JP2019122931A - 両面塗工方法および両面塗工装置 - Google Patents

両面塗工方法および両面塗工装置 Download PDF

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Abstract

【課題】両面塗工基材の搬送時に生じる基材の撓みによる下面塗工用の第二ダイヘッドの塗工部での塗工ギャップ変化を抑制し、巾方向塗工重量精度の良好な両面塗工方法を提供することを目的とする。【解決手段】第一ダイヘッド1によって基材4の上面に塗工液を塗工し、基材4の下面に第二ダイヘッド2によって塗工液を塗工し、上面と下面に塗工液が塗工された前記基材4を乾燥装置6で乾燥させる両面塗工方法であって、第二ダイヘッド2の下流側に配置され、基材4の下面に当接して支持する基材支持装置3によって、前記第二ダイヘッド2と前記基材4の下面との隙間を目標塗工ギャップに設定し、基材4を基材支持装置3によって支持しながら下流側に向かって移動しながら、基材4の下面に第二ダイヘッド2によって塗工液を塗工することから、高品質な両面同時塗工を実現できる。【選択図】図1

Description

本発明は、基材の両面に塗工液を塗工する両面塗工方法およびその装置に関するものである。
芯体となる基材の両面に塗工液を塗工した両面塗工基材は、二次電池や燃料電池などの電極として用いられている。
両面塗工基材の製造工程は、活物質が含有された塗工液を前記基材の上面に第一ダイヘッドによって塗工する工程と、この工程と略同時に、活物質が含有された塗工液を前記基材の下面に第二ダイヘッドによって塗工する工程と、両面塗工された前記基材を乾燥装置に搬送して両塗工面を乾燥する工程と、両面塗工基材を巻き取る工程とから構成されている。
両面塗工基材の搬送については、両面への塗工が完了した後で、塗工面の乾燥完了までは塗工面が濡れた状態であるので、長尺のロール等で前記基材を支持することができない。
そこで、前記基材の両縁部を傾斜させた押し付けローラもしくは板状部材にて把持する方法(特許文献1)や、前記基材の両縁部を傾斜させた押し付けローラで把持することに加えて塗工用ダイヘッドの塗工部で前記基材を支持する方法(特許文献2)が知られている。
特開2001−316006公報 WO2011/001648A1
しかしながら、これらの方法では、前記基材のばたつきや皺については一定の抑制効果があるものの、塗工後の前記基材が塗工液の重量により撓む点については十分に抑制することができない。
特に、高い生産性を実現するために望まれる1mを超えるような広巾の両面塗工基材を製造する場合や、電池の高容量化において望まれる塗工厚みの厚い塗工条件の両面塗工基材を製造する場合に、塗工後の基材の撓みは顕著となる。
図11(a)に、両面塗工装置の塗工前の状態を示す。
この両面塗工装置では、巻装体40から引き出されてバックアップロール7と基材支持装置3を経由して移送されている基材4は、基材支持装置3の後段に設けられた乾燥装置6を通過して完成した両面塗工基材が巻き取りリール41に巻き取られている。バックアップロール7の位置には、基材4の上面に塗工液を塗る第一ダイヘッド1が設けられている。バックアップロール7と基材支持装置3の間の位置には、基材4の下面に塗工液を塗る第二ダイヘッド2が設けられている。図11(b)に基材支持装置3の位置での断面図を示す。図11(c)に第二ダイヘッド2の位置での断面図を示す。Xは第二ダイヘッド2と基材4との隙間である塗工ギャップを示している。Aは第一ダイヘッド1によって塗工された上面塗工部、Bは第二ダイヘッド2によって塗工された下面塗工部である。
図12(a)に連続間欠塗工中の状態を示す。図12(b)に基材支持装置3の位置での断面図を示す。図12(c)に第二ダイヘッド2の位置での断面図を示す。図12(d)に塗工後の塗工巾方向における下面塗工膜の断面形状の詳細図を示す。
図11(a)(b)に示すように、塗工前の状態では、基材4の両縁部を基材支持装置3の押し付けローラ3a,3bで把持しつつ、流れ方向のテンション調整を行うことなどにより、基材4の流れ方向と巾方向共に基材4の撓みは無く、図11(c)に示すように、巾方向塗工重量精度に影響する塗工ギャップXは塗工巾方向において一定となっている。
