JP6325187B2 - 目標追跡装置及びその方法並びにプログラム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、センサから供給される観測値を用い、目標の情報を提示する目標追跡装置及びその方法並びにプログラムに関する。
センサから供給される観測値を用いて、目標の航跡を算出し、その結果を表示する目標追跡装置がある。従来の目標追跡装置の一例を図11に示す。同図は、従来の目標追跡装置の構成の一例を示すブロック図である。この目標追跡装置は、航跡維持部101、航跡生成部102、資源管理部103、操作・表示部104、及びセンサ105を具備している。
航跡維持部101は、センサ105から供給される観測値と、目標の確立航跡(Confirmed Track、以下では単に航跡と称する)との相関をとり、相関がある観測値を用いて目標の航跡を更新する。航跡維持部101は、目標の航跡と相関がない観測値を航跡生成部102に出力する。また、航跡維持部101は、目標の航跡と相関のある観測値を用いて更新した目標の航跡を操作・表示部104に出力する。
航跡生成部102は、航跡維持部101から入力される観測値、すなわち目標の航跡と相関がない観測値を、目標の航跡になる可能性がある仮航跡(Tentative Track)として扱う。航跡生成部102は、観測値と仮航跡との相関をとり、相関がない場合に観測値を新規の仮航跡として扱い、相関がある場合に仮航跡を更新する。また、航跡生成部102は、各仮航跡の尤度比をSPRT(Sequential Probability Ratio Test)法により算出する。航跡生成部102は、算出した尤度比と上限閾値Tと下限閾値Tとに基づいて仮航跡を航跡とするか、仮航跡を破棄するかを決定する。ここで、上限閾値Tは、仮航跡を目標の航跡と判定する際に用いられる値である。また、下限閾値Tは、仮航跡を誤警報の航跡と判定し、棄却する際に用いられる値である。
資源管理部103は、航跡維持部101における各目標の航跡に対する処理に要する計算資源の利用状況を取得する。資源管理部103は、取得した利用状況に基づいて、航跡維持部101における各目標の航跡の維持に最適な追跡処理の方式を選択する。資源管理部103は、選択した方式を適用するための切り替え制御を航跡維持部101に対して行う。
操作・表示部104は、航跡維持部101から入力される各目標の航跡を表示画面に表示する。
センサ105は、例えば、レーダ装置等のアクティブセンサや、赤外線カメラ又はビデオカメラ等のパッシブセンサであって、取得した受信信号に基づいて観測値を生成し、生成した観測値を航跡維持部101に出力する。
図12は、従来の目標追跡装置の航跡生成部102が行う仮航跡に対する処理の流れの具体例を示すフローチャートである。同図のフローチャートに例示するように、航跡生成部102は、航跡維持部101から観測値を入力する(ステップS101)。
航跡生成部102は、入力した観測値と各仮航跡との相関をとり(ステップS102)、観測値と仮航跡の対応関係を決定する。
航跡生成部102は、誤警報の航跡を目標の航跡と判定する第1種の誤り率と、目標の航跡を誤警報の航跡と判定する第2種の誤り率と、目標の検出確率と、誤警報の検出確率と、仮航跡をスキャンするスキャン回数と、仮航跡のスキャンにおける仮航跡更新回数とに基づいて、ステップS103からステップS108までの処理を行う。
航跡生成部102は、各仮航跡の尤度比を算出する(ステップS103)。
航跡生成部102は、以下のステップS104からステップS108までの処理を仮航跡ごとに繰り返して行う。
航跡生成部102は、ステップS103において算出した仮航跡の尤度比が下限閾値T以下であるか否かを判定する(ステップS104)。仮航跡の尤度比が下限閾値T以下である場合(ステップS104:YES)、航跡生成部102は、当該仮航跡を破棄し(ステップS108)、次の仮航跡に対する処理を行う。
一方、仮航跡の尤度比が下限閾値T以下でない場合(ステップS104:NO)、航跡生成部102は、仮航跡の尤度比が上限閾値T以上であるか否かを判定する(ステップS105)。
仮航跡の尤度比が上限閾値T以上である場合(ステップS105:YES)、航跡生成部102は、当該仮航跡を目標の航跡と判定し(ステップS106)、当該仮航跡を航跡として航跡維持部101に出力し(ステップS107)、次の仮航跡に対する処理を行う。
一方、仮航跡の尤度比が上限閾値T以上でない場合(ステップS105:NO)、航跡生成部102は、当該仮航跡を仮航跡のままとして、次の仮航跡に対する処理を行う。
航跡生成部102は、観測値が入力されるごとに、上述のように仮航跡に対する処理を行う。
特開2003−43132号公報
Samuel S.Blackman, "Multiple-Target Tracking with Radar Application", Artech House, 1986.
上記のように仮航跡を目標の航跡と判定する航跡確立方式として、SPRT法を用いた目標追跡装置や、M/N(M out of N)法を用いた目標追跡装置では、観測値と仮航跡との相関や各仮航跡の尤度比に基づいて航跡確立する航跡数が決定されるため、航跡確立する航跡数を直接制御することができない。そのため、航跡維持部101が有する計算資源に余裕があっても、航跡生成部102において仮航跡が目標の航跡と判定されるまで、航跡維持部101が有する計算資源を有効に活用することができないという課題がある。
また、目標追跡装置における動作モードとして、捜索モードにて航跡確立を行った後、捜索モードよりも追跡性能が向上するように、信号対雑音比や観測間隔を改善した追跡モードを用いて、目標の追跡を行う目標追跡装置でも、航跡確立する航跡数を直接制御することができない。そのため、目標追跡装置が有する追跡モードという資源に余裕があっても、航跡生成部102において仮航跡が目標の航跡と判定されるまで、目標追跡装置が有する資源を有効に活用することができないという課題がある。
本実施形態における目標追跡装置は、n個(nは1以上)のセンサから観測値を入力し、目標の航跡と相関のある観測値に基づいて前記航跡を更新することより、前記航跡を維持する航跡維持部と、前記航跡維持部から入力される前記観測値に基づいて、仮航跡と前記仮航跡が目標の航跡である確からしさを示す尤度比とを算出し、前記仮航跡の尤度比が判定条件を満たす場合に該仮航跡を前記目標の航跡として前記航跡維持部に登録する航跡生成部と、自装置において目標の探索に用いられるハードウェア資源のうち現在利用されていないハードウェア資源に基づいて、前記航跡生成部における前記判定条件を制御する資源管理部とを具備し、前記資源管理部は、複数のモニタ閾値ごとにカウントされるモニタ閾値以上の尤度比を有する前記仮航跡の数のうち、前記現在利用されていないハードウェア資源に基づいて定められる前記航跡の数を超えない最大の前記仮航跡の数に対応するモニタ閾値を選択し、選択した前記モニタ閾値に基づいて前記仮航跡を前記航跡として登録するか否かの判定に用いる上限閾値を定めることにより、前記航跡生成部における前記判定条件を制御する、ことを特徴とする。
