JP2019130851A - インクジェット記録材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた発色性が得られ、かつ被着体へ貼付した後の結露による浮き剥がれが改善されたインクジェット記録材料を提供する。【解決手段】非吸収性支持体の一方の面に粘着層を有し、もう一方の面に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層を少なくとも有するインクジェット記録材料であって、該インク受容層に炭素数3〜5のアルカンジオール及びジプロピレングリコールの中から少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録材料。【選択図】なし

Description

本発明は、優れた発色性が得られ、かつ被着体へ貼付した後の結露による浮き剥がれが改善されたインクジェット記録材料に関する。
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録シートに付着させ、画像、文字などの記録を行うものであり、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像−定着が不要などの特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像などの記録装置として種々の用途に急速に普及している。
インクジェット記録に好適な記録材料としては、一般に上質紙、アート紙、コート紙、キャスト塗被紙等の紙支持体や、これら紙支持体を基紙としてその少なくとも一方の面を樹脂で被覆した樹脂被覆紙、樹脂フィルム等が知られている。近年ではニーズの多様化に伴い、インクジェット記録方式で印字されたインクジェット記録材料を価格表示用ラベル、商品表示(バーコード)用ラベル、品質表示用ラベル、広告宣伝用ラベル等のラベル用途として使用することが増加している。
中でも食品関連において使用されるラベルなどでは、耐水性に優れることが望まれることから、前記した樹脂被覆紙、樹脂フィルム等の非吸収性支持体を有するインクジェット記録材料が好適である。しかし非吸収性支持体はそれ自体がインク吸収性を有さないことから、該支持体上に設けられるインク受容層には高いインク吸収性が求められ、このようなインク受容層としては、無機微粒子を主成分として含有する空隙型の、多孔質なインク受容層が好適である。
かかる多孔質なインク受容層としては、気相法シリカの使用例が特開平10−119423号公報、特開2000−211235号公報、特開2000−309157号公報等に開示され、粉砕沈降法シリカの使用例が特開平9−286165号公報、特開平10−181190号公報等に、粉砕ゲル法シリカの使用例が特開2001−277712号公報にそれぞれ開示され、特開昭62−174183号公報、特開平2−276670号公報、特開平5−32037号公報、特開平6−199034号公報等には、アルミナやアルミナ水和物の使用例が開示されている。またこれら先行技術公報においては、インク受容層が含有する無機微粒子の平均二次粒子径を500nm以下とすることで、良好な発色性が得られることが記載されている。
しかしながら非吸収性支持体上に多孔質なインク受容層を有するインクジェット記録材料を用いて、上記した食品用途において使用されるラベルを作製すると、ラベルを貼付した被着体が冷蔵庫等から取り出された後に生じる結露の影響で、ラベルの浮き剥がれが生じる場合があり、改善が求められていた。
一方、インク受容層に高沸点溶剤を用いることはすでに知られており、例えば特開2002−316472号公報(特許文献1)では、インク受容層が高沸点有機溶剤を含有することで、低湿度下であっても優れたプリンター搬送性が得られることが記載され、特開2003−312127号公報(特許文献2)では、水溶性多価金属化合物との組み合わせでブロンジングを悪化させることなく、染料インクに対する滲み耐性を向上させる技術として開示されている。また特開2001−10211号公報(特許文献3)では、インク受容層の耐折り割れ性を改良する技術として、特開2004−230619号公報(特許文献4)では、裏面印字時のミスト汚れを改良する技術として、それぞれ開示されている。
特開2002−316472号公報 特開2003−312127号公報 特開2001−10211号公報 特開2004−230619号公報
本発明は、優れた発色性が得られ、かつ被着体へ貼付した後の結露による浮き剥がれが改善されたインクジェット記録材料を提供することを課題とする。
上記した課題は、以下の発明により解決される。
非吸収性支持体の一方の面に粘着層を有し、もう一方の面に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層を少なくとも有するインクジェット記録材料であって、該インク受容層に炭素数3〜5のアルカンジオール及びジプロピレングリコールの中から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
本発明により、優れた発色性が得られ、かつ被着体へ貼付した後の結露による浮き剥がれが改善されたインクジェット記録材料を提供することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
<支持体>
本発明のインクジェット記録材料が有する非吸収性支持体としては、例えば合成紙やフィルムのようにインク受容層を形成でき、非吸収性を有するシート状のものなら特に制限はない。
