JP6379709B2 - 信号処理装置、信号処理方法及びプログラム - Google Patents
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Description
まず、図1を参照して、本発明の一実施形態に係る動体検知システムの構成を説明する。
動体検知センサ10は、検知対象範囲内における動体の有無、及び動体の状態を検知するセンサである。例えば、動体検知センサ10は、電波型又は音波型のセンサであってもよく、例えばドップラーセンサにより実現され得る。他にも、動体検知センサ10は、赤外線センサ、加速度センサ等であってもよい。本明細書では、動体検知センサ10は、ドップラーセンサであるものとして説明する。また、動体検知センサ10が出力する信号を、センサ信号とも称する。
信号処理部20は、雑音処理部40により雑音が補正されたセンサ信号について、各種信号処理を行う機能を有する。例えば、信号処理部20は、動体検知センサ10の検知対象範囲内における動体の有無、及び動体の状態を判定する。ここで、信号処理部20は、予めリファレンス(基準)となる信号を用いてモデルを学習する。例えば、信号処理部20は、人間が歩行状態であるときのリファレンス信号を入力とし、人間が歩行状態であることを出力するよう、例えばSVM(Support vector machine)等により学習する。例えば、図4に示した例に関しては、信号処理部20は、有人状態110及び無人状態120を判定するための閾値を学習する。そして、信号処理部20は、雑音処理部40からの出力信号の振幅が閾値を超えた場合に有人状態110であると判定し、出力信号の振幅が閾値を超えた場合に無人状態120であると判定する。このように、動体検知システム1は、リファレンス信号に基づく学習を予め行うことで、検知対象範囲内における動体の有無、及び動体の状態を判定することが可能となる。
記憶部30は、所定の記録媒体に対してデータの記録再生を行う部位である。記憶部30は、例えばHDD(Hard Disc Drive)として実現される。もちろん記録媒体としては、フラッシュメモリ等の固体メモリ、固定メモリを内蔵したメモリカード、光ディスク、光磁気ディスク、ホログラムメモリなど各種考えられ、記憶部30としては採用する記録媒体に応じて記録再生を実行できる構成とされればよい。
雑音処理部40は、動体検知センサ10からの出力信号に含まれる雑音について各種処理を行う機能を有する。図1に示すように、雑音処理部40は、動体判定部41、雑音推定部43、雑音補正部45、及び故障予測部47としての機能を有する。
動体判定部41は、動体検知センサ10から出力されたセンサ信号に基づいて、動体検知センサ10の検知対象範囲内における動体の有無を判定する機能を有する。ここでの検知対象範囲とは、図4を用いて上記説明した検知限界範囲11を意味し、動体判定部41は、完全無人状態であるか否かを判定する機能を有する。例えば、動体判定部41は、センサ信号の特徴量を閾値判定することで、動体の有無を判定してもよい。この特徴量としては、例えばセンサ信号の瞬時振幅、瞬時周波数等が考えられる。
雑音推定部43は、動体判定部41により動体が存在しないと判定された区間のセンサ信号のスペクトルに基づいて、雑音スペクトルを推定する機能を有する。完全無人状態において得られたセンサ信号には、動体からの影響が含まれていないので、内部雑音の影響がそのまま表れる。このため、雑音推定部43は、動体判定部41により完全無人状態であることが判定された区間のセンサ信号を用いることで、雑音スペクトルを精度よく推定することが可能となる。
雑音補正部45は、雑音推定部43により推定された雑音スペクトルに基づいて、センサ信号の雑音成分を補正する機能を有する。
故障予測部47は、雑音補正部45による補正結果の記録に基づいて、動体検知センサ10の故障を予測する機能を有する。例えば、故障予測部47は、雑音補正部45による補正量の変動が少ない場合、又は更新頻度が少ない場合に、故障していないと予測してもよい。また、故障予測部47は、雑音補正部45による補正量の変動が大きい場合、又は更新頻度が多い場合に、故障していると予測してもよい。動体検知システム1は、補正処理のログを蓄積しておくことにより、このような故障予測を行うことが可能となる。
図14は、本実施形態に係る動体検知システム1において実行される雑音補正処理の流れの一例を示すフローチャートである。
