JP2019121710A - 基板処理方法および基板処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターン倒壊およびパーティクルの問題を改善できる基板処理方法および基板処理装置を提供する。【解決手段】基板処理方法は、表面に酸化物Oxを有する基板Wを加熱して表面を改質する加熱改質工程(図1A、図1B)と、改質された基板表面に処理液を供給し、当該処理液によって基板の表面を洗浄する表面洗浄工程と、前記洗浄された表面に疎水化剤Smを供給して基板の表面を疎水化する疎水化工程(図1C)と、を含む。加熱改質工程は、酸化物Oxを除去する加熱除去工程であってもよい。加熱改質工程は、酸化物Oxを分解および再結合させることにより、表面の凹凸を低減する平坦化工程であってもよい。【効果】酸化物に起因する表面のラフネスを改善した後に疎水化処理を行うことで、疎水化後の表面のラフネスを改善できる。【選択図】図1

Description

この発明は、基板を処理する基板処理方法および基板処理装置に関する。処理対象になる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、有機EL(Electroluminescence)表示装置等のFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などの基板が含まれる。
枚葉式の基板処理装置による基板処理では、基板が1枚ずつ処理される。詳しくは、スピンチャックによって基板がほぼ水平に保持される。そして、基板の上面が薬液によって処理された後、リンス液によって基板の上面がリンスされる。その後、基板の上面を乾燥するために基板を高速回転させるスピンドライ工程が行われる。
基板の表面に微細なパターンが形成されている場合、スピンドライ工程では、パターン内部に入り込んだリンス液を除去できないおそれがある。それによって、乾燥不良が生じるおそれがある。パターン内部に入り込んだリンス液の液面(空気と液体との界面)は、パターン内に形成される。そのため、液面とパターンとの接触位置に、液体の表面張力が働く。この表面張力が大きい場合には、パターンの倒壊が起こりやすい。典型的なリンス液である水は、表面張力が大きいために、スピンドライ工程におけるパターンの倒壊が無視できない。
そこで、水よりも表面張力が低い低表面張力液体であるイソプロピルアルコール(Isopropyl Alcohol: IPA)を用いる手法が提案されている(たとえば、下記特許文献1を参照)。具体的には、基板の上面にIPAを供給することによって、パターンの内部に入り込んだ水をIPAに置換し、その後にIPAを除去することで基板の上面を乾燥させる。しかし、パターン内部に入り込んだ水をIPAに置換した場合であっても、表面張力が作用する時間が長い場合やパターンの強度が低い場合はパターンの倒壊が起こり得る。
そこで、特許文献2には、基板の上面をシリル化剤(疎水化剤)で疎水化することによって、パターンが受ける表面張力を低減し、パターンの倒壊を防止する基板処理が開示されている。具体的には、基板の上面にシリル化剤が供給され、基板の上面に供給されたシリル化剤は、基板の回転によって基板の上面を中央から周縁に広がるように流れる。これにより、基板の上面の全体が疎水化される。その後、基板の上面に残るシリル化剤がIPAによって洗い流され、その後、基板が乾燥される。
特開2016−21597号公報 特開2012−222329号公報
しかし、最近の研究により、このような疎水化処理をしてもパターン倒壊が生じる場合があることが分かってきた。そのうえ、疎水化処理を経て乾燥された基板の表面には、比較的多くのパーティクルが観測されることが分かってきた。
この原因についての本件発明者による仮説は次のとおりである。
疎水化処理がされる基板の表面に酸化物が付着していると、この酸化物に起因する凹凸が基板の表面に生じている。このような基板表面に疎水化処理を行うと、疎水化剤の官能基は、基板の露出している表面において基板材料と反応し、酸化物で覆われている部分では酸化物の表面と反応して、基板の露出部分および基板表面の酸化物を覆う疎水化膜を形成する。ところが、疎水化剤は分子量の大きい材料からなっているため、疎水化膜の表面には、酸化物に起因する凹凸を受け継ぐだけにとどまらず、より大きな凹凸が生じる。すなわち、基板表面に酸化物に起因するラフネスが生じていると、疎水化処理によって、さらにラフネスが悪化する。
このようなラフネスの悪い表面に液体(特許文献2の例ではIPA)が供給されたり、あるいは、それ以前に供給された液体(たとえば、水やIPA)が残存していたりすると、これらの液体の表面張力に起因するパターン倒壊が起こる。
また、疎水化処理によって増幅されたラフネスは、パーティクルカウンタ等を用いて基板表面を観測した場合に、パーティクルとして検出される可能性がある。
そこで、この発明の一実施形態は、パターン倒壊およびパーティクルの問題を改善できる基板処理方法および基板処理装置を提供する。
この発明の一実施形態は、表面に酸化物を有する基板を加熱して表面を改質する加熱改質工程と、前記基板の前記改質された表面に処理液を供給し、当該処理液によって基板の表面を洗浄する表面洗浄工程と、前記基板の前記洗浄された表面に疎水化剤を供給して、前記基板の表面を疎水化する疎水化工程と、を含む基板処理方法を提供する。
この方法によれば、基板が加熱されることによって、その表面が改質される。加熱による表面改質によって、基板上の酸化物が除去されたり、基板上の酸化物が分解および再結合されたりすることにより、基板の表面が平坦化される。この表面改質により平坦化された表面に対して、処理液による洗浄処理が行われ、その後に、疎水化剤による疎水化処理が行われる。こうして、酸化物に起因する基板表面の凹凸を解消した状態で基板表面が疎水性に改質されるので、この改質された基板の表面は、均一に疎水化され、かつラフネスの少ない平坦な表面となる。それにより、パターン倒壊の問題およびパーティクルの問題を解決できる。
この発明の一実施形態では、前記加熱改質工程が、前記基板の表面の酸化物の少なくとも一部を加熱によって除去する加熱除去工程を含む。
この方法では、酸化物の除去によって、基板表面の凹凸が低減または解消される。酸化物は、熱エネルギーによって分解される。より具体的には、熱エネルギーによって基板材料と酸化物との結合を解除して酸化物を除去することができる。加熱による酸化物の除去は、薬液を用いる場合に比較すると、エッチング作用に起因する基板材料の損失(膜減り)がない点で有利である。
この発明の一実施形態では、前記加熱改質工程が、前記基板の表面の酸化物に起因する凹凸を加熱によって低減する平坦化工程を含む。この方法では、酸化物に起因する基板表面の凹凸が、加熱によって平坦化される。
この発明の一実施形態では、前記表面洗浄工程が、洗浄用の薬液を前記基板の表面に供給する薬液洗浄工程と、前前記基板の表面にリンス液を供給して前記薬液をリンス液で置換するリンス工程と、を含む。
これにより、薬液を用いて基板洗浄を行ったうえで、基板の表面を疎水化できる。薬液を用いる洗浄よりも前に、基板の加熱によって基板表面が改質されているから、基板の表面は良好な疎水性表面を呈する。したがって、パターン倒壊の問題およびパーティクルの問題を回避しながら、薬液を用いた基板洗浄を行える。
この発明の一実施形態では、前記処理液中の溶存酸素濃度が100ppb以下である。これにより、処理液中の溶存酸素に起因する基板材料の酸化を抑制または防止できるから、疎水化処理前の基板表面のラフネスが向上する。それにより、疎水化処理後の基板表面は、優れた疎水性能を有する。
この発明の一実施形態では、前記疎水化工程が、溶媒中に疎水化物質を溶解させた液状の疎水化剤を供給する疎水化剤供給工程を含む。そして、前記方法が、前記表面洗浄工程の後、前記疎水化工程の前に、前記疎水化剤の溶媒と混和する有機溶剤を前記基板の表面に供給する前有機溶剤供給工程をさらに含む。
この方法では、基板の表面の処理液が有機溶剤によって置換され、その後に液状の疎水化剤が基板表面に供給される。有機溶剤は、疎水化剤の溶媒と混和する(すなわち、相溶性を有する)ので、疎水化剤は基板表面の有機溶剤を効率良く置換する。より具体的には、基板表面にパターンが形成されている場合でも、パターン内の有機溶剤を疎水化剤で置換できる。
この発明の一実施形態では、前記方法が、前記疎水化工程の後、前記基板の表面に有機溶剤を供給して、前記基板上の過剰の疎水化剤を流し取る後有機溶剤供給工程をさらに含む。これにより、適正量の疎水化剤で基板表面を疎水化できるので、過剰な疎水化剤に起因して基板表面のラフネスが悪化したり、疎水性能が低下したりすることを回避できる。
この発明の一実施形態では、前記有機溶剤中の溶存酸素濃度が100ppb以下である。これにより、有機溶剤中の溶存酸素に起因する基板材料の酸化を抑制または防止できるから、疎水化処理前の基板表面のラフネスが向上する。それにより、疎水化処理後の基板表面は、優れた疎水性能を有する。
この発明の一実施形態では、前記疎水化剤中の溶存酸素濃度が100ppb以下である。これにより、疎水化剤供給工程において疎水化剤中の溶存酸素に起因する基板材料の酸化を抑制または防止できる。
この発明の一実施形態では、前記表面洗浄工程から前記疎水化工程までの期間において、前記基板の周囲の雰囲気を大気中よりも酸素濃度の低い低酸素雰囲気に制御する雰囲気制御工程をさらに含む。これにより、熱処理によって基板の表面が改質された後は、当該表面に新たな酸化物が成長することを抑制した状態で、基板の表面を疎水性に改質できる。
この発明の一実施形態では、前記低酸素雰囲気は、前記処理液中に酸素が溶解しない酸素濃度の雰囲気である。これにより、表面洗浄工程において雰囲気からの酸素が処理液に溶け込むことがないから、表面洗浄工程において基板の表面に酸化物が成長することを抑制または防止できる。
この発明の一実施形態では、前記加熱改質工程の後に前記基板を冷却する冷却工程を含み、前記冷却工程後の基板に対して前記表面洗浄工程が実行される。これにより、表面洗浄工程前に基板が冷却されるので、表面洗浄工程中における基板材料の酸化を一層確実に抑制できる。
この発明の一実施形態では、前記疎水化工程の後、前記基板の表面の疎水化剤を加熱して脱水する加熱脱水工程を含む。これにより、加熱脱水工程において、基板の表面の疎水化剤の溶媒を飛ばして異物の縮小を図ったり、過剰な水分に起因する疎水化剤の不完全な結合を解消したりすることができる。それにより、優れた疎水性を有する表面を提供できる。
この発明の一実施形態は、表面に酸化物を有する基板を加熱して表面を改質する熱処理ユニットと、前記基板の前記改質された表面に、当該表面を洗浄するための処理液を供給する処理液供給ユニットと、前記洗浄された基板の表面に疎水化剤を供給して、前記基板の表面を疎水化する疎水化剤供給ユニットと、を含む、基板処理装置を提供する。
この発明の一実施形態では、前記熱処理ユニットが、前記基板の表面の酸化物の少なくとも一部を加熱によって除去するように前記基板を加熱する。
この発明の一実施形態では、前記熱処理ユニットが、前記基板の表面の酸化物に起因する凹凸を加熱によって低減するように前記基板を加熱する。
この発明の一実施形態では、前記処理液供給ユニットが、洗浄用の薬液を前記基板の表面に供給する薬液供給ユニットと、前記薬液をリンス液で置換するリンス液を前記基板の表面に供給するリンス液供給ユニットと、を含む。