合成紙は、溶融樹脂を押出しダイから厚い膜で押出し、これを一旦冷却後、再び軟化温度前後まで加熱して、縦及び横の方向に同時または逐次に延伸して成膜したものである。この成膜の方法は二軸延伸フィルム成形法と呼ばれている。延伸することで、適度な硬さや強度を得ている。また、この延伸時に内部に微細な空孔(ミクロボイド)を生成させたものがある。これらは例えば(株)ユポコーポレーションからユポ(登録商標)として市販されている。一方、フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレートのようなポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ニトロセルロース、セルロースアセテートのようなセルロースエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、セロハン、セルロイド等のプラスチック樹脂フィルムが挙げられる。上記した非吸収性支持体はいずれも用いることができる。
<インク受容層>
本発明のインクジェット記録材料が有するインク受容層は、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体として含有し、炭素数3〜5のアルカンジオールまたはジプロピレングリコールの中から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する。
<無機微粒子>
インク受容層が含有する平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子としては、非晶質合成シリカ、アルミナ、アルミナ水和物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知の各種微粒子が挙げられるが、得られる画像の印字濃度や、画像の鮮明性の点で非晶質合成シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物が好ましい。インク受容層が平均二次粒子径は500nm以下の無機微粒子を含有することによりインク受容層の平滑性が高まり、高光沢なインクジェット記録材料が得られる。
非晶質合成シリカは、製造法によって湿式法シリカ、気相法シリカ、及びその他に大別することができる。湿式法シリカは、更に製造方法によって沈降法シリカ、ゲル法シリカ、ゾル法シリカに分類される。沈降法シリカはケイ酸ソーダと硫酸をアルカリ条件で反応させて製造され、粒子成長したシリカ粒子が凝集・沈降し、その後濾過、水洗、乾燥、粉砕・分級の行程を経て製品化される。沈降法シリカとしては、例えば東ソー・シリカ(株)からニップシール(登録商標)として、(株)トクヤマからトクシール(登録商標)として市販されている。ゲル法シリカはケイ酸ソーダと硫酸を酸性条件下で反応させて製造する。熟成中に微小粒子は溶解し、他の一次粒子同士を結合するように再析出するため、明確な一次粒子は消失し、内部空隙構造を有する比較的硬い凝集粒子を形成する。ゲル法シリカとしては、例えば、東ソー・シリカ(株)からニップゲル(登録商標)として、グレースジャパン(株)からシロイド(登録商標)、シロジェット(登録商標)として市販されている。ゾル法シリカは、コロイダルシリカとも呼ばれ、ケイ酸ソーダの酸等による複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られ、例えば日産化学工業(株)からスノーテックス(登録商標)として市販されている。
気相法シリカは、湿式法に対して乾式法とも呼ばれ、一般的には火炎加水分解法によって作られる。具体的には四塩化ケイ素を水素及び酸素と共に燃焼して作る方法が一般的に知られているが、四塩化ケイ素の代わりにメチルトリクロロシランやトリクロロシラン等のシラン類も、単独または四塩化ケイ素と混合した状態で使用することができる。気相法シリカは日本アエロジル(株)からアエロジル(登録商標)、(株)トクヤマからQSタイプとして市販されている。
本発明には、気相法シリカが好ましく使用できる。本発明に用いられる気相法シリカの平均一次粒子径は30nm以下が好ましい。更に好ましくは平均一次粒子径が3〜15nm(特に3〜10nm)でかつBET法による比表面積が200m/g以上(好ましくは250〜500m/g)のものを用いることである。なお、本発明でいう平均一次粒子径とは、微粒子の電子顕微鏡観察により一定面積内に存在する100個の一次粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径としてその平均値を求めたものである。また本発明でいうBET法とは、気相吸着法による粉体の表面積測定法の一つであり、吸着等温線から1gの試料の持つ総表面積、すなわち比表面積を求める方法である。通常吸着気体としては、窒素ガスが多く用いられ吸着量を被吸着気体の圧、または容積の変化から測定する方法が最も多く用いられている。多分子吸着の等温線を表すのに最も著名なものは、Brunauer、Emmett、Tellerの式であってBET式と呼ばれ表面積決定に広く用いられている。BET式に基づいて吸着量を求め、吸着分子1個が表面で占める面積を掛けて表面積が得られる。
