JP2014211330A - 目標追尾装置及び目標追尾方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーダの送信波形として、FM変調とHPRFパルスドップラが混在している方式を採用する場合でも、ドップラ速度の観測値を運動諸元の推定処理に用いることができるようにする。【解決手段】FM変調型レーダ1からドップラ速度の観測値が出力された場合、その観測値が航跡候補格納部3により格納されている航跡候補と相関があるか否かを判定し、その観測値が上記航跡候補と相関があれば、その観測値を用いたフィルタ処理によって上記航跡候補を更新するとともに、そのドップラ速度の観測値を観測値蓄積部6に出力するドップラ速度フィルタ処理部5を備える。【選択図】図1
Description
この発明は、レーダより得られる観測値の時系列から目標の運動諸元を推定する目標追尾装置及び目標追尾方法に関するものである。
レーダのセンサが目標を観測し、その観測値を使用して目標を追尾する目標追尾装置は、多くの文献で取り挙げられている。
ただし、レーダのセンサから目標の観測値の他に、目標以外の反射信号に起因するクラッタの観測値が得られることがある。
目標追尾装置がクラッタの観測値を使用して目標の追尾処理を行うと、誤った運動諸元の推定値を算出してしまうので、クラッタの観測値を除去する必要がある。
クラッタの観測値を除去する方法としては、例えば、レーダの送信信号としてパルスを高頻度に空間に放射し、追尾処理の前段の信号処理における周波数解析によって、目標の観測値とクラッタの観測値を区別するパルスドップラ方式が知られている。
ただし、レーダのセンサから目標の観測値の他に、目標以外の反射信号に起因するクラッタの観測値が得られることがある。
目標追尾装置がクラッタの観測値を使用して目標の追尾処理を行うと、誤った運動諸元の推定値を算出してしまうので、クラッタの観測値を除去する必要がある。
クラッタの観測値を除去する方法としては、例えば、レーダの送信信号としてパルスを高頻度に空間に放射し、追尾処理の前段の信号処理における周波数解析によって、目標の観測値とクラッタの観測値を区別するパルスドップラ方式が知られている。
レーダの送信信号をパルス信号とする目標追尾装置では、図4に示すように、送信パルスと受信パルスの時間差から、レーダから目標までの距離を算出することができる。レーダから目標までの距離は、PRI(Pulse Repetition Interval)内距離と呼ばれる。
ただし、高頻度でパルスを送信する場合、受信パルスが、どの送信パルスに対応しているのかを特定することができず、PRI内距離を一意に特定することができないことがある。これはアンビギュイティと呼ばれ、このようなPRI内距離は、信号処理の後段にある追尾処理において、観測値として利用することができない。
ただし、高頻度でパルスを送信する場合、受信パルスが、どの送信パルスに対応しているのかを特定することができず、PRI内距離を一意に特定することができないことがある。これはアンビギュイティと呼ばれ、このようなPRI内距離は、信号処理の後段にある追尾処理において、観測値として利用することができない。
PRI内距離を一意に特定することができるようにするため、図5に示すように、1サンプリング時刻の観測時間内の送信波形を周波数一定のHPRFパルスドップラと、周波数を直線的に変化させるFM変調に2分割する方式が提案されている。
送信波形がHPRFパルスドップラであれば、レーダからドップラ周波数が得られ、送信波形がFM変調であれば、レーダからビート周波数が得られる。
このビート周波数fbkは、下記の式(1)に示すように、レーダから目標までの距離Rkと、その距離Rkの変化率Rkドット(明細書の文書中では、電子出願の関係上、文字の上に“・”の記号を付することができないため、Rkドットのように表記している)の一次結合で表されるため、ビート周波数fbkを式(1)に代入することで、レーダから目標までの距離Rkを得ることができる。
式(1)において、BはFM変調の帯域幅、cは光速、Tは観測時間、f0は送信周波数である。
送信波形がHPRFパルスドップラであれば、レーダからドップラ周波数が得られ、送信波形がFM変調であれば、レーダからビート周波数が得られる。
このビート周波数fbkは、下記の式(1)に示すように、レーダから目標までの距離Rkと、その距離Rkの変化率Rkドット(明細書の文書中では、電子出願の関係上、文字の上に“・”の記号を付することができないため、Rkドットのように表記している)の一次結合で表されるため、ビート周波数fbkを式(1)に代入することで、レーダから目標までの距離Rkを得ることができる。
式(1)において、BはFM変調の帯域幅、cは光速、Tは観測時間、f0は送信周波数である。
図5の例では、上述したように、サンプリング時刻の観測時間内の送信波形をHPRFパルスドップラとFM変調に2分割している。そのため、全観測時間の送信波形をHPRFパルスドップラとするHPRFパルスドップラ方式と比べて、1サンプリング時刻の信号強度が半減して、探知確率が低下する問題がある。
そこで、図6に示すように、全観測時間の送信波形をFM変調し、複数スキャンのビート周波数から距離及び距離変化率を算出することを考える。
このビート周波数の観測値を用いて、カルマンフィルタによって目標の距離及び距離変化率を推定する方式を採用している目標追尾装置が以下の特許文献1に開示されている。
図7は特許文献1に開示されている目標追尾装置を示す構成図である。
そこで、図6に示すように、全観測時間の送信波形をFM変調し、複数スキャンのビート周波数から距離及び距離変化率を算出することを考える。
このビート周波数の観測値を用いて、カルマンフィルタによって目標の距離及び距離変化率を推定する方式を採用している目標追尾装置が以下の特許文献1に開示されている。
図7は特許文献1に開示されている目標追尾装置を示す構成図である。
この方式では、最初に、初期2サンプリング時刻分のビート周波数fb0,fb1を用いて、以下の式(2)(3)に示す連立方程式を解くことにより、距離の初期推定値R1、距離変化率の初期推定値R1ドットを算出する。
式(2)において、Δtはサンプリング間隔である。ここでは、サンプリング間隔分の時間内での目標の距離変化率の変化が極めて小さいと仮定している。
式(2)において、Δtはサンプリング間隔である。ここでは、サンプリング間隔分の時間内での目標の距離変化率の変化が極めて小さいと仮定している。
この方式では、この初期値を出発点とし、ビート周波数fbkが得られる度に、カルマンフィルタを用いて、距離及び距離変化率の推定値Rk,Rkドットを更新する。
このカルマンフィルタの状態変数は、下記の式(4)の通りである。
初期の推定値x1(+)ハット(明細書の文書中では、電子出願の関係上、文字の上に“^”の記号を付することができないため、x1(+)ハットのように表記している)の各成分は式(2)(3)の連立方程式の解とするため、初期2サンプリング時刻のビート周波数fb0,fb1の線形結合となる。
このため、以降のカルマンフィルタに基づく処理で必要となる推定誤差共分散行列の初期値P1(+)の各成分は、ビート周波数の観測誤差標準偏差より算出することができる。
このカルマンフィルタの状態変数は、下記の式(4)の通りである。
初期の推定値x1(+)ハット(明細書の文書中では、電子出願の関係上、文字の上に“^”の記号を付することができないため、x1(+)ハットのように表記している)の各成分は式(2)(3)の連立方程式の解とするため、初期2サンプリング時刻のビート周波数fb0,fb1の線形結合となる。
このため、以降のカルマンフィルタに基づく処理で必要となる推定誤差共分散行列の初期値P1(+)の各成分は、ビート周波数の観測誤差標準偏差より算出することができる。
