JP2019116925A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構成で動力の急激な変化による歯車部材の打音を抑制できる。【解決手段】減速機1のスプロケット9は、中間軸8と一体で回転するように中間軸8に取付けられたインナーハブ21と、外周部にチェーン11と噛み合う歯36Aを有するアウターハブ22とを備えている。アウターハブ22は、中間軸8の軸線8aの回りに相対回転自在で、かつ、インナーハブ21に対して相対回転自在に設けられており、インナーハブ21は、インナーハブ21からアウターハブ22に向かって突出する複数の板状リブ33Bを有する。アウターハブ22は、中間軸8の回転方向に対して板状リブ33Bに対向する複数の壁状部38を有し、中間軸8の回転方向に対して壁状部38と板状リブ33Bとの間に防振ゴム39が設けられている。【選択図】図6
Description
本発明は、動力伝達装置に関する。
自動車等の車両には、例えば、歯車の噛み合いにより動力を伝達する動力伝達装置が搭載されている。この動力伝達装置は、歯車間の噛み合いによるバックラッシュ(遊び)が存在するので、歯車にトルクが作用していない状態で歯車間において動力を伝達すると、歯と歯が衝突し合って耳障りな歯打ち音が発生することがある。
従来、歯打ち音を防止可能なものとしては、車両の停車中にエンジンの始動や停止を行う際に、モータジェネレータで減速ギヤ機構に所定の押し当てトルクを付加する押し当て制御を実行する車両駆動システムの制御装置が知られている。
この車両駆動システムの制御装置は、減速ギヤ機構のバックラッシュを詰めて歯と歯を押し当てた状態に維持して、減速ギヤ機構の歯打ち音を防止することができる(特許文献1参照)。
このような従来の車両駆動システムの制御装置にあっては、モータジェネレータで減速ギヤ機構に所定の押し当てトルクを付加しているので、電力消費量が大きい上に、モータジェネレータの制御を行う必要があり、歯打ち音を防止するために構成が複雑になる。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、簡素な構成で動力の急激な変化による歯車部材の打音を抑制できる動力伝達装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、動力伝達軸と、前記動力伝達軸と一体で回転するように前記動力伝達軸に取付けられ、動力伝達部材と前記動力伝達軸との間で動力を伝達するように前記動力伝達部材に噛み合う歯車部材とを備えた動力伝達装置であって、前記歯車部材は、前記動力伝達軸と一体で回転するように前記動力伝達軸に取付けられたインナーハブと、外周部に前記動力伝達部材と噛み合う噛み合い部を有するアウターハブとを備えており、前記アウターハブは、前記動力伝達軸の軸線回りに相対回転自在で、かつ、前記インナーハブに対して相対回転自在に設けられており、前記インナーハブは、前記インナーハブから前記アウターハブに向かって突出する複数の突出部を有し、前記アウターハブは、前記動力伝達軸の回転方向に対して前記突出部に対向する複数の壁状部を有し、前記動力伝達軸の回転方向に対して前記突出部と前記壁状部との間に緩衝部材が設けられていることを特徴とする。
このように本発明によれば、簡素な構成で動力の急激な変化による歯車部材の打音を抑制できる。
本発明の一に係る動力伝達装置は、動力伝達軸と、動力伝達軸と一体で回転するように動力伝達軸に取付けられ、動力伝達部材と動力伝達軸との間で動力を伝達するように動力伝達部材に噛み合う歯車部材とを備えた動力伝達装置であって、歯車部材は、動力伝達軸と一体で回転するように動力伝達軸に取付けられたインナーハブと、外周部に動力伝達部材と噛み合う噛み合い部を有するアウターハブとを備えており、アウターハブは、動力伝達軸の軸線回りに相対回転自在で、かつ、インナーハブに対して相対回転自在に設けられており、インナーハブは、インナーハブからアウターハブに向かって突出する複数の突出部を有し、アウターハブは、動力伝達軸の回転方向に対して突出部に対向する複数の壁状部を有し、動力伝達軸の回転方向に対して突出部と壁状部との間に緩衝部材が設けられている。
これにより、簡素な構成で動力の急激な変化による歯車部材の打音を抑制できる。
これにより、簡素な構成で動力の急激な変化による歯車部材の打音を抑制できる。
