JP2019127946A - 差動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で、旋回方向によらず内輪側から外輪側へトルクを増幅して伝達可能な差動装置を提供する。【解決手段】差動装置は、左サイドギヤ13Lに噛合するピニオン15L,21Lと、右サイドギヤ13Rに噛合するピニオン17Rと、ピニオン17Rに噛合するピニオン15R,21Rと、ハウジング同一回転方向のピニオン15Lの回転をピニオン15Rに伝達する一方、ハウジング反対回転方向のピニオン15Lの回転をピニオン15Rに非伝達するワンウェイクラッチ23と、ハウジング反対回転方向のピニオン21Rの回転をピニオン21Lに伝達する一方、ハウジング同一回転方向のピニオン21Rの回転をピニオン21Lに非伝達するワンウェイクラッチ24と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、車両に設けられる差動装置に関する。
従来より、車両に搭載され、左右の駆動輪の速度差を吸収する差動機構に加えて、駆動源からのトルクを減速する減速機構を有する差動装置が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1の装置では、減速機構と差動機構とをそれぞれ遊星ギヤ機構として構成し、減速機構と差動機構とがそれぞれの遊星ギヤ機構のキャリアを共有することで装置全体を軽量化するように構成している。
特許文献1:特開2002−235832号公報
上記特許文献1記載の装置の差動機構は、左右一対の遊星ギヤ機構を有しており、車両の旋回時に左右の駆動輪に速度差が生じると、内輪側のサンギヤから内輪側のプラネタリギヤ、外輪側のプラネタリギヤを介して外輪側のサンギヤにトルクが伝達される。すなわち、上記特許文献1の装置の差動機構は、1系統のトルク伝達経路を介して内外輪間でトルクが伝達されるため、内輪側から外輪側へトルクを増幅して伝達するように構成することは難しい。
本発明の一態様である差動装置は、一対の第1駆動輪および第2駆動輪にそれぞれ連結され、第1軸線を中心にそれぞれ回転する第1回転軸および第2回転軸と、駆動源により駆動され、第1軸線を中心に回転するキャリアと、駆動源からのトルクを、キャリアを介して第1回転軸に伝達する第1ギヤ機構と、駆動源からのトルクを、キャリアを介して第2回転軸に伝達する第2ギヤ機構と、を備える。第1ギヤ機構は、キャリアによりそれぞれ自転可能に支持されるとともに、キャリアとともに第1軸線を中心に公転する第1ピニオンおよび第2ピニオンと、第1回転軸に連結されるとともに、第1ピニオンおよび第2ピニオンにそれぞれ噛合し、第1軸線を中心に回転する第1ギヤと、を有する。第2ギヤ機構は、キャリアによりそれぞれ自転可能に支持されるとともに、キャリアとともに第1軸線を中心に公転する第3ピニオン、第4ピニオンおよび第5ピニオンと、第2回転軸に連結されるとともに、第3ピニオンに噛合し、第1軸線を中心に回転する第2ギヤと、を有する。第1ピニオンと第4ピニオンとは第1軸線と平行な第2軸線上に配置され、第2ピニオンと第5ピニオンとは第1軸線と平行な第3軸線上に配置され、第3ピニオンは、第4ピニオンおよび第5ピニオンにそれぞれ噛合する。差動装置は、第2軸線を中心とした第1回転方向の第1ピニオンの回転を第4ピニオンに伝達する一方、第2軸線を中心とした第1回転方向とは反対方向の第2回転方向の第1ピニオンの回転を第4ピニオンに非伝達する第1トルク伝達機構と、第3軸線を中心とした第2回転方向の第5ピニオンの回転を第2ピニオンに伝達する一方、第3軸線を中心とした第1回転方向の第5ピニオンの回転を第2ピニオンに非伝達する第2トルク伝達機構と、を備える。
本発明によれば、簡易な構成で、旋回方向によらず内輪側から外輪側へトルクを増幅して伝達するように構成することができる。
本発明の実施形態の比較例に係る差動装置を有する車両の走行駆動系の概略構成を示す図。 図1の左ギヤ機構を模式的に示す正面図。 図1の右ギヤ機構を模式的に示す正面図。 図1の左駆動輪から右駆動輪または右駆動輪から左駆動輪へのトルク伝達経路を示す図。 本発明の実施形態に係る差動装置を有する車両の走行駆動系の概略構成を示す図。 図4Aと同様の図。 図2Aおよび図2Bの左ギヤ機構を模式的に示す正面図。 図2Aおよび図2Bの右ギヤ機構を模式的に示す正面図。 図4A、図4Bの左駆動輪から右駆動輪または右駆動輪から左駆動輪へのトルク伝達経路を示す図。
以下、図1〜図6を参照して本発明の実施形態に係る差動装置について説明する。以下では、一例として車両の左駆動輪および右駆動輪にトルクを分配するように差動装置を構成する。
まず、本実施形態の比較例について説明する。図1は、本実施形態の比較例に係る差動装置を有する車両の走行駆動系の概略構成を示す図である。なお、便宜上、図示のように車幅方向に沿って左右方向を定義する。図1に示すように、車両100は、駆動源としてのエンジン1と、エンジン1の回転を変速する変速機2と、変速機2からのトルクを左駆動輪3Lと右駆動輪3Rとに分配して伝達する差動装置10Aとを有する。なお、駆動源には、エンジン1に代えて、あるいはエンジン1に加えて電動機(走行モータ)を用いることもできる。
