JP2019132122A - トンネル内部構造及びその構築方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シールドトンネルにインバートを設置した後に、インバート上に微細な破損等が生じても容易に修復することを可能にする。【解決手段】トンネル内部構造は、中間壁30の上部に配置されている床版20と、インバート50を備える。床版20の下方に形成された空間は、中間壁30によって分割され、中間壁30は、軸方向に並んで配置された複数の板状体31によって形成され、インバート50は、軸方向に並んで配置された複数のプレキャストインバート51によって形成される。プレキャストインバート51の平面上のそれぞれには、板状体31が載置され、各プレキャストインバート51上には、各板状体31の下部を埋設するコンクリート層60が打設されている。【選択図】図1

Description

本発明は、トンネル内の床版を支持する中間壁を備えているトンネル内部構造及びその構築方法に関する。
シールドトンネルの内部構造には、トンネル内の底部に起立した状態で配置され、トンネル軸方向に延びている中間壁と、中間壁の上部に配置されている床版と、を備えている構造がある。床版の上部は、一般車両等が走行する車道として用いられ、床版の下方の空間は、排水、電気配線等の保全施設や避難施設等に用いられている。このようなシールドトンネルは、例えば特許文献1に開示されているような構造が知られている。
シールドトンネルの施工には、シールド機が用いられる。シールド機の先端部で地中を掘削し、後方部でセグメントを円周方向に組み立てて掘削断面を支保する覆工を構築することを、1リング毎に繰り返しながら、シールドトンネルを構築する。
中間壁は、複数の板状体がトンネル軸方向に並んで配置されることにより形成されている。これらの板状体は、トンネル軸方向に配置される個々のリングに対応するように配置されている。各板状体は、通常は、略長方形状のプレキャストコンクリートである。ここで、プレキャストコンクリートとは、トンネルの施工現場で組立て及び設置を行うために、工場等で予め製造されたコンクリート部材である。
特開2007−284989号公報
上記例のようなトンネル内部構造の場合、インバートを設置した後に、インバート上を、例えば、後続台車や資機材運搬車両が走行するような場合には、インバート上に微細な破損等が生じる可能性がある。
当該インバートの表面を修復する作業は工期の遅れを発生させる可能性がある。このため、上記例のようなインバートを設置するトンネル内部の構築方法には、改善の余地があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、シールドトンネルにおけるインバートを設置した後に、インバート上に微細な破損等が生じても容易に修復可能なトンネル内部構造及びその構築方法を提供することである。
上記目的を達成するため本発明に係るトンネル内部構造は、トンネル内の底部上に配置され、上部に平面を有しているインバートと、該インバート上に起立した状態で配置され、前記トンネルの軸方向に延びている中間壁と、前記中間壁の上部に配置されている床版と、を備え、前記床版の下方に形成された空間が前記中間壁によって分割されている。当該トンネル内部構造において、前記中間壁は、軸方向に並んで配置された複数の板状体によって形成され、前記インバートは、トンネル軸方向に並んで配置された複数のプレキャストインバートによって形成され、該プレキャストインバートの前記平面上のそれぞれには、前記板状体が載置されており、前記各プレキャストインバート上には、前記各板状体の下部を埋設するコンクリート層が打設されている。
また、本発明に係るトンネル内部構造の一態様としては、前記各板状体の下部には、トンネル軸方向の少なくとも一方に張り出している下側張出部が設けられ、前記床版と、前記各板状体の前記下側張出部との間には、開口部が設けられてもよい。
本発明によれば、シールドトンネルにおけるインバートを設置した後に、インバート上に微細な破損等が生じても容易に修復することが可能となる。
本発明に係るトンネル内部構造の第1の実施形態を概略的に示す斜視図である。 図1のA−A矢視の断面図である。 図2のB−B矢視の一部を示す部分側断面図である。 図3の板状体とプレキャストインバートとの連結部分を示す断面図で、(a)は板状体とプレキャストインバートが連結されている状態を示し、(b)は連結される前の状態を示している。 本発明に係るトンネル内部構造の第2の実施形態の中間壁等を概略的に示す側面図である。 本発明に係るトンネル内部構造の変形例の一つを示す概略側面図である。 本発明に係るトンネル内部構造の別の変形例を示す概略側面図である。