以下では、サンプリング時刻(k≧2)のビート周波数fbkを用いた推定値の更新処理を説明する。
最初に予測処理を行うが、カルマンフィルタでは、以下の状態遷移モデルを仮定する。
ここで、Φkは状態遷移行列であり、下記の式(6)で定義される。
また、wkは運動に加わる外乱であり、以下の共分散を持つガウス分布に従うとする。
式(7)において、Qkは事前に設定されるパラメータである。
最初に予測処理を行うが、カルマンフィルタでは、以下の状態遷移モデルを仮定する。
ここで、Φkは状態遷移行列であり、下記の式(6)で定義される。
また、wkは運動に加わる外乱であり、以下の共分散を持つガウス分布に従うとする。
式(7)において、Qkは事前に設定されるパラメータである。
このモデルに基づき、サンプリング時刻(k≧2)の予測値、予測誤差共分散行列は、下記の式(8)(9)に示すように、1つ前のサンプリング時刻k−1の平滑値xk−1(+)ハット、平滑誤差共分散行列Pk−1(+)から算出される。
予測処理の次に平滑処理を実施して、最終的な推定値を算出する。ここでは、以下の観測モデルを仮定する。
式(10)において、Hbeatは観測行列であり、下記の式(11)で定義される。
また、efbはビート周波数の観測誤差であり、その分散Rfbがパラメータとして事前に与えられる。
式(10)において、Hbeatは観測行列であり、下記の式(11)で定義される。
また、efbはビート周波数の観測誤差であり、その分散Rfbがパラメータとして事前に与えられる。
このモデルに基づき、サンプリング時刻(k≧2)の平滑値、平滑誤差共分散行列は、下記の式(13)(14)に示すように、同サンプリング時刻の予測値xk(−)ハット、予測誤差共分散行列Pk(−)及びビート周波数fbkの観測値から算出される。
ここで、Iは単位行列、Kkはカルマンゲインであり、下記の式(15)で算出される。
ここで、Iは単位行列、Kkはカルマンゲインであり、下記の式(15)で算出される。
以上より、ビート周波数fbkを入力観測値とするカルマンフィルタの処理によって、目標の距離Rkと距離変化率Rkドットを推定することができる。
しかし、レーダの送信波形として、図8に示すように、FM変調とHPRFパルスドップラが混在している方式を採用する場合、HPRFパルスドップラ適用時にはビート周波数の観測値は得られない。
FM変調とHPRFパルスドップラが混在している方式を採用する場合、ビート周波数の観測値は得られない。この方式では、観測値として目標のドップラ速度が得られ、このドップラ速度の精度が良ければ、目標の運動諸元の精度向上に大きく寄与する可能性がある。
しかし、レーダの送信波形として、図8に示すように、FM変調とHPRFパルスドップラが混在している方式を採用する場合、HPRFパルスドップラ適用時にはビート周波数の観測値は得られない。
FM変調とHPRFパルスドップラが混在している方式を採用する場合、ビート周波数の観測値は得られない。この方式では、観測値として目標のドップラ速度が得られ、このドップラ速度の精度が良ければ、目標の運動諸元の精度向上に大きく寄与する可能性がある。
従来の目標追尾装置は以上のように構成されているので、レーダの送信波形として、FM変調とHPRFパルスドップラが混在している方式を採用する場合、HPRFパルスドップラ適用時には観測値として目標のドップラ速度が得られる。しかし、カルマンフィルタのフィルタ処理で、目標の航跡候補とドップラ速度の観測値との対応付けを行うことができないため、ドップラ速度の観測値を運動諸元の推定処理に用いることができない課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、レーダの送信波形として、FM変調とHPRFパルスドップラが混在している方式を採用する場合でも、ドップラ速度の観測値を運動諸元の推定処理に用いることができるようにして、目標航跡を得るまでの時間の短縮と、運動諸元の推定精度の向上を図ることができる目標追尾装置及び目標追尾方法を得ることを目的とする。
この発明に係る目標追尾装置は、目標の航跡候補を格納する航跡候補格納手段と、FM変調型レーダからビート周波数の観測値が出力された場合、その観測値が航跡候補格納手段により格納されている航跡候補と相関があるか否かを判定し、その観測値が上記航跡候補と相関があれば、その観測値を用いたフィルタ処理によって上記航跡候補を更新するとともに、その観測値を出力するビート周波数フィルタ処理手段と、FM変調型レーダからドップラ速度の観測値が出力された場合、その観測値が航跡候補格納手段により格納されている航跡候補と相関があるか否かを判定し、その観測値が上記航跡候補と相関があれば、その観測値を用いたフィルタ処理によって上記航跡候補を更新するとともに、その観測値を出力するドップラ速度フィルタ処理手段と、ビート周波数フィルタ処理手段から出力されたビート周波数の観測値及びドップラ速度フィルタ処理手段から出力されたドップラ速度の観測値を蓄積する観測値蓄積手段と、航跡候補格納手段により格納されている航跡候補の尤度を算出し、その尤度が所定の閾値より高ければ、その航跡候補を確立航跡として出力する確立航跡出力手段とを設け、運動諸元推定手段が、観測値蓄積手段により蓄積されている観測値のうち、確立航跡出力手段から出力された確立航跡に係る観測値を用いて、目標の運動諸元を推定するようにしたものである。
この発明によれば、FM変調型レーダからビート周波数の観測値が出力された場合、その観測値が航跡候補格納手段により格納されている航跡候補と相関があるか否かを判定し、その観測値が上記航跡候補と相関があれば、その観測値を用いたフィルタ処理によって上記航跡候補を更新するとともに、その観測値を出力するビート周波数フィルタ処理手段と、FM変調型レーダからドップラ速度の観測値が出力された場合、その観測値が航跡候補格納手段により格納されている航跡候補と相関があるか否かを判定し、その観測値が上記航跡候補と相関があれば、その観測値を用いたフィルタ処理によって上記航跡候補を更新するとともに、その観測値を出力するドップラ速度フィルタ処理手段と、航跡候補格納手段により格納されている航跡候補の尤度を算出し、その尤度が所定の閾値より高ければ、その航跡候補を確立航跡として出力する確立航跡出力手段とを設け、運動諸元推定手段が、観測値蓄積手段により蓄積されている観測値のうち、確立航跡出力手段から出力された確立航跡に係る観測値を用いて、目標の運動諸元を推定するように構成したので、目標航跡を得るまでの時間の短縮と、運動諸元の推定精度の向上を図ることができる効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による目標追尾装置を示す構成図である。
図1において、FM変調型レーダ1はレーダの送信波形として、FM変調とHPRFパルスドップラが混在している方式を採用しており(図8を参照)、サンプリング時刻において、ビート周波数の観測値又はドップラ速度の観測値を得て、その観測値を出力する処理を実施する。
航跡抽出決定部2は航跡候補格納部3、ビート周波数フィルタ処理部4、ドップラ速度フィルタ処理部5及び確立航跡出力処理部7から構成されており、目標航跡(確立航跡)を決定する処理を実施する。
図1はこの発明の実施の形態1による目標追尾装置を示す構成図である。
図1において、FM変調型レーダ1はレーダの送信波形として、FM変調とHPRFパルスドップラが混在している方式を採用しており(図8を参照)、サンプリング時刻において、ビート周波数の観測値又はドップラ速度の観測値を得て、その観測値を出力する処理を実施する。
航跡抽出決定部2は航跡候補格納部3、ビート周波数フィルタ処理部4、ドップラ速度フィルタ処理部5及び確立航跡出力処理部7から構成されており、目標航跡(確立航跡)を決定する処理を実施する。
