JP2014023189A - 列車制御装置及び雑音低減方法 - Google Patents

列車制御装置及び雑音低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】振幅変調波の受信波形に重畳する雑音成分を、特別なセンサを用いることなく、的確に低減する。
【解決手段】送信装置が出力する列車制御信号Sにおいて、搬送波f0を振幅変調した振幅変調波f2を送信する送信期間Tsgと、振幅変調波f2の送信を一時的に休止する送信休止期間Tdfと、を設定する。受信装置において、列車制御信号の受信波形Wから送信期間Tsgに対応する有信号波形を取り出すとともに、送信休止期間Tdfに対応する無信号波形を取り出す。無信号波形をともに、有信号波形に内在する雑音成分を低減する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、列車制御装置及び雑音低減方法に関し、より詳細には、列車制御情報を振幅変調波によって送受する列車制御装置において、振幅変調波の受信波形に重畳する雑音成分を低減する技術に関する。
列車制御において、列車制御信号は、地上から車上装置と呼ばれる車載制御装置に送信する。搬送波を振幅変調した振幅変調波を生成し、この振幅変調波を列車制御信号として送信するとともに、搬送波の変調周波数(換言すれば、変調波の周波数)を列車に対する指示内容に応じて変更する。車上装置への列車制御信号の送信は、レールを介してなされるのが一般的であり、現在実用されている。車上装置は、車体に取り付けられた受電コイルを備え、レールを流れる信号電流をこの受電コイルによって受信する。
ここで、車上装置の受電コイルには、本来入力すべき信号電流以外に、車体における雑音源(例えば、列車の駆動モータ)からの雑音が入力する。この受電コイルに直接入力する雑音は、「直達雑音」と呼ばれ、レールを介する信号伝播経路上で混入する他の雑音とは区別される。地上装置からの信号送信出力を増大することで、雑音に対する列車制御信号のSN比を確保することとしているが、それでもなお必要なSN比が得られない場合は、受電コイルを車輌前方に移動させて雑音源から遠ざけたり、その上方を金属カバーによって覆うことで受電コイルに対する直達雑音の入力を妨げたりしている。
特許文献1は、雑音源であるパワーケーブル(モータとインバータ(VVVF制御器)とを接続する)に雑音検出センサを設置し、この雑音検出センサが検出した雑音電流の逆位相成分を、受電コイルの出力に加算する方法を開示している。
特開2001−138914号公報(段落番号0015〜0018)
しかし、前掲特許文献1の方法には、次のような問題がある。
第1に、雑音検出用に特別なセンサが必要なことである。
第2に、雑音源であるパワーケーブルに対して雑音検出センサを直接設置するため、雑音検出センサによって検出した雑音電流が実際に受電コイルに到達している雑音のものとは異なり得ることである。
本発明は、振幅変調波の受信波形に重畳する雑音成分を、特別なセンサを用いることなく、的確に低減することを目的とする。
本発明に係る列車制御装置は、搬送波を振幅変調した振幅変調波を送信する送信期間と、前記振幅変調波の送信を一時的に休止する送信休止期間と、を伴う列車制御信号を送信する送信装置と、前記列車制御信号を受信する受信装置と、を含んで構成される。前記受信装置は、前記列車制御信号の受信波形から前記送信期間の有信号波形と、前記送信休止期間の無信号波形と、を取り出し、前記無信号波形をもとに、前記有信号波形に内在する雑音成分を低減する。
本発明に係る雑音低減方法は、制御情報を振幅変調波によって送受する遠隔制御システムにおいて、前記振幅変調波の受信波形に重畳する雑音成分を低減する方法であって、受信装置に対する前記振幅変調波の入力を一時的に停止するデフォルト入力期間を設定し、前記デフォルト入力期間に対応して前記受信装置が生成した波形を無信号波形として取り出し、前記無信号波形をもとに、前記重畳する雑音成分を低減する。