また、本実施形態における目標追跡方法は、n個(nは1以上)のセンサから観測値を入力し、目標の航跡と相関のある観測値に基づいて前記航跡を更新することより、前記航跡を維持する航跡維持ステップと、前記航跡維持ステップにおいて前記目標の航跡と相関がない前記観測値に基づいて、仮航跡と前記仮航跡が目標の航跡である確からしさを示す尤度比とを算出し、前記仮航跡の尤度比が判定条件を満たす場合に該仮航跡を前記目標の航跡として登録する航跡生成ステップと、自装置において目標の探索に用いられるハードウェア資源のうち現在利用されていないハードウェア資源に基づいて、前記航跡生成ステップにおける前記判定条件を制御する資源管理ステップとを有し、前記資源管理ステップでは、複数のモニタ閾値ごとにカウントされるモニタ閾値以上の尤度比を有する前記仮航跡の数のうち、前記現在利用されていないハードウェア資源に基づいて定められる前記航跡の数を超えない最大の前記仮航跡の数に対応するモニタ閾値を選択し、選択した前記モニタ閾値に基づいて前記仮航跡を前記航跡として登録するか否かの判定に用いる上限閾値を定めることにより、前記航跡生成ステップにおける前記判定条件を制御する、ことを特徴とする。
また、本実施形態におけるプログラムは、目標追跡装置が有するコンピュータに、n個(nは1以上)のセンサから観測値を入力し、目標の航跡と相関のある観測値に基づいて前記航跡を更新することより、前記航跡を維持する航跡維持ステップと、前記航跡維持ステップにおいて前記目標の航跡と相関がない前記観測値に基づいて、仮航跡と前記仮航跡が目標の航跡である確からしさを示す尤度比とを算出し、前記仮航跡の尤度比が判定条件を満たす場合に該仮航跡を前記目標の航跡として登録する航跡生成ステップと、自装置において目標の探索に用いられるハードウェア資源のうち現在利用されていないハードウェア資源に基づいて、前記航跡生成ステップにおける前記判定条件を制御する資源管理ステップとを実行させ、前記資源管理ステップでは、複数のモニタ閾値ごとにカウントされるモニタ閾値以上の尤度比を有する前記仮航跡の数のうち、前記現在利用されていないハードウェア資源に基づいて定められる前記航跡の数を超えない最大の前記仮航跡の数に対応するモニタ閾値を選択し、選択した前記モニタ閾値に基づいて前記仮航跡を前記航跡として登録するか否かの判定に用いる上限閾値を定めることにより、前記航跡生成ステップにおける前記判定条件を制御する、ことを特徴とする。
第1の実施形態における目標追跡装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態における航跡維持部1の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態における航跡記憶部10が記憶する航跡テーブルの一例を示す図である。 第1の実施形態における航跡生成部2の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態における目標追跡装置が仮航跡に対して行う処理の流れの具体例を示すフローチャートである。 図5に示した仮航跡に対する処理におけるステップS4の内部状態を出力する処理の流れの具体例を示すフローチャートである。 第1の実施形態におけるモニタ閾値判定部29が資源管理部3に出力する内部状態の一例を示す図である。 第2の実施形態における目標追跡装置の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態における航跡維持部1aの構成を示すブロック図である。 第2の実施形態における航跡記憶部10aが記憶する航跡テーブルの一例を示す図である。 従来の目標追跡装置の構成の一例を示すブロック図である。 従来の目標追跡装置の航跡生成部102が行う仮航跡に対する処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
以下に本発明の実施形態における目標追跡装置について、図1から図10を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における目標追跡装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の目標追跡装置は、航跡維持部1、航跡生成部2、資源管理部3、操作・表示部4、及び、センサ5を具備している。目標追跡装置は、センサ5が取得する観測値に基づいて、目標の航跡を算出し、その結果を表示する。
本実施形態における目標追跡装置では、自装置が有するハードウェア資源であって目標の探索に用いるハードウェア資源の利用状況や、航跡生成部2における観測値の処理の状態を示す内部状態を資源管理部3が把握する。資源管理部3が、把握した情報に基づいて、航跡生成部2における仮航跡に対する判定条件を制御することにより、自装置が有するハードウェア資源の有効利用を図る。
航跡維持部1には、センサ5が受信した受信信号に基づいて得られた観測値が入力される。観測値は、受信信号に対して所定の信号処理を施して得られる情報であって観測された目標の位置等(例えば、距離と仰角と方位角とを含む情報や、経度と緯度と高度とを含む情報など)と観測を行った時刻である観測時刻とを含む情報である。航跡維持部1は、センサ5から供給される観測値と、各目標の確立航跡(Confirmed Track、以下では単に航跡と称する)との相関をとり、相関がある観測値を用いて目標の航跡を更新することにより航跡を維持する。航跡維持部1は、目標の航跡と相関がない観測値を航跡生成部2に出力する。また、航跡維持部1は、各目標の航跡を操作・表示部4に出力する。また、航跡維持部1は、航跡生成部2において所定の条件を満たした仮航跡を航跡として取得し、記憶、維持する。
航跡生成部2には、航跡維持部1において各目標の航跡と相関がない観測値が入力される。航跡生成部2は、航跡維持部1から入力される観測値を、目標の航跡となる可能性がある仮航跡として扱う。具体的には、航跡生成部2は、観測値と各仮航跡との相関をとり、相関がある観測値を用いて各仮航跡を更新する。このとき、航跡生成部2は、各仮航跡と相関のない観測値を新たな仮航跡として扱う。
また、航跡生成部2は、各仮航跡に対して尤度比を算出し、算出した尤度比に基づいて、仮航跡を目標の航跡であるか否かの判定をする。また、航跡生成部2は、仮航跡を誤警報の航跡であるか否かの判定し、仮航跡が誤警報の航跡と判定した場合、当該仮航跡を削除する。
センサ5は、例えば、レーダ装置等のアクティブセンサや、赤外線カメラ又はビデオカメラ等のパッシブセンサであって、取得した受信信号に基づいて観測値を生成し、生成した観測値を航跡維持部1に出力する。センサ5は、予め定められた広範囲の方向又は領域に対して目標の捜索を行う捜索モードと、捜索により得られた方向又は領域であって目標が存在すると予測される方向又は領域に対して追跡を行う追跡モードとを備えている。例えば、センサ5は、一定の周期で捜索モードによる捜索を行い、航跡維持部1において扱われている目標に対して追跡モードによる追跡を行う。
捜索モードでは、センサ5は、例えばセンサ5の位置を中心とした全方位方向から取得する受信信号に基づいて目標の捜索を行う。また、追跡モードでは、センサ5は、目標が存在すると予測される方向又は領域から取得する受信信号に対して捜索モードより優れた信号対雑音比や短い時間間隔での処理により目標の追跡を行う。また、追跡モードでは、センサ5は、捜索モードより狭く任意の方向又は領域から受信信号を取得することになる。センサ5は、定期的に捜索モードの処理を行うことにより観測値を生成するとともに、航跡維持部1において扱われている航跡に対応する方向又は領域に対して追跡モードの処理を行うことにより観測値を生成する。
また、センサ5は航跡維持部1における航跡の状態に応じて追跡モードの処理を行う頻度を決定する。