気相法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散したものが好ましく使用できる。気相法シリカの平均二次粒子径は前述の通り500nm以下であり、より好ましくは10〜300nmである。分散方法としては、通常のプロペラ撹拌、タービン型撹拌、ホモミキサー型撹拌等で気相法シリカと分散媒を予備混合し、次にボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機、及び薄膜旋回型分散機等を使用して分散を行うことが好ましい。なお、本発明でいう平均二次粒子径とは、得られた記録材料のインク受容層を電子顕微鏡による写真撮影で求めることができるが、簡易的にはレーザー散乱式の粒度分布計(例えば(株)堀場製作所製LA920)を用いて、個数メジアン径として測定することができる。
本発明では、湿式法シリカも好ましく使用できる。ここで用いられる湿式法シリカとしては沈降法シリカあるいはゲル法シリカが好ましく、特に沈降法シリカが好ましい。本発明に用いられる湿式法シリカ粒子としては、平均一次粒子径50nm以下、好ましくは3〜40nmであり、かつ平均二次粒子径が500nm以下である湿式法シリカ粒子である。平均二次粒子径が20〜300nmである湿式法シリカ微粒子を使用することがより好ましい。
湿式法シリカは、カチオン性化合物の存在下で分散・粉砕することが好ましい。粉砕方法としては、水性媒体中に分散したシリカを機械的に粉砕する湿式分散法が好ましく使用できる。本発明に用いられる湿式法シリカ微粒子を粉砕する好ましい方法について説明する。まず、水を主体とする分散媒中にシリカ粒子とカチオン性化合物を混合し、のこぎり歯状ブレード型分散機、プロペラ羽根型分散機、またはローターステーター型分散機等の分散装置の少なくとも一つを用いてシリカ予備分散液を得る。必要であれば水分散媒中に適度の低沸点溶剤等を添加してもよい。シリカ予備分散液の固形分濃度は高い方が好ましいが、あまり高濃度になると分散不可能となるため、好ましい範囲としては15〜40質量%、より好ましくは20〜35質量%である。次に、シリカ予備分散液をより強い剪断力を持つ機械的手段にかけてシリカ粒子を粉砕し、湿式法シリカ微粒子分散液が得られる。機械的手段としては公知の方法が採用でき、例えば、ボールミル、ビーズミル、サンドグラインダー等のメディアミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等の圧力式分散機、超音波分散機及び薄膜旋回型分散機等を使用することができる。
上記気相法シリカ及び湿式法シリカの分散に使用するカチオン性化合物としては、カチオン性ポリマーを好ましく使用できる。カチオン性ポリマーとしては、ポリエチレンイミン、ポリジアリルアミン、ポリアリルアミン、アルキルアミン重合物、特開昭59−20696号公報、特開昭59−33176号公報、特開昭59−33177号公報、特開昭59−155088号公報、特開昭60−11389号公報、特開昭60−49990号公報、特開昭60−83882号公報、特開昭60−109894号公報、特開昭62−198493号公報、特開昭63−49478号公報、特開昭63−115780号公報、特開昭63−280681号公報、特開平1−40371号公報、特開平6−234268号公報、特開平7−125411号公報、特開平10−193776号公報等に記載された1〜3級アミノ基、4級アンモニウム塩基を有するポリマーが好ましく用いられる。特に、カチオン性ポリマーとしてジアリルアミン誘導体が好ましく用いられる。分散性及び分散液粘度の面で、これらのカチオン性ポリマーの質量平均分子量は2,000〜10万程度が好ましく、特に2,000〜3万程度が好ましい。
本発明に用いられるアルミナとしては、酸化アルミニウムのγ型結晶であるγ−アルミナが好ましく、中でもδグループ結晶が好ましい。γ−アルミナは一次粒子を10nm程度まで小さくすることが可能であるが、通常は数千から数万nmの二次粒子結晶を超音波や高圧ホモジナイザー、対向衝突型ジェット粉砕機等で粉砕したものが使用できる。アルミナの平均二次粒子径は500nm以下であり、好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられるアルミナ水和物はAl・nHO(n=1〜3)の構成式で表される。本発明に使用されるアルミナ水和物はアルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等の公知の製造方法により得られる。本発明に使用されるアルミナ水和物の平均二次粒子径は500nm以下であり、好ましくは20〜300nmである。
本発明に用いられる上記のアルミナ、及びアルミナ水和物は、酢酸、乳酸、ぎ酸、硝酸等の公知の分散剤によって分散されたものが好ましく用いられる。
上記した無機微粒子の中から2種以上の無機微粒子を併用することもできる。例えば、微粉砕した湿式法シリカと気相法シリカとの併用、微粉砕した湿式法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用、気相法シリカとアルミナあるいはアルミナ水和物との併用が挙げられる。
本発明のインク受容層は上述の如き無機微粒子を主体として構成される。ここでいう主体とはインク受容層の全固形分の50質量%以上、好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上を含有することをいう。
<炭素数3〜5のアルカンジオールまたはジプロピレングリコール>
本発明においてインク受容層は、炭素数3〜5のアルカンジオールまたはジプロピレングリコールを含有する。インク受容層に該化合物が存在することにより、結露の発生に伴う浮き剥がれが改善される。