しかしながら、図12(a)(b)に示すように塗工を継続すると、塗工された塗工液による基材の重量増加に対し、基材4の両縁部を押し付けローラ3a,3bで把持しつつ流れ方向のテンション調整を行うことだけでは、基材4を塗工前の状態と同様の高さを保ちながら搬送することが困難となり、基材の流れ方向および巾方向の両者において基材4の撓みが発生する。
その結果、巾方向の塗工重量精度に影響する塗工ギャップXが、図12(c)に示すように狭くなり塗工巾方向において不均一となることから、図12(d)に示すように、巾方向の塗工重量精度が悪化する。具体的には、塗工巾方向の中央部の厚みが両端部付近に比べ薄くなるという問題がある。
図13と図14に別の例を示す。
図13(a)は塗工前の状態を示しており、傾斜させた押し付けローラ3a,3bで基材4の両縁部を把持することに加えて、基材4を第二ダイヘッド2の先端20で支持している。図13(a)における位置a−aa,位置b−bbにおける断面図を、図13(b)(c)に示す。図14は連続間欠塗工中の状態を示す。
この場合でも、塗工前の状態では図13(a)(b)のように基材4の流れ方向と巾方向共に基材4の撓みは無く、図13(c)に示すように、塗工ギャップXは塗工巾方向において一定となっている。
しかしながら、基材4の両縁部を傾斜させた押し付けローラ3a,3bで把持することに加えて第二ダイヘッド2の先端20で基材4を支持しても、基材4の撓みが僅か低減されるだけで、連続間欠塗工中には塗工された塗工液による基材の重量増加のため、図14に示すように、基材4を塗工前の状態と同様の高さを保ちながら搬送することが困難となり、基材4の流れ方向および巾方向の両者において基材4の撓みは解消できず、塗工ギャップXへの影響を解消するには至らない。
その結果、図12(b)(c)と同様に、巾方向の塗工重量精度に影響する塗工ギャップXが狭くなり、塗工巾方向において不均一となることから、図12(d)と同様に、巾方向の塗工重量の精度が悪化し、塗工巾方向の中央部の厚みが両端部付近に比べ薄くなるという問題がある。
さらに図13と図14に示す方法では、基材4および第二ダイヘッド2の先端20の磨耗が生じ、その磨耗粉が異物となり基材4上に付着することで製品内に混入し、例えば電池では、内部短絡による電圧不良,発熱,発火のリスクが高まるという問題がある。
本発明は、両面塗工基材の搬送時に生じる基材4の撓みを減らし、第二ダイヘッド2の塗工ギャップXの変化による巾方向の塗工重量精度の悪化が生じにくい両面塗工方法を提供することを目的とする。
本発明の両面塗工方法は、第一ダイヘッドによって基材の上面に塗工液を塗工し、前記基材の下面に第二ダイヘッドによって塗工液を塗工し、上面と下面に塗工液が塗工された前記基材を乾燥させる両面塗工方法であって、第二ダイヘッドの下流側に配置され、前記基材の下面に当接して支持する基材支持装置によって、前記第二ダイヘッドと前記基材の下面との隙間を目標塗工ギャップに設定し、前記基材を前記基材支持装置によって支持しながら前記下流側に向かって移動しながら、前記基材の下面に第二ダイヘッドによって塗工液を塗工する、ことを特徴とする。
具体的には、前記基材支持装置は、前記基材の下面に当接して支持する第一支持部材と第二支持部材を備え、前記第二ダイヘッド寄りの特定位置から前記基材を支持して前記下流側に前記基材とともに移動した前記第一支持部材が前記基材から離間するよりも前に、前記第二支持部材が前記特定位置の前記基材の下面に当接し、前記第二支持部材が前記基材を支持しながら前記下流側に向かって移動しながら、前記基材の下面に第二ダイヘッドによって塗工液を塗工する、ことが好ましい。
具体的には、前記第二ダイヘッドによる塗工が下面塗工部の終端に達したタイミングに、前記基材とともに下流側に移動してきた前記第一支持部材を、前記基材の移送高さを超える高さに上昇させる、ことが好ましい。
具体的には、前記第二ダイヘッドによる下面塗工部の塗工が開始されて下面塗工部の終端に達するまでの期間に、前記基材とともに下流側に移動してきた前記第一支持部材を、前記基材の移送高さを超える高さに上昇させる、請求項2記載の両面塗工方法。
