JP2019120554A - 追尾処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多目標追尾処理における追尾性能の更なる向上を可能とする追尾処理装置を得ること。【解決手段】追尾処理装置は、センサ2から受信した探知情報及びセンサ情報を用いて目標の航跡情報を生成する多目標追尾部4、及びセンサ情報と、多目標追尾部4から受信した航跡情報とを用いてセンサ制御情報を生成するセンサ制御部5を備える。多目標追尾部4は、確立状態にある航跡を本航跡として生成すると共に、未確立状態の航跡を仮航跡として生成し、生成した本航跡及び仮航跡をセンサ制御部5へ出力する。センサ制御部5は、本航跡の予測位置及び仮航跡の予測位置を算出し、算出したそれぞれの予測位置をセンサ指向方向としてセンサ2へ出力する。【選択図】図4
Description
本発明は、単一又は複数の目標物(以下「目標」とも呼ぶ)を追尾する追尾処理装置に関する。
目標追尾とは、レーダ装置及び赤外線探知装置といったセンサの観測結果から、目標の運動諸元を推定して、目標の位置及び速度を継続的に予測して行く処理である。目標追尾の抱える課題の1つに、追尾目標の周辺に他の目標の信号、及びクラッタを含む不要信号が多数存在する高密度環境下での追尾性能の確保が挙げられる。高密度環境下では、センサから得られた複数の観測値が何れの追尾目標のものであるかを判定する相関処理が重要となる。
従来は、各追尾目標において、予測位置に最も近い観測値を選択し、追尾計算に使用する方式が採られていた。しかしながら、この方式では、多数の航跡が生成される高密度環境下では、追尾性能が不十分であった。そこで、より高度な相関方式を採用したMHT(Multiple Hypothesis Tracking)アルゴリズムが提案された。今日において、MHTアルゴリズムは、多目標追尾アルゴリズムの主流として採用されている。
従来の多目標追尾アルゴリズムでは、探知目標と相関しなかった航跡は、その航跡の予測位置がセンサの観測領域外にある場合、その航跡の予測位置が観測領域と異なるために探知されなかったとして、当該航跡の追尾処理が保留されていた。
追尾処理が保留される航跡の中には、不要な航跡が含まれる。不要な航跡とは、最終的には削除される航跡である。このため、従来の多目標追尾アルゴリズムでは、高密度環境下において、不要な航跡が生成され易く、計算負荷の増大及び追尾性能の低下を引き起こしていた。
このような技術的背景の下、下記特許文献1には、MHTアルゴリズムの処理において、解探索処理と、航跡の更新処理又は生成処理とを分離し、これらの処理を同時並行的に実施することで、計算負荷を低減する技術が開示されている。
上記特許文献1は、解探索処理と、航跡の更新処理又は生成処理とを並列化することで、計算負荷を低減する技術であり、高密度環境下での追尾性能の向上を図るための技術ではない。不要な航跡を残したまま追尾処理を継続するのは、追尾性能の低下を引き起こす原因となる。このため、従来の多目標追尾処理では、追尾性能の更なる向上を図ることは困難であった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、多目標追尾処理における追尾性能の更なる向上を可能とする追尾処理装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る追尾処理装置は、センサから受信した探知情報及びセンサ情報を用いて目標の航跡情報を生成する多目標追尾部、及びセンサ情報と、多目標追尾部から受信した航跡情報とを用いてセンサ制御情報を生成するセンサ制御部を備える。多目標追尾部は、確立状態にある航跡を本航跡として生成すると共に、未確立状態の航跡を仮航跡として生成し、生成した本航跡及び仮航跡をセンサ制御部へ出力する。センサ制御部は、本航跡の予測位置及び仮航跡の予測位置を算出し、算出したそれぞれの予測位置をセンサ指向方向としてセンサへ出力する。
本発明によれば、多目標追尾処理における追尾性能の更なる向上が可能になる、という効果を奏する。
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係る追尾処理装置について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、実施の形態に係る追尾処理装置1の構成を示すブロック図である。実施の形態に係る追尾処理装置1は、多目標追尾部4と、センサ制御部5とを含む。追尾処理装置1は、センサ2及び外部装置3と接続されている。
