JP2019122354A - 刈払機のハンドル防振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハンドルと操作棹との間に防振ゴムを備えた刈払機のハンドルの振動低減と操作時の剛性を実現すること。【解決手段】ハンドルを取り付けた操作レバーの一端を上下方向には撓みやすく左右方向には硬い弾性体で支持して操作棹に取り付け、他端を上下方向に回動可能に操作棹に取り付けて、エンジンの慣性力を操作棹の上下方向に発生させるようにした。【選択図】図2
Description
本発明は、エンジンを備えてカッターを回転させて雑草を刈る刈払機のハンドルの防振装置に関する。
エンジンを備えてカッターを回転させて雑草を刈る刈払機は、肩掛けベルトで刈払機の質量を保持しつつ操作桿に備えたハンドルを左右に操作して草刈作業するので、エンジンの振動に伴う作業者の疲労を軽減することが求められている。
そのため、操作棹とハンドルとの間に防振ゴムを介して振動を低減する考え方があり、下記特許文献1は、ハンドルを取り付けた支持杆と伝導軸外管とを左右前後各2の防振ゴムを介して取り付けるものである。(名称は文献に記載された通り)
下記特許文献2は、駆動部に対する第1の保持部の防振機構とメインパイプに対する第2の保持部の防振機構と第1の保持部他端の第3の防振機構とを備え第2の保持部他端の第4の防振機構にハンドルを支持したものである。(名称は文献に記載された通り)
上記特許文献1は防振ゴムによって操作棹とハンドルとの間の振動を遮断するために操作棹の前後左右方向に防振ゴムを配置したものであり、上記特許文献2は振動源からの入力振動に対してそれぞれの防振ゴムを配置したものであるが、いずれも草刈時のハンドルに加える操作力を防振ゴムが作動方向で支える構成であるため、防振効果を高めようと柔らかなゴムを用いるとハンドルと、ゴムの変形によってハンドル操作と操作棹の動きが一致しなくなり剛性感がなくなるという問題があった。
即ち、振動を遮断するためのゴムの変形がハンドルの操作の入力によっても同じ方向に変形してしまうわけで、ハンドル防振効果の向上と操作剛性の確保とが同時に実現できていないことによる。
また、振動遮断のために多数の防振ゴムを配置しているが、単に防振ゴムを配置したのでは振動の入力方向によってはゴムの自由な変形による多方向の振動モードが発生してしまうため、防振のためにゴムを用いたにも関わらず、また柔らかいゴムを用いたとしても必ずしも振動低減の効果が得られないという問題もあった。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、刈払機のハンドルに伝わるエンジンの振動を簡単な構成でハンドルと操作棹との連結剛性を損なうことなく効果的に低減させる技術を提供することにある。
本願請求項1記載の発明による刈払機の防振装置は、操作棹の一端に備えたカッターが他端に備えたエンジンから駆動軸によって駆動されるようになった刈払機において、ハンドルを取り付けた操作レバーの一端を上下方向には撓みやすく左右方向には硬い弾性体で支持して操作棹に取り付け、他端を上下方向に回動可能に操作棹に取り付けて、エンジンの慣性力を操作棹の上下方向に発生させるようにしたものである。
請求項2記載の発明は、操作レバー一端に備えた弾性体を操作棹の左右に配置するとともに弾性体の上下中心と操作レバー他端の取り付け中心とが側面視で操作棹中心と略同一になるよう配置したものである。
請求項3記載の発明は、操作棹を弾性支持する弾性体はハンドルの上下方向には柔らかく左右方向の動きには硬い円筒ゴムブッシュとしたものである。
請求項4記載の発明は、操作棹を弾性支持する弾性体はハンドルの上下方向には柔らかく左右方向の動きには硬い圧縮ゴムとしたものである。
請求項5記載の発明は、操作レバーの他端の操作棹への取り付けはゴムを介して弾性的に支持されるようになったものである。
請求項6記載の発明は、左右の変形に対するストッパを設けた弾性体を操作レバー一端の操作棹の上方に備えて弾性体の上下中心と操作レバー他端の取り付け中心とは側面視で略同一高さになるよう配置した請求項1、3及び5の組み合わせ、または請求項1、4及び5の組み合わせとしたものである。