以下、本発明に係る動力伝達装置の実施例について、図面を用いて説明する。
図1から図14は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を示す図である。図1、図3から図7、図9から図14において上下前後左右方向は、減速機を基準にした上下前後左右方向である。
図1から図14は、本発明の一実施例に係る動力伝達装置を示す図である。図1、図3から図7、図9から図14において上下前後左右方向は、減速機を基準にした上下前後左右方向である。
まず、構成を説明する。図1において、減速機1は、例えば、ハイブリッド車両に搭載されており、モータジェネレータ2(図2参照)とディファレンシャル装置3(図2参照)との間で動力を伝達する。
減速機1は、チェーンケース5を備えており、チェーンケース5は、ディファレンシャル装置3や図示しない変速機構等を収容する図示しない変速機ケースに取付けられている。
減速機1は、チェーンケース5を備えており、チェーンケース5は、ディファレンシャル装置3や図示しない変速機構等を収容する図示しない変速機ケースに取付けられている。
図1、図2において、減速機1は、インプットシャフト6を備えており、インプットシャフト6は、チェーンケース5に回転自在に収容されている。インプットシャフト6は、モータジェネレータ2の図示しない回転軸と同軸になるように回転軸に連結されており、インプットシャフト6の外周部にはスプロケット7が設けられている。
減速機1は、中間軸8を備えており、中間軸8は、軸受15、16(図5参照)によってチェーンケース5に回転自在に支持されている。中間軸8の外周部にはスプロケット7よりも大径で、かつ、スプロケット7よりも歯数が多いスプロケット9と、スプロケット9よりも小径で、かつ、スプロケット9よりも歯数が少ないスプロケット10とが設けられている。本実施例のスプロケット9は、本発明の歯車部材を構成する。
中間軸8のスプロケット9にはチェーン11が巻き掛けられており(図3参照)、チェーン11は、インプットシャフト6のスプロケット7に巻き掛けられている。これにより、スプロケット9とスプロケット7とはチェーン11によって連結される。
減速機1は、アウトプットシャフト12を備えており、アウトプットシャフト12は、チェーンケース5に回転自在に支持されている。アウトプットシャフト12の外周部にはスプロケット13が設けられている。スプロケット13は、スプロケット10よりも大径で、かつ、スプロケット10よりも歯数が多く形成されており、スプロケット13にはチェーン14が巻き掛けられている(図3参照)。
チェーン14は、中間軸8のスプロケット10に巻き掛けられており、スプロケット13とスプロケット10とはチェーン14によって連結されている。
アウトプットシャフト12は、ディファレンシャル装置3の図示しない出力ギヤに連結されている。出力ギヤには図示しない内燃機関の動力が変速機構を介して伝達される。
減速機1において、モータジェネレータ2の力行時に、モータジェネレータ2の回転がインプットシャフト6、チェーン11、中間軸8、チェーン14、アウトプットシャフト12を介してディファレンシャル装置3の出力ギヤに減速して伝達される。
これにより、モータジェネレータ2によってアシストされた内燃機関の動力が、または、モータジェネレータ2の単独の動力が図示しない左右の駆動輪に伝達される。
一方、モータジェネレータ2の回生時(車両の加速時または減速時)にはディファレンシャル装置3の動力が、出力ギヤ、アウトプットシャフト12、チェーン14、中間軸8、チェーン11、インプットシャフト6を介してモータジェネレータ2に伝達される。これにより、モータジェネレータ2によって回生が行われる。
このように本実施例の減速機1は、モータジェネレータ2とディファレンシャル装置3との双方向において動力の伝達を行うことができる。
図4、図5において、スプロケット10は、中間軸8に一体に設けられており、外周部にチェーン14と噛み合う複数の歯10Aが形成されている。
図6において、スプロケット9は、インナーハブ21とアウターハブ22とを備えている。インナーハブ21は、中央にボス部31を備えた円板状のインナーハブ本体32を備えている。ボス部31には中間軸8が挿入される(図4参照)。
