JP2019117403A - 露光装置、並びにディスプレイ及びデバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
第5の態様によれば、露光光でマスクのパターン及び少なくとも一つの投影光学系を介して基板の複数の露光領域を露光しつつ、そのマスク及びその基板をその少なくとも一つの投影光学系に対して同期して走査する露光装置において、その複数の露光領域は、その複数の露光領域の間に継ぎ部が設けられるように配置されるとともに、その基板をその投影光学系に対して走査方向に走査する基板ステージと、その露光領域のその走査方向の幅を制御する露光領域制御機構と、その基板の走査露光中に、その基板ステージを介してその基板のその走査方向の速度を変化させるとともに、その基板の走査方向の速度に応じて、その露光領域制御機構を介してその露光領域の走査方向の幅を制御する制御部と、を備える露光装置が提供される。
応する方向に走査可能であるとともに、そのマスクをその非走査方向に対応する方向に移動可能なマスクステージと、その基板ステージ及びそのマスクステージの動作を制御する制御部と、を備え、その制御部は、その基板の第1の層の走査露光中におけるその複数の露光領域の間の継ぎ部のその基板の走査方向に直交する非走査方向の位置に対して、その基板の第1の層と異なる第2の層の走査露光中におけるその継ぎ部のその非走査方向の位置を変化させるために、その基板の第1の層の走査露光中におけるそのマスク及びその基板のその投影光学系に対するその非走査方向の第1の相対位置に対して、その基板の第2の層の走査露光中におけるそのマスク及びその基板のその投影光学系に対するその非走査方向の第2の相対位置を、その基板ステージ及びそのマスクステージを介して変化させる露光装置が提供される。
第9の態様によれば、本発明の態様の露光方法又は露光装置を用いて基板(物体)を露光することと、露光されたその基板(物体)を現像することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
また、本発明の第2若しくは第3の態様、又は第4、第6若しくは第7の態様によれば、継ぎ部の非走査方向の位置を変化させることができるため、複数の露光領域を用いて例えば基板の複数の層(レイヤ)の走査露光を行う場合に、継ぎ部の露光量むらの影響を低減できる。
本発明の第1の実施形態につき図1〜図8(C)を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る露光装置EXの概略構成を示す。露光装置EXは、フォトレジスト(感光材料)が塗布された矩形の平板ガラスよりなるプレートP(感光性基板)にマスクMのパターンの像を露光する走査露光方式のパネル露光装置である。露光装置EXで露光されたプレートPは、一例として、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等の表示装置の表示部であるパネルを製造するために使用される。露光装置EXは、それぞれマスクMのパターンの像をプレートPの表面に投影する複数(本実施形態では一例として7つ)の部分投影光学系PLA,PLB,PLC,PLD,PLE,PLF,PLG(図3(B)参照)を有するマルチレンズ型の投影システムPS(投影光学系)を備えている。以下、投影システムPSに対して合焦されているときのプレートPの表面に垂直にZ軸を取り、その表面に平行な平面内で走査露光時のマスクM及びプレートPの走査方向に沿ってX軸を、X軸に直交する方向(非走査方向)に沿ってY軸を取って説明する。
示)を介して集光光学系11に入射する。集光光学系11を通過した照明光ELは、分岐光学系13の入射端12に入射し、部分投影光学系PLA〜PLGと同じ個数の分岐光学系13の射出端14A〜14Gから射出された照明光ELは、それぞれ対応する部分照明系ILA〜ILGを介して台形状の照明領域IRA〜IRGを照明する。なお、本実施形態では、部分投影光学系PLA〜PLGの物体面側の視野は、部分投影光学系PLA〜PLG中の視野絞り35A〜35G(図3(B)参照)によって規定される。このため、照明領域IRA〜IRGとは、視野絞り35A〜35Gの開口35Aa等と光学的に共役な領域を意味しており、部分照明系ILA〜ILGは、それぞれ照明領域IRA〜IRGを含み照明領域IRA〜IRGよりもわずかに広い範囲を照明する。部分照明系ILA〜ILGは、それぞれコリメートレンズ、フライアイインテグレータ(オプティカルインテグレータ)、及びコンデンサーレンズ等を有する。集光光学系11から部分照明系ILA〜ILGまでの光学部材を含んで照明系ISが構成されている。