差動装置10Aは、ハウジング11を有する。ハウジング11は、左右方向に延在する軸線CL0を中心にして概略円筒形状に形成され、不図示の車体フレームから回転可能に支持される。ハウジング11の外周面にはギヤ部11aが設けられ、ギヤ部11aは変速機2の出力軸のギヤ2aに噛合する。ハウジング11の内部には、左駆動輪3Lにトルクを伝達するギヤ機構(左ギヤ機構と呼ぶ)12Lと、右駆動輪3Rにトルクを伝達するギヤ機構(右ギヤ機構と呼ぶ)12Rとが収容される。
図2Aは、左ギヤ機構12Lを模式的に示す正面図(左方から見た図)であり、図2Bは、右ギヤ機構12Rを模式的に示す正面図(右方から見た図)である。なお、図1の左ギヤ機構12Lは、図2Aのハウジング11の中心(軸線CL0)を通るI-I線に沿った断面図に相当し、図1の右ギヤ機構12Rは図2Bのハウジング11の中心を通るI-I線に沿った断面図に相当する。
図1および図2Aに示すように、左ギヤ機構12Lは、軸線CL0を中心に回転するサイドギヤ13Lと、サイドギヤ13Lの周囲に配置され、それぞれがサイドギヤ13Lに噛合する複数(図では3個)のピニオン15Lとを有する。
軸線CL0に沿って延在するサイドギヤ13Lの回転軸14Lは、左駆動輪3Lに連結され、サイドギヤ13Lは左駆動輪3Lと一体に回転する。サイドギヤ13Lの歯数ZSLは、例えば“35”に設定される。ハウジング11の内壁には、サイドギヤ13Lの径方向外側に、軸線CL0に平行に、周方向等間隔に複数(3本)のピニオン軸16が固定される。より具体的には、ピニオン軸16の両端部はハウジング11の左壁と右壁とに固定され、ピニオン軸16はハウジング11と一体に回転する。複数のピニオン15Lは、複数のピニオン軸16にそれぞれ回転可能に支持される。したがって、ピニオン15Lは、軸線CL0を中心に公転するとともに軸線CL1を中心に自転する。ピニオン15Lの歯数Z1Lは、例えば“25”に設定される。
図1および図2Bに示すように、右ギヤ機構12Rは、軸線CL0を中心に回転するサイドギヤ13Rと、サイドギヤ13Rの周囲に配置され、それぞれがサイドギヤ13Rに噛合する複数(図では3個)のピニオン15Rと、サイドギヤ13Rの周囲に配置された複数(図では3個)のピニオン17Rとを有する。各ピニオン17Rには、各ピニオン15Rが噛合する。
軸線CL0に沿って延在するサイドギヤ13Rの回転軸14Rは、右駆動輪3Rに連結され、サイドギヤ13Rは右駆動輪3Rと一体に回転する。サイドギヤ13Rの歯数ZSRは、例えば“28”に設定される。ハウジング11の内壁には、サイドギヤ13Rの径方向外側に、軸線CL0に平行に、周方向等間隔に複数(3本)のピニオン軸18が固定される。より具体的には、ピニオン軸18の両端部はハウジング11の左壁と右壁とに固定され、ピニオン軸18はハウジング11と一体に回転する。複数のピニオン17Rは、複数のピニオン軸18にそれぞれ回転可能に支持される。したがって、ピニオン17Rは、軸線CL0を中心に公転するとともに、軸線CL2を中心に自転する。ピニオン17Rの歯数Z2Rは、例えば“15”に設定される。
複数のピニオン15Rは、それぞれピニオン軸16に回転可能に支持される。さらにピニオン15Rとピニオン15Lとは、互いに固定され、両者は一体に回転する。すなわち、ピニオン15Rは、ピニオン15Lと同様、軸線CL0を中心に公転するとともに、軸線CL1を中心に自転する。ピニオン15Rの歯数Z1Rは、例えば“16”に設定される。
以上の差動装置10Aは、サイドギヤ13L,13Rおよびピニオン15L,15Rおよび17RをヘリカルギヤとしたヘリカルLSDとして構成される。
上記の構成によれば、エンジン1から出力されたトルクは変速機2で適宜変速された後、差動装置10Aのハウジング11に入力される。ハウジング11にトルクが入力されると、ハウジング11が軸線CL0を中心に回転する。これによりピニオン軸16とピニオン軸18とが、軸線CL0を中心にハウジング11と一体に回転する。
ピニオン軸16の回転により、ピニオン15Lが軸線CL0を中心に公転する。このとき、ピニオン15Lは、左駆動輪3Lおよび右駆動輪3Rが受ける抵抗が互いに等しいとき、例えば直進走行時には自転しないが、旋回走行時には自転する。ピニオン15Lが公転すると、ピニオン15Lに噛合するサイドギヤ13Lおよびその回転軸14Lが回転し、左駆動輪3Lにトルクが伝達される。
ピニオン軸18の回転により、ピニオン17Rが軸線CL0を中心に公転する。このとき、ピニオン17Rは、例えば直進走行時には自転しないが、旋回走行時には自転する。ピニオン17Rが公転すると、ピニオン17Rに噛合するサイドギヤ13Rおよびその回転軸14Rが回転し、右駆動輪3Rにトルクが伝達される。