本発明によれば、列車制御信号において振幅変調波の送信を一時的に休止する送信休止期間を設定し、受信装置がこの送信休止期間に対応して生成する無信号波形をもとに、有信号波形に内在する雑音成分を低減することとした。ここで、有信号波形には、雑音成分が振幅変調波の受信成分に重畳して出現する一方、無信号波形には、雑音成分のみが出現する。従って、無信号波形をもとに有信号波形の雑音成分を低減する構成としたことで、特別なセンサを必要とせずに雑音成分を低減することが可能である。本発明によれば、振幅変調波の受信と共用の受信装置によって雑音を検出するので、直達雑音を検出し、的確にこれを低減することができる。
本発明の一実施形態に係る列車制御装置の構成図 同上列車制御装置に備わる雑音低減回路の構成を示すブロック図 同上列車制御装置において送受する列車制御信号の説明図 同上列車制御装置において実施する雑音低減処理の流れを示す説明図 同上雑音低減処理における無信号判定処理の説明図 同上雑音低減処理における無信号波形に対するレベル調整処理の説明図 本発明の他の実施形態に係る列車制御装置に備わる雑音低減回路の構成を示すブロック図
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る列車制御装置の構成を示している。
本実施形態に係る列車制御装置は、地上に備わる送信装置と、車上に備わる受信装置と、によって具現する。
送信装置は、地上装置と呼ばれる地上設備の一部を構成する。搬送波を振幅変調して振幅変調波を生成し、これに振幅変調波の送信休止期間を付加した列車制御信号を、レール102に出力する。
具体的には、搬送波生成回路12と、変調回路14と、休止期間設定回路16と、増幅回路18と、接続回路20と、が備わる。
搬送波生成回路12は、周波数f0の搬送波(以下便宜上、搬送波を示す符号をf0とする)を生成する。搬送波f0が高周波であることで、隣り合う軌道回路T1−T2間及びT2−T3間における信号絶縁が不要となる。低い周波数の搬送波を採用し、隣り合う軌道回路T1−T2間、T2−T3間に絶縁を施すようにしてもよい。
変調回路14は、搬送波f0を列車に対する指示内容(列車制御情報)に応じた周波数の変調波f1によって振幅変調して、振幅変調波f2を生成する。本実施形態では、列車制御情報として列車に対する許容制限速度を採用し、変調回路14に対し、許容制限速度に応じた指令Cmd1,Cmd2が入力する。振幅変調に加えて搬送波f0を位相変調することで、より多種の列車制御情報に対応することが可能となる。
休止期間設定回路16は、変調回路14が生成した振幅変調波f2に対してその送信を一時的に休止する送信休止期間を設定し、振幅変調波f2の送信期間と、送信休止期間と、を伴う列車制御信号Sを生成する。本実施形態において、休止期間設定回路16は、タイマー162及び入力切換回路164を備え、入力切換回路164の入力として所定の時間毎にデフォルト信号を選択することで、変調回路14が連続して出力する振幅変調波f2に対し、上記所定の時間毎にデフォルト信号を割り込ませる。本実施形態では、デフォルト信号を無電圧信号(電圧が0で一定の値をとる信号であり、以下「無信号」という)とすることで、振幅変調波f2の送信を実質的に休止する。
増幅回路18は、送信期間及び送信休止期間を伴う列車制御信号Sを増幅する。
接続回路20は、増幅後の列車制御信号Sを、列車進行方向に関して軌道回路T2の前方端部でレール102に出力する。
受信装置は、車上装置の一部を構成するものであり、送信装置が出力した列車制御信号Sを、レール102を介して受信するとともに、受信波形Wに内在する信号成分を抽出し、制御装置28に出力する。
具体的には、受電回路22と、雑音低減回路24と、信号抽出回路26と、が備わる。
受電回路22は、レール102上に位置する誘電コイルを備え、レール102を流れる信号電流を、この誘電コイルによって受信する。受電用の誘電コイルは、左右のレール102,102に対して夫々1つずつ設けられており、これら一対の誘電コイルは、信号電流に関して互いに加極接続されている。これにより、信号電流を受信する一方、左右のレール102,102を同方向に流れる帰線電流を相殺する。