例えば、目標の移動速度が速い場合や、狭い範囲に複数の目標が存在する可能性が高い場合などには、センサ5は追跡モードの処理を行う頻度を高くする。また、センサ5がアクティブセンサである場合、センサ5は航跡に対応する方向又は領域に対して送信する送信パルスの電力を高くしたり、送信パルスのパルス幅を広くしたり、送信デューティ比(送信パルス幅と送信パルス間隔の比率)を高くしたりする。すなわち、追跡モードでは捜索モードより長い時間、高いエネルギーを用いて目標の追跡を行ようにする。
また、センサ5は、追跡モードにおいて、航跡に対応する方向又は領域から受信する受信信号において積分するパルス数を増やしたり、受信信号に対する信号処理に掛ける時間を長くしたりする。また、センサ5が複数のレーダ装置等で構成される場合、目標毎に観測するセンサを割り当てたり、目標の数等に応じて、捜索モードと追跡モードとに割り当てるレーダ装置の数を選択するようにしてもよい。
ここで、仮航跡の尤度比とは、目標の相関領域である相関ゲート内に目標が含まれる確率と、相関ゲート内に誤警報が含まれる確率との比を時間軸の相関の有無に基づいて累積した数値である。すなわち、仮航跡の尤度比とは、仮航跡の相関ゲートと、航跡維持部1から供給される観測値との相関がとれた回数に比例する数値である。したがって、尤度比が高いほど仮航跡が目標の航跡である確からしさが高く、尤度比が低いほど仮航跡が目標の航跡である確からしさは低くなる。すなわち、尤度比が低いほど仮航跡が誤警報である可能性が高い。
資源管理部3は、航跡維持部1が有している計算資源の利用状況を把握する。計算資源とは、例えば、演算時間、プロセッサ利用率、利用プロセッサ数などである。資源管理部3は、把握した利用状況に基づいて、航跡生成部2が仮航跡を航跡に確立させる際に用いられる判定条件を決定する。資源管理部3は、判定条件を含む制御データを航跡生成部2に出力することにより、航跡に確立される仮航跡の数を制御して航跡維持部1に計算資源を有効に利用させる。航跡維持部1における計算資源の利用状況は、例えば、航跡維持部1において処理中の航跡の数で示される。なお、資源管理部3は、航跡維持部1において処理中の航跡の数や資源管理部3自身が管理する各航跡に設定しているモード(捜索モードと追跡モード)等の資源に基づいて、目標追跡装置の航跡維持部1やセンサ5における資源の利用状況を把握する。センサ5における資源とは、例えば、目標に対する捜索及び追跡に割り当てる時間(観測間隔、一回当たりの観測時間、及び単位時間当たりの観測頻度など)である。また、センサ5がアクティブセンサである場合には、送信する送信パルスの幅及び電力等が資源に含まれる。
操作・表示部4は、航跡維持部1から入力される航跡を表示画面に表示する。
図2は、本実施形態における航跡維持部1の構成を示すブロック図である。同図に示すように、航跡維持部1は、航跡記憶部10、相関判定部11、フィルタリング処理部12、及び、相関ゲート生成部13を備えている。
航跡記憶部10には、目標の航跡ごとに対応する航跡情報を含む航跡テーブルが記憶されている。図3は、本実施形態における航跡記憶部10が記憶する航跡テーブルの一例を示す図である。同図に示すように、航跡テーブルは、インデックス、航跡番号、更新時刻、平滑値、予測値、仮航跡更新回数(m)、スキャン回数(k)、及び、尤度比(ST)の各項目の列を有している。航跡テーブルの各行は、各項目の値を含み目標の航跡ごとに存在する航跡情報である。
インデックスは、航跡テーブルにおいて各行(航跡情報)を管理するための通し番号である。航跡番号は、航跡を一意に識別する番号である。更新時刻は、各目標の航跡の更新に用いられた観測値の観測時刻である。平滑値は、更新時刻が示す時刻における目標の状態ベクトル(x(^):位置や速度等を含む)とその共分散行列(P(^))とを含む情報である。予測値は、時刻(tp)と、当該時刻(tp)における目標の状態ベクトル(x(〜):位置や速度等を含む)とその共分散行列(P(〜))とを含む情報である。仮航跡更新回数(m)、スキャン回数(k)、及び尤度比(ST)は、航跡生成部2において仮航跡が航跡に確立されるまでに仮航跡が更新された回数、スキャンされた回数、及び航跡に確立された際の尤度比である。なお、図3において、状態ベクトル(x(^))はx上部に「^(ハット)」が記載されて表現され、共分散行列(P(^))はP上部に「^(ハット)」が記載されて表現され、状態ベクトル(x(〜))はx上部に「〜(チルダ)」が記載されて表現され、状態ベクトル(P(〜))はPの上部に「〜(チルダ)」が記載されて表現されている。
同図に示す航跡テーブルには、航跡番号「2」で識別される航跡情報が、インデックス「2」で示される2行目に記憶されている。航跡番号「2」の航跡情報は、更新時刻「hh:mm:ss.ss」、平滑値(x(^)2,P(^)2)、予測値(tp,x(〜)2,P(〜)2)、仮航跡更新回数「m2」、スキャン回数「k2」、及び尤度比「ST2」を含んでいる。
図2に戻って、航跡維持部1の構成の説明を続ける。
相関判定部11には、観測値が入力される。相関判定部11は、入力される観測値と、航跡記憶部10に記憶されている各目標の航跡との相関をとる。具体的には、相関判定部11は、航跡記憶部10に記憶されている航跡情報を順に読み出し、読み出した航跡情報の予測値に基づいて目標の相関ゲートを設定する。相関判定部11は、読み出した航跡情報の予測値に含まれる状態ベクトル、及び共分散行列から相関ゲートを算出して設定する。
相関判定部11は、観測値により示される状態ベクトルが設定した相関ゲート内に含まれるか否かを判定する。相関判定部11は、観測値が相関ゲート内に含まれる場合、相関ゲートに対応する航跡の航跡番号と当該観測値との対応関係をフィルタリング処理部12に通知する。一方、相関判定部11は、観測値が相関ゲート内に含まれない場合、当該観測値と航跡との相関がないと判定する。相関判定部11は、航跡記憶部10に記憶されている全ての航跡と相関がない観測値を航跡生成部2に出力する。
フィルタリング処理部12には、相関判定部11から航跡番号と観測値との対応関係が通知される。フィルタリング処理部12は、通知された観測値と航跡情報との対応関係に基づいて、観測時刻における各目標の状態ベクトル、及び共分散行列を含む平滑値を算出し、航跡記憶部10に記憶されている航跡情報を更新する。また、フィルタリング処理部12は、算出した状態ベクトル、及び共分散行列を含む平滑値を相関ゲート生成部13及び操作・表示部4に出力する。
相関ゲート生成部13は、フィルタリング処理部12から入力される各目標の状態ベクトル、及び共分散行列を含む平滑値に基づいて、観測値が次に入力されるタイミング(時刻)における目標の状態ベクトル、及び共分散行列を含む予測値を算出する。例えば、相関ゲート生成部13は、センサ5のスキャンが行われる周期内において目標が移動すると予測される位置、そのときの予測される速度、予測される位置の誤差範囲を算出する。また、相関ゲート生成部13は、目標が取り得る複数の運動モデルごとに、予測される状態ベクトル、及び誤差範囲を算出する。運動モデルは、目標が加速した場合や、減速した場合、移動方向を変更(旋回)した場合、上昇した場合、降下した場合、更にはそれらの組み合わせごとに予め定められる。相関ゲート生成部13は、目標ごとに各運動モデルに対応した、算出した目標の状態ベクトル、及び共分散行列と時刻とを含む予測値で、航跡記憶部10に記憶されている航跡情報の予測値を更新する。