この発明の一実施形態では、前記処理液供給ユニットが、溶存酸素濃度が100ppb以下の処理液を基板の表面に供給する。
この発明の一実施形態では、前記疎水化剤供給ユニットが、溶媒中に疎水化物質を溶解させた液状の疎水化剤を供給する。また、前記基板処理装置が、前記基板の表面を洗浄した後、前記基板の表面の疎水化の前に、前記疎水化剤の溶媒と混和する有機溶剤を前記基板の表面に供給する前有機溶剤供給ユニットをさらに含む。
この発明の一実施形態では、前記基板の表面の疎水化の後に、前記基板の表面に有機溶剤を供給して、前記基板上の過剰の疎水化剤を流し取る後有機溶剤供給ユニットをさらに含む。
この発明の一実施形態では、前記有機溶剤中の溶存酸素濃度が100ppb以下である。
この発明の一実施形態では、前記疎水化剤中の溶存酸素濃度が100ppb以下である。
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記処理液供給ユニットによって前記基板の表面に処理液が供給される期間、および前記疎水化剤供給ユニットによって前記基板の表面に疎水化剤が供給される期間において、前記基板の周囲の雰囲気を大気中よりも酸素濃度の低い低酸素雰囲気に制御する雰囲気制御ユニットをさらに含む。
この発明の一実施形態では、前記雰囲気制御ユニットが、前記基板の周囲の雰囲気を、前記処理液中に酸素が溶解しない酸素濃度の低酸素雰囲気に制御する。
この発明の一実施形態では、前記熱処理ユニットによって加熱された後に、前記表面の洗浄の前に、前記基板を冷却する冷却ユニットをさらに含む。
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記表面が疎水化された後に、前記基板の表面の疎水化剤を加熱して脱水するために前記基板を加熱する後加熱ユニットをさらに含む。
図1A〜図1Dは、この発明の一実施形態による基板処理の原理を説明するための説明図である。 図2A〜図2Cは、この発明の一実施形態による基板処理の他の原理を説明するための説明図である。 図3A〜図3Dは、この発明の一実施形態による基板処理のさらに他の原理を説明するための説明図である。 図4は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の内部のレイアウトを説明するための図解的な平面図である。 図5は、前記基板処理装置に備えられた熱処理ユニットの構成例を説明するための図解的な断面図である。 図6は、前記基板処理装置に備えられた処理ユニットの構成例を説明するための模式的な断面図である。 図7は、前記基板処理装置の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。 図8Aは、前記基板処理装置による基板処理の一例を説明するための流れ図である。 図8Bは、前記基板処理装置による基板処理の他の例を説明するための流れ図である。 図9Aは、薬液処理(表面洗浄工程)の様子を説明するための図解的な断面図である。 図9Bは、前記薬液処理後のリンス処理(表面洗浄工程)の様子を説明するための図解的な断面図である。 図9Cは、第1有機溶剤処理の様子を説明するための図解的な断面図である。 図9Dは、疎水化処理の様子を説明するための図解的な断面図である。 図9Eは、第2有機溶剤処理の様子を説明するための図解的な断面図である。 図9Fは、後基板加熱処理の様子を説明するための図解的な断面図である。 図9Gは、後基板冷却処理の様子を説明するための図解的な断面図である。 図10Aは、薬液処理(酸化物除去工程、表面洗浄工程)の様子を説明するための図解的な断面図である。 図10Bは、前記薬液処理後のリンス処理の様子を説明するための図解的な断面図である。 図11は、制御動作例を説明するためのシーケンス図である。 図12は、後基板加熱処理による脱溶媒作用を説明するための図である。 図13は、後基板加熱処理による脱水作用を説明するための図である。
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1A〜図1Dは、この発明の一実施形態による基板処理の原理を説明するための説明図である。処理対象の基板は、典型的にはシリコンウエハであり、より一般的には、シリコン、ゲルマニウム等のように酸化されやすい材料が表面に存在する基板である。基板の表面は、たとえば、シリコンウエハの表面であってもよいし、シリコン等の酸化されやすい材料を含むパターンの表面であってもよい。
図1Aは、処理前のシリコンウエハWの表面状態を示している。ウエハWの表面には、酸化物Oxが形成され、この酸化物Oxに起因する凹凸が生じている。酸化物Oxは、自然酸化物であってもよいし、薬液との化学反応によって生じた酸化物であってもよい。したがって、ウエハWの表面には、基板材料であるシリコンが露出しているシリコン露出部Wsiと、酸化物Oxの表面である酸化物部Woxとが存在している。
図1Aの表面状態のまま、すなわち、表面に酸化物Oxによる凹凸が生じているウエハWに対して疎水化剤を供給して疎水化処理を施した場合の表面状態は、図1Dに示すようになると考えられる。すなわち、疎水化物質Smの官能基(たとえばシラノール基)は、シリコン露出部WsiにあるOH基(ヒドロキシ基)、または酸化物Oxの表面にあるOH基と結合し、かつ疎水化物質Smの分子が互いに結合する。それにより、シリコン露出部Wsiおよび酸化物部Woxを覆う疎水化膜が形成される。疎水化物質Smの分子が比較的大きいために、疎水化膜の表面には、元のウエハWの表面の凹凸よりも大きな凹凸が形成され、ラフネスが悪化する。そのため、液体の接触角があまり大きくならず、充分な疏水性能が得られない。加えて、増幅されたラフネスは、パーティクルカウンタで観測したときに、パーティクルとして検知されるおそれがある。
この処理例では、図1AのウエハWに対する加熱改質処理として、酸化物Oxを除去するための処理が行われる(加熱除去工程)。それにより、図1Bに示すように、ウエハWの表面のほぼ全域が、基板材料の露出によって、シリコン露出部Wsiとなり、かつウエハWの表面のラフネスが改善される。この状態のウエハWの表面に疎水化剤を供給して疏水処理を施すと、図1Cに示すように、ウエハWの表面のほぼ全域において疎水化物質Smの官能基がシリコン露出部WsiのOH基と均一に結合する。その結果、疎水化物質Smの分子がウエハWの表面に倣って均一に整列し、凹凸のない疎水化された表面が得られる。このような表面は、液体の接触角が大きく、充分な疏水性能を有するうえに、パーティクルとして検知されるおそれのある凹凸を有していない。
なお、ウエハW上の酸化物Oxを残らず除去する必要は必ずしもなく、酸化物Oxを部分的に除去して表面のラフネスを改善したうえで、疎水化処理を行ってもよい。
図2A〜図2Cは、この発明の一実施形態による基板処理の他の原理を説明するための説明図である。図2Aは、処理前のシリコンウエハWの表面状態を示しており、図1Aと同様である。
この例では、図2AのウエハWに対する加熱改質処理として、酸化物Oxを平坦化するための処理が行われる(平坦化工程)。より具体的には、ウエハWに対して適切な加熱処理を行うことによって、酸化物Oxの分解および再結合が生じる。それにより、図2Bに示すように、ウエハWの表面のほぼ全域に均一な厚さの酸化物Oxが形成された状態となり、ウエハWの表面のラフネスが改善される。この状態のウエハWの表面に疎水化剤を供給して疏水処理を施すと、図2Cに示すように、ウエハWの表面のほぼ全域において疎水化物質Smの官能基が酸化物部WoxのOH基と均一に結合する。
その結果、疎水化物質Smの分子がウエハWの表面に倣って均一に整列し、凹凸のない疎水化された表面が得られる。このような表面は、液体の接触角が大きく、充分な疏水性能を有するうえに、パーティクルとして検知されるおそれのある凹凸を有していない。
図3A〜図3Cは、この発明の一実施形態による基板処理のさらに他の原理を説明するための説明図である。図3Aは、処理前のシリコンウエハWの表面状態を示しており、図1Aと同様である。
この処理例では、図3AのウエハWに対する加熱改質処理として、酸化物Oxを除去するための処理が行われる(加熱除去工程)。それにより、図3Bに示すように、ウエハWの表面のほぼ全域が、基板材料の露出によって、シリコン露出部Wsiとなり、かつウエハWの表面のラフネスが改善される。
この状態のウエハWの表面に、図3Cに示すように、新たな酸化膜Oxnが均一な膜厚で形成される。新たな酸化膜Oxnは、酸素が存在する雰囲気中での加熱によって形成されてもよい(加熱改質工程の一例)。
こうして形成される新たな酸化膜Oxnは、図3Bの状態のシリコン露出部Wsiのラフネスを引き継いでおり、ラフネスが改善された表面を呈する。この状態のウエハWの表面、すなわち、新たな酸化膜Oxnの表面に疎水化剤を供給して疏水処理を施すと、図3Dに示すように、ウエハWの表面のほぼ全域において疎水化物質Smの官能基が新たな酸化膜Oxnの表面のOH基と均一に結合する。
その結果、疎水化物質Smの分子がウエハWの表面に倣って均一に整列し、凹凸のない疎水化された表面が得られる。このような表面は、液体の接触角が大きく、充分な疏水性能を有するうえに、パーティクルとして検知されるおそれのある凹凸を有していない。
図4は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置1の内部のレイアウトを説明するための図解的な平面図である。基板処理装置1は、基板の一例であるシリコンウエハWを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。この実施形態では、ウエハWは、円板状の基板である。基板処理装置1は、ウエハWを加熱処理する熱処理ユニット100と、処理液でウエハWを処理する複数(この実施形態では3つ)の処理ユニット2とを含む。基板処理装置1は、さらに、熱処理ユニット100および処理ユニット2で処理される複数枚のウエハWを収容するキャリヤCが載置されるロードポートLPと、ロードポートLPと熱処理ユニット100および処理ユニット2との間でウエハWを搬送する搬送ロボットIRおよびCRと、基板処理装置1を制御する制御ユニット3とを含む。搬送ロボットIRは、キャリヤCと搬送ロボットCRとの間でウエハWを搬送する。搬送ロボットCRは、搬送ロボットIRと処理ユニット2との間でウエハWを搬送する。複数の処理ユニット2は、たとえば、同様の構成を有している。熱処理ユニット100は、ウエハWの加熱によって、その表面を改質する加熱改質工程を実行するために用いることができる。
搬送ロボットCRは、搬送ロボットIRから受け取った未処理のウエハWを熱処理ユニット100に搬入する。そして、搬送ロボットCRは、熱処理ユニット100によって加熱改質処理を受けたウエハWを熱処理ユニット100から搬出し、処理ユニット2に搬入する。さらに、搬送ロボットCRは、処理ユニット2による処理を経たウエハWを処理ユニット2から取り出して、搬送ロボットIRに渡す。