ボス部31にはスプライン31Aが形成されている。図5において、中間軸8の外周部にはスプライン8Aが形成されており、スプライン31Aがスプライン8Aに嵌合されることにより、インナーハブ21が中間軸8と一体で回転する。
図6において、インナーハブ本体32は、ボス部31の外周部に形成されたフランジ33を備えており、フランジ33にはアウターハブ22の回転方向において等間隔に4つの切り欠き33Aが形成されている。
本実施例の中間軸8とインナーハブ21とアウターハブ22とは、同軸上に設置されており、中間軸8の回転方向とインナーハブ21の回転方向とアウターハブ22の回転方向とは同一方向である。
フランジ33には4つの板状リブ33Bが設けられている。板状リブ33Bは、中間軸8の回転方向において等間隔に設けられており、フランジ33からアウターハブ22に向かって突出している。本実施例の板状リブ33Bは、本発明の突出部を構成する。
アウターハブ22は、ボス部35と、ボス部35の外周部にボス部35と同軸上に設けられた円筒部36とを有する。円筒部36の外周部にはチェーン11と噛み合う歯36Aが形成されている。本実施例のチェーン11は、本発明の動力伝達部材を構成し、円筒部36の歯36Aは、本発明の噛み合い部を構成する。
図4、図5において、ボス部35には中間軸8が挿入されており、ボス部35の内周部と中間軸8の外周部との間にはニードルベアリング23が設けられている。アウターハブ22は、中間軸8の軸線8a回りに中間軸8に対して相対回転可能で、かつ、インナーハブ21に対して相対回転可能となっており、さらに、中間軸8の軸線方向に移動可能となっている。中間軸8の軸線方向は、中間軸8の軸線8aの方向である。軸線8aの方向を、以下、単に軸線方向という。
アウターハブ22は、インナーハブ21側が開口しており、中間軸8の軸線方向においてインナーハブ21と反対側の端部がリング状の側壁37によって閉止されている(図8、図9参照)。
ボス部35の外周部と円筒部36の内周部とは複数の壁状部38によって連結されておいる(図7参照)。壁状部38は、中間軸8の軸線方向に沿って延びており、中間軸8の回転方向において等間隔に設けられている。
壁状部38は、板状リブ33Bと同じ数だけ設けられており、中間軸8の軸線方向に沿って板状リブ33Bと同じ長さで延び、中間軸8の回転方向に対して板状リブ33Bに対向している。
換言すれば、壁状部38と板状リブ33Bとは、中間軸8の回転方向に重なっている。これにより、中間軸8の回転方向において壁状部38と板状リブ33Bとの間には複数の空間34が形成されている(図7参照)。本実施例の空間34は、8箇所である。
図7において、中間軸8の回転方向に対して板状リブ33Bと壁状部38との間には防振ゴム39が設けられている。図6、図7において、防振ゴム39は、スプロケット9の回転方向に沿って複数個(本実施例では8個)に分割されており、板状リブ33Bと壁状部38との間の空間34に応じた数だけ設けられている。本実施例の防振ゴム39は、本発明の緩衝部材を構成する。
スプロケット9は、チェーン11の動力をアウターハブ22から防振ゴム39を介してインナーハブ21に伝達可能であり、チェーン14の動力をインナーハブ21から防振ゴム39を介してアウターハブ22に伝達可能である。
すなわち、本実施例の減速機1は、チェーン14に噛み合うスプロケット10を有する中間軸8とチェーン11との間で動力を伝達するようにチェーン11に噛み合うスプロケット9を備えており、モータジェネレータ2とディファレンシャル装置3との双方向で動力を伝達可能となっている。
図5において、中間軸8の軸線方向において、フランジ33は、防振ゴム39の軸線方向の一端部39aと対向する対向面33aを有する。中間軸8の軸線方向において、側壁37は、防振ゴム39の軸線方向の他端部39bに対向する対向面37aを有する。
これにより、防振ゴム39は、中間軸8の軸線方向においてフランジ33と側壁37との間に位置するようにしてアウターハブ22に取付けられる。本実施例の対向面33aを有するフランジ33は、本発明の対向部を構成する。
インナーハブ21とアウターハブ22とが相対回転していない状態において、防振ゴム39とフランジ33の対向面33aとの間に所定の長さの隙間Aが形成されている。
軸受15、16は、中間軸8の軸線方向においてアウターハブ22に対向しており、軸受16は、アウターハブ22に対して軸受15およびフランジ33と反対側に設置されている。