図1は、実施の形態に係る追尾処理装置1の構成を示すブロック図である。実施の形態に係る追尾処理装置1は、多目標追尾部4と、センサ制御部5とを含む。追尾処理装置1は、センサ2及び外部装置3と接続されている。
センサ2は、目標を探知する装置である。センサ2としては、レーダ及び赤外線センサが例示される。センサ2は、探知情報及びセンサ情報を、追尾処理装置1の多目標追尾部4へ送信する。探知情報には、目標を探知するときの探知時刻、及び目標を探知して得られる探知位置が含まれる。センサ情報には、センサの指向方向、センサのビーム幅、及びセンサの視野幅が含まれる。なお、「ビーム幅」という用語は、レーダ装置のようなアクティブセンサの場合に用いられる。「視野幅」という用語は、赤外線探知装置のようなパッシブセンサの場合に用いられる。以下、センサの指向方向を「センサ指向方向」と呼び、センサのビーム幅及びセンサの視野幅のそれぞれを、単に「ビーム幅」及び「視野幅」と呼ぶ。
追尾処理装置1は、センサ2から受信した探知情報及びセンサ情報を使用し、多目標追尾アルゴリズムであるMHTアルゴリズムを実施して、目標の航跡情報を生成する。航跡情報には、目標の推定位置及び目標の推定速度が含まれる。
追尾処理装置1は、航跡情報を基に、センサ制御部5によってセンサ2を制御して目標の追尾を継続するための制御情報を生成する。この制御情報は、センサ制御情報と呼ばれる。センサ制御情報には、センサ指向方向及び航跡の予測位置が含まれる。
外部装置3は、受信した航跡情報を処理する装置である。外部装置3には、表示機器及び通信機器が含まれる。
多目標追尾部4は、センサ2、外部装置3及びセンサ制御部5と接続されている。多目標追尾部4は、センサ2から受信した探知情報及びセンサ情報を用いて、目標の航跡情報を生成する。航跡情報の生成には、MHTアルゴリズムが用いられる。生成された航跡情報は、センサ情報と共に、外部装置3及びセンサ制御部5へ送信される。なお、多目標追尾部4による追尾対象は、単一目標であっても複数目標であってもよい。
センサ制御部5は、センサ2及び多目標追尾部4と接続されている。センサ制御部5は、多目標追尾部4から受信した航跡情報及びセンサ情報を用いて、センサ制御情報を生成する。生成されたセンサ制御情報は、センサ2へ送信される。
次に、実施の形態における多目標追尾部4の構成及び動作について、詳細に説明する。図2は、実施の形態における多目標追尾部4の構成を示すブロック図である。多目標追尾部4は、航跡予測器401、第1の判定器であるゲート内外判定器402、第2の判定器である観測領域内外判定器403、第1の生成器である尤度行列生成器404、第2の生成器である仮説生成器405、準最適化器406、航跡確立器407、本航跡出力器408、仮航跡出力器411、及び航跡出力器412を備えている。
まず、各構成部間の情報の流れについて、図2を参照して説明する。各構成部間で授受される情報の詳細については、後述する動作説明の項で記述する。
航跡予測器401には、センサ2から「探知時刻」が入力され、航跡データベース(以下「航跡DB」と表記)409から「既存航跡情報」が入力される。航跡予測器401からは、「航跡予測位置」が出力される。
ゲート内外判定器402には、センサ2から「探知位置」が入力され、航跡予測器401から「航跡予測位置」が入力される。ゲート内外判定器402からは、「ゲート内外判定結果」が出力される。
観測領域内外判定器403には、センサ2から「センサ指向方向」及び「ビーム幅」、又は「センサ指向方向」及び「視野幅」が入力され、航跡予測器401から「航跡予測位置」が入力される。観測領域内外判定器403からは、「観測領域内外判定結果」が出力される。
尤度行列生成器404には、航跡DB409から「既存航跡情報」が入力され、センサ2から「探知位置」が入力され、ゲート内外判定器402から「ゲート内外判定結果」が入力され、観測領域内外判定器403から「観測領域内外判定結果」が入力される。尤度行列生成器404からは、「尤度行列」が出力される。尤度行列の詳細は、後述する。
仮説生成器405には、尤度行列生成器404から「尤度行列」が入力され、航跡DB409から「既存航跡情報」が入力され、仮説データベース(以下「仮説DB」と表記)410から「既存仮説情報」が入力される。仮説生成器405からは、「仮説情報」及び「航跡情報」が出力される。