図5は、熱処理ユニット100の構成例を説明するための図解的な断面図である。熱処理ユニット100は、いわゆるアニーリング装置であってもよい。より具体的には、熱処理ユニット100は、密閉可能なチャンバ101と、チャンバ101内でウエハWを支持するサセプタ102と、サセプタ102に支持されたウエハWをランプ加熱するランプヒータユニット103(たとえばハロゲンランプヒータユニット)とを備えていてもよい。チャンバ101には、開閉可能なゲート107が備えられており、このゲート107を開くことにより、チャンバ101に対してウエハWを出し入れできる。熱処理ユニット100は、さらに、サセプタ102に支持されたウエハWの表面をフラッシュ加熱するためのフラッシュランプユニット104(たとえばキセノンフラッシュランプユニット、クリプトンフラッシュランプユニット等)を備えていてもよい。
熱処理ユニット100は、さらに、チャンバ101内の雰囲気を排気する排気ユニット105を備えている。排気ユニット105は、チャンバ101内に連通する排気管105aと、排気管105aの流路を開閉する排気バルブ105bとを含む。さらに、熱処理ユニット100は、チャンバ101内に不活性ガスを供給する不活性ガス供給ユニット106を備えている。不活性ガス供給ユニット106は、チャンバ101内に連通する不活性ガス供給管106aと、不活性ガス供給管106aの流路を開閉する不活性ガスバルブ106bとを含む。排気ユニット105によってチャンバ101内の雰囲気を排気し、かつ不活性ガス供給ユニット106によってチャンバ101内に不活性ガスを供給することによって、チャンバ101内の雰囲気を低酸素雰囲気とすることができる。すなわち、排気ユニット105および不活性ガス供給ユニット106は、雰囲気制御ユニットを構成している。また、不活性ガス供給ユニット106から不活性ガスを供給することで、熱処理後のウエハWを冷却することもできる。すなわち、不活性ガス供給ユニット106は、熱処理後のウエハWを冷却する冷却ユニットの一例である。
図6は、処理ユニット2の構成例を説明するための模式的な断面図である。処理ユニット2は、チャンバ4(図4参照)と、スピンチャック5と、対向部材6と、支持部材7と、不活性ガス供給ユニット8と、第1処理液供給ユニット30と、第2処理液供給ユニット40と、有機溶剤供給ユニット10と、疎水化剤供給ユニット11と、支持部材昇降ユニット12と、処理カップ13と、ヒータユニット110とを含む。
スピンチャック5は、一枚のウエハWを水平な姿勢で保持しながらウエハWの中央部を通る鉛直な回転軸線A1まわりにウエハWを回転させる。スピンチャック5は、チャンバ4内に収容されている(図4参照)。チャンバ4には、チャンバ4内にウエハWを搬入したり、チャンバ4内からウエハWを搬出したりするための出入口(図示せず)が形成されている。チャンバ4には、この出入口を開閉するシャッタユニット(図示せず)が備えられている。
スピンチャック5は、基板保持ユニット24と、回転軸22と、電動モータ23とを含む。基板保持ユニット24は、ウエハWを水平に保持する。基板保持ユニット24は、スピンベース21と複数のチャックピン20とを含む。スピンベース21は、水平方向に沿う円板形状を有している。スピンベース21の上面には、複数のチャックピン20が周方向に間隔を空けて配置されている。回転軸22は、スピンベース21の下面中央に結合されている。回転軸22は、回転軸線A1に沿って鉛直方向に延びている。電動モータ23は、回転軸22に回転力を与える。電動モータ23によって回転軸22が回転されることにより、基板保持ユニット24のスピンベース21が回転される。これにより、ウエハWが回転軸線A1のまわりの回転方向Sに回転される。電動モータ23は、ウエハWを回転軸線A1のまわりに回転させる基板回転ユニットを構成している。
対向部材6は、平面視で略円形状である。回転軸線A1は、対向部材6の中心部を通る鉛直軸線である。対向部材6は、この実施形態では、樹脂によって形成されている。対向部材6を形成する樹脂としてはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等が挙げられる。対向部材6は、対向部材6とウエハWの上面との間の空間65内の雰囲気を周囲の雰囲気から遮断する遮断部材の一例である。
対向部材6は、たとえば、磁力によって基板保持ユニット24と係合可能である。詳しくは、対向部材6は、複数の第1係合部66を含む。第1係合部66は、対向部60の対向面60aから下方に延びている。複数の第1係合部66は、回転方向Sに互いに間隔を隔てて配置されている。基板保持ユニット24は、複数の第1係合部66と凹凸係合可能な複数の第2係合部76を含む。複数の第2係合部76は、回転方向Sに互いに間隔を隔てて配置され、スピンベース21に固定されている。
対向部材6の各第1係合部66と、基板保持ユニット24の対応する第2係合部76とが係合した状態で、対向部材6は、基板保持ユニット24と一体回転可能である。対向部材6と基板保持ユニット24とが係合しているときに電動モータ23がスピンベース21を回転させることによって、対向部材6が基板保持ユニット24とともに回転する。すなわち、電動モータ23は、回転軸線A1まわりに対向部材6を回転させる対向部材回転ユニットとしても機能する。
対向部材6は、対向部60と、延設部61と、筒状部62と、複数のフランジ部63とを含む。対向部60は、ウエハWの上面に上方から対向する。対向部60は、円板状に形成されている。対向部60は、スピンチャック5の上方でほぼ水平に配置されている。対向部60は、ウエハWの上面に対向する対向面60aを有する。対向面60aは、対向部60の下面である。延設部61は、対向部60の周縁部から下方に延び、回転軸線A1の周りに環状に形成されている。延設部61の内周面61aは、下方に向かうに従って、回転軸線A1を中心とした径方向の外方に向かうように鉛直方向に対して傾斜したテーパー面を形成している。延設部61の外周面は、鉛直方向に沿って延びている。
以下では、回転軸線A1を中心とした径方向の内方を単に「径方向内方」といい、回転軸線A1を中心とした径方向の外方を単に「径方向外方」という。対向部材6が基板保持ユニット24と係合しているとき、延設部61は、第1ガード17よりも径方向内方でウエハWを取り囲み、ウエハWの周縁に側方(径方向外方)から対向する(図6の二点鎖線参照)。
筒状部62は、対向部60の上面に固定されている。複数のフランジ部63は、筒状部62の周方向(回転方向S)に互いに間隔を隔てて、筒状部62の上端に配置されている。各フランジ部63は、筒状部62の上端から水平に延びている。
基板処理装置1で用いられる処理液には、薬液、リンス液、有機溶剤、および疎水化剤等が含まれる。
第1処理液供給ユニット30および第2処理液供給ユニット40は、ウエハWの上面の中央領域に薬液およびリンス液(処理液)を供給する。ウエハWの上面の中央領域は、ウエハWの上面と回転軸線A1との交差位置を含むウエハWの上面の中央付近の領域である。
第1処理液供給ユニット30は、ウエハWの上面の中央領域に向けて処理液を吐出する処理液ノズル33と、処理液ノズル33に結合された薬液供給管31と、同じく処理液ノズル33に結合されたリンス液供給管34と、薬液供給管31に介装された薬液バルブ32と、リンス液供給管34に介装されたリンス液バルブ35とを含む。薬液供給管31には、薬液供給源から、たとえば、フッ酸(フッ化水素水:HF)等の酸系薬液が供給されている。薬液バルブ32は、薬液供給管31内の流路を開閉する。リンス液供給管34には、リンス液供給源から、DIW(脱イオン水)等のリンス液が供給されている。リンス液バルブ35は、リンス液供給管34内の流路を開閉する。第1処理液供給ユニット30は、この実施形態では、ウエハWの表面を洗浄するための処理液をウエハWの表面に供給する処理液供給ユニットの一例である。とくに、第1処理液供給ユニット30の薬液供給に関する部分は薬液供給ユニットを構成し、リンス液供給に関する部分はリンス液供給ユニットを構成している。
第2処理液供給ユニット40は、ウエハWの上面の中央領域に向けて処理液を吐出する処理液ノズル43と、処理液ノズル43に結合された薬液供給管41と、同じく処理液ノズル43に結合されたリンス液供給管44と、薬液供給管41に介装された薬液バルブ42と、リンス液供給管44に介装されたリンス液バルブ45とを含む。薬液供給管41には、薬液供給源から、たとえば、SC1(アンモニア過酸化水素水混合液)等のアルカリ系薬液が供給されている。薬液バルブ42は、薬液供給管41内の流路を開閉する。リンス液供給管44には、リンス液供給源から、CO水(炭酸水)等のリンス液が供給されている。リンス液バルブ45は、リンス液供給管44内の流路を開閉する。第2処理液供給ユニット40は、この実施形態では、ウエハWの表面を洗浄するための処理液をウエハWの表面に供給する処理液供給ユニットの一例である。とくに、第2処理液供給ユニット40の薬液供給に関する部分は薬液供給ユニットを構成し、リンス液供給に関する部分はリンス液供給ユニットを構成している。
薬液の例は、フッ酸およびSC1に限られない。処理液ノズル33,43から吐出される薬液は、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、バッファードフッ酸(BHF)、希フッ酸(DHF)、アンモニア水、過酸化水素水、有機アルカリ(たとえば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等)、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液であってもよい。これらを混合した薬液の例としては、SPM(硫酸過酸化水素水混合液)、SC1(アンモニア過酸化水素水混合液)、SC2(塩酸過酸化水素水混合液)等が挙げられる。ただし、酸系の薬液とアルカリ系の薬液とを使用する場合には、第1および第2処理液供給ユニット30,40からそれぞれの薬液を供給し、それらの混合を回避できるようにすることが好ましい。
また、処理液ノズル33,43から吐出されるリンス液は、DIWやCO水に限られない。たとえば、処理液ノズル33,43から吐出されるリンス液は、電解イオン水、オゾン水、アンモニア水、希釈濃度(たとえば、10ppm〜100ppm程度)の塩酸水、還元水(水素水)であってもよい。リンス液は、水を含有している。
有機溶剤供給ユニット10は、ウエハWの上面の中央領域に有機溶剤を供給するユニットである。有機溶剤供給ユニット10は、ウエハWの上面の中央領域に向けて有機溶剤を吐出する有機溶剤ノズル50と、有機溶剤ノズル50に結合された有機溶剤供給管51と、有機溶剤供給管51に介装された有機溶剤バルブ52とを含む。有機溶剤供給管51には、有機溶剤供給源から、IPA等の有機溶剤が供給されている。有機溶剤バルブ52は、有機溶剤供給管51内の流路を開閉する。有機溶剤供給ユニット10は、この実施形態では、ウエハWの表面を疎水化する前に有機溶剤を供給する前有機溶剤供給ユニットの一例であり、かつウエハWの表面を疎水化した後に有機溶剤を供給する後有機溶剤供給ユニットの一例である。