請求項1の発明によると、操作棹に加わるエンジンによって発生する上下方向の加振力を防振ゴムによって柔らかく緩衝できるため、ハンドルの振動による作業者の疲労を効果的に軽減できるとともに、刈り払い作業時にハンドルを操作する左右方向には剛性感を持って作業することができる。
請求項2の発明によると、防振ゴムによる防振レバーの防振を拘束なく行えるので、ハンドルに伝わる振動を最も効果的に低減できる。
請求項3の発明によると、防振ゴムの構造的に得られる上下と左右の作動方向によるバネ定数の違いを用いたので、ハンドルの振動低減と剛性感の確保を最も簡単な構成で実現できる。
請求項4の発明によると、防振ゴムの上下と左右の作動方向によるバネ定数を設計的な自由度を持たせて設定できるので、ハンドルの振動低減と剛性感の確保が簡単な構成で効果的に実現できる。
請求項5の発明によると、作業に伴うカッターの草刈抵抗による防振ゴムの変形作動が円滑に行えるので、カッターから発生するハンドルの振動を低減することができる。
請求項6の発明によると、1個の防振ゴムによって簡単な構成でハンドルの振動低減と操作時の剛性確保ができる。
以下、本発明の第1実施例における実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明にかかる刈払機1の使用状態を示す説明図である。作業者Mは刈払機1を肩に掛けた吊りベルト2で吊り下げて左右のグリップ3を握って操作棹4を左右に振りながらエンジン5によって回転するカッター6によって雑草Wを刈る。7は操作棹4に取り付けた緩衝材で、腰部に当てて操作する際に伝わる操作棹4の振動を和らげている。そして、作業者Mは本発明にかかる防振装置10を介して操作棹4を左右に操作して草刈作業している。
図2は防振装置10の第1実施例における一部断面図を含む右側面図である。操作棹4にはエンジンの動力をカッター6に伝える駆動軸8が操作棹4の内径に取り付けられた図示しない軸受によって回転可能に支持されている。操作レバー11は一端に弾性体である円筒ゴムブッシュ12が圧入されており、他端がボルト13を介して回動自由に取り付けられており、ハンドル取り付け部14に略U字形のパイプのハンドル15をキャップ16でボルト17によって取り付けている。そして、ハンドルの先端には前記グリップ3が備えられている。
防振装置10の平面図である図3及び図2におけるA−A線断面図である図4に示したように、操作レバー11の一端は操作棹4を挟んだ二股形状で、操作棹4にボルト18によってアルミ合金製などの両端コの字形のブラケット19とブラケット20を左右から固定し、コの字形を上下に挿通したピン21によって円筒ゴムブッシュ12の内筒を支持している。円筒ゴムブッシュ12は金属製の内外筒の間にゴムを焼き付けた形式の周知のものである。そして、円筒ゴムブッシュ12の内筒の長さとブラケット19、20のコの字形内側とは微小な隙間であるので円筒ゴムブッシュ12の内筒は操作棹4と一体で作動し、円筒ゴムブッシュ12の外筒は操作レバー11と一体で作動する。22はピン21を固定するサークリップである。また、円筒ゴムブッシュ12は内筒が外筒よりも長く、外筒を取り付けた操作レバー11の端面とブラケット19、20との間には上側に隙間a、下側に隙間bを有している。また、操作レバー11の下端は円筒ゴムブッシュ12の外筒の圧入位置決めのために段付きになっている。なお、ブラケット19、20と円筒ゴムブッシュ12との取り付けにはボルトを用いてもよい。
操作レバー11の他端は図3に示すように操作棹4に対して右側(平面図で下側)に取り付けられており、図2におけるB−B線断面図である図5に示すように、ホルダー23に備えた支持部24に回動自由で両側をゴムワッシャ25で挟んで、ワッシャ26を介してボルト13によって取り付けられている。
そして、側面視である図2において、操作レバー他端の取り付け中心(支持部24の中心)と一端の円筒ゴムブッシュ12の上下方向中心とが操作棹の中心と略一致するように配置されている。