準最適化器406には、仮説生成器405から「仮説情報」及び「航跡情報」が入力される。準最適化器406からは、「第2の仮説情報」及び「第2の航跡情報」が出力される。第2の仮説情報は、準最適化処理によって更新された仮説情報であり、第2の航跡情報は、準最適化処理によって更新された航跡情報である。
航跡確立器407には、準最適化器406から「第2の仮説情報」及び「第2の航跡情報」が入力される。航跡確立器407からは、「第3の仮説情報」及び「第3の航跡情報」が出力される。第3の仮説情報は、航跡確立処理によって更新された仮説情報であり、第3の航跡情報は、航跡確立処理によって更新された航跡情報である。
本航跡出力器408には、航跡DB409から「航跡情報」が入力される。本航跡出力器408からは「本航跡」が出力される。
仮航跡出力器411には、航跡DB409から「航跡情報」が入力される。仮航跡出力器411からは「仮航跡」が出力される。
航跡出力器412には、本航跡出力器408から「本航跡」が入力され、仮航跡出力器411から「仮航跡」が入力される。航跡出力器412からは、「本航跡」及び「仮航跡」が出力される。「本航跡」及び「仮航跡」は、センサ制御部5に送信される。
次に、図2及び図3を参照して多目標追尾部4の動作について説明する。図3は、実施の形態の多目標追尾部4における処理の流れを示すフローチャートである。なお、図3に示す「〜処理」は、図2に示す「〜器」が行う処理である。また、図2の符号の数字と、図3のステップ番号とは、同じ数値で示している。具体的に、図3の航跡予測処理「S401」は、図2の航跡予測器401が行う処理である。他の処理においても同様である。
航跡予測器401は、センサ2から受信した探知時刻、及び航跡DB409から取得した既存航跡情報を用いて、航跡予測位置を算出する(ステップS401)。航跡予測位置は、既存航跡が進むであろうと予測される、探知時刻での位置である。
ゲート内外判定器402は、センサ2から受信した探知位置、及び航跡予測器401から受信した航跡予測位置を用いて、ゲート内外判定処理を実施する(ステップS402)。ここで、「ゲート」とは、探知目標が、どの航跡に対応しているかの相関処理を行う範囲である。また、「ゲート内外判定処理」は、航跡の予測位置が、探知目標のゲートの内にあるか、外にあるのかを判定する処理である。
観測領域内外判定器403は、センサ2から受信したセンサ指向方向、ビーム幅又は視野幅、及び航跡予測器401から受信した航跡予測位置を用いて、観測領域内外判定を実施する(ステップS403)。観測領域内外判定は、航跡予測位置が、センサ2のビーム覆域内にあるか否か、又はセンサ2の視野の領域内にあるか否かを判定する処理である。
尤度行列生成器404は、ゲート内外判定器402から受信したゲート内外判定結果、及び観測領域内外判定器403から受信した観測領域内外判定結果を用いて、尤度行列生成処理を実施する(ステップS404)。尤度行列生成処理では、以下の(1)式に示す尤度行列が算出される。
上記(1)式における各記号の意味は、以下の通りである。
M:探知目標数
N:航跡数
Gm,n:探知目標Zmに対応する航跡Tnの尤度
Zm:探知目標の識別子
Tn:航跡の識別子
m:1〜Mまでのうちの1つを表す任意の整数
n:1〜Nまでのうちの1つを表す任意の整数
M:探知目標数
N:航跡数
Gm,n:探知目標Zmに対応する航跡Tnの尤度
Zm:探知目標の識別子
Tn:航跡の識別子
m:1〜Mまでのうちの1つを表す任意の整数
n:1〜Nまでのうちの1つを表す任意の整数
また、上記Gm,nは、以下の(2)式で表される。
上記(2)式における各記号の意味は、以下の通りである。
PD Zm:探知目標Zmの探知確率
PD Tn:航跡Tnに対応する探知目標Zmの探知確率
PG:ゲート内捕捉率
gm,n:探知目標Zmの探知位置の情報を用いて計算される航跡Tnの尤度
PD Zm:探知目標Zmの探知確率
PD Tn:航跡Tnに対応する探知目標Zmの探知確率
PG:ゲート内捕捉率
gm,n:探知目標Zmの探知位置の情報を用いて計算される航跡Tnの尤度
ここで、上記(2)式の値が小さい場合、対応する航跡Tnが仮説に採用される可能性が高くなる。
また、航跡Tnを含む仮説の尤度である仮説尤度γhは、以下の(3)式で表される。
上記(3)式における各記号の意味は、以下の通りである。
γh:仮説尤度
H:仮説数
h:1〜Hまでのうちの1つを表す任意の整数