すなわち、例えば直進走行時には、エンジン1から変速機2を介して差動装置10Aのハウジング11に入力されたトルクは、ピニオン軸16,18および左右のギヤ機構12L,12Rを介して左右の回転軸14L,14Rにそれぞれ伝達され、左右の駆動輪3L,3Rに均等に分配される。
一方、例えば旋回走行時には、左右の駆動輪3L,3Rが接地面から受ける抵抗に差が生じ、左右の駆動輪3L,3Rの間に速度差(差回転)が生じる。このとき、ピニオン15Rを介してピニオン15Lとピニオン17Rとが互いに反対方向に自転することで、左駆動輪3Lと右駆動輪3Rとの間に生じる抵抗差に応じたトルクを分配(伝達)し、このような差回転を吸収する。
別の観点でいうと、例えば車両100が左旋回する場合は、内輪側となる左駆動輪3Lが接地面から受ける抵抗が外輪側となる右駆動輪3Rが接地面から受ける抵抗よりも相対的に大きくなる。差動装置10Aは、左駆動輪3Lと右駆動輪3Rとの間に生じた抵抗差に応じたトルクを、図3(a)の経路(矢印TP1)に沿って内輪側の左駆動輪3Lから外輪側の右駆動輪3Rへ伝達し、右駆動輪3Rの回転速度を増速する。
この点について、さらに詳しく説明する。左右の駆動輪の抵抗差に応じて接地面から左駆動輪3Lにトルクが入力されると、左駆動輪3Lおよびこれと一体の回転軸14Lおよびサイドギヤ13Lの回転速度がハウジング11よりも減速する。このようにハウジング11の回転速度がサイドギヤ13Lよりも相対的に速くなると、ピニオン15Lがハウジング11の回転方向と同一方向に自転し、ピニオン15Lと一体にピニオン15Rも自転する。
ピニオン15Rが自転すると、ピニオン15Rに噛合するピニオン17Rがピニオン15Rと反対方向に自転する。ピニオン17Rが自転すると、ピニオン17Rに噛合するサイドギヤ13Rが、ハウジング11よりも増速されて回転する。
このとき、サイドギヤ13Lからピニオン15Lへのトルク伝達比はZ1L/ZSL(例えば25/35)、ピニオン15Rからピニオン17Rへのトルク伝達比はZ2R/Z1R(例えば15/16)、ピニオン17Rからサイドギヤ13Rへのトルク伝達比はZSR/Z2R(例えば28/15)である。
この場合、差動装置10Aによる左駆動輪3Lから右駆動輪3Rへのトルク伝達比α1は、次式(I)で算出される。
α1=(Z1L/ZSL)×(Z2R/Z1R)×(ZSR/Z2R) (I)
上式(I)に具体的な歯数を代入すると、差動装置10Aによる左駆動輪3Lから右駆動輪3Rへのトルク伝達比α1は、例えば、(25/35)×(15/16)×(28/15)=1.25となる。
一方、車両100が右旋回する場合は、内輪側となる右駆動輪3Rが接地面から受ける抵抗が外輪側となる左駆動輪3Lが接地面から受ける抵抗よりも相対的に大きくなる。差動装置10Aは、左駆動輪3Lと右駆動輪3Rとの間に生じた抵抗差に応じたトルクを、図3(b)の経路(矢印TP2A)に沿って内輪側の右駆動輪3Rから外輪側の左駆動輪3Lへ伝達し、左駆動輪3Lの回転速度を増速する。すなわち、この場合は、上記した車両100が左旋回する場合と同一のトルク伝達経路により、右駆動輪3Rから左駆動輪3Lへトルクを伝達する。
このとき、差動装置10Aによる右駆動輪3Rから左駆動輪3Lへのトルク伝達比α2は、次式(II)で算出される。
α2=(Z2R/ZSR)×(Z1R/Z2R)×(ZSL/Z1L) (II)
上式(II)に具体的な歯数を代入すると、差動装置10Aによる右駆動輪3Rから左駆動輪3Lへのトルク伝達比α2は、例えば、(15/28)×(16/15)×(35/25)=0.8となる。
なお、差動装置10AはヘリカルLSDとして構成される。このため、左駆動輪3Lと右駆動輪3Rとの間で伝達されるトルクが増大すると、各ヘリカルギヤの歯圧反力が高まり、ピニオン15Lがハウジング11の内壁に押し付けられることで差動が制限される。
以上の比較例に係る差動装置10Aでは、左駆動輪3Lから右駆動輪3Rへのトルク伝達比α1と、右駆動輪3Rから左駆動輪3Lへのトルク伝達比α2とが異なる。より具体的には、α1はα2の逆数となる。すなわち、左駆動輪3Lから右駆動輪3Rへはトルクが増幅して伝達されるが(トルク伝達比α1は1.25)、右駆動輪3Rから左駆動輪3Lへはトルクが減少して伝達される(トルク伝達比α2は0.8)。このため、車両100の旋回方向によって内輪側から外輪側へのトルク伝達比が異なり、左旋回時と右旋回時とで車両100の走行性能が不均等になる。
そこで、本実施形態では、以下のように、車両100の旋回方向によらず内輪側から外輪側へトルクを増幅して伝達するように差動装置を構成する。図4A、図4Bは、本実施形態に係る差動装置を有する車両の走行駆動系の概略構成を示す図であり、図5Aは、左ギヤ機構20Lを模式的に示す正面図(左方から見た図)であり、図5Bは、右ギヤ機構20Rを模式的に示す正面図(右方から見た図)である。なお、図4A〜図5Bにおいて、図1〜図2Bと同一の箇所には同一の符号を付し、以下では、比較例との相違点を主に説明する。なお、図4Aの左ギヤ機構20Lは図5Aのハウジング11の中心(軸線CL0)を通るIVA-IVA線に沿った断面図に相当し、図4Aの右ギヤ機構20Rは図5Bのハウジング11の中心を通るIVA-IVA線に沿った断面図に相当する。また、図4Bの左ギヤ機構20Lは図5Aのハウジング11の中心(軸線CL0)を通るIVB-IVB線に沿った断面図に相当し、図4Bの右ギヤ機構20Rは図5Bのハウジング11の中心を通るIVB-IVB線に沿った断面図に相当する。