有機溶剤ノズル50から吐出される有機溶剤は、IPAに限られない。有機溶剤ノズル50から吐出される有機溶剤は、ウエハWの上面、および、ウエハWに形成されたパターン(図示せず)と化学反応しない(反応性が乏しい)、IPA以外の有機溶剤であってもよい。より具体的には、有機溶剤ノズル50から吐出される有機溶剤は、IPA、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、メタノール、エタノール、アセトンおよびTrans-1,2ジクロロエチレンのうちの少なくとも1つを含む液を有機溶剤であってもよい。ただし、有機溶剤ノズル50から供給される有機溶剤は、疎水化剤供給ユニット11から供給される疎水化剤の溶媒と混和する(すなわち相溶性を有する)有機溶剤であることが好ましい。さらには、有機溶剤ノズル50から供給される有機溶剤は、処理液供給ユニット30,40から供給されるリンス液(DIW、CO水等)と混和する(すなわち相溶性を有する)有機溶剤であることが好ましい。
疎水化剤供給ユニット11は、ウエハWの上面の中央領域に液状の疎水化剤を供給するユニットである。疎水化剤供給ユニット11は、ウエハWの上面の中央領域に向けて疎水化剤を吐出する疎水化剤ノズル80と、疎水化剤ノズル80に結合された疎水化剤供給管81と、疎水化剤供給管81に介装された疎水化剤バルブ82とを含む。疎水化剤供給管81には、疎水化剤供給源から、液状の疎水化剤が供給されている。疎水化剤バルブ82は、疎水化剤供給管81内の流路を開閉する。
疎水化剤ノズル80から吐出される疎水化剤は、疎水化物質を溶媒中に溶解した液体である。疎水化剤としては、たとえば、シリコン自体およびシリコンを含む化合物を疎水化させるシリコン系の疎水化剤、または金属自体および金属を含む化合物を疎水化させるメタル系の疎水化剤を用いることができる。メタル系の疎水化剤は、たとえば、疎水基を有するアミン、および有機シリコン化合物の少なくとも一つを疎水化物質として含む。シリコン系の疎水化剤は、たとえば、シランカップリング剤である。シランカップリング剤は、たとえば、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)、TMS(テトラメチルシラン)、フッ素化アルキルクロロシラン、アルキルジシラザン、および非クロロ系の疎水化剤の少なくとも一つを疎水化物質として含む。非クロロ系の疎水化剤は、たとえば、ジメチルシリルジメチルアミン、ジメチルシリルジエチルアミン、ヘキサメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ビス(ジメチルアミノ)ジメチルシラン、N,N−ジメチルアミノトリメチルシラン、N−(トリメチルシリル)ジメチルアミンおよびオルガノシラン化合物の少なくとも一つを疎水化物質として含む。疎水化物質を溶解させる溶媒は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エステル、アルコール、エーテル等から選ばれた少なくとも一種であってもよい。より具体的には、メタノール、エタノール、IPA、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)、DMF(N,N−ジメチルホルムアミド)、DMA(ジメチルアセトアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、ヘキサン、トルエン、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)、PGME(プロピレングリコールモルメチルエーテル)、PGPE(プロピレングリコールモノプロピルエーテル)、PGEE(プロピレングリコールモノエチルエーテル)、GBL(γ−ブチロラクトン)、アセチルアセトン、3−ペンタノン、2−ヘプタノン、乳酸エチル、シクロヘキサノン、ジブチルエーテル、HFE(ハイドロフルオロエーテル)、エチルノナフルオロイソブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、およびm−キシレンヘキサフルオライドからなる群より選ばれた少なくとも一種であってもよい。
ウエハWに供給される処理液(薬液、リンス液、有機溶剤および疎水化剤)中の溶存酸素を低減するために、脱気ユニットが備えられている。すなわち、薬液供給管31,41、リンス液供給管34,44、有機溶剤供給管51および疎水化剤供給管81には、それぞれ、脱気ユニット36,46,37,47,53,83が介装されている。したがって、溶存酸素が低減された処理液がウエハWの表面に供給される。脱気ユニットは、各処理液の供給源に備えられてもよい。脱気ユニットは、各処理液中に不活性ガスを導入(たとえばバブリングによって導入)することにより、処理液中の溶存酸素を排出させるように構成されていてもよい。
不活性ガス供給ユニット8は、ウエハWの上面の中央領域に向けて不活性ガスを吐出する不活性ガスノズル90と、不活性ガスノズル90に結合された不活性ガス供給管91と、不活性ガス供給管91に介装された不活性ガスバルブ92とを含む。不活性ガス供給管91には、不活性ガス供給源から、窒素ガス等の不活性ガスが供給されている。不活性ガスバルブ92は、不活性ガス供給管91内の流路を開閉する。
処理液ノズル33,43、有機溶剤ノズル50、疎水化剤ノズル80および不活性ガスノズル90は、この実施形態では、ノズル収容部材38に共通に収容されている。ノズル収容部材38の下端部は、ウエハWの上面の中央領域に対向している。
支持部材7は、対向部材6を支持する対向部材支持部70と、対向部材支持部70よりも上方に設けられノズル収容部材38を支持するノズル支持部72と、対向部材支持部70とノズル支持部72とを連結し鉛直方向に延びる壁部71とを含む。対向部材支持部70と壁部71とノズル支持部72とによって空間75が区画されている。空間75は、筒状部62の上端部とフランジ部63とを収容する。対向部材支持部70は、支持部材7の下壁を構成している。ノズル支持部72は、支持部材7の上壁を構成している。ノズル収容部材38は、ノズル支持部72の略中央に取り付けられている。ノズル収容部材38の先端は、ノズル支持部72よりも下方に位置している。ノズル収容部材38の下端にノズル33,43,50,80,90の吐出口がそれぞれ下方に向けて配置されている。これらの吐出口は、対向部材6の筒状部62内の空間および対向部60の中央に形成された貫通孔60bを介してウエハWの中央領域に鉛直上方から臨んでいる。
対向部材支持部70は、対向部材6(より詳細にはフランジ部63)を下方から支持する。対向部材支持部70の中央部には、筒状部62が挿通される筒状部挿通孔70aが形成されている。各フランジ部63には、フランジ部63を上下方向に貫通する位置決め孔63aが形成されている。対向部材支持部70には、対応するフランジ部63の位置決め孔63aに係合可能な係合突起70bが形成されている。各位置決め孔63aに対応する係合突起70bが係合されることによって、回転方向Sにおいて支持部材に対して対向部材が位置決めされる。
支持部材昇降ユニット12は、支持部材7とともに対向部材6を昇降させる。支持部材昇降ユニット12は、対向部材6を昇降させる対向部材昇降ユニットとして機能する。したがって、支持部材昇降ユニット12は、遮断部材としての対向部材6をウエハWの表面に近接した位置に対向配置する遮断部材配置ユニットとしての機能を有している。支持部材昇降ユニット12は、たとえば、ボールねじ機構(図示せず)と、当該ボールねじ機構に駆動力を付与する電動モータ(図示せず)とを含む。
支持部材昇降ユニット12は、上位置から下位置までの間の所定の高さ位置に支持部材7を位置させることができる。下位置は、支持部材7の可動範囲において、支持部材7が基板保持ユニット24の上面に最も近接する位置である。上位置は、図6に実線で示す位置である。詳しくは、上位置は、支持部材7の可動範囲において、支持部材7が基板保持ユニット24の上面から最も離間する位置である。
支持部材7は、上位置に位置する状態で、対向部材6を吊り下げ支持している。この状態で、対向部材6は、基板保持ユニット24から上方に離間している。支持部材7は、支持部材昇降ユニット12によって昇降されることによって、上位置と下位置との間の係合位置を通過する。係合位置は、図6に二点鎖線で示す位置である。係合位置は、対向部材6が下方から支持部材7に支持され、かつ、対向部材6と基板保持ユニット24とが係合するときの支持部材7の高さ位置である。支持部材7は、下位置に位置するとき、基板保持ユニット24と係合した状態の対向部材6から下方に離間している。
支持部材7が上位置と係合位置との間で昇降される際、対向部材6は、支持部材7と一体的に昇降する。支持部材7は、係合位置と下位置との間の位置に位置するとき、対向部材6から下方に離間している。対向部材6は、支持部材7が係合位置と下位置との間の位置に位置するとき、基板保持ユニット24に係合された状態で維持される。
処理カップ13は、スピンチャック5に保持されているウエハWよりも径方向外方に配置されている。処理カップ13は、排気桶26と、複数のカップ14〜16と、複数のガード17〜19と、複数のガード昇降ユニット27〜29とを含む。複数のカップは、第1カップ14、第2カップ15および第3カップ16を含む。複数のガードは、第1ガード17、第2ガード18および第3ガード19を含む。複数のガード昇降ユニットは、第1ガード昇降ユニット27、第2ガード昇降ユニット28および第3ガード昇降ユニット29を含む。
排気桶26は、スピンチャック5を取り囲んでいる。排気桶26には、チャンバ4(図4参照)に流れ込む空気をチャンバ4外へ排出するための排気管(図示せず)が接続されている。複数のカップ14〜16および複数のガード17〜19は、スピンチャック5と排気桶26との間に配置されている。複数のカップ14〜16のそれぞれは、ウエハWを取り囲んでいる。複数のガード17〜19のそれぞれは、ウエハWを取り囲んでいる。
各ガード17〜19は、スピンチャック5に保持されたウエハWから径方向外方に飛散する処理液を受ける。第2ガード18は、第1ガード17よりも径方向外方に配置されている。第3ガード19は、第2ガード18よりも径方向外方に配置されている。
第1ガード17は、排気桶26よりも径方向内方でスピンチャック5を取り囲む第1筒状部17Aと、径方向内方に向かうに従って上方に向かうように第1筒状部17Aから延びる第1傾斜部17Bとを含む。第2ガード18は、排気桶26よりも径方向内方で、かつ第1筒状部17Aよりも径方向外方でスピンチャック5を取り囲む第2筒状部18Aと、径方向内方に向かうに従って上方に向かうように第2筒状部18Aから延びる第2傾斜部18Bとを含む。第3ガード19は、排気桶26よりも径方向内方で、かつ第2筒状部18Aよりも径方向外方でスピンチャック5を取り囲む第3筒状部19Aと、径方向内方に向かうに従って上方に向かうように第3筒状部19Aから延びる第3傾斜部19Bとを含む。
第1傾斜部17Bは、第2傾斜部18Bに下方から対向している。第2傾斜部18Bは、第3傾斜部19Bに下方から対向している。
各カップ14〜16は、上向きに開いた環状の溝を有している。第2カップ15は、第1カップ14よりも径方向外方に配置されている。第3カップ16は、第2カップ15よりも径方向外方に配置されている。第3カップ16は、第2ガード18と一体に設けられている。各カップ14〜16の溝には、回収配管(図示せず)または排出配管(図示せず)が接続されている。各カップ14〜16の底部には、対応するガード17〜19が受けた処理液が導かれる。各カップ14〜16の底部に導かれた処理液は、回収配管または排出配管を通じて、回収または廃棄される。