図3(B)に示すように、部分投影光学系PLA〜PLGは、Y方向に配置された第1列の3個の部分投影光学系PLA,PLB,PLCと、それらに対向するように−X方向に配置されるとともに、Y方向に半周期ずれて配置された第2列の4個の部分投影光学系PLD,PLE,PLF,PLGとに分かれて、光学系フレーム(不図示)に支持されている。また、部分投影光学系PLA〜PLGの中間結像面の近傍に、それぞれ視野絞り35A,35B,35C,35D,35E,35F,35Gが配置され、視野絞り35A〜35Gに設けられたY方向に平行なエッジ部を上辺及び底辺とする台形状の開口35Aa〜35Gaによって、露光領域PRA〜PRGの基本的な形状が規定される。
いるとともに、露光領域PRA〜PRCは、+X方向側を底辺とする台形状である。また、例えば+X方向に向かって全部の露光領域PRA〜PRGを見ると、第1列の露光領域PRA〜PRCの走査方向(X方向)に対して傾斜した2つのエッジ部(以下、傾斜部という)は、それぞれ第2列の露光領域PRD〜PRGの対応する傾斜部と重なっている。なお、図3(C)において、第2列の外側の2つの露光領域PRD,PRGの外側のエッジ部は、例えばマスクMのパターン領域PA(図3(A)参照)を囲む遮光帯、又はプレートPの近傍に配置されて、露光領域PRA〜PRGからY方向の露光可能な範囲を選択するためのX方向に平行な2枚の遮光板(不図示)によって遮光されているため、露光領域PRD,PRGの外側のエッジ部はX軸に平行になっている。
、露光領域PRA〜PRGのスリット幅を最大にするときには、第1のブラインド41Aは第1列の照明領域IRA〜IRCに対して+X方向側に待避し、第2及び第3のブラインド41B,41Cは第1列の照明領域IRA〜IRCと第2列の照明領域IRD〜IRGとの間の領域に待避し、第4のブラインド41Dは第2列の照明領域IRD〜IRGに対して−X方向側に待避している。
ΣE=(D/VP)EP=Ede …(1)
この式(1)からスリット幅Dを求めると、次のようにスリット幅Dは走査速度VPに比例して変化させればよい。
本実施形態では、記憶部29中の露光データファイルに露光量の目標値Edeが記録されている。主制御装置20は、露光時に、例えば光源制御部(不図示)を介して光源10の電力を調節して照明光ELのプレートP上の照度EPを制御し、ステージ駆動系25,26を介してステージ21及び22のX方向の走査速度VPを制御し、所定の時間間隔で、その照度EP及び走査速度VPを用いて式(2)からスリット幅Dを求める。そして、主制御装置20は、その所定の時間間隔でほぼ連続的に、ブラインド制御系27を介して露光領域PRA〜PRGのスリット幅D及びX方向の中心位置を、それぞれ式(2)から求められるスリット幅D及び予め露光方法等に応じて定められている位置に設定する。これによって、走査速度VPが変化してもプレートPの表面の各点の露光量ΣEは目標値Edeに制御される。なお、式(2)中のプレートステージ22の走査速度VPの代わりにマスクステージ21(マスクM)の走査速度VMを使用することもできる。
ト幅Dは0である。
このように、継ぎ部44AaのY方向における継ぎ位置をそのままにして(継ぎ位置を残すようにして)、露光領域PRA〜PRGのスリット幅を狭くすることができる。
さらに、パターン形成領域43Aの次のパターン形成領域に露光する際には、ステージ21,22の移動速度VM,VPは、曲線C1の符号を反転した点線の曲線C2で示すように変化するが、マスクステージ21の移動ストロークはSX1である。
また、図5(A)において、照明領域IRA〜IRGのX方向の幅をLX2、マスクMのパターン領域PAのX方向の長さをLX1とすると、図7(B)に示すように、走査露光終了時には、マスクステージ21はさらに照明領域IRA〜IRGの幅LX2だけ移動している必要があるため、マスクステージ21の移動ストロークSX1はほぼ次のようになる。