これまで、図1〜図14を参照して、本発明の一実施形態について説明した。本実施形態に係る動体検知システム1は、動体検知センサ10の検知対象範囲内における動体の有無を判定し、動体が存在しないと判定された区間のセンサ信号のスペクトルに基づいて雑音スペクトルを推定し、推定された雑音スペクトルに基づいてセンサ信号の雑音成分を補正する。動体検知システム1は、センサの個体差が雑音としてそのまま反映される、完全無人状態のセンサ信号を用いて推定された、雑音スペクトルによりセンサ信号の雑音成分を補正するので、センサ信号の個体差を低減することができる。これにより、動体検知システム1は、動体検知センサ10の感度のバラつきを較正することが可能となる。
10 動体検知センサ
11 検知限界範囲
13 検知設定範囲
20 信号処理部
30 記憶部
40 雑音処理部
41 動体判定部
43 雑音推定部
45 雑音補正部
47 故障予測部
Claims (14)
- 動体検知センサから出力されたセンサ信号に基づいて前記動体検知センサの検知対象範囲内における動体の有無を判定する動体判定部と、
前記動体判定部により動体が存在しないと判定された区間の前記センサ信号のスペクトルに基づいて雑音スペクトルを推定する雑音推定部と、
前記雑音推定部により推定された前記雑音スペクトルに基づいて前記センサ信号の内部雑音成分を補正する雑音補正部と、
を備える、信号処理装置。 - 前記動体判定部は、センサ信号に関する特徴量の時間微分値の絶対値を閾値判定することで動体の有無を判定する、請求項1に記載の信号処理装置。
- 前記センサ信号に関する特徴量の時間微分値とは、前記センサ信号の瞬時振幅の時間微分値である、請求項2に記載の信号処理装置。
- 前記センサ信号に関する特徴量の時間微分値とは、前記センサ信号の瞬時振幅の区間平均値の時間微分値である、請求項2に記載の信号処理装置。
- 前記雑音推定部は、前記センサ信号のスペクトルを一次近似することで、前記雑音スペクトルを推定する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の信号処理装置。
- 前記雑音推定部は、前記センサ信号のスペクトルを周波数−振幅特性の両対数スケール上で一次近似することで、前記雑音スペクトルを推定する、請求項5に記載の信号処理装置。
- 前記雑音推定部は、前記センサ信号のスペクトルを2以上の周波数帯に分けて一次近似することで、前記雑音スペクトルを推定する、請求項5又は6に記載の信号処理装置。
- 前記センサ信号のスペクトルは、周波数毎に前記センサ信号の振幅スペクトルを指数平均したものである、請求項5〜7のいずれか一項に記載の信号処理装置。
- 前記雑音補正部は、基準となる基準雑音スペクトルと推定された前記雑音スペクトルとの相違に基づいて、前記センサ信号の内部雑音成分を基準となる基準雑音成分へ補正する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の信号処理装置。
- 前記雑音補正部は、推定された前記雑音スペクトルを前記センサ信号からスペクトル減算することで前記センサ信号の内部雑音成分を除去する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の信号処理装置。
- 前記信号処理装置は、前記雑音補正部による補正結果の記録に基づいて、前記動体検知センサの故障を予測する故障予測部をさらに備える、請求項1〜10のいずれか一項に記載の信号処理装置。
- 前記動体検知センサは、ドップラーセンサである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の信号処理装置。
- 動体検知センサから出力されたセンサ信号に基づいて前記動体検知センサの検知対象範囲内における動体の有無を判定するステップと、
動体が存在しないと判定された区間の前記センサ信号のスペクトルに基づいて雑音スペクトルを推定するステップと、
推定された前記雑音スペクトルに基づいて前記センサ信号の内部雑音成分を補正するステップと、
を含む、信号処理方法。 - コンピュータを、
動体検知センサから出力されたセンサ信号に基づいて前記動体検知センサの検知対象範囲内における動体の有無を判定する動体判定部と、
前記動体判定部により動体が存在しないと判定された区間の前記センサ信号のスペクトルに基づいて雑音スペクトルを推定する雑音推定部と、
前記雑音推定部により推定された前記雑音スペクトルに基づいて前記センサ信号の内部雑音成分を補正する雑音補正部と、
として機能させるためのプログラム。
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