JP2019127502A - 硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】アルミ箔やポリエステル系フィルム等の基材とのラミネート時に積層体のカールによるシワの問題が改善された硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを得ること。【解決手段】硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを120℃の温度下で、30分静置後の幅方向の寸法変化率を−3〜3%、長さ方向の寸法変化率を−10〜0%とし、前記硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの厚みを1〜50μmとすることで、アルミ箔やポリエステル系フィルム等の基材とのラミネート時に積層体のカールによるシワの問題が改善された硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを得ることができる。【選択図】なし
Description
各種ラミネート用の硬質ポリ塩化ビニル系延伸フィルムに関する。
硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは耐薬品性やガスバリア性に優れ、ポリエステル系フィルムのように加水分解の懸念がないことからアルミ箔やポリエステル系フィルム等の基材とラミネートされ、様々な用途で使用されている。硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムと基材をラミネートする場合は、基材の材質等にもよるが、基材の片面に溶剤型接着剤を塗布し、加熱乾燥した後、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムと積層する、いわゆるドライラミネ−ト方式を用いることがある。また、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムと主に熱可塑性樹脂製の基材とを加熱し両者を貼り合わせる熱ラミネート方式が用いられることもある。
このようなラミネートに使用される硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは、厚みが50μm以下の薄膜が用いられることが多く、このような硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは、押出法、インフレーション法、カレンダー法等の成形方法により得られる。また、このような成形方法では成形工程において延伸を行うことで硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを薄膜化することが多い。このようにして得られた硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは成形時の延伸により与えられた歪が残っており、残った歪みが大きい場合、ラミネート時に硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムと基材との変形量の差が大きくなり積層体がカールする場合がある。さらに積層体がカールした状態でラミネート工程中の圧着ロールに接するとカールの凸部が折り曲げられ、シワになってしまう。
このようなラミネートに使用される硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは、厚みが50μm以下の薄膜が用いられることが多く、このような硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは、押出法、インフレーション法、カレンダー法等の成形方法により得られる。また、このような成形方法では成形工程において延伸を行うことで硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを薄膜化することが多い。このようにして得られた硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは成形時の延伸により与えられた歪が残っており、残った歪みが大きい場合、ラミネート時に硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムと基材との変形量の差が大きくなり積層体がカールする場合がある。さらに積層体がカールした状態でラミネート工程中の圧着ロールに接するとカールの凸部が折り曲げられ、シワになってしまう。
特許文献1には、片面にホットメルト型接着剤を塗布したポリエチレンテレフタレ−トフイルムの該塗布面に、塩化ビニル系ペースト樹脂のゾルを塗布した後、該ゾルのゲル化温度以上の温度に加熱することにより、該ゾルをゲル化させると同時にホットメルト型接着剤を軟化させて両者を接着させることを特徴とするカールしない塩化ビニル系樹脂積層フィルムの製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1の方法では、塩化ビニル系ペースト樹脂のゾルを塗布する工程を新たに設ける必要があるため既存のラミネート設備では対応できないという問題があった。
そこで上記のような状況に鑑み、アルミ箔やポリエステル系フィルム等の基材とのラミネート時に積層体がカールしさらに、シワが発生するとの問題が改善された硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを提供することを目的とする。