これに対して、マスクステージ21の加減速中にはプレートPの露光を行わない露光方法(以下、比較例という)では、走査開始時のマスクステージ21及びマスクMのパターン領域PAの位置は、それぞれ図5(A)に2点鎖線で示すように、本実施形態の露光方法の場合の走査開始位置に対して−X方向に長さLXAの加速区間だけ離れた位置51A及び52Aにある。さらに、その比較例では、走査露光終了時のマスクステージ21及びマスクMのパターン領域PAの位置は、それぞれ図7(B)に2点鎖線で示すように、本実施形態の露光方法の場合の走査終了位置に対して+X方向に長さLXAの減速区間だけ離れた位置51B及び52Bに達している。このため、その比較例におけるマスクステージ21のX方向の移動ストロークSX2は、図8(A)及び次式で示すように、本実施形態の場合の移動ストロークSX1よりも2・LXAだけ長くなる。
式(5)における加減速区間の長さLXAは、式(3)における本実施形態の加減速区間の長さLX3とほぼ同じであるため、本実施形態の露光方法によれば、比較例に比べて、マスクステージ21の移動ストロークSX1をほぼ加減速区間の長さLX3の2倍だけ短縮できる。従って、マスクステージ21が載置される第1ベース部材(不図示)、マスクステージ21をX方向に駆動するリニアモータ等を含む駆動機構、及びレーザ干渉計23A用のY軸の移動鏡23MY(位置計測機構)のX方向の長さもほぼ加減速区間の長さLX3(LXA)の2倍だけ短縮できる。このため、マスクMが大型化してもマスクステージ21用の第1ベース部材、駆動機構、及び位置計測機構の大型化を抑制できる。さらに、マスクステージ21の加減速期間でもプレートPを露光できるため、プレートPの全部のパターン形成領域に対する露光時間を短縮でき、露光工程のスループット(生産性)を大幅に向上できる。
まず、上述の実施形態では、複数の露光領域PRA〜PRG(照明領域IRA〜IRG)が並列に配置されているが、例えば一つの投影光学系の一つの露光領域を用いてマスクのパターンの像をプレートPに露光する場合にも上述の実施形態の露光方法が適用できる。この場合、一例として、プレートPの走査速度に応じてスリット幅が制御されるその露光領域を用いて、プレートP上のX方向に沿って配列された一つの部分パターン形成領域にマスクのパターンの像を走査露光した後、プレートPをY方向にステップ移動する。そして、マスク及びプレートPを逆方向に走査しながら、そのスリット幅が制御される露光領域を用いて、その部分パターン形成領域に継ぎ部(露光領域の傾斜部によって二重露光される部分)を挟んで隣接する部分パターン形成領域にそのマスクのパターンの像を走査露光する。この場合にも、マスクの移動ストロークを短縮でき、露光時間を短縮できる。
図9(A)において、ブラインド機構40Aは、第1列の露光領域PRA〜PRCのスリット幅を制御するために、対応する照明領域IRA〜IRCの遮光量を調節するブラインド41Aと、第2列の露光領域PRD〜PRGのスリット幅を制御するために、対応する照明領域IRD〜IRGの遮光量を調節するブラインド41Cと、ブラインド41A,41CのX方向の位置及び速度を制御する駆動部42Aと、ブラインド41A,41Cの端部を支持するガイド部42Bとを有する。
IRA〜IRC及びIRD〜IRGの遮光幅を広くしていけばよい。その後、照明領域IRA〜IRGに対してマスクM(プレートP)を−X方向に走査してプレートPを露光する際には、加速時にはブラインド41A,41Cを+X方向に移動し、減速時にはブラインド41A,41Cを−X方向に移動すればよい。この変形例によれば、簡単な構成のブラインド機構40Aを用いて、露光領域PRA〜PRGのスリット幅を制御できる。
また、本実施形態では、4個のマスク側のブラインド41A,41B,41C,41Dをそれぞれ一体にして構成したが、各露光領域PRA〜PRGのスリット幅を個別に制御できるように別体に構成することもできる。この場合、例えばブラインド41A,41Bは、3つの露光領域PRA〜PRCに対応させて、それぞれ3個の互いに独立にX方向に駆動可能な3つの可動ブラインドから構成される。