航跡候補格納部3は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置から構成されており、1以上の目標の航跡候補(仮航跡)を格納している。なお、航跡候補格納部3は航跡候補格納手段を構成している。
ビート周波数フィルタ処理部4は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、FM変調型レーダ1からビート周波数の観測値が出力された場合、その観測値が航跡候補格納部3により格納されている各々の航跡候補と相関があるか否かを判定し、その観測値が上記航跡候補と相関があれば(いずれかの仮航跡と相関がある場合)、その観測値を用いたフィルタ処理(カルマンフィルタによるフィルタ処理)によって上記航跡候補(相関がある仮航跡)を更新するとともに、そのビート周波数の観測値を観測値蓄積部6に出力する処理を実施する。なお、ビート周波数フィルタ処理部4はビート周波数フィルタ処理手段を構成している。
ビート周波数フィルタ処理部4は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、FM変調型レーダ1からビート周波数の観測値が出力された場合、その観測値が航跡候補格納部3により格納されている各々の航跡候補と相関があるか否かを判定し、その観測値が上記航跡候補と相関があれば(いずれかの仮航跡と相関がある場合)、その観測値を用いたフィルタ処理(カルマンフィルタによるフィルタ処理)によって上記航跡候補(相関がある仮航跡)を更新するとともに、そのビート周波数の観測値を観測値蓄積部6に出力する処理を実施する。なお、ビート周波数フィルタ処理部4はビート周波数フィルタ処理手段を構成している。
ドップラ速度フィルタ処理部5は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、FM変調型レーダ1からドップラ速度の観測値が出力された場合、その観測値が航跡候補格納部3により格納されている各々の航跡候補と相関があるか否かを判定し、その観測値が上記航跡候補と相関があれば(いずれかの仮航跡と相関がある場合)、その観測値を用いたフィルタ処理(カルマンフィルタによるフィルタ処理)によって上記航跡候補(相関がある仮航跡)を更新するとともに、そのドップラ速度の観測値を観測値蓄積部6に出力する処理を実施する。なお、ドップラ速度フィルタ処理部5はドップラ速度フィルタ処理手段を構成している。
観測値蓄積部6は例えばRAMやハードディスクなどの記憶装置から構成されており、ビート周波数フィルタ処理部4から出力されたビート周波数の観測値及びドップラ速度フィルタ処理部5から出力されたドップラ速度の観測値を蓄積する。なお、観測値蓄積部6は観測値蓄積手段を構成している。
確立航跡出力処理部7は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、航跡候補格納部3により格納されている各航跡候補の尤度をそれぞれ算出し、或る航跡候補の尤度が所定の閾値より高ければ、当該航跡候補を確立航跡として出力する処理を実施する。なお、確立航跡出力処理部7は確立航跡出力手段を構成している。
確立航跡出力処理部7は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、航跡候補格納部3により格納されている各航跡候補の尤度をそれぞれ算出し、或る航跡候補の尤度が所定の閾値より高ければ、当該航跡候補を確立航跡として出力する処理を実施する。なお、確立航跡出力処理部7は確立航跡出力手段を構成している。
初期値設定処理部8は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、FM変調型レーダ1の観測条件から目標の運動諸元を推定する際の状態探索の初期値を設定する処理を実施する。なお、初期値設定処理部8は初期値設定手段を構成している。
運動諸元推定処理部9は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、観測値蓄積部6により蓄積されている観測値のうち、確立航跡出力処理部7から出力された確立航跡に係る観測値を用いて、目標の運動諸元を推定する処理を実施する。
運動諸元推定処理部9は目標の運動諸元を推定する際、初期値設定処理部8により設定された初期値から運動諸元の状態探索を開始する。なお、運動諸元推定処理部9は運動諸元推定手段を構成している。
運動諸元推定処理部9は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、観測値蓄積部6により蓄積されている観測値のうち、確立航跡出力処理部7から出力された確立航跡に係る観測値を用いて、目標の運動諸元を推定する処理を実施する。
運動諸元推定処理部9は目標の運動諸元を推定する際、初期値設定処理部8により設定された初期値から運動諸元の状態探索を開始する。なお、運動諸元推定処理部9は運動諸元推定手段を構成している。
図1の例では、目標追尾装置の構成要素である航跡候補格納部3、ビート周波数フィルタ処理部4、ドップラ速度フィルタ処理部5、観測値蓄積部6、確立航跡出力処理部7、初期値設定処理部8及び運動諸元推定処理部9のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、目標追尾装置がコンピュータで構成されていてもよい。
目標追尾装置がコンピュータで構成されている場合、航跡候補格納部3及び観測値蓄積部6をコンピュータの内部メモリ又は外部メモリ上に構成するとともに、ビート周波数フィルタ処理部4、ドップラ速度フィルタ処理部5、確立航跡出力処理部7、初期値設定処理部8及び運動諸元推定処理部9の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図2はこの発明の実施の形態1による目標追尾装置の処理内容(目標追尾方法)を示すフローチャートである。
目標追尾装置がコンピュータで構成されている場合、航跡候補格納部3及び観測値蓄積部6をコンピュータの内部メモリ又は外部メモリ上に構成するとともに、ビート周波数フィルタ処理部4、ドップラ速度フィルタ処理部5、確立航跡出力処理部7、初期値設定処理部8及び運動諸元推定処理部9の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図2はこの発明の実施の形態1による目標追尾装置の処理内容(目標追尾方法)を示すフローチャートである。
次に動作について説明する。
以下、1サンプリング時刻分の観測値を用いて、目標航跡(確立航跡)を抽出する処理と、目標の運動諸元を推定する処理とを説明する。
これらの処理の詳細を説明する前に、カルマンフィルタの状態変数、状態遷移モデル及び観測モデルを説明する。
カルマンフィルタの状態変数は、下記の式(16)に示すように、ビート周波数fbkと、ビート周波数の変化率fbkドットで構成される。
以下、1サンプリング時刻分の観測値を用いて、目標航跡(確立航跡)を抽出する処理と、目標の運動諸元を推定する処理とを説明する。
これらの処理の詳細を説明する前に、カルマンフィルタの状態変数、状態遷移モデル及び観測モデルを説明する。
カルマンフィルタの状態変数は、下記の式(16)に示すように、ビート周波数fbkと、ビート周波数の変化率fbkドットで構成される。
カルマンフィルタでは、以下の状態遷移モデルを仮定する。
ここで、Φkは状態遷移行列であり、下記の式(18)で定義される。
式(17)において、Δtはサンプリング間隔である。
また、wkは運動に加わる外乱であり、以下の共分散を持つガウス分布に従うとする。
式(19)において、Qkは事前に設定されるパラメータである。
ここで、Φkは状態遷移行列であり、下記の式(18)で定義される。