Gm,n:仮説尤度γhに対応する仮説に採用された航跡尤度
H:仮説数
h:1〜Hまでのうちの1つを表す任意の整数
Gm,n:仮説尤度γhに対応する仮説に採用された航跡尤度
ここで、ステップS403の観測領域内外判定処理において、航跡の予測位置がセンサ2のビーム覆域の領域外、もしくは、センサ2の視野の領域外と判定されたと仮定する。この場合、上記(2)式の第2項では、PD Tn=0となるので、(1−PD TnPG)の値は1になり、log(1−PD TnPG)の値は0になる。従って、上記(2)式において、log(PD Zm)の値に減算されるlog(1−PD TnPG)の値が0になるので、上記(2)式の値は、log(1−PD TnPG)が値を持つ場合よりも大きくなる。その結果、航跡Tnの尤度の値が大きくなるが、この航跡Tnを含む仮説尤度γhは、上記(3)式で表されるため、第2項ではPD Tn=0となる航跡の場合は(1−PD TnPG)の値は1になる。このため、すべてがPD Tn=0以外の場合と比べるとこの航跡Tnを採用する仮説の仮説尤度γhが高くなり、仮説として残る可能性が高くなる。
仮説生成器405は、尤度行列生成器404から受信した尤度行列、及び仮説DB410から取得した既存仮説情報を用いて、仮説を生成する(ステップS405)。ここで、仮説とは、航跡と探知目標との相関関係に基づいて、幾つかの航跡を選択して得られる航跡の集合体である。仮説生成処理は、既存の仮説を更新して新たな仮説を生成する処理である。航跡と探知目標との相関処理は、仮説生成処理の中で実施される。なお、仮説生成処理は、上記特許文献1にも開示されるように公知であり、ここでの更なる説明は割愛する。
準最適化器406は、仮説生成器405から受信した仮説情報及び航跡情報を用いて、準最適化処理を実施する(ステップS406)。準最適化処理は、仮説生成処理により生成された幾つかの仮説を統合する処理である。準最適化処理は、無駄な仮説の削除を目的として行われる。なお、準最適化処理は、上記特許文献1にも開示されるように公知であり、ここでの更なる説明は割愛する。
航跡確立器407は、準最適化器406から受信した第2の仮説情報及び第2の航跡情報を用いて、航跡確立処理を実施する(ステップS407)。前述の通り、第2の航跡情報は、準最適化処理によって更新された航跡情報である。航跡確立処理では、本航跡が生成される。本航跡は、第2の航跡情報に含まれる各航跡の中で、ある条件を満たした航跡である。ある条件としては、当該航跡が全ての仮説に含まれているか、本航跡である状態が連続してある一定数以上継続しているか、というような条件が例示される。全ての条件を満たした航跡は、確立状態にある航跡として、本航跡とされる。すなわち、本航跡は、確立状態にある航跡と言い替えてもよい。
本航跡には、識別のためのフラグが付される。フラグは識別子の一例である。フラグが付された本航跡は、フラグが付されていない航跡と共に、「第3の航跡情報」として、航跡DB409に登録される。なお、フラグは一例であり、本航跡と本航跡以外の航跡とを区別できるものであれば、どのような手段を用いてもよい。
また、この航跡確立処理では、第2の仮説情報が第3の仮説情報に更新される。更新された仮説情報を「第3の仮説情報」と呼ぶ。第3の仮説情報は、仮説DB410に登録される。
本航跡出力器408は、航跡DB409に登録された航跡情報を取得し、フラグが付されたものを本航跡として抽出する。抽出された本航跡は、航跡出力器412へ伝送される(ステップS408)。
仮航跡出力器411は、航跡DB409に登録された航跡情報を取得し、フラグが付されていないものを仮航跡として抽出する。抽出された仮航跡は、航跡出力器412へ伝送される(ステップS411)。
仮航跡は、本航跡以外の航跡である。従って、仮航跡は、航跡確立器407によって確立されていない未確立状態の航跡であると説明することができる。
航跡出力器412は、本航跡出力器408から受信した本航跡、及び仮航跡出力器411から受信した仮航跡をセンサ制御部5へ伝送する。
次に、実施の形態におけるセンサ制御部5の構成及び動作について説明する。図4は、実施の形態におけるセンサ制御部5の構成を示すブロック図である。センサ制御部5は、予測時刻算出器501、本航跡予測器502、仮航跡予測器503及びセンサ指向方向算出器504を備えている。
まず、各構成部間の情報の流れについて、図4を参照して説明する。各構成部間で授受される情報の詳細については、後述する動作説明の項で記述する。