第2の実施形態につき図10〜図12(D)を参照して説明する。本実施形態においても図1の露光装置EXを使用するが、プレートPの異なるレイヤに露光するときに露光領域PRA〜PRGの間の継ぎ部の非走査方向(Y方向)の位置を異ならせる点が異なっている。ただし、本実施形態では、マスク及びプレートの加減速時にはプレートを露光することなく、マスク及びプレートの速度が所定の走査速度に達してからプレートを露光するようにしてもよい。この場合、マスクステージ21及びプレートステージ22の駆動機構及び位置計測機構等のX方向の長さをその加減速に必要な距離だけ長くする必要がある。なお、図11(A)〜図12(D)において図3(A)〜(C)及び図5(A)〜図6(C)に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
Gによる像でプレートPの第1レイヤのパターン形成領域43A(図3(C)参照)及び他のパターン形成領域(不図示)をそれぞれ走査露光する。この走査露光時のマスクM及びプレートPを一定速度で走査しているときの露光領域PRA〜PRGのスリット幅Dは例えば最大値Dmよりも小さいD4であるとする。このときのプレートPの走査速度VPは上述の式(2)を満たす値である。また、この走査露光時のパターン形成領域43Aにおける露光領域PRA〜PRG間の図3(C)に示す継ぎ部44A〜44FのそれぞれのY方向の中心位置(以下、継ぎ位置という)は、例えば露光領域PRA〜PRGのスリット幅Dを最大値にした場合の継ぎ位置YA等と同じである。ただし、本実施形態の露光方法ではスリット幅D4が最大値よりも狭いため、継ぎ部44A〜44FのY方向の幅は、最大値dよりも狭いd2となる。
次のステップ128において、図1のマスクステージ21に第2レイヤ用のマスクM1をロードし、プレートステージ22に第2レイヤ用のフォトレジストが塗布されたプレートPをロードして、マスクM1及びプレートPのアライメントを行う。さらに、図3(A)のブラインド機構40のブラインド41A,41B及び41C,41DのX方向の間隔内にある照明領域IRA〜IRGの有効領域のX方向の中心が、それぞれ照明領域IRA〜IRC及びIRD〜IRGのX方向の中央から+X方向にずれた位置に設定されるように、ブラインド41A〜41Dの位置を設定する。
そして、ステップ134において、図1のマスクステージ21に第3レイヤ用のマスクM2をロードし、プレートステージ22に第3レイヤ用のフォトレジストが塗布されたプレートPをロードして、マスクM2及びプレートPのアライメントを行う。さらに、図3(A)のブラインド機構40のブラインド41A,41B及び41C,41DのX方向の間隔内にある照明領域IRA〜IRGの有効領域のX方向の中心が、それぞれ照明領域IRA〜IRC及びIRD〜IRGのX方向の中央から−X方向にずれた位置に設定されるように、ブラインド41A〜41Dの位置を設定する。
この露光方法によれば、プレートPの第1レイヤの継ぎ部44A〜44Fの継ぎ位置に対して、プレートPの第2レイヤの継ぎ部45A〜45Fの継ぎ位置、及び第3レイヤの継ぎ部46A〜46FのY方向の継ぎ位置は、互いにY方向(非走査方向)に逆方向にずれている。このため、仮に継ぎ部44A〜44F,45A〜45F及び46A〜46Fのわずかな露光量むらによってそれぞれプレートPの第1レイヤ、第2レイヤ、及び第3レイヤの回路パターンの線幅等が部分的にわずかに変化していても、その線幅等が変化している部分はY方向にずれており、その線幅等が変化している部分が強調されることがない。このため、プレートPに形成されるレイヤの数が増加しても、最終的に製造されるディスプレイ装置の画面に現れる微妙な輝度むら等の影響を低減できる。
ける継ぎ部45A〜45Fの継ぎ位置を変化させている。
なお、上述の実施形態においては、レイヤ毎に継ぎ部の継ぎ位置を変えているが、少なくともマスク及びプレートを一定速度で走査しているときには、継ぎ部45A〜45F等の非走査方向(Y方向)の幅は一定である。これに対して、例えばプレートP上に形成すべき回路パターンで必要とされる精度に応じて、継ぎ部の幅を変化させてもよい。これは、例えばプレートP上のレイヤ毎に、又はプレートPのパターン形成領域(電子デバイス)毎に、継ぎ部のY方向の幅を変化させることを意味する。