式(17)において、Δtはサンプリング間隔である。
また、wkは運動に加わる外乱であり、以下の共分散を持つガウス分布に従うとする。
式(19)において、Qkは事前に設定されるパラメータである。
送信波形としてFM変調が適用されて、ビート周波数の観測値を得る場合の観測モデルは以下の通りである。
式(20)において、Hfbは観測行列であり、下記の式(21)で定義される。
また、efbはビート周波数の観測誤差であり、その分散Rfbがパラメータとして事前に与えられる。
式(20)において、Hfbは観測行列であり、下記の式(21)で定義される。
また、efbはビート周波数の観測誤差であり、その分散Rfbがパラメータとして事前に与えられる。
送信波形としてHPRFパルスドップラが適用されて、観測値としてビート周波数を得る場合の観測モデルは以下の通りである。
ただし、以降では、HPRFパルスドップラについては、2サンプリング時刻以上連続して適用されないことを前提とする。
式(23)において、HDはドップラ速度に対応する観測行列であり、下記の式(24)で定義される。
また、eDはドップラ速度の観測誤差であり、その分散RDがパラメータとして事前に与えられる。
ただし、以降では、HPRFパルスドップラについては、2サンプリング時刻以上連続して適用されないことを前提とする。
式(23)において、HDはドップラ速度に対応する観測行列であり、下記の式(24)で定義される。
また、eDはドップラ速度の観測誤差であり、その分散RDがパラメータとして事前に与えられる。
この観測モデルの根拠は下記の通りである。
追尾フィルタの予測による外挿処理によって、下記の(1)(2)に示す諸元を算出することができる。
(1)ドップラ速度の観測時刻におけるビート周波数
(2)ドップラ速度の観測時刻におけるビート周波数の変化率
追尾フィルタの予測による外挿処理によって、下記の(1)(2)に示す諸元を算出することができる。
(1)ドップラ速度の観測時刻におけるビート周波数
(2)ドップラ速度の観測時刻におけるビート周波数の変化率
これらの諸元とドップラ速度の関連について考える。
サンプリング間隔におけるドップラ速度の変化が極めて小さいと仮定すると、第kサンプリング時刻と、第(k+1)サンプリング時刻とに、FM変調が適用されるとすると、以下のビート周波数が得られる。
第kサンプリング時刻のビート周波数fbk (1)と第(k+1)サンプリング時刻のビート周波数fbk+1 (1)との差異より、下記の式(27)(28)が導かれる。
式(28)より、ドップラ速度の予測観測値は、ビート周波数の変化率(ビート周波数の傾き)と線形な関係になることが分かる。したがって、観測行列として、式(24)を適用することは妥当である。
サンプリング間隔におけるドップラ速度の変化が極めて小さいと仮定すると、第kサンプリング時刻と、第(k+1)サンプリング時刻とに、FM変調が適用されるとすると、以下のビート周波数が得られる。
第kサンプリング時刻のビート周波数fbk (1)と第(k+1)サンプリング時刻のビート周波数fbk+1 (1)との差異より、下記の式(27)(28)が導かれる。
式(28)より、ドップラ速度の予測観測値は、ビート周波数の変化率(ビート周波数の傾き)と線形な関係になることが分かる。したがって、観測行列として、式(24)を適用することは妥当である。
次に、1サンプリング時刻分の処理の詳細を説明する。
航跡抽出決定部2は、ゲート内外判定を実施することで、FM変調型レーダ1から出力された観測値が、ゲート内に入っている観測値であるか否かを判断する(ステップST1)。
FM変調型レーダ1から出力された観測値が、ビート周波数fbkの観測値であれば、航跡抽出決定部2のビート周波数フィルタ処理部4がゲート内外判定を実施し、FM変調型レーダ1から出力された観測値が、ドップラ速度Dkの観測値であれば、航跡抽出決定部2のドップラ速度フィルタ処理部5がゲート内外判定を実施する。
具体的には、以下の通りである。
航跡抽出決定部2は、ゲート内外判定を実施することで、FM変調型レーダ1から出力された観測値が、ゲート内に入っている観測値であるか否かを判断する(ステップST1)。
FM変調型レーダ1から出力された観測値が、ビート周波数fbkの観測値であれば、航跡抽出決定部2のビート周波数フィルタ処理部4がゲート内外判定を実施し、FM変調型レーダ1から出力された観測値が、ドップラ速度Dkの観測値であれば、航跡抽出決定部2のドップラ速度フィルタ処理部5がゲート内外判定を実施する。
具体的には、以下の通りである。
航跡抽出決定部2のビート周波数フィルタ処理部4は、FM変調型レーダ1からビート周波数fbkの観測値を受けると、航跡候補格納部3により格納されている1以上の航跡候補の中から、任意の1つの航跡候補を選択し、下記の式(29)に示すように、その航跡候補の予測値xk(−)ハットを算出する。
ビート周波数フィルタ処理部4は、航跡候補の予測値xk(−)ハットを算出すると、その予測値xk(−)ハットとFM変調型レーダ1から出力されたビート周波数fbkの観測値を下記の式(30)に代入して、式(30)が成立するか否かを判定する。
式(30)において、Skは残差共分散行列であり、下記の式(31)で算出される。また、dは予め設定された閾値である。
式(31)において、Pk(−)は予測誤差共分散行列であり、下記の式(32)で定義される。
ビート周波数フィルタ処理部4は、航跡候補の予測値xk(−)ハットを算出すると、その予測値xk(−)ハットとFM変調型レーダ1から出力されたビート周波数fbkの観測値を下記の式(30)に代入して、式(30)が成立するか否かを判定する。
式(30)において、Skは残差共分散行列であり、下記の式(31)で算出される。また、dは予め設定された閾値である。
式(31)において、Pk(−)は予測誤差共分散行列であり、下記の式(32)で定義される。
ビート周波数フィルタ処理部4は、式(30)が成立する場合、FM変調型レーダ1から出力されたビート周波数fbkの観測値については、その選択した航跡候補のゲート内に入っている観測値であると判断する。
ビート周波数フィルタ処理部4は、航跡候補格納部3により複数の航跡候補が格納されている場合、先に選択した航跡候補以外の航跡候補についても順次選択して、当該航跡候補の予測値xk(−)ハットを算出することで、同様に式(30)が成立するか否かを判定し、式(30)が成立すれば、FM変調型レーダ1から出力されたビート周波数fbkの観測値は、当該航跡候補のゲート内に入っている観測値であると判断する。
ビート周波数フィルタ処理部4は、航跡候補格納部3により複数の航跡候補が格納されている場合、先に選択した航跡候補以外の航跡候補についても順次選択して、当該航跡候補の予測値xk(−)ハットを算出することで、同様に式(30)が成立するか否かを判定し、式(30)が成立すれば、FM変調型レーダ1から出力されたビート周波数fbkの観測値は、当該航跡候補のゲート内に入っている観測値であると判断する。
航跡抽出決定部2のドップラ速度フィルタ処理部5は、FM変調型レーダ1からドップラ速度Dkの観測値を受けると、航跡候補格納部3により格納されている1以上の航跡候補の中から、任意の1つの航跡候補を選択し、下記の式(33)に示すように、その航跡候補の予測値xk(−)ハットを算出する。
ドップラ速度フィルタ処理部5は、航跡候補の予測値xk(−)ハットを算出すると、その予測値xk(−)ハットとFM変調型レーダ1から出力されたドップラ速度Dkの観測値を下記の式(34)に代入して、式(34)が成立するか否かを判定する。
式(34)において、Sk_Dは残差共分散行列であり、下記の式(35)で算出される。また、dDは予め設定された閾値である。
式(35)において、Pk(−)は予測誤差共分散行列であり、下記の式(36)で定義される。