ホルダー23の内径には防振ゴムブッシュ27の外径が嵌まっている。防振ゴムブッシュ27は図6に示したように、金属製の内筒に断面が波型のゴムを焼き付けたものである。波型の外径はホルダー22の内径よりも少し大きいので、ゴムを圧縮してホルダー22に嵌めて取り付けてあり、断面が波型なので変形の小さい圧縮初期には柔らかく、変形の増加によって硬くなる特性を有する。金属製の内筒は微小な隙間を設けて操作棹4の外径に挿入したのち、ゴムの焼き付けられていない端部に設けたスリットによってボルト28の締め付けで操作棹4に固定されている。図2では金属製の内筒がホルダー23に対してエンジン5側に取り付けてあるが、逆向きのカッター6側に取り付けてもよい。
図2に示したように、ホルダー23の下側両端を囲うストッパ29がボルト30によってホルダー23に取り付けられている。ストッパ29は図7に示したように両端を内側に向けたフランジ29aを有しているのでホルダー23の下側半分を囲って、振動によるホルダー23の防振ゴムブッシュ27からの軸方向の抜けを防止している。
ホルダー23は吊りベルト2の吊り具によって刈払機1を吊り下げ支持するための穴を有した吊り部材31をピン32によって回動自在に上部に取り付けている。そのため、操作棹4を左右に振って刈り払い作業する際に、吊りベルト2との間の動きを円滑にしている。
次に防振装置の作用について説明する。
図8に示すように、ハンドル15に加わる振動は上下、左右、前後の方向について検討する必要がある。
円筒ゴムブッシュ12は金属製の内外筒の間にゴムを焼き付けた形式であるため、軸方向の動きには柔らかく半径方向には硬い特性を持っていることは周知である。そのため、操作棹の上下方向に発生する振動は効果的に吸収し減衰することができる。
エンジン5はピストンなどの往復質量に対するクランクカウンターウェイトに設けるアンバランス量によって往復質量による慣性力の発生ベクトル方向を調整できることは周知である。そして、本発明はエンジン5の慣性力を上下方向に発生するようにしてある。そのため、エンジン5によって発生する操作棹4の上下方向の振動は円筒ゴムブッシュ12の軸方向の柔らかい動きによって緩衝される。そして、円筒ゴムブッシュ12の上下中心と操作レバー他端の取り付け中心とが側面視で操作棹中心と略同一になるよう配置したので、操作レバー12の上下動に伴う前後方向の操作棹4とのズレが殆ど発生しないため、操作レバー11が抵抗なく円滑な作動が可能となるので、操作レバー11の一端からハンドル15に伝わる上下方向の振動は大幅に低減される。
円筒ゴムブッシュ12は金属製の内外筒の間にゴムを焼き付けた形式であるため、軸方向の動きには柔らかく半径方向には硬い特性を持っていることは周知である。そのため、操作棹の上下方向に発生する振動は効果的に吸収し減衰することができる。
エンジン5はピストンなどの往復質量に対するクランクカウンターウェイトに設けるアンバランス量によって往復質量による慣性力の発生ベクトル方向を調整できることは周知である。そして、本発明はエンジン5の慣性力を上下方向に発生するようにしてある。そのため、エンジン5によって発生する操作棹4の上下方向の振動は円筒ゴムブッシュ12の軸方向の柔らかい動きによって緩衝される。そして、円筒ゴムブッシュ12の上下中心と操作レバー他端の取り付け中心とが側面視で操作棹中心と略同一になるよう配置したので、操作レバー12の上下動に伴う前後方向の操作棹4とのズレが殆ど発生しないため、操作レバー11が抵抗なく円滑な作動が可能となるので、操作レバー11の一端からハンドル15に伝わる上下方向の振動は大幅に低減される。
操作レバー11の他端は断面波型の防振ゴムブッシュ27を介して取り付けられているので操作棹4から他端に伝わる振動は低減され、更に他端からハンドル15までの距離が長いのでハンドル15は他端から加振されることはない。
また、防振ゴムブッシュ27によって吊りベルト2に加わる振動が低減されるので、作業者Mの肩に加わる振動が低減できる。
また、防振ゴムブッシュ27によって吊りベルト2に加わる振動が低減されるので、作業者Mの肩に加わる振動が低減できる。