そこで上記のような状況に鑑み、アルミ箔やポリエステル系フィルム等の基材とのラミネート時に積層体がカールしさらに、シワが発生するとの問題が改善された硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために本発明が用いた手段は、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの加熱時における幅方向の寸法変化を小さくすることを要旨とする。
具体的には、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの120℃の温度下で30分静置後の幅方向(TD)の寸法変化率を−3〜3%とすることである。また、幅方向と略垂直方向である長さ方向の寸法変化率を−10〜0%としてもよい。さらに硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの厚みは1〜50μmが好ましい。硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムからなる第1層と、第1層に積層され、第1層とは異なる第2層とをラミネートすることで合成樹脂系積層フィルムとしても良い。
具体的には、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの120℃の温度下で30分静置後の幅方向(TD)の寸法変化率を−3〜3%とすることである。また、幅方向と略垂直方向である長さ方向の寸法変化率を−10〜0%としてもよい。さらに硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの厚みは1〜50μmが好ましい。硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムからなる第1層と、第1層に積層され、第1層とは異なる第2層とをラミネートすることで合成樹脂系積層フィルムとしても良い。
本発明の硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは、アルミ箔やポリエステル系フィルム等の基材とのラミネート時に積層体のカールを抑制し、積層体のシワの発生を抑えることが出来る。
以下、本発明について詳細を説明する。
本発明の実施形態の一つは、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの120℃の温度下で30分静置後の幅方向(TD)の寸法変化率を−3〜3%とすることである。
硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの幅方向の加熱時の寸法変化が小さいため、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムと基材とのラミネート時に積層体のカールを抑え、シワの発生が改善された硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムとすることができる。特にアルミ箔やポリエステル系フィルム等の加熱時に硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムより寸法変化率が小さい基材を用いる際に積層体のカール、シワの発生を抑制することが出来る。
本発明の実施形態の一つは、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの120℃の温度下で30分静置後の幅方向(TD)の寸法変化率を−3〜3%とすることである。
硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの幅方向の加熱時の寸法変化が小さいため、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムと基材とのラミネート時に積層体のカールを抑え、シワの発生が改善された硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムとすることができる。特にアルミ箔やポリエステル系フィルム等の加熱時に硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムより寸法変化率が小さい基材を用いる際に積層体のカール、シワの発生を抑制することが出来る。
硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは製造時には、所定幅のフィルムを長さ方向に幅よりも長く製造される。そして、長さ方向に巻き取って巻き物状としてラミネートに使用される場合、長さ方向に連続して長く成形しながら別の層とラミネートされる場合が多い。したがって、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは幅方向に対し長さ方向に連続して成形される。
硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの幅方向とは、連続的に成形される長さ方向に対して略垂直方向である成形機の幅方向に対応する方向である。このような幅方向はTD方向と呼ばれることがある。また、長さ方向は硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを成形する際に連続的に成形される長さ方向である。幅方向と略垂直な方向であって、通常、幅方向より長さ方向は連続的に成形されるため長さが長くなる。また、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを巻き取って巻き物状とした場合、幅方向より長さ方向は長くなる。ここで長さ方向は硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの製造機においてフィルムが連続的に成形され、フィルムが流れていく方向であり機械方向(MD方向)と呼ばれることがある。
硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの幅方向とは、連続的に成形される長さ方向に対して略垂直方向である成形機の幅方向に対応する方向である。このような幅方向はTD方向と呼ばれることがある。また、長さ方向は硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを成形する際に連続的に成形される長さ方向である。幅方向と略垂直な方向であって、通常、幅方向より長さ方向は連続的に成形されるため長さが長くなる。また、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを巻き取って巻き物状とした場合、幅方向より長さ方向は長くなる。ここで長さ方向は硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの製造機においてフィルムが連続的に成形され、フィルムが流れていく方向であり機械方向(MD方向)と呼ばれることがある。
また、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムが他の層と積層される際に、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを長さ方向に流しながら、他の層と積層して連続的に硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムと他の層との積層体を巻き取るラミネート工程を経ることが多い。
硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの幅方向における寸法変化は、ラミネート工程においてカールやシワの原因となりやすい。ラミネート工程において通常、幅方向には張力の調整が困難なため幅方向の寸法変化はカールやシワの発生につながる可能性が高くなる。
そこで、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの120℃の温度下で30分静置後の幅方向(TD)の寸法変化率を−3〜3%とすることでカールやシワの発生を低減することが出来る。寸法変化率は−2.5〜2.5%がより好ましく、−2.0〜2.0%がさらに好ましい。
硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの幅方向における寸法変化は、ラミネート工程においてカールやシワの原因となりやすい。ラミネート工程において通常、幅方向には張力の調整が困難なため幅方向の寸法変化はカールやシワの発生につながる可能性が高くなる。
そこで、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの120℃の温度下で30分静置後の幅方向(TD)の寸法変化率を−3〜3%とすることでカールやシワの発生を低減することが出来る。寸法変化率は−2.5〜2.5%がより好ましく、−2.0〜2.0%がさらに好ましい。
また、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは工程中で長さ方向すなわち、ラミネート工程の流れ方法に張力を加えて加工されることが多く、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムがラミネート工程中の加熱により収縮したとしても流れ方法(長さ方向)への張力によって、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの収縮による影響が緩和される。したがって、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの長さ方向の収縮は幅方向の寸法変化よりはラミネート工程でのカールやシワの発生に与える影響が少なく、長さ方向の収縮が幅方向の寸法変化より大きくてもラミネート工程でのカールやシワ発生が少なくなる傾向にある。一方、長さ方向に膨張する場合は張力を加えて加工する際の張力の調整が行いにくくなる傾向にある。
そこで、さらに120℃の温度下で30分静置後の長さ方向の寸法変化率を−10〜0%とすることが好ましい。−9〜0%がより好ましく、−8〜0%がさらに好ましい。長さ方向の寸法変化率をより小さくすることで、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムと基材とのラミネートの際に積層体のカール、シワの発生をより安定的に抑制することが出来る。
そこで、さらに120℃の温度下で30分静置後の長さ方向の寸法変化率を−10〜0%とすることが好ましい。−9〜0%がより好ましく、−8〜0%がさらに好ましい。長さ方向の寸法変化率をより小さくすることで、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムと基材とのラミネートの際に積層体のカール、シワの発生をより安定的に抑制することが出来る。
ここで、120℃の温度下で30分静置後の寸法変化率(%)は、次の式で求められる。
「120℃の温度下で30分静置後の寸法変化率」=(「120℃で30分静置後の長さ」−「120℃で加熱前の長さ」)/「120℃で加熱前の長さ」×100
したがって、寸法変化率がマイナスの場合、加熱によって硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムが収縮したことを示し、プラスの場合、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムが加熱によって伸びたことを示している。
「120℃の温度下で30分静置後の寸法変化率」=(「120℃で30分静置後の長さ」−「120℃で加熱前の長さ」)/「120℃で加熱前の長さ」×100
