系有しブロックジャケット3に流れる。
また、第1冷却水出口穴11に流入した冷却水は、中継通路26を介してヘッドジャケットに流れる分と、切欠き溝27を介してブロックジャケット3に流れ分とに分かれるが、バイパス通路29は手前側にずれているため、冷却水が直進性を有することにより、第1冷却水出口穴11に流入した冷却水の大部分は、中継通路26からヘッドジャケットに流入する。
更に、バイパス通路29は第1冷却水出口穴11の深い部分に連通しているため、バイパス通路29に流入した冷却水は、第1冷却水出口穴11で上向きに流れ方向を変えて中継通路26に流入する。つまり、冷却水が第1冷却水出口穴11で上向きに流れ方向を変えたとき、冷却水の前進方向に中継通路26が位置している。これにより、中継通路26への冷却水の流し込みがスムースに行われる。
第1冷却水出口穴11に流入した冷却水の一部は、切欠き溝27からブロックジャケット3に流入するが、流量割合は、切欠き溝27の面積を調節することによって任意に設定できる。
他方、サーモ室12が開いている状態では、冷却水は、送水通路21を直進するように方向性が付与されていることから、相当の割合がサーモ室12を経由して第1冷却水出口穴11に流入してブロックジャケット3に流入する。また、サーモ室12が開いた状態でも、冷却水はバイパス通路29に流入するため、冷却水は、切欠き溝27からも僅かながらブロックジャケット3に流入する。
(3).サーモ弁
図7では、サーモ室12への冷却水の流れを制御するサーモ弁18を表示している(図1〜6では、図面が煩雑になるため、サーモ弁18は表示していない。)。サーモ弁18は、中心軸32とこれに摺動自在に嵌まったスライド筒33と、スライド筒33を摺動させる感温部34とを有している。感温部34は複合構造になっており、内蔵したワックスの膨張収縮によって、スライド筒33と一体になって中心軸32上を移動する。
中心軸32にはリング状の弁座35が固定されており、弁座35は、サーモ室12に形成した段部36に当接している。また、弁座35には、頂面がピン19に当接する通水自在な穴空きのフロントケージ37が固定されており、中心軸32は、スペーサ38を介してフロントケージ37の内面に当接している。これにより、サーモ弁18はサーモ室12にずれ不能に保持されている。
弁座35には、サーモ室12の奥部に向けて通水自在なリアケージ39が固定されており、リアケージ39に設けた中心筒に、感温部34がスライド自在に嵌まっている。そして、スライド筒33に、弁座35を開閉する弁体40が固定されており、弁体40とリアケージ39との間にばね41を介在させている。
冷却水の温度が所定以上に昇温すると、感温部34に内蔵したワックスが膨張することにより、感温部34及びスライド筒33が、ばね41に抗して図7において左方向に移動する。これにより、弁体40が後退して、既述のとおり、冷却水は第2冷却水出口穴12bを経由してブロックジャケット3に流入する。冷却水の通過量は、弁体40の後退量に比例する。既述のとおり、ピン19は、サーモ室12の軸心12aよりも少し下にずらして配置されている。従って、サーモ弁18の軸心18aも、サーモ室12の軸心12aよりも少し位置している。
(4).まとめ
既に述べたことと重複するが、冷間始動時のように冷却水の温度が予め設定した値よりも低い状態では、サーモ室12はサーモ弁18によって塞がれていて、ウォータポンプ4か3ら吐出された冷却水は、その全部がバイパス通路29を介して第1冷却水出口穴11に流入して、大部分が中継通路26を介してヘッドジャケットに流入する。従って、シンリダブロック1の過冷却を防止できると共に、冷却水の早期昇温を促進して暖機時間の短縮に貢献できる。
冷却水が設定された温度に昇温すると、サーモ弁18の弁体40が後退を開始して、冷却水はサーモ室12から第2冷却水出口穴12bに流入し始めて、ブロックジャケット3にも流入していく。これにより、シンリダブロック1を適切に冷却できる。図示は省略しているが、冷却水は、ブロックジャケット3を経由してヘッドジャケットに流入するようになっている。
サーモ弁18が全開すると、冷却水の大部分(或いはかなりの部分)はブロックジャケット3に流入し、それからヘッドジャケットに流入する。ターボ過給機は、冷却水の温度に関係なく冷却される。
そして、サーモ弁18が開いた状態では、図4(B)に示すように、送水通路21を後ろ向きに流れてきた冷却水は、サーモ室12において左右方向に方向変換するが、冷却水の流れが整流ガイド部15の湾曲面16にガイドされることにより、方向変換がごくスムースに行われる。これにより、冷却水の流れ抵抗(圧損)を著しく低減できる。
また、図6に明示するように、本実施形態では、送水通路21の軸心21aがサーモ室12の軸心12aよりも上に位置しているため、送水通路21からサーモ室12に流入した冷却水は、図6において時計回りの旋回流となる。これによっても、冷却水の勢いが削がれて、圧損を著しく低減できる。すなわち、整流ガイド部15による整流ガイド機能と、旋回流の付与によるガイド機能との相乗効果により、圧損を著しく低減できる。従って、燃費の向上に貢献できる。
また、サーモ弁18の軸心18aがサーモ室12の軸心12aよりも少し下に位置しているため、サーモ弁18が旋回流の生成を阻害するようには作用せず、図7に矢印で示すように、サーモ室12では、サーモ弁18の軸心回りの旋回流が生成される。このため、冷却水をサーモ弁18の感温部34にまんべんなく当てて、サーモ弁18の作動を正確化できる。冷却水が旋回することによる攪拌効果によって冷却水の温度が均一化するが、これによっても、サーモ弁18の作動の正確性を向上できる。