複数のガード昇降ユニット27〜29は、複数のガード17〜19の昇降をそれぞれ駆動する。各ガード昇降ユニット27〜29は、たとえば、ボールねじ機構(図示せず)と、それに駆動力を与える電動モータ(図示せず)とを含む。
ヒータユニット110は、スピンチャック5に保持されたウエハWを加熱するために用いられる。ヒータユニット110は、疎水化処理後のウエハWを加熱する後加熱ユニットとして用いることができる。
ヒータユニット110は、円板状のホットプレートの形態を有している。ヒータユニット110は、ウエハWの下面に下方から対向する対向面110aを有している。
ヒータユニット110は、プレート本体111と、ヒータ112とを含む。プレート本体111は、平面視において、ウエハWよりもわずかに小さい。プレート本体111の表面が対向面110aを形成している。ヒータ112は、プレート本体111に内蔵されている抵抗体であってもよい。ヒータ112に通電することによって、対向面110aが加熱される。ヒータ112には給電線を介して、ヒータ通電ユニット113から電力が供給される。
ヒータユニット110は、スピンベース21の上方に配置されている。処理ユニット2は、ヒータユニット110をスピンベース21に対して相対的に昇降させるヒータ昇降ユニット114を含む。ヒータ昇降ユニット114は、たとえば、ボールねじ機構と、それに駆動力を与える電動モータとを含む。
ヒータユニット110の下面には、回転軸線A1に沿って鉛直方向に延びる昇降軸115が結合されている。昇降軸115は、スピンベース21の中央に形成された貫通孔21aと、中空の回転軸22とを挿通している。昇降軸115内には、給電線116が通されている。ヒータ昇降ユニット114は、昇降軸115を介してヒータユニット110を昇降させることによって、下位置および上位置ならびにそれらの間の任意の中間位置にヒータユニット110を配置できる。ヒータユニット110が下位置に位置するとき、対向面110aとウエハWの下面との間の距離は、たとえば、15mmである。ヒータユニット110は、スピンベース21に対して相対的に移動(昇降)するので、ウエハWの下面とヒータユニット110の対向面110aとの間の距離が変化する。
基板処理装置1は、さらに、スピンチャック5に保持されたウエハWの下面中央に向けて窒素ガス等の不活性ガスを供給する下面不活性ガス供給ユニット120を備えている。下面不活性ガス供給ユニット120は、不活性ガス供給管121と、不活性ガス供給管121に介装された不活性ガスバルブ122とを含む。不活性ガス供給管121は、中空の昇降軸115を挿通し、ヒータユニット110の中央開口(図示せず)を挿通しており、その上端には、ウエハWの下面中央に下方から臨む吐出口を有している。
図7は、基板処理装置1の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。制御ユニット3は、マイクロコンピュータを備えており、所定のプログラムに従って、基板処理装置1に備えられた制御対象を制御する。より具体的には、制御ユニット3は、プロセッサ(CPU)3Aと、プログラムが格納されたメモリ3Bとを含み、プロセッサ3Aがプログラムを実行することによって、基板処理のための様々な工程のための制御を実行するように構成されている。特に、制御ユニット3は、搬送ロボットIR,CR、電動モータ23、支持部材昇降ユニット12、ガード昇降ユニット27〜29およびバルブ32,35,42,45,52,82,92,122等の動作を制御する。また、制御ユニット3は、熱処理ユニット100の各部、とくに、ランプヒータユニット103およびフラッシュランプユニット104への通電を制御し、排気ユニット105による排気動作を制御し、不活性ガス供給ユニット106による不活性ガス供給を制御するようにプログラムされている。さらに、制御ユニット3は、ヒータ通電ユニット113によるヒータ112への通電を制御し、かつヒータ昇降ユニット114の動作を制御するようにプログラムされている。
図8Aは、この実施形態の基板処理装置1による基板処理の一例を説明するための流れ図であり、主として、制御ユニット3がプログラムを実行することによって実現される処理が示されている。図9A〜図9Gは、前記基板処理例を説明するための図解的な断面図である。
基板処理装置1による基板処理では、たとえば、図8Aに示すように、基板搬入(S21)、基板加熱処理(S22)、基板冷却処理(S23)、基板搬送(S24)、薬液処理(S25)、リンス処理(S26)、第1有機溶剤処理(S27)、疎水化処理(S28)、第2有機溶剤処理(S29)、乾燥処理(S30)、後基板加熱処理(S31)、後基板冷却処理(S32)および基板搬出(S33)がこの順番で実行される。
より具体的には、搬送ロボットIRが未処理のウエハWをキャリヤCから取り出す。搬送ロボットCRは、搬送ロボットIRから未処理のウエハWを受け取り、熱処理ユニット100のチャンバ101に搬入し、サセプタ102に載置して退避する(S21:基板搬入)。制御ユニット3は、たとえば、ランプヒータユニット103に通電することにより、ウエハWを加熱する(S22:基板加熱処理)。この基板加熱処理は、ウエハWの材料(たとえばシリコン)と酸素との結合を切るために必要な熱エネルギーをウエハWに供給するように行われる。すなわち、この基板加熱処理(S22)は、ウエハWの表面の酸化物の少なくとも一部を加熱によって除去する加熱除去工程(酸化物除去工程)であってもよい(図1B参照)。より具体的には、ウエハWは、300℃以上、より好ましくは500℃以上、さらに好ましくは700℃以上に加熱される。たとえば、ウエハWが750℃に所定時間(たとえば20秒間)保持されるように、ランプヒータユニット103への通電が制御されてもよい。必要に応じて、フラッシュランプユニット104によるフラッシュ加熱が併用されてもよい。
基板加熱処理(S22)は、ウエハWの表面の酸化物を分割および再結合させて酸化物を平坦化させる平坦化工程であってもよい(図2B参照)。
基板加熱処理(S22)に先立って、制御ユニット3は、排気ユニット105を作動させてチャンバ101内の雰囲気を排気し、かつ不活性ガス供給ユニット106によって、チャンバ101内に不活性ガスを供給させる。それにより、ウエハWの周囲の雰囲気を低酸素雰囲気に保持するための雰囲気制御(S35)が行われる。この雰囲気制御は、ウエハWが熱処理ユニット100から搬出されるまで継続される。
基板加熱処理(S22)の後、ウエハWを室温に近づけるための基板冷却処理(S23。冷却工程)が行われる。具体的には、制御ユニット3は、ランプヒータユニット103への通電を停止する。その一方で、不活性ガス供給ユニット106による不活性ガスの供給および排気ユニット105によるチャンバ101の排気は継続される。それにより、ウエハWと不活性ガスとの熱交換によって、ウエハWが冷却される。
そして、所定の冷却時間が経過すると、制御ユニット3は、冷却処理後のウエハWを熱処理ユニット100から取り出して、いずれかの処理ユニット2に搬入する(S24:基板搬送)。
基板冷却処理(S23)の前または基板冷却処理中に、チャンバ101に空気(酸素)を導入して、ウエハWの表面に新たな酸化膜Oxn(図3C参照)を形成してもよい(加熱改質工程の一例)。ウエハWが高温の状態で酸素濃度が制御された雰囲気に置かれることにより、均一な酸化膜OxnをウエハWの表面に形成することができる。
処理ユニット2にウエハWが搬入される前に、対向部材6と基板保持ユニット24とが係合可能となるように、回転方向Sにおける対向部材6と基板保持ユニット24との相対位置が調整される。詳しくは、平面視で、対向部材6の第1係合部66と基板保持ユニット24の第2係合部76とが重なるように、回転方向Sにおける基板保持ユニット24の位置を電動モータ23が調整する。
一方、未処理のウエハWが、搬送ロボットCR(図4参照)によって熱処理ユニット100から処理ユニット2へと搬送され、スピンチャック5に渡される(S24:基板搬送)。この後、ウエハWは、搬送ロボットCRによって搬出されるまでの間、チャックピン20によって、スピンベース21の上面から上方に間隔を空けて水平に保持される(基板保持工程)。
そして、支持部材昇降ユニット12が、上位置に位置する支持部材7を下位置へ向けて下降させる。支持部材7は、下位置に移動する前に係合位置を通過する。支持部材7が係合位置に達すると、対向部材6と基板保持ユニット24とが磁力によって係合する。これにより、高さ位置が固定された基板保持ユニット24によって対向部材6が下方から支持される。対向部材6が基板保持ユニット24に係合しているとき、対向部材6の対向部60は、ウエハWの上面に近接配置され、ウエハWの上面に上方から対向する。一方、対向部材6の延設部61は、径方向外方からウエハWに対向し、ウエハWの周縁を包囲する。また、対向部材6が基板保持ユニット24に係合しているとき、延設部61の下端部がスピンベース21に上方から対向する。延設部61の下端部とスピンベース21の上面との間には僅かな隙間が設けられている。このように、支持部材昇降ユニット12によって、延設部61の内周面が径方向外方からウエハWに対向する位置に対向部材6が配置される(遮断部材配置工程)。
支持部材7が係合位置からさらに下方へ下降すると、対向部材6は、支持部材7による支持から解放される。詳しくは、支持部材7の対向部材支持部70が対向部材6のフランジ部63から下方に退避する。
そして、図9Aに示すように、支持部材7は、下位置に達する。そして、電動モータ23が駆動され、基板保持ユニット24のスピンベース21の回転が開始する。これにより、水平に保持されたウエハWが回転する(基板回転工程)。スピンベース21に設けられた第2係合部76に対向部材6に設けられた第1係合部66が係合している。そのため、対向部材6は、ウエハWと同期回転する(対向部材回転工程)。同期回転とは、同じ方向に同じ回転速度で回転することをいう。
さらに、制御ユニット3は、不活性ガスバルブ92を開いて、不活性ガスノズル90から不活性ガスを吐出させる。それにより、スピンベース21と対向部60との間の処理空間65の空気が不活性ガス雰囲気に置換される。それにより、ウエハWの周囲は、大気圧よりも酸素濃度が低い低酸素雰囲気となる。このように、ウエハWの周囲の空間を低酸素雰囲気に制御する雰囲気制御工程(S36)は、処理ユニット2からウエハWを搬出するまで継続される。
このような低酸素雰囲気を保持した状態で、薬液処理(S25。薬液洗浄工程、表面洗浄工程)が開始される。ウエハWの回転数は、薬液処理速度(たとえば300rpm)に制御される。薬液処理(S25)では、ウエハW上に薬液としてSC1を処理液ノズル43から供給することによって、ウエハWの上面に対する薬液洗浄処理が施される。このときに供給されるSC1は、脱気ユニット46によって液中の溶存酸素濃度が低減された低酸素濃度のSC1である。具体的には、処理液ノズル43から吐出されるSC1中の溶存酸素濃度が100ppb以下であることが好ましくは、それにより、溶存酸素に起因するウエハWの表面の酸化を回避できる。
より具体的に説明すると、図9Aを参照して、第3ガード昇降ユニット29が、第3ガード19を上位置に配置し、第2ガード昇降ユニット28が、第2ガード18を上位置に配置する。そして、第1ガード昇降ユニット27が、処理液を受けることができる高さ位置に第1ガード17を配置する(ガード配置工程)。
