JP2019130680A - 熱転写受像シートならびに熱転写受像シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱転写受像シートに適切な形状のミシン目加工を施すことにより、切り離す際、積層フィルムの剥がれや印画不良が発生せず画像品質の優れた熱転写受像シートを提供する。【解決手段】少なくとも基材と、前記基材の一方の面に染料受容層と、前記基材の他方の面に樹脂層とを有する熱転写受像シートであって、熱転写受像シートには、染料受容層側から、前記熱転写受像シートの曲げ折り可能、かつ切り取り可能なミシン目を設けており、該ミシン目の穿孔深さが、前記熱転写受像シートの総厚に対する比率において、50〜100%であり、前記ミシン目に沿った曲げ剛さが、0.2〜0.45N/cmであることを特徴とする熱転写受像シート。【選択図】図1

Description

本発明は、昇華性染料の熱転写により画像が形成される熱転写受像シートにおいて、端辺に余白を生じることなく、かつコゲ等の画像ムラを生じることなく全面に均一な画像を形成させた出力物を容易に得ることができる熱転写受像シートに関する。
熱転写方式を用いて熱転写記録媒体から熱転写受像シートに色材を転写し、文字や画像を形成することが広く行われている。熱転写方式として、昇華型熱転写方式と溶融型熱転写方式が知られている。このうち昇華型熱転写方式は、色材として昇華性染料を用い、サーマルヘッド等の発熱体を用いて、熱転写記録媒体に形成された昇華性染料層中の染料を熱転写受像シートに転写させて画像を形成するものである。
現在、熱転写方式の中でも昇華型熱転写方式は、プリンタの高機能化と合わせて各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。そういった用途の多様化と共に、小型化、高速化、低コスト化の市場要求が高まっており、さらに製造時の環境負荷を低減したいわゆるエコプロダクツが近年特に注目を集めており、市場における購入の動機付けのひとつとなっている。
この昇華型熱転写方式に適用される熱転写受像シートは、受像シート基材の表面に昇華性染料を受容する染料受容層を設けて構成されるものである。前記昇華性染料は熱転写記録媒体から染料受像層に移行して染着し、この染料受容層にフルカラーの前記画像が形成される。なお、基材と染料受容層との間に各種の層を形成した熱転写受像シートも知られている。例えば、断熱層や下引き層である。
ところで、プリンタの小型化への要求に対応して、ロール状ではなく枚葉の熱転写受像シートを用いるシステムが知られている。小型化への要求と、従来の写真プリントのように端辺に余白がないとの要求を両立させるため、画像形成後に余白を切断する方法が挙げられる。プリンタに切断装置を設けることはプリンタの大型化、煩雑化、高コスト化につながるため、余白の切断方法として枚葉型の熱転写受像シートの端部にあらかじめにミシン目を設ける方法が挙げられる。ミシン目をまたぐ形で画像形成し、その後ミシン目から端部を切り離すことで、余白がなく全面に画像形成したプリントを得ることが出来る(特許文献1)。
近年、正方形の熱転写受像シートが着目されている。作成方法は、ロール状の熱転写受像シートを用いて印画後、正方形になるようミシン目を事前に入れておく。そして印画後、長方形の熱転写受像シートをミシン目で切り離し、正方形を形成している。
特開2002−274061号公報 特許第6146556号公報
熱転写受像シートをミシン目で切り離す際、ミシン目曲げ剛さが強すぎると上手く切り離せず、紙に積層されたフィルムなどが剥がされてしまった。逆にミシン目曲げ剛さが弱
すぎると印画時、ミシン目が折れ曲がるためプリンタ内部で紙詰まりや印画不良を起こしていた。
また、先願の特許文献2の範囲では、ミシン目折れ強度が強すぎることにより、ミシン目に沿って切り離す際に、特に熱転写受像シートの背面に背面層や樹脂フィルム層などの樹脂からなる層を有する場合などにおいて、樹脂からなる層が剥がれてしまう場合があった。
さらにミシン目形成時に、ミシン刃が、高硬度かつ平坦な保持台に接触すると高価なミシン刃が摩耗して刃先がつぶれてしまう不具合が発生していた。そのためミシン目は、その形成時に、ミシン刃が保持台に接触しないよう注意する必要があった。
形成されるミシン目は、その穿孔深さが熱転写受像シートの総厚に対して50〜100%の範囲とすることで不具合なくミシン目を切り離すことができることが判った。
したがって、上記課題を解決するために、本発明の目的は、熱転写受像シートに適切な形状のミシン目加工を施すことにより、切り離す際、積層フィルムの剥がれや印画不良が発生せず画像品質の優れた熱転写受像シートを提供することにある。
本発明は鋭意検討した結果、熱転写受像シート状に設けるミシン目の曲げ剛さ及びミシン目の穿孔深さ範囲を適切に規定することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
