JP6398689B2 - 信号処理装置、信号処理方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、信号処理装置、信号処理方法及びプログラムに関する。
近年、様々なセンサを用いて、人間や車その他の動体の動作を検知する技術が開発されている。そのようなセンサのひとつに、非接触で対象物体の動きを計測可能な電波センサがある。例えばマイクロ波の電波センサは、対象物体にマイクロ波を照射し、反射波のドップラーシフトからセンサに対する対象物体の速度や、反射波の遅延時間や送信波との位相のずれ等から距離を計測する。
電波センサによる距離の計測方法のひとつに、対象物体との距離を測定可能なFSK(Frequency Shift Keying:周波数偏移変調)方式がある。FSK方式では、ドップラーセンサは2つの周波数が異なる電波を同時または高速に切り替えて発信し、それぞれに対応する2つのビート信号の、対象物体のセンサに対する速度に対応する周波数における位相差を求めることで、対象物体との距離を測定する。
例えば、下記特許文献1では、IQ検波及びFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)処理をすることにより、FSK方式を用いた測距を行う技術が開示されている。
特開2009−192359号公報
FSK方式では、2つのビート信号の位相差をいかに精度よく求めるかが、距離の測定精度に影響を及ぼす。しかしながら、上記特許文献1に開示された技術では、対象物体の速度の変化や観測信号にノイズがある環境で、距離を精度よく求めることが困難な場合があり、向上の余地が残っていた。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、FSK方式を用いた距離の測定精度を向上させることが可能な、新規かつ改良された信号処理装置、信号処理方法及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行う変換部と、前記変換部による前記フーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算する測定部と、前記対象物体の速度変化に応じて前記ウィンドウサイズごとの重みを設定する設定部と、前記測定部により計算された複数の前記測定値を前記設定部により設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算する推定部と、を備え、前記設定部は、前記ウィンドウサイズごとの前記距離の予測値と前記測定値との誤差を前記速度変化として用いて、前記重みを設定する、信号処理装置が提供される。
前記予測値は、過去の前記測定値の時間変化に基づいて計算されてもよい。
前記予測値は、過去の前記推定値に基づいて計算されてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行う変換部と、前記変換部による前記フーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算する測定部と、前記ウィンドウサイズごとの重みを設定する設定部と、前記測定部により計算された複数の前記測定値を前記設定部により設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算する推定部と、を備え、前記設定部は、前記測定値の計算のために用いられる位相差が得られた周波数における振幅スペクトルの値に応じて、前記ウィンドウサイズ及び前記周波数ごとに前記重みを設定する、信号処理装置が提供される。
前記変換部は、前記振幅スペクトルの値が閾値以上である前記周波数を対象として前記フーリエ変換を行ってもよい。
前記変換部は、前記ウィンドウサイズの長さより短い周期をもつ前記周波数を対象として前記フーリエ変換を行ってもよい。
前記推定部は、前記重みの大きさに応じて複数の前記測定値から選択した一の前記測定値を前記推定値としてもよい。
前記推定部は、前記重みの大きさに応じて複数の前記測定値を加重平均することで前記推定値を計算してもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行う変換部と、前記変換部による前記フーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算する測定部と、前記ウィンドウサイズごとの重みを設定する設定部と、前記測定部により計算された複数の前記測定値を前記設定部により設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算する推定部と、を備え、前記推定部は、パーティクルフィルタを用いて前記推定値を計算し、前記パーティクルフィルタにおいて、前記ウィンドウサイズをパーティクルの値とし、振幅スペクトルの値が最も大きい周波数において得られた位相差を用いて計算された前記測定値と当該周波数における前記距離の予測値との誤差から尤度を計算する、信号処理装置が提供される。
前記対象物体は人であってもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行うことと、前記フーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算することと、前記対象物体の速度変化に応じて前記ウィンドウサイズごとの重みを設定することと、計算された複数の前記測定値を設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算することと、を含み、前記設定することは、前記ウィンドウサイズごとの前記距離の予測値と前記測定値との誤差を前記速度変化として用いて、前記重みを設定することを含む、信号処理方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行うことと、前記フーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算することと、前記ウィンドウサイズごとの重みを設定することと、計算された複数の前記測定値を設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算することと、を含み、前記設定することは、記測定値の計算のために用いられる位相差が得られた周波数における振幅スペクトルの値に応じて、前記ウィンドウサイズ及び前記周波数ごとに前記重みを設定することを含む、信号処理方