この状態で、薬液バルブ42が開かれる。これにより、処理液ノズル43から回転状態のウエハWの上面の中央領域に薬液(SC1)が供給される。薬液は遠心力によってウエハWの上面の全体に行き渡る。
薬液は、遠心力によってウエハWから径方向外方に飛散する。ウエハWから径方向外方に飛散した薬液は、ウエハWに径方向外方から対向する対向部材6の延設部61の内周面61aに至る。対向部材6は、ウエハWとともに回転しているため、延設部61の内周面61aに付着した薬液は、遠心力によって、延設部61よりも径方向外方に飛散する。延設部61よりも径方向外方に飛散した薬液は、第1ガード17によって受けられる。第1ガード17によって受けられた薬液は、第1筒状部17Aを伝って、第1カップ14へ導かれる。
一定時間の薬液処理(S25)の後、リンス処理(S26。リンス工程、表面洗浄工程)が実行される。ウエハWの回転数は、リンス処理速度(たとえば300rpm)に制御される。リンス処理では、ウエハW上のSC1(薬液)をリンス液としてのCO水に置換することにより、ウエハWの上面がリンスされる。このときに供給されるリンス液は、脱気ユニット47によって液中の溶存酸素濃度が低減された低酸素濃度のリンス液(たとえばCO水)である。具体的には、処理液ノズル43から吐出されるリンス液中の溶存酸素濃度が100ppb以下であることが好ましくは、それにより、溶存酸素に起因するウエハWの表面の酸化を回避できる。
リンス処理(S26)の開始に際して、薬液バルブ42が閉じられ、処理液ノズル43からのSC1の吐出が停止される。図9Bを参照して、第3ガード昇降ユニット29が、第3ガード19を上位置に維持し、第2ガード昇降ユニット28が、第2ガード18を上位置に維持する。そして、第1ガード昇降ユニット27が、処理液を受けることができる高さ位置に第1ガード17を配置する(ガード配置工程)。
この状態で、リンス液バルブ45が開かれる。これにより、処理液ノズル43から回転状態のウエハWの上面の中央領域に向けてリンス液が供給される。リンス液は遠心力によってウエハWの上面の全体に行き渡る。これにより、ウエハW上の薬液がリンス液によって置換される。
ウエハW上の薬液およびリンス液の混合液またはリンス液は、遠心力によってウエハWから径方向外方に飛散する。ウエハWから径方向外方に飛散した薬液およびリンス液の混合液またはリンス液は、ウエハWに径方向外方から対向する対向部材6の延設部61の内周面61aに至る。対向部材6は、ウエハWとともに回転しているため、延設部61の内周面61aに付着した薬液およびリンス液の混合液またはリンス液は、遠心力によって、延設部61よりも径方向外方に飛散する。延設部61よりも径方向外方に飛散した薬液およびリンス液の混合液またはリンス液は、第1ガード17によって受けられる。第1ガード17によって受けられた薬液およびリンス液の混合液またはリンス液は、第1筒状部17Aを伝って、第1カップ14へ導かれる。
一定時間のリンス処理(S26)の後、第1有機溶剤処理(S27。前有機溶剤供給工程)が実行される。ウエハWの回転数は、有機溶剤処理速度(たとえば300rpm)に制御される。第1有機溶剤処理(S27)では、ウエハW上のリンス液がIPA等の有機溶剤で置換される。この有機溶剤は、リンス処理(S26)で用いられるリンス液であるCO水と混和する(相溶性を有する)有機溶剤である。
具体的には、リンス液バルブ45が閉じられる。これにより、処理液ノズル43からのリンス液の吐出が停止される。そして、図9Cを参照して、第1ガード昇降ユニット27が、第1ガード17を下位置に配置する。第2ガード昇降ユニット28が、第2ガード18を下位置に配置する。さらに、第3ガード昇降ユニット29が、処理液を受けることができる高さ位置に第3ガード19を配置する。
そして、有機溶剤バルブ52が開かれる。これにより、有機溶剤供給ユニット10の有機溶剤ノズル50から回転状態のウエハWの上面の中央領域に向けて有機溶剤が供給される。有機溶剤は、遠心力によってウエハWの上面の全体に行き渡る。これにより、ウエハW上のリンス液が有機溶剤によって置換される。このときに供給される有機溶剤は、脱気ユニット53によって液中の溶存酸素濃度が低減された低酸素濃度の有機溶剤である。具体的には、有機溶剤ノズル50から吐出される有機溶剤中の溶存酸素濃度が100ppb以下であることが好ましくは、それにより、溶存酸素に起因するウエハWの表面の酸化を回避できる。
ウエハW上のリンス液および有機溶剤の混合液または有機溶剤は、遠心力によってウエハWから径方向外方に飛散する。ウエハWから径方向外方に飛散したリンス液および有機溶剤の混合液または有機溶剤は、ウエハWに径方向外方から対向する対向部材6の延設部61の内周面61aに至る。対向部材6は、ウエハWとともに回転しているため、延設部61の内周面61aに付着したリンス液および有機溶剤の混合液または有機溶剤は、遠心力によって、延設部61よりも径方向外方に飛散する。延設部61よりも径方向外方に飛散したリンス液および有機溶剤の混合液または有機溶剤は、第3ガード19によって受けられる。第3ガード19によって受けられたリンス液および有機溶剤の混合液または有機溶剤は、第3筒状部19Aを伝って、第3カップ16へ導かれる。
一定時間の第1有機溶剤処理(S27)の後、疎水化処理(S28)が実行される。ウエハWの回転数は、疎水化処理速度(たとえば500rpm)に制御される。疎水化処理(S28)では、ウエハW上の有機溶剤が疎水化剤で置換される。疎水化剤は、疎水化物質を溶媒中に溶解させた液体である。疎水化剤の溶媒は、たとえば、PGMEAのように、第1有機溶剤処理(S27)で供給されるIPAと混和する(相溶性を有する)ものであることが好ましい。それにより、ウエハW上の有機溶剤(IPA)を置換することができる。
疎水化処理(S28)に際して、有機溶剤バルブ52が閉じられる。これにより、有機溶剤ノズル50からの有機溶剤の吐出が停止される。そして、図9Dを参照して、第1ガード昇降ユニット27が、第1ガード17を下位置に維持し、第2ガード昇降ユニット28が第2ガード18を下位置に維持する。そして、第3ガード昇降ユニット29が、処理液を受けることができる高さ位置に第3ガード19を配置する。
そして、疎水化剤バルブ82が開かれる。これにより、疎水化剤供給ユニット11の疎水化剤ノズル80から回転状態のウエハWの上面の中央領域に向けて疎水化剤が供給される(疎水化剤供給工程)。疎水化剤は、遠心力によってウエハWの上面の全体に行き渡る。これにより、ウエハW上の有機溶剤が疎水化剤によって置換される。このときに供給される疎水化剤は、脱気ユニット83によって液中の溶存酸素濃度が低減された低酸素濃度の疎水化剤である。具体的には、疎水化剤ノズル80から吐出される疎水化剤中の溶存酸素濃度が100ppb以下であることが好ましくは、それにより、溶存酸素に起因するウエハWの表面の酸化を回避できる。
ウエハW上の有機溶剤および疎水化剤の混合液または疎水化剤は、遠心力によってウエハWから径方向外方に飛散する。ウエハWから径方向外方に飛散した有機溶剤および疎水化剤の混合液または疎水化剤は、ウエハWに径方向外方から対向する対向部材6の延設部61の内周面61aに至る。対向部材6は、ウエハWとともに回転しているため、延設部61の内周面61aに付着した有機溶剤および疎水化剤の混合液または疎水化剤は、遠心力によって、延設部61よりも径方向外方に飛散する。延設部61よりも径方向外方に飛散した有機溶剤および疎水化剤の混合液または疎水化剤は、第3ガード19によって受けられる。第3ガード19によって受けられた有機溶剤および疎水化剤の混合液または疎水化剤は、第3筒状部19Aを伝って、第3カップ16へ導かれる。
一定時間の疎水化処理(S28)の後、第2有機溶剤処理(S29。後有機溶剤供給工程)が実行される。ウエハWの回転数は、有機溶剤処理速度(たとえば300rpm)に制御される。第2有機溶剤処理では、ウエハW上の疎水化剤が有機溶剤で置換される。この有機溶剤は、疎水化処理(S28)で用いられる疎水化剤の溶媒と混和する(相溶性を有する)ものであり、たとえばIPAである。
具体的には、疎水化剤バルブ82が閉じられる。そして、図9Eを参照して、第1ガード昇降ユニット27が、第1ガード17を下位置に維持し、第2ガード昇降ユニット28が、第2ガード18を下位置に維持する。そして、第3ガード昇降ユニット29によって、処理液を受けることができる高さ位置に第3ガード19が配置される(ガード配置工程)。
そして、有機溶剤バルブ52が開かれる。これにより、回転状態のウエハWの上面の中央領域に向けて、有機溶剤ノズル50から有機溶剤が吐出される。有機溶剤は、遠心力によってウエハWの上面の全体に行き渡る。これにより、ウエハW上の疎水化剤が有機溶剤によって置換される。このときに供給される有機溶剤は、脱気ユニット53によって液中の溶存酸素濃度が低減された低酸素濃度の有機溶剤である。具体的には、有機溶剤ノズル50から吐出される有機溶剤中の溶存酸素濃度が100ppb以下であることが好ましくは、それにより、溶存酸素に起因するウエハWの表面の酸化を回避できる。
ウエハW上の有機溶剤および疎水化剤の混合液または有機溶剤は、遠心力によってウエハWから径方向外方に飛散する。ウエハWから径方向外方に飛散した有機溶剤および疎水化剤の混合液または有機溶剤は、ウエハWに径方向外方から対向する対向部材6の延設部61の内周面に至る。対向部材6は、ウエハWとともに回転しているため、延設部61の内周面に付着した有機溶剤および疎水化剤の混合液または有機溶剤は、遠心力によって、延設部61よりも径方向外方に飛散する。延設部61よりも径方向外方に飛散した有機溶剤および疎水化剤の混合液または有機溶剤は、第3ガード19によって受けられる。第3ガード19によって受けられた有機溶剤および疎水化剤の混合液または有機溶剤は、第3筒状部19Aを伝って、第3カップ16へ導かれる。
一定時間の第2有機溶剤処理(S29)の後、ウエハWの上面の液成分を遠心力によって振り切る乾燥処理(S30)が実行される。具体的には、有機溶剤バルブ52が閉じられた後、ウエハWが高速度(乾燥処理速度、たとえば2000rpm)で回転される。
一定時間の乾燥処理(S30)の後、制御ユニット3は、ウエハWの回転を減速(たとえば300rpmまで減速)し、図9Fに示すように、ヒータユニット110によってウエハWを加熱する。これにより、ウエハW上に残留する疎水化剤の溶媒成分を揮発させるための後基板加熱処理(S31。加熱脱水工程)が実行される。
その後、一定時間が経過すると、制御ユニット3は、ヒータユニット110による加熱を停止し、ウエハWの回転を再び加速(たとえば2000rpmまで加速)して、ウエハWを室温に向けて冷却するための後基板冷却処理(S32)を実行する。図9Gに示すように、後基板冷却処理(S32)では、不活性ガスバルブ92および122が開かれることにより、ウエハWの上面および下面に不活性ガスが吹き付けられる。このとき、ガード17〜19をいずれも下位置として、処理空間65内の雰囲気が速やかに置換されるようにすることが好ましい。一定時間が経過すると、制御ユニット3は、電動モータ23を制御して、ウエハWの回転を停止させる。
後基板冷却処理(S32)が終了すると、制御ユニット3は、不活性ガスバルブ92,122を閉じて不活性ガスの供給を停止し、雰囲気制御工程(S36)を終える。