したがって、寸法変化率がマイナスの場合、加熱によって硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムが収縮したことを示し、プラスの場合、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムが加熱によって伸びたことを示している。
硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの厚みは1〜50μmが好ましく、5〜40μmがより好ましく、10〜30μmがさらに好ましい。厚みが1μm未満ではフィルム化自体が困難であり生産性に乏しく、ガスバリア性にも劣る。一方で厚みが50μmより厚い場合、積層の構成によっては積層体がカールする懸念がある。
硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを得る方法としては、硬質ポリ塩化ビニル系組成物の溶融体を無延伸にてフィルム状に成形する方法や、溶融体を延伸してからフィルム状に成形する方法や、硬質ポリ塩化ビニル系組成物を溶媒に溶かし、所望の厚みに塗布後、乾燥させてフィルムを得る方法等が挙げられる。加工方法に関しては特に限定されないが、生産性、コストの面から硬質ポリ塩化ビニル系組成物の溶融体を延伸してからフィルム状に成形する方法が好ましい。
硬質ポリ塩化ビニル系組成物の溶融体を延伸してからフィルム状に成形する方法では、溶融延伸時の硬質ポリ塩化ビニル系組成物の温度は150〜220℃とするのが好ましく、180〜200℃とするのがさらに好ましい。溶融延伸時の樹脂温度が150℃未満では、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの120℃の温度下で30分静置後の幅方向(TD)の寸法変化率が3.0%より大きくなりやすく(または−3.0%より小さくなりやすく)、ラミネート時の積層体のカールが大きくなる傾向にある。一方で、延伸時の樹脂温度が220℃より高いと溶融体の熱安定性に乏しくなり加工性が低下するおそれがある。このように硬質ポリ塩化ビニル系組成物の溶融延伸時の樹脂温度を150〜220℃とすることで、安定的な加工が可能であり、また溶融延伸時の歪がフィルム成形後にも残留しにくくなる。そのため、フィルム成形後にも残留する歪が小さくなり、その後フィルムを再度加熱した際の寸法変化が小さくなる。したがってフィルム成形後にも残留する歪が小さく、再度加熱時の寸法変化を小さくすることで、成形されたフィルムをラミネートする際に加熱をしても幅方向の寸法変化が小さくなり、ラミネート時のカールやシワの発生を抑えることができる。ここで、温度の測定は放射温度計を用いて測定することが出来る。
また、溶融延伸時の延伸倍率は、長さ方向(MD)に延伸倍率200〜1000%の溶融延伸して得られるのが好ましく、400〜800%がさらに好ましい。延伸倍率が200%未満では生産性に乏しく、1000%より大きいと生産中にフィルムが切断してしまう場合がある。
尚、延伸倍率は、溶融延伸前後のライン速度比により求められる。例えば、溶融延伸直前のライン速度が100m/minであり、溶融延伸直後のライン速度が1000m/minであれば、延伸倍率は「溶融延伸直後のライン速度」(1000m/min)/「溶融延伸直前のライン速度」(100m/min)×100=1000%により求めることが出来る。
また、延伸倍率を[溶融延伸前のシートまたはフィルムの厚み]/[溶融延伸後のシートまたはフィルムの厚み]×100とすることもできる。しかし、溶融延伸前のシート等の厚みや溶融延伸後のシートの厚みが測定できない場合があるため、溶融延伸前後のライン速度比により求めることが好ましい。
尚、延伸倍率は、溶融延伸前後のライン速度比により求められる。例えば、溶融延伸直前のライン速度が100m/minであり、溶融延伸直後のライン速度が1000m/minであれば、延伸倍率は「溶融延伸直後のライン速度」(1000m/min)/「溶融延伸直前のライン速度」(100m/min)×100=1000%により求めることが出来る。
また、延伸倍率を[溶融延伸前のシートまたはフィルムの厚み]/[溶融延伸後のシートまたはフィルムの厚み]×100とすることもできる。しかし、溶融延伸前のシート等の厚みや溶融延伸後のシートの厚みが測定できない場合があるため、溶融延伸前後のライン速度比により求めることが好ましい。
硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを得るために冷延伸が必要な場合には、長さ方向(MD)に延伸倍率100〜110%の冷延伸することが好ましく、100〜107%にすることがさらに好ましく、100〜105%にすることが最も好ましい。冷延伸の延伸倍率が110%より大きいと、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの120℃の温度下で30分静置後の幅方向の寸法変化率が絶対値として3.0%より大きくなりやすく、ラミネート時の積層体のカールが大きくなる傾向にある。延伸倍率100%未満ではフィルムの引取りが困難になり、シワ混入や巻きズレが懸念される。ここで冷延伸とは、硬質ポリ塩化ビニル系組成物の温度が150℃未満である状態で延伸することを指す。また、延伸倍率は、冷延伸前後のライン速度比により求められる。例えば、冷延伸直前のライン速度が100m/minであり、冷延伸直後のライン速度が110m/minであれば、延伸倍率は「冷延伸直後のライン速度」(110m/min)/「冷延伸直前のライン速度」(100m/min)×100=110%とすることで求めることが出来る。
また、[冷延伸前のシートまたはフィルムの厚み]/[冷延伸後のシートまたはフィルムの厚み]×100とすることもできる。しかし、冷延伸前のシート等の厚みや冷延伸後のシートの厚みが測定できない場合があるため、冷延伸前後のライン速度比により求めることが好ましい。