する。これによって、図12(D)に示すように、マスクM2のパターンの像が露光されるプレートPのパターン形成領域43A内で露光領域PRA〜PRGのスリット幅はD4に設定される。
わせていることによる。同様に、継ぎ部44C2,44F2の継ぎ位置は、図11(D)の継ぎ部46C,46Fの継ぎ位置と同じ方向にずれているが、継ぎ部44D2,44E2の継ぎ位置は、図11(D)の継ぎ部46D,46Eの継ぎ位置と逆の方向にずれている。
なお、この変形例において、図3(B)のシャッタ機構38に、さらに露光領域PRA,PRD,PREの+Y方向の傾斜部、及び露光領域PRC,PRF,PRGの−Y方向の傾斜部のY方向の位置を制御する複数のシャッタ部(不図示)を設けておいてもよい。この場合、図11(A)の第2レイヤ用のマスクM1のパターンをパターン形成領域43Aの第2レイヤに露光するときには、図12(D)の露光領域PRAの−Y方向の傾斜部等に合わせて、露光領域PRDの+Y方向の傾斜部等の位置を制御すればよい。
また、図13(A)に示すように、第1レイヤの露光時の図3(A)のマスクM及びパターン領域PAがそれぞれ2点鎖線で示す位置47A及び47Bにあり、パターン領域PAの+Y方向のエッジ部が照明領域IRGの+Y方向の傾斜部の−Y方向の端部に近接した位置にあったものとする。この場合、マスクM1のパターンの露光時には、走査露光開始前にマスクステージ21をY方向に駆動して、照明領域IRA〜IRGに対するマスクM1及びこのパターン領域PA1のY方向の位置(相対位置)を、それぞれ位置47A及び47Bに対して−Y方向にΔY1だけシフトさせておく。そのシフト量ΔY1は、上述の遮光帯中の照明領域IRD,IRGのY方向に平行な部分の幅ΔY2より小さく設定される。
パターン形成領域43A(プレートP)のY方向の位置(相対位置)をシフトすることを意味する。そして、走査露光後には、図13(B)のパターン形成領域43A内の露光領域PRA〜PRGの間に継ぎ部44A〜44Fが形成される。この場合、パターン形成領域43Aは位置47CからΔY1だけY方向にシフトしているため、継ぎ部44A及び44Bの継ぎ位置の、パターン形成領域43Aの−Y方向の端部からの距離はそれぞれ(YA+ΔY1)及び(YA+d/2+ΔY1)となる。これらの距離は、図3(C)の第1レイヤでの距離に対してΔY1だけシフトしている。同様に他の継ぎ部44C〜44Fの継ぎ位置も第1レイヤにおける距離に対してΔY1だけシフトしている。このため、継ぎ部44A〜44Fの露光量むらの影響を低減できる。さらに、プレートPはマスクM1と同じ量だけY方向にシフトしているため、マスクM1のパターンの像は、プレートPの第1レイヤの回路パターンに対して高精度に重ね合わせて露光される。
なお、この変形例では、部分投影光学系PLA〜PLGが等倍の正立正像を形成するために、マスクM1及びプレートPのY方向のシフト量は等しく設定されている。しかしながら、投影光学系の非走査方向の倍率がβ(βは1又は1以外の任意の正又は負の実数)であるとすると、マスクM1のY方向のシフト量がΔYM1であるとき、プレートPのY方向のシフト量ΔYP1は、次のようにマスクM1のシフト量のβ倍に設定される。
これによって、第1レイヤの回路パターンに対して第2レイヤのパターンの像が高精度に重ね合わされて露光される。
また、上述の各実施形態では、マルチレンズ型で等倍の投影システムPSが使用されているが、投影システムPSとして単一の投影光学系を使用する場合にも本発明が適用できる。さらに、投影光学系の投影倍率が拡大又は縮小の場合にも本発明が適用できる。
また、上述の第2の実施形態では、プレートのレイヤによって継ぎ部の継ぎ位置を変更しているが、例えば1枚のプレートの一つのパターン形成領域から多数の小型の表示素子(例えば携帯電話用の表示素子)を製造するような場合には、Y方向(非走査方向)に隣接する2つの表示素子の境界部にその継ぎ位置を設定してもよい。