請求項1に記載の発明は、少なくとも基材と、前記基材の一方の面に染料受容層と、前記基材の他方の面に樹脂層とを有する熱転写受像シートであって、熱転写受像シートには、染料受容層側から、前記熱転写受像シートの曲げ折り可能、かつ切り取り可能なミシン目を設けており、該ミシン目の穿孔深さが、前記熱転写受像シートの総厚に対する比率において、50〜100%であり、前記ミシン目に沿った曲げ剛さが、0.2〜0.45N/cmであることを特徴とする熱転写受像シートである。
次に、請求項2に記載の発明は、前記ミシン目が前記熱転写受像シートの印画方向に対して同一方向または該印画方向に対して交差方向、あるいはその両方に延伸されてなることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シートである。
請求項3に記載の発明は、前記基材が、ウェブ状またはロール状に巻き取られた基材、あるいは枚葉状の基材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱転写受像シートである。
請求項4に記載の発明は、少なくとも基材と、該基材の一方の面に染料受容層と、前記基材の他方の面に樹脂層とを有する熱転写受像シートに対し、前記熱転写受像シートを曲げ折り可能にし、かつ切り取り可能とするためのミシン目を、前記熱転写受像シートの染料受容層側から、設ける方法であって、前記熱転写受像シートに対し、前記ミシン目を形成するためのミシン刃を入れる際に、前記ミシン刃の刃先を前記熱転写受像シートの総厚に対して、50〜100%の深さまで入れることを特徴とする熱転写受像シートの製造方法である。
後述する実施例及び比較例から判るように、ミシン目曲げ剛さが0.2〜0.45N/
cmの範囲にすることで印刷不良および積層体の剥がれがない熱転写受像シートを提供する。
本発明の実施形態に係る熱転写受像シートの一例を示す断面図である。 本発明の実施形態に係る熱転写受像シートのミシン刃の穿孔深さを示す図である。 本発明の実施形態に係る熱転写受像シートのミシン目の例を示す図である。(A)シート状熱転写受像シートで、印刷方向に対して交差方向(B)ロール状熱転写受像シートで、印刷方向に対して同一方向
以下に、本発明の実施の形態について詳細に説明する。以下の説明において適宜図面を参照するが、図面に記載された態様は本発明の例示であり、本発明はこれらの図面に記載された態様に制限されない。
尚、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全て図面を通じて同一の参照符号を附し、重複する説明は省略する。
本発明に係る熱転写受像シートは、基材と染料受容層とを必須の構成要素とするものである。このほか、他の層を有していても良いが、染料受容層は熱転写受像シートの表面に位置して、熱転写記録媒体から移行する昇華性染料を受容して染料が染着できる必要がある。基材と染料受容層との間に位置する他の層としては、例えば、断熱層、緩衝層、下引き層などが例示できる。
図1では、熱転写受像シート(1)の構成例として、基材(2)の一方の面に、接着層(3)を介して、断熱層(4)、下引き層(5)、染料受容層(6)が形成され、他方の面には、樹脂層(7)として、背面層が形成されている例を示している。
(基材)
基材(2)としては、公知のものを使用することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムや上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙、レジンコート紙等の紙類等が挙げられる。
上述のような樹脂フィルムおよび紙類は、単独で用いられてもよいし、両者が組み合わされた複合体が基材とされても良い。とりわけ、セルロース繊維紙の表裏をポリエチレンやポリプロピレン樹脂で被覆したレジンコート紙は白色度、光沢度に優れるため好適に用いられる。
基材の厚さについては、印画物としてのコシ、強度や耐熱性等を考慮すると、25マイクロメートル(μm)以上、250μm以下の範囲であるものが好ましい。より好ましくは、50μm以上200μm以下程度の厚さが好ましい。
(接着層)
接着層(3)は、基材(2)に対して断熱層(4)などを接着するためのもので、必ずしも設置されている必要はないが、設けることにより熱転写受像シート(1)の層間密着性を向上させることができる。
このような接着層(3)に用いられる材料としては、従来公知の樹脂や接着剤などが使用でき、例えば、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等を用いることができ、中でもポリオレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂などが好ましく用いられる。
(断熱層)
断熱層(4)は、単層で設けられてあっても良いが、2層以上の多層構成として設けられてあっても良く、2層以上の多層構成の場合には、少なくともその一層が多数の空隙を有していることが望ましい。
断熱層(4)が、多数の空隙を有することにより、サーマルヘッドからの熱印加時の断熱性、およびクッション性等を熱転写受像シート(1)に付与することができる。