インナーハブ21とアウターハブ22とが相対回転していない状態において、アウターハブ22と軸受16との間には隙間Aよりも短い長さの隙間Bが形成されている。
図6、図9において、壁状部38にはストッパ片38aが形成されており、ストッパ片38aは、アウターハブ22の半径方向における壁状部38の幅よりも小さい幅に形成されている。
ストッパ片38aは、中間軸8の軸線方向において円筒部36からインナーハブ本体32に向かって突出し、フランジ33の切り欠き33Aに挿入されている。インナーハブ21の半径方向における切り欠き33Aの幅は、アウターハブ22の半径方向における壁状部38の幅と同程度の幅に形成されている。
図6、図8において、板状リブ33Bの突出方向の先端にはストッパ片33bが形成されており、ストッパ片33bは、インナーハブ21の半径方向における板状リブ33Bの幅よりも小さい幅に形成されている。
図8、図11において、側壁37には板状リブ33Bの設置数と同数(4つ)の開口部37Aが形成されており、開口部37Aにはストッパ片33bが挿入されている。
図10に示すように、インナーハブ21とアウターハブ22とが相対回転していない状態において、ストッパ片38aと切り欠き33Aとの間には、ストッパ片38aを挟んで中間軸8の回転方向の一方の隙間41aと中間軸8の回転方向の他方の隙間41bとが形成されている。
図11に示すように、インナーハブ21とアウターハブ22とが相対回転していない状態において、ストッパ片33bと開口部37Aとの間には、ストッパ片33bを挟んで中間軸8の回転方向の一方の隙間42aと中間軸8の回転方向の他方の隙間42bとが形成されている。
インナーハブ21とアウターハブ22とが相対回転していない状態において、それぞれの隙間41a、41b、42a、42bの長さは、同じである。さらに、インナーハブ21とアウターハブ22とが相対回転していない状態において、それぞれの隙間41a、41b、42a、42bの長さは、隙間Aの長さよりも長い。
スプロケット9は、インナーハブ21に対してアウターハブ22が一方に相対回転するときに、隙間41a、42aの長さに応じた回転角度だけ相対回転し、インナーハブ21に対してアウターハブ22が他方に相対回転するときに、隙間41b、42bの長さに応じた回転角度だけ相対回転する。本実施例の中間軸8およびスプロケット9は、本発明の動力伝達装置を構成する。
次に、作用を説明する。
モータジェネレータ2の力行時において、モータジェネレータ2の動力がインプットシャフト6、チェーン11、中間軸8、チェーン14、アウトプットシャフト12を介してディファレンシャル装置3の出力ギヤに減速して伝達される。
モータジェネレータ2の力行時において、モータジェネレータ2の動力がインプットシャフト6、チェーン11、中間軸8、チェーン14、アウトプットシャフト12を介してディファレンシャル装置3の出力ギヤに減速して伝達される。
このとき、スプロケット9においては、チェーン11からアウターハブ22に動力が伝達され、チェーン11によってアウターハブ22が回転される。このとき、アウターハブ22は、インナーハブ21に対して相対回転し、壁状部38が防振ゴム39を板状リブ33Bに押し付ける。
これにより、防振ゴム39が板状リブ33Bを加圧し、アウターハブ22とインナーハブ21とが一体で回転する。このため、中間軸8にスプライン嵌合されるインナーハブ21が中間軸8と一体で回転し、スプロケット10を介してチェーン11の動力をチェーン14に伝達する。
一方、モータジェネレータ2の回生時において、ディファレンシャル装置3の動力が出力ギヤ、アウトプットシャフト12、チェーン14、中間軸8、チェーン11、インプットシャフト6を介してモータジェネレータ2に伝達される。
このとき、スプロケット9においては、チェーン14の動力がスプロケット10から中間軸8を介してインナーハブ21に伝達され、インナーハブ21が回転される。このとき、インナーハブ21は、アウターハブ22に対して相対回転し、板状リブ33Bが防振ゴム39を壁状部38に押し付ける。
これにより、防振ゴム39が壁状部38を加圧し、インナーハブ21とアウターハブ22とが一体で回転し、チェーン14の動力をチェーン11に伝達する。
本実施例の減速機1によれば、スプロケット9は、中間軸8と一体で回転するように中間軸8に取付けられたインナーハブ21と、外周部にチェーン11と噛み合う歯36Aを有するアウターハブ22とを備えている。