図14のステップS401(パターン形成工程)では、先ず、露光対象の基板上にフォトレジストを塗布して感光基板(プレートP)を準備する塗布工程、上記の露光装置を用いてパネル用のマスク(例えばマスクMを含む)のパターンをその感光基板上の複数のパターン形成領域に露光する露光工程、及びその感光基板を現像する現像工程が実行される
。この塗布工程、露光工程、及び現像工程を含むリソグラフィ工程によって、その基板上に所定のレジストパターンが形成される。このリソグラフィ工程に続いて、そのレジストパターンをマスクとしたエッチング工程、及びレジスト剥離工程等を経て、その基板上に所定パターンが形成される。そのリソグラフィ工程等は、その基板上のレイヤ数に応じて複数回実行される。
上述の電子デバイスの製造方法によれば、上記の実施形態の露光装置又は露光方法を用いてマスクのパターンを基板に転写する工程(ステップS401の一部)と、この工程によりそのパターンが転写された基板をそのパターンに基づいて加工(現像、エッチング等)する工程(ステップS401の他の部分)とを含んでいる。
なお、上述の電子デバイスの製造方法は、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイ、又はプラズマディスプレイ等の他のディスプレイ用のパネル等を製造する場合にも適用できる。
1.露光光でマスクのパターン及び少なくとも一つの投影光学系を介して基板の複数の露光領域を露光しつつ、前記マスク及び前記基板を前記少なくとも一つの投影光学系に対して同期して走査する露光方法において、
前記基板の第1の層の走査露光中における複数の前記露光領域の間の継ぎ部の前記基板の走査方向に直交する非走査方向の位置に対して、
前記基板の前記第1の層と異なる第2の層の走査露光中における前記継ぎ部の前記非走査方向の位置を変化させることを特徴とする露光方法。
2.複数の前記露光領域はそれぞれ少なくとも一方の前記非走査方向のエッジ部が前記走査方向に対して傾斜しており、
前記継ぎ部の前記非走査方向の位置を変化させるために、複数の前記露光領域の前記走査方向の幅、及び複数の前記露光領域の少なくとも一つの露光領域の前記エッジ部の前記非走査方向の位置の少なくとも一方を制御することを特徴とする1に記載の露光方法。
3.前記投影光学系は、前記非走査方向に沿ってそれぞれ配列されるとともに、前記走査方向に離れて配置された第1列及び第2列の投影光学系を有し、
前記第1列及び第2列の投影光学系のそれぞれの前記露光領域の前記走査方向の幅を制御するために、
前記非走査方向に沿って配置された第1の遮光部材の前記走査方向の位置を制御して、前記第1列の投影光学系の前記露光領域の前記走査方向の端部の前記第1の遮光部材による遮光幅を制御し、
前記走査方向に沿って前記第1の遮光部材と重ならないように、かつ前記非走査方向に沿って配置された第2の遮光部材の前記走査方向に位置を制御して、前記第2列の投影光学系の前記露光領域の前記走査方向の端部の前記第2の遮光部材による遮光幅を制御することを特徴とする2に記載の露光方法。
4.前記投影光学系は、前記非走査方向に沿ってそれぞれ配列されるとともに、前記走査方向に離れて配置された第1列及び第2列の投影光学系を有し、
前記第1列及び第2列の投影光学系の前記露光領域のうち少なくとも一つの露光領域の前記エッジ部の前記非走査方向の位置の少なくとも一方を制御するために、
前記エッジ部に沿って配置された第3の遮光部材の前記非走査方向の位置を制御して、前記少なくとも一つの露光領域の前記エッジ部の前記第3の遮光部材による遮光幅を制御することを特徴とする2又は3に記載の露光方法。
5.露光光でマスクのパターン及び少なくとも一つの投影光学系を介して基板の複数の露光領域を露光しつつ、前記マスク及び前記基板を前記少なくとも一つの投影光学系に対して同期して走査する露光方法において、
前記基板の第1の層の走査露光中における複数の前記露光領域の間の継ぎ部の前記基板の走査方向に直交する非走査方向の位置に対して、
前記基板の前記第1の層と異なる第2の層の走査露光中における前記継ぎ部の前記非走査方向の位置を変化させるために、
前記基板の前記第1の層の走査露光中における前記マスク及び前記基板の前記投影光学系に対する前記非走査方向の第1の相対位置に対して、前記基板の前記第2の層の走査露光中における前記マスク及び前記基板の前記投影光学系に対する前記非走査方向の第2の相対位置を変化させることを特徴とする露光方法。