その後、搬送ロボットCRが、処理ユニット2に進入して、スピンチャック5から処理済みのウエハWをすくい取って、処理ユニット2外へと搬出する(S31:基板搬出)。そのウエハWは、搬送ロボットCRから搬送ロボットIRへと渡され、搬送ロボットIRによって、キャリヤCに収納される。
図8Bに示すように、SC1による薬液洗浄処理(S25)およびSC1を洗い流すリンス処理(S26)の前に、フッ酸による薬液処理(S41:薬液洗浄)およびフッ酸を洗い流すためのリンス処理(S42)を実行してもよい。これにより、ウエハWの表面の微量の酸化物をフッ酸のエッチング作用によって除去できる。また、ウエハWの表面に酸化膜が形成されている場合には、フッ酸によるライトエッチングによってその表面を平坦化できる。この場合、雰囲気制御処理(S36)は、薬液による酸化物除去処理(S41)以前に開始される。
薬液処理(S41)およびその後のリンス処理(S42)では、たとえば第1処理液供給ユニット30から薬液(フッ酸)およびリンス液が供給される。
すなわち、低酸素雰囲気を保持した状態で、薬液処理(S41)が開始される。ウエハWの回転数は、薬液処理速度(たとえば300rpm)に制御される。薬液処理(S41)では、ウエハW上に薬液としてフッ酸(HF)を処理液ノズル33から供給することによって、ウエハWの上面にエッチング等の処理が施される。より具体的には、フッ酸の供給によって、ウエハWの表面に存在している酸化物をエッチング除去したり、表面の酸化膜の表面を平坦化したりすることができる。このフッ酸の供給は、ウエハWの表面を洗浄するための薬液洗浄工程を兼ねていてもよい。供給されるフッ酸は、脱気ユニット36によって液中の溶存酸素濃度が低減された低酸素濃度のフッ酸水溶液である。具体的には、処理液ノズル33から吐出されるフッ酸中の溶存酸素濃度が100ppb以下であることが好ましくは、それにより、溶存酸素に起因するウエハWの表面の酸化を回避できる。
より具体的に説明すると、図10Aを参照して、第1ガード昇降ユニット27が、第1ガード17を下位置に配置し、第3ガード昇降ユニット29が、第3ガード19を上位置に配置する。そして、第2ガード昇降ユニット28が、処理液を受けることができる高さ位置に第2ガード18を配置する(ガード配置工程)。
この状態で、薬液バルブ32が開かれる。これにより、処理液ノズル33から回転状態のウエハWの上面の中央領域に薬液(フッ酸)が供給される。薬液は遠心力によってウエハWの上面の全体に行き渡る。
薬液は、遠心力によってウエハWから径方向外方に飛散する。ウエハWから径方向外方に飛散した薬液は、ウエハWに径方向外方から対向する対向部材6の延設部61の内周面61aに至る。対向部材6は、ウエハWとともに回転しているため、延設部61の内周面61aに付着した薬液は、遠心力によって、延設部61よりも径方向外方に飛散する。延設部61よりも径方向外方に飛散した薬液は、第2ガード18によって受けられる。第2ガード18によって受けられた薬液は、第2筒状部18Aを伝って、第2カップ15へ導かれる。
一定時間の薬液処理(S41)の後、リンス処理(S42)が実行される。ウエハWの回転数は、リンス処理速度(たとえば300rpm)に制御される。リンス処理では、ウエハW上のフッ酸(薬液)をリンス液としてのDIWに置換することにより、ウエハWの上面がリンスされる。供給されるリンス液は、脱気ユニット37によって液中の溶存酸素濃度が低減された低酸素濃度のリンス液(たとえばDIW)である。具体的には、処理液ノズル33から吐出されるリンス液中の溶存酸素濃度が100ppb以下であることが好ましくは、それにより、溶存酸素に起因するウエハWの表面の酸化を回避できる。
リンス処理(S42)の開始に際して、薬液バルブ32が閉じられ、処理液ノズル33からのフッ酸の吐出が停止される。図10Bを参照して、第1ガード昇降ユニット27が、第1ガード17を下位置に維持し、第3ガード昇降ユニット29が、第3ガード19を上位置に維持する。そして、第2ガード昇降ユニット28が、処理液を受けることができる高さ位置に第2ガード18を配置する(ガード配置工程)。
この状態で、リンス液バルブ35が開かれる。これにより、処理液ノズル33から回転状態のウエハWの上面の中央領域に向けてリンス液が供給される。リンス液は遠心力によってウエハWの上面の全体に行き渡る。これにより、ウエハW上の薬液がリンス液によって置換される。
ウエハW上の薬液およびリンス液の混合液またはリンス液は、遠心力によってウエハWから径方向外方に飛散する。ウエハWから径方向外方に飛散した薬液およびリンス液の混合液またはリンス液は、ウエハWに径方向外方から対向する対向部材6の延設部61の内周面61aに至る。対向部材6は、ウエハWとともに回転しているため、延設部61の内周面61aに付着した薬液およびリンス液の混合液またはリンス液は、遠心力によって、延設部61よりも径方向外方に飛散する。延設部61よりも径方向外方に飛散した薬液およびリンス液の混合液またはリンス液は、第2ガード18によって受けられる。第2ガード18によって受けられた薬液およびリンス液の混合液またはリンス液は、第2筒状部18Aを伝って、第2カップ15へ導かれる。
図11は、制御ユニット3による処理ユニット2に対する制御動作例を説明するためのシーケンス図(タイムチャート)であり、主として、スピンチャック5によるウエハWの回転数と、ヒータユニット110によるウエハWの加熱とに関する制御内容を示す。
ヒータユニット110の初期位置は、下位置(図6参照)であり、ウエハWの下面から対向面110aまでの距離が長い位置である。制御ユニット3は、たとえば、処理対象のウエハWが搬入されると、ヒータユニット110への通電を開始する。制御ユニット3は、薬液処理(S25,S41)、リンス処理(S26,S42)の間は、ヒータユニット110を下位置に保持する(図9A、図9B参照)。したがって、ウエハWは実質的に加熱されない。
制御ユニット3は、第1有機溶剤処理(S27)および第2有機溶剤処理(S29)の期間には、ヒータユニット110を上昇させ、ウエハWの下面に接近した接近位置に配置する(図9C、図9E参照)。ウエハWの下面との間には間隔が確保されており、それによって、ウエハWの回転が許容される。第1有機溶剤処理(S27)および第2有機溶剤処理(S29)の際のウエハWの回転数は、たとえば300rpmである。ヒータユニット110がウエハWに接近して配置されることにより、ウエハWが加熱される。それにより、有機溶剤によるリンス液の置換を効率的に進行させることができる。
制御ユニット3は、疎水化処理(S28)においては、ヒータユニット110を下位置に保持する(図9D参照)。したがって、ウエハWは実質的に加熱されない。それにより、疎水化剤の溶媒の揮発を抑制し、ウエハW全面に疎水化剤を行き渡らせて、疎水化剤による有機溶剤の置換を図ることができる。疎水化処理の際のウエハWの回転数は、たとえば500rpmである。
乾燥処理(S30)では、ウエハWの回転数が加速され、たとえば2000rpmとされる。これにより、ウエハW上の有機溶剤が遠心力によって、ウエハW外に排除される。
後基板加熱処理(S31)では、制御ユニット3は、ウエハWの回転数をたとえば300rpmに減速する。さらに、制御ユニット3は、ヒータユニット110を上昇させて、図9Fに示すように、ウエハWの下面に接近した接近位置に配置する。これにより、ウエハWは、たとえば200℃程度まで昇温する。このような後基板加熱処理(S31)によって、ウエハWの表面に形成された疎水化剤膜中の溶媒成分および水分が蒸発させられる。すなわち、後基板加熱処理(S31)は、脱溶媒処理および脱水処理である。後基板加熱処理は、ウエハWの温度を少なくとも疎水化剤液の溶媒の沸点以上に昇温させる処理であることが好ましい。たとえば、疎水化剤液の溶媒は、PGMEAであってもよく、その場合の沸点は110℃程度である。
その後の後基板冷却処理(S32)では、制御ユニット3は、ウエハWの回転数をたとえば2000rpmまで加速する。図9Gに示すように、ヒータユニット110は、下位置に配置される。それにより、ウエハWは上下から供給される不活性ガスとの間で熱交換して、室温に向けて冷却される。後基板冷却処理が終了すると、制御ユニット3は、ウエハWの回転、すなわちスピンチャック5の回転を停止し、搬送ロボットCRによって処理済みのウエハWを処理ユニット2から搬出させる。
図12は、後基板加熱処理(S31)による脱溶媒作用を説明するための図である。疎水化剤によってウエハWの表面を処理すると、ウエハWの表面がシリル化されて疎水性表面となる。この疎水性表面には、ゴミ130が付着しやすい。ゴミ130の主成分はC(炭素)であり、過剰な溶媒が存在しているときには、溶媒131を内包するラテックス状になっていると考えられる。そこで、後基板加熱処理(S31)によってゴミ130のなかの溶媒131を蒸発させることにより、ゴミ130を縮小することができ、それによって、パーティクル性能を改善できる。
図13は、後基板加熱処理(S31)による脱水作用を説明するための図である。ウエハWの表面に水分が残留していると、疎水化剤の分子140とウエハWの材料(たとえばシリコン)との結合に水分子141が介在されて、不完全な結合となる。後基板加熱処理(S31)は、結合に介在している水分子141を除去する脱水作用を有し、それによって、不完全な結合を低減または解消する。たとえば、不完全な結合状態で疎水化剤の分子140が存在している状態では、疎水化剤膜に対して有機物の反応残留物が付着しやすくなるおそれがある。脱水処理によって不完全な結合を低減または解消することで、不完全な結合状態に起因するパーティクル性能の悪化を回避できる。
以上のように、この実施形態によれば、表面に酸化物を有するウエハWに対して、熱処理ユニット100による表面改質処理(S21)が行われ、それにより、ウエハW上の酸化物が除去されたり、ウエハW上の酸化物が分解および再結合されたりすることにより、ウエハWの表面が平坦化される。その後に、ウエハWの表面を処理液によって洗浄する表面洗浄工程(S25,S26,S41,S42)が実行される。表面洗浄工程の後に実行される疎水化工程(S5)では、ウエハWの表面に疎水化剤が供給され、ウエハWの表面が疎水性に改質される。
このように、酸化物に起因するウエハWの表面の凹凸を解消した状態でウエハWの表面が疎水性に改質されるので、この改質されたウエハWの表面は、均一に疎水化され、かつラフネスの少ない平坦な表面となる。これにより、第2有機溶剤処理(S29)などにおいて、ウエハWの表面のパターンが倒壊することを抑制または防止できる。加えて、表面のラフネスが少ないので、パーティクルとして検出されるおそれのある凹凸がウエハWの表面には生じることを抑制または防止できる。
処理ユニット2において使用される処理液(薬液、リンス液、有機溶剤、疎水化剤)は、溶存酸素が低く(たとえば100ppb以下)、ウエハWの材料を酸化しないので、ウエハWの表面に処理液に起因する新たな酸化物は形成されない。また、表面洗浄工程から疎水化工程までの期間には、ウエハWの周囲の雰囲気が低酸素雰囲気に制御される(S36)。したがって、ウエハWの表面に新たな酸化物が成長することを抑制した状態で、ウエハWの表面を疎水性に改質できる。
