JP2020062773A - 熱転写受像シート - Google Patents

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Abstract

【課題】環境に配慮したプロセスで生産でき、給紙不良、重送が発生せず、且つ耐事故性に優れた熱転写受像シートを提供すること。【解決手段】基材の一方の面に少なくとも染料受容層が積層され、前記基材の他方の面に少なくとも背面層を積層してなる熱転写受像シートであって、前記背面層が、少なくとも水に溶解、または分散可能なフッ素樹脂と、金属石鹸と、有機フィラーもしくは無機フィラーとを含有することを特徴とする熱転写受像シート。【選択図】図1

Description

本発明は、シート状の基材の一面に染料受容層を有し、基材のもう一方の面に背面層を有する熱転写受像シートに関するものであり、さらに詳しくは給紙不良、重送が発生せず、且つ耐事故性に優れた背面層を有する熱転写受像シートに関する。
一般に熱転写記録媒体とは、熱転写方式のプリンタに使用され、サーマルリボンと呼ばれるインクリボンのことであり、例えば基材の一方の面に熱転写層を設け、その基材の他方の面に耐熱滑性層を設けた構成となっている。ここで熱転写層は、インクの層であって、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、そのインクを昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)させ、熱転写受像シート側に転写するものである。また、熱転写受像シートは基材の一方の面に受容層を設け、その基材の他方の面に背面層を設けた構成が一般的である。
現在、熱転写方式の中でも昇華転写方式は、プリンタの高機能化と合わせて各種画像を簡便にフルカラーに形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。
熱転写受像シートの形態は、プリンタ内に格納するロール型、およびプリンタ外付けの専用ペーパーケースにセットする枚葉型に大別される。
民生向けプリンタは、持ち運びの容易性や省スペース化の観点からコンパクトな設計となっており、予めシート状に加工された枚葉型が主流となっている。枚葉型の熱転写受像シートでは、表裏を誤ってペーパーケースにセットした場合でも熱転写記録媒体と背面層が融着せずにスムーズに排紙される、すなわち耐事故性の要求が高まっている。
また、給紙不良、および2枚同時に給紙される重送も枚葉型の給紙方式由縁の課題として挙げられる。
耐事故性を改善した技術例として、特許文献1に、シート状支持体と、この支持体の表面上に形成され、かつ染料染着性樹脂を主成分として含む受像層と、前記支持体の裏面上に形成され、かつシリコーンブロック共重合体の少なくとも1種からなる離型剤を含有する裏面層とを有する染料熱転写受像シートが提案されている。この裏面層により、誤って受像シートの表裏を逆にした場合や、重ね置きした場合でも、受像層と裏面層とが融着することがないとしている。
また、重送を改善した技術例として、特許文献2に、基材シートの一方の面に、受容層を形成した熱転写受像シートであって、該受容層がバインダー樹脂と、離型剤と、該バインダー樹脂100質量部に対し0.05〜5質量部である滑剤とを含有する塗工液を塗布、乾燥して形成されてなるものであり、前記滑剤が25℃での粘度が50〜500mm2/sである主鎖片末端アルコール変性シリコーンオイルであり、前記基材シートの他方の面に、ポリビニルブチラール樹脂を含む裏面層を有することを特徴とする熱転写受像シートが提案されている。
特許第3181402号公報 特許第4872404号公報
しかしながら、特許文献1に提案されている熱転写受像シ−トを用いて印画を行ったところ、耐事故性は優れるものの、給紙不良、および重送の発生が認められた。また、特許文献2に提案されている熱転写受像シ−トを用いて印画を行ったところ、重送は発生しないものの耐事故性が不十分であり、熱転写記録媒体と熱転写受像シート背面層の貼りつきの発生が認められた。このように耐事故性、および給紙不良、および重送と言った背面層を起因とする搬送性課題を満足する熱転写受像シートは得られていないのが実状である。
また、トルエンやメチルエチルケトンのような毒性が高く環境負荷が大きい有機溶剤を使用することは、化学物質による環境や人体への影響が大きく、それらを軽減する製品の開発及び生産プロセスを検討する必要がある。
従って本発明の課題とするところは、環境に配慮したプロセスで生産でき、給紙不良や、重送が発生せず、且つ耐事故性に優れた背面層を有する熱転写受像シートを提供することにある。
本発明者らはこの課題に対して鋭意検討の結果、背面層に用いる材料を以下のように規定することで、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る請求項1記載の発明は、基材の一方の面に少なくとも染料受容層が積層され、前記基材の他方の面に少なくとも背面層を積層してなる熱転写受像シートであって、
前記背面層が、少なくとも水に溶解、または分散可能なフッ素樹脂と、金属石鹸と、有機フィラーもしくは無機フィラーとを含有することを特徴とする熱転写受像シートである。
また、請求項2記載の発明は、前記背面層の固形分中の金属石鹸の含有量が2重量%〜15重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の熱転写受像シートである。
また、請求項3記載の発明は、前記金属石鹸の金属塩が亜鉛塩であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱転写受像シートである。
また、請求項4記載の発明は、前記有機フィラーもしくは無機フィラーの含有量が3重量%〜30重量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の熱転写受像シートである。
本発明の熱転写シートによれば、背面層が水に溶解、または分散可能なフッ素樹脂、金属石鹸、有機もしくは無機フィラーを含有することによって、環境に配慮した、有機溶剤を使用しないプロセスで生産でき、給紙不良、重送が発生せず、且つ耐事故性に優れた熱転写受像シートを提供することができる。
実施形態の熱転写受像シートを示す側断面図である。
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態のみに限定されない。以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限
定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
図1は本発明の熱転写受像シートの一実施例の層構成を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の熱転写受像シート1は、シート状の基材2と、基材2の一面に染料受容層3と、基材2のもう一面に背面層3を少なくとも有する。
(基材)
基材2としては、特に限定されないが、公知の合成樹脂フィルムおよび紙類等を単独で、または複数種類組み合わせた複合体が使用できる。合成樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド等が挙げられる。紙類としては、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙等が挙げられる。
基材2の厚さは、適宜用途により選択してよいが、印画物としてのコシ、強度や耐熱性等を考慮すると、25μm〜250μm程度が好ましい。
(染料受容層)
染料受容層3は、基材2の表面に設けられている。染料受容層3は、従来公知のバインダ樹脂を用いることができる。バインダ樹脂の一例として、塩化ビニル−アクリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、塩化ビニル−アクリル−エチレン共重合体、塩化ビニル−アクリル−スチレン共重合体等を挙げることができる。これらは単独、あるいは2種以上を混合しても良い。
染料受容層3は必要に応じて造膜助剤、離型剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、架橋剤、蛍光染料、公知の添加剤を含有しても良い。
染料受容層3の厚さは、0.1μm〜10μm程度が好ましい。
また、熱転写受像シート1には、基材2と染料受容層3との間には、必要に応じてさらに接着層、断熱層、下地層等の中間層を設けても良い。
(背面層)
背面層4は、基材2の染料受容層3が設けられている側とは反対側に設けられる。本発明において背面層4は、少なくともバインダ樹脂としてフッ素樹脂を含み、滑剤として金属石鹸を含み、さらにフィラーを含有する。
背面層4のバインダ樹脂として、水に溶解または分散可能なフッ素樹脂の含有が必須である。フッ素樹脂のモノマーは、少なくともフッ素を1つ以上含有し、交互もしくはランダムに重合し得られたものを使用することができる。さらに、非フッ素モノマーも重合しても良い。
なお、バインダ樹脂としてフッ素樹脂のみを用いた場合、溶剤として水/アルコール系(IPA)溶剤を用いることができ、トルエン等の毒性の高い有機溶剤を使わずに済むため、環境負荷の小さいプロセスにすることができる。
フッ素樹脂の具体的な製品例として、明成化学工業(株)製アサヒガードEシリーズ、ダイキン工業(株)製ネオフロンディスパージョン等が挙げられる。
また、背面層4は滑剤として金属石鹸の含有が必須である。
金属石鹸とは、高級脂肪酸のアルカリ土類金属塩の総称であり、その化学構造式はR(RCOO)m・M(R:高級脂肪酸、樹脂酸、ナフテン酸、M:アルカリ土類金属イオン、mは自然数)で表される。シリコーンオイルや脂肪酸エステル等の常温で液状の滑剤は、ブリードアウトを起こし易いため、印画中にプリンタ内のローラーへ移行し、給紙不良を誘発する。
一方、金属石鹸は常温固体で融点が100℃以上のものが多く、熱時にのみ離型性が発揮されるため、ローラーへの移行は比較的少ない。
添加可能な金属石鹸の例として、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸鉛、ラウリン酸アルミニウム、リノシール酸カルシウム、リノシール酸亜鉛等が挙げられる。
これらの中でも、少ない配合量で耐事故性に効果を発揮するものとしてステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、リノシール酸亜鉛等の亜鉛塩の適用が好ましい。
背面層4において、耐熱性が高く、且つ離型性が良いフッ素樹脂と常温固体で熱時離型性を発現する金属石鹸を併用することで、優れた耐事故性が得られる。
金属石鹸の含有量は、背面層4の全固形分重量比で2〜15重量%が好ましい。2%未満では黒ベタ等の高印加エネルギーが付加される画像を印画した場合、十分な耐事故性が得られず、熱転写記録媒体と背面層4の融着が懸念される。一方、15%を超えると印画中にプリンタ内のローラーへ徐々に移行し、数千枚印画すると、給紙不良の発生が懸念される。
背面層4は、フィラーを必須成分として含有する。フィラーを含有させることで背面層4を粗面化し、重送を防止することができる。
背面層4に添加可能なフィラーとしては、一般的に使用されているものであればすべて使用でき、例えば有機フィラーとしてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、アクリル、ウレタン、ナイロン、セルロース等、無機フィラーとしてはシリカ、タルク、炭酸カルシウム等が挙げられる。これらは単独、あるいは2種以上を混合しても良い。
フィラーは背面層4の全固形分重量比で3〜30重量%が好ましい。3%未満では粗面化、および膜硬度低下が不十分であり、重送の発生が懸念される。一方、30%を超えると、フッ素樹脂配合比の低下により、背面層の耐熱性が低下するため、耐事故性が不十分になる可能性がある。
フィラーの平均粒子径は特に限定されないが、3μm〜12μmが好ましい。この値が3μm未満であると、粗面化、および膜硬度低下が不十分であり、重送の発生が懸念される。一方、12μmを超えると背面層4から脱落し、染料受容層3を傷つける可能性がある。なお平均粒子径はレーザー回折・散乱法による測定装置による測定値とする。
背面層4は必要に応じて造膜助剤、帯電防止剤を含有しても良い。
なお、背面層4の厚さは、0.5μm〜10μm程度が好ましい。
また、熱転写受像シート1には、基材2と背面層4との間には、必要に応じてさらに接着層、フィルム層、プライマー層等の中間層を設けても良い。
以下に、本発明の実施例、および比較例について説明する。
[熱転写受像シートの作製]