6.前記投影光学系の前記非走査方向の投影倍率をβとしたとき、
前記第1の相対位置に対して、前記第2の相対位置において、前記マスクが前記投影光学系に対して前記非走査方向に距離Lだけずれているときに、
前記第2の相対位置において、前記基板は前記投影光学系に対して前記非走査方向にβ・Lだけずれていることを特徴とする5に記載の露光方法。
7.露光光でマスクのパターン及び少なくとも一つの投影光学系を介して基板の複数の露光領域を露光しつつ、前記マスク及び前記基板を前記少なくとも一つの投影光学系に対して同期して走査する露光装置において、
複数の前記露光領域の間の継ぎ部の前記基板の走査方向に直交する非走査方向の位置を制御する露光領域制御機構と、
前記基板の第1の層の走査露光中における、前記継ぎ部の前記非走査方向の位置に対して、前記基板の前記第1の層と異なる第2の層の走査露光中における、前記継ぎ部の前記非走査方向の位置を変化させるように、前記露光領域制御機構を介して前記継ぎ部の位置を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする露光装置。
8.複数の前記露光領域はそれぞれ少なくとも一方の前記非走査方向のエッジ部が前記走査方向に対して傾斜しており、
前記露光領域制御機構は、
複数の前記露光領域の前記走査方向の幅を制御する第1制御機構、及び
複数の前記露光領域の少なくとも一つの露光領域の前記エッジ部の前記非走査方向の位置を制御する第2制御機構のうち、少なくとも一方を有することを特徴とする7に記載の露光装置。
9.前記投影光学系は、前記非走査方向に沿ってそれぞれ配列されるとともに、前記走査方向に離れて配置された第1列及び第2列の投影光学系を有し、
前記露光領域制御機構の前記第1制御機構は、
前記非走査方向に沿って配置されて、前記走査方向の位置が可変の第1の遮光部材と、
前記走査方向に沿って前記第1の遮光部材と重ならないように、かつ前記非走査方向に沿って配置されて、前記走査方向の位置が可変の第2の遮光部材とを有し、
前記制御部は、
前記第1列及び第2列の投影光学系のそれぞれの前記露光領域の前記走査方向の幅を制御するために、
前記第1の遮光部材の前記走査方向の位置を制御して、前記第1列の投影光学系の前記露光領域の前記走査方向の端部の前記第1の遮光部材による遮光幅を制御し、
前記第2の遮光部材の前記走査方向に位置を制御して、前記第2列の投影光学系の前記露光領域の前記走査方向の端部の前記第2の遮光部材による遮光幅を制御することを特徴とする請求項8に記載の露光装置。
10.前記投影光学系は、前記非走査方向に沿ってそれぞれ配列されるとともに、前記走査方向に離れて配置された第1列及び第2列の投影光学系を有し、
前記露光領域制御機構の前記第2制御機構は、
前記エッジ部に沿って配置されて前記非走査方向の位置が可変の第3の遮光部材を有し、
前記制御部は、
前記第1列及び第2列の投影光学系の前記露光領域のうち少なくとも一つの露光領域の前記エッジ部の前記非走査方向の位置の少なくとも一方を制御するために、
前記第3の遮光部材の前記非走査方向の位置を制御して、前記少なくとも一つの露光領域の前記エッジ部の前記第3の遮光部材による遮光幅を制御することを特徴とする8又は9に記載の露光装置。
11.露光光でマスクのパターン及び少なくとも一つの投影光学系を介して基板の複数の露光領域を露光しつつ、前記マスク及び前記基板を前記少なくとも一つの投影光学系に対して同期して走査する露光装置において、
前記基板を前記投影光学系に対して走査方向に走査可能であるとともに、前記基板を前記走査方向に直交する非走査方向に移動可能な基板ステージと、
前記マスクを前記投影光学系に対して前記走査方向に対応する方向に走査可能であるとともに、前記マスクを前記非走査方向に対応する方向に移動可能なマスクステージと、
前記基板ステージ及び前記マスクステージの動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記基板の第1の層の走査露光中における複数の前記露光領域の間の継ぎ部の前記基板の走査方向に直交する非走査方向の位置に対して、