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行うことと、前記フーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算することと、前記ウィンドウサイズごとの重みを設定することと、計算された複数の前記測定値を設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算することと、を含み、前記計算することは、パーティクルフィルタを用いて前記推定値を計算し、前記パーティクルフィルタにおいて、前記ウィンドウサイズをパーティクルの値とし、振幅スペクトルの値が最も大きい周波数において得られた位相差を用いて計算された前記測定値と当該周波数における前記距離の予測値との誤差から尤度を計算することを含む、信号処理方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行う変換部と、前記変換部によるフーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算する測定部と、前記対象物体の速度変化に応じて前記ウィンドウサイズごとの重みを設定する設定部と、前記測定部により計算された複数の前記測定値を前記設定部により設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算する推定部と、として機能させ、前記設定部は、前記ウィンドウサイズごとの前記距離の予測値と前記測定値との誤差を前記速度変化として用いて、前記重みを設定する、プログラムが提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行う変換部と、前記変換部によるフーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算する測定部と、前記ウィンドウサイズごとの重みを設定する設定部と、前記測定部により計算された複数の前記測定値を前記設定部により設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算する推定部と、
として機能させ、前記設定部は、前記測定値の計算のために用いられる位相差が得られた周波数における振幅スペクトルの値に応じて、前記ウィンドウサイズ及び前記周波数ごとに前記重みを設定する、プログラムが提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行う変換部と、前記変換部によるフーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算する測定部と、前記ウィンドウサイズごとの重みを設定する設定部と、前記測定部により計算された複数の前記測定値を前記設定部により設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算する推定部と、として機能させ、前記推定部は、パーティクルフィルタを用いて前記推定値を計算し、前記パーティクルフィルタにおいて、前記ウィンドウサイズをパーティクルの値とし、振幅スペクトルの値が最も大きい周波数において得られた位相差を用いて計算された前記測定値と当該周波数における前記距離の予測値との誤差から尤度を計算する、プログラムが提供される。
以上説明したように本発明によれば、FSK方式を用いた距離の測定精度を向上させることが可能である。
本実施形態に係る信号処理システムの論理的な構成の一例を示すブロック図である。 対象物体が等速直線運動を行った場合の位相と時間との関係を説明するための図である。 対象物体が速度変化する運動を行った場合の位相と時間との関係を説明するための図である。 対象物体の距離の時間変化を説明するための図である。 本実施形態に係る測定部により計算される距離の測定値の時間変化について説明するための説明図である。 本実施形態に係る信号処理システムにおいて実行される距離推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.はじめに>
まず、図1〜図3を参照して、本実施形態に係る信号処理装置の概要を説明する。
図1は、本実施形態に係る信号処理システム1の論理的な構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、信号処理システム1は、信号処理装置100及びセンサ部200を含む。
センサ部200は、送信波を送信して動体により反射された反射波を観測するセンサである。センサ部200は、電波、超音波、音波、マイクロ波、ミリ波、又は光等の送信波を送信して、検知対象空間内に位置する対象物体により反射された反射波を観測する。センサ部200は、送信波と反射波とにより得られるビート信号を、センシング情報として出力する。一般的に、動体の速度に比例して反射波の周波数が変化することが知られており、この変化した周波数差がビート信号の周波数となる。センシングの対象となる対象物体としては、例えば人、車などの多様な動体が考えられる。また、対象物体は、物体の一部分であってもよい。例えば、センサ部200は、人の手足、鼓動(臓器)等の人体の一部分を、センシング対象の対象物体とすることが可能である。
本実施形態では、センサ部200は、周波数が異なる複数の送信波を対象物体へ送信し、複数の送信波に対応する複数のビート信号を出力する。例えば、センサ部200は、送信周波数f及びfの2種類の電波を発信する。そして、センサ部200は、それぞれに対応するビート信号s及びsを信号処理装置100へ出力する。なお、センサ部200は複数設けられてもよい。
信号処理装置100は、センサ部200から出力されたビート信号に基づいて、FSK方式で対象物体まで距離を測定する機能を有する。信号処理装置100の詳しい機能構成については後に詳しく説明する。以下では、センサ部200から対象物体までの距離を、単に対象物体の距離とも称する。
ここで、FSK方式では、一般には検知対象は動体であるので、対象物体の距離は時間と共に変化する。それに伴い、観測される2つの送信周波数に対応するドップラー信号の位相差も変化する。しかしながら、フーリエ変換では一般的に、フーリエ変換を行うデータの長さ(ウィンドウサイズ)の範囲で、ある周波数の位相は変化しないと仮定されている。
仮に、フーリエ変換のウィンドウサイズの期間内において、ある周波数に関し複数の位相成分が含まれる場合、それぞれの継続時間や振幅に依存して平均的な位相を示す。そのため、位相がウィンドウサイズの期間内に一定の割合で変化する場合は位相を正確に求めることができるが、非定常的に変化する場合はウィンドウサイズの期間内での位相の変化を正確に求めることが困難である。