図4A〜図5Bに示すように、本実施形態の差動装置10は、比較例の差動装置10Aに加え、複数の(図では3個)のピニオン21Lと、複数(図では3個)のピニオン21Rとを有する。ピニオン21Lは、左ギヤ機構20Lを構成し、ピニオン21Rは、右ギヤ機構20Rを構成する。
ハウジング11の内壁には、サイドギヤ13L,13Rの径方向外側に、軸線CL0に平行に、周方向等間隔に複数(3本)のピニオン軸22が固定される。より具体的には、ピニオン軸22の両端部はハウジング11の左壁と右壁とに固定され、ピニオン軸22はハウジング11と一体に回転する。複数のピニオン21L,21Rは、複数のピニオン軸22にそれぞれ回転可能に支持される。したがって、ピニオン21L,21Rは、軸線CL0を中心に公転するとともに、軸線CL3を中心に自転する。ピニオン21Lの歯数Z3Lは、例えば“15”に設定される。ピニオン21Rの歯数Z3Rは、例えば“15”に設定される。
さらに本実施形態では、ピニオン15Lがワンウェイクラッチ23を介してピニオン軸16に支持される。ワンウェイクラッチ23は、ピニオン15Lの一方向の回転、例えばハウジング11の回転方向と同一方向の回転(これをハウジング同一回転方向と呼ぶ)をピニオン15Rに伝達する。さらに、ピニオン15Lの反対方向の回転、例えばハウジング11の回転方向と反対方向の回転(これをハウジング反対回転方向と呼ぶ)をピニオン15Rに非伝達するように構成される。
すなわち、ピニオン15Lがハウジング同一回転方向に回転するときは、ピニオン15Lとピニオン15Rとの間のトルク伝達径路が接続されて軸線CL1を中心にしてピニオン15Lとピニオン15Rとが一体に自転する。したがって、左駆動輪3Lからのトルクは、ピニオン15Lとピニオン15Rとの間のトルク伝達径路を介して右駆動輪3Rへ伝達される。
一方、ピニオン15Lがハウジング反対回転方向に回転するときは、ピニオン15Lとピニオン15Rとの間のトルク伝達径路が遮断され、ピニオン15Lがピニオン15Rに対し相対的に自転する。このため、右駆動輪3Rからのトルクは、ピニオン15Lとピニオン15Rとの間のトルク伝達径路を介して左駆動輪3Lへ伝達されることがない。
ピニオン21Lも同様に、ワンウェイクラッチ24を介してピニオン軸22に支持される。ワンウェイクラッチ24は、ピニオン21Lの一方向の回転をピニオン21Rに非伝達し、反対方向の回転をピニオン21Rに伝達するように構成される。
すなわち、ピニオン21Lがハウジング反対回転方向に回転するときは、ピニオン21Lとピニオン21Rとの間のトルク伝達径路が接続されて軸線CL3を中心にしてピニオン21Lとピニオン21Rとが一体に自転する。したがって、右駆動輪3Rからのトルクは、ピニオン21Lとピニオン21Rとの間のトルク伝達径路を介して左駆動輪3Lへ伝達される。
一方、ピニオン21Lがハウジング同一回転方向に回転するときは、ピニオン21Lとピニオン21Rとの間のトルク伝達径路が遮断され、ピニオン21Lがピニオン21Rに対し相対的に自転する。このため、左駆動輪3Lからのトルクは、ピニオン21Lとピニオン21Rとの間のトルク伝達径路を介して右駆動輪3Rへ伝達されることがない。
上記の構成によれば、例えば直進走行時には、比較例と同様に、エンジン1から変速機2を介して差動装置10のハウジング11に入力されたトルクは、ピニオン軸16,18および左右のギヤ機構20L,20Rを介して左右の回転軸14L,14Rにそれぞれ伝達され、左右の駆動輪3L,3Rに均等に分配される。このとき、ハウジング11とサイドギヤ13L,13Rとは互いに同一速度で自転するが、3種類のピニオン15L,15R,17R,21L,21Rはいずれも自転しない。
一方、例えば旋回走行時には、ピニオン15Rを介してピニオン15Lとピニオン17Rとが互いに反対方向に自転することで、または、ピニオン21Rを介してピニオン21Lとピニオン17Rとが互いに反対方向に自転することで、左駆動輪3Lと右駆動輪3Rとの間に生じる抵抗差に応じたトルクを分配(伝達)し、差回転を吸収する。
例えば車両100が左旋回する場合、差動装置10は、左駆動輪3Lと右駆動輪3Rとの間に生じた抵抗差に応じたトルクを、図6(a)の経路(矢印TP3)に沿って内輪側の左駆動輪3Lから外輪側の右駆動輪3Rへ伝達し、右駆動輪3Rの回転速度を増速する。すなわち、この場合は、左右の駆動輪の抵抗差に応じて接地面から左駆動輪3Lにトルクが入力される。左駆動輪3Lにトルクが入力されると、左駆動輪3Lおよびこれと一体の回転軸14Lおよびサイドギヤ13Lの回転速度がハウジング11よりも減速する。ハウジング11の回転速度がサイドギヤ13Lよりも相対的に速くなると、ピニオン15Lおよびピニオン21Lがハウジング同一回転方向に自転する。