具体的には、前記基材支持装置の支持部材が、前記基材の下面塗工部の間に形成される下面未塗工部に当接して前記基材を支持する、ことが好ましい。
また本発明の両面塗工装置は、第一ダイヘッドによって基材の上面に塗工液を塗工し、前記基材の下面に第二ダイヘッドによって塗工液を塗工し、上面と下面に塗工液が塗工された前記基材を乾燥させる両面塗工装置であって、第二ダイヘッドの下流側に配置され、前記基材の下面に当接して前記基材を支持しながら、前記第二ダイヘッドと前記基材の下面との隙間が目標塗工ギャップになるように前記基材とともに下流側に移動する基材支持装置を設けた、ことを特徴とする。
この構成によれば、基材支持装置によって基材を支持しながら下流側に向かって移動しながら、第二ダイヘッドによって基材の下面に塗工液を塗工するので、搬送時に生じる基材の撓みを減らし、第二ダイヘッドの塗工ギャップ変化による巾方向の塗工重量精度の悪化が生じにくい高品質な両面同時塗工を実現できる。
本発明の両面塗工方法を実行する両面塗工装置の(a)全体を示す概略図と(b)その搬送部分を示す平面図 同実施の形態の両面塗工装置の動作工程図 同実施の形態の間欠時に第二ダイヘッドの塗工液の吐出を停止する際のダイヘッド先端部での塗工液溜りおよび基材の挙動に関する詳細図 本発明の塗工間欠時における塗工液の吐出停止時に支持部材を押し上げる動作工程図 (a)尾引き発生時の図と(b)尾引き発生なしの良好な状態の図 上面塗工部と下面塗工部の塗工終端部位置が異なる場合の、上面が塗工されている下面未塗工部を支持する支持部材の動作工程図 上面塗工部と下面塗工部の塗工終端部位置が異なる場合の、上面が塗工されていない下面未塗工部を支持する支持部材の動作工程図 上面塗工部と下面塗工部の塗工終端部位置が異なる場合の、上面が塗工されている下面未塗工部を支持しつつ、塗工停止時に支持部材を押し上げる動作工程図 上面塗工部と下面塗工部の塗工終端部位置が異なる場合の、上面が塗工されていない下面未塗工部を支持しつつ、塗工停止時に支持部材を押し上げる動作工程図 下面の塗工中に支持部材を押し上げる動作フロー図 (a)基材の両縁部を傾斜させた押し付けローラ3a,3bで把持する従来技術における塗工前の塗工工程の側面図と(b)位置a−aaでの断面図および(c)位置b−bbにおける断面図 (a)図11(a)における連続塗工中の塗工工程の側面図と(b)位置a−aaでの断面図と(c)位置b−bbにおける断面図および(d)下面塗工膜の塗工巾方向の断面図 (a)別の従来例の塗工前の側面図と(b)位置a−aaでの断面図および(c)位置b−bbにおける断面図 図13による連続塗工中の側面図
以下、本発明の両面塗工方法を、具体的な実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1(a)(b)は、本発明の両面塗工方法を実施する両面塗工装置を示す。
この両面塗工装置は、二次電池や燃料電池などの電極の芯体となる基材4の両面に塗工液を塗工する。
搬送方向の上流側から下流側に向けてバックアップロール7と、基材4の上面塗工用の第一ダイヘッド1と、基材4の下面塗工用の第二ダイヘッド2と、基材4の下面に当接して第二ダイヘッド2と基材4の下面との隙間である塗工ギャップXを規定する基材支持装置3、および乾燥装置6を有している。バックアップロール7および第一ダイヘッド1は水平方向に対向している。巻装体40から引き出された基材4は、下方からバックアップロール7と第一ダイヘッド1の対向部に移動して、さらにバックアップロール7によって向きを変えられて、それ以後は水平方向に移動させられる。第一ダイヘッド1は活物質が含有された塗工液を、基材4の上面に塗工する。第二ダイヘッド2は活物質が含有された塗工液を基材4の下面に塗工する。
基材支持装置3は、基材4の下面に当接して支持しながら基材4とともに乾燥装置6に向かって移送される第一,第二支持部材30a,30bを有している。第一,第二支持部材30a,30bは、図1(b)に示すように何れも基材4の巾よりも長いロールである。