ドップラ速度フィルタ処理部5は、航跡候補の予測値xk(−)ハットを算出すると、その予測値xk(−)ハットとFM変調型レーダ1から出力されたドップラ速度Dkの観測値を下記の式(34)に代入して、式(34)が成立するか否かを判定する。
式(34)において、Sk_Dは残差共分散行列であり、下記の式(35)で算出される。また、dDは予め設定された閾値である。
式(35)において、Pk(−)は予測誤差共分散行列であり、下記の式(36)で定義される。
ドップラ速度フィルタ処理部5は、式(34)が成立する場合、FM変調型レーダ1から出力されたドップラ速度Dkの観測値については、その選択した航跡候補のゲート内に入っている観測値であると判断する。
ドップラ速度フィルタ処理部5は、航跡候補格納部3により複数の航跡候補が格納されている場合、先に選択した航跡候補以外の航跡候補についても順次選択して、当該航跡候補の予測値xk(−)ハットを算出することで、同様に式(34)が成立するか否かを判定し、式(34)が成立すれば、FM変調型レーダ1から出力されたドップラ速度Dkの観測値は、当該航跡候補のゲート内に入っている観測値であると判断する。
ドップラ速度フィルタ処理部5は、航跡候補格納部3により複数の航跡候補が格納されている場合、先に選択した航跡候補以外の航跡候補についても順次選択して、当該航跡候補の予測値xk(−)ハットを算出することで、同様に式(34)が成立するか否かを判定し、式(34)が成立すれば、FM変調型レーダ1から出力されたドップラ速度Dkの観測値は、当該航跡候補のゲート内に入っている観測値であると判断する。
なお、ある航跡において、1サンプル分の観測値しか得られていない場合、第1サンプリング時刻と第2サンプリング時刻のビート周波数fbkと航跡候補の対応付けの可否は、ビート周波数フィルタ処理部4によって実行され、2つのビート周波数fbkの差異が閾値dより小さい場合に航跡候補との対応付けが可能であり、閾値dより大きい場合に航跡候補との対応付けが不可であると判断される。
この実施の形態1では、2サンプル分のビート周波数fbkが得られるまで、その間に得られたドップラ速度Dkの観測値は破棄される。
この実施の形態1では、2サンプル分のビート周波数fbkが得られるまで、その間に得られたドップラ速度Dkの観測値は破棄される。
ビート周波数フィルタ処理部4は、上記のゲート内外判定を実施すると、航跡候補毎に、ゲート内に入っているビート周波数fbkの観測値を選択し、その観測値を当該航跡候補と対応付ける処理(航跡候補相関決定処理)を実施する(ステップST2)。
あるサンプリング時刻において、ゲート内に入っているビート周波数fbkの観測値が複数存在している場合、それらの観測値の中で、式(30)の左辺が最も小さくなる観測値を当該航跡候補と対応付けるようにする。あるいは、ゲート内に入っている観測値のそれぞれを当該航跡候補と対応付けるようにして、複数の航跡候補を生成するようにしてもよい。
あるサンプリング時刻において、ゲート内に入っているビート周波数fbkの観測値が複数存在している場合、それらの観測値の中で、式(30)の左辺が最も小さくなる観測値を当該航跡候補と対応付けるようにする。あるいは、ゲート内に入っている観測値のそれぞれを当該航跡候補と対応付けるようにして、複数の航跡候補を生成するようにしてもよい。
ドップラ速度フィルタ処理部5は、上記のゲート内外判定を実施すると、航跡候補毎に、ゲート内に入っているドップラ速度Dkの観測値を選択し、その観測値を当該航跡候補と対応付ける処理(航跡候補相関決定処理)を実施する(ステップST2)。
あるサンプリング時刻において、ゲート内に入っているドップラ速度Dkの観測値が複数存在している場合、それらの観測値の中で、式(34)の左辺が最も小さくなる観測値を当該航跡候補と対応付けるようにする。あるいは、ゲート内に入っている観測値のそれぞれを当該航跡候補と対応付けるようにして、複数の航跡候補を生成するようにしてもよい。
あるサンプリング時刻において、ゲート内に入っているドップラ速度Dkの観測値が複数存在している場合、それらの観測値の中で、式(34)の左辺が最も小さくなる観測値を当該航跡候補と対応付けるようにする。あるいは、ゲート内に入っている観測値のそれぞれを当該航跡候補と対応付けるようにして、複数の航跡候補を生成するようにしてもよい。
ビート周波数フィルタ処理部4は、ビート周波数fbkの観測値を或る航跡候補と対応付けると、その観測値を用いたフィルタ処理(カルマンフィルタによるフィルタ処理)によって、その航跡候補(カルマンフィルタの状態推定値)を更新し、更新後の航跡候補を航跡候補格納部3に格納する。また、当該航跡候補と対応付けているビート周波数fbkの観測値を観測値蓄積部6に蓄積する(ステップST3)。
ドップラ速度フィルタ処理部5は、ドップラ速度Dkの観測値を或る航跡候補と対応付けると、その観測値を用いたフィルタ処理(カルマンフィルタによるフィルタ処理)によって、その航跡候補(カルマンフィルタの状態推定値)を更新し、更新後の航跡候補を航跡候補格納部3に格納する。また、当該航跡候補と対応付けているドップラ速度Dkの観測値を観測値蓄積部6に蓄積する(ステップST3)。
ドップラ速度フィルタ処理部5は、ドップラ速度Dkの観測値を或る航跡候補と対応付けると、その観測値を用いたフィルタ処理(カルマンフィルタによるフィルタ処理)によって、その航跡候補(カルマンフィルタの状態推定値)を更新し、更新後の航跡候補を航跡候補格納部3に格納する。また、当該航跡候補と対応付けているドップラ速度Dkの観測値を観測値蓄積部6に蓄積する(ステップST3)。
以下、ビート周波数フィルタ処理部4及びドップラ速度フィルタ処理部5によるカルマンフィルタの状態推定値の更新処理について説明する。
現在の処理が航跡候補にとって2番目のサンプリング時刻の処理である場合、下記の式(37)に示すように、2サンプリング時刻分のビート周波数の観測値zfb0,zfb1を用いて、状態推定値x1(+)ハットを算出する。
式(37)において、Δtサンプリング間隔である。
2つのビート周波数観測値の線形結合であるため、以降のカルマンフィルタに基づく処理で必要となる推定誤差共分散行列の初期値P1(+)の各成分は、ビート周波数の観測誤差標準偏差より算出することができる。
現在の処理が航跡候補にとって2番目のサンプリング時刻の処理である場合、下記の式(37)に示すように、2サンプリング時刻分のビート周波数の観測値zfb0,zfb1を用いて、状態推定値x1(+)ハットを算出する。
式(37)において、Δtサンプリング間隔である。
2つのビート周波数観測値の線形結合であるため、以降のカルマンフィルタに基づく処理で必要となる推定誤差共分散行列の初期値P1(+)の各成分は、ビート周波数の観測誤差標準偏差より算出することができる。
現在の処理が航跡候補にとって3番目以降のサンプリング時刻の処理である場合、FM変調型レーダ1から出力された観測値がビート周波数fbkの観測値であれば、ビート周波数フィルタ処理部4が、下記の式(38)(39)に示すように、状態推定値xk(+)ハットを算出する。
式(39)において、Iは単位行列、Kkはカルマンゲインであり、下記の式(40)で算出される。
式(39)において、Iは単位行列、Kkはカルマンゲインであり、下記の式(40)で算出される。
現在の処理が航跡候補にとって3番目以降のサンプリング時刻の処理である場合、FM変調型レーダ1から出力された観測値がドップラ速度Dkの観測値であれば、ドップラ速度フィルタ処理部5が、下記の式(41)〜(43)に示すように、状態推定値xk(+)ハットを算出する。
式(43)において、Iは単位行列、Kk_Dはカルマンゲインであり、下記の式(44)で算出される。