ピニオン15Lがハウジング同一回転方向に自転すると、ワンウェイクラッチ23によってピニオン15Lとピニオン15Rとの間のトルク伝達径路が接続され、ピニオン15Rがピニオン15Lと一体に自転する。一方、ピニオン21Lがハウジング同一回転方向に自転すると、ワンウェイクラッチ24によってピニオン21Lとピニオン21Rとの間のトルク伝達径路が遮断され、ピニオン21Rは自転しない。
すなわち、サイドギヤ13Lからのトルクはすべてピニオン15L,15Rを介して伝達される。ピニオン15Rがハウジング同一回転方向に自転すると、ピニオン15Rに噛合するピニオン17Rがピニオン15Rとハウジング反対回転方向に自転する。ピニオン17Rがハウジング反対回転方向に自転すると、ピニオン17Rに噛合するサイドギヤ13Rが、ハウジング11よりも増速されて回転する。
このとき、サイドギヤ13Lからピニオン15Lへのトルク伝達比はZ1L/ZSL(例えば25/35)、ピニオン15Rからピニオン17Rへのトルク伝達比はZ2R/Z1R(例えば15/16)、ピニオン17Rからサイドギヤ13Rへのトルク伝達比はZSR/Z2R(例えば28/15)である。
この場合、上述した比較例と同様にトルクが伝達されるため、差動装置10による左駆動輪3Lから右駆動輪3Rへのトルク伝達比α3は、上式(I)により算出される。上式(I)に具体的な歯数を代入すると、トルク伝達比α3は、例えば、(25/35)×(15/16)×(28/15)=1.25となる。なお、入力側のピニオン15Lの歯数Z1Lに対する出力側のピニオン15Rの歯数Z1Rの比Z1R/Z1Lを、入力側のサイドギヤ13Lの歯数ZSLに対する出力側のサイドギヤ13Rの歯数ZSRの比ZSR/ZSLよりも小さく設定することで、トルクを増幅して伝達することができる。
一方、車両100が右旋回する場合、差動装置10は、左駆動輪3Lと右駆動輪3Rとの間に生じた抵抗差に応じたトルクを、図6(b)の経路(矢印TP4)に沿って内輪側の右駆動輪3Rから外輪側の左駆動輪3Lへ伝達し、左駆動輪3Lの回転速度を増速する。すなわち、この場合は、左右の駆動輪の抵抗差に応じて接地面から右駆動輪3Rにトルクが入力される。右駆動輪3Rにトルクが入力されると、右駆動輪3Rおよびこれと一体の回転軸14Rおよびサイドギヤ13Rの回転速度がハウジング11よりも減速する。ハウジング11の回転速度がサイドギヤ13Rよりも相対的に速くなると、ピニオン17Rがハウジング同一回転方向に自転する。ピニオン17Rがハウジング同一回転方向に自転すると、ピニオン17Rに噛合するピニオン15Rおよびピニオン21Rがハウジング反対回転方向に自転する。
ピニオン15Rがハウジング反対回転方向に自転すると、ワンウェイクラッチ23によってピニオン15Lとピニオン15Rとの間のトルク伝達径路が遮断され、ピニオン15Lは自転しない。一方、ピニオン21Rがハウジング反対回転方向に自転すると、ワンウェイクラッチ24によってピニオン21Lとピニオン21Rとの間のトルク伝達径路が接続され、ピニオン21Lがピニオン21Rと一体に自転する。すなわち、サイドギヤ13R、ピニオン17Rからのトルクはすべてピニオン21R,21Lを介して伝達される。ピニオン21Lがハウジング反対回転方向に自転すると、ピニオン21Lに噛合するサイドギヤ13Lが、ハウジング11よりも増速されて回転する。
このとき、サイドギヤ13Rからピニオン17Rへのトルク伝達比はZ2R/ZSR(例えば15/28)、ピニオン17Rからピニオン21Rへのトルク伝達比はZ3R/Z2R(例えば15/15)、ピニオン21Lからサイドギヤ13Lへのトルク伝達比はZSL/Z3L(例えば35/15)である。
この場合、差動装置10による右駆動輪3Rから左駆動輪3Lへのトルク伝達比α4は、次式(III)で算出される。
α4=(Z2R/ZSR)×(Z3R/Z2R)×(ZSL/Z3L) (III)
上式(III)に具体的な歯数を代入すると、差動装置10による右駆動輪3Rから左駆動輪3Lへのトルク伝達比α4は、例えば、(15/28)×(15/15)×(35/15)=1.25となる。すなわち、右駆動輪3Rから左駆動輪3Lへのトルク伝達比α4は、左駆動輪3Lから右駆動輪3Rへのトルク伝達比α3と同一の値となる。このため、旋回方向の違いによらず、いずれの場合も互いに同一の増幅比でトルクを増幅して伝達することができる。
なお、入力側のピニオン21Rの歯数Z3Rに対する出力側のピニオン21Lの歯数Z3Lの比Z3L/Z3Rを、入力側のサイドギヤ13Rの歯数ZSRに対する出力側のサイドギヤ13Lの歯数ZSLの比ZSL/ZSRよりも小さく設定することで、トルクを増幅して伝達することができる。
