JP5949512B2 - 捩り振動減衰装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両等に搭載され、クラッチディスクとハブプレートとの間にアークスプリングが介装された捩り振動減衰装置に関する。
従来の捩り振動減衰装置としては、フライホイールに締結および解放される一対のディスクプレートと、変速機の入力軸に連結されるハブプレートと、ディスクプレートとハブプレートとを回転自在に連結するコイルスプリングとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
コイルスプリングは、ディスクプレートの環状通路状の受容部に支持されており、ディスクプレートとハブプレートとの相対回転によりコイルスプリングが受容部に摩擦接触することがあるため、受容部にはインサートが設けられている。
インサートは、受容部の周面に沿って延在するとともにコイルスプリングの半径方向外方の区域でコイルスプリングを部分的に囲むようになっている。このため、ディスクプレートとハブプレートとが相対回転したときに、遠心力を受けるコイルスプリングがインサートを介して受容部に当接し、コイルスプリングの磨耗が抑制される。
特許第3515580号公報
しかしながら、このような従来の捩り振動減衰装置にあっては、インサートが、コイルスプリングの半径方向外方の区域でコイルスプリングを部分的に囲むだけであるため、外部からディスクプレートの間に異物が侵入した場合に、例えば、異物がコイルスプリングとインサートの間に噛み込まれてコイルスプリングの耐久性が悪化する等のおそれがある。
異物の侵入を防止するためには、一対のディスクプレートを溶接してディスクプレートの隙間を埋めたり、一対のディスクプレートの半径方向外周部の間にゴムシールを介装してディスクプレートの隙間を埋めることが考えられる。ところが、このようにすると、捩り振動減衰装置の重量が増加して捩り振動減衰装置の慣性が増加するとともに、部品点数が増加して捩り振動減衰装置のコストが増大してしまうことになる。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、重量の増加やコストの増加を招来することなく、リーススプリングが収容される空間に異物が侵入するのを防止することができる捩り振動減衰装置を提供することを目的とする。
本発明に係る捩り振動減衰装置は、上記目的を達成するため、(1)駆動源から動力が伝達されるとともに、互いに連結される一対のディスクプレートと、前記一対のディスクプレートに設けられ、前記ディスクプレートの回転軸方向に対向して前記ディスクプレートの円周方向に延在するガイド部と、前記一対のディスクプレートの間に設けられ、前記ディスクプレートