JP2019127989A - ラチェット型ワンウェイクラッチ - Google Patents

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修 片山
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D41/00Freewheels or freewheel clutches
    • F16D41/12Freewheels or freewheel clutches with hinged pawl co-operating with teeth, cogs, or the like

Abstract

【課題】 爪部材とノッチとの噛み合い性能を向上させるとともに、外輪の耐久性を向上させることができるラチェット型ワンウェイクラッチを提供すること。【解決手段】 複数の爪部材25の頭部は、外輪3の内周部に周方向等間隔に形成され、径方向内方に開口する複数の第1の凹部23にそれぞれ保持され、第1の凹部23は、周方向に対向する一組の凸面35、39で幅狭部を形成し、爪部材25の頭部は、一組の凸面35、39にそれぞれ接触する一組の凹面部45、47を有し、前記第1の凹部23に揺動自在に、且つ抜け出し不能に保持されている。【選択図】図3

Description

本発明は、車両などに用いられるラチェット型ワンウェイクラッチに関する。
従来、外輪の内周部に設けられたトルク伝達部材である複数の爪部材と、爪部材が嵌合するノッチが外周部に設けられた内輪とからなるラチェット機構を備えたラチェット型ワンウェイクラッチにおいて、爪部材の挙動の安定化を図り、爪部材と内輪のノッチとの噛み合い性能を向上させたものがある(例えば特許文献1および2を参照)。
図5は、このような従来のラチェット型ワンウェイクラッチの例を示す正面図であり、軸方向一方側から見た状態を示している。図6は図5のB−B断面図であり、図7は従来のラチェット型ワンウェイクラッチの爪部材とその周辺部分の拡大図である。
図5乃至図7に示すように、従来のラチェット型ワンウェイクラッチ101は、外輪103の内周部に径方向内方に開口する凹部123が複数形成され、各凹部123の内部には、1つの爪部材125が嵌合される円形凹部126と、爪部材125を内輪105側に付勢する1つのコイルスプリング129が配置される凹部127とが周方向に隣接して形成されている。軸方向から見た円形凹部126の断面形状は、中心角が180度よりも大きい角度の扇形の円弧部分すなわち弓形となっている。すなわち円形凹部126は凹面となっている。
爪部材125は、一方の端部に、断面の円弧形状が円形凹部126の断面の円弧と同じ曲率半径の円形部141を有し、円形部141は円形凹部126に回動可能に嵌合している。このような構成により、凹面である円形凹部126の両端部は、円形凹部126から爪部材125が内径側に抜けることを防止する抜け止め部として構成されるとともに、爪部材125は、円形部141が円形凹部126に対して回動することにより円形部141を軸として揺動可能となっている。
特開2015−224744号公報 特開2015−197201号公報
従来のラチェット型ワンウェイクラッチ101は、トルク伝達時すなわち爪部材125と内輪105のノッチ117とが噛み合って外輪103と内輪105とが一体回転している時、トルク伝達に伴う荷重が、爪部材125を介して凹面である円形凹部126の全体に加わる。このため、図7にR2の範囲で示す円形凹部126の周辺部には、トルク伝達時の荷重による応力が集中する。このように、従来のラチェット型ワンウェイクラッチ101は、爪部材125が配置される円形凹部126が、トルク伝達時の荷重による応力が集中し易い形状となっている。そのため、従来のラチェット型ワンウェイクラッチ101は、両端部が爪部材125の抜け止め部である円形凹部126の耐久性が低下し、その結果、外輪103の耐久性が低下してしまう虞があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、爪部材の挙動の安定化を図ることにより爪部材とノッチとの噛み合い性能を向上させるとともに、外輪の耐久性を向上させることができるラチェット型ワンウェイクラッチを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るラチェット型ワンウェイクラッチは、
内周部に複数の爪部材と前記複数の爪部材をそれぞれ径方向内方に付勢する複数の弾性部材とを備えた外輪と、
外周部に前記複数の爪部材と噛み合うノッチが形成され、前記外輪の径方向内側に前記外輪と同軸に配置された内輪とを有し、
前記複数の爪部材の頭部は、前記外輪の内周部に周方向等間隔に形成され、径方向内方に開口する複数の第1の凹部にそれぞれ保持され、
前記第1の凹部は、周方向に対向する一組の凸面で幅狭部を形成し、
前記爪部材の頭部は、前記一組の凸面にそれぞれ接触する一組の凹面部を有し、前記第1の凹部に揺動自在に、且つ抜け出し不能に保持されていることを特徴とする。
本発明によれば、爪部材の挙動の安定化を図ることにより爪部材とノッチとの噛み合い性能を向上させるとともに、外輪の耐久性を向上させることができるラチェット型ワンウェイクラッチを提供することができる。
図1は実施形態に係るラチェット型ワンウェイクラッチの構成を示す正面図である。 図2は図1のA−A断面図である。 図3(a)は実施形態に係るラチェット型ワンウェイクラッチの爪部材とその周辺部分の拡大図であり、図3(b)は第1の凹部の拡大図であり、図3(c)は爪部材の拡大図である。 図4は板ばねの拡大図である。 図5は従来のラチェット型ワンウェイクラッチの構成を示す正面図である。 図6は図5のB−B断面図である。 図7は従来のラチェット型ワンウェイクラッチの爪部材とその周辺部分の拡大図である。
以下、本発明の実施形態に係るラチェット型ワンウェイクラッチを、図面を参照しながら説明する。
まず、本実施形態におけるラチェット型ワンウェイクラッチに係る方向について定義する。本実施形態において、「中心軸線」とはラチェット型ワンウェイクラッチの中心軸線のことをいい、軸方向、径方向、周方向とは、中心軸線に関する軸方向、径方向、周方向のことをいう。また、軸方向について、図1、図3においては紙面手前側を軸方向一方側とし、紙面奥側を軸方向他方側とし、図2においては紙面右方側を軸方向一方側とし、紙面左方側を軸方向他方側とする。周方向について、図1、図3において、紙面に向かって右側に回転する方向を周方向一方側あるいは時計方向とし、紙面に向かって左側に回転する方向を周方向他方側あるいは反時計方向とする。
図1は実施形態に係るラチェット型ワンウェイクラッチ1の構成を示す正面図であり、軸方向一方側から見た状態を示している。
図1はラチェット型ワンウェイクラッチ1および保持部材11について、中心軸線を中心として略90度の角度範囲を示し、他の部分の記載を省略している。図1においては、図2に示すプレート9の図示を省略している。
図2は図1のA−A断面図であり、本実施形態に係るラチェット型ワンウェイクラッチ1および保持部材11を中心軸線方向に切断した断面図である。図2の切断位置は後述する爪部材25が表れる位置としている。
図3(a)は実施形態に係るラチェット型ワンウェイクラッチの爪部材とその周辺部分の拡大図であり、図3(b)は第1の凹部の拡大図であり、図3(c)は爪部材の拡大図である。
図1および図2に示すように、ラチェット型ワンウェイクラッチ1は、外輪3と、外輪3に対して径方向内方に離間し、外輪3と同軸に且つ外輪3と相対回転可能に配置された内輪5と、外輪3と内輪5との間でトルクの伝達をするラチェット機構7と、外輪3および内輪5の軸方向一方側に配置されたプレート9とを有している。外輪3の内周面と内輪5の外周面とは径方向に対向している。プレート9は外輪3に固定されており、ラチェット機構7および内輪5がプレート9側すなわち軸方向一方側に移動することを規制している。
ラチェット型ワンウェイクラッチ1は、分解を防ぐための保持部材11に保持されている。外輪3には軸方向に貫通する貫通孔13が周方向に亘って複数形成されている。保持部材11およびプレート9には、外輪3の各貫通孔13に対応する位置に図示しない貫通孔がそれぞれ形成されている。プレート9の貫通孔、外輪3の貫通孔13、および保持部材11の貫通孔を貫通して図示しないリベットが挿通され、該リベットを加締めることにより、プレート9が外輪3に固定されるとともに、プレート9および外輪3が保持部材11に固定されている。このようにして、ラチェット型ワンウェイクラッチ1は保持部材11に保持されている。ラチェット型ワンウェイクラッチ1は、保持部材11を介して、例えばフライホイール12とエンジンの出力軸(図示省略)に固定されている。
内輪5の外周部には、周方向に亘って多数のノッチ17が等間隔に形成されている。各ノッチ17は内輪5の軸方向の一方端から他方端に亘って軸方向に延在している。内輪5の内径部には、内輪5の回転固定用のプレート等(図示省略)を嵌め合わせるためのスプライン19が形成されている。内輪5の中心部において、保持部材11には軸部材を通すシャフトホール21が形成されている。シャフトホール21には、例えばエンジンのクランクシャフト(図示省略)が嵌合される。
外輪3の内周部には、外輪3を軸方向に貫通し、径方向内方に開口する複数の第1の凹部23が周方向に等間隔に形成されている。それぞれの第1の凹部23には、内輪5のノッチ17と噛み合う爪部材25が1つ保持されている。外輪3の内周部には更に、外輪3を軸方向に貫通し、径方向内方に開口する複数の第2の凹部27が周方向に等間隔に形成されている。第2の凹部27は第1の凹部23と同数が形成され、第1の凹部23と第2の凹部27とは、所定間隔を介して周方向に交互に配置されている。
周方向に隣り合う第1の凹部23と第2の凹部27とは対をなし、それぞれの第2の凹部27には、対応する第1の凹部23に配置された爪部材25を内輪5側、すなわち径方向内方へ付勢するための弾性部材が1つ保持されている。本実施形態においては、弾性部材として板ばね29を用いている。内輪5のノッチ17と、第1の凹部23と、第1の凹部23に保持された爪部材25と、第2の凹部27と、第2の凹部27に保持された板ばね29とでラチェット機構7を構成している。以下、ラチェット機構7の構成について詳細に説明する。
第1の凹部23は軸方向に延在する溝状に形成されている。第1の凹部23は、図3(b)に示すように、径方向の深さ寸法よりも周方向の幅寸法の方が大きく形成されている。第1の凹部23の底部31は略平面に形成されている。
第1の凹部23の周方向一方側の面は、軸方向一方側から見た断面形状が、底部31の周方向一方側端部から内径側の開口に亘って2つの円弧33、35が逆S字状に滑らかに連続する波形となる曲面に形成されている。逆S字状の波形は、外径側の円弧部33の曲率半径よりも内径側の円弧部35の曲率半径の方が大きく形成されている。また、内径側の円弧部35は、周方向他方側に突出している。すなわち第1の凹部23の周方向一方側の面は、周方向一方側に凹んだ外径側の凹面部33と、周方向他方側に突出する内径側の凸面部35とが滑らかに連続する曲面となっている。
第1の凹部23の周方向他方側の面は、軸方向一方側から見た断面形状が、底部31の周方向他方側端部から内径側の開口に亘って2つの円弧37、39がS字状に滑らかに連続する波形となる曲面に形成されている。S字状の波形は、内径側の円弧部39の曲率半径よりも外径側の円弧部37の曲率半径の方が大きく形成されている。また、内径側の円弧部39は、周方向一方側に突出している。すなわち第1の凹部23の周方向他方側の面は、周方向他方側に凹んだ外径側の凹面部37と、周方向一方側に突出する内径側の凸面部39とが滑らかに連続する曲面となっている。第1の凹部23は、周方向一方側の面の凹面部33と周方向他方側の面の凹面部37とが周方向に対向し、周方向一方側の面の凸面部35と周方向他方側の面の凸面部39とが周方向に対向している。
爪部材25は軸方向に延在し、その軸方向寸法は、内輪5のノッチ17の軸方向寸法に対応している。爪部材25は、径方向外方側の部分の頭部であって第1の凹部23に嵌合する嵌合部41と、径方向内方側の部分であって嵌合部41の内径側から径方向内方且つ周方向他方側に延在し、内輪5のノッチ17と噛み合う噛み合い部43とから構成されている。噛み合い部43は、嵌合部41の内径側から、対応する第2の凹部27に保持された板ばね29に向かう方向に延在している。嵌合部41と噛み合い部43とは一体に形成されている。嵌合部41の周方向一方側の面45の内径側端部は、噛み合い部43の内径側の面49の周方向一方側端部と連続し、嵌合部41の周方向他方側の面47の内径側端部は、噛み合い部43の外径側の面51の周方向一方側端部と連続している。噛み合い部43は、周方向他方側に向かうに従い、内径側の面49と外径側の面51との間の肉厚が薄くなるように形成され、周方向他方側の先端部が内輪5のノッチ17と接触している。
嵌合部41の外径側の面53は平面に形成され、第1の凹部23の底部31と隙間を介して径方向に対向している。嵌合部41の周方向一方側の面45は、軸方向一方側から見た断面形状が、外径側の面53の周方向一方側端部から噛み合い部43の内径側の面49の周方向一方側端部との連続部に亘ってC字状となる曲面に形成されている。すなわち嵌合部41の周方向一方側の面45は、中央部が周方向他方側に凹み、外径側端部55および内径側端部57が周方向一方側に突出した凹面となっている。嵌合部41の周方向一方側の面45の外径側端部55は嵌合部41の外径側の面53の周方向一方側端部と滑らかに連続し、嵌合部41の周方向一方側の面45の内径側端部57は噛み合い部43の内径側の面49の周方向一方側端部と滑らかに連続している。なお、以下の説明においては、「嵌合部41の周方向一方側の面45」を、単に「嵌合部41の凹面45」という。
嵌合部41の凹面45の曲率半径は、第1の凹部23の周方向一方側の面の凸面部35の曲率半径と同じ大きさ、または凸面部35の曲率半径よりも少し大きく形成されている。また、嵌合部41の凹面45の断面形状の円弧の長さは、第1の凹部23の凸面部35の断面形状の円弧よりも短く形成されている。嵌合部41の凹面45の断面形状の円弧の中心角は90度よりも小さく形成され、本実施形態においては30度〜40度の大きさとなっている。嵌合部41は、周方向一方側の凹面45が第1の凹部23の周方向一方側の面の凸面部35に面接触し、これにより凹面45が第1の凹部23の凸面部35に嵌合している。嵌合部41の凹面45は、凸面部35に対して面接触している状態で凸面部35の断面形状の円弧形状に沿って摺動可能となっている。
嵌合部41の周方向他方側の面47は、軸方向一方側から見た断面形状が、外径側の面53の周方向他方側端部から噛み合い部43の外径側の面51の周方向一方側端部との連続部に亘って逆C字状となる曲面に形成されている。すなわち嵌合部41の周方向他方側の面47は、中央部が周方向一方側に凹み、外径側端部59および内径側端部61が周方向他方側に突出した凹面となっている。嵌合部41の周方向他方側の面47の外径側端部59は嵌合部41の外径側の面53の周方向他方側端部と滑らかに連続し、嵌合部41の周方向他方側の面47の内径側端部61は噛み合い部43の外径側の面51の周方向一方側端部と滑らかに連続している。なお、以下の説明においては、「嵌合部41の周方向他方側の面47」を、単に「嵌合部41の凹面47」という。
嵌合部41の凹面47の曲率半径は、第1の凹部23の周方向他方側の面の凸面部39の曲率半径よりも大きく形成されている。嵌合部41の凹面47は、第1の凹部23の凸面部39に対して摺動可能となっている。
爪部材25の嵌合部41はこのような構成なので、軸方向一方側から見た輪郭は、外径側の面53を含む外径側部分と、噛み合い部43と連続する内径側部分との間の部分がくびれた鼓状となっている。
第1の凹部23の周方向一方側の面の凸面部35の頂部と周方向他方側の面の凸面部39の頂部との間隔は、爪部材25の嵌合部41の凹面45の外径側端部55の先端から凹面47の外径側端部59の先端までを直線で結んだ距離よりも小さくなるように形成されている。したがって、第1の凹部23の周方向一方側の面の凸面部35と周方向他方側の面の凸面部39とは幅狭部を形成し、第1の凹部23から爪部材25の頭部である嵌合部41が内径側に抜けることを防止する抜け止め部を構成している。詳細には、爪部材25は、嵌合部41の凹面45の外径側端部55および凹面47の外径側端部59が、第1の凹部23の周方向一方側の凸面部35の外径側部分および周方向他方側の凸面部39の外径側部分に接触することにより、内径側への抜けが防止されている。
以上説明したような第1の凹部23および爪部材25の構成により、爪部材25は、嵌合部41の凹面45が第1の凹部23の周方向一方側の面の凸面部35に対して面接触している状態で摺動し、第1の凹部23の周方向一方側の面の凸面部35に対して揺動可能となっている。爪部材25が揺動する際、嵌合部41の凹面47は、第1の凹部23の周方向他方側の面の凸面部39に対して摺動する。
第2の凹部27は、周方向に隣り合う2つの第1の凹部23間の略中央部に形成されている。第2の凹部27は軸方向に延在する溝状に形成され、軸方向から見た断面形状が、中心角を180度以上とする扇形の円弧部分すなわち弓形となっている。
図4は板ばね29の拡大図であり、軸方向一方側から見た状態を示している。板ばね29は、第2の凹部27に嵌合する円弧部63と、円弧部63の周方向一方側端部および周方向他方側端部からそれぞれ周方向一方側および周方向他方側に延在し、外輪3の内周面に接触して円弧部63が第2の凹部27に対して回動しないように固定する一対の固定部65と、周方向一方側の固定部65の周方向一方側端部から連続し、径方向内方且つ周方向一方側に折り曲げられて形成され、先端部が爪部材25の噛み合い部43に接触する付勢部67とを有している。付勢部67は、対応する爪部材25に向かう方向に延在している。円弧部63は第2の凹部27の断面形状に対応する形状を有し、円弧部63の中心角は180度以上となっている。
板ばね29は、付勢部67の周方向一方側の端部が爪部材25の噛み合い部43の外径側の面51に接触し、噛み合い部43を内径側に付勢している。付勢部67の周方向長さおよび周方向一方側の固定部65からの折り曲げ角度は、第1の凹部23に対する第2の凹部27の位置、爪部材25の数、外輪3および内輪5の径寸法等を総合的に考慮して、爪部材25がノッチ17と正常に噛み合い、またラチェット型ワンウェイクラッチ1の空転時においては外輪3と内輪5との相対回転の大きな抵抗とならないような、適切な付勢力を発生するように設計されている。
本実施形態のラチェット型ワンウェイクラッチ1の作動は、図1において、内輪5が向かって右側すなわち時計方向に回転する方向がロックであり、内輪5が向かって左側すなわち反時計方向に回転する方向が空転である。詳細には、内輪5が時計方向に回転すると、外輪3の複数の爪部材25が内輪5のノッチ17に噛み合い、外輪3と内輪5とが一体回転する。その結果、内輪5から外輪3へとトルクが伝達される。
一方、内輪5が反時計方向に回転すると、複数の爪部材25は内輪5のノッチ17に噛み合わず、内輪5は外輪3に対して空転する。その結果、内輪5から外輪3へのトルクの伝達はなされない。
このような構成の本実施形態のラチェット型ワンウェイクラッチ1は、以下のような優れた効果を発揮することができる。
本実施形態のラチェット型ワンウェイクラッチ1は、トルク伝達時すなわち爪部材25と内輪5のノッチ17とが噛み合って外輪3と内輪5とが一体回転している時、トルク伝達に伴う荷重は、内輪5から爪部材25を介して外輪25の第1の凹部23に加わる。詳細には、トルク伝達に伴う荷重は、爪部材25の嵌合部41の周方向一方側の凹面45を介して、第1の凹部23の周方向一方側の面の凸面部35の、嵌合部41の凹面45が面接触している部分に加わる。
ここで、嵌合部41の凹面45の断面形状の円弧の中心角は90度よりも小さく形成され、本実施形態においては30度〜40度の大きさとなっている。したがって、第1の凹部23の周方向一方側の面の凸面部35の断面のうち、トルク伝達に伴う荷重が加わる範囲は、図3(a)のR1の範囲で示すように、中心角が90度よりも小さく、本実施形態においては、30度〜40度の中心角に対応する円弧の範囲となっている。このように、本実施形態においては、トルク伝達に伴う荷重が加わる範囲が、第1の凹部23の凸面部35の部分であり、従来のラチェット型ワンウェイクラッチと比較して小さい範囲となっている。したがって本実施形態は、トルク伝達時の荷重による応力が掛かる範囲も小さくなっている。
さらに本実施形態のラチェット型ワンウェイクラッチ1は、トルク伝達に伴う荷重が加わる部分は凸面であるので、トルク伝達時の荷重による応力は凸面部35の断面の円弧の両端部の方向に分散し、嵌合部41の凹面45が接触している凸面部35の部分に集中しにくい構成となっている。その結果、本実施形態のラチェット型ワンウェイクラッチ1は、外輪3の第1の凹部23の全体に応力が集中することがなく、外輪3の耐久性が低下してしまうことを抑制し、外輪3の耐久性を向上させることができる。
また、第1の凹部23の周方向一方側の面の凸面部35と周方向他方側の面の凸面部39とは幅狭部を形成し、第1の凹部23から爪部材25が内径側に抜けることを防止する抜け止め部を構成している。詳細には、爪部材25は、嵌合部41の周方向一方側の凹面45の外径側端部55および周方向他方側の凹面47の外径側端部59が、第1の凹部23の周方向一方側の凸面部35の外径側部分および周方向他方側の凸面部39の外径側部分に接触することにより、内径側への抜けが防止されている。このように、爪部材25の抜け止め部が凸面で構成され、且つ爪部材25が凸面の外径側部分に接触する構成となっている。さらに、上述したように第1の凹部23の凸面部35は、トルク伝達時の荷重による応力が集中しにくい構成となっている。このような構成により、本実施形態のラチェット型ワンウェイクラッチ1は、抜け止め部に応力が集中することが防止され、抜け止め部の耐久性の低下を抑制することができる。
また、本実施形態のラチェット型ワンウェイクラッチ1は、爪部材25を付勢する弾性部材として板ばね29を用いており、板ばね29は爪部材25を保持する第1の凹部23とは別に形成された第2の凹部27に保持されている。この構成により、従来のコイルスプリングを用いた場合と比較して板ばね29の保持構造を簡易とすることができるとともに、弾性部材の軽量化を図ることができる。
また、従来のラチェット型ワンウェイクラッチのようにコイルスプリングを用いた場合にあっては、爪部材が内輪のノッチと噛み合う際に爪部材がノッチに弾かれて、コイルスプリングが曲がって爪部材と外輪との間に挟まれて変形してしまうことがあった。これに対し、本実施形態のように、爪部材25を付勢する弾性部材として板ばね29を用いることにより、爪部材25がノッチ17と噛み合う際に爪部材25がノッチ17に弾かれても、板ばね29は爪部材25と外輪3との間に挟まれることはない。その結果、爪部材25の挙動が安定し、爪部材25とノッチ17との噛み合い性能が向上する。
このように、本実施形態によれば、爪部材25の挙動の安定化を図ることにより爪部材25と内輪5のノッチ17との噛み合い性能を向上させるとともに、外輪3の耐久性を向上させることができるラチェット型ワンウェイクラッチ1を実現することができる。
1 ラチェット型ワンウェイクラッチ
3 外輪
5 内輪
7 ラチェット機構
9 プレート
11 保持部材
13 貫通孔
17 ノッチ
19 スプライン
21 シャフトホール
23 第1の凹部
25 爪部材
27 第2の凹部
29 板ばね
31 底部
33 凹面部
35 凸面部
37 凹面部
39 凸面部
41 嵌合部
43 噛み合い部
45 周方向一方側の凹面
47 周方向他方側の凹面
49 内径側の面
51 外径側の面
53 外径側の面
55 外径側端部
57 内径側端部
59 外径側端部
61 内径側端部
63 円弧部
65 固定部
67 付勢部
101 ラチェット型ワンウェイクラッチ
103 外輪
105 内輪
117 ノッチ
123 凹部
125 爪部材
126 円形凹部
127 凹部
129 コイルスプリング
141 円形部

Claims (6)

  1. 内周部に複数の爪部材と前記複数の爪部材をそれぞれ径方向内方に付勢する複数の弾性部材とを備えた外輪と、
    外周部に前記複数の爪部材と噛み合うノッチが形成され、前記外輪の径方向内側に前記外輪と同軸に配置された内輪とを有し、
    前記複数の爪部材の頭部は、前記外輪の内周部に周方向等間隔に形成され、径方向内方に開口する複数の第1の凹部にそれぞれ保持され、
    前記第1の凹部は、周方向に対向する一組の凸面で幅狭部を形成し、
    前記爪部材の頭部は、前記一組の凸面にそれぞれ接触する一組の凹面部を有し、前記第1の凹部に揺動自在に、且つ抜け出し不能に保持されていることを特徴とするラチェット型ワンウェイクラッチ。
  2. 前記一組の凹面部の一方の曲率半径は、前記一組の凸面の一方の曲率半径と同じか、または少し大きく形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラチェット型ワンウェイクラッチ。
  3. 前記複数の弾性部材は、前記外輪の内周部に周方向等間隔に形成され、径方向内方に開口する複数の第2の凹部にそれぞれ保持され、前記複数の第2の凹部は、前記複数の第1の凹部と所定間隔を介して周方向に交互に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のラチェット型ワンウェイクラッチ。
  4. 前記弾性部材は板ばねであることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載のラチェット型ワンウェイクラッチ。
  5. 前記爪部材は、前記頭部と連続し、対応する前記板ばねに向かって周方向に延在する部分を有し、
    前記板ばねは、前記爪部材の前記周方向に延在する部分を付勢することを特徴とする請求項3に記載のラチェット型ワンウェイクラッチ。
  6. 前記爪部材は、前記一組の凹面部の一方が前記一組の凸面の一方に対して揺動可能であることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のラチェット型ワンウェイクラッチ。
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