予測時刻算出器501からは、予測時刻が出力される。
本航跡予測器502には、多目標追尾部4から「本航跡」が入力される。本航跡予測器502からは、「本航跡予測位置」が出力される。
仮航跡予測器503には、多目標追尾部4から「仮航跡」が入力される。仮航跡予測器503からは、「仮航跡予測位置」が出力される。
センサ指向方向算出器504には、本航跡予測器502から「本航跡予測位置」が入力され、仮航跡予測器503から「仮航跡予測位置」が入力される。センサ指向方向算出器504からは、「センサ指向方向」が出力される。
次に、図4及び図5を参照してセンサ制御部5の動作について説明する。図5は、実施の形態のセンサ制御部5における処理の流れを示すフローチャートである。なお、図5に示す「〜処理」は、図4に示す「〜器」が行う処理である。また、図4の符号の数字と、図5のステップ番号とは、同じ数値で示している。具体的に、図5の予測時刻算出処理「S501」は、図4の予測時刻算出器501が行う処理である。他の処理においても同様である。
予測時刻算出器501は、予測時刻を算出する(ステップS501)。算出された予測時刻は、本航跡予測器502及び仮航跡予測器503へ送信される。
本航跡予測器502は、多目標追尾部4から受信した本航跡、及び予測時刻算出器501から受信した予測時刻を用いて、本航跡予測処理を実施する(ステップS502)。本航跡予測処理では、本航跡予測位置が算出される。
仮航跡予測器503は、多目標追尾部4から受信した仮航跡、予測時刻算出器501から受信した予測時刻を用いて、仮航跡予測処理を実施する(ステップS503)。仮航跡予測処理では、仮航跡予測位置が算出される。
センサ指向方向算出器504は、本航跡予測器502から受信した本航跡予測位置、及び仮航跡予測器503から受信した仮航跡予測位置を用いて、センサ指向方向算出処理を実施する(ステップS504)。この算出処理では、センサ指向方向が算出される。センサ指向方向算出器504は、算出したセンサ指向方向をセンサ2に送信する。
なお、上記のセンサ制御処理において、センサ2がシングルセンサの場合、本航跡予測位置及び仮航跡予測位置をセンサ指向方向としてシーケンシャルに出力してもよい。また、センサ2がDBF(Digital Beam Forming)処理を行うレーダ装置、及びマルチセンサの場合、本航跡予測位置及び仮航跡予測位置を複数のセンサ指向方向として同時に出力してもよい。
次に、本実施の形態における多目標追尾処理の特徴を、特許文献1に代表される従来の多目標追尾処理との比較で説明する。
まず、本実施の形態における多目標追尾処理において、図3のステップS407及びステップS408に示すように、航跡確立処理の後に本航跡出力処理が実施される点は、従来の多目標追尾処理と同じである。一方、ステップS408の本航跡出力処理に加え、ステップS411の仮航跡出力処理が実施される点、及びステップS412の航跡出力処理によって、本航跡及び仮航跡がまとめてセンサ制御部5へ出力される点は、従来技術にはない、新規な技術事項である。
また、本実施の形態におけるセンサ制御処理において、図5のステップS502及びステップS504に示すように、本航跡予測処理が実施され、本航跡予測処理に基づいてセンサ指向方向算出処理が実施される点は、従来のセンサ制御処理と同じである。一方、ステップS502の本航跡予測処理に加え、ステップS503の仮航跡予測処理が実施される点、及びステップS504のセンサ指向方向算出処理が、ステップS503によって予測された仮航跡に対しても実施される点は、従来技術にはない、新規な技術事項である。
このように、本実施の形態に係る追尾処理装置1では、本航跡予測位置だけでなく、仮航跡予測位置に対しても、センサ2を指向することとなる。その結果、ステップS403の観測領域内外判定処理では、本航跡及び仮航跡の予測位置は、センサ2の観測領域内と判定される。観測領域内と判定されると、上記(2)式の第2項では、PD Tn≠0となるので、log(1−PD TnPG)は、0ではない値を持つようになる。従って、上記(2)式において、log(PD Zm)の値に減算されるlog(1−PD TnPG)が値を持つので、上記(2)式の値は、log(1−PD TnPG)が0の場合よりも小さくなる。その結果、航跡Tnの尤度の値が小さくなるが、この航跡Tnを採用する仮説の仮説尤度γhは、上記(3)式で表されるため、第2項の(1−PD TnPG)は1より小さい値となり仮説尤度γhは小さくなる。このため、この航跡Tnを採用する仮説の仮説尤度γhが低くなり、仮説として残る可能性が低くなる。