エンジン5の慣性力は左右方向には発生しないので、円筒ゴムブッシュ12の半径方向の硬い特性によってハンドル15と操作棹4との連結剛性を高くできる。しかも、円筒ゴムブッシュ12を操作棹4の左右に配置し、円筒ゴムブッシュ12の上下中心と操作棹4の軸中心を略同一としたので、円筒ゴムブッシュ12にはハンドルを操作する荷重が真っすぐに加わるため、草刈作業の左右方向の操作時に高い剛性感が得られる。
また、前後方向にもエンジン5の慣性力は発生しないので、円筒ゴムブッシュ12の半径方向の硬い特性によってハンドル15と操作棹4との連結剛性を高くできる。
しかしながら、草刈作業においてはカッター6による断続的な切断抵抗によって、カッター6から操作棹4に振動を発生させる。カッター6は操作棹4の軸心に対してずれて配置されているので、草刈抵抗は図8に示す操作棹4を捩る軸回転モーメントして作用する。
軸回転モーメントは円筒ゴムブッシュ12の内筒を斜めに動かすように作用するが、斜め方向には柔らかいので、図9に示すように円筒ゴムブッシュ12が変形することによって草刈抵抗によって発生する振動の伝達を緩衝する。
軸回転モーメントは円筒ゴムブッシュ12の内筒を斜めに動かすように作用するが、斜め方向には柔らかいので、図9に示すように円筒ゴムブッシュ12が変形することによって草刈抵抗によって発生する振動の伝達を緩衝する。
草刈作業では茎の太い雑草や密集した雑草など草刈抵抗の大きな作業や、凸凹の地面では地面をカッターが削ってしまう場合がある。そのような急激に抵抗が増した場合、図9に示すように時計回りの軸回転モーメントに対しては、ブラケット19の端部19aが操作レバー11の下端に当接してゴムブッシュ12の過大なこじりを防止するとともに、振動を伝えることによって作業者Mに負荷の大きい作業であることを知らせる。そして、逆方向の反時計回りの回転モーメントについてはブラケット20の下端が操作レバー11の下端に当接する。なお、ブラケット19、20の上端と操作レバー11とが当接するようにしてもよい。
上記のように、軸回転モーメントによってブラケット19、20と操作棹4との間に角度のズレが発生すると、操作レバー11と操作棹4との間で傾きを発生するが、この時、図5に示した操作レバー11の取り付け部両側のゴムワッシャ25が変形して傾きを吸収するため、操作レバー11が変形によって応力を発生することはない。
また、実用においては作業中でなくても予期せぬ取扱いによって過大な荷重が加わる場合があり、特に円筒ゴムブッシュ12が変形しやすい上下方向について問題となりやすいが、図4に示したプラケット19、20が下方向と上方向に動いたときに操作レバー11が当接して隙間aと隙間bがゼロになることで規制し、円筒ゴムブッシュ12に過大な変形が生じることがないようにしている。
ハンドル15に図8に示す左右回転させるモーメントを加えた場合、ハンドル15は操作レバー11に固定されているので自由に動くことはなく、また、前後回転させるモーメントを加えた場合は、防振ゴムブッシュ12が隙間aと隙間bを越えて動くことはない。更にハンドル15に軸回転させるモーメントを加えた場合は、前述の図9で説明したと同様に作用する。
以上説明したように、本発明によれば操作桿に伝わるエンジンからの加振力を操作棹の上下方向に発生させて、操作レバーに取り付けた上下方向に柔らかい特性の防振ゴムによって弾性的に支承するため、操作レバーの振動を効果的に低減することができる。そのため、ハンドルを通して手や腕に加わるエンジン振動による作業者の疲労を軽減できる。更に、カッターの断続的な切削抵抗によってハンドルに伝わる振動も軽減できる。そして、操作レバーの一端は二股として操作棹を挟んだ配置としたので、ハンドル取り付け部との間の剛性が高くでき、ハンドルの左右操作に剛性感を持たせることができ、左右、前後方向の回転モーメントを加えても操作棹に直接ハンドルを取り付けてある従来のものと同様の感覚で作業ができる。更に、振動によって吊り下げベルトを通して作業者Mの肩に加わる疲労が軽減できる。また、操作レバー他端の取り付け部を作業者と反対側(右側)に設けたので、作業時に身体に触れることがないため作業の邪魔になることがない。