また、[冷延伸前のシートまたはフィルムの厚み]/[冷延伸後のシートまたはフィルムの厚み]×100とすることもできる。しかし、冷延伸前のシート等の厚みや冷延伸後のシートの厚みが測定できない場合があるため、冷延伸前後のライン速度比により求めることが好ましい。
本発明の硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは、フィルム成形中に延伸成形してもよく、無延伸にてフィルム成形後に別途延伸成形してもよく、フィルム成形中に延伸成形後に別途延伸成形をしてもよい。
本発明の硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは、押出法、インフレーション法、ロール法、カレンダー法、溶媒キャスト法等の公知の成形方法で得ることができる。
フィルム成形中に延伸成形する場合、生産性、コストの面からカレンダー法、押出法、インフレーション法が好ましく、フィルムの厚み精度の面からカレンダー法が特に好ましい。
フィルム成形中に延伸成形する場合、生産性、コストの面からカレンダー法、押出法、インフレーション法が好ましく、フィルムの厚み精度の面からカレンダー法が特に好ましい。
硬質ポリ塩化ビニル系組成物を加熱した溶融物を得るには溶融混練が可能であればいずれの装置でも良くバンバリーミキサー、ニーダー、二本ロール機、押出機等の公知の設備を用いることができる。溶融混合後、直ちに成形してもよいし、溶融混合した後、一旦ペレット化し、その後成形してもよい。
本発明の他の実施形態として、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムからなる第1層と、第1層に積層され、第1層とは異なる第2層とをラミネートすることで合成樹脂系積層フィルムとしても良い。第2層は特に限定されないが、熱可塑性樹脂層や金属薄膜層や繊維層等を用いることが出来る。熱可塑性樹脂層としては、ポリ塩化ビニル樹脂層、ポリエチレンテレフタレート樹脂層、ポリオレフィン樹脂層、アクリル樹脂層等が用いられ、金属薄膜層としてはアルミ層等が用いられ、繊維層としては織布や不織布が用いられ、繊維層を構成する繊維としては天然繊維や合成樹脂製繊維、ガラス繊維、炭素繊維等が用いられる。
ここで、第2層をポリエチレンテレフタレート層やアルミ層とした場合、100℃〜180℃において概ね硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムより加熱による軟化が起こりにくいため、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの幅方向の寸法変化率を小さくすることで、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムとポリエチレンテレフタレート層やアルミ層とのラミネート時にカールおよびシワの発生を抑制することが出来る。
ここで、第2層をポリエチレンテレフタレート層やアルミ層とした場合、100℃〜180℃において概ね硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムより加熱による軟化が起こりにくいため、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの幅方向の寸法変化率を小さくすることで、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムとポリエチレンテレフタレート層やアルミ層とのラミネート時にカールおよびシワの発生を抑制することが出来る。
硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムからなる第1層と、第2層とをラミネートするラミネート工程は、ドライラミネート方式や熱ラミネート方式を用いることが出来る。いずれも、ラミネート工程において硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムからなる第1層に熱が加えられ、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムが熱によって寸法変化が生じる可能性がある。
ここでドライラミネート方式として、第2層の片面に溶剤型接着剤を塗布し、加熱乾燥した後、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムである第1層と積層する方法が例示できる。また、熱ラミネート方式として、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムである第1層と第2層の少なくとも一方を加熱し両者を貼り合わせる方法が例示できる。
また、上記のラミネート方式および例示した方式に限らず、ラミネートの工程中に基材フィルムが寸法変化によりカールやシワの発生が懸念される場合に、本発明の硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを基材フィルムとして用いることが出来る。
ここでドライラミネート方式として、第2層の片面に溶剤型接着剤を塗布し、加熱乾燥した後、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムである第1層と積層する方法が例示できる。また、熱ラミネート方式として、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムである第1層と第2層の少なくとも一方を加熱し両者を貼り合わせる方法が例示できる。