また、トルクを右駆動輪3Rから左駆動輪3Lへ伝達する場合と、左駆動輪3Lから右駆動輪3Rへ伝達する場合とで、入力側のピニオン15L,21Rの歯数Z1L,Z3Rに対する出力側のピニオン15R,21Lの歯数Z1R,Z3Lの比Z1R/Z1L,Z3L/Z3Rと、入力側のサイドギヤ13L,13Rの歯数ZSL,ZSRに対する出力側のサイドギヤ13R,13Lの歯数ZSR,ZSLの比ZSR/ZSL,ZSL/ZSRとの比を等しく設定することにより、トルク伝達比α3,α4を同一の値とすることができる。
本実施形態によれば以下のような作用効果を奏することができる。
(1)差動装置10は、左右の駆動輪3L,3Rにそれぞれ連結され、軸線CL0を中心にそれぞれ回転する回転軸14L,14Rと、エンジン1により駆動され、軸線CL0を中心に回転するハウジング11と、エンジン1からのトルクを、ハウジング11を介して回転軸14Lに伝達する左ギヤ機構20Lと、エンジン1からのトルクを、ハウジング11を介して回転軸14Rに伝達する右ギヤ機構20Rと、を備える(図4A、図4B)。左ギヤ機構20Lは、ハウジング11によりそれぞれ自転可能に支持されるとともに、ハウジング11とともに軸線CL0を中心に公転するピニオン15L,21Lと、回転軸14Lに連結されるとともに、ピニオン15L,21Lにそれぞれ噛合し、軸線CL0を中心に回転する左サイドギヤ13Lと、を有する(図5A)。右ギヤ機構20Rは、ハウジング11によりそれぞれ自転可能に支持されるとともに、ハウジング11とともに軸線CL0を中心に公転するピニオン17R,15R,21Rと、回転軸14Rに連結されるとともに、ピニオン17Rに噛合し、軸線CL0を中心に回転する右サイドギヤ13Rと、を有する(図5B)。ピニオン15L,15Rは軸線CL0と平行な軸線CL1上に配置され、ピニオン21L,21Rは軸線CL0と平行な軸線CL3上に配置され、ピニオン17Rは、ピニオン15R,21Rにそれぞれ噛合する(図4A〜5B)。差動装置10は、軸線CL1を中心としたハウジング同一回転方向のピニオン15Lの回転をピニオン15Rに伝達する一方、軸線CL1を中心としたハウジング同一回転方向とは反対方向のハウジング反対回転方向のピニオン15Lの回転をピニオン15Rに非伝達するワンウェイクラッチ23と、軸線CL3を中心としたハウジング反対回転方向のピニオン21Rの回転をピニオン21Lに伝達する一方、軸線CL3を中心としたハウジング同一回転方向のピニオン21Rの回転をピニオン21Lに非伝達するワンウェイクラッチ24と、を備える(図4A、図4B)。
このように本実施形態に係る差動装置10によれば、左旋回時の内輪側から外輪側へのトルクはピニオン15L,15Rを介して伝達され、右旋回時の内輪側から外輪側へのトルクはピニオン21R,21Lを介して伝達される。したがって、左旋回時の内輪側から外輪側へのトルク伝達比α3は、ピニオン15L,15Rの歯数Z1L,Z1Rの設定に応じて適宜設定することができ、右旋回時の内輪側から外輪側へのトルク伝達比α4は、ピニオン21R,21Lの歯数Z3R,Z3Lの設定に応じて適宜に設定することができる。すなわち、左旋回時と右旋回時とでトルク伝達比α3、α4をそれぞれ別個に、例えば互いに同一で、かつ1より大きい値に設定することができる。
なお、トルク伝達経路を複数設けるために差動機構の外にクラッチを追加して経路を切り換えることや、トルク伝達比を適宜に設定するためにモータを追加してトルクを付加することなども考えられるが、この場合は装置を小型化、軽量化することが難しい。本実施形態に係る差動装置10によれば、ピニオンの配置を歯数の設定による簡易な構成で、旋回方向によらず内輪側から外輪側へトルクを増幅して伝達するように構成することができる。
(2)ワンウェイクラッチ23は、軸線CL1上に、ピニオン15Lと一体に配置され、ワンウェイクラッチ24は、軸線CL3上に、ピニオン21Lと一体に配置されるため、装置全体を小型化かつ軽量化して構成することができる(図4A、図4B)。
(3)差動装置10は、回転軸14Lのトルクが、サイドギヤ13L、ピニオン15L,15R,17Rおよびサイドギヤ13Rを介して回転軸14Rへと増幅して伝達される経路TP3と、回転軸14Rのトルクが、サイドギヤ13R、ピニオン17R,21R,21Lおよびサイドギヤ13Lを介して回転軸14Lへと増幅して伝達される経路TP4と、を備える(図6(a)、図6(b))。このように2つの経路でそれぞれトルクを増幅するように構成することにより、右旋回時および左旋回時の旋回性能を向上できる。また、左駆動輪と右駆動輪との間に異なる2つのトルク伝達経路を設けることにより、左旋回時および右旋回時のトルク伝達比をそれぞれ適宜な値に容易に設定することができる。
(4)ギヤ機構20L,20Rのそれぞれの歯数は、経路TP3と経路TP4とのトルク伝達比α3,α4が互いに一致するように設定される。これにより右旋回時と左旋回時とで車両が同一の挙動で旋回することができ、良好な走行性能が得られる。