雑音低減回路24は、誘電コイルの加極出力を入力し、後に述べるように、振幅変調波f2の受信波形に重畳する雑音成分を低減する。
信号抽出回路26は、雑音低減後の受信波形から、列車制御情報を示す信号成分を抽出し、制御装置28及び車内現示装置等に出力する。
図2は、本実施形態に係る雑音低減回路24の構成を示している。
雑音低減回路24は、バンドパスフィルタ242と、無信号判定回路244と、出力切換回路246と、第1及び第2周波数変換回路248,250と、レベル調整回路252と、減算回路254と、逆変換回路256と、を備える。
バンドパスフィルタ242は、列車制御信号Sの信号周波数帯域に通過帯域を有し、列車制御信号の受信波形Wのうち信号周波数帯域の波形成分を通過させる一方、その外側帯域の波形成分の通過を抑制する。
無信号判定回路244は、バンドパスフィルタ242を通過した波形成分が、列車制御信号Sのうち送信期間の振幅変調波f2に対応する有信号波形であるのか、送信休止期間のデフォルト信号(無信号)に対応する無信号波形であるのかを判定し、この判定結果に応じて出力切換回路246を作動させる。
出力切換回路246は、無信号判定回路244からの指令に応じ、フィルタ通過成分が有信号波形である場合に、出力を第1周波数変換回路248側に設定する一方、無信号波形である場合に、第2周波数変換回路250側に設定する。
第1周波数変換回路248は、有信号波形を入力し、これをフーリエ変換等によって周波数変換する。
第2周波数変換回路250は、無信号波形を入力し、これをフーリエ変換等によって周波数変換する。
レベル調整回路252は、周波数変換後の無信号波形を入力するとともに、同じく周波数変換後の有信号波形を入力し、無信号波形のスペクトルレベルを調整する。本実施形態において、スペクトルレベルの調整は、無信号波形のスペクトルレベルを有信号波形のスペクトルレベルに一致させるように、無信号波形の周波数スペクトル全体を変化(例えば、増大)させることによる。
減算回路254は、レベル調整後の無信号波形の周波数スペクトルを、有信号波形の周波数スペクトルから減算して、有信号波形に内在する雑音成分を低減する。例えば、レベル調整後の無信号波形の周波数スペクトルの位相を反転させ、この逆位相成分を有信号波形の周波数スペクトルに加算する。
逆変換回路256は、雑音低減後の有信号波形の周波数スペクトルを、逆フーリエ変換等によって時間軸波形に逆変換する。
以下に、本実施形態に係る列車制御装置の動作について説明する。
図3は、本実施形態に係る列車制御装置において地上装置から送信する列車制御信号Sを示している。
本実施形態では、列車の許容制限速度を列車制御情報として採用し、これを振幅変調波f2の形態で送信する。列車制御情報に応じた周波数の変調波f1によって搬送波f0を振幅変調し、図中符号f2で示す振幅変調波を生成する。振幅変調波f2は、搬送波f0成分が現れたフレーム部Aと、これが現れていないスペース部Bと、が一周期F1中に交互に出現し、これが連続する波形となる。例えば、許容制限速度を時速45kmに設定する場合は、変調波f1の周波数(変調周波数)をf11とし、周期F11の振幅変調波を生成する。一方で、許容制限速度を時速15kmに設定する場合は、変調周波数を上記f11とは異なるf12とし、周期F12の振幅変調波を生成する。
本実施形態では更に、列車制御信号Sにおいて、振幅変調波f2を送信する送信期間Tsgに加え、所定の時間毎に振幅変調波f2の送信を休止する送信休止期間Tdfを設定する。先に述べたように、送信休止期間Tdfの設定は、周期F1で連続する振幅変調波f2にF1よりも長い時間F2毎にデフォルト信号を割り込ませることによる。図3は、時間F2毎にF1の二倍に当たる長さの期間Tdfに亘ってデフォルト信号を割り込ませた例を示している。
列車制御信号Sは、地上装置からレール102を介して車上装置に送信する。車上装置は、受電回路22によってレール102を流れる信号電流を受信し、受信波形から列車制御情報を示す信号成分を抽出する。