また、上記のラミネート方式および例示した方式に限らず、ラミネートの工程中に基材フィルムが寸法変化によりカールやシワの発生が懸念される場合に、本発明の硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを基材フィルムとして用いることが出来る。
本発明で用いるポリ塩化ビニル系樹脂としては、例えばポリ塩化ビニル単独重合体、塩化ビニルモノマーと塩化ビニルモノマーと共重合可能な不飽和結合を有するモノマーとの共重合体、共重合体を含む塩化ビニル以外の他のポリマーに塩化ビニルを共重合させたグラフト共重合体等が挙げられる。
なお、これらポリ塩化ビニル系樹脂は単独で使用しても良いが、二種類以上を併用しても良い。さらに必要に応じ、ポリ塩化ビニル系樹脂を塩素化しても良い。
ポリ塩化ビニル系樹脂を塩素化する方法としては特に限定されないが、例えば光塩素化方法、熱塩素化方法等が挙げられる。また、本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂の重合度は特に制限されない。
ポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度としては400〜2000が好ましく、500〜1500がさらに好ましく、600〜1100がより好ましい。
なお、これらポリ塩化ビニル系樹脂は単独で使用しても良いが、二種類以上を併用しても良い。さらに必要に応じ、ポリ塩化ビニル系樹脂を塩素化しても良い。
ポリ塩化ビニル系樹脂を塩素化する方法としては特に限定されないが、例えば光塩素化方法、熱塩素化方法等が挙げられる。また、本発明に用いるポリ塩化ビニル系樹脂の重合度は特に制限されない。
ポリ塩化ビニル系樹脂の平均重合度としては400〜2000が好ましく、500〜1500がさらに好ましく、600〜1100がより好ましい。
本発明において、主に硬質ポリ塩化ビニル系樹脂の熱加工時の熱安定性を付与するための安定剤、硬質ポリ塩化ビニル系樹脂系フィルムの耐衝撃性等を向上させるための強化剤を添加することが好ましい。さらに加工助剤、充填剤、可塑剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、滑剤、紫外線遮蔽剤、帯電防止剤、難燃剤、蛍光剤、抗菌剤、防カビ剤、難燃剤、防炎剤を適宜添加してもよい。
ここで、安定剤は、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛等の金属せっけん系安定剤や有機ホスファイト系化合物、βジケトン系化合物、ハイドロタルサイト、エポキシ化大豆油等のエポキシ系化合物、錫系化合物、ポリオール系化合物等を用いることが出来る。
可塑剤はポリ塩化ビニル系樹脂を柔軟化させることを目的として添加されるものであって、DOP(ジ‐2‐エチルヘキシルフタレート)、DINP(ジイソノニルフタレート)、DIDP(ジイソデシルフタレート)、DOTP(ジオクチルテレフタレート)等のフタル酸系可塑剤、二塩基酸とグリコールの重縮合を基本構造とし、その両末端を一塩基酸または一価アルコールにより停止することにより分子量を800〜8000としたアジピン酸系等のポリエステル系可塑剤、DOA(ジ‐2‐エチルヘキシルアジペート)、DIDA(ジイソデシルアジペート)などのアジピン酸エステル系可塑剤、DOS(ジ‐2‐エチルヘキシルセバケート)などのセバシン酸エステル系可塑剤、DOZ(ジ‐2‐エチルヘキシルアゼレート)などのアゼライン酸エステル系可塑剤といった脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリス(イソプロピル化フェニル)、リン酸トリス(ジクロロプロピル)等などのリン酸エステル系可塑剤、スルホン酸エステル系可塑剤を用いることができる。
可塑剤を添加する場合、得られるフィルムが柔軟化するが、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは引張弾性率700MPa〜2000MPaであればよい。ここでの引張弾性率の測定方法は、引張速度10mm/min、チャック間距離100mm、試験片は幅19mm、長さ120mmの短冊とする。厚みは試験片の5箇所を1/1000mmダイヤルゲ−ジで計測し平均する。引張試験機にて試験片を引張り、チャック間距離の変位から応力/ひずみ曲線を得る。得られた応力/ひずみ曲線の最初の線形部分に接線を描き、この接線上の任意の点を選択し、接線の傾きを算出し、得られた傾きを引張弾性率とする。
引張弾性率が上記の範囲内であれば、硬質フィルムとしての適度な硬度を有するとともに耐薬品性やガスバリア性にも優れる。引張弾性率700MPa〜2000MPaとなる可塑剤の添加量としては、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0〜15重量部が好ましく、0〜10重量部がより好ましく、0〜5重量部がさらに好ましい。
ここで、安定剤は、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸亜鉛等の金属せっけん系安定剤や有機ホスファイト系化合物、βジケトン系化合物、ハイドロタルサイト、エポキシ化大豆油等のエポキシ系化合物、錫系化合物、ポリオール系化合物等を用いることが出来る。
可塑剤はポリ塩化ビニル系樹脂を柔軟化させることを目的として添加されるものであって、DOP(ジ‐2‐エチルヘキシルフタレート)、DINP(ジイソノニルフタレート)、DIDP(ジイソデシルフタレート)、DOTP(ジオクチルテレフタレート)等のフタル酸系可塑剤、二塩基酸とグリコールの重縮合を基本構造とし、その両末端を一塩基酸または一価アルコールにより停止することにより分子量を800〜8000としたアジピン酸系等のポリエステル系可塑剤、DOA(ジ‐2‐エチルヘキシルアジペート)、DIDA(ジイソデシルアジペート)などのアジピン酸エステル系可塑剤、DOS(ジ‐2‐エチルヘキシルセバケート)などのセバシン酸エステル系可塑剤、DOZ(ジ‐2‐エチルヘキシルアゼレート)などのアゼライン酸エステル系可塑剤といった脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル、リン酸クレジルジフェニル、リン酸トリス(イソプロピル化フェニル)、リン酸トリス(ジクロロプロピル)等などのリン酸エステル系可塑剤、スルホン酸エステル系可塑剤を用いることができる。