図4は、本実施形態における航跡生成部2の構成を示すブロック図である。同図に示すように、航跡生成部2は、仮航跡記憶部20、相関判定部21、仮航跡生成部22、フィルタリング処理部23、相関ゲート生成部24、スキャン回数更新部25、尤度比算出部26、尤度比判定部27、モニタ閾値算出部28、及び、モニタ閾値判定部29を備えている。
仮航跡記憶部20には、仮航跡ごとに対応する仮航跡情報を含む仮航跡テーブルが記憶されている。仮航跡記憶部20に記憶されている仮航跡テーブルは、図3に示した航跡テーブルと同じ構成を有している。仮航跡テーブルにおいて各行は、仮航跡ごとに存在する仮航跡情報に対応する。なお、仮航跡テーブルは、航跡番号に代えて仮航跡番号の項目の列を有する。仮航跡番号は、仮航跡を一意に識別する番号である。
相関判定部21には、航跡維持部1から観測値が入力される。この観測値は、航跡維持部1の航跡記憶部10に記憶されている全ての航跡と相関がない観測値である。相関判定部21は、入力される観測値と、仮航跡記憶部20に記憶されている仮航跡との相関をとる。具体的な処理は、相関判定部11と同様であり、相関判定部21は、仮航跡記憶部20に記憶されている仮航跡情報を順に読み出し、読み出した仮航跡情報の予測値に基づいて目標の相関ゲートを設定する。相関判定部21は、読み出した仮航跡情報の予測値に含まれる状態ベクトル、及び共分散行列から相関ゲートを算出して設定する。
相関判定部21は、観測値により示される状態ベクトルが設定した相関ゲート内に含まれるか否かを判定する。相関判定部21は、観測値が相関ゲート内に含まれる場合、相関ゲートに対応する仮航跡の仮航跡番号と当該観測値との対応関係をフィルタリング処理部23に通知する。相関判定部21は、仮航跡記憶部20に記憶されている全ての仮航跡と相関がない観測値を仮航跡生成部22に出力する。
仮航跡生成部22は、相関判定部21から入力される観測値を新たな目標の可能性がある情報として、観測値に基づいて仮航跡情報を生成する。仮航跡生成部22は、生成した仮航跡情報を仮航跡記憶部20に書き込んで記憶させる。また、仮航跡生成部22は、仮航跡更新回数とスキャン回数との初期値として「0」を設定し、尤度比に仮航跡更新回数とスキャン回数とに応じた値を設定する。
フィルタリング処理部23には、相関判定部21から仮航跡番号と観測値との対応関係が通知される。フィルタリング処理部23は、観測値と仮航跡情報との対応関係に基づいて、観測時刻における各目標の状態ベクトル、及び共分散行列を含む平滑値を算出し、仮航跡記憶部20に記憶されている仮航跡情報を更新する。また、フィルタリング処理部23は、観測値と対応がとれた仮航跡情報に含まれる仮航跡更新回数を「1」増加させる更新を行う。また、フィルタリング処理部23は、算出した状態ベクトル、及び共分散行列を含む平滑値を相関ゲート生成部24に出力する。
相関ゲート生成部24は、フィルタリング処理部23から入力される各目標の状態ベクトル、及び共分散行列を含む平滑値に基づいて、観測値が次に入力されるタイミング(時刻)における目標の状態ベクトル、及び共分散行列を算出する。例えば、相関ゲート生成部24は、センサ5のスキャンが行われる周期内において目標が移動すると予測される位置、そのときの予測される速度、予測される位置の誤差範囲を算出する。相関ゲート生成部24は、目標ごとに、算出した目標の状態ベクトル、及び共分散行列と時刻とを含む予測値で、仮航跡記憶部20に記憶されている仮航跡情報の予測値を更新する。
スキャン回数更新部25は、スキャン信号が入力される都度、仮航跡記憶部20に記憶されている各仮航跡情報に含まれるスキャン回数を「1」増加させる更新を行う。スキャン信号は、センサ5が目標からの受信信号を得るためにスキャンを行ったことを示す信号であって、センサ5から入力される信号である。なお、センサ5が一部の領域に対してスキャンを行う都度、スキャン信号を出力する場合、スキャン回数更新部25は、当該領域に位置する目標に対応する仮航跡情報のスキャン回数を更新する。
尤度比算出部26は、仮航跡ごとに、当該仮航跡に対応する仮航跡情報を仮航跡記憶部20から読み出し、読み出した仮航跡情報に含まれる仮航跡更新回数及びスキャン回数から尤度比を算出する。尤度比算出部26は、各仮航跡の仮航跡情報に含まれる尤度比を、算出した尤度比で更新する。尤度比算出部26が算出する尤度比は、仮航跡が目標の航跡である確からしさを示す値である。この尤度比は、スキャン回数をkとし、仮航跡更新回数をmとしたときに、SPRT法に基づいて下記(1)式により算出される。
Figure 0006325187
上記(1)式における係数a及び係数aは、下記(2)式及び(3)式で表される。
Figure 0006325187
Figure 0006325187
上記(2)式及び(3)式におけるPは目標の検出確率であり、Pは誤警報の検出確率である。
また、本実施形態においては、仮航跡を航跡と判定する処理としてSPRT法を用いている。このSPRT法は、スキャン回数k及び仮航跡更新回数mから求めた尤度比STにより仮航跡を航跡にするか否かの判定を行う。SPRT法は、2つの仮説のいずれかを採択するという問題に適用される。ここで、H0を帰無仮説、H1を対立仮説とする。例えば、航跡の確定にSPRT法を用いた場合、H0に目標が存在しないという仮説を割り当てる。すなわちH0を採択する場合、仮航跡は誤警報の航跡であるという判定をすることになる。一方、H1には目標が存在するという仮説を割り当てる。すなわちH1を採択する場合、仮航跡は実際の目標の航跡であるという判定をすることになる。
SPRT法では、スキャンを行う都度、尤度比STを評価し、その結果により以下の3つのうちいずれかを選択する。
1.H0を採択、仮航跡が誤警報の航跡である。
2.H1を採択、仮航跡が目標の航跡である。
3.H0及びH1のいずれも採択せず、仮航跡の判定処理を継続する。
また、上述した係数a及び係数aのほかに、仮航跡が目標の航跡か、あるいは誤警報の航跡であるかの判定を行うための下限閾値T及び上限閾値Tが定められる。この下限閾値T及び上限閾値Tは、以下の(4)式及び(5)式で表される。
Figure 0006325187
Figure 0006325187
上記(4)式及び(5)式で用いられているαは誤警報の航跡を目標の航跡と判定する第1種の誤り率を示し、βは目標の航跡を誤警報の航跡と判定する第2種の誤り率を示している。
尤度比判定部27は、仮航跡記憶部20に記憶されている仮航跡情報ごとに、仮航跡情報の尤度比STと下限閾値T及び上限閾値Tとの比較を行う。
尤度比判定部27は、仮航跡情報に含まれる尤度比STが上限閾値T以上である場合、対立仮説H1を採択してこの仮航跡情報に対応する仮航跡を目標の航跡であると判定し、航跡に確立することを決定する。このとき、尤度比判定部27は、航跡に確立する仮航跡の仮航跡情報を仮航跡記憶部20から読み出し、読み出した仮航跡情報を航跡情報として航跡記憶部10に記憶させる。また、尤度比判定部27は、航跡に確立した仮航跡の仮航跡情報を仮航跡記憶部20から削除する。
尤度比判定部27は、仮航跡情報に含まれる尤度比STが下限閾値T以下である場合、帰無仮説H0を採択してこの仮航跡情報に対応する仮航跡を誤警報の航跡と判定し、当該仮航跡情報を仮航跡記憶部20から削除する。
尤度比判定部27は、尤度比STが上限閾値T以上でなく、かつ下限閾値T以下でもない仮航跡情報に関しては、仮航跡として仮航跡記憶部20に記憶させておき、仮航跡として判定対象にしておく。
モニタ閾値算出部28は、上述の第2種の誤り率βと、第1種の誤り率α以上の値を有するモニタ閾値用の誤り率αMi(αMi≧α;i=1,2,…,I)とを用いて、下記(6)式により、モニタ閾値TMi(i=1,2,…,I)を算出する。モニタ閾値算出部28は、算出した各モニタ閾値TMiをモニタ閾値判定部29に出力する。