図4は、本実施形態において採用する雑音低減処理の流れを示している。
受電回路22が生成した列車制御信号の受信波形Wは、雑音低減回路24に入力し、バンドパスフィルタ242を通過する。図中符号w1で示す枠は、フィルタ通過後の受信波形Wを示しており、列車制御信号Sの送信期間Tsgに対応する部分(有信号波形)の前後に、Tsgよりも短い時間に亘って送信休止期間Tdfに対応する無信号波形が現れている。本実施形態では、枠w1に示す受信波形Wから送信休止期間Tdfの無信号波形を取り出すとともに、送信期間Tsgに対応して振幅変調波f2の二周期分に相当するサンプリングフレームFRMを設定し、このフレームFRM内の有信号波形を取得する。本実施形態において、無信号波形の判定(無信号判定処理)は、次のようにして行う。
図5は、本実施形態に係る無信号判定処理の内容を示している。
無信号判定回路244は、搬送波f0(位相変調を施す場合は、位相変調前の基本搬送波f0)の一周期分に相当する参照波形frefを有しており、受信波形Wとこの参照波形frefとの間における相関性の有無から、現在受信している信号波形Wが有信号波形なのか、無信号波形なのかを判定する。
具体的には、無信号判定回路244は、アナログ・デジタル(AD)変換部及び相関性判定部を備え、AD変換部により、アナログの受信波形Wをデジタル波形に変換する。相関性判定部は、参照波形frefの、その周期F0よりも短い所定の時間毎の振幅を夫々記憶しており、AD変換後の受信波形Wから、搬送波f0の一周期F0分の長さに当たる期間の波形を抽出し、上記所定の時間毎の振幅をサンプリングデータとして格納する。そして、参照波形frefの振幅とサンプリングデータとをそれぞれの時間について逐次乗算し、乗算値の合計値をデジタル相関値Rdigとして算出する。
本実施形態において、デジタル相関値Rdigは、図中(c)に示す変化を呈し、有信号波形A,Bでは、極大値Rmaxと極小値Rminとが周期的に出現する波形を示すのに対し、無信号波形DEFでは、極大値Rmaxも極小値Rminも現れず、周期的な変化も示さない一定値をとる。従って、無信号判定回路244は、デジタル相関値Rdigにおける極大値Rmax等の有無及び変化の周期性を監視し、これらのいずれもが存在しない場合に、現在受信している信号波形Wが無信号波形であると判定する。
図4の説明に戻り、枠w2は、有信号波形の周波数スペクトルを示している。図中突出した部分が信号成分(周波数fc,fd,fe)に相当する。
枠w3は、無信号波形の周波数スペクトルを示している。
枠w4は、レベル調整後の無信号波形の周波数スペクトルを示している。本実施形態に係るレベル調整の手順を示すと、次のようである。
図6は、本実施形態に係るレベル調整処理の内容を示している。
レベル調整回路252は、図6(a)に示すように、列車制御信号Sの信号周波数帯域Bsgの両側(低周波数側及び高周波数側)にレベル監視帯域Bml,Bmhを設定し、これらのレベル監視帯域Bml,Bmhにおける有信号波形及び無信号波形のスペクトルレベルLをもとに、無信号波形のスペクトルレベルLを調整する。本実施形態において、レベル監視帯域Bml,Bmhは、バンドパスフィルタ242の動作特性によって定まる周波数スペクトルの減衰帯域である。
具体的には、低周波数側のレベル監視帯域Bmlと高周波数側のレベル監視帯域Bmhとのそれぞれにおける周波数毎のスペクトルレベルを、有信号波形及び無信号波形の双方について夫々加算し、その合計値から、無信号波形のスペクトルレベルを有信号波形のスペクトルレベルに一致させるためのレベル調整比Ratioを算出し、これを無信号波形の周波数スペクトルに乗算する。レベル調整比Ratioは、例えば、有信号波形のスペクトルレベル合計値をΣLsgとし、無信号波形のスペクトルレベル合計値をΣLdfとして、次式(1)によって算出する。
Ratio=ΣLsg/ΣLdf …(1)
図6(b)は、有信号波形の周波数スペクトルと、レベル調整後の無信号波形の周波数スペクトルと、を重ね合わせて示している。