実施形態では、送水通路21の軸心21aはサーモ弁18の軸心18aよりも上に位置しているため、例えば図5(B)の状態では、冷却水は時計回りの旋回となる。送水通路21の軸心21aをサーモ弁18の軸心18aよりも下に位置させると、冷却水の旋回方向は逆になって、冷却水は切欠き溝27に向かうように方向付けられる。
図6のように、送水通路21の下面21bのうち少なくも吐出通路7に寄った部位を湾曲させると、吐出通路7を上向きに流れた冷却水はスムースに方向変換して送水通路21に流入するため、圧損を低減して燃費の向上に貢献できる。
また、送水通路21に流入した冷却水には上向きの方向性が付与されているため、実施形態のように送水通路21の軸心21aをサーモ室12の軸心12aよりも上に位置させると、サーモ室12での旋回流の生成機能が更に向上するといえる。図6に一点鎖線で示すように、送水通路21を、始端から終端に向けて高さが高くなるように傾斜させると、サーモ室12での旋回流生成機能を更に向上できる。
なお、特許文献1では、2つの通路にそれぞれ制御弁を設けているが、本実施形態では、1つのサーモ弁18によって、冷却水が主としてシリンダヘッド10に流れる状態と、主としてブロックジャケット3に流れる状態とに切り換えできるため、2系統冷却方式でありながら、構造を簡単化できる利点がある。
サーモ弁18は、中継通路26への流れとブロックジャケット3への流れとを切り換えるように構成することも可能である。すなわち、サーモ弁18によってパイパス通路29を開閉することも可能である。
本願発明は、内燃機関に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 シンリダブロック
1a 前端面(一端面)
1b 排気側面(長手一側面)
2 シリンダボア
3 ブロックジャケット
4 ウォータポンプ
5 ポンプハウジング
6 ウォータポンプの渦室
7 吐出通路
7a 吐出口
8,9 還流通路
10 シリンダヘッド
11 第1冷却水出口穴
12 サーモ室
12a サーモ室の軸心
12b 第2冷却水出口穴(サーモ室の冷却水出口穴)
14 蓋体
15 整流ガイド部
16 湾曲面
18 サーモ弁
19 サーモ弁を押さえるピン
20 冷却水取り出し口
21 送水通路
22 冷却水流入穴
23 カバーハウジング
26 中継通路
32 サーモ弁の中心軸
34 感温部
35 弁座
40 弁体

Claims (4)

  1. シリンダボアの群を囲うようにして冷却水が流れるブロックジャケットを上向き開口させたシンリダブロックと、冷却水が流れるヘッドジャケットを内部に形成したシリンダヘッドとを備えており、ウォータポンプで圧送された冷却水が、前記ブロックジャケット及びヘッドジャケットに流れるようになっており、
    前記シンリダブロックに、前記ブロックジャケットへの冷却水の流れとヘッドジャケットへの冷却水の流れとを制御するためのサーモ弁を配置したサーモ室が、前記シンリダブロックの外周部のうちクランク軸線と平行な長手一側面に向けて開口するように横穴状に形成されており、
    前記サーモ室には、ウォータポンプの吐出口と連通した冷却水入口穴が、クランク軸線と平行な方向に向けて開口するように形成されていると共に、奥部には冷却水出口穴が連通して、かつ、前記サーモ室は、前記シンリダブロックの長手一側面の側に配置された蓋体で塞がれている構成であって、
    前記蓋体に、前記サーモ弁の冷却水入口穴から流入した冷却水が奥部に向けて方向変換するようにガイドする整流ガイド部を設けている、
    内燃機関。
  2. シリンダボアの群を囲うようにして冷却水が流れるブロックジャケットを上向き開口させたシンリダブロックと、冷却水が流れるヘッドジャケットを内部に形成したシリンダヘッドとを備えており、ウォータポンプで圧送された冷却水が、前記ブロックジャケット及びヘッドジャケットに流れるようになっており、
    前記シンリダブロックに、前記ブロックジャケットへの冷却水の流れとヘッドジャケットへの冷却水の流れとを制御するためのサーモ弁を配置したサーモ室が、前記シンリダブロックの外周部のうちクランク軸線と平行な長手一側面に向けて開口するように横穴状に形成されており、
    前記サーモ室には、ウォータポンプの吐出口と連通した冷却水入口穴が、クランク軸線と平行な方向に向けて開口するように形成されていると共に、奥部には冷却水出口穴が連通して、かつ、前記サーモ室は、前記シンリダブロックの長手一側面の側に配置された蓋体で塞がれている構成であって、
    前記サーモ室の軸心と冷却水入口穴の軸心とを上下方向にずらすことにより、前記サーモ弁に冷却水の旋回流が生成することを許容している、
    内燃機関。
  3. 前記冷却水入口穴の軸心は前記サーモ室の軸心よりも上に位置している一方、
    前記シンリダブロックには、前記ウォータポンプの吐出口及び前記サーモ室の冷却水入口穴に連通した送水通路が、クランク軸線方向に延びるように形成されていて、前記ウォータポンプの吐出口は前記送水通路よりも下方に位置しており、
    前記ウォータポンプの吐出口から出た冷却水が、上向きに流れてから方向変換して前記冷却水入口穴に向かうように設定されている、
    請求項2に記載した内燃機関。
  4. 前記蓋体には、前記サーモ弁を押さえ保持するピンと、冷却水の一部を外部に取り出す冷却水取り出し口とが上下にずれるように形成されており、かつ、前記冷却水取り出し口は、前記サーモ室の軸心を挟んで前記冷却水入口穴と反対側に形成されている、
    請求項2又は3に記載した内燃機関。
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