図2は、対象物体が等速直線運動を行った場合の、2つの送信周波数に対応するドップラー信号の位相差と時間との関係を説明するための図である。ここでは、図2の符号10に示すように、対象物体がセンサに対して等速直線運動を行った場合を想定する。そして、観測信号の速度及び振幅が、フーリエ変換のウィンドウサイズの期間内で一定であると仮定する。この場合、対象物体の距離は線形に増加するため,図2の符号20で示すように、位相差も線形に増加する。
位相差は線形に増加するが、信号処理装置がフーリエ変換を行い、2つの送信周波数に対応するドップラー信号の位相をそれぞれ求め,その位相差を求めると、結果としてウィンドウサイズの時間を2等分した中間点21の時刻における位相差が求まる。信号処理装置は、中間点21の時刻に対応する位相差及び同様にして求めた過去の位相差の情報を利用して、位相差の時間変化を線形近似して時間と速度の関係を線形近似することで、距離を推定することが可能である。詳しくは、信号処理装置は、線形近似により予測される位相の時間変化23を求める。図2の符号20に示すように、等速直線運動の場合、この予測される位相の時間変化23が、実際の位相の時間変化22と精度よく一致する。このため、信号処理装置は、2つのビート信号の位相差を精度よく求めることが可能となり、距離を精度よく測定することができる。
図3は、対象物体が速度変化する運動を行った場合の位相差と時間との関係を説明するための図である。ここでは、図3の符号30に示すように、対象物体がセンサに対して等加速直線運動を行った場合を想定する。この場合、図3の符号40に示すように、信号処理装置がフーリエ変換を行い中間点41の時刻における位相差を計算して、線形近似により予測される位相の時間変化43を求めても、予測される位相差の時間変化43は実際の位相差の時間変化42と相違する。
移動物体の移動速度が変化したり、絶対速度の大きさが一定であっても移動する向きが変わったりする場合、時間と距離との関係は単調に線形に変化しない。その場合、信号処理装置は、予測する位相差の変化が実際の位相差の変化と異なってしまい、距離を正しく推定することが困難な場合があった。また、周波数スペクトルがピークとなる周波数に対応する速度を物体の速度とする場合、速度が変化した場合にその変化した速度で移動する時間が短ければ、変化した速度に対応する周波数の周波数スペクトルをピークとして検出することが困難であった。一般的に、速度は時間変化するため、速度変化に追随して距離を求めることが望ましい。
フーリエ変化のウィンドウサイズが短い場合、上述した速度の変化に起因する距離測定の誤差は低減される一方、ノイズによる信号の歪みの影響を受けやすく、データ長が短いために周波数分解能が低くなるという問題が生じる。このように、フーリエ変換のウィンドウサイズの長短には、それぞれ一長一短があり、トレードオフの関係がある。
そこで、上記事情を一着眼点にして本発明の一実施形態に係る信号処理装置100を創作するに至った。本実施形態に係る信号処理装置100は、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行い、各ウィンドウサイズにおいて測定した距離を重み付けして統合することで、対象物体の距離を推定する。本実施形態に係る信号処理装置100は、異なる長さのウィンドウサイズを複数用いることで、上述したウィンドウサイズの長短による一長一短を補うことができる。例えば、速度が小さい(ドップラー周波数が低い)場合又は速度の変化が小さい場合、信号処理装置100は、低周波の位相も検知できノイズに対しても耐性のある大きなウィンドウサイズを用いて、位相を精度よく推定することが可能である。また、速度の変化が大きい場合は、信号処理装置100は、速度の変化への追随性が高い小さなウィンドウサイズを用いて、位相を精度よく推定することが可能である。このように、信号処理装置100は、位相を精度よく推定可能となるため、位相差を精度よく推定可能となり、結果的に距離の推定精度が向上する。
<2.構成例>
ここでは、再度図1を参照して、本実施形態に係る信号処理装置100の構成例を説明する。図1に示したように、信号処理装置100は、A/Dコンバータ110、前処理部120、変換部130、測定部140、設定部150及び推定部160を含む。
(1)A/Dコンバータ110
A/Dコンバータ110は、入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する機能を有する。本実施形態に係るA/Dコンバータ110は、センサ部200から出力されたアナログのビート信号s及びsをデジタル信号に変換して、前処理部120へ出力する。
(2)前処理部120
前処理部120は、各種前処理を行う機能を有する。本実施形態に係る前処理部120は、A/Dコンバータ110から出力されたデジタルのビート信号s及びsを対象として、例えば周波数フィルタリング、窓関数との演算処理等の前処理を行う。
(3)変換部130
変換部130は、センサ部200から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行う機能を有する。具体的には、変換部130は、前処理部120による前処理後のビート信号s及びsの各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行う。そして、変換部130は、フーリエ変換の結果から、ウィンドウサイズごとにビート信号s及びsの周波数スペクトルを計算し、ビート信号s及びsの位相差を計算する。変換部130は、ウィンドウサイズごとの計算結果を測定部140へ出力する。
前提として、対象物体は単体であり、対象物体の最小速度vmin及び最大速度vmaxは既知であるものとする。vmin及びvmaxに対応するドップラー周波数をそれぞれfmin及びfmaxとすると、実際に検出されるドップラー周波数fはfmin≦f≦fmaxの範囲となる。fmaxの周波数成分の位相を検知するためには、サンプリング周波数をナイキスト周波数2fmax以上にすることが望ましい。また、fminの周波数成分の位相を検知するためには、1周期時間長1/fmin以上の時間長をフーリエ変換処理することが望ましい。