低酸素雰囲気は、処理液中に酸素が溶解しない酸素濃度の雰囲気である。これにより、ウエハWの表面に酸化物が成長することを抑制または防止できる。
また、この実施形態では、疎水化処理(S28)の後、ウエハWの表面に有機溶剤を供給して、ウエハW上の過剰の疎水化剤を流し取る第2有機溶剤処理(S29。後有機溶剤供給工程)が行われる。これにより、適正量の疎水化剤でウエハWの表面を疎水化できるので、過剰な疎水化剤に起因してウエハWの表面のラフネスが悪化したり、疎水性能が低下したりすることを回避できる。
また、この実施形態では、雰囲気制御工程(S36)において、対向部材6が、ウエハWの表面に近接した位置に対向して配置され、それによって、ウエハWの表面が対向する空間が制限される。そして、その制限された空間に不活性ガスが供給される。それにより、ウエハWの表面は低酸素濃度の雰囲気中に置かれ、したがって、処理中のウエハWの表面に酸化物が成長することを抑制または防止できる。
さらに、この実施形態では、対向部材6がウエハWの表面に近接して対向配置されると、ウエハWの表面が対向する空間は、当該表面の法線方向からは対向部60によって制限され、当該表面に平行な方向からは環状の延設部61によって制限される。それにより、ウエハWの表面が対向する空間はほぼ閉空間を形成し、この閉空間に不活性ガスが供給される。したがって、ウエハWの表面は、低酸素濃度で安定した雰囲気中に置かれ、その状態で、表面洗浄処理等が行われる。よって、処理中のウエハWの表面に酸化物が成長することを一層確実に抑制または防止できる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態でも実施することができる。
後基板加熱処理(S31)のためには、ヒータユニット110による加熱に代えて、またはヒータ加熱に加えて、赤外線ランプ、レーザ、加熱蒸気(スチーム)などによる加熱を適用してもよい。ウエハWの加熱は、下面から行う必要はなく、上面からの加熱を適用してもよい。たとえば、ウエハWの上方に赤外線ランプを配置してもよい。
また、後基板加熱処理(S31)は、処理ユニット2内で行う必要はなく、搬送ロボットCRによって別のユニットに搬送して行ってもよい。
また、図8Aおよび図8Bの処理において、後基板加熱処理(S31)および後基板冷却処理(S32)を省いてもよい。
搬送ロボットCRが配置される搬送室内の雰囲気を低酸素雰囲気に制御して、搬送中における酸化物の成長を抑制または防止してもよい。
熱処理ユニット100は基板処理装置1に組み込まれていなくてもよい。すなわち、基板処理装置1とは別の装置において、ウエハWの表面改質のための加熱処理を行ってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
W ウエハ
Ox 酸化物
Oxn 新たな酸化膜
Wsi シリコン露出部
Wox 酸化物部
Sm 疎水化物質
IR 搬送ロボット
CR 搬送ロボット
1 基板処理装置
2 処理ユニット
3 制御ユニット
4 チャンバ
5 スピンチャック
6 対向部材
7 支持部材
8 不活性ガス供給ユニット
10 有機溶剤供給ユニット
11 疎水化剤供給ユニット
12 支持部材昇降ユニット
20 チャックピン
21 スピンベース
22 回転軸
23 電動モータ
24 基板保持ユニット
26 排気桶
30 第1処理液供給ユニット
31 薬液供給管
32 薬液バルブ
33 処理液ノズル
34 リンス液供給管
35 リンス液バルブ
36 脱気ユニット
37 脱気ユニット
40 第2処理液供給ユニット
41 薬液供給管
42 薬液バルブ
43 処理液ノズル
44 リンス液供給管
45 リンス液バルブ
46 脱気ユニット
47 脱気ユニット
50 有機溶剤ノズル
51 有機溶剤供給管
52 有機溶剤バルブ
53 脱気ユニット
60 対向部
61 延設部
62 筒状部
70 対向部材支持部
72 ノズル支持部
80 疎水化剤ノズル
81 疎水化剤供給管
82 疎水化剤バルブ
83 脱気ユニット
90 不活性ガスノズル
91 不活性ガス供給管
92 不活性ガスバルブ
100 熱処理ユニット
101 チャンバ
102 サセプタ
103 ランプヒータユニット
104 フラッシュランプユニット
105 排気ユニット
106 不活性ガス供給ユニット
110 ヒータユニット
113 ヒータ通電ユニット
114 ヒータ昇降ユニット
120 下面不活性ガス供給ユニット
121 不活性ガス供給管
122 不活性ガスバルブ

Claims (26)

  1. 表面に酸化物を有する基板を加熱して表面を改質する加熱改質工程と、
    前記基板の前記改質された表面に処理液を供給し、当該処理液によって基板の表面を洗浄する表面洗浄工程と、
    前記基板の前記洗浄された表面に疎水化剤を供給して、前記基板の表面を疎水化する疎水化工程と、を含む基板処理方法。
  2. 前記加熱改質工程が、前記基板の表面の酸化物の少なくとも一部を加熱によって除去する加熱除去工程を含む、請求項1に記載の基板処理方法。
  3. 前記加熱改質工程が、前記基板の表面の酸化物に起因する凹凸を加熱によって低減する平坦化工程を含む、請求項1または2に記載の基板処理方法。
  4. 前記表面洗浄工程が、洗浄用の薬液を前記基板の表面に供給する薬液洗浄工程と、前前記基板の表面にリンス液を供給して前記薬液をリンス液で置換するリンス工程と、を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  5. 前記処理液中の溶存酸素濃度が100ppb以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  6. 前記疎水化工程が、溶媒中に疎水化物質を溶解させた液状の疎水化剤を供給する疎水化剤供給工程を含み、
    前記表面洗浄工程の後、前記疎水化工程の前に、前記疎水化剤の溶媒と混和する有機溶剤を前記基板の表面に供給する前有機溶剤供給工程をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  7. 前記疎水化工程の後、前記基板の表面に有機溶剤を供給して、前記基板上の過剰の疎水化剤を流し取る後有機溶剤供給工程をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  8. 前記有機溶剤中の溶存酸素濃度が100ppb以下である、請求項6または7に記載の基板処理方法。
  9. 前記疎水化剤中の溶存酸素濃度が100ppb以下である、1〜8のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  10. 前記表面洗浄工程から前記疎水化工程までの期間において、前記基板の周囲の雰囲気を大気中よりも酸素濃度の低い低酸素雰囲気に制御する雰囲気制御工程をさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  11. 前記低酸素雰囲気は、前記処理液中に酸素が溶解しない酸素濃度の雰囲気である、請求項10に記載の基板処理方法。
  12. 前記加熱改質工程の後に前記基板を冷却する冷却工程を含み、
    前記冷却工程後の基板に対して前記表面洗浄工程が実行される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  13. 前記疎水化工程の後、前記基板の表面の疎水化剤を加熱して脱水する加熱脱水工程を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の基板処理方法。
  14. 表面に酸化物を有する基板を加熱して表面を改質する熱処理ユニットと、
    前記基板の前記改質された表面に、当該表面を洗浄するための処理液を供給する処理液供給ユニットと、
    前記洗浄された基板の表面に疎水化剤を供給して、前記基板の表面を疎水化する疎水化剤供給ユニットと、
    を含む、基板処理装置。
  15. 前記熱処理ユニットが、前記基板の表面の酸化物の少なくとも一部を加熱によって除去するように前記基板を加熱する、請求項14に記載の基板処理装置。
  16. 前記熱処理ユニットが、前記基板の表面の酸化物に起因する凹凸を加熱によって低減するように前記基板を加熱する、請求項14または15に記載の基板処理装置。
  17. 前記処理液供給ユニットが、洗浄用の薬液を前記基板の表面に供給する薬液供給ユニットと、前記薬液をリンス液で置換するリンス液を前記基板の表面に供給するリンス液供給ユニットと、を含む、請求項14〜16のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  18. 前記処理液供給ユニットが、溶存酸素濃度が100ppb以下の処理液を基板の表面に供給する、請求項14〜17のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  19. 前記疎水化剤供給ユニットが、溶媒中に疎水化物質を溶解させた液状の疎水化剤を供給し、
    前記基板の表面を洗浄した後、前記基板の表面の疎水化の前に、前記疎水化剤の溶媒と混和する有機溶剤を前記基板の表面に供給する前有機溶剤供給ユニットをさらに含む、請求項14〜18のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  20. 前記基板の表面の疎水化の後に、前記基板の表面に有機溶剤を供給して、前記基板上の過剰の疎水化剤を流し取る後有機溶剤供給ユニットをさらに含む、請求項14〜19のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  21. 前記有機溶剤中の溶存酸素濃度が100ppb以下である、請求項19または20に記載の基板処理装置。
  22. 前記疎水化剤中の溶存酸素濃度が100ppb以下である、請求項14〜21のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  23. 前記処理液供給ユニットによって前記基板の表面に処理液が供給される期間、および前記疎水化剤供給ユニットによって前記基板の表面に疎水化剤が供給される期間において、前記基板の周囲の雰囲気を大気中よりも酸素濃度の低い低酸素雰囲気に制御する雰囲気制御ユニットをさらに含む、請求項14〜22のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  24. 前記雰囲気制御ユニットが、前記基板の周囲の雰囲気を、前記処理液中に酸素が溶解しない酸素濃度の低酸素雰囲気に制御する、請求項23に記載の基板処理装置。
  25. 前記熱処理ユニットによって加熱された後に、前記表面の洗浄の前に、前記基板を冷却する冷却ユニットをさらに含む、請求項14〜24のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  26. 前記表面が疎水化された後に、前記基板の表面の疎水化剤を加熱して脱水するために前記基板を加熱する後加熱ユニットをさらに含む、請求項14〜25のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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