以下に、本発明に係るトンネル内部構造の実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
先ず、本発明に係る第1の実施形態について、図1〜図4を用いて説明する。本実施形態のトンネルは、シールド工法により構築される断面が円形のシールドトンネル1であり、掘削した坑の壁面に組み付けられるリング10を、掘削方向に並んで配置していくことにより構築される。掘削坑の壁面に組み付けられたリング10は、トンネル壁部を構成する。図1では、当該リング10について、全周の図示は省略し、下半分を示している。なお、この例の掘削方向は、トンネル軸方向に相当し、略水平に延びている。
本実施形態のシールドトンネル1は、上述したリング10と、側壁コンクリート部15と、インバート50と、コンクリート層60と、床版20と、中間壁30と、を備えている。中間壁30は、トンネル底部のインバート50の上に起立した状態で配置され、トンネル軸方向に延びている壁である。床版20は、中間壁30の上部に配置されている部材である。床版20の下方に形成された空間は、中間壁30によって分割されている。図2では、分割されている空間のうち図中の左側をX、右側をYで示している。
床版20は、一般車両等が走行する路面や通行人のための路面が上部に形成される部材で、トンネル内を走行する自動車や人等の荷重を直接受けている。当該床版20は、荷重を受けたときであっても、走行性に支障をきたすような変形を起こさずに、当該荷重を中間壁30等に伝えている。
以下、シールドトンネル1を構成する部材について説明する。先ず、リング10について説明する。リング10は、トンネル軸方向長さが例えば1〜2mであり、当該リング10がトンネル軸方向に並んで配置されることにより、トンネル壁部を構成している。個々のリング10は、複数の円弧状セグメント10aにより構成されている。本例では、詳細は省略しているが、リング10は、9等分に分割されている。すなわち、リング10は、9個の円弧状セグメント10aにより構成されている。
側壁コンクリート部15は、トンネル内壁面を構成するリング10の内壁面10bに施工現場で打設される部分で、トンネル軸方向に延びている。側壁コンクリート部15は、トンネル軸方向に対して左右両側のそれぞれに設けられている。側壁コンクリート部15が設置される上下方向位置は、トンネル幅方向長さが最も大きくなる位置より若干下方であり、左右の側壁コンクリート部15の上下方向位置は、等しく配置されている。ここで、トンネル幅方向長さとは、トンネル軸方向に垂直で且つ水平方向の長さであり、図2における左右方向長さである。
各側壁コンクリート部15は、リング接続部15aと、上面部15bとを有している。リング接続部15aは、リング10の内壁面10bに接続される部分で、トンネルの半径方向外側に膨らむ曲面が形成されている。リング接続部15aの曲面は、リング10の内壁面10bに密着可能に形成されている。このリング接続部15aには、せん断抵抗部材等(図示せず)が埋設されている。上面部15bには、トンネル軸方向に延びる平坦面が形成されている。当該平坦面上には、床版20を構成するプレキャスト床版21の長手方向端部が載置されている。プレキャスト床版21については後で説明する。
続いて、インバート50について説明する。インバート50は、シールドトンネル1の底部上に配置され、上部に平坦面を備えている。インバート50の下部は、シールドトンネル1の底面に沿うような下方に膨らむ曲面を備えている。
インバート50は、図1に示すように、トンネル軸方向に列をなすように配置された複数のプレキャストインバート51により形成されている。各プレキャストインバート51は、工場等で予め製造されている部材で、コンクリート及び鉄筋等により形成されている。各プレキャストインバート51のトンネル軸方向長さは、リング10のトンネル軸方向長さに等しくなるように形成されており、各プレキャストインバート51は、各リング10にそれぞれ対応するように配置されている。