操作レバーは断面をコの字形にしたので強度や剛性を持たせながら小型薄肉化が可能とできるため、アルミなどの軽合金製や樹脂製とすることができ、防振装置として大きな質量の増加を伴うことなく実施できる。
また、エンジンのクランクバランスは慣性力を操作棹の上下方向のみに発生させるように設定するのが望ましいが、エンジンの共通化や部品管理上などの理由から100%上下方向に発生させたものでなくても本発明の効果がないわけではなく、技術的思想を異にするものではない。
更に、本発明によればハンドルの振動低減のために操作棹の振動低減を考えなくて良いので、エンジンと操作棹との結合に可撓性を持たせるクラッチケースの設計をしたりゴムを介して取り付けたりする必要がないため、剛のクラッチケースを操作棹に直接取り付ければ良いので簡単かつ安価なエンジンの取り付けが可能となる。
次に本発明の第2実施例における実施形態を図面に基づいて説明する。
図10は第2実施例における防振装置50の一部断面図を含む右側面図である。操作棹4にはエンジンの動力をカッターに伝える駆動軸8が操作棹4の内径に取り付けられた図示しない軸受によって回転可能に支持されている。操作レバー51は一端に弾性体であるきのこ状をした圧縮ゴム52が上下から嵌入されており、他端がボルト13を介して回動自由に取り付けられている。圧縮ゴム52は先端に行くにつれて小径になっているので圧縮初期には柔らかく、次第に硬くなる特性を得ているもので、上下に同じものを用いてもよいし別のものにしても構わない。ハンドル取り付け部53には略U字形のパイプのハンドル15をキャップ16でボルト17によって取り付けている。そして、ハンドルの先端には手で握るためのグリップ3が備えられている。
防振装置50の平面図である図11及び一部断面図を含む図10におけるC−C線断面図である図12に示したように、操作レバー51の一端は操作棹4を挟んだ二股形状で、操作棹4にボルト18によって両端コの字形に左右が一体に固定されたブラケット53、54に挿通したピン55によって圧縮ゴム52の内径を支持している。ピン55の外径は圧縮ゴム52の内径よりも少し大きくして半径方向に圧縮して取り付けることで、作動初期の硬さを持たせることができる。そして、操作レバー51に圧縮ゴム52を取り付けた両側の高さ方向の長さはブラケット53、54のコの字形内側より少し長いので、ゴム先端を圧縮して取り付けてある。56はピン55を固定するサークリップである。
操作レバー11の他端は図11に示すように操作棹4に対して右側に取り付けられており、図10におけるD−D線断面図である図13に示すように、ホルダー57に備えた支持部58に回動自由で両側をゴムワッシャ25で挟んで、ワッシャ26を介してボルト13によって取り付けられている。59はホルダー57を操作棹4に固定するボルトである。
図10におけるE−E線断面図である図14に示すように、吊りベルト2の吊り具によって刈払機1を吊り下げ支持するための吊り部材60を回動自在に上部に取り付けた取り付け具61がボルト62によって操作棹4に固定されている。
次に第2実施例の作用について説明する。
操作レバー51の一端はきのこ状の圧縮ゴム52を介して支承されているのでエンジンによって操作棹4から伝わる上下方向の振動は柔らかく緩衝して低減され、一方、他端からの振動はハンドル15までの距離が長いのでハンドル15に伝わる上下方向の振動は更に小さくなる。そのため他端を取り付けたホルダー57が操作棹4に直接固定されていてもハンドルが加振されることはない。
そして、操作レバー51に圧縮ゴム52を上下に取り付けた中心と操作レバー他端の取り付け中心とが側面視で操作棹4中心と略同一になるよう配置したので、操作レバー51の上下動に伴う前後方向の操作棹4とのズレが殆ど発生しないため、操作レバー51が抵抗なく円滑な作動が可能である。
そして、操作レバー51に圧縮ゴム52を上下に取り付けた中心と操作レバー他端の取り付け中心とが側面視で操作棹4中心と略同一になるよう配置したので、操作レバー51の上下動に伴う前後方向の操作棹4とのズレが殆ど発生しないため、操作レバー51が抵抗なく円滑な作動が可能である。