アウターハブ22は、中間軸8の軸線8aの回りに相対回転自在で、かつ、インナーハブ21に対して相対回転自在に設けられており、インナーハブ21は、インナーハブ本体32からアウターハブ22に向かって突出する複数の板状リブ33Bを有する。
これに加えて、アウターハブ22は、中間軸8の回転方向に対して板状リブ33Bに対向する複数の壁状部38を有し、中間軸8の回転方向に対して壁状部38と板状リブ33Bとの間に防振ゴム39が設けられている。
これにより、車両が停止されていてモータジェネレータ2やディファレンシャル装置3から減速機1に動力が伝達されていない無負荷状態から、車両の運転が開始されてモータジェネレータ2やディファレンシャル装置3から減速機1に動力が伝達された場合に、インナーハブ21とアウターハブ22との間で防振ゴム39を介して動力を伝達できる。
このため、インナーハブ21とアウターハブ22とを防振ゴム39を介して接触させることにより、防振ゴム39の圧縮による減衰力を発生させることができ、インナーハブ21とアウターハブ22との相対回転速度を低減できる。
この結果、動力の急激な変化によってインナーハブ21とアウターハブ22とによって生じる衝撃を簡素な構成によって容易に緩和でき、インナーハブ21とアウターハブ22とによって生じる打音を抑制できる。
また、防振ゴム39の弾性変形を利用してインナーハブ21とアウターハブ22との相対回転速度を低減させて、インナーハブ21とアウターハブ22とによって生じる衝撃を緩和できるので、インナーハブ21とアウターハブ22とが磨耗することを防止できる。
さらに、動力の急激な変化によってチェーン14とスプロケット10の歯10Aとが噛み合ったときの衝撃を緩和することができ、チェーン14とスプロケット10の歯10Aとの打音や磨耗を抑制できる。
また、動力の急激な変化によってチェーン11とスプロケット9のアウターハブ22の歯36Aとが噛み合ったときの衝撃を緩和することができ、チェーン11とスプロケット9の歯36Aとの打音や磨耗を抑制できる。
一方、インナーハブ21とアウターハブ22が防振ゴム39を介して相対回転したときには、中間軸8の回転方向において板状リブ33Bと壁状部38との間の長さが短くなり、防振ゴム39が中間軸8の回転方向に圧縮変形する。
防振ゴム39が中間軸8の回転方向に圧縮変形すると、防振ゴム39は、中間軸8の軸線方向に膨張する。
ここで、インナーハブ21とアウターハブ22とが相対回転していない状態における中間軸8の軸線方向の防振ゴム39の長さX1と、インナーハブ21とアウターハブ22とが相対回転して中間軸8の軸線方向に膨張したときの防振ゴム39の長さX2との差分をX3とすると、X3は、防振ゴム39の実質的な膨張分の長さである。
本実施例の減速機1において、アウターハブ22は、中間軸8の軸線方向において防振ゴム39と対向する対向面33aが形成されたフランジ33を有する。さらに、インナーハブ21とアウターハブ22とが相対回転していない状態において、防振ゴム39と対向面33aとの間に所定の長さの隙間Aが形成されている。
これにより、動力の急激な変化により、インナーハブ21とアウターハブ22が相対回転したときに、中間軸8の軸線方向に実質的な膨張分長X3だけ膨張した防振ゴム39を対向面33aに押し付けることができる。
このため、防振ゴム39がアウターハブ22の回転方向に圧縮することによる減衰力に加えて、防振ゴム39を対向面33aに押し付けることにより生じる摩擦力による減衰力を発生させることができる。
本実施例の減速機1は、防振ゴム39とフランジ33の対向面33aとの間に形成された隙間Aは、防振ゴム39の実質的な膨張分の長さX3よりも小さく形成されている。
このため、防振ゴム39が中間軸8の軸線方向に膨張したときに、防振ゴム39を対向面33aに高い接触圧で確実に接触させることができ、摩擦力による減衰力をより効果的に発生させることができる。
この結果、インナーハブ21とアウターハブ22とによって生じる打音をより効果的に抑制できる上に、インナーハブ21とアウターハブ22とが磨耗することをより効果的に抑制できる。
また、本実施例の減速機1によれば、壁状部38にはストッパ片38aが形成されており、ストッパ片38aは、中間軸8の軸線方向において円筒部36からインナーハブ本体32に向かって突出し、フランジ33の切り欠き33Aに挿入されている。