(実施例1)
図1の熱転写受像シート1を以下の方法で作製した。
(基材の作製)
厚さ140μmの上質紙を使用し、その一方の面に、厚さ20μmの片面コロナ処理された発泡ポリプロピレンフィルムのコロナ処理面側に、ポリエチレン樹脂を溶融押し出しして厚さ20μmのポリエチレン樹脂層を形成し、サンドラミ方式にて貼り合わせた。
次に、この基材の、発泡ポリプロピレンフィルムを貼り合せた側とは反対側の面と、厚さ40μmの片面コロナ処理されたポリプロピレンフィルムのコロナ処理面側に、ポリエチレン樹脂を溶融押し出しして厚さ20μmのポリエチレン樹脂層を形成し、サンドラミ方式にて貼り合わせ、紙と合成樹脂による複合体の基材2を作製した。
次に、この基材2の発泡ポリプロピレンフィルム面側に、下記の成分組成の染料受容層塗布液−1を、100℃で1分間乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布、乾燥することで、染料受容層3を形成した。なお、下記で「部」は各成分の重量部を意味する。
<染料受容層塗布液−1>
塩化ビニル‐アクリル共重合体
(日信化学工業(株)製ビニブラン701) 10部
ポリエーテル変性シリコーンオイル
(信越化学工業(株)製X−22−4515) 2部
水 80部
IPA 8部
次に、基材2のポリプロピレンフィルム側に、下記の成分組成の背面層塗布液−1を、100℃で1分間乾燥後の厚さが5μmとなるように塗布、乾燥することで、背面層4を形成し、実施例1の熱転写受像シートを得た。
なお、本実施例及び比較例において、各成分の添加量は重量部で表し、乾燥により揮発する溶媒を除き、各固形分の合計が100重量部となるように調製している。
<背面層塗布液−1>
フッ素エマルジョン 283部
(明成化学工業(株)製、固形分30%)
ステアリン酸マグネシウム(日油(株)製GF−200) 5部
アクリルフィラー(根上工業(株)製GR−800) 10部
水 100部
IPA 100部
[実施例2〜8、比較例1〜6の作製]
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、背面層の材料および配合比を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜8、比較例1〜6の熱転写受像シートを得た。実施例1との違いを以下に記載する。
(実施例2)
背面層塗布液−1のステアリン酸マグネシウム(日油(株)製GF−200)をステア
リン酸亜鉛(堺化学工業(株)製SZ−PF)に代えて背面層4を形成し、実施例2の熱転写受像シートを得た。
(実施例3)
背面層塗布液−1に代えて下記の背面層塗布液−2を使用して、背面層4を形成し、実施例3の熱転写受像シートを得た。
<背面層塗布液−2>
フッ素ディスパージョン 567部
(明成化学工業(株)製、固形分15%)
ステアリン酸亜鉛(堺化学工業(株)製SZ−PF) 5部
アクリルフィラー(根上工業(株)製GR−800) 10部
(実施例4)
背面層塗布液−1に代えて下記の背面層塗布液−3を使用して、背面層4を形成し、実施例4の熱転写受像シートを得た。
<背面層塗布液−3>
フッ素エマルジョン 293部
(明成化学工業(株)製、固形分30%)
ステアリン酸亜鉛(堺化学工業(株)製SZ−PF) 2部
アクリルフィラー(根上工業(株)製GR−800) 10部
水 100部
IPA 100部
(実施例5)
背面層塗布液−1に代えて下記の背面層塗布液−4を使用して、背面層4を形成し、実施例4の熱転写受像シートを得た。
<背面層塗布液−4>
フッ素エマルジョン 250部
(明成化学工業(株)製、固形分30%)
ステアリン酸亜鉛(堺化学工業(株)製SZ−PF) 15部
アクリルフィラー(根上工業(株)製GR−800) 10部
水 100部
IPA 100部
(実施例6)
背面層塗布液−1に代えて下記の背面層塗布液−5を使用して、背面層4を形成し、実施例6の熱転写受像シートを得た。
<背面層塗布液−5>
フッ素エマルジョン 307部
(明成化学工業(株)製、固形分30%)
ステアリン酸亜鉛(堺化学工業(株)製SZ−PF) 5部
アクリルフィラー(根上工業(株)製GR−800) 3部
水 100部
IPA 100部