草刈作業において大きな抵抗によって時計回りの軸回転モーメントが発生した場合には、図15左側の下側の圧縮ゴムと右側の上側の圧縮ゴムが圧縮されて次第に硬くなるのでブラケット54の上端が圧縮ゴム52を取り付けた上端の縁部に当接するまで急激な変化を感じないようにしながら過大な変形を防止する。
なお、防振のための圧縮ゴム52は設計的な自由度が高いので図16に示すような上面を菊形状の凸凹を持ったものにしても、きのこ状にしてバネ定数が変化するものと同様な効果を得ることができる。また、取り付け具61を第1実施例と同様に防振ゴムブッシュを介して取り付けることは勿論可能であり、吊りベルト2に加わる振動が低減できる。
次に本発明の第3実施例における実施形態を図面に基づいて説明する。
図17は第3実施例における防振装置70の断面図である。操作棹4にはエンジンの動力をカッターに伝える駆動軸8が操作棹4の内径に取り付けられた図示しない軸受によって回転可能に支持されている。操作レバー71は一端に弾性体である円筒ゴムブッシュ72が圧入されており、他端がカラー73を介してピン74によって回動自由に取り付けられている。ハンドル取り付け部75には略U字形のパイプのハンドル15をキャップ16でボルト17によって取り付けている。そして、ハンドルの先端には手で握るためのグリップが備えられている。
防振装置70の平面図である図18及び図17におけるF−F線断面図である図19に示したように、操作レバー71の一端周囲を囲んだ形のブラケット76がキャップ77でボルト78によって操作棹4に取り付けられており、ブラケット76の内側には円筒ゴムブッシュ72内筒の上下にストッパ79、ストッパ80を挟んでボルト81によって取り付け固定されている。
図17におけるG−G線断面図である図20に示したように、操作レバー71の他端はカラー73の上で左右にゴムワッシャ75を挟んでピン74でホルダー82に取り付けられている。
H−H線断面図である図21に示したように、ホルダー82の内径には金属製の内筒に断面が波型のゴムを焼き付けた防振ゴムブッシュ27の外径が嵌まっている。波型の外径はホルダー82の内径よりも大きいのでゴムを圧縮して取り付けてあり、金属製の内筒は微小な隙間を設けて操作棹4の外径に挿入したのち、ゴムの焼き付けられていない端部に設けたスリットによって設けてボルト28の締め付けで操作棹4に固定されている。
ホルダー82の下側両端を囲うストッパ83がボルト30によってホルダー23に取り付けられており、ストッパ83は両端を内側に向けたフランジ部を有しているので、振動によるホルダー82の防振ゴムブッシュ27からの軸方向の抜けを防止している。
ホルダー82の下側両端を囲うストッパ83がボルト30によってホルダー23に取り付けられており、ストッパ83は両端を内側に向けたフランジ部を有しているので、振動によるホルダー82の防振ゴムブッシュ27からの軸方向の抜けを防止している。
ホルダー82は吊りベルト2の吊り具によって刈払機1を吊り下げ支持するための穴を有した吊り部材84をカラー85を介してボルト86回動自在に上部に取り付けている。
図22に示したようにストッパ80外周部を半径Rの球面としてある。図はストッパ80を示したがストッパ79についても同様に外周部を球面としてある。
次に第3実施例の作用について説明する。
操作レバー71の一端は円筒ゴムブッシュ72を介して支承されているのでエンジンによって操作棹4から伝わる上下振動は柔らかく緩衝して低減され、一方、他端からの振動は防振ゴムブッシュ27で緩衝され、更にハンドル15までの距離が長いのでハンドル15に伝わる上下方向の振動は更に小さくなる。
そして、操作レバー71の円筒ゴムブッシュ72を取り付けた上下中心と操作レバー他端の取り付け中心とは側面視で操作棹4中心からの距離が略同一になるよう配置したので、操作レバー71の上下動に伴う前後方向の操作棹4とのズレが殆ど発生しないため、操作レバー71が抵抗なく円滑な作動が可能である。