乾燥装置6の内部には、塗工面を乾燥させるための気体を噴出する気体噴射ノズル60が上下に設けられており、両面塗工済みの基材4を噴出される気体によって浮遊状態で下流側に搬送しながら乾燥する。乾燥装置6で乾燥された両面塗工済みの基材4を、巻き取りリール41に巻き取る。
図2に動作工程を示す。
なお、この実施の形態1で作成しようとしている両面塗工基材は、図2のステップS5に示すように基材4の上面に上面塗工部Aが形成され、基材4の下面に下面塗工部Bが形成され、上面塗工部Aと下面塗工部Bの長さが同じで、基材4を介して上面塗工部Aの領域と下面塗工部Bの領域が完全に重なっている。この上面塗工部Aと下面塗工部Bは、基材4の長手方向に上面未塗工部A,下面未塗工部Bをあけて繰り返し塗工し、乾燥装置6で乾燥して製造されている。
図2のステップS1では、第一ダイヘッド1によって基材4の上面に塗工液が塗工された上面塗工部Aの始端が第二ダイヘッド2の位置に差し掛かって、第二ダイヘッド2によって基材4の下面への塗工液の塗工を開始するタイミングの前または同時に、第二ダイヘッド2の下流側で、直前に塗工した下面塗工部Bの直後の下面未塗工部Cに第一支持部材30aが当接して基材4を巾方向にわたって支持する。第二ダイヘッド2の下流側で第一支持部材30aが当接する位置を特定位置と称す。
この状態で基材4を下流側に移動させながら第二ダイヘッド2による下面塗工部Bの塗工が開始される。第一支持部材30aは基材4とともに基材4と同速度で下流側に移動する。第一支持部材30aによる基材4の支持によって、基材4のその後の下流側への移動中も第二ダイヘッド2と基材4の下面との隙間が、目標塗工ギャップX0に維持される。
そして第二ダイヘッド2による塗工中の下面塗工部Bの終端に達したステップS2の時点から第二ダイヘッド2による塗工を中止してステップS3のように次の下面未塗工部Cになっても、第一支持部材30aが基材4の移送と共に下流側へ移動する。
次の下面塗工部Cの始端が第二ダイヘッド2の位置に差し掛かって、第二ダイヘッド2によって基材4の下面への塗工液の塗工を開始する前または同時に、ステップS4のように第二ダイヘッド2の下流側の直後の前記特定位置に到着した下面未塗工部Cに、第二支持部材30bが当接して基材4を巾方向にわたって支持する。なお、この時点では第二支持部材30bが基材4に当接した状態でも第一支持部材30aが基材4の先の下面塗工部Cに当接している。
ステップS4からステップS5に示すように、第一支持部材30aと第二支持部材30bによって基材4を支持しながら、第一支持部材30aと第二支持部材30bが基材4と同速度で下流側に移動し、第二ダイヘッド2によって基材4の下面に塗工を開始した後に、第一支持部材30aが下降して基材4から離間する。基材4から離間した第一支持部材30aは、次の塗工のステップS1に備えて第二ダイヘッド2寄りの特定位置に復帰して待機する。
第一支持部材30aと同様に第二支持部材30bも、次のステップS5で基材4から離間して第二ダイヘッド2寄りの位置に復帰する。第二支持部材30bは、次の塗工が開始される前または同時に基材4を支持すると良い。
このステップS1〜S5の動作を繰り返して、第一,第二支持部材30a,30bによって基材4を支持しながら、第二ダイヘッド2によって基材4の下面に塗工液を塗布するので、基材4の撓みが生じることなく連続的に安定した搬送と塗工が可能となる。
図3は、図2のステップS2からステップS4における塗工間欠による下面未塗工部Cにおいて、第二ダイヘッド2の塗工液の吐出を停止する際の、ダイヘッド先端部での塗工液溜り8および基材4の挙動に関する詳細を示す。
図3(a)に示すように、塗工間欠時に第二ダイヘッド2から塗工液の吐出を停止させると、基材4に塗工された塗工液と第二ダイヘッド2の先端部の塗工液溜り8が切り離される。
これと共に、図3(b)(c)に示すように、塗工液溜り8が表面張力により縮もうとする際に基材4が第二ダイヘッド2の先端部に一旦引き込まれる。基材4に塗工された塗工液と塗工液溜り8が切り離された後に、基材4が元の状態に戻ろうとして、図3(d)に仮想で示すように第二ダイヘッド2の先端部の上方付近の基材4が上下に振動する。