このような多数の空隙を有する層に用いられる樹脂としては、特に限定されるものではなく、樹脂を従来公知の方法で、発泡させたものや、ボイドを形成したもの、あるいはバインダ樹脂に中空粒子を分散させたものなど、公知の樹脂材料を適宜選択することができる。中でも、断熱性とクッション性の観点からは、発泡ポリエステル樹脂や発泡ポリスチレン樹脂等が好ましく、発泡樹脂フィルムの片面あるいは両面にスキン層を設けた複合フィルムなどを例示することができる。
断熱層(4)の厚さは、5μm以上80μm以下であれば良いが、20μm以上60μm以下程度がより好ましい。
(下引き層)
下引き層(5)は、染料受容層(6)と断熱層(4)との密着性を向上させたり、画像形成時の印画濃度を調整したりするために設けられる層である。
下引き層(5)は、例えば、水系溶媒に水溶性樹脂や水溶性高分子を溶解あるいは分散した水系コーティング剤や水性エマルジョンなどのコーティング剤をコーティングする方法などによって形成することができる。
水溶性樹脂または水溶性高分子を用いる場合の例としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリメタクリル酸などの水溶性のアクリル樹脂、ゼラチン、澱粉、カゼインおよびこれらの変性物などを例示することができる。
また、水性エマルジョンの例としては、ポリオレフィンエマルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂エマルジョン、塩化ビニル−アクリル共重合樹脂エマルジョンなどの塩化ビニル系樹脂エマルジョン、アクリル系樹脂エマルジョン、ウレタン系樹脂エマルジョンなどを例示することができる。
下引き層(5)の厚さは、0.1μm以上3μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは、0.2μm以上1.0μm以下程度が良い。
また、下引き層(5)は、必要に応じて、架橋剤や酸化防止剤、蛍光染料や、公知の添加剤を含有していても良い。
(染料受容層)
染料受容層(6)としては、公知の各種バインダ樹脂を用いることができる。バインダ
樹脂の一例として、塩化ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル−アクリル−エチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル−スチレン共重合体等を挙げることができる。これらは単独で使用されても良いし、2種以上が混合されて使用されても良い。
染料受容層(6)の厚さは、0.1μm以上10μm以下であれば良いが、0.2μm以上8μm以下程度がより好ましい。また、染料受容層3は、必要に応じて造膜助剤、離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、架橋剤、蛍光染料等の公知の各種添加剤を含有しても良い。
(樹脂層)
基材(2)の染料受容層(6)とは反対側の面上に設けられる樹脂層(7)としては、背面層を例示することができる。
背面層(7)は、プリンタ搬送性向上や、染料受容層4とのブロッキング防止、印画前後の熱転写受像シートのカール防止のために設けられるものである。
背面層(7)に用いられる材料としては、従来公知のものが使用でき、例えばポリエチレン樹脂やポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等の樹脂を用いることができる。また、必要に応じてフィラーや帯電防止剤等の公知の添加剤を含有しても良い。
また、基材(2)と背面層(7)との間には、樹脂フィルム層が設けられてあっても良い。このような樹脂フィルム層は、熱転写時の熱圧に起因する搬送のズレを抑制するためのもので、基材(2)との強い密着性と耐熱性(特に寸法安定性や平滑性等)が要求される。
樹脂フィルム層に用いる材料としては、従来公知の材料をいずれも用いることができるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用いた場合、紙基材との間に押出ラミネーターを用いてポリエチレンやポリプロピレン樹脂を300℃程度の高温で押出し、紙基材と溶融積層させることでグリップがより深く刺さる。またこの溶融押出しに際しては、基材(紙基材とポリエチレンまたはポリプロピレンとの積層体)との十分な剥離強度を保つために、PETフィルムとしては易接着処理もしくはコロナ処理されたものを用いることが好ましい。とりわけ易接着処理を施したPETフィルムは高い剥離強度を有するため好適に用いられる。
また、樹脂フィルム層と、基材(2)との間あるいは背面層(7)との間には、接着層などが新たに設けられてあっても何ら問題ない。
(ミシン目加工)
上述のようにして得られた熱転写受像シート(1)には、ミシン目加工が施される。ミシン目(20)の加工方法は特に限定されるものではないが、台座の上に熱転写受像シートを載せ、ミシン刃を取り付けた型を上下させることでミシン目を形成する方法や、ロールシリンダーの幅手方向にミシン刃を取り付け、対面に接触するよう圧胴を取付け、熱転写受像シートをシリンダーと圧胴の間に搬送させることにより、ミシン目を形成する方法(いわゆる縦ミシン目加工)などを利用することができる。