Figure 0006325187
上記(6)式は、上限閾値Tを算出する(5)式において、第1種の誤り率αを誤り率αMiに代えた構成となっている。したがって、モニタ閾値用の誤り率αMiを第1種の誤り率αに対して大きくするほど、実質的にモニタ閾値TMiを上限閾値Tより低い値にすることになる。
モニタ閾値判定部29は、仮航跡記憶部20に記憶されている各仮航跡の仮航跡情報を読み出し、読み出した仮航跡情報に含まれる尤度比STと、モニタ閾値算出部28が算出したモニタ閾値TMiとを比較する。モニタ閾値判定部29は、各仮航跡情報の尤度比と各モニタ閾値TMiとを比較することにより、モニタ閾値TMiを基準にして仮航跡情報の尤度比STの分布を把握する。モニタ閾値判定部29は、仮航跡情報の尤度比STの分布を示す情報を資源管理部3に出力する。
上述のように、航跡生成部2は、航跡維持部1が相関判定部11、フィルタリング処理部12、及び相関ゲート生成部13を備えるように、相関判定部21、フィルタリング処理部23、及び相関ゲート生成部24を備える。
例えば、航跡維持部1の相関ゲート生成部13では、目標が加速した場合や、減速した場合、更には、移動方向の変更を含む複数の運動モデルに基づいて複数の予測値を生成するのに対して、航跡生成部2の相関ゲート生成部24では等速運動に対応する運動モデルを用いて予測値を生成する。また、フィルタリング処理部12では相関ゲート生成部13が生成した予測値に基づいて平滑処理を行い、フィルタリング処理部23では相関ゲート生成部24が生成した予測値に基づいて平滑処理を行う。このように、航跡維持部1では目標の移動を多数の運動モデルに基づいて予測し、航跡生成部2では目標の移動を航跡維持部1より少ない運動モデルに基づいて予測している。すなわち、航跡維持部1においては、航跡生成部2よりも多い運動モデル数に基づいた追跡処理を行っているため、一つの目標に対して利用する計算資源が多くなる。
このように、航跡生成部2では、航跡維持部1に比べて、目標の航跡として確立される前の仮航跡一つあたりに割り当てる計算資源が少ない。一般的に、航跡生成部2においては、仮航跡一つあたりに割り当てる計算資源を少なくしている。一方、目標の航跡である可能性が十分に高いとして確立された航跡に対しては、その航跡を維持するために十分な計算資源を割り当て、精度よく目標の位置を把握するようにしている。
図5は、本実施形態における目標追跡装置が仮航跡に対して行う処理の流れの具体例を示すフローチャートである。このフローチャートが示す処理は、例えば、スキャン信号が入力される都度、行われる。
同図のフローチャートに例示するように、航跡生成部2において相関判定部21は航跡維持部1から観測値を入力する(ステップS1)。
相関ゲート生成部24は、仮航跡記憶部20に記憶されている仮航跡情報の予測値を観測値の観測時刻に基づいて更新する。相関判定部21は、入力した観測値と仮航跡記憶部20に記憶されている各仮航跡情報との相関をとる。相関判定部21は、各仮航跡情報と観測値との相関に基づいて、観測値と仮航跡の対応関係を決定する(ステップS2)。
尤度比算出部26は、仮航跡記憶部20に記憶されている仮航跡情報を順に読み出し、読み出した仮航跡情報の尤度比STを算出する。尤度比算出部26は、算出した尤度比STを仮航跡記憶部20に書き込み記憶させる(ステップS3)。
モニタ閾値判定部29は、各仮航跡情報の尤度比STが更新されると、モニタ閾値算出部28が算出した各モニタ閾値TMi(i=1,2,…,I)を基準にして仮航跡情報の尤度比STの分布を把握する。モニタ閾値判定部29は、尤度比STの分布を内部状態として資源管理部3に出力する(ステップS4)。
尤度比判定部27は、資源管理部3から入力される制御データに基づいて、上限閾値T及び下限閾値Tを算出する(ステップS5)。ここで、制御データは、誤り率αMiを含むデータである。尤度比判定部27は、(4)式に基づいて下限閾値Tを算出し、(5)式に基づいて上限閾値Tを算出する。
尤度比判定部27は、仮航跡記憶部20に記憶されている仮航跡情報それぞれに対して、ステップS6からステップS11までの処理を行う。
尤度比判定部27は、仮航跡記憶部20から仮航跡情報を読み出し(ステップS6)、読み出した仮航跡情報に含まれる尤度比STが下限閾値T以下であるか否かを判定する(ステップS7)。
尤度比STが下限閾値T以下である場合(ステップS7:YES)、尤度比判定部27は、読み出した仮航跡情報を仮航跡記憶部20から削除し(ステップS11)、処理をステップS6に戻して次の仮航跡に対する処理を行う。
一方、尤度比STが下限閾値T以下でない場合(ステップS7:NO)、尤度比判定部27は、読み出した仮航跡情報に含まれる尤度比STが上限閾値T以上であるか否かを判定する(ステップS8)。
尤度比STが上限閾値T以上である場合(ステップS8:YES)、尤度比判定部27は、読み出した仮航跡情報に対応する仮航跡目標の航跡と判定すること、すなわち航跡確立することを決定し(ステップS9)、当該仮航跡情報を航跡維持部1に新たな航跡情報として出力し(ステップS10)、処理をステップS6に戻して次の仮航跡に対する処理を行う。航跡維持部1に出力された航跡情報には、航跡維持部1において航跡番号が割り当てられる。仮航跡番号が航跡番号に置き換えられた新たな航跡情報は、航跡記憶部10に記憶されることにより、航跡維持部1に登録される。
一方、尤度比STが上限閾値T以上でない場合(ステップS8:NO)、尤度比判定部27は、当該仮航跡を仮航跡のままとして、処理をステップS6に戻して次の仮航跡に対する処理を行う
相関判定部21は、尤度比判定部27が各仮航跡に対しての判定処理を終えると、全ての観測値がいずれかの仮航跡と対応付けられたか否かを判定し(ステップS12)、全ての観測値がいずれかの仮航跡と対応付けられた場合(ステップS12:YES)、処理を終了する。
一方、いずれの仮航跡とも対応付けられていない観測値がある場合(ステップS12:NO)、仮航跡生成部22は、いずれの仮航跡とも対応付けられなかった観測値ごとに仮航跡情報を生成し、生成した仮航跡情報を仮航跡記憶部20に書き込み記憶させ(ステップS13)、処理を終了する。
以上の処理を行うことにより、航跡生成部2は、航跡維持部1において航跡と相関がないと判定された観測値を用いて、仮航跡に対する処理を行う。なお、航跡維持部1が目標の航跡と相関があった観測値を含む全ての観測値を航跡生成部2に出力するようにしてもよい。
図6は、図5に示した仮航跡に対する処理におけるステップS4の内部状態を出力する処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
モニタ閾値判定部29は、内部状態の出力処理を開始すると、モニタ閾値算出部28が算出したモニタ閾値TMi(i=1,2,…,I)ごとに、モニタ閾値TMiと仮航跡記憶部20に記憶されている各仮航跡情報の尤度比STとを比較し、モニタ閾値TMi以上の尤度比STを含む仮航跡情報の数をカウントする(ステップS401)。
モニタ閾値判定部29は、モニタ閾値TMiごとに当該モニタ閾値TMi以上の尤度比STを含む仮航跡情報の数(#N;i=1,2,…,I)を示す情報を内部状態として資源管理部3に出力する(ステップS402)。