炭素数3〜5のアルカンジオールとしては、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオールなどがあり、それらの異性体はいずれも含まれる。また、3−メチル−1,3−ブタンジオール等のような分岐のアルカンジオールも含まれる。これらの中でも、炭素数が3〜4のプロパンジオールやブタンジオールが好ましく、特にプロパンジオールが好ましい。プロパンジオールとしてはプロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)とトリメチレングリコール(1,3−プロパンジオール)が例示される。
上記した炭素数3〜5のアルカンジオールまたはジプロピレングリコールの含有量は、無機微粒子に対して、0.1〜50質量%が好ましく、1〜20質量%が更に好ましい。
<バインダー>
本発明のインク受容層は、皮膜としての特性を維持するためと、透明性が高くインクのより高い浸透性を得るために親水性バインダーを含有することが好ましい。親水性バインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、澱粉、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルエステル系やそれらの誘導体が使用されるが、特に好ましい親水性バインダーは完全または部分ケン化のポリビニルアルコールやカチオン変性ポリビニルアルコールである。
ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上の部分または完全ケン化したものである。また平均重合度が500〜5000のポリビニルアルコールが好ましい。
カチオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば特開昭61−10483号公報に記載されているような、第1級〜第3級アミノ基や第4級アンモニウム基をポリビニルアルコールの主鎖あるいは側鎖中に有するポリビニルアルコールが例示される。
インク受容層における親水性バインダーの含有量は平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子に対して5〜50質量%の範囲が好ましく、特に好ましくは10〜30質量%である。
本発明において、インク受容層は上記親水性バインダーと共に架橋剤(硬膜剤)を含有することが好ましく、架橋剤を用いることによって良好な表面光沢、高いインク吸収性が得られ、印字後の滲みが小さくなる。架橋剤の具体的な例としては、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロロペンタンジオンの如きケトン化合物、N,N′−ビス(2−クロロエチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,775号明細書記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第3,635,718号明細書記載の如き反応性のオレフィンを持つ化合物、米国特許第2,732,316号明細書記載の如きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,437号明細書記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,017,280号、同2,983,611号明細書記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第3,100,704号明細書記載の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,091,537号明細書記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、硫酸ジルコニウム、ほう酸、ほう酸塩、ほう砂の如き無機架橋剤等があり、これらを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、特にほう酸、ほう砂またはほう酸塩が好ましい。ほう酸は、オルトほう酸、メタほう酸等が、ほう酸塩としてはそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。親水性バインダーに対する架橋剤の含有率は、0.02〜50質量%で、特に0.5〜35質量%が好ましい。
本発明のインク受容層の乾燥塗布量としては、インク吸収性、及び生産性の面で、平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子の固形分塗布量として15g/m以上の範囲が好ましい。
本発明において、インク受容層には、更に界面活性剤、着色染料、着色顔料、インク染料定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
本発明において、インク受容層の塗布方式は、公知の塗布方法を用いることができる。例えば、スライドビード方式、カーテン方式、エクストルージョン方式、エアナイフ方式ロールコーティング方式、ロッドバーコーティング方式等がある。
本発明に係る粘着層は、剥離紙の剥離剤塗布面に粘着層を設け、粘着層面とインク受容層が塗設されていない非吸収性支持体の面を重ねて、プレスロール等で圧着する方法が一般に行われるが、該インクジェット記録材料に粘着剤を先に塗布して粘着層を形成し、剥離紙と貼り合わせてもよい。本発明における粘着剤層の作製には、従来公知の溶剤系及び水系のいずれの粘着剤も用いることができる。このような粘着剤としては、例えば、酢酸ビニル、アクリル樹脂、酢酸ビニル−アクリル共重合体、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン樹脂などの樹脂を用いた粘着剤、天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴムなどのゴム材料を用いた粘着剤などを挙げることができる。