プレキャストインバート51は、図1及び図2に示すように、リング10の内壁面10bのうち、シールドトンネル1の底面となる部分を覆う部材であり、トンネル幅方向に延びている部材である。プレキャストインバート51の下部には、リング10の内壁面10bに対応する曲面が形成されており、リング10の内壁面10bに密着可能である。プレキャストインバート51の上部には、水平な平坦面51aが形成されている。この平坦面51aの上に、中間壁30が載置される。この平坦面51aには、後述する凹型金物(穴部)58が設けられている。
続いて、中間壁30について説明する。中間壁30は、床版20の下方に形成された空間を、図2に示す空間X及び空間Yに分割するように、トンネル軸方向に延びている壁であり、トンネル軸方向に並んで配置された複数の板状体31によって形成されている。
ここで、各板状体31について説明する。板状体31は、プレキャストインバート51の上部の平坦面51aの上に配置されており、当該平坦面51aから上方に延びる板状の部材である。1つのプレキャストインバート51に1つの板状体31が取り付けられている。各板状体31は、工場等で予め製造されている部材で、コンクリート及び鉄筋等の鋼と合成材により形成されている。
板状体31は、本体部35、下側張出部32及び上側張出部33を有している。本体部35は、上下方向に延びる略長方形の板状の部分である。下側張出部32は、本体部35の下側の部分で、トンネル軸方向の両側に張り出している。上側張出部33は、本体部35の上側の部分で、トンネル軸方向の両側に張り出している。この例の板状体31のトンネル軸方向に延びる立断面の形状は、図3に示すように、I字形である。
下側張出部32は、トンネル軸方向に延びる略直方体状で、横断面が水平に延びる長方形である。また、下側張出部32の先端には、トンネル軸方向に垂直な長方形の平坦面が形成されている。また、上側張出部33についても、下側張出部32と同様に、略直方体状で、横断面が長方形であり、上側張出部33の先端には、トンネル軸方向に垂直な長方形の平坦面が形成されている。
トンネル軸方向に隣り合う板状体31の下側張出部32の先端の平坦面同士は、直接的または間接的に接続されている状態である。これらの平坦面同士を、例えば、数cm程度の隙間を空けて配置し、後にコンクリート等により隙間を埋めてもよい。同様に、隣り合う板状体31の上側張出部33の先端の平坦面同士についても接続されている。隣り合う板状体31の本体部35のトンネル軸方向間で、互いに接続している上側張出部33と、互いに接続している下側張出部32との上下方向間には、上下方向に延びる長方形の開口部40が設けられている。当該開口部40は、トンネル軸方向に間隔を空けて配置されている。ここで、トンネル軸方向の間隔とは、板状体31の本体部35のトンネル軸方向長さに相当する。当該開口部40は、人間が通り抜けることができる程度の間口となる。
板状体31の下端面31aには、下方に突出する凸型金物(突出部)38が取り付けられ、プレキャストインバート51の上部の平坦面51aには、凸型金物38に対応する凹型金物(穴部)58が設けられている。この例では、当該凸型金物38は、図3に示すように、下側張出部32の根本の位置の下部に配置されている。凸型金物38と凹型金物58とが嵌合している状態で、板状体31とプレキャストインバート51とが連結されている。
ここで、凸型金物38と凹型金物58で構成される接合構造について、図4を用いて説明する。当該接合構造の凸型金物38は、図3及び図4(b)に示すように、板状体31の下部に一部が埋め込まれており、凹型金物58は、プレキャストインバート51の上部に埋め込まれている。
凸型金物38は、図4(b)に示すように、全体として円筒形状の部材であり、インサート部38aとピンボルト38bを有している。インサート部38aは、板状体31の下端面31aに設けられた埋込み穴38cに、埋め込まれている部分である。ピンボルト38bは、インサート部38aよりやや小径で、インサート部38aと同軸に形成される部分である。このピンボルト38bの外周には、ねじ山(図示せず)が形成されている。このピンボルト38bは、板状体31の下端面31aから下方に突出している。
凹型金物58は、図4(b)に示すように、ケーシング58aと、バックアップ材58bと、四つ割りコマ58cと、保持リング58dと、前蓋58eと、を有している。ケーシング58aは、プレキャストインバート51の上部に埋め込まれている長尺の部材である。このケーシング58aの長手方向が、プレキャストインバート51の上部の平坦面51aに対して垂直になるように埋め込まれている。埋め込まれているケーシング58aの上部には、上方に開口する丸穴58fが形成されている。バックアップ材58bは、中央が貫通している円環状の部材で、丸穴58fの底に収容されている。保持リング58d及び四つ割りコマ58cは、保持リング58d内に四つ割りコマ58cが収容されている状態で、バックアップ材58bの上方に配置されている。保持リング58dの上方には、前蓋58eが配置されている。前蓋58eの中央には、貫通孔が形成されている。