無信号波形のレベル調整は、レベル監視帯域Bml,Bmhにおけるスペクトルレベルを合算して行う方法に限らず、例えば、信号周波数帯域Bsgの両端に当たる周波数fb,ffにおけるスペクトルレベルを算出し、これらのスペクトルレベルに基づく線形補正によって行うことも可能である。
図4の説明に戻り、枠w5は、無信号波形の周波数スペクトルを減算して、雑音成分を低減した有信号波形の周波数スペクトルを示している。
枠w6は、枠w5に示す有信号波形の周波数スペクトルを時間軸波形に逆変換した、雑音低減後の有信号波形W’を示している。
信号抽出回路36(図1)は、複数のフィルタ回路を備え、雑音低減後の有信号波形W’から、フィルタ回路を介して周期F11の信号を抽出した場合に、制御装置28に対して列車の走行速度を時速45kmに制限する動作を行わせ、周期F12の信号を抽出した場合に、時速15kmに制限する動作を行わせる。
本実施形態では、無信号判定回路244及び出力切換回路246が「波形取出部」を、レベル調整回路252及び減算回路254が「雑音低減部」を、第1周波数変換回路248が「第1波形変換部」を、第2周波数変換回路250が「第2波形変換部」を、バンドパスフィルタ242が「バンドパスフィルタ」を、制御装置28が「挙動制御部」を、夫々構成する。
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
第1に、列車制御信号Sにおいて振幅変調波f2の送信を一時的に休止する送信休止期間Tdgを設定し、受信装置がこの送信休止期間Tdgに対応して生成した無信号波形をもとに、有信号波形に内在する雑音成分を低減することとした。有信号波形には、雑音成分が振幅変調波f2の受信成分に重畳して出現する一方、無信号波形には、雑音成分のみが出現する。従って、無信号波形をもとに有信号波形の雑音成分を低減する構成としたことで、特別なセンサを必要とせずに雑音成分を低減することが可能である。ここで、本実施形態によれば、振幅変調波f2の受信と共用の受信装置によって雑音を検出するので、直達雑音を検出し、的確にこれを低減することができる。
第2に、有信号波形及び無信号波形を夫々周波数変換し、各波形の周波数スペクトルをもとに雑音成分を低減することで、有信号波形からの雑音成分の低減が容易となる。
第3に、無信号波形のスペクトルレベルを調整したことで、無信号波形とは受信時間帯の異なる有信号波形から、雑音成分を的確に低減することができる。ここで、本実施形態では、信号周波数帯域Bsg外のレベル監視帯域Bml,Bmhを設定し、これらのレベル監視帯域Bml,Bmhにおける各波形のスペクトルレベルをもとにレベル調整を行うことで、信号成分(周波数fc,fd,fe)への影響を考慮することなく、的確にスペクトルレベルを調整することができる。レベル監視帯域Bml,Bmhにおける周波数毎のスペクトルレベルを各波形について夫々積算し、レベル調整にこの合計値を採用したことで、レベル調整がより的確となる。
図7は、本発明の他の実施形態に係る列車制御装置に備わる雑音低減回路24の構成を示している。
図2に示す例では、レベル調整後の無信号波形の周波数スペクトルを有信号波形の周波数スペクトルから減算し、減算後の有信号波形の周波数スペクトルを時間軸波形に逆変換することで、雑音成分を低減した有信号波形を取得することとした。
これに対し、本実施形態では、列車制御信号の受信波形Wから取り出した有信号波形を遅延回路258に入力する一方、周波数変換後の有信号波形及び無信号波形をレベル調整回路252に入力する。レベル調整回路252の構成及び動作は、先の例におけると同様である。ここで、本実施形態では、レベル調整後の無信号波形の周波数スペクトルを逆変換回路256に入力し、時間軸波形に逆変換する。そして、逆変換後の無信号波形を、遅延回路258を介した有信号波形から減算して、雑音成分を低減した有信号波形を取得する。