以下、本発明の実施例を示すが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。なお、部及び%は、質量部及び質量%を示す。
(実施例1)
<支持体>
ポリプロピレン樹脂を主原料とし二軸延伸フィルム成形法で作製され、内部に微細な空孔(ミクロボイド)を有する合成紙(厚さ80μm、密度0.77g/cm)を用意した。
<インク受容層塗布液>
気相法シリカ分散液 (気相法シリカ固形分として) 100部
ポリビニルアルコール(ケン化度88%、平均重合度3500) 23部
ほう酸 4部
プロピレングリコール 4部
固形分濃度が12%になるように水で調整した。
気相法シリカ分散液の作製については、水にジメチルジアリルアンモニウムクロライドホモポリマー(分子量9000)4部と気相法シリカ(平均一次粒子径7nm、BET法による比表面積300m/g)100部を添加し予備分散液を作製した後、高圧ホモジナイザー処理して、固形分濃度20%の気相法シリカ分散液を作製した。該分散液が含有する気相法シリカの平均二次粒子径は135nmであった。上記した合成紙の一方の面に上記したインク受容層塗布液を固形塗布量が18g/mとなるように、スライドビードコーターで塗布して、その後8℃で15秒間冷却し、30〜55℃の空気を順次吹き付けて乾燥し、インク受容層を作製した。
<ラベル加工>
紙基材の両面に熱可塑性樹脂をラミネートして形成したラミネート層を設け、一方のラミネート層上にシリコーン樹脂を塗布し、該シリコーン樹脂を塗布した側の面に市販の水系アクリル樹脂タイプ粘着剤(トーヨーケム(株)製 BPW6441)を固形分塗布量が18g/mとなるようにギャップロールにて塗布し、ポリラミタイプの剥離紙を得た。該剥離紙の粘着剤塗布面と上記のインク受容層を塗布した合成紙のインク受容層が塗布されていない側の面をプレスロールで貼り合わせて実施例1のインクジェット記録材料を得た。
(実施例2)
実施例1においてプロピレングリコールの部数を8部に変えた以外は同様にして、実施例2のインクジェット記録材料を得た。
(実施例3)
実施例1においてプロピレングリコールを1,3−ブタンジオールに変えた以外は同様にして、実施例3のインクジェット記録材料を得た。
(実施例4)
実施例1においてプロピレングリコールを3−メチル−1,3−ブタンジオールに変えた以外は同様にして、実施例4のインクジェット記録材料を得た。
(実施例5)
実施例1においてプロピレングリコールをジプロピレングリコールに変えた以外は同様にして、実施例5のインクジェット記録材料を得た。
(比較例1)
実施例1において、インク受容層塗布液にプロピレングリコールを添加しないこと以外は同様にして、比較例1のインクジェット記録材料を得た。
(比較例2)
実施例1においてプロピレングリコールをエチレングリコールに変えた以外は同様にして、比較例2のインクジェット記録材料を得た。
(比較例3)
実施例1においてプロピレングリコールを2−メチル−2,4−ペンタンジオールに変えた以外は同様にして塗布を行ったが、表面亀裂及びハジキが多数発生して、比較例3のインクジェット記録材料を得ることができなかった。
<発色性の評価>
上記した実施例1〜5及び比較例1〜2の各々のインクジェット記録材料のインク受容層を有する側の面に、インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製 EP−807A)を用いて、黒色ベタ画像を印刷した。黒色ベタ画像の印字濃度をポータブル分光光度計(i1−Pro、X−rite製)で測定し、下記の基準に従い評価した。この結果を表1に示す。
○:光学濃度が2.0以上。
×:光学濃度が2.0未満。
<浮き剥がれの評価>
上記した実施例1〜5及び比較例1〜2の各々のインクジェット記録材料が有する剥離紙を剥がし、フロートガラス板の一方の面に2kgの圧着ローラーを1往復させて貼り付けた。インクジェット記録材料が貼り付けられたフロートガラス板を−15℃の冷蔵庫内に120時間置き、その後23℃50%RHの環境下に24時間放置した後に、インクジェット記録材料のフロートガラス板から浮き剥がれの様子を目視にて確認し、下記の基準で評価した。この結果を表1に示す。
○:浮き剥がれが認められず、問題ないレベルであった。
×:浮き剥がれが認められ、実用上問題になるレベルであった。
Figure 2019130851
表1から明らかなように、本発明によって発色性に優れ、かつ被着体へ貼付した後の結露による浮き剥がれが改善されたインクジェット記録材料が得られる。

Claims (1)

  1. 非吸収性支持体の一方の面に粘着層を有し、もう一方の面に平均二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を主体に含有するインク受容層を少なくとも有するインクジェット記録材料であって、該インク受容層が炭素数3〜5のアルカンジオール及びジプロピレングリコールの中から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とするインクジェット記録材料。
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