図2は、熱転写受像シート(1)に対して、ミシン目を形成する際のミシン刃(10)を入れる様子を示す図であり、熱転写受像シートの総厚(a)に対するミシン目の穿孔深
さ(b)が、50〜100%の範囲であることが重要である。
また、ミシン目におけるカット部とアンカット部との寸法や比率などは任意に設定することができるが、ミシン目(20)が形成された熱転写受像シート(1)をミシン目(20)に沿って折り曲げた際の曲げ剛さが、0.2〜0.45N/cmの範囲にあることが重要である。
熱転写受像シート(1)の総厚(a)に対するミシン目の穿孔深さ(b)の割合、ならびに、熱転写受像シート(1)に設けられたミシン目(20)に沿った曲げ剛さを、上述のように規定することにより、熱転写受像シート(1)に対して印画を行う際に、プリンタ内での搬送時に、ミシン目(20)部分で折り曲がることを抑制することができる。
その結果、搬送詰まりなどを引き起こすことが無く、印画不良の発生も抑えることができ、更には、印画終了後に、ミシン目(20)に沿って、熱転写受像シート(1)を切り離す際、一度の折りを入れるだけで、容易に切り離すことが可能となり、また樹脂からなる層(7)の剥がれや、切り口への残りなどを引き起こすこと無く、切り離すことが可能となる。
ここで、ミシン目穿孔深さの割合は、ミシン目穿孔深さ(b)/熱転写受像シートの総厚(a)×100%の式で算出される。
また、上記曲げ剛さの測定は、曲げ剛さ測定機(例えば、(株)片山抜型製作所製)などを用いて、測定することができる。
図3には、上述の様なミシン目(20)を熱転写受像シート(1)に設けた様子を示している。
ミシン目(20)は、熱転写受像シート(1)の印画方向に対して、図3(A)のように同一方向に設けられている場合や、図3(B)のように交差方向に設けられている場合、さらには同一方向と交差方向の両方に設けられている場合などが考えられ、いずれの方向に設けられてあっても良い。
以下に、本発明の各実施例および各比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準であり、また、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
基準として厚さ140μmの長尺の上質紙を使用し、溶融押出し法により背面層として厚さ30μmのポリエチレン樹脂層を形成した。
次に、基材のポリエチレン樹脂層側とは反対側の面と断熱層との間に、ポリエチレン樹脂を溶融押出しして厚さ15μmのポリエチレン樹脂層を形成し、サンドラミ方式にて前記基材と断熱層とを貼りあわせた。なお、断熱層としては、厚さ40μmの発泡ポリプロピレンフィルムの片面にスキン層を設けたものを使用し、そのスキン層を設けていない面に前記ポリエチレン樹脂を溶融押出しして貼り合わせた。
次に、断熱層に、水性エマルジョンから成る下引き層塗布液を、乾燥後の厚みが0.5μmとなるように塗布、乾燥することで、下引き層を形成した。更にその下引き層の上に、水性エマルジョンから成る染料受容層塗布液を、乾燥後の厚みが3μmとなるように塗布、乾燥することで、染料受容層を形成した。下引き層塗布液の組成ならびに染料受容層塗布液の組成は次の通りである。
<下引き層塗布液>
ポリオレフィンエマルジョン 20.0部
(アローベースSB−1010、ユニチカ(株)製)
塩化ビニル共重合体エマルジョン 20.0部
(ビニブラン603、日信化学工業(株)製)
トリプロピレングリコールモノメチルエーテル 4.0部
純水 56.0部
<染料受容層塗布液>
塩化ビニル共重合体エマルジョン 35.5部
(ビニブラン900、日信化学工業(株)製)
変性シリコーンオイル 1.5部
(X−22−3000T、信越化学工業(株)製)
純水 63.0部
以上の長尺体である熱転写受像シートに対し、画像形成領域の搬送方向前後両端部であって、画像形成領域に含まれる位置に、カット部の長さが400μm、アンカット部の長さが120μmの繰り返しのミシン目が入るよう、ロータリー刃により、折って切り取り可能なミシン目を形成し、本発明の実施例1の熱転写受像シートを作製した。なお、ミシン目は熱転写受像シートの総厚に対して100%の深さになるよう形成した。
<熱転写記録媒体の作製>
熱転写記録媒体の基材として、厚さ4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に下記組成の耐熱滑性層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。
次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成のプライマー層を塗布し、続いて熱転写層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液>
シリコーン系アクリルグラフトポリマー 50.0部
(US−350、東亜合成(株)製)
メチルエチルケトン 50.0部
<プライマー層塗布液>
ポリビニルアルコール 2.5部