(実施例7)
背面層塗布液−1に代えて下記の背面層塗布液−6を使用して、背面層4を形成し、実施例7の熱転写受像シートを得た。
<背面層塗布液−6>
フッ素エマルジョン 217部
(明成化学工業(株)製、固形分30%)
ステアリン酸亜鉛(堺化学工業(株)製SZ−PF) 5部
アクリルフィラー(根上工業(株)製GR−800) 30部
水 100部
IPA 100部
(実施例8)
背面層塗布液−2のフィラーをシリカフィラー(東ソー・シリカ(株)製SS−70)に代えて背面層4を形成し、実施例8の熱転写受像シートを得た。
(比較例1)
背面層塗布液−1に代えて下記の背面層塗布液−7を使用して、背面層4を形成し、比較例1の熱転写受像シートを得た。
<背面層塗布液−7>
ポリアミドイミド樹脂 283部
(日立化成(株)製HPC−5020、固形分30%)
ステアリン酸亜鉛(堺化学工業(株)製SZ−PF) 5部
アクリルフィラー(根上工業(株)製GR−800) 10部
トルエン 100部
IPA 100部
(比較例2)
背面層塗布液−3のフッ素エマルジョン(明成化学工業(株)製、固形分30%)をポリ塩化ビニル‐アクリルエマルジョン(日信化学工業(株)製ビニブラン701、固形分30%)に代え、さらにステアリン酸亜鉛を5%として背面層4を形成し、比較例2の熱転写受像シートを得た。
(比較例3)
背面層塗布液−1に代えて下記の背面層塗布液−8を使用して、背面層4を形成し、比較例3の熱転写受像シートを得た。
<背面層塗布液−8>
フッ素エマルジョン 300部
(明成化学工業(株)製、固形分30%)
アクリルフィラー(根上工業(株)製GR−800) 10部
水 100部
IPA 100部
(比較例4)
背面層塗布液−1のステアリン酸マグネシウムをシリコーンオイル(信越化学工業株製X−22−4515)に代えて背面層4を形成し、比較例4の熱転写受像シートを得た。
(比較例5)
背面層塗布液−1のステアリン酸マグネシウムをリン酸エステル(第一工業製薬(株)製プライサーフ208S))に代えて背面層4を形成し、比較例5の熱転写受像シートを得た。
(比較例6)
背面層塗布液−1に代えて下記の背面層塗布液−9を使用して、背面層4を形成し、比較例7の熱転写受像シートを得た。
<背面層塗布液−9>
フッ素エマルジョン 317部
(明成化学工業(株)製、固形分30%)
ステアリン酸亜鉛(堺化学工業(株)製SZ−PF) 5部
水 100部
IPA 100部
これらの実施例、比較例の製造条件および評価結果については、下記の表1にまとめた。
次に、受像層評価方法の詳細について説明する。
[背面層塗布液の評価]
上記実施例1〜8、比較例1〜6で得られた各熱転写受像シートについて、環境配慮性を評価した。
<環境配慮性評価>
実施例1〜8、比較例1〜6の熱転写受像紙シ−トを以下の基準にて評価した。
○:溶媒としてアルコール以外の有機溶剤を含まない。
×:溶媒としてアルコール以外の有機溶剤を含む。
[熱転写受像シートの評価]
上記実施例1〜8、比較例1〜6で得られた各熱転写受像シートについて、(1)耐事故性、(2)給紙不良、および(3)重送をそれぞれ評価した。評価用プリンタは、キヤノン(株)製コンパクトフォトプリンター、CP−1200を使用した。また、熱転写記録媒体は、前記プリンタ専用インクリボンを使用した。
<耐事故性評価>
実施例1〜8、比較例1〜6の熱転写受像紙シ−トをポストカードサイズ(100mm×177mm)に断裁し、前記プリンタ専用のペーパーケースに背面層側が印画されるようにセットした。35℃80%RH環境下で2時間調湿した後、黒ベタ画像を18枚連続印画した。印画物の評価は、以下の基準にて評価を行った。評価結果を表1に示す。
なお、△以上が実用上の問題ないレベルである。
◎:熱転写受像シートの背面層と熱転写記録媒体が印画中に貼り付くことなく排紙され、
印画物に線状の剥離痕も認められなかった。
○:貼り付きは発生しなかったが、印画物に線状の剥離痕が僅かに認められた。
△:貼り付きは発生しなかったが、印画物に線状の剥離痕が全面的に認められた。
×:熱転写受像シートの背面層と熱転写記録媒体が印画中に貼り付いた。
<給紙不良評価>