そこで、本実施形態に係る信号処理装置100は、変換部130によるフーリエ変換に用いられるウィンドウサイズとして、1/fminより長いものから距離の変化を線形近似するために十分な長さのものまで、N個用意する。速度が遅い、つまりドップラー周波数が低い周波数の場合、その長い周期の一周期分の信号が短いウィンドウサイズに収まりきらない場合がある。この点、長いウィンドウサイズの場合は一周期分が収まりきって、低い周波数であっても検知可能となり得る。
変換部130が、サンプリング周波数fでサンプリングされたデータについて、時刻nにおいてウィンドウサイズwでフーリエ変換する場合を想定する。時刻n−w+1から時刻tまでの過去のN個のデータがフーリエ変換の対象となった場合、周波数が0Hzからf/2Hzまでの、w/2個の位相、振幅スペクトル及び位相スペクトルが観測される。なお、振幅スペクトルはフーリエ変換結果の絶対値として、位相スペクトルはフーリエ変換結果の実部と虚部とで構成されるベクトルのなす角として、それぞれ表される。
(4)測定部140
測定部140は、変換部130によるフーリエ変換の結果に基づいて対象物体とセンサ部200との距離の測定値をウィンドウサイズごとに計算する機能を有する。測定値とは、FSK方式を用いて測定部140により測定される対象物体の距離を指す。測定部140は、変換部130によりウィンドウサイズごとに計算されたビート信号s及びsの位相差を用いて、ウィンドウサイズごとに対象物体の距離を測定する。つまり、変換部130及び測定部140は、FSK方式を用いた対象物体の距離測定処理を、複数のウィンドウサイズごとに複数通り行う。
以下、FSK方式を用いた対象物体の距離測定処理を説明する。まず、送信周波数fの送信信号s1,t(t)は、次式で表現される。
Figure 0006398689
なお、φは、初期位相である。また、tは時刻である。
時刻tにおける対象物体の距離をL(t)とおくと、センサ部200により受信される受信信号は、送信信号に対して距離L(t)の往復遅延分の位相の遅れが生じる。このため、受信信号s1,r(t)は、次式で表現される。
Figure 0006398689
なお、cは電波伝搬速度である。
センサ部200は、ミキサを用いて送信信号及び受信信号の混合信号を生成し、さらに低周波数の成分を抽出することで、次式で表現されるビート信号を抽出する。
Figure 0006398689
上記数式3を参照すると、ビート信号B(t)は、距離L(t)の変動によって位相が変化する。上記説明した処理を、送信周波数fに関しても同様に適用すると、ビート信号B(t)は次式で表現される。
Figure 0006398689
距離L(t)は、対象物体の初期位置をLとし、対象物体の速度をv(t)とすると、次式で表現される。
Figure 0006398689
ビート信号B(t)及びB(t)の位相をそれぞれθ(t)及びθ(t)とおくと、それぞれの周波数fd1(t)及びfd2(t)はドップラー周波数となる。ドップラー周波数fd1(t)及びfd2(t)は、それぞれ次式で表現される。
Figure 0006398689
Figure 0006398689
また、ビート信号B(t)及びB(t)の位相差をφ(t)とすると、位相差φ(t)は次式で表現される。
Figure 0006398689
送信周波数fとfの周波数差は、f及びfの絶対値と比較して十分小さいため、次式示すように近似可能である。
Figure 0006398689
このため、変換部130は、ビート信号B(t)及びB(t)の各々をフーリエ変換処理して、対象物体の速度に対応するドップラー周波数であると考えらえる周波数における位相差φ(t)を求める。測定部140は、位相差φ(t)を用いることで、対象物体の距離の測定値を次式で計算することが可能となる。
Figure 0006398689
例えば、対象物体の初期位置をLとし、対象物体が速度vの等速直線運動を行う場合、距離L(t)は次式で表現される。
Figure 0006398689
この数式11を、上記数式3及び数式4に代入すると、送信周波数f及びfに対応するビート信号B(t)及びB(t)は次式で表現される。
Figure 0006398689
Figure 0006398689
ここで、fd1及びfd2はドップラー周波数であり、それぞれ次式で表現される。
Figure 0006398689
以上から、位相差φ(t)は次式で表現される。
Figure 0006398689
2つの信号の位相差から距離を一意に判別するためには、位相差が0からπまでの範囲であることが望ましい。時刻tのときの位相差がπであるとすると、時刻tにおける距離は測定可能な最大の距離Lmaxとなる。時刻t及び距離Lmaxは、上記数式15においてφ(t)=πとして、上記数式11より、それぞれ次式で表現される。
Figure 0006398689
Figure 0006398689
上記数式17を参照すると、FSK方式においては、測定可能な距離の最大値は、2つの送信周波数の差の大きさに依存する。
以上、FSK方式を用いた対象物体の距離測定処理について説明した。上記説明したように、測定部140は、変換部130により計算された位相差φ(t)を用いて上記数式10により距離L(t)を測定する。詳しくは、測定部140は、各ウィンドウサイズにおいて、対象物体の速度に対応するドップラー周波数であると考えらえる周波数の各々についての位相差φ(t)を用いて、それぞれ対象物体の距離を測定する。測定部140は、測定結果をそれぞれ設定部150へ出力する。
なお、周波数に関しては、変換部130は、フーリエ変換の計算対象を限定することで、距離の測定にかかる計算量を削減してもよい。
例えば、対象物体の速度の範囲が予め限定される場合は、観測される周波数領域も限定される。その場合、変換部130は、その限定された周波数領域を対象としてフーリエ変換を行ってもよい。また、ある振幅スペクトルの値が一定期間ある閾値以下である周波数領域は無視できると考えられる。その場合、変換部130は、振幅スペクトルの値が閾値以上である周波数を対象としてフーリエ変換を行ってもよい。これらの場合、変換部130は、フーリエ変換を行う周波数領域を限定することができ、計算量を削減することができる。
他にも、一般的に、ウィンドウサイズが、ある周波数の正弦波1周期未満の長さになる場合、精度よく振幅スペクトルや位相スペクトルを計算することは困難である。そこで、変換部130は、各ウィンドウサイズにおいて、ウィンドウサイズの長さより短い周期をもつ周波数を対象としてフーリエ変換を行ってもよい。その場合、変換部130は、フーリエ変換を行う周波数領域を限定することができ、計算量を削減することができる。また、変換部130は、ウィンドウサイズが大きいほど低い周波数領域を計算対象とし、ウィンドウサイズが小さいほど高い周波数領域を計算対象としてもよい。