また、板状リブ33Bの突出方向の先端にはストッパ片33bが形成されており、側壁37には板状リブ33Bの設置数と同数の開口部37Aが形成され、開口部37Aにはストッパ片33bが挿入されている。
インナーハブ21とアウターハブ22とが相対回転していない状態において、ストッパ片38aと切り欠き33Aとの間には、ストッパ片38aを挟んで中間軸8の回転方向の一方の隙間41aと中間軸8の回転方向の他方の隙間41bとが形成されている。
インナーハブ21とアウターハブ22とが相対回転していない状態において、ストッパ片33bと開口部37Aとの間には、ストッパ片33bを挟んで中間軸8の回転方向の一方の隙間42aと中間軸8の回転方向の他方の隙間42bとが形成されている。
これに加えて、隙間Aの長さは、隙間41a、41b、42a、42bのそれぞれの長さよりも短く形成されている。
これにより、インナーハブ21とアウターハブ22とが相対回転していない状態から隙間41a、41b、42a、42bの範囲内で相対回転したときに、隙間Aの長さ分だけ防振ゴム39を膨張させることができる(図12参照)。
このため、ストッパ片33bが開口部37Aに接触する前と、ストッパ片38aが切り欠き33Aに接触する前とにおいて防振ゴム39を対向面33aに高い接触圧で接触させることができる。
この結果、ストッパ片33bが開口部37Aに接触して打音が発生することを防止でき、ストッパ片38aが切り欠き33Aに接触して打音が発生することを防止できる。
また、仮に、インナーハブ21とアウターハブ22が隙間41a、41b、42a、42bの長さに応じた回転角度だけ相対回転した場合には、ストッパ片33bを開口部37Aに接触させることができるとともに、ストッパ片38aを切り欠き33Aに接触させることができる。このため、防振ゴム39が過剰に変形することを防止でき、防振ゴム39が早期に劣化することや磨耗することを防止できる。
一方、動力の急激な変化により、防振ゴム39が実質的な膨張分長X3だけ膨張し、防振ゴム39が対向面33aに接触したときには、アウターハブ22が防振ゴム39の反力を受ける。
本実施例の減速機1によれば、インナーハブ21とアウターハブ22とが相対回転していない状態において、アウターハブ22と軸受16との間には隙間Aよりも短い長さの隙間Bが形成されている。
これにより、アウターハブ22が防振ゴム39の反力を受けたときに、アウターハブ22を中間軸8の軸線方向において隙間Bに相当する長さだけ軸受16側に移動させることができる。
このとき、アウターハブ22を軸受16に押し付けることにより生じる摩擦力による減衰力を発生させることができる。したがって、防振ゴム39を対向面33aに押し付けることにより生じる摩擦力による減衰力と、アウターハブ22を軸受16に押し付けることにより生じる摩擦力による減衰力とによってインナーハブ21とアウターハブ22との相対回転速度をより一層低減できる。
この結果、動力の急激な変化によってインナーハブ21とアウターハブ22とによって生じる衝撃をより効果的に緩和でき、インナーハブ21とアウターハブ22とによって生じる打音をより効果的に抑制できる。
ここで、隙間Bは、防振ゴム39の実質的な膨張分長X3から隙間Aを差し引いた分よりも小さく設定されている。すなわち、隙間B<X3−Aに設定されている。
なお、本実施例の減速機1において、板状リブ33Bおよび壁状部38は、中間軸8の軸線方向に同一の幅に形成されているが、これに限定されるものではない。
例えば、図13に示すように、壁状部51に傾斜面51Aを形成してもよい。すなわち、壁状部51は、中間軸8の軸線方向において対向面33aに向かうに従って幅が狭くなるように、中間軸8の回転方向において防振ゴム39と対向する面に傾斜面51Aを有する。
一方、図14に示すように、本発明の突出部を構成する板状リブ52には傾斜面を形成せずに、中間軸8の回転方向において防振ゴム39と対向する面52Aを、中間軸8の軸線8aとほぼ平行にしてもよい。
あるいは、板状リブ52の面52Aを傾斜面として形成してもよい。この場合、中間軸8の軸線8aに対する壁状部51の傾斜面51Aの傾斜角θ1は、中間軸8の軸線8aに対する板状リブ52の面52Aの傾斜角θ2よりも大きくする。ちなみに、図14に示される構造においては、θ2は、およそ零となる。