その後、図3(e)に示すように、第一支持部材30aまたは第二支持部材30bにより基材4の下面未塗工部Cに当接させて支持することで、基材4の振動を停止させることができる。
その結果、第二支持部材30bにより、次の塗工が開始される前に基材4を支持することで塗工間欠時に生じる基材4の振動を基材支持装置3により治まらせてから塗工開始することが可能となり、塗工の更なる安定化を実現できる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、図2(a)のステップS2〜ステップS4に掛けて第一支持部材30aは基材4と共に移動して、第一支持部材30aがステップS1,ステップS2での基材4の移送高さH0を超えることはなかったが、この実施の形態2では、第一支持部材30aが基材4の移送高さH0を超えるように上昇下降させることによって塗工品質が更に向上する。
図4に塗工間欠時における塗工液の吐出停止時に第一支持部材30a(または第二支持部材30b)を押し上げる動作フロー図を示す。
ステップS1とステップS2は、実施の形態1のステップS1とステップS2と同じである。図4のステップS3−1とステップS3−2が、実施の形態1のステップS3とは異なる。図4のステップS4とステップS5は、実施の形態1のステップS4とステップS5と同じである。
図4のステップS3−1では、第二ダイヘッド2による塗工が下面塗工部Bの終端に達したタイミングに、ステップS2で基材4とともに下流側に移動してきた第一支持部材30aを、ステップS1,ステップS2での基材4の移送高さH0を超える高さH1に図示していない持上げ機構により上昇させて、基材4と共に下流側に移動する。
ステップS3−2では、基材4の次の下面塗工部Bの始端が第二ダイヘッド2に到着するまでに第一支持部材30aを基材4の移送高さH0に下降させて復帰させる。
このようにすることで、第二ダイヘッド2による塗工が下面塗工部Bの終端に達した状態での塗工ギャップXを実施の形態1の場合に比べて一時的に広げることができ、これにより、塗工終端部9の液キレ性が良化できるため、塗工液の尾引きなどの塗工不良を抑制する効果が得られる。
ここでは第一支持部材30aの場合を説明したが、第二支持部材30bの場合も同じである。
図5(a)(b)を比べて「塗工液の尾引き」を説明する。
図5(a)が尾引き塗工不良の発生時、図5(b)は尾引き塗工不良が発生していない良好な状態を示す。例えば、電池の高容量化において望まれる塗工厚みの厚く塗工重量の重い極板を塗工する場合や、高い生産性を実現するために塗工速度の速い塗工条件とする場合などは、図5(a)に示すように、下面塗工部Bの終端での液キレ性が悪化した場合には、下面未塗工部Cに尾引き不良5が発生する。
このような場合に実施の形態2のように、第一支持部材30aまたは第二支持部材30bを、ステップS3−1で基材4の移送高さH0を超える高さH1に上昇させることによって、図5(b)のように尾引きが発生していない良好な塗工状態を得ることができる。
(実施の形態3)
上記の実施の形態1では、基材4の上面塗工部Aと下面塗工部Bの長さが同じで、基材4を介して上面塗工部Aの領域と下面塗工部Bの領域が完全に重なっている場合であったが、上面塗工部Aの終端位置と下面塗工部Bの終端位置が異なる場合も同様である。
図6,図7は基材4における上面塗工部Aの始端位置と下面塗工部Bの始端位置が同じで、下面塗工部Bの長さが上面塗工部Aの長さよりも短い場合を示している。
図6のステップS1〜ステップS5では、上面塗工部Aの下側で、下面塗工部Bに隣接した下面未塗工部Cに、第一支持部材30aまたは第二支持部材30bを当接させて基材4を支持している点だけが図2のステップS1〜ステップS5と異なっている。
図7のステップS1〜ステップS5では、上面未塗工部Dの下側の下面未塗工部Cに第一支持部材30aまたは第二支持部材30bを当接させて基材4を支持している点だけが、図2のステップS1〜ステップS5と異なっている。
(実施の形態4)