図4(a)に示すように、ピンボルト38bが、前蓋58eの貫通孔、四つ割りコマ58cを貫通した状態で、バックアップ材58bの貫通孔の縁に当接している。ピンボルト38bの挿入時は、四つ割りコマ58cが下方に一時後退して広がり、これによりピンボルト38bが挿入される。挿入後は、バックアップ材58bにより、四つ割りコマ58cがピンボルト38bと保持リング58dとの間に押し込まれ、四つ割りコマ58cの内面に形成されたねじ部(図示せず)と、ピンボルト38bのねじ山が噛合った状態で、引張力発生時に前蓋58eで保持リング58dを抑えることで、四つ割りコマ58cと保持リング58dが嵌合して締結している。
この接合構造は、ピンボルト38bが凹型金物58にいったん挿入されると、四つ割りコマ58cの内面に形成されたねじ部と、ピンボルト38bのねじ山が噛合った状態で固定される、いわゆる1タッチで連結可能な継手である。このような状態で、板状体31とプレキャストインバート51とが連結されている。
板状体31の上部には、図1に示すように、平坦な上端面が形成されている。当該上端面には、床版20を構成するプレキャスト床版21の長手方向端部が載置されている。
続いて、床版20について説明する。床版20は、図1に示すように、トンネル軸方向に列をなして配置された複数のプレキャスト床版21により形成されている。各プレキャスト床版21は、工場等で予め製造されている部材であり、コンクリート及び鋼材等により形成され、トンネル幅方向に延びる板状である。各プレキャスト床版21のトンネル軸方向長さは、リング10のトンネル軸方向長さに等しくなるように形成されており、トンネル軸方向に配列されている個々のリング10に対して、2枚のプレキャスト床版21が左右に並ぶように配置されている。左右のうちの一方側のプレキャスト床版21は、板状体31や側壁コンクリート部15と同様に、トンネル軸方向に列をなすように配置されている。すなわち、床版20は、2つのプレキャスト床版列により構成されている。
各プレキャスト床版21の一方の長手方向端部は、側壁コンクリート部15の上面部15bの平坦面の上に載置され、反対側の長手方向端部は、板状体31の上端面に載置された状態で、連結されている。連結方法の詳細な説明は省略しているが、アンカーボルト25等により連結されている(図2)。
床版20は、想定される自動車荷重や群集荷重に対し、安全性及び耐久性を損なう有害な変形が生じないように設計されている。また、自動車の繰り返し走行に対し、疲労耐久性が損なわれないように設計されている。なお、当該床版20の上面が舗装されることで、路面が形成される。なお、舗装の図示は省略している。
続いて、コンクリート層60について説明する。コンクリート層60は、インバート50の上部を覆うように配置され、板状体31の設置が完了した後に現場で打設される。図1では、コンクリート層60は、図1におけるトンネル軸方向の奥側のみ示し、手前側は図示を省略している。図3に示すように、各板状体31の下側張出部32は、コンクリート層60によって埋設されている。なお、図3では、コンクリート層60の表面(上面)のみを二点鎖線により仮想的に示している。コンクリート層60は、インバート50の一部として機能しており、さらに、コンクリート層60の表面(上面)は、図2に示す中間壁30で分割されている空間X及び空間Yの床面となる。
続いて、本実施形態のトンネル内部構造を構築する手順について説明する。先ず、シールド機の先端部で地中を掘削し、後方部で円弧状セグメント10aを円周方向に組み立てて掘削断面を支保する覆工を構築する作業工程を、1リング毎に繰り返しながら、シールドトンネル1のトンネル壁部を構築する。次に、プレキャストインバート51を設置し、プレキャストインバート51の上をシールド機の後続台車やシールド機に資機材を運搬する資機材運搬車両が走行する。その後、シールド機に連結され、またはシールド機の掘進に合せて移動する後続台車の後方で、側壁コンクリート部15が打設される。その後、板状体31の下端面31aに設けられている凸型金物38のピンボルト38bを、プレキャストインバート51の上部に設けられた凹型金物58に嵌合させ、プレキャストインバート51の上部に板状体31を連結する。