なお、上記実施形態は種々の形態に変形することができる。以下、変形例について説明する。上記実施形態では、差動装置10を左右一対の駆動輪3L,3Rにそれぞれ連結され、軸線CL0を中心にそれぞれ回転する回転軸14L,14Rの間に配置するようにしたが、一対の第1駆動輪および第2駆動輪にそれぞれ連結され、第1軸線を中心にそれぞれ回転する第1回転軸および第2回転軸の構成は上述したものに限らない。例えば、車両が四輪駆動車である場合、差動装置を前後一対の駆動輪にそれぞれ連結される回転軸の間に配置するようにしてもよい。
上記実施形態では、左壁および右壁を有する概略円筒形状のハウジング11がエンジン1により駆動され、軸線CL0を中心に回転するようにしたが、駆動源はエンジン1に代えて、あるいはエンジン1に加えて電動機(走行モータ)であってもよく、このような駆動源により駆動され、第1軸線を中心に回転するのであれば、キャリアとしてのハウジング11の構成は上述したものに限らない。例えばキャリアは円筒形状でなくてもよい。
上記実施形態では、左ギヤ機構20L(第1ギヤ機構)が、ハウジング11によりそれぞれ自転可能に支持されてハウジング11とともに軸線CL0を中心に公転するピニオン15L,21L(第1、第2ピニオン)と、回転軸14Lに連結されるとともに、ピニオン15L,21Lにそれぞれ噛合し、軸線CL0を中心に回転するサイドギヤ13L(第1ギヤ)と、を有するようにした。しかしながら、第1ギヤ機構、第1、第2ピニオンおよび第1ギヤの構成は上述したものに限らない。
上記実施形態では、右ギヤ機構20R(第2ギヤ機構)が、ハウジング11によりそれぞれ自転可能に支持されてハウジング11とともに軸線CL0を中心に公転するピニオン17R,15R,21R(第3、第4、第5ピニオン)と、回転軸14Rに連結されるとともに、ピニオン17Rに噛合し、軸線CL0を中心に回転する右サイドギヤ13R(第2ギヤ)と、を有するようにした。しかしながら、第2ギヤ機構、第3、第4、第5ピニオンおよび第2ギヤの構成は上述したものに限らない。
上記実施形態では、ハウジング11の回転方向と同一方向(ハウジング同一回転方向)のピニオン15Lの回転をピニオン15Rに伝達し、ハウジング11の回転方向と反対方向(ハウジング反対回転方向)のピニオン15Lの回転をピニオン15Rに非伝達するようにした。また、ハウジング同一方向のピニオン21Lの回転をピニオン21Rに非伝達し、ハウジング反対方向のピニオン21Lの回転をピニオン21Rに伝達するようにした。しかしながら、ハウジング同一回転方向(第1回転方向)、ハウジング反対回転方向(第2回転方向)は上述したものに限らない。
上記実施形態では、第1トルク伝達機構としてワンウェイクラッチ23を設けた。すなわち、ワンウェイクラッチ23を介して、軸線CL1を中心としたハウジング同一回転方向のピニオン15Lの回転をピニオン15Rに伝達する一方、軸線CL1を中心としたハウジング同一回転方向とは反対方向のハウジング反対回転方向のピニオン15Lの回転をピニオン15Rに非伝達するようにしたが、第1トルク伝達機構の構成は上述したものに限らない。
上記実施形態では、第2トルク伝達機構としてワンウェイクラッチ24を設けた。すなわち、ワンウェイクラッチ24を介して、軸線CL3を中心としたハウジング反対回転方向のピニオン21Rの回転をピニオン21Lに伝達する一方、軸線CL3を中心としたハウジング同一回転方向のピニオン21Rの回転をピニオン21Lに非伝達するようにしたが、第2トルク伝達機構の構成は上述したものに限らない。
上記実施形態では、ワンウェイクラッチ23が軸線CL1上に、ピニオン15Lと一体に配置され、ワンウェイクラッチ24が軸線CL3上に、ピニオン21Lと一体に配置されるようにしたが、上述したワンウェイクラッチ23,24の配置は一例であり、第1、第2ワンウェイクラッチの構成は上述したものに限らない。
上記実施形態では、所定の経路TP3を介して左駆動輪3Lから右駆動輪3Rへとトルクを増幅して伝達するようにした。すなわち回転軸14Lのトルクを、サイドギヤ13L、ピニオン15L,15R,17Rおよびサイドギヤ13Rを介して回転軸14Rへと増幅して伝達するようにしたが、第1トルク伝達経路の構成は上述したものに限らない。上記実施形態では、所定の経路TP4を介して右駆動輪3Rから左駆動輪3Lへとトルクを増幅して伝達するようにした。すなわち回転軸14Rのトルクが、サイドギヤ13R、ピニオン17R,21R,21Lおよびサイドギヤ13Lを介して回転軸14Lへと増幅して伝達するようにしたが、第2トルク伝達経路は上述したものに限らない。
上記実施形態では、左右のギヤ機構20L,20Rのそれぞれの歯数ZSL,Z1L,Z3L,Z1R,Z2R,Z3R,ZSRについて具体的な値を例示したが、第1、第2ギヤ機構のそれぞれの歯数は上述したものに限らない。Z1R/Z1LをZSR/ZSLよりも小さく設定するとともに、Z3L/Z3RをZSL/ZSRよりも小さく設定すれば、旋回方向によらず内輪側から外輪側へトルクを増幅して伝達することができる。また、Z1R/Z1LとZSR/ZSLとの比を、Z3L/Z3RとZSL/ZSRとの比と等しく設定すれば、旋回方向によらず内輪側から外輪側へのトルク伝達比を一定にすることができる。