(5)設定部150
設定部150は、ウィンドウサイズごとの重みを設定する機能を有する。設定部150により設定された重みは、推定部160による距離推定に用いられる。設定部150が、位相を精度よく抽出可能なウィンドウサイズに大きい値の重みを設定することができれば、距離の推定精度が向上する。
例えば、設定部150は、対象物体の速度変化に応じて重みを設定してもよい。以下に説明するように、対象物体の速度に応じて、位相を精度よく抽出可能なウィンドウサイズは変わるためである。例えば、短いウィンドウサイズには、低周波数成分が捕捉できない、速度の変化の追随性が高い、ノイズ信号に影響されやすい、周波数分解能が低い、1回あたりの計算量が少ない、といった特徴がある。長いウィンドウサイズには、低周波数成分が捕捉できる、速度の変化の追随性が低い、ノイズ信号に影響されにくい、1回あたりの計算量が多い、といった特徴がある。このように、信号の周波数、対象物体の速度変化に応じて、位相を精度よく抽出可能なフーリエ変換のウィンドウサイズは変わる。そこで、設定部150は、対象物体の速度変化に応じて重みを設定することで、距離の推定精度を向上させることができる。
例えば、設定部150は、ウィンドウサイズごとの対象物体の距離の予測値と測定値との誤差を速度変化として用いて、重みを設定してもよい。予測値とは、測定部140により将来測定されると予想される、対象物体の距離を指す。例えば、設定部150は、1時刻後の対象物体の距離を予測する。そして、設定部150は、この予測値と1時刻経過後に測定部140により計算された測定値との誤差が、速度変化により発生したとみなして、この誤差に応じて重みを設定する。予測値は、過去の測定値の時間変化に基づいて計算されてもよい。例えば、設定部150は、測定値が線形変化すると仮定して、線形近似により予測値を計算する。以下、図4及び図5を参照して、予測値と測定値との誤差について説明する。
図4は、対象物体の距離の時間変化を説明するための図である。符号50は、対象物体の距離の時間変化の一例であり、符号60は、対象物体の速度の時間変化の一例である。符号50に示すように、一般的には、対象物体の距離は連続的に変化し、時間と距離との関係は曲線になる。ただし、符号51、52及び53に示すような局所的な時間幅においては時間変化が直線的であるので、線形近似可能であると考えられる。この線形近似可能な局所的な時間幅の長さは、一般的には符号60に示す速度の変化率に依存する。例えば、符号61に示すように速度の変化率が低い場合は、対応する符号51の時間幅が長くなる。一方、符号62及び63に示すように、速度の変化率が高くなるにつれて、対応する符号52及び53の時間幅が短くなる。よって、速度の変化率が高い区間であるにも関わらず長い時間幅で距離の線形近似が行われる場合、その時間幅での距離変化を正確に表すことが困難となり、実際の距離と線形近似した距離との誤差が大きくなってしまう。
本実施形態では、変換部130におけるFSK方式のためのフーリエ変換に用いられるウィンドウサイズの期間内では、距離が線形に変化すると仮定する。即ち、ウィンドウサイズの期間内において位相が線形に変化すると仮定する。そのため、距離が非線形に変化する場合は、実際の距離(測定値)と線形近似した距離(予測値)とに誤差が生じる。そして、この誤差の大きさは、フーリエ変換のウィンドウサイズに依存する。
図5は、本実施形態に係る測定部140により計算される距離の測定値の時間変化について説明するための説明図である。符号71は、時刻n−1におけるウィンドウサイズを示し、測定部140は、符号71に示すウィンドウサイズの期間内のデータから距離dn−1を計算する。符号72及び73に関しても同様である。図5に示すように、測定部140により位相差を用いて測定される距離は、ウィンドウサイズの中央の時点の距離であると仮定する。本仮定に従い、設定部150は、現時刻を時刻nとすると、1ステップ前の時刻n−1において測定された距離dn−1と現時刻nにおいて測定された距離dとを用いて、時刻n+1において測定されると予測される距離dn+1を次式で予測する。
Figure 0006398689
設定部150は、変換部130において用いられたウィンドウサイズごとに、且つ対象物体の速度に対応するドップラー周波数であると考えらえる周波数ごとに、上記数式18を用いて距離の予測を行う。一般的に、振幅スペクトルの大きさが小さい周波数においては、対象物体の動作に関する支配的な成分が含まれず、ノイズ成分が含まれる場合がある。このため、設定部150は、振幅スペクトルの大きさがある閾値以上である周波数を対象として、上記数式18を用いた予測を行ってもよい。
なお、予測値は、過去の測定値に基づく線形近似以外にも、多様な手段で計算され得る。例えば、予想値は、後述する推定部160により計算された過去の推定値に基づいて計算されてもよい。この場合、予測値は、複数のウィンドウサイズにおける測定値を重み付けした推定値に基づいて計算されるので、測定値をそのまま使う場合と比較して予測精度が向上し得る。他にも、予測値は、例えば過去の推定値に基づく線形近似により計算されてもよい。また、予測値は、複数のウィンドウサイズにおける測定値の平均値又は中央値等の統計量であってもよい。
予測値と測定値との誤差en+1は、次式で表現される。
Figure 0006398689
誤差は、外部からのノイズ信号の混入などによっても生じる。そのため、設定部150は、ノイズ信号に起因する誤差(高周波成分)を除くために、時刻tにおける誤差の標準偏差を次式で計算する。
Figure 0006398689
例えば、設定部150は、上記数式20により計算した標準偏差そのもの、又は標準偏差を処理した値を重みとして設定してもよい。他にも、設定部150は、測定部140による測定値の計算のために用いられる位相差が得られた周波数における振幅スペクトルの値に応じて、ウィンドウサイズ及び周波数ごとに重みを設定してもよい。振幅スペクトルの大きさが大きい周波数においては、対象物体の動作に関する支配的な成分が含まれる可能性があるためである。その場合、設定部150は、あるウィンドウサイズwsize、周波数freqでの重みを、例えば次式で計算する。
Figure 0006398689
なお、a及びbは定数である。σwsize,freqは、ウィンドウサイズwsize及び周波数freqにおける誤差の標準偏差である。pmaxは、全てのウィンドウサイズ及び全ての周波数における振幅スペクトルの最大値である。pwsize,freqは、ウィンドウサイズwsize及び周波数freqにおける振幅スペクトル値である。