本実施形態では、レベル調整回路252、減算回路254、逆変換回路256及び遅延回路258が「雑音低減部」を構成する。それ以外の要素に関する対応関係は、先の例におけると同様である。
12…搬送波生成回路、14…変調回路、16…休止期間設定回路、162…タイマー、164…入力切換回路、18…増幅回路、20…接続回路、22…受電回路、24…雑音低減回路、242…バンドパスフィルタ、244…無信号判定回路、246…出力切換回路、248…第1周波数変換回路、250…第2周波数変換回路、252…レベル調整回路、254…減算回路、256…逆変換回路、258…遅延回路、26…信号抽出回路、28…制御装置、102…レール、f0…搬送波、f1…変調波、f2…振幅変調波、S…列車制御信号、W…列車制御信号の受信波形、A…振幅変調波のフレーム部、B…振幅変調波のスペース部、DEF…デフォルト信号(無信号)、T1,T2,T3…軌道回路。

Claims (9)

  1. 搬送波を振幅変調した振幅変調波を送信する送信期間と、前記振幅変調波の送信を一時的に休止する送信休止期間と、を伴う列車制御信号を送信する送信装置と、
    前記列車制御信号を受信する受信装置と、
    を含んで構成され、
    前記受信装置は、
    前記列車制御信号の受信波形から前記送信期間の有信号波形と、前記送信休止期間の無信号波形と、を取り出す波形取出部と、
    前記無信号波形をもとに、前記有信号波形に内在する雑音成分を低減する雑音低減部と、を含んで構成される、
    列車制御装置。
  2. 前記有信号波形を周波数変換する第1波形変換部と、
    前記無信号波形を周波数変換する第2波形変換部と、
    を更に含んで構成され、
    前記雑音低減部は、前記有信号波形の周波数スペクトル及び前記無信号波形の周波数スペクトルをもとに、前記雑音成分を低減する、
    請求項1に記載の列車制御装置。
  3. 前記雑音低減部は、周波数変換後の無信号波形に関してそのスペクトルレベルを前記有信号波形のスペクトルレベルに近付けるように調整し、調整後の無信号波形の周波数スペクトルを前記有信号波形の周波数スペクトルから減算して、前記雑音成分を低減する、請求項2に記載の列車制御装置。
  4. 前記雑音低減部は、周波数変換後の無信号波形に関してそのスペクトルレベルを前記有信号波形のスペクトルレベルに近付けるように調整した後、調整後の無信号波形の周波数スペクトルを時間軸波形に逆変換し、更に逆変換後の無信号波形を前記有信号波形から減算して、前記雑音成分を低減する、請求項2に記載の列車制御装置。
  5. 前記雑音低減部は、信号周波数帯域外のレベル監視帯域を設定し、前記レベル監視帯域における各波形のスペクトルレベルをもとに、前記無信号波形のスペクトルレベルを調整する、請求項3又は4に記載の列車制御装置。
  6. 前記雑音低減部は、前記レベル監視帯域における周波数毎のスペクトルレベルを前記有信号波形及び前記無信号波形の双方について夫々加算し、各波形の間でこの合計値が一致するように、前記無信号波形のスペクトルレベルを調整する、請求項5に記載の列車制御装置。
  7. 前記受信装置において前記第1及び第2波形取出部の前段に配置された、前記列車制御信号の信号周波数帯域を通過帯域とするバンドパスフィルタを更に含んで構成される、請求項1〜6のいずれか1つに記載の列車制御装置。
  8. 前記振幅変調波の変調周波数に従って列車の挙動を制御する挙動制御部を更に含んで構成される、請求項1〜7のいずれか1つに記載の列車制御装置。
  9. 制御情報を振幅変調波によって送受する遠隔制御システムにおいて、前記振幅変調波の受信波形に重畳する雑音成分を低減する方法であって、
    受信装置に対する前記振幅変調波の入力を一時的に停止するデフォルト入力期間を設定し、
    前記デフォルト入力期間に対応して前記受信装置が生成した波形を無信号波形として取り出し、
    前記無信号波形をもとに、前記重畳する雑音成分を低減する、
    雑音低減方法。
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