このようにすれば、インナーハブ21とアウターハブ22とが相対回転して、防振ゴム39が中間軸8の回転方向に圧縮変形したときに、防振ゴム39を壁状部51の傾斜面51Aに沿って、対向面33aに向かって円滑に膨張させる、またはスライドさせることができる。
ここで、軸線方向の他端部39bが側壁37の対向面37aに接触するようにして防振ゴム39が壁状部51と板状リブ33Bとの間に設置されていると、防振ゴム39が中間軸8の回転方向に圧縮変形したときに中間軸8の軸線方向に圧縮され易い。
ところが、軸線方向の他端部39bを側壁37の対向面37aに接触させる構造の場合、防振ゴム39の容積が大きくなる。
これに対して、図14の様に壁状部51に傾斜面51Aを形成し、板状リブ52には傾斜面を形成しないようにする。もしくは中間軸8の軸線8aに対する壁状部51の傾斜面51Aの傾斜角θ1が、中間軸8の軸線8aに対する板状リブ52の面52Aの傾斜角θ2よりも大きくなるようにする。
このようにすれば、防振ゴム39を軸線方向の他端部39bが側壁37の対向面37aから離れた状態で設置しても、対向面33aに向かって円滑に膨張させる、またはスライドさせることができる。よって、防振ゴム39の容積が小さい場合であっても、所望の減衰力を発生させることができる。
したがって、インナーハブ21とアウターハブ22との相対回転速度を早期に低減させて、インナーハブ21とアウターハブ22とによって生じる衝撃を早期に緩和できる。これに加えて、防振ゴム39の容積を小さくできる分だけ、スプロケット9の小型化および軽量化を図ることができる。
また、本実施例の減速機1によれば、防振ゴム39をアウターハブ22側に設けているが、インナーハブ21側に設ける構造としてもよい。この場合に、インナーハブ21を中間軸8の軸線方向に移動自在に設け、アウターハブ22側に防振ゴム39に対向する対向面を有する対向部を設ければよい。
また、アウターハブ22と軸受16の間に所定の隙間Aよりも長さの短い隙間Bを形成しているが、アウターハブ22側に対向面を有する対向部を設けた場合にはインナーハブ21と軸受との間に所定の隙間Aよりも長さの短い隙間Bを形成するように構成すればよい。
また、本実施例の減速機1において、インナーハブ21のインナーハブ本体32とアウターハブ22とを中間軸8の軸線方向に対向させているが、これに限定されるものではない。
例えば、アウターハブの半径方向内方にインナーハブを収容してもよい。この場合には、インナーハブの外周面にインナーハブの外周面からインナーハブの半径方向外方に突出する複数の突出部を設ける。
さらに、アウターハブの内周面に、アウターハブの内周面からアウターハブの半径方向内方に突出し、中間軸8の回転方向に対して壁状部に対向する複数の突出部を設ける。
これに加えて、中間軸8の回転方向に対して突出部と壁状部との間に防振ゴム39を設けることで、スプロケット9を構成すればよい。
また、本実施例の緩衝部材は、ゴム材料から構成されているが、これに限定されるものではなく、緩衝部材としての機能を有する弾性変形自在な材料であれば何でも良い。
また、本実施例の減速機1は、チェーン11、14によって動力の伝達を行っているが、歯車によって動力を伝達する構成であってもよい。この場合には、アウターハブ22の歯36Aが動力伝達部材を構成する歯車に噛み合っていてもよい。
また、本実施例の動力伝達装置は、歯車部材をスプロケット9に適用しているが、スプロケット9に限定されるものではない。さらに、本実施例の動力伝達装置は、減速機1に適用されているが、これに限定されるものではなく、動力を伝達する装置に適用可能である。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
8...中間軸(動力伝達軸)、8a...軸線(動力伝達軸の軸線)、9...スプロケット(歯車部材)、11...チェーン(動力伝達部材)、16...軸受、21...インナーハブ、22...アウターハブ、33...フランジ(対向部)、33B...板状リブ(突出部)、33a...対向面、36A...歯(噛み合い部)、38...壁状部、39...防振ゴム(緩衝部材)、51...壁状部、51A...傾斜面(壁状部の傾斜面)、52...板状リブ(突出部)、52A...傾斜面(突出部の傾斜面)、A...隙間(緩衝部材と対向面との間の隙間)、B...隙間(アウターハブと軸受との間の隙間)