重みは、誤差が小さいほど、また振幅スペクトルが大きいほど大きくなる。なお、ある時刻に計算された重みは、次のステップで値が更新されるまで維持されるものとする。
(6)推定部160
推定部160は、測定部140により計算された複数の測定値を設定部150により設定された重みに基づいて統合することで、対象物体の距離の推定値を計算する機能を有する。推定値とは、推定部160により推定される対象物体の距離を指し、信号処理装置100の出力値となる。例えば、推定部160は、設定された重みの大きさに応じて複数の測定値から選択した一の測定値を推定値としてもよい。設定された重みが大きい測定値ほど、信頼性が高いと考えられるため、例えば、推定部160は、最も重みが大きい測定値を推定値として選択してもよい。他にも、推定部160は、重みの大きさに応じて複数の測定値を加重平均することで、推定値を計算してもよい。そして、推定部160は、計算した推定値を出力する。
以上、信号処理装置100の構成例を説明した。続いて、図6を参照して、本実施形態に係る信号処理システム1の動作処理例を説明する。
<3.動作処理例>
図6は、本実施形態に係る信号処理システム1において実行される距離推定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図6に示すように、まず、ステップS102で、センサ部200は、2種類のビート信号を取得する。例えば、センサ部200は、周波数が異なる2種類の電波を発信し、それぞれに対応する2種類のビート信号を取得する。これらのビート信号は、A/Dコンバータ110によりデジタル信号に変換される。
次いで、ステップS104で、前処理部120は、2種類のビート信号を対象として、周波数フィルタリング、窓関数との演算処理等の前処理を行う。
次に、ステップS106で、変換部130は、複数のウィンドウサイズを用いてフーリエ変換を行う。そして、変換部130は、フーリエ変換の結果から、ウィンドウサイズごとに2種類のビート信号の周波数スペクトルを計算し、対象物体の速度に対応するドップラー周波数であると考えらえる周波数における位相差を計算する。即ち、変換部130は、ウィンドウサイズごとに及び周波数ごとに位相差を計算する。
次いで、ステップS108で、測定部140は、ウィンドウサイズ及び周波数ごとに対象物体の距離を測定する。例えば、測定部140は、変換部130により計算された、ウィンドウサイズ及び周波数ごとの位相差を用いて、上記数式10により対象物体の距離の測定値を計算する。
次に、ステップS110で、設定部150は、過去の測定値を用いて予測値を計算する。例えば、設定部150は、上記数式18に示す線形近似を行うことで、次の時刻において測定部140により測定されると予測される対象物体の距離を計算する。設定部150は、予測値の計算を、ウィンドウサイズ及び周波数ごとに行う。
次いで、ステップS112で、設定部150は、予測値と測定値との誤差を計算する。例えば、設定部150は、上記数式19を用いて予測値と測定値との誤差を計算する。
次に、ステップS114で、設定部150は、重みを設定する。例えば、設定部150は、上記数式21を用いてウィンサイズ及び周波数ごとに重みを設定する。
そして、ステップS116で、推定部160は、重みに基づいて距離を推定する。例えば、推定部160は、設定された重みの大きさに応じて、複数の測定値から一の測定値を選択したり加重平均したりすることで、距離を推定する。
以上、本実施形態に係る信号処理システム1による距離推定処理の流れの一例を説明した。
<4.変形例>
本変形例に係る信号処理装置100は、パーティクルフィルタを用いて距離を推定する。詳しくは、信号処理装置100は、ノイズによる誤差の分布を仮定して、パーティクルフィルタを用いて距離を推定する。
なお、パーティクルフィルタは、粒子フィルタ、モンテカルロフィルタ又はブートストラップとも称される。パーティクルフィルタの原理は、例えば「N.J. Gordon, D.J. Salmond, and A.F.M. Smith, ``Novel approach to nonlinear/non-Gaussian Bayesian state estimation,'' IEEE Proceedings F (Radar and Signal Processing), Vol. 140, No. 2, IET Digital Library, April 1993.」に開示されている。簡単には、パーティクルフィルタとは、状態の分布を多数のパーティクルの密度で近似(モンテカルロ近似)し、「予測」、「尤度計算」、「リサンプリング」の3つのステップを逐次的に繰り返すことによって、パーティクル(状態)の分布を更新していくフィルタである。
本実施形態では、あるウィンドウサイズでの距離の分布が、平均値がd、標準偏差がσとなるガウス分布になるものと仮定する。推定部160は、複数のウィンドウサイズごとに上記の確率分布を仮定し、パーティクルフィルタを用いて距離を推定してもよい。
例えば、時刻nにおいて、各ウィンドウサイズで振幅スペクトルの値が最も大きい周波数における位相差から測定部140により測定された距離を
Figure 0006398689
とし、振幅スペクトルを
Figure 0006398689
とする。ただし、Nをウィンドウサイズの個数とし、wをi番目のウィンドウサイズとし、1≦i≦Nが成り立つものとする。また、設定部150により予測された距離を
Figure 0006398689
とする。
推定部160は、ウィンドウサイズをパーティクルの値とし、振幅スペクトルの値が最も大きい周波数において得られた位相差を用いて計算された測定値と当該周波数における予測値との誤差から尤度を計算して、パーティクルフィルタを適用する。例えば、時刻nでの粒子kの尤度は次式のように計算される。
Figure 0006398689
ただし、
Figure 0006398689
は、あるウィンドウサイズwで振幅スペクトルの値が最も大きい周波数において、上記数式18を用いて予測された予測値に関し、上記数式20を用いて計算された標準偏差である。
推定部160は、上記数式25に示した尤度によって各粒子に重みを与え、次式により時刻nにおける距離の推定値Dを計算する。
Figure 0006398689
ただし、Nは、粒子の数とする。また、ln,kは、総和が1になるように規格化された距離の重みであり、次式で表現される。