図7は、本実施形態におけるモニタ閾値判定部29が資源管理部3に出力する内部状態の一例を示す図である。同図に示すように、モニタ閾値TMiごとにモニタ閾値TMi以上の尤度比STを有する仮航跡情報の数(#N;i=1,2,…,I)が仮航跡数として対応付けられている。すなわち、I個のモニタ閾値と仮航跡数と組み合わせが内部状態として資源管理部3に出力される。
ここで、資源管理部3が、モニタ閾値判定部29から入力される内部状態と、航跡維持部1における計算資源の利用状況(航跡の数)とから制御データを生成する手順について説明する。ここでは、航跡維持部1が同時に処理できる航跡の数をNmaxとし、航跡維持部1が現在処理している航跡の数をNnowとして説明する。
資源管理部3は、航跡維持部1から入力される利用状況に基づいて、航跡維持部1において利用されていない計算資源を把握する。具体的には、Nnow個の航跡を処理している航跡維持部1では、(Nmax−Nnow)個の航跡を処理できる計算資源を利用していないことになる。資源管理部3は、航跡維持部1における計算資源の利用状況として処理中の航跡(目標)の数Nnowを航跡維持部1から入力することにより、航跡維持部1において利用されていない計算資源を把握する。
資源管理部3は、航跡生成部2のモニタ閾値判定部29から入力される内部状態(尤度比STの分布)から、(Nmax−Nnow)を超えない最大の仮航跡数(#N;i=1,2,…,I)に対応するモニタ閾値TMiを選択する。すなわち、資源管理部3は、利用されていない計算資源に対応する数、又は当該数に近い数の仮航跡を航跡に確立することができるモニタ閾値TMiを選択する。
資源管理部3は、選択したモニタ閾値TMiに対応するモニタ閾値用の誤り率αMiを含む制御データを生成し、生成した制御データを尤度比判定部27に出力する。尤度比判定部27は、資源管理部3から入力される制御データに含まれる誤り率αMiを第1種の誤り率αの代わりに用いて上限閾値Tを算出し、算出した上限閾値Tを用いて航跡に確立させる仮航跡を判定する。
このように、資源管理部3は、航跡維持部1において処理されている航跡の数から航跡維持部1において利用されていない計算資源を把握する。資源管理部3が、利用されていない航跡維持部1の計算資源を有効に利用できるように、航跡生成部2の尤度比判定部27を制御することにより、目標追跡装置が有する計算資源を有効に利用することができる。更に、航跡維持部1では目標の移動を予測する際に用いられる運動モデル(選択肢)の数が航跡生成部2で用いられる運動モデルの数より多いので、精度よく目標の位置を予測することができ、目標の追跡性能を向上させることができる。
また、仮航跡を目標の航跡と判定する迄の航跡生成段階よりも、目標の航跡と判断された航跡維持段階において、目標追跡装置の時間・エネルギー資源(センサ5がアクティブセンサである場合における送信パルス幅、積分パルス数、観測間隔等の捜索又は追跡に用い得る資源。又は、センサ5がパッシブセンサである場合における積分時間、観測間隔等の捜索又は追跡に用い得る資源。)を多く配分する目標追跡装置では、航跡生成部2の尤度比判定部27を制御することにより、目標追跡装置が有する時間・エネルギー資源を有効に利用することができる。更に、航跡維持段階において時間・エネルギー資源を多く配分する目標追跡装置では、優れた信号対雑音比や短い観測間隔で目標を追跡することができ、目標の追跡性能を向上させることができる。
上述のように、本実施形態における目標追跡装置では、資源管理部3が航跡生成部2における判定条件を制御することにより、自装置が有するハードウェア資源であって目標の追跡処理を行うために用いるハードウェア資源、例えば航跡維持部1における計算資源や、センサ5における追跡に用い得る資源の稼働率を上げることができ、目標の追跡性能を向上させることができる。
なお、資源管理部3は、所定のマージン数(Nmargin)に相当する計算資源を残した上で、モニタ閾値TMiを選択するようにしてもよい。すなわち、資源管理部3は、(Nmax−Nnow−Nmargin)を超えない最大の仮航跡数(#N;i=1,2,…,I)に対応するモニタ閾値TMiを選択するようにしてもよい。
また、目標追跡装置の動作開始から時間が経過していない場合や目標の消失が発生しない場合、航跡生成部2が目標の航跡と判定した数の累積値が、航跡維持部1において処理されている航跡の数と一致するため、上限閾値Tと一致したモニタ閾値からの航跡数を累積することによって、航跡維持部1において利用されていない計算資源を把握するように構成することができる。
また、本実施形態の目標追跡装置では1つのセンサ5が航跡維持部1に接続されている構成例を説明したが、目標追跡装置が複数のセンサ5を具備し、複数のセンサ5が航跡維持部1に接続されている構成としてもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、航跡維持部1における計算資源の利用状況と航跡生成部2の内部状態とに応じて、仮航跡を目標の航跡にする際の判定条件を制御する構成について説明した。第2の実施形態における目標追跡装置では、更に、仮航跡を目標の航跡にした後に当該航跡に対して割り当てる計算資源を制御することにより、ハードウェア資源の有効利用を図る。
図8は、第2の実施形態における目標追跡装置の構成を示すブロック図である。本実施形態の目標追跡装置は、航跡維持部1a、航跡生成部2、資源管理部3a、操作・表示部4、及び、センサ5を具備している。本実施形態の目標追跡装置は、第1の実施形態における目標追跡装置と同様に、センサ5が取得する観測値に基づいて、目標の航跡を算出し、その結果を表示する。
本実施形態における目標追跡装置の構成は、第1の実施形態における目標追跡装置の構成(図1)に対して、航跡維持部1を航跡維持部1aに代え、資源管理部3を資源管理部3aに代えられている。なお、航跡生成部2と操作・表示部4とについては第1の実施形態の構成と同じであるのでその説明を省略する。
航跡維持部1aは、第1の実施形態における航跡維持部1と同様に、観測値と各目標の確立航跡(Confirmed Track、以下では単に航跡と称する)との相関をとり、各目標の航跡を更新する。また、航跡維持部1aは、各目標の航跡を操作・表示部4に出力し、各目標の航跡を操作・表示部4に表示させる。
また、航跡維持部1aは、航跡生成部2において所定の条件を満たした仮航跡を航跡として取得し、記憶、維持する。また、航跡維持部1aには当該航跡に対する計算資源の割り当てを指示する情報である割当資源量が資源管理部3aから入力される。
資源管理部3aは、第1の実施形態における資源管理部3と同様に、航跡維持部1aが有している計算資源の利用状況を把握する。資源管理部3aは、把握した利用状況に基づいて、航跡生成部2が仮航跡を航跡に確立させる際に用いられる判定条件を決定する。資源管理部3aは、判定条件を含む制御データを航跡生成部2に出力することにより、航跡に確立される仮航跡の数を制御して航跡維持部1aに計算資源を有効に利用させる。
また、資源管理部3aは、制御データを航跡生成部2に出力するとともに、当該制御データを用いて航跡に確立される仮航跡に対して割り当てられる計算資源を示す割当資源量を航跡維持部1に通知する。資源管理部3aは、航跡生成部2の内部状態(仮航跡の尤度比STの分布)に基づいて、割当資源量を決定する。
図9は、本実施形態における航跡維持部1aの構成を示すブロック図である。同図に示すように、航跡維持部1aは、航跡記憶部10a、相関判定部11、フィルタリング処理部12、及び、相関ゲート生成部13aを備えている。なお、相関判定部11と、フィルタリング処理部12とについては第1の実施形態の構成と同じであるのでその説明を省略する。