上記実施形態の比較例において、例示した値に代えて、Z1R/Z1LとZSR/ZSLとの比がZ1L/Z1RとZSL/ZSRとの比に等しくなるように左右のギヤ機構12L,12Rのそれぞれの歯数ZSL,Z1L,Z1R,Z2R,ZSRを設定することもできる。この場合は、旋回方向によらず内輪側から外輪側へのトルク伝達比を一定にすることができる。
上記実施形態では、図1などで変速機2からハウジング11への入力を別軸からの入力、すなわち平行軸によるものとしたが、変速機2からハウジング11への入力は、同軸からの入力、すなわちプラネタリギヤなどによるものとして構成してもよい。
上記実施形態では、差動装置10を、サイドギヤ13L,13Rおよびピニオン15L,15Rおよび17RをヘリカルギヤとしたヘリカルLSDとして構成したが、差動装置10は差動制限機構を有するものに限らず、サイドギヤ13L,13Rおよびピニオン15L,15R,17R,21L,21Rをスパーギヤとして構成してもよい。
以上の説明はあくまで一例であり、本発明の特徴を損なわない限り、上述した実施形態および変形例により本発明が限定されるものではない。上記実施形態と変形例の1つまたは複数を任意に組み合わせることも可能であり、変形例同士を組み合わせることも可能である。
1 エンジン、2 変速機、3L,3R 駆動輪、10 差動装置、11 ハウジング、20L,20R ギヤ機構、13L,13R サイドギヤ、15L,15R,17R,21L,21R ピニオン、16,18,22 ピニオン軸、TP3,TP4 トルク伝達経路

Claims (4)

  1. 一対の第1駆動輪および第2駆動輪にそれぞれ連結され、第1軸線を中心にそれぞれ回転する第1回転軸および第2回転軸と、
    駆動源により駆動され、前記第1軸線を中心に回転するキャリアと、
    前記駆動源からのトルクを、前記キャリアを介して前記第1回転軸に伝達する第1ギヤ機構と、
    前記駆動源からのトルクを、前記キャリアを介して前記第2回転軸に伝達する第2ギヤ機構と、を備えた差動装置であって、
    前記第1ギヤ機構は、
    前記キャリアによりそれぞれ自転可能に支持されるとともに、前記キャリアとともに前記第1軸線を中心に公転する第1ピニオンおよび第2ピニオンと、
    前記第1回転軸に連結されるとともに、前記第1ピニオンおよび前記第2ピニオンにそれぞれ噛合し、前記第1軸線を中心に回転する第1ギヤと、を有し、
    前記第2ギヤ機構は、
    前記キャリアによりそれぞれ自転可能に支持されるとともに、前記キャリアとともに前記第1軸線を中心に公転する第3ピニオン、第4ピニオンおよび第5ピニオンと、
    前記第2回転軸に連結されるとともに、前記第3ピニオンに噛合し、前記第1軸線を中心に回転する第2ギヤと、を有し、
    前記第1ピニオンと前記第4ピニオンとは前記第1軸線と平行な第2軸線上に配置され、
    前記第2ピニオンと前記第5ピニオンとは前記第1軸線と平行な第3軸線上に配置され、
    前記第3ピニオンは、前記第4ピニオンおよび前記第5ピニオンにそれぞれ噛合し、
    前記第2軸線を中心とした第1回転方向の前記第1ピニオンの回転を前記第4ピニオンに伝達する一方、前記第2軸線を中心とした前記第1回転方向とは反対方向の第2回転方向の前記第1ピニオンの回転を前記第4ピニオンに非伝達する第1トルク伝達機構と、
    前記第3軸線を中心とした前記第2回転方向の前記第5ピニオンの回転を前記第2ピニオンに伝達する一方、前記第3軸線を中心とした前記第1回転方向の前記第5ピニオンの回転を前記第2ピニオンに非伝達する第2トルク伝達機構と、を備えることを特徴とする差動装置。
  2. 請求項1に記載の差動装置において、
    前記第1トルク伝達機構は、前記第2軸線上に、前記第1ピニオンと一体に配置される第1ワンウェイクラッチを有し、
    前記第2トルク伝達機構は、前記第3軸線上に、前記第2ピニオンと一体に配置される第2ワンウェイクラッチを有することを特徴とする差動装置。
  3. 請求項1または2に記載の差動装置において、
    前記第1回転軸のトルクが、前記第1ギヤ、前記第1ピニオン、前記第4ピニオン、前記第3ピニオンおよび前記第2ギヤを介して前記第2回転軸へと増幅して伝達される第1トルク伝達経路と、
    前記第2回転軸のトルクが、前記第2ギヤ、前記第3ピニオン、前記第5ピニオン、前記第2ピニオンおよび前記第1ギヤを介して前記第1回転軸へと増幅して伝達される第2トルク伝達経路と、をさらに備えることを特徴とする差動装置。
  4. 請求項3に記載の差動装置において、
    前記第1ギヤ機構および前記第2ギヤ機構のそれぞれの歯数は、前記第1トルク伝達経路と前記第2トルク伝達経路とのトルク伝達比が互いに一致するように設定されることを特徴とする差動装置。
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