式(43)において、Iは単位行列、Kk_Dはカルマンゲインであり、下記の式(44)で算出される。
確立航跡出力処理部7は、ビート周波数フィルタ処理部4又はドップラ速度フィルタ処理部5が航跡候補格納部3により格納されている1以上の航跡候補を更新すると、各航跡候補の尤度γkをそれぞれ算出する(ステップST4)。
航跡候補がビート周波数fbkの観測値によって更新されている場合、下記の式(45)に示すように、航跡候補の尤度γkを算出する。
一方、航跡候補がドップラ速度Dkの観測値によって更新されている場合、下記の式(47)に示すように、航跡候補の尤度γkを算出する。
ここで、γk−1は1サンプリング時刻前の航跡候補の尤度である。
航跡候補がビート周波数fbkの観測値によって更新されている場合、下記の式(45)に示すように、航跡候補の尤度γkを算出する。
一方、航跡候補がドップラ速度Dkの観測値によって更新されている場合、下記の式(47)に示すように、航跡候補の尤度γkを算出する。
ここで、γk−1は1サンプリング時刻前の航跡候補の尤度である。
確立航跡出力処理部7は、各航跡候補の尤度γkを算出すると、各航跡候補の尤度γkと所定の閾値thを比較し、或る航跡候補の尤度γkが閾値thより高ければ、当該航跡候補を確立航跡として運動諸元推定処理部9に出力する(ステップST5)。
尤度γkが閾値thより高い航跡候補が1つもなければ、1サンプリング時刻分の処理を終了する。
尤度γkが閾値thより高い航跡候補が1つもなければ、1サンプリング時刻分の処理を終了する。
初期値設定処理部8は、事前に、FM変調型レーダ1の観測条件を示す情報を収集し、その観測条件に基づいて目標の運動諸元を推定する際の状態探索の初期値xn_1ハットを設定する(ステップST6)。
例えば、初探知時刻の目標の位置から目標までの距離R0をレーダの最大探知距離とするとともに、仰角及び方位角をビーム中心とすることで、初探知時刻の3次元の目標の位置を決める。
このときの距離変化率R0ドットについては、距離R0と、航跡候補の第1サンプリング時刻におけるビート周波数の観測値zfb0とから、下記の式(47)に示すように算出することができる。
これにより、目標速度の横行成分を0とすれば、初探知時刻の運動諸元が決まる。この初探知時刻の運動諸元から、等速直進運動を仮定して最新時刻nに外挿し、その外挿結果を探索の初期値とする。
ただし、レーダより仰角が得られない場合、上記の初期値設定が困難になる。この場合、目標高度は0と見做し、地球の丸みから算出される観測可能領域の境界から算出するようにする。
例えば、初探知時刻の目標の位置から目標までの距離R0をレーダの最大探知距離とするとともに、仰角及び方位角をビーム中心とすることで、初探知時刻の3次元の目標の位置を決める。
このときの距離変化率R0ドットについては、距離R0と、航跡候補の第1サンプリング時刻におけるビート周波数の観測値zfb0とから、下記の式(47)に示すように算出することができる。
これにより、目標速度の横行成分を0とすれば、初探知時刻の運動諸元が決まる。この初探知時刻の運動諸元から、等速直進運動を仮定して最新時刻nに外挿し、その外挿結果を探索の初期値とする。
ただし、レーダより仰角が得られない場合、上記の初期値設定が困難になる。この場合、目標高度は0と見做し、地球の丸みから算出される観測可能領域の境界から算出するようにする。
運動諸元推定処理部9は、観測値蓄積部6により蓄積されている観測値のうち、確立航跡出力処理部7から出力された確立航跡に係る観測値を用いて、下記の式(48)に示すように、現サンプリング時刻nにおける目標の運動諸元(目標の3次元空間上の位置、速度)を推定する(ステップST7)。
運動諸元推定処理部9は、目標の運動諸元を推定する際、初期値設定処理部8により設定された初期値(状態推定値の候補の初期値xn_1ハット)を探索の初期点として、運動諸元の状態探索を開始することで、推定精度の改善を図るようにする。
このステップの処理としては、前ステップで算出された目標の運動諸元の推定の初期値を出発点として、最適な状態をNewton法等の最適化法に従って探索する。
運動諸元推定処理部9は、目標の運動諸元を推定する際、初期値設定処理部8により設定された初期値(状態推定値の候補の初期値xn_1ハット)を探索の初期点として、運動諸元の状態探索を開始することで、推定精度の改善を図るようにする。
このステップの処理としては、前ステップで算出された目標の運動諸元の推定の初期値を出発点として、最適な状態をNewton法等の最適化法に従って探索する。
以下、運動諸元の推定の修正方法を、その原理と共に説明する。
目標の運動として等速直進運動を仮定すると、最新時刻nにおける目標の運動諸元が決まれば、下記の式(49)に示すように、それ以前のサンプリング時刻kの運動諸元は一意に決まる。
このとき、目標の検出において、以下のビート周波数とドップラ速度の列が抽出されたものとする。
目標の運動として等速直進運動を仮定すると、最新時刻nにおける目標の運動諸元が決まれば、下記の式(49)に示すように、それ以前のサンプリング時刻kの運動諸元は一意に決まる。
このとき、目標の検出において、以下のビート周波数とドップラ速度の列が抽出されたものとする。
最新時刻nにおける推定値から、得られるべき観測値を以下の式(52)(53)のように予測することができる。
上記の予測観測値と実際の観測値との差異が最も小さくなる推定値を、非線形最小自乗法により探索する。
ここで、最小とする関数F(fb1,・・・fbn,xnハット)は、下記の式(55)で定義する。
上記の予測観測値と実際の観測値との差異が最も小さくなる推定値を、非線形最小自乗法により探索する。
ここで、最小とする関数F(fb1,・・・fbn,xnハット)は、下記の式(55)で定義する。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、FM変調型レーダ1からビート周波数の観測値が出力された場合、その観測値が航跡候補格納部3により格納されている航跡候補と相関があるか否かを判定し、その観測値が上記航跡候補と相関があれば、その観測値を用いたフィルタ処理によって上記航跡候補を更新するとともに、そのビート周波数の観測値を観測値蓄積部6に出力するビート周波数フィルタ処理部4と、FM変調型レーダ1からドップラ速度の観測値が出力された場合、その観測値が航跡候補格納部3により格納されている航跡候補と相関があるか否かを判定し、その観測値が上記航跡候補と相関があれば、その観測値を用いたフィルタ処理によって上記航跡候補を更新するとともに、そのドップラ速度の観測値を観測値蓄積部6に出力するドップラ速度フィルタ処理部5と、航跡候補格納部3により格納されている航跡候補の尤度を算出し、その尤度が所定の閾値より高ければ、その航跡候補を確立航跡として出力する確立航跡出力処理部7とを設け、運動諸元推定処理部9が、観測値蓄積部6により蓄積されている観測値のうち、確立航跡出力処理部7から出力された確立航跡に係る観測値を用いて、目標の運動諸元を推定するように構成したので、目標航跡を得るまでの時間の短縮と、運動諸元の推定精度の向上を図ることができる効果を奏する。
即ち、この実施の形態1によれば、HPRFパルスドップラの適用によりドップラ速度の観測値が得られた場合でも、ビート周波数の予測値からドップラ速度の予測値を算出し、実際に得られたドップラ速度の観測値との照合を行うので、ドップラ速度の観測値を目標の有無の判断や運動諸元の推定に用いることができる。そのため、従来技術と比べて、目標航跡の抽出が早期となり、かつ、運動諸元の推定精度が向上する。
この実施の形態1では、追尾フィルタにおいて、ビート周波数とその変化率を推定することを前提としているが、同様の考えに基づいて、距離とその変化率を追尾フィルタで直接推定する方式にも応用することができる。
実施の形態2.