航跡記憶部10aには、目標の航跡ごとに対応する航跡情報を含む航跡テーブルが記憶されている。図10は、本実施形態における航跡記憶部10aが記憶する航跡テーブルの一例を示す図である。同図に示すように、航跡テーブルは、インデックス、航跡番号、更新時刻、平滑値、予測値、仮航跡更新回数(m)、スキャン回数(k)、尤度比(ST)、及び割当資源量の各項目の列を有している。航跡テーブルの各行は、各項目の値を含み目標の航跡ごとに存在する航跡情報である。
航跡テーブルの項目のうち、インデックス、航跡番号、更新時刻、平滑値、予測値、仮航跡更新回数(m)、スキャン回数(k)、及び、尤度比(ST)については、第1の実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
割当資源量は、相関ゲート生成部13aにおいて、観測値が次に入力されるタイミング(時刻)における目標の状態ベクトル、及び共分散行列、すなわち予測値を算出する際に用いられる運動モデル(選択肢)の数や、センサ5における資源の割当量を示す情報である。割当資源量は、例えば、目標までの距離が短い場合や、目標の移動速度が速い場合に用いられる運動モデルの数を多くした追跡処理をして、追跡の精度を向上させる。また、センサ5において追跡モードによる追跡の頻度を高くしたり、追跡時間を長くしたりして追跡の精度を向上させる。なお、運動モデルの数が多い多重運動モデルでは航跡維持部1aにおける計算量が増加し、目標の予測値を算出するために要する計算資源(CPUやメモリ)が増加することになる。
図9に戻って、航跡維持部1aの構成の説明を続ける。
相関ゲート生成部13aは、第1の実施形態の相関ゲート生成部13と同様に、フィルタリング処理部12から入力される各目標の状態ベクトル、及び共分散行列を含む平滑値に基づいて、観測値が次に入力されるタイミング(時刻)における目標の状態ベクトル、及び共分散行列を含む予測値を算出する。相関ゲート生成部13aは、目標ごとに、算出した目標の状態ベクトル、及び共分散行列と時刻とを含む予測値で、航跡記憶部10に記憶されている航跡情報の予測値を更新する。相関ゲート生成部13aは、各目標の航跡情報が含む割当資源量に応じた数の運動モデルを用いて、当該目標の予測値を算出する。すなわち、相関ゲート生成部13aは、割当資源量に応じて使用する計算資源の量、及び予測精度を変化させることになる。
本実施形態における目標追跡装置が仮航跡に対して行う処理の流れは、図5に示した第1の実施形態の目標追跡装置が仮航跡に対して行う処理の流れと同じであるので、その説明を省略する。
ここで、モニタ閾値判定部29から入力される内部状態と、航跡維持部1aにおける計算資源の利用状況とから、資源管理部3aが制御データの生成と割当資源量の決定とを行う手順について説明する。ここでは、第1の実施形態における説明と同様に、航跡維持部1aが同時に処理できる航跡の数をNmaxとし、航跡維持部1aが現在処理している航跡の数をNnowとする。また、一つの目標の予測値を算出する際に用いられる運動モデルの最大数をRmaxとして説明する。なお、航跡維持部1aは、(Nmax×Rmax)に基づいて定められる演算量を処理できる計算資源を有している。
資源管理部3aには、航跡維持部1aにおける計算資源の利用状況を示す情報として、現在処理中の航跡(目標)の数であるNnowが航跡維持部1aから入力される。資源管理部3aは、航跡維持部1aから入力される利用状況に基づいて、航跡維持部1aにおいて利用されていない計算資源を把握する。具体的には、Nnow個の航跡を処理している航跡維持部1aでは、最も多い場合でも(Nnow×Rmax)の計算資源を利用し、少なくとも((Nmax−Nnow)×Rmax)の計算資源を利用していないことになる。
資源管理部3aは、航跡生成部2のモニタ閾値判定部29から入力される内部状態(尤度比STの分布)から、(Nmax−Nnow)を超えない最大の仮航跡数(#N;i=1,2,…,I)に対応するモニタ閾値TMiを選択する。すなわち、資源管理部3aは、利用されていない計算資源に対応する数、又は当該数に近い数の仮航跡を航跡に確立することができるモニタ閾値TMiを選択する。
このとき、資源管理部3aは、選択したモニタ閾値TMiの値に応じて、仮航跡から新たに目標の航跡と判定した航跡、すなわち新たな航跡に対する割当資源量を決定する。具体的には、資源管理部3aは、新たな航跡に対する予測値を算出する際に用いられる運動モデルの数を定めることにより、航跡維持部1aにおいて利用される計算資源を決定する。
例えば、資源管理部3aは、選択したモニタ閾値TMiが予め定められた基準閾値以上の場合に割当資源量をRmaxにして、目標の航跡である可能性が高い新たな航跡に対する追跡精度を高くする。一方、資源管理部3aは、選択したモニタ閾値TMiが前述の基準閾値未満の場合に割当資源量を(Rmax/2)にして、目標の航跡でない可能性がある新たな航跡に対する追跡精度を低くする。
また、選択したモニタ閾値TMiが前述の基準閾値未満の場合に割当資源量を増やして追跡精度を高くし、誤警報の航跡であるか否かを短い期間にて判別できるようにしてもよい。
このように、資源管理部3aは、航跡維持部1aにおいて利用されていない計算資源に応じて、新た跡の数を制御する。更に、資源管理部3aは、新たな航跡に対して割り当てる計算資源を当該航跡の信頼度(尤度比ST)に応じて決定する。
資源管理部3aは、航跡維持部1aにおいて利用されていない計算資源を把握し、利用されていない航跡維持部1aの計算資源を有効に利用できるように、航跡生成部2の尤度比判定部27を制御する。これにより、目標追跡装置が有する計算資源を有効に利用することができる。更に、資源管理部3aは、航跡に確立させる仮航跡の信頼度(尤度比ST)に応じて、航跡維持部1aにおいて新たな航跡に割り当てるハードウェア資源を決定する。これにより、目標の航跡でない可能性がある新たな航跡に対して計算資源が過剰に割り当てられることを抑えることができ、計算資源を有効に利用することができる。
なお、各実施形態ではモニタ閾値TMiを(6)式で算出する説明をしたが、これに限ることなく、下記(7)式及び(8)式を用いてモニタ閾値TMiを算出するようにしてもよい。ただし、αMi≧αとする。
Figure 0006325187
上記(7)式におけるβMiは、下記(8)式で表される。
Figure 0006325187
また、上述の実施形態で用いた誤警報の検出確率Pは、単位空間(又は単位面積)当たりの誤警報数に相関ゲートのサイズ(空間又は面積)を乗じて得られる値を用いてもよい。このような場合、誤警報の検出確率Pがゲートサイズに応じて変化することに合わせて、尤度比STを算出する(1)式に代えて下記(9)式を用いて尤度比STを算出するようにしてもよい。
Figure 0006325187
また、上述の実施形態において、上限閾値Tや、下限閾値T、モニタ閾値を算出する式に自然対数(ln)を用いた例を示したが、自然対数に代えて常用対数(log10)を用いるようにしてもよい。更に、相互の関係が保たれるように式を変形したり、対数の代わりに真数を用いるようにしてもよい。
なお、上述の実施形態における目標追跡装置の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより航跡維持部、航跡生成部及び資源管理部として動作させるようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。更に「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。更に、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