Figure 0006398689
<5.まとめ>
以上、図1〜図6を参照して、本発明の一実施形態について詳細に説明した。上記説明したように、信号処理装置100は、センサ部200から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行う。次いで、信号処理装置100は、フーリエ変換の結果に基づいて対象物体の距離をウィンドウサイズごとに測定して、その測定値を用いてウィンドウサイズごとの重みを設定する。そして、信号処理装置100は、設定した重みに基づいてウィンドウサイズごとの測定値を統合することで、対象物体の距離を推定する。このように、信号処理装置100は、異なる長さのウィンドウサイズを複数用いることで、速度の大きさや速度変化の大きさに適したウィンドウサイズを重用することが可能となり、距離の推定精度を向上させることができる。
また、本実施形態に係る信号処理装置100は、過去の測定値の時間変化に基づいて予測値を計算し得る。例えば、線形近似により予測値が計算される場合、信号処理装置100は、線形変化すると仮定された区間を対象としたフーリエ変換の計算を省略することができ、計算量を抑制することができる。
また、本実施形態に係る信号処理装置100は、ウィンドウサイズごとの距離の予測値と測定値との誤差を速度変化として用いて、速度変化に応じた重みを設定し得る。これにより、信号処理装置100は、複数のウィンドウサイズにおける線形近似のあてはまりの良さを評価することが可能となるので、距離の推定精度を向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、重みは値が大きいほどよいとして説明したが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、重みは値が小さいほどよいとしてもよいし、ある値に近いほどよいとしてもよい。
また、上記説明した信号処理システム1は、複数組み合わされてもよい。当該組み合わせに係るシステムは、対象物体の位置を特定することが可能である。
また、上記実施形態では、信号処理装置100は、数式18に示すように、測定値を用いた線形近似を行うことで、予測値を計算している。ここで、ビート信号のフーリエ変換処理によりドップラー周波数が分かるので、速度成分が計算可能である。そのため、信号処理装置100は、速度と時間の関係から予測値を計算してもよい。これにより、予測値の精度が向上し得るので、結果的に距離の推定精度が向上し得る。
なお、本明細書において説明した各装置は、単独の装置として実現されてもよく、一部または全部が別々の装置として実現されても良い。例えば、図1に示した信号処理システム1の機能構成例のうち、信号処理装置100がセンサ部200とネットワーク等で接続されたサーバ等の装置に備えられていても良い。また、信号処理装置100に含まれる各構成要素のうち少なくともいずれかが、他の構成要素とネットワーク等で接続されたサーバ等の装置に備えられても良い。
また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記憶媒体(非一時的な媒体:non-transitory media)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、コンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどのプロセッサにより実行される。
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
1 信号処理システム
100 信号処理装置
110 A/Dコンバータ
120 前処理部
130 変換部
140 測定部
150 設定部
160 推定部
200 センサ部

Claims (16)

  1. センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行う変換部と、
    前記変換部による前記フーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算する測定部と、
    前記対象物体の速度変化に応じて前記ウィンドウサイズごとの重みを設定する設定部と、
    前記測定部により計算された複数の前記測定値を前記設定部により設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算する推定部と、
    を備え
    前記設定部は、前記ウィンドウサイズごとの前記距離の予測値と前記測定値との誤差を前記速度変化として用いて、前記重みを設定する、信号処理装置。
  2. 前記予測値は、過去の前記測定値の時間変化に基づいて計算される、請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記予測値は、過去の前記推定値に基づいて計算される、請求項2に記載の信号処理装置。
  4. センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行う変換部と、
    前記変換部による前記フーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算する測定部と、
    前記ウィンドウサイズごとの重みを設定する設定部と、
    前記測定部により計算された複数の前記測定値を前記設定部により設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算する推定部と、
    を備え
    前記設定部は、前記測定値の計算のために用いられる位相差が得られた周波数における振幅スペクトルの値に応じて、前記ウィンドウサイズ及び前記周波数ごとに前記重みを設定する、信号処理装置。
  5. 前記変換部は、前記振幅スペクトルの値が閾値以上である前記周波数を対象として前記フーリエ変換を行う、請求項に記載の信号処理装置。
  6. 前記変換部は、前記ウィンドウサイズの長さより短い周期をもつ前記周波数を対象として前記フーリエ変換を行う、請求項1〜のいずれか一項に記載の信号処理装置。
  7. 前記推定部は、前記重みの大きさに応じて複数の前記測定値から選択した一の前記測定値を前記推定値とする、請求項1〜のいずれか一項に記載の信号処理装置。
  8. 前記推定部は、前記重みの大きさに応じて複数の前記測定値を加重平均することで前記推定値を計算する、請求項1〜のいずれか一項に記載の信号処理装置。