イロプロピルアルコール 30.0部
純水 67.5部
<熱転写層塗布液>
C.I.ソルベントブルー36 2.5部
C.I.ソルベントブルー63 2.5部
ポリビニルアセタール樹脂 5.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
(実施例2)
ミシン目は熱転写受像シートの総厚に対して、75%の深さとした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを作製した。
(実施例3)
ミシン目は熱転写受像シートの総厚に対して、50%の深さとした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写受像シートを作製した。
(比較例1)
ミシン目は熱転写受像シートの総厚に対して、48%の深さとした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを作製した。
(比較例2)
ミシン目は熱転写受像シートの総厚に対して、35%の深さとした以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを作製した。
(比較例3)
ミシン目は総厚に対して、105%の深さまでミシン刃を入れた以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写受像シートを作製した。
<印画評価>
実施例1〜3、比較例1〜2の熱転写受像シートおよび熱転写記録媒体を使用して、熱転写受像シートにベタ画像を印画した後、曲げ剛さ強度を測定した。
○:紙詰まりなく印刷できた。
×:紙詰まり、印画不良が発生した。
<曲げ剛さ強度>
染料受容層側を表面に設置してミシン目の最大抵抗値を(株)片山抜型製作所製の曲げ剛さ測定機BST−150Mを用いて測定を行った。
<切り取り評価の基準>
切り取り評価は、以下の基準にて行った。○以上が実用上問題ないレベルである。
また、印画物のミシン目を染料受容層または裏面に谷折りとなるよう一度折り、容易に切り取り可能であるか評価した。
○:一度折って、容易に切り取り可能である。
×:一度折って、切り取り可能であるが、切り口にフィルムなどが残っているか、
または、複数回折り曲げないと切り離すことができない。
評価結果を以下の表1に示した。
Figure 2019130680
実施例1,2,3からミシン目深さの割合が総厚に対して100〜50%の割合の範囲で、曲げ剛さ強度0.2〜0.45N/cmの範囲において、ミシン目切り取り評価、印画評価において不具合無く熱転写受像シートを作製することができた。
一方、比較例1、2のように、ミシン目深さが50%以下の場合や、曲げ剛さが強い場合、折って切り取り可能であるが、切り口にフィルムなどが残っているまたは複数回折り曲げないと切り離すことが出来なかった。
比較例3の場合、曲げ剛さが低く、切り離し可能であったが、プリンタ内での紙詰まり及び印画不良が発生した。
1 熱転写受像シート
2 基材
3 接着層
4 断熱層
5 下引き層
6 染料受容層
7 樹脂層(背面層)
10 ミシン刃
20 ミシン目
a 熱転写受像シートの総厚
b ミシン目の穿孔深さ

Claims (4)

  1. 少なくとも基材と、前記基材の一方の面に染料受容層と、前記基材の他方の面に樹脂層とを有する熱転写受像シートであって、
    熱転写受像シートには、染料受容層側から、前記熱転写受像シートの曲げ折り可能、かつ切り取り可能なミシン目を設けており、該ミシン目の穿孔深さが、前記熱転写受像シートの総厚に対する比率において、50〜100%であり、
    前記ミシン目に沿った曲げ剛さが、0.2〜0.45N/cmであることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記ミシン目が前記熱転写受像シートの印画方向に対して同一方向または該印画方向に対して交差方向、あるいはその両方に延伸されてなることを特徴とする請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記基材が、ウェブ状またはロール状に巻き取られた基材、あるいは枚葉状の基材であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱転写受像シート。
  4. 少なくとも基材と、該基材の一方の面に染料受容層と、前記基材の他方の面に樹脂層とを有する熱転写受像シートに対し、前記熱転写受像シートを曲げ折り可能にし、かつ切り取り可能とするためのミシン目を、前記熱転写受像シートの染料受容層側から、設ける方法であって、
    前記熱転写受像シートに対し、前記ミシン目を形成するためのミシン刃を入れる際に、前記ミシン刃の刃先を前記熱転写受像シートの総厚に対して、50〜100%の深さまで入れることを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
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