Claims (5)
- 動力伝達軸と、前記動力伝達軸と一体で回転するように前記動力伝達軸に取付けられ、動力伝達部材と前記動力伝達軸との間で動力を伝達するように前記動力伝達部材に噛み合う歯車部材とを備えた動力伝達装置であって、
前記歯車部材は、前記動力伝達軸と一体で回転するように前記動力伝達軸に取付けられたインナーハブと、外周部に前記動力伝達部材と噛み合う噛み合い部を有するアウターハブとを備えており、
前記アウターハブは、前記動力伝達軸の軸線回りに相対回転自在で、かつ、前記インナーハブに対して相対回転自在に設けられており、
前記インナーハブは、前記インナーハブから前記アウターハブに向かって突出する複数の突出部を有し、
前記アウターハブは、前記動力伝達軸の回転方向に対して前記突出部に対向する複数の壁状部を有し、
前記動力伝達軸の回転方向に対して前記突出部と前記壁状部との間に緩衝部材が設けられていることを特徴とする動力伝達装置。 - 前記インナーハブおよび前記アウターハブのいずれか一方は、前記動力伝達軸の軸線方向において前記緩衝部材と対向する対向面が形成された対向部を有し、
前記インナーハブと前記アウターハブとが相対回転していない状態において、前記緩衝部材と前記対向面との間に所定の長さの隙間が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。 - 前記インナーハブおよび前記アウターハブのいずれか他方は、前記動力伝達軸の軸線方向に移動自在に設けられており、
前記動力伝達軸の軸線方向において前記インナーハブおよび前記アウターハブのいずれか他方と対向し、前記動力伝達軸を回転自在に支持する軸受を有し、
前記軸受は、前記インナーハブおよび前記アウターハブのいずれか他方に対して前記対向部と反対側に設置されており、
前記インナーハブと前記アウターハブとが相対回転していない状態において、前記インナーハブおよび前記アウターハブのいずれか他方と前記軸受との間に前記所定の長さの隙間よりも短い長さの隙間が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の動力伝達装置。 - 前記突出部および前記壁状部の少なくとも一方は、前記動力伝達軸の軸線方向において前記対向面に向かうに従って幅が狭くなるように、前記動力伝達軸の回転方向において前記緩衝部材と対向する面に傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の動力伝達装置。
- 前記動力伝達軸の軸線に対する前記突出部および前記壁状部のいずれか一方の傾斜面の傾斜角に対して、前記動力伝達軸の軸線に対する前記突出部および前記壁状部のいずれか他方の傾斜面の傾斜角が大きいことを特徴とする請求項4に記載の動力伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017250626A JP2019116925A (ja) | 2017-12-27 | 2017-12-27 | 動力伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017250626A JP2019116925A (ja) | 2017-12-27 | 2017-12-27 | 動力伝達装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019116925A true JP2019116925A (ja) | 2019-07-18 |
Family
ID=67304347
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017250626A Pending JP2019116925A (ja) | 2017-12-27 | 2017-12-27 | 動力伝達装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2019116925A (ja) |
-
2017
- 2017-12-27 JP JP2017250626A patent/JP2019116925A/ja active Pending
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