なお、航跡Tnの尤度の値は、航跡Tnを有する仮説の信頼度と等価と考えてよい。従って、航跡Tnの尤度の値が大きければ、この航跡Tnを有する仮説の信頼度は高くなる。また、航跡Tnの尤度の値が小さければ、この航跡Tnを有する仮説の信頼度は低くなる。このため、上記(2)式の第2項が値を持つ場合において、対応する航跡Tnが仮説に採用されたとしても、仮説の信頼度が低下することで、仮説生成処理の後で実施される準最適化処理により、仮説そのものが削除される可能性が高くなる。
以上説明したように、実施の形態に係る追尾処理装置1によれば、多目標追尾部4とセンサ制御部5とを設け、多目標追尾部4からセンサ制御部5へ未確立状態の航跡である仮航跡を生成して出力し、センサ制御部5が仮航跡の予測位置を算出し、算出した予測位置をセンサ指向方向としてセンサ2へ出力する。これにより、仮航跡の予測位置が観測領域内となる可能性が高くなる。仮航跡が不要な航跡の場合には、この仮航跡を採用する仮説の信頼度を低下させることができ、仮航跡の削除の可能性を従来よりも高くすることができる。これにより、真の目標からの航跡の早期確立、及び処理時間の短縮化が可能となり、多目標追尾処理における追尾性能の更なる向上が可能になる。
また、実施の形態に係る追尾処理装置1によれば、仮航跡の信頼度を低下させることを通じて、この仮航跡を含む仮説が準最適化処理において削除される可能性を高めることができる。準最適化処理では、仮説自体を削除することができる。これにより、不要な航跡を効果的に削減できるので、並列計算を行わなくても、計算負荷の低減が可能となる。
最後に、実施の形態における追尾処理装置1の機能を実現するためのハードウェア構成について、図6及び図7の図面を参照して説明する。図6は、実施の形態の追尾処理装置1におけるハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図7は、実施の形態の追尾処理装置1におけるハードウェア構成の他の例を示すブロック図である。
実施の形態における追尾処理装置1の機能を実現する場合には、図6に示すように、演算を行うプロセッサ200、プロセッサ200によって読みとられるプログラムが保存されるメモリ202、及び信号の入出力を行うインタフェース204を含む構成とすることができる。
プロセッサ200は、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、CPU(Central Processing Unit)、又はDSP(Digital Signal Processor)といった演算手段であってもよい。また、メモリ202には、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)(登録商標)といった不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD(Digital Versatile Disc)を例示することができる。
メモリ202には、追尾処理装置1の機能を実行するプログラム及びプロセッサ200によって参照されるテーブルが格納されている。プロセッサ200は、インタフェース204を介して必要な情報を授受し、メモリ202に格納されたプログラムをプロセッサ200が実行し、メモリ202に格納されたテーブルをプロセッサ200が参照することにより、上述した多目標追尾部4及びセンサ制御部5の演算処理を行うことができる。プロセッサ200による演算結果は、インタフェース204を介して外部装置3に出力し、外部装置3で表示することができる。
図6に示すプロセッサ200及びメモリ202は、図7のように処理回路203に置き換えてもよい。処理回路203は、単一回路、複合回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、又は、これらを組み合わせたものが該当する。なお、多目標追尾部4及びセンサ制御部5における一部の処理を処理回路203で実施し、処理回路203で実施しない処理をプロセッサ200及びメモリ202で実施してもよい。