可塑剤を添加する場合、得られるフィルムが柔軟化するが、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは引張弾性率700MPa〜2000MPaであればよい。ここでの引張弾性率の測定方法は、引張速度10mm/min、チャック間距離100mm、試験片は幅19mm、長さ120mmの短冊とする。厚みは試験片の5箇所を1/1000mmダイヤルゲ−ジで計測し平均する。引張試験機にて試験片を引張り、チャック間距離の変位から応力/ひずみ曲線を得る。得られた応力/ひずみ曲線の最初の線形部分に接線を描き、この接線上の任意の点を選択し、接線の傾きを算出し、得られた傾きを引張弾性率とする。
引張弾性率が上記の範囲内であれば、硬質フィルムとしての適度な硬度を有するとともに耐薬品性やガスバリア性にも優れる。引張弾性率700MPa〜2000MPaとなる可塑剤の添加量としては、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対して、0〜15重量部が好ましく、0〜10重量部がより好ましく、0〜5重量部がさらに好ましい。
本発明を実施例によって、さらに詳しく説明するが本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
<フィルムの製造方法>
サスペンジョンポリ塩化ビニル系樹脂(平均重合度700)100重量部に対して、エポキシ化大豆油を5重量部、熱安定剤を6重量部、強化剤を8重量部添加し、ヘンシェルミキサーにて混合し、硬質ポリ塩化ビニル系組成物を得た。この硬質ポリ塩化ビニル系組成物をバンバリーミキサーにて混練し、カレンダー成形機を用いて設定温度190℃で長さ方向(MD)に溶融延伸後、設定温度100℃で冷延伸を行い、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを得た。フィルムの厚みは表1に記載の実施例及び比較例の通りである。
サスペンジョンポリ塩化ビニル系樹脂(平均重合度700)100重量部に対して、エポキシ化大豆油を5重量部、熱安定剤を6重量部、強化剤を8重量部添加し、ヘンシェルミキサーにて混合し、硬質ポリ塩化ビニル系組成物を得た。この硬質ポリ塩化ビニル系組成物をバンバリーミキサーにて混練し、カレンダー成形機を用いて設定温度190℃で長さ方向(MD)に溶融延伸後、設定温度100℃で冷延伸を行い、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムを得た。フィルムの厚みは表1に記載の実施例及び比較例の通りである。
<寸法変化率>
表1に記載の実施例及び比較例で作製したフィルムから150mm角のシートを切り出し、幅方向、長さ方向の中央部に100mmの標線を引いた。このシートを120℃に設定したオーブン中で30分間熱処理した後、取り出して、室温で1時間放置後にその熱処理前後での長さの変化から寸法変化率を求めた。長さは標線間をノギスで1/100mmまで測定し1枚のシートで幅方向と長さ方向の2方向の寸法変化率を求めた。
寸法変化率は以下の式により求め、以下のような評価基準で評価した。
「寸法変化率」=(「120℃で30分静置後の長さ」−「120℃で加熱前の長さ」)/「120℃で加熱前の長さ」×100
[幅方向の評価基準]
○:寸法変化率 −2.0以上2.0%以下:寸法変化が小さくより好ましい
△:寸法変化率 2.0より大きく3.0%以下または−2.0より大きく−3.0%以下:寸法変化がやや大きいが好ましい
×:寸法変化率 3.0%より大きいまたは−3.0%より小さい:寸法変化が大きく好ましくない
[長さ方向の評価基準]
A:寸法変化率 −8.0〜0%:寸法変化が小さくより好ましい
B:寸法変化率 −10.0〜−8.0%:寸法変化がやや大きいが好ましい
C:寸法変化率 −10%より小さい、0%より大きい:寸法変化が大きい
表1に記載の実施例及び比較例で作製したフィルムから150mm角のシートを切り出し、幅方向、長さ方向の中央部に100mmの標線を引いた。このシートを120℃に設定したオーブン中で30分間熱処理した後、取り出して、室温で1時間放置後にその熱処理前後での長さの変化から寸法変化率を求めた。長さは標線間をノギスで1/100mmまで測定し1枚のシートで幅方向と長さ方向の2方向の寸法変化率を求めた。
寸法変化率は以下の式により求め、以下のような評価基準で評価した。
「寸法変化率」=(「120℃で30分静置後の長さ」−「120℃で加熱前の長さ」)/「120℃で加熱前の長さ」×100
[幅方向の評価基準]
○:寸法変化率 −2.0以上2.0%以下:寸法変化が小さくより好ましい
△:寸法変化率 2.0より大きく3.0%以下または−2.0より大きく−3.0%以下:寸法変化がやや大きいが好ましい
×:寸法変化率 3.0%より大きいまたは−3.0%より小さい:寸法変化が大きく好ましくない
[長さ方向の評価基準]
A:寸法変化率 −8.0〜0%:寸法変化が小さくより好ましい
B:寸法変化率 −10.0〜−8.0%:寸法変化がやや大きいが好ましい
C:寸法変化率 −10%より小さい、0%より大きい:寸法変化が大きい
<カール性>
表1、表2に記載の実施例及び比較例の硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムと厚さ15μmのポリエステル系フイルムとドライラミネートして積層体を作製し、積層体のカールの状態を評価した。