次に、板状体31の上部及び側壁コンクリート部15の上面部15bに、プレキャスト床版21を載置して、アンカーボルト25等で、板状体31及び側壁コンクリート部15と、プレキャスト床版21とを連結する。最後に、コンクリート層60により、板状体31の下部を埋設する。これにより、インバート50と、中間壁30とが強固に連結される。
以上の説明から分かるように本実施形態のトンネル内部構造は、中間壁30を構成する板状体31と、トンネル軸方向に隣り合う別の板状体31との間に、開口部40が設けられている。すなわち、板状体31が配置される位置には必ず開口部40が設けられている。このため、トンネル内における任意のトンネル軸方向位置で、中間壁30で分割された2つの空間(空間X及びY)を行き来することが可能となる。
このような開口部40が設けられることで、当該空間(空間X及びY)内に設置される施設用の配管等を、任意のトンネル軸方向位置で、中間壁30で分割された一方の空間(例えば空間X)から他方の空間(例えば空間Y)に移動させることが容易となり、シールドトンネル1を施工している期間の作業性が向上する。また、緊急避難時において、空間Xから空間Yへの移動、またはその反対方向の移動を急ぐ必要がある事態においても、素早く移動することが可能となるため、安全性能も向上する。
また、板状体31の一部に張出部32、33が設けられているので、長方形の板状体31に比べ、個々の板状体31の重量を削減することができる。その結果、現地における板状体31の設置作業の負担を低減させることが可能となる。
また、本実施形態では、プレキャストインバート51をトンネル軸方向に列をなすように配置していくことで、インバート50を形成している。この構造では、トンネル壁部を形成した後に、コンクリートの打設や養生をすることなく、インバート50が設置された直後から、インバート50の上面をシールド機の後続台車や資機材運搬車両が走行することができる。例えば、インバート50の上部の平坦面51aの上には、トンネル施工時に、資材等を運搬するレール等を配置することもできるので、リング10の底部上を走行する場合と比べて、安定した走行が可能となる。
また、コンクリート層60が下側張出部32の上端を覆っているので、開口部40の下端は、コンクリート層60の表面と同一面となる。よって、中間壁30で分割されている空間の床面と、開口部40の下端が同一平面となるため、安全に行き来することが可能となる。また、運搬用の小型の台車の走行も容易となる。また、コンクリート層60を打設して養生している期間には、床板工事、耐火工事等を平行して行うことができるため、工期に影響しない。また、プレキャストインバート51は後続台車や資機材運搬車両の走行により、微細な破損が生じたとしても、後から打設されるコンクリート層60により破損が修復できる。
また、板状体31は、凸型金物38と凹型金物58を嵌合させることで、プレキャストインバート51に連結されるので、作業負荷が軽減し、安全性が向上すると共に、板状体31の位置決め精度も向上する。
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る第2の実施形態について、図5を用いて説明する。本実施形態は、第1の実施形態(図1〜図4)の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。なお、図5では、インバート50(プレキャストインバート51)等の図示を省略している。
第1の実施形態の板状体31(図3)が、本体部35、下側張出部32及び上側張出部33を有しているのに対して、本実施形態の板状体31は、図5に示すように、本体部35と下側張出部32を有し、上側張出部33は設けられていない。本実施形態の下側張出部32は、第1の実施形態の板状体31と同様に、本体部35の下側の部分で、トンネル軸方向の両側に張り出している。この例の板状体31の軸方向に延びる立断面の形状は、T字形を逆さにした形状である。
本実施形態の板状体31の上部には、平坦面が形成されており、この平坦面上には、桁材39が配置されている。桁材39は、トンネル軸方向に延びる略直方体状の部材であり、コンクリート及び鉄筋等の鋼との合成材により形成されている。この例の桁材39の横断面は水平に延びる長方形である。図5における奥行方向の寸法は、板状体31とほぼ同じか、若干小さくなるように形成されている。桁材39は、各板状体31の上部の平坦面に、アンカーボルト等で連結されている。