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 追尾処理装置、2 センサ、3 外部装置、4 多目標追尾部、5 センサ制御部、200 プロセッサ、202 メモリ、203 処理回路、204 インタフェース、401 航跡予測器、402 ゲート内外判定器、403 観測領域内外判定器、404 尤度行列生成器、405 仮説生成器、406 準最適化器、407 航跡確立器、408 本航跡出力器、409 航跡DB、410 仮説DB、411 仮航跡出力器、412 航跡出力器、501 予測時刻算出器、502 本航跡予測器、503 仮航跡予測器、504 センサ指向方向算出器。
Claims (5)
- 目標を追尾する追尾処理装置であって、
センサから受信した探知情報及びセンサ情報を用いて前記目標の航跡情報を生成する多目標追尾部と、
前記センサ情報と、前記多目標追尾部から受信した前記航跡情報とを用いてセンサ制御情報を生成するセンサ制御部と、
を備え、
前記多目標追尾部は、確立状態にある航跡を本航跡として生成すると共に、未確立状態の航跡を仮航跡として生成し、生成した前記本航跡及び前記仮航跡を前記センサ制御部へ出力し、
前記センサ制御部は、前記本航跡の予測位置及び前記仮航跡の予測位置を算出し、算出したそれぞれの予測位置をセンサ指向方向として前記センサへ出力する
ことを特徴とする追尾処理装置。 - 前記多目標追尾部は、前記本航跡に識別子を付し、前記航跡情報から前記識別子が付されていない航跡を前記仮航跡として生成することを特徴とする請求項1に記載の追尾処理装置。
- 前記多目標追尾部は、既存の仮説を更新して新たな仮説を生成する仮説生成処理と、前記仮説生成処理によって生成された幾つかの仮説を統合する最適化処理とを行う処理部を備え、
前記最適化処理後の航跡情報を使用して前記本航跡を生成する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の追尾処理装置。 - 前記センサがシングルセンサの場合、前記本航跡の予測位置、及び前記仮航跡の予測位置を前記センサ指向方向としてシーケンシャルに出力することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の追尾処理装置。
- 前記センサがDBFレーダ装置、又はマルチセンサの場合、前記本航跡の予測位置、及び前記仮航跡の予測位置を前記センサ指向方向として同時に出力することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の追尾処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017254424A JP2019120554A (ja) | 2017-12-28 | 2017-12-28 | 追尾処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017254424A JP2019120554A (ja) | 2017-12-28 | 2017-12-28 | 追尾処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019120554A true JP2019120554A (ja) | 2019-07-22 |
Family
ID=67307177
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017254424A Pending JP2019120554A (ja) | 2017-12-28 | 2017-12-28 | 追尾処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019120554A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7463820B2 (ja) | 2020-04-14 | 2024-04-09 | 日本電気株式会社 | 目標追尾装置、目標追尾システム、目標追尾方法、及び目標追尾プログラム |
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2017
- 2017-12-28 JP JP2017254424A patent/JP2019120554A/ja active Pending
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