実施例1〜8、比較例1〜6の熱転写受像紙シ−トをポストカードサイズ(100mm×177mm)に断裁し、前記プリンタ専用のペーパーケースに染料受容層側が印画されるようにセットした。23℃50%RH環境下で2時間調湿した後、黒ベタ画像を36枚連続印画した。評価は、以下の基準にて評価を行った。○:給紙不良の発生が認められなかった。
×:給紙不良の発生が認められた。
<重送評価>
前記給紙不良の評価と同時に以下の基準にて評価を行った。評価結果を表1に示す。
○:重送の発生が認められなかった。
×:重送の発生が認められた。
評価結果を表1に示す。
Figure 2020062773
表1に示す結果から、背面層にフッ素樹脂、金属石鹸、およびフィラーを含有させることで、実用上問題ないレベルの搬送性(給紙不良、重送)、および耐事故性を得ることができた。
実施例1は3種類いずれの評価においても良好であった。実施例2、および実施例3の熱転写受像シートは、金属石鹸としてステアリン酸亜鉛を用いることで、ステアリン酸マグネシウムを用いた実施例1と比較してさらに耐事故性の良化が認められた。
しかしながら、背面層中のステアリン酸亜鉛の含有量を2%に減らした実施例4では、耐事故性がやや低下し、印画物に線状の剥離痕が認められた。実施例5はステアリン酸亜鉛の含有量を15%に増量しており、良好な結果を得た。
背面層中のフィラーの含有量を3%に減らした実施例6は、評価結果には特に影響を及ぼさず、良好な結果であった。一方、背面層中のフィラーの含有量を30%に増やした実施例7は、樹脂膜の耐熱性が低下したため耐事故性がやや低下し、印画物に線状の剥離痕が認められた。
また、背面層中のフィラーを無機フィラーであるシリカに代えた実施例8も、有機(アクリル)フィラーの場合と同様に良好な結果となった。
これに対して、バインダ樹脂としてポリアミドイミド樹脂を用いた比較例1の熱転写受像シートは、樹脂溶解のためにトルエンの使用が必須であり、環境配慮性が悪かった。
また、バインダ樹脂としてポリ塩化ビニル‐アクリル樹脂を用いた比較例2の熱転写受像シートは、耐事故性が不十分であり、インクリボンの貼り付きが認められた。
また、バインダ樹脂としてフッ素エマルジョンは用いたものの滑剤を無添加とした比較例3においても、比較例2同様、耐事故性が得られなかった。
滑剤として金属石鹸の代わりにシリコーンオイルを用いた比較例4は、耐事故性は満足するものの給紙不良の発生が認められた。
また、滑剤として金属石鹸の代わりにリン酸エステルを用いた比較例5は、耐事故性、給紙不良ともに不十分であった。
フィラーを無添加とした比較例6では、重送の発生が認められた。
本発明により得られる熱転写受像シートは、昇華転写方式のプリンタに好適に使用することができ、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラー形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書等のカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用できる。
1:熱転写受像シート
2:基材
3:染料受容層
4:背面層

Claims (4)

  1. 基材の一方の面に少なくとも染料受容層が積層され、前記基材の他方の面に少なくとも背面層を積層してなる熱転写受像シートであって、前記背面層が、少なくとも水に溶解、または分散可能なフッ素樹脂と、金属石鹸と、有機フィラーもしくは無機フィラーとを含有することを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記背面層の固形分中の金属石鹸の含有量が2重量%〜15重量%であることを特徴とする、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記金属石鹸の金属塩が亜鉛塩であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
  4. 前記有機フィラーもしくは無機フィラーの含有量が3重量%〜30重量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の熱転写受像シート。
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