図3はこの発明の実施の形態2による目標追尾装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
観測値変換処理部10は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、第1,2サンプリング時刻において、FM変調型レーダ1からドップラ速度の観測値が出力された場合、その観測値をビート周波数の観測値に変換して、そのビート周波数の観測値をビート周波数フィルタ処理部4に出力する処理を実施する。なお、観測値変換処理部10は観測値変換手段を構成している。
図3はこの発明の実施の形態2による目標追尾装置を示す構成図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
観測値変換処理部10は例えばCPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなどから構成されており、第1,2サンプリング時刻において、FM変調型レーダ1からドップラ速度の観測値が出力された場合、その観測値をビート周波数の観測値に変換して、そのビート周波数の観測値をビート周波数フィルタ処理部4に出力する処理を実施する。なお、観測値変換処理部10は観測値変換手段を構成している。
図3の例では、目標追尾装置の構成要素である航跡候補格納部3、ビート周波数フィルタ処理部4、ドップラ速度フィルタ処理部5、観測値蓄積部6、確立航跡出力処理部7、初期値設定処理部8、運動諸元推定処理部9及び観測値変換処理部10のそれぞれが専用のハードウェアで構成されているものを想定しているが、目標追尾装置がコンピュータで構成されていてもよい。
目標追尾装置がコンピュータで構成されている場合、航跡候補格納部3及び観測値蓄積部6をコンピュータの内部メモリ又は外部メモリ上に構成するとともに、ビート周波数フィルタ処理部4、ドップラ速度フィルタ処理部5、確立航跡出力処理部7、初期値設定処理部8、運動諸元推定処理部9及び観測値変換処理部10の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
目標追尾装置がコンピュータで構成されている場合、航跡候補格納部3及び観測値蓄積部6をコンピュータの内部メモリ又は外部メモリ上に構成するとともに、ビート周波数フィルタ処理部4、ドップラ速度フィルタ処理部5、確立航跡出力処理部7、初期値設定処理部8、運動諸元推定処理部9及び観測値変換処理部10の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
以下、1サンプリング時刻分の観測値を用いて、目標航跡(確立航跡)を抽出する処理と、目標の運動諸元を推定する処理とを説明する。
カルマンフィルタの状態変数、状態遷移モデル及び観測モデルは、上記実施の形態1と同様である。
第3サンプリング時刻以降の処理は記実施の形態1と同様であるため、ここでは、第1,2サンプリング時刻での処理を説明する。
以下、1サンプリング時刻分の観測値を用いて、目標航跡(確立航跡)を抽出する処理と、目標の運動諸元を推定する処理とを説明する。
カルマンフィルタの状態変数、状態遷移モデル及び観測モデルは、上記実施の形態1と同様である。
第3サンプリング時刻以降の処理は記実施の形態1と同様であるため、ここでは、第1,2サンプリング時刻での処理を説明する。
観測値変換処理部10は、第1サンプリング時刻において、FM変調型レーダ1からドップラ速度の観測値D1が出力された場合、その観測値D1をビート周波数の観測値zfb1バー(明細書の文書中では、電子出願の関係上、文字の上に“−”の記号を付することができないため、zfb1バーのように表記している)、即ち、仮想ビート周波数の観測値zfb1バーに変換し、その仮想ビート周波数の観測値zfb1バーをビート周波数フィルタ処理部4に出力する。
具体的には、第1サンプリング時刻において、FM変調型レーダ1から出力されたドップラ速度の観測値D1と、第2サンプリング時刻において、FM変調型レーダ1から出力されたビート周波数の観測値fb2とを用いて、下記の式(56)に示すように、仮想ビート周波数の観測値zfb1バーを算出する。
具体的には、第1サンプリング時刻において、FM変調型レーダ1から出力されたドップラ速度の観測値D1と、第2サンプリング時刻において、FM変調型レーダ1から出力されたビート周波数の観測値fb2とを用いて、下記の式(56)に示すように、仮想ビート周波数の観測値zfb1バーを算出する。
仮想ビート周波数の観測値zfb1バーの算出根拠は下記の通りである。
第1,2サンプリング時刻の間で目標のドップラ速度に変化がないとすると、FM変調が適用された場合のビート周波数の真値fb1,fb2は、目標の第1サンプリング時刻における距離R1とドップラ速度D1を用いて表すことができる。
ビート周波数fb1とビート周波数fb2の差分は、下記の式(58)のようになるため、ビート周波数fb1は下記の式(59)のようになり、式(56)の妥当性が確認される。
第1,2サンプリング時刻の間で目標のドップラ速度に変化がないとすると、FM変調が適用された場合のビート周波数の真値fb1,fb2は、目標の第1サンプリング時刻における距離R1とドップラ速度D1を用いて表すことができる。
ビート周波数fb1とビート周波数fb2の差分は、下記の式(58)のようになるため、ビート周波数fb1は下記の式(59)のようになり、式(56)の妥当性が確認される。
観測値変換処理部10は、第2サンプリング時刻において、FM変調型レーダ1からドップラ速度の観測値D2が出力された場合、その観測値D2を仮想ビート周波数の観測値zfb2バーに変換し、その仮想ビート周波数の観測値zfb2バーをビート周波数フィルタ処理部4に出力する。
具体的には、第1サンプリング時刻において、FM変調型レーダ1から出力されたビート周波数の観測値fb1と、第2サンプリング時刻において、FM変調型レーダ1から出力されたドップラ速度の観測値D2とを用いて、下記の式(60)に示すように、仮想ビート周波数の観測値zfb2バーを算出する。
具体的には、第1サンプリング時刻において、FM変調型レーダ1から出力されたビート周波数の観測値fb1と、第2サンプリング時刻において、FM変調型レーダ1から出力されたドップラ速度の観測値D2とを用いて、下記の式(60)に示すように、仮想ビート周波数の観測値zfb2バーを算出する。
仮想ビート周波数の観測値zfb2バーの算出根拠は下記の通りである。
第1,2サンプリング時刻の間で目標のドップラ速度に変化がないとすると、FM変調が適用された場合のビート周波数の真値fb1,fb2は、目標の第2サンプリング時刻における距離R2とドップラ速度D2を用いて表すことができる。
ビート周波数fb1とビート周波数fb2の差分は、下記の式(62)のようになるため、ビート周波数fb2は下記の式(63)のようになり、式(60)の妥当性が確認される。
第1,2サンプリング時刻の間で目標のドップラ速度に変化がないとすると、FM変調が適用された場合のビート周波数の真値fb1,fb2は、目標の第2サンプリング時刻における距離R2とドップラ速度D2を用いて表すことができる。
ビート周波数fb1とビート周波数fb2の差分は、下記の式(62)のようになるため、ビート周波数fb2は下記の式(63)のようになり、式(60)の妥当性が確認される。
航跡抽出決定部2は、上記実施の形態1と同様に、ゲート内外判定を実施することで、FM変調型レーダ1から出力された観測値が、ゲート内に入っている観測値であるか否かを判断する。
FM変調型レーダ1から出力された観測値が、ビート周波数fbkの観測値であれば、航跡抽出決定部2のビート周波数フィルタ処理部4がゲート内外判定を実施する。また、FM変調型レーダ1から出力された観測値が、ドップラ速度Dkの観測値であっても、第1,2サンプリング時刻であるため、観測値変換処理部10から仮想ビート周波数の観測値zfb1バー,zfb2バーが出力されている場合、ビート周波数フィルタ処理部4がゲート内外判定を実施する。
FM変調型レーダ1から出力された観測値が、ドップラ速度Dkの観測値であり、第3サンプリング時刻以降であれば、航跡抽出決定部2のドップラ速度フィルタ処理部5がゲート内外判定を実施する。
FM変調型レーダ1から出力された観測値が、ビート周波数fbkの観測値であれば、航跡抽出決定部2のビート周波数フィルタ処理部4がゲート内外判定を実施する。また、FM変調型レーダ1から出力された観測値が、ドップラ速度Dkの観測値であっても、第1,2サンプリング時刻であるため、観測値変換処理部10から仮想ビート周波数の観測値zfb1バー,zfb2バーが出力されている場合、ビート周波数フィルタ処理部4がゲート内外判定を実施する。
FM変調型レーダ1から出力された観測値が、ドップラ速度Dkの観測値であり、第3サンプリング時刻以降であれば、航跡抽出決定部2のドップラ速度フィルタ処理部5がゲート内外判定を実施する。