そして、操作レバー71の円筒ゴムブッシュ72を取り付けた上下中心と操作レバー他端の取り付け中心とは側面視で操作棹4中心からの距離が略同一になるよう配置したので、操作レバー71の上下動に伴う前後方向の操作棹4とのズレが殆ど発生しないため、操作レバー71が抵抗なく円滑な作動が可能である。
草刈作業において大きな抵抗が発生した場合は、軸回転モーメントによって図23に示すようにブラケット76が傾いて、ストッパ79及びストッパ80の外周部が操作レバー71の円筒ゴムブッシュ72の上下端部内周部に当接して、ゴムブッシュ72の過大な変形を防止する。この時、ストッパ80及びストッパ79の外周部を球面としてあるので、内周部との円滑な摺動が可能である。
円筒ゴムブッシュ72は操作棹4からの距離が大きいので軸回転モーメントによって円筒ゴムブッシュ72が変形しやすいが、円筒ゴムブッシュ72を長くすることでストッパ79側は変形しにくくなるので、作業におけるハンドル操作に剛性感を損なうことはない。
なお、第2実施例のような圧縮ゴムを用いることは勿論可能である。
円筒ゴムブッシュ72は操作棹4からの距離が大きいので軸回転モーメントによって円筒ゴムブッシュ72が変形しやすいが、円筒ゴムブッシュ72を長くすることでストッパ79側は変形しにくくなるので、作業におけるハンドル操作に剛性感を損なうことはない。
なお、第2実施例のような圧縮ゴムを用いることは勿論可能である。
次に本発明の第4実施例における実施形態を図面に基づいて説明する。
図24はグリップ式刈払機の使用状態を示す説明図である。作業者Mは刈払機90を片手で持ちながら他方の手で前方のループ状やバー状のハンドルを握って操作棹4を前後左右に動かしながらエンジン5によって回転するカッター6によって雑草Wを刈る。刈払機の質量を両手両腕で支えながら作業する形式であるが、操作棹4に取り付けたエンジン5やカッター6は第1実施例と同様である。そして、作業者Mは本発明にかかる防振装置100を介して操作棹4を操作している。
図25及び図26に刈払機90の防振装置100部分の左側面図と平面図を示す。操作レバー101は前端にループハンドル102をキャップ16でボルト17によって取り付けて、後端をホルダー103に回動自由で両側をゴムワッシャ25で挟んで、ワッシャ26を介してボルト13によって取り付けられている。ホルダー103には一体にグリップ取り付け部104を有してグリップ105を取り付けており、またスロットルレバー106を一体に取り付けて、図示しないスロットルケーブルを介してエンジン5に接続している。スロットルレバーは別体にして取り付けてもよく、操作棹4に取り付けてもよい。
防振装置100において操作レバー101及びホルダー103以外は第1実施例と同様であり、操作レバー101には円筒ゴムブッシュを取り付けてコの字形ブラケットによって操作棹に弾性的に支承されており、ホルダー103は防振ゴムブッシュで支承されている。
そのため、エンジンの慣性力を上下方向に発生させることによって刈払機を支持する操作レバーの両手の振動を効果的に低減することができる。
以上のように、従来グリップ式の刈払機においては片手で操作棹を持ちながら他方の手でループ状やバー状のハンドルを握って作業していたので、質量を支えながら操作棹の振動が直接手や腕に加わるため疲労が大きかったが、本実施例により振動が軽減されるためグリップ式刈払機の機動的な草刈作業が疲労少なく行えるようになる。
以上説明したように、本発明は簡単な構成でありながらエンジンを備えて回転するカッターによって草刈作業する刈払機のハンドルの大幅な振動軽減が実現でき、かつ操作剛性を低下することなく実施できるので実用上極めて有用である。
1 刈払機
4 操作棹
5 エンジン
6 カッター
10 防振装置
11 操作レバー
12 円筒ゴムブッシュ
15 ハンドル
19、20 ブラケット
23 ホルダー
27 防振ゴムブッシュ
M 作業者
W 雑草
50 防振装置
51 操作レバー
52 圧縮ゴム
53、54 ブラケット
57 ホルダー
70 防振装置
71 操作レバー
72 円筒ゴムブッシュ
76 ブラケット
82 ホルダー
100 防振装置
101 操作レバー
102 ループハンドル
4 操作棹
5 エンジン