  9. センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行う変換部と、
    前記変換部による前記フーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算する測定部と、
    前記ウィンドウサイズごとの重みを設定する設定部と、
    前記測定部により計算された複数の前記測定値を前記設定部により設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算する推定部と、
    を備え
    前記推定部は、パーティクルフィルタを用いて前記推定値を計算し、前記パーティクルフィルタにおいて、前記ウィンドウサイズをパーティクルの値とし、振幅スペクトルの値が最も大きい周波数において得られた位相差を用いて計算された前記測定値と当該周波数における前記距離の予測値との誤差から尤度を計算する、信号処理装置。
  10. 前記対象物体は人である、請求項1〜のいずれか一項に記載の信号処理装置。
  11. センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行うことと、
    前記フーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算することと、
    前記対象物体の速度変化に応じて前記ウィンドウサイズごとの重みを設定することと、
    計算された複数の前記測定値を設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算することと、
    を含み、
    前記設定することは、前記ウィンドウサイズごとの前記距離の予測値と前記測定値との誤差を前記速度変化として用いて、前記重みを設定することを含む、信号処理方法。
  12. センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行うことと、
    前記フーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算することと、
    前記ウィンドウサイズごとの重みを設定することと、
    計算された複数の前記測定値を設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算することと、
    を含み、
    前記設定することは、記測定値の計算のために用いられる位相差が得られた周波数における振幅スペクトルの値に応じて、前記ウィンドウサイズ及び前記周波数ごとに前記重みを設定することを含む、信号処理方法。
  13. センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行うことと、
    前記フーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算することと、
    前記ウィンドウサイズごとの重みを設定することと、
    計算された複数の前記測定値を設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算することと、
    を含み、
    前記計算することは、パーティクルフィルタを用いて前記推定値を計算し、前記パーティクルフィルタにおいて、前記ウィンドウサイズをパーティクルの値とし、振幅スペクトルの値が最も大きい周波数において得られた位相差を用いて計算された前記測定値と当該周波数における前記距離の予測値との誤差から尤度を計算することを含む、信号処理方法。
  14. コンピュータを、
    センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行う変換部と、
    前記変換部によるフーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算する測定部と、
    前記対象物体の速度変化に応じて前記ウィンドウサイズごとの重みを設定する設定部と、
    前記測定部により計算された複数の前記測定値を前記設定部により設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算する推定部と、
    として機能させ
    前記設定部は、前記ウィンドウサイズごとの前記距離の予測値と前記測定値との誤差を前記速度変化として用いて、前記重みを設定する、プログラム。
  15. コンピュータを、
    センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行う変換部と、
    前記変換部によるフーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算する測定部と、
    前記ウィンドウサイズごとの重みを設定する設定部と、
    前記測定部により計算された複数の前記測定値を前記設定部により設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算する推定部と、
    として機能させ
    前記設定部は、前記測定値の計算のために用いられる位相差が得られた周波数における振幅スペクトルの値に応じて、前記ウィンドウサイズ及び前記周波数ごとに前記重みを設定する、プログラム。
  16. コンピュータを、
    センサ部から対象物体へ送信される周波数が異なる複数の送信波により得られたビート信号の各々について、ウィンドウサイズを異ならせたフーリエ変換を複数通り行う変換部と、
    前記変換部によるフーリエ変換の結果に基づいて前記対象物体と前記センサ部との距離の測定値を前記ウィンドウサイズごとに計算する測定部と、
    前記ウィンドウサイズごとの重みを設定する設定部と、
    前記測定部により計算された複数の前記測定値を前記設定部により設定された前記重みに基づいて統合することで前記距離の推定値を計算する推定部と、
    として機能させ
    前記推定部は、パーティクルフィルタを用いて前記推定値を計算し、前記パーティクルフィルタにおいて、前記ウィンドウサイズをパーティクルの値とし、振幅スペクトルの値が最も大きい周波数において得られた位相差を用いて計算された前記測定値と当該周波数における前記距離の予測値との誤差から尤度を計算する、プログラム。
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