なお、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記の実施形態では、目標追跡装置を1つの装置として構成した例を示したが複数の装置を通信回線等で接続して構成してもよい。また、上記の実施形態では、SPRT法に基づいて尤度比STを算出する構成例を示したが、M/N法などに基づいて尤度比STを算出するようにしてもよい。
1、1a 航跡維持部
2 航跡生成部
3、3a 資源管理部
4 操作・表示部
5 センサ
10、10a 航跡記憶部
11 相関判定部
12 フィルタリング処理部
13、13a 相関ゲート生成部
20 仮航跡記憶部
21 相関判定部
22 仮航跡生成部
23 フィルタリング処理部
24 相関ゲート生成部
25 スキャン回数更新部
26 尤度比算出部
27 尤度比判定部
28 モニタ閾値算出部
29 モニタ閾値判定部
101 航跡維持部
102 航跡生成部
103 資源管理部
104 操作・表示部
105 センサ

Claims (12)

  1. n個(nは1以上)のセンサから観測値を入力し、目標の航跡と相関のある観測値に基づいて前記航跡を更新することより、前記航跡を維持する航跡維持部と、
    前記航跡維持部から入力される前記観測値に基づいて、仮航跡と前記仮航跡が目標の航跡である確からしさを示す尤度比とを算出し、前記仮航跡の尤度比が判定条件を満たす場合に該仮航跡を前記目標の航跡として前記航跡維持部に登録する航跡生成部と、
    自装置において目標の探索に用いられるハードウェア資源のうち現在利用されていないハードウェア資源に基づいて、前記航跡生成部における前記判定条件を制御する資源管理部と
    を具備し、
    前記資源管理部は、複数のモニタ閾値ごとにカウントされるモニタ閾値以上の尤度比を有する前記仮航跡の数のうち、前記現在利用されていないハードウェア資源に基づいて定められる前記航跡の数を超えない最大の前記仮航跡の数に対応するモニタ閾値を選択し、選択した前記モニタ閾値に基づいて前記仮航跡を前記航跡として登録するか否かの判定に用いる上限閾値を定めることにより、前記航跡生成部における前記判定条件を制御する、
    ことを特徴とする目標追跡装置。
  2. 前記資源管理部は、
    前記目標の航跡にする前記仮航跡の状態に応じて、前記仮航跡を前記目標の航跡にした後に新たな前記目標の航跡に対して割り当てる前記ハードウェア資源を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の目標追跡装置。
  3. 前記ハードウェア資源は、
    前記センサにおける目標に対する探索の頻度、探索の間隔、又は探索に要する時間を含む
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の目標追跡装置。
  4. 前記ハードウェア資源は、
    前記航跡維持部において目標の航跡を更新する際に用いる計算資源を含む
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の目標追跡装置。
  5. n個(nは1以上)のセンサから観測値を入力し、目標の航跡と相関のある観測値に基づいて前記航跡を更新することより、前記航跡を維持する航跡維持ステップと、
    前記航跡維持ステップにおいて前記目標の航跡と相関がない前記観測値に基づいて、仮航跡と前記仮航跡が目標の航跡である確からしさを示す尤度比とを算出し、前記仮航跡の尤度比が判定条件を満たす場合に該仮航跡を前記目標の航跡として登録する航跡生成ステップと、
    自装置において目標の探索に用いられるハードウェア資源のうち現在利用されていないハードウェア資源に基づいて、前記航跡生成ステップにおける前記判定条件を制御する資源管理ステップと
    を有し、
    前記資源管理ステップでは、複数のモニタ閾値ごとにカウントされるモニタ閾値以上の尤度比を有する前記仮航跡の数のうち、前記現在利用されていないハードウェア資源に基づいて定められる前記航跡の数を超えない最大の前記仮航跡の数に対応するモニタ閾値を選択し、選択した前記モニタ閾値に基づいて前記仮航跡を前記航跡として登録するか否かの判定に用いる上限閾値を定めることにより、前記航跡生成ステップにおける前記判定条件を制御する、
    ことを特徴とする目標追跡方法。
  6. 前記資源管理ステップでは、
    前記目標の航跡にする前記仮航跡の状態に応じて、前記仮航跡を前記目標の航跡にした後に新たな前記目標の航跡に対して割り当てる前記ハードウェア資源を決定する
    ことを特徴とする請求項に記載の目標追跡方法。
  7. 前記ハードウェア資源は、
    前記センサにおける目標に対する探索の頻度、探索の間隔、又は探索に要する時間を含む
    ことを特徴とする請求項5又は請求項6のいずれかに記載の目標追跡方法。
  8. 前記ハードウェア資源は、
    前記航跡維持ステップにおいて目標の航跡を更新する際に用いる計算資源を含む
    ことを特徴とする請求項から請求項のいずれか一項に記載の目標追跡方法。
  9. 目標追跡装置が有するコンピュータに、
    n個(nは1以上)のセンサから観測値を入力し、目標の航跡と相関のある観測値に基づいて前記航跡を更新することより、前記航跡を維持する航跡維持ステップと、
    前記航跡維持ステップにおいて前記目標の航跡と相関がない前記観測値に基づいて、仮航跡と前記仮航跡が目標の航跡である確からしさを示す尤度比とを算出し、前記仮航跡の尤度比が判定条件を満たす場合に該仮航跡を前記目標の航跡として登録する航跡生成ステップと、
    自装置において目標の探索に用いられるハードウェア資源のうち現在利用されていないハードウェア資源に基づいて、前記航跡生成ステップにおける前記判定条件を制御する資源管理ステップと
    を実行させ
    前記資源管理ステップでは、複数のモニタ閾値ごとにカウントされるモニタ閾値以上の尤度比を有する前記仮航跡の数のうち、前記現在利用されていないハードウェア資源に基づいて定められる前記航跡の数を超えない最大の前記仮航跡の数に対応するモニタ閾値を選択し、選択した前記モニタ閾値に基づいて前記仮航跡を前記航跡として登録するか否かの判定に用いる上限閾値を定めることにより、前記航跡生成ステップにおける前記判定条件を制御する、
    ためのプログラム。
  10. 前記資源管理ステップでは、
    前記目標の航跡にする前記仮航跡の状態に応じて、前記仮航跡を前記目標の航跡にした後に新たな前記目標の航跡に対して割り当てる前記ハードウェア資源を決定する
    ことを特徴とする請求項に記載のプログラム。
  11. 前記ハードウェア資源は、
    前記センサにおける目標に対する探索の頻度、探索の間隔、又は探索に要する時間を含む
    ことを特徴とする請求項9又は請求項10のいずれかに記載のプログラム。
  12. 前記ハードウェア資源は、
    前記航跡維持ステップにおいて目標の航跡を更新する際に用いる計算資源を含む
    ことを特徴とする請求項から請求項11のいずれか一項に記載のプログラム。
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