上記の実施の形態2では、基材4の上面塗工部Aと下面塗工部Bの長さが同じで、基材4を介して上面塗工部Aの領域と下面塗工部Bの領域が完全に重なっている場合であったが、上面塗工部Aの終端位置と下面塗工部Bの終端位置が異なる場合も同様である。
図8,図9は基材4における上面塗工部Aの始端位置と下面塗工部Bの始端位置が同じで、下面塗工部Bの長さが上面塗工部Aの長さよりも短い別の例を示している。
図8のステップS1〜ステップS5では、上面塗工部Aの下側で下面塗工部Bに隣接した下面未塗工部Cに第一支持部材30aまたは第二支持部材30bを当接させて基材4を支持している点だけが図4のステップS1〜ステップS5と異なっている。
図9のステップS1〜ステップS5では、上面未塗工部Dの下側の下面未塗工部Cに第一支持部材30aまたは第二支持部材30bを当接させて基材4を支持している点だけが図4のステップS1〜ステップS5と異なっている。
図6〜図9に示すように、例えば電池の設計面から上面と下面の塗工終端位置が同一でない塗工が求められる場合においても、基材4を下面から支持する位置が上面の塗工有無に関わらず実施の形態1,実施の形態2と同様の効果が得られる。
しかし、上面が塗工されている下面未塗工部を支持する場合は、上面が塗工されていない下面未塗工部を支持する場合に比べて、上面塗工部の塗工液の重量により支持機構3にかかる負荷が大きくなる。このことから、高速での長期的な稼動を踏まえた設備強度確保などによる設備コスト増加の必要性などを考慮すると、上面が塗工されていない下面未塗工部を第一支持部材30aまたは第二支持部材30bで支持することが望ましい。
(実施の形態5)
実施の形態2では、下面塗工部Bの塗工終了のタイミングに第一支持部材30aまたは第二支持部材30bを基材4の移送高さH0を超える高さH1に上昇させたが、下面塗工部Bの塗工中に、第一支持部材30aまたは第二支持部材30bを基材4の移送高さH0を超える高さH1に上昇させることによって、塗工重量精度の悪化が生じない高品質な両面同時塗工を実現できる。
電池の高容量化において望まれる塗工厚みの厚く塗工重量の重い塗工条件とする場合や、高い生産性を実現するために望まれる塗工速度の速く基材にかかるテンションが高い塗工条件とする場合に適した工程を図10に示す。
図10のステップS1は図4のステップS1と同じである。
図10のステップS2では、第二ダイヘッド2が下面塗工部Bを塗工し始めて第二ダイヘッド2が下面塗工部Bの終端に達するまでの期間に、基材4とともに下流側に移動してきた第一支持部材30aまたは第二支持部材30bを、基材4の移送高さH0を超える高さH1に上昇させて、塗工ギャップXを目標塗工ギャップX0に維持する。
図10のステップS3では、第一支持部材30aまたは第二支持部材30bを上昇させたステップS2の状態で基材4を支持しなから基材4とともに下流側に移動して下面塗工部Bを塗工する。
なお、図10のステップS2からS4までの区間において、基材4とともに下流側に移動する第一支持部材30aまたは第二支持部材30bを、基材4の移送高さH0から徐々に上昇させ続けても良い。
図10のステップS4では、第一支持部材30aまたは第二支持部材30bが高さH1から下降して基材4から離間するよりも前に、第二支持部材30bまたは第一支持部材30aが上昇して第二ダイヘッド2の直後の高さH0の基材4に当接する。
図10のステップS5では、第一支持部材30aまたは第二支持部材30bが基材4から離間して、基材4から離間した第一支持部材30aまたは第二支持部材30bは、次の塗工のステップS1に備えて第二ダイヘッド2寄りの位置に復帰して待機する。
これにより、塗工液の重量による荷重や、基材4にかかるテンションによる基材4の伸びによって生じる撓みが塗工ギャップX0に影響を与えることを防止でき、塗工重量精度の悪化が生じない高品質な両面同時塗工を実現できる。
( 実施例1 )
図2に示す実施の形態1において、基材4の巾1300mmの銅箔基材にウェット膜厚200μm、塗工長さ1m、未塗工部長さ15cm、塗工速度35m/分にて、1000m塗工した場合の巾方向での最大膜厚バラツキは、2.5%であった。比較例として、図11に示す従来技術で同様に実施した最大膜厚バラツキは、7.5%であった。