○:カールが小さく、シワは発生しない。
△:カールが大きいが、シワは発生しない。
×:カールが大きく、シワが発生する。
表1、表2に記載の実施例及び比較例の硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムと厚さ15μmのポリエステル系フイルムとドライラミネートして積層体を作製し、積層体のカールの状態を評価した。
○:カールが小さく、シワは発生しない。
△:カールが大きいが、シワは発生しない。
×:カールが大きく、シワが発生する。
実施例1〜5と比較例1、2を比べると120℃の温度下で30分静置後の幅方向(TD)の寸法変化率が−3〜3%、である硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムとすることでラミネート時の積層体のカール性が改善されることがわかる。
実施例1〜3を比べると厚みが変わっても120℃の温度下で30分静置後の幅方向(TD)の寸法変化率が−3〜3%である硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムとすることでラミネート時の積層体のカール性が同等に改善されることがわかる。
実施例1〜3と実施例4,5を比べると120℃の温度下で30分静置後の幅方向(TD)の寸法変化率が−2〜2%である硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムとすることでラミネート時の積層体のカール性がより改善されることがわかる。
実施例1〜3を比べると厚みが変わっても120℃の温度下で30分静置後の幅方向(TD)の寸法変化率が−3〜3%である硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムとすることでラミネート時の積層体のカール性が同等に改善されることがわかる。
実施例1〜3と実施例4,5を比べると120℃の温度下で30分静置後の幅方向(TD)の寸法変化率が−2〜2%である硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムとすることでラミネート時の積層体のカール性がより改善されることがわかる。
本発明の硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムは、アルミ箔やポリエステル系フィルム等の基材とのラミネート時に積層体のカールを抑制し、シワの問題を解決することが出来ることからアルミ箔、ポリエステル系フィルム等、さまざまな基材とラミネートし、硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムの特性を付与することができる。
Claims (5)
- 120℃の温度下で30分静置後の幅方向の寸法変化率が−3〜3%である硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルム。
- 120℃の温度下で30分静置後における、前記幅方向と略垂直方向である長さ方向の寸法変化率が−10〜0%である請求項1に記載の硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルム。
- 厚みが1〜50μmである請求項1または請求項2に記載の硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルム。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載のラミネート用の硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルム。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルムからなる第1層と、
前記第1層に積層され、前記第1層とは異なる第2層と、
を備える合成樹脂系積層フィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018008242A JP2019127502A (ja) | 2018-01-22 | 2018-01-22 | 硬質ポリ塩化ビニル樹脂系フィルム |
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Publications (1)
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Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62207627A (ja) * | 1986-03-07 | 1987-09-12 | Achilles Corp | ポリ塩化ビニル樹脂フイルムの製造方法 |
JPS6440333A (en) * | 1987-08-06 | 1989-02-10 | Mitsubishi Plastics Ind | Laminated sheet |
JPH05318578A (ja) * | 1992-05-21 | 1993-12-03 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 貼り合わせ用硬質ポリ塩化ビニル樹脂フイルム |
JPH0760913A (ja) * | 1993-08-30 | 1995-03-07 | Mitsubishi Plastics Ind Ltd | 両面防曇性蓋材 |
-
2018
- 2018-01-22 JP JP2018008242A patent/JP2019127502A/ja active Pending
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