ビート周波数フィルタ処理部4及びドップラ速度フィルタ処理部5におけるゲート内外判定自体は、上記実施の形態1と同様であるが、第1,2サンプリング時刻において、観測値変換処理部10から仮想ビート周波数の観測値zfb1バー,zfb2バーが出力された場合、ビート周波数フィルタ処理部4は、仮想ビート周波数の観測値zfb1バー,zfb2バーが、FM変調型レーダ1から出力されたビート周波数の観測値fb1,fb2としてゲート内外判定を実施する。
ビート周波数フィルタ処理部4は、上記のゲート内外判定を実施すると、上記実施の形態1と同様に、航跡候補毎に、ゲート内に入っているビート周波数fbkの観測値を選択し、その観測値を当該航跡候補と対応付ける処理(航跡候補相関決定処理)を実施する。
ビート周波数フィルタ処理部4は、ビート周波数fbkの観測値を或る航跡候補と対応付けると、上記実施の形態1と同様に、その観測値を用いたフィルタ処理(カルマンフィルタによるフィルタ処理)によって、その航跡候補(カルマンフィルタの状態推定値)を更新し、更新後の航跡候補を航跡候補格納部3に格納する。また、当該航跡候補と対応付けているビート周波数fbkの観測値を観測値蓄積部6に蓄積する。
ビート周波数フィルタ処理部4は、ビート周波数fbkの観測値を或る航跡候補と対応付けると、上記実施の形態1と同様に、その観測値を用いたフィルタ処理(カルマンフィルタによるフィルタ処理)によって、その航跡候補(カルマンフィルタの状態推定値)を更新し、更新後の航跡候補を航跡候補格納部3に格納する。また、当該航跡候補と対応付けているビート周波数fbkの観測値を観測値蓄積部6に蓄積する。
現在の処理が航跡候補にとって2番目のサンプリング時刻の処理である場合、FM変調型レーダ1から出力された観測値が、ビート周波数fbkの観測値であれば、下記の式(64)に示すように、2サンプリング時刻分のビート周波数の観測値zfb0,zfb1を用いて、状態推定値x1(+)ハットを算出する。
式(64)において、Δtサンプリング間隔である。
2つのビート周波数観測値の線形結合であるため、以降のカルマンフィルタに基づく処理で必要となる推定誤差共分散行列の初期値P1(+)の各成分は、ビート周波数の観測誤差標準偏差より算出することができる。
式(64)において、Δtサンプリング間隔である。
2つのビート周波数観測値の線形結合であるため、以降のカルマンフィルタに基づく処理で必要となる推定誤差共分散行列の初期値P1(+)の各成分は、ビート周波数の観測誤差標準偏差より算出することができる。
また、現在の処理が航跡候補にとって1番目のサンプリング時刻の処理であり、FM変調型レーダ1から出力された観測値がドップラ速度の観測値D1であるため、観測値変換処理部10から仮想ビート周波数の観測値zfb1バーが出力された場合、下記の式(65)に示すように、その仮想ビート周波数の観測値zfb1バーと、FM変調型レーダ1から出力された第2サンプリング時刻におけるビート周波数の観測値zfb2とを用いて、状態推定値x2(+)ハットを算出する。
また、現在の処理が航跡候補にとって2番目のサンプリング時刻の処理であり、FM変調型レーダ1から出力された観測値がドップラ速度の観測値D2であるため、観測値変換処理部10から仮想ビート周波数の観測値zfb2バーが出力された場合、下記の式(66)に示すように、その仮想ビート周波数の観測値zfb2バーと、FM変調型レーダ1から出力された第1サンプリング時刻におけるビート周波数の観測値zfb1とを用いて、状態推定値x2(+)ハットを算出する。
その他の処理は、上記実施の形態1と同様である。
その他の処理は、上記実施の形態1と同様である。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、第1,2サンプリング時刻において、FM変調型レーダ1からドップラ速度の観測値が出力された場合、その観測値をビート周波数の観測値に変換して、そのビート周波数の観測値をビート周波数フィルタ処理部4に出力する観測値変換処理部10を設けるように構成したので、第1,2サンプリング時刻でHPRFパルスドップラが適用されてドップラ速度の観測値が出力される場合でも、そのドップラ速度の観測値を破棄することなく、そのドップラ速度の観測値を用いて、目標の有無の判断や運動諸元の推定に用いることができる。そのため、さらに、目標航跡の抽出が早期となり、かつ、運動諸元の推定精度が向上する効果が得られる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 FM変調型レーダ、2 航跡抽出決定部、3 航跡候補格納部(航跡候補格納手段)、4 ビート周波数フィルタ処理部(ビート周波数フィルタ処理手段)、5 ドップラ速度フィルタ処理部(ドップラ速度フィルタ処理手段)、6 観測値蓄積部(観測値蓄積手段)、7 確立航跡出力処理部(確立航跡出力手段)、8 初期値設定処理部(初期値設定手段)、9 運動諸元推定処理部(運動諸元推定手段)、10 観測値変換処理部(観測値変換手段)。
Claims (4)
- 目標の航跡候補を格納する航跡候補格納手段と、
FM変調型レーダからビート周波数の観測値が出力された場合、上記観測値が上記航跡候補格納手段により格納されている航跡候補と相関があるか否かを判定し、上記観測値が上記航跡候補と相関があれば、上記観測値を用いたフィルタ処理によって上記航跡候補を更新するとともに、上記観測値を出力するビート周波数フィルタ処理手段と、
上記FM変調型レーダからドップラ速度の観測値が出力された場合、上記観測値が上記航跡候補格納手段により格納されている航跡候補と相関があるか否かを判定し、上記観測値が上記航跡候補と相関があれば、上記観測値を用いたフィルタ処理によって上記航跡候補を更新するとともに、上記観測値を出力するドップラ速度フィルタ処理手段と、
上記ビート周波数フィルタ処理手段から出力されたビート周波数の観測値及び上記ドップラ速度フィルタ処理手段から出力されたドップラ速度の観測値を蓄積する観測値蓄積手段と、
上記航跡候補格納手段により格納されている航跡候補の尤度を算出し、上記尤度が所定の閾値より高ければ、上記航跡候補を確立航跡として出力する確立航跡出力手段と、
上記観測値蓄積手段により蓄積されている観測値のうち、上記確立航跡出力手段から出力された確立航跡に係る観測値を用いて、目標の運動諸元を推定する運動諸元推定手段と
を備えた目標追尾装置。 - FM変調型レーダから出力されたドップラ速度の観測値をビート周波数の観測値に変換して、上記ビート周波数の観測値をビート周波数フィルタ処理手段に出力する観測値変換手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の目標追尾装置。
- FM変調型レーダの観測条件から目標の運動諸元を推定する際の状態探索の初期値を設定する初期値設定手段を備え、
運動諸元推定手段は、上記初期値設定手段により設定された初期値から運動諸元の状態探索を開始して、目標の運動諸元を推定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の目標追尾装置。 - ビート周波数フィルタ処理手段が、FM変調型レーダからビート周波数の観測値が出力された場合、上記観測値が航跡候補格納手段により格納されている航跡候補と相関があるか否かを判定し、上記観測値が上記航跡候補と相関があれば、上記観測値を用いたフィルタ処理によって上記航跡候補を更新するとともに、上記観測値を観測値蓄積手段に格納するビート周波数フィルタ処理ステップと、
ドップラ速度フィルタ処理手段が、上記FM変調型レーダからドップラ速度の観測値が出力された場合、上記観測値が上記航跡候補格納手段により格納されている航跡候補と相関があるか否かを判定し、上記観測値が上記航跡候補と相関があれば、上記観測値を用いたフィルタ処理によって上記航跡候補を更新するとともに、上記観測値を上記観測値蓄積手段に格納するドップラ速度フィルタ処理ステップと、
確立航跡出力手段が、上記航跡候補格納手段により格納されている航跡候補の尤度を算出し、上記尤度が所定の閾値より高ければ、上記航跡候補を確立航跡として出力する確立航跡出力ステップと、
運動諸元推定手段が、上記観測値蓄積手段により蓄積されている観測値のうち、上記確立航跡出力ステップで出力された確立航跡に係る観測値を用いて、目標の運動諸元を推定する運動諸元推定ステップと
を備えた目標追尾方法。
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JP2013086752A JP2014211330A (ja) | 2013-04-17 | 2013-04-17 | 目標追尾装置及び目標追尾方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2024021541A1 (zh) * | 2022-07-27 | 2024-02-01 | 惠州市德赛西威智能交通技术研究院有限公司 | 目标跟踪方法、装置、设备及介质 |
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2013
- 2013-04-17 JP JP2013086752A patent/JP2014211330A/ja active Pending
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