このように、第二ダイヘッド2の下流側において、基材4と共に移動しながら、一定区間基材を支持することで、塗工ギャップX0を塗工巾方向において一定に保ちながら継続的に塗工できることで、高精度な両面同時塗工を実現できる。
( 実施例2 )
図4に示す実施の形態2により、ウェット膜厚300μm、塗工速度40m/分こと以外は実施例1と同様に実施した場合、実施の形態2では塗工終端における塗工液の尾引き不良発生率が0%であったが、従来技術における塗工終端部における塗工液尾引き不良発生率は1.2%であった。
なお、尾引きは塗工厚みが厚くなるほど、塗工速度が速くなるほど発生し易い傾向にある。また、良否判定基準として図5(a)の尾引き長さY=1.5mmを超えるものを不良とした。
このように、第二ダイヘッド2の下流側において、基材4と共に移動しながら、一定区間基材を支持する機構をもつ搬送方法において、塗工が停止するタイミングにおいて基材を支持しながら移動している支持部材を上に押し上げることで、膜厚が厚く、塗工速度の速い塗工条件においても、塗工液の液キレ性を良化させる効果が得られ、尾引き不良を発生することなく、高精度な両面同時塗工を実現できる。
本発明の両面塗工方法は、特にリチウムイオン二次電池極板の高容量化を安価に実現することに寄与する。
1 第一ダイヘッド
2 第二ダイヘッド
3 基材支持装置
30a 第一支持部材
30b 第二支持部材
4 基材
5 尾引き
6 乾燥装置
7 バックアップロール
8 塗工液溜り
9 塗工終端部
A 基材4の上面塗工部
B 基材4の下面塗工部
C 下面未塗工部
D 上面未塗工部

Claims (6)

  1. 第一ダイヘッドによって基材の上面に塗工液を塗工し、
    前記基材の下面に第二ダイヘッドによって塗工液を塗工し、
    上面と下面に塗工液が塗工された前記基材を乾燥させる両面塗工方法であって、
    第二ダイヘッドの下流側に配置され、前記基材の下面に当接して支持する基材支持装置によって、前記第二ダイヘッドと前記基材の下面との隙間を目標塗工ギャップに設定し、
    前記基材を前記基材支持装置によって支持しながら前記下流側に向かって移動しながら、前記基材の下面に第二ダイヘッドによって塗工液を塗工する、
    両面塗工方法。
  2. 前記基材支持装置は、
    前記基材の下面に当接して支持する第一支持部材と第二支持部材を備え、
    前記第二ダイヘッド寄りの特定位置から前記基材を支持して前記下流側に前記基材とともに移動した前記第一支持部材が前記基材から離間するよりも前に、前記第二支持部材が前記特定位置の前記基材の下面に当接し、
    前記第二支持部材が前記基材を支持しながら前記下流側に向かって移動しながら、前記基材の下面に第二ダイヘッドによって塗工液を塗工する、
    請求項1記載の両面塗工方法。
  3. 前記第二ダイヘッドによる塗工が下面塗工部の終端に達したタイミングに、前記基材とともに下流側に移動してきた前記第一支持部材を、前記基材の移送高さを超える高さに上昇させる、
    請求項2記載の両面塗工方法。
  4. 前記第二ダイヘッドによる下面塗工部の塗工が開始されて下面塗工部の終端に達するまでの期間に、前記基材とともに下流側に移動してきた前記第一支持部材を、前記基材の移送高さを超える高さに上昇させる、請求項2記載の両面塗工方法。
  5. 前記基材支持装置の支持部材が、前記基材の下面塗工部の間に形成される下面未塗工部に当接して前記基材を支持する、
    請求項1〜4のいずれかに記載の両面塗工方法。
  6. 第一ダイヘッドによって基材の上面に塗工液を塗工し、
    前記基材の下面に第二ダイヘッドによって塗工液を塗工し、
    上面と下面に塗工液が塗工された前記基材を乾燥させる両面塗工装置であって、
    第二ダイヘッドの下流側に配置され、前記基材の下面に当接して前記基材を支持しながら、前記第二ダイヘッドと前記基材の下面との隙間が目標塗工ギャップになるように前記基材とともに下流側に移動する基材支持装置を設けた、両面塗工装置。
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