桁材39は、トンネル軸方向に隣り合う板状体31の本体部35を架け渡すように配置されている。桁材39の上部には、プレキャスト床版21が載置されており、詳細な図示は省略しているが、桁材39とプレキャスト床版21とはアンカーボルト等により連結されている。
本実施形態のような板状体31の上部に、桁材39を配置することで、上側張出部33を設ける場合と同様に、桁材39と下側張出部32との間に開口部40が設けられ、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[その他の実施形態]
上記実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
上記の第1の実施形態の板状体31は、軸方向に延びる立断面の形状がI字形になるように形成されているが、これに限らない。下側張出部32は、トンネル軸方向の一方に張り出してもよい。同様に、上側張出部33もトンネル軸方向の一方に張り出してもよい。例えば、図6に示すように、コ字形状としてもよい。また、第2の実施形態の板状体31は、軸方向に延びる縦断面の形状が逆T字形になるように形成されているが、これに限らない。例えば、図7に示すように、L字形状としてもよい。この場合、第2の実施形態と同様に、桁材39を配置すればよい。
1 シールドトンネル
10 リング
10a 円弧状セグメント
10b 内壁面
15 側壁コンクリート
15a リング接続部
15b 上面部
20 床版
21 プレキャスト床版
25 アンカーボルト
30 中間壁
31 板状体
31a 下端面
32 下側張出部
33 上側張出部
35 本体部
38 凸型金物(突出部)
38a インサート部
38b ピンボルト
39 桁材
40 開口部
50 インバート
51 プレキャストインバート
51a 平坦面
58 凹型金物(穴部)
58a ケーシング
58b バックアップ材
58c 四つ割りコマ
58d 保持リング
58e 前蓋
60 コンクリート層

Claims (5)

  1. トンネル内の底部上に配置され、上部に平面を有しているインバートと、該インバート上に起立した状態で配置され、前記トンネルの軸方向に延びている中間壁と、前記中間壁の上部に配置されている床版と、を備え、
    前記床版の下方に形成された空間が前記中間壁によって分割されているトンネル内部構造において、
    前記中間壁は、軸方向に並んで配置された複数の板状体によって形成され、前記インバートは、トンネル軸方向に並んで配置された複数のプレキャストインバートによって形成され、該プレキャストインバートの前記平面上のそれぞれには、前記板状体が載置されており、
    前記各プレキャストインバート上には、前記各板状体の下部を埋設するコンクリート層が打設されていることを特徴とする、トンネル内部構造。
  2. 前記各板状体の下部には、トンネル軸方向の少なくとも一方に張り出している下側張出部が設けられ、
    前記床版と、前記各板状体の前記下側張出部との間には、開口部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のトンネル内部構造。
  3. 前記トンネルの壁部は、トンネル軸方向に並んで配置された複数のリングによって形成され、
    前記プレキャストインバートのトンネル軸方向長さと、前記リングのトンネル軸方向長さとは、同じになるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のトンネル内部構造。
  4. 前記各板状体の上端と前記床版の間には、トンネル軸方向に延びる桁材が配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のトンネル内部構造。
  5. 請求項1に記載のトンネル内部構造の構築方法であって、シールド機と、該シールド機のトンネル軸方向の掘進に合せて移動する後続台車との間で、又はその後続台車で、トンネル軸方向に向かって前記プレキャストインバートを設置し、更にその後方で、前記プレキャストインバート上に前記中間壁の前記板状体を設置し、前記床版を設置した後に、前記プレキャストインバート上に、前記コンクリート層を打設することを特徴とするトンネル内部構造の構築方法。
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