前記基板の前記第1の層と異なる第2の層の走査露光中における前記継ぎ部の前記非走査方向の位置を変化させるために、
前記基板の前記第1の層の走査露光中における前記マスク及び前記基板の前記投影光学系に対する前記非走査方向の第1の相対位置に対して、前記基板の前記第2の層の走査露光中における前記マスク及び前記基板の前記投影光学系に対する前記非走査方向の第2の相対位置を、前記基板ステージ及び前記マスクステージを介して変化させることを特徴とする露光装置。
12.前記投影光学系の前記非走査方向の投影倍率をβとしたとき、
前記制御部は、
前記第1の相対位置に対して、前記第2の相対位置において、前記マスクステージを介して前記マスクを前記投影光学系に対して前記非走査方向に距離Dだけ変位させたときに、
前記第2の相対位置において、前記基板ステージを介して前記基板を前記投影光学系に対して前記非走査方向にβ・Dだけ変位させることを特徴とする11に記載の露光装置。
13.1〜6のいずれか一項に記載の露光方法を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
を含むデバイス製造方法。
14.7〜12のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板上に感光層のパターンを形成することと、
前記パターンが形成された前記基板を処理することと、
を含むデバイス製造方法。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
Claims (7)
- 所定パターンを有するマスクと物体とを照明光に対して走査方向へ相対移動させ、投影光学系を介して前記所定パターンを前記物体上に走査露光する露光装置において、
マスクを保持する第1移動体と、
前記物体を保持する第2移動体と、
前記第1移動体と前記第2移動体とを、前記物体が走査露光されるように、前記投影光学系に対して、前記走査方向へ相対移動させる駆動系と、を備え、
前記駆動系は、前記マスクとは異なる別のマスクを保持する前記第1移動体と、前記マスクを用いて露光された前記物体を保持する前記第2移動体とを、前記投影光学系に対して、前記走査方向と交差する非走査方向へそれぞれ相対移動させる露光装置。 - 前記駆動系は、前記別のマスクが有する前記所定パターンとは別のパターンが前記物体上に露光されるように、前記非走査方向へ移動された前記第1および第2移動体とを、前記投影光学系に対して、前記走査方向へそれぞれ相対移動させる請求項1に記載の露光装置。
- 前記投影光学系は、前記物体のうち第1領域に前記照明光を投影する第1光学系と、前記走査方向に関して離れた配置され、前記第1領域のうち前記非走査方向の端部側の領域と一部重複する重複領域に前記照明光を投影する第2光学系と、を有し、
前記駆動系は、前記所定パターンが前記物体上に露光される第1走査露光と、前記別のパターンが前記物体上に露光される第2走査露光とで、前記非走査方向に関して、前記物体上の前記重複領域の位置を異ならせるように、前記第1及び第2移動体を前記非走査方向へ移動させる請求項1または2に記載の露光装置。 - 前記投影光学系の投影倍率を変更する倍率変更機構を備え、
前記倍率変更機構は、前記第2走査露光前に、前記投影倍率をβとなるよう変更し、
前記駆動系は、前記第2走査露光を行う前に、前記第1移動体を前記投影光学系に対して前記非走査方向に距離Dだけ相対移動させ、前記第2移動体を前記投影光学系に対して前記非走査方向に距離β・Dだけ相対移動させる請求項3に記載の露光装置。 - 前記物体は、ディスプレイの製造に用いられる基板である請求項1から4のいずれか一項に記載の露光装置。
- 請求項5に記載の露光装置を用いて、前記基板を露光することと、
露光された前記基板を現像することと、を含むディスプレイの製造方法。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の露光装置を用いて、前記物体を露光することと、
露光された前記物体を現像することと、を含むデバイス製造方法。
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