6 カッター
10 防振装置
11 操作レバー
12 円筒ゴムブッシュ
15 ハンドル
19、20 ブラケット
23 ホルダー
27 防振ゴムブッシュ
M 作業者
W 雑草
50 防振装置
51 操作レバー
52 圧縮ゴム
53、54 ブラケット
57 ホルダー
70 防振装置
71 操作レバー
72 円筒ゴムブッシュ
76 ブラケット
82 ホルダー
100 防振装置
101 操作レバー
102 ループハンドル
Claims (6)
- 操作棹の一端に備えたカッターが他端に備えたエンジンから駆動軸によって駆動されるようになった刈払機において、ハンドルを取り付けた操作レバーの一端を上下方向には撓みやすく左右方向には硬い弾性体で支持して操作棹に取り付け、他端を上下方向に回動可能に操作棹に取り付けて、エンジンの慣性力を操作棹の上下方向に発生させるようにした刈払機のハンドル防振装置。
- 操作レバー一端に備えた弾性体を操作棹の左右に配置するとともに弾性体の上下中心と操作レバー他端の取り付け中心とが側面視で操作棹中心と略同一になるよう配置した請求項1の刈払機のハンドル防振装置。
- 操作棹を弾性支持する弾性体はハンドルの上下方向には柔らかく左右方向の動きには硬い円筒ゴムブッシュである請求項1の刈払機のハンドル防振装置。
- 操作棹を弾性支持する弾性体はハンドルの上下方向には柔らかく左右方向の動きには硬い圧縮ゴムである請求項1の刈払機のハンドル防振装置。
- 操作レバー他端の操作棹への取り付けはゴムを介して弾性的に支持されるようになった請求項1の刈払機のハンドル防振装置。
- 左右の変形に対するストッパを設けた弾性体を操作レバー一端の操作棹の上方に備えて弾性体の上下中心と操作レバー他端の取り付け中心とは側面視で略同一高さになるよう配置した請求項1、3及び5の組み合わせ、または請求項1、4及び5の組み合わせの刈払機のハンドル防振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018013074A JP2019122354A (ja) | 2018-01-11 | 2018-01-11 | 刈払機のハンドル防振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018013074A JP2019122354A (ja) | 2018-01-11 | 2018-01-11 | 刈払機のハンドル防振装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019122354A true JP2019122354A (ja) | 2019-07-25 |
Family
ID=67397064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2018013074A Pending JP2019122354A (ja) | 2018-01-11 | 2018-01-11 | 刈払機のハンドル防振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019122354A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20220028719A (ko) * | 2020-08-31 | 2022-03-08 | 김재희 | 예초기 핸들링 장치 |
-
2018
- 2018-01-11 JP JP2018013074A patent/JP2019122354A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20220028719A (ko) * | 2020-08-31 | 2022-03-08 | 김재희 | 예초기 핸들링 장치 |
KR102502217B1 (ko) | 2020-08-31 | 2023-02-20 | 김재희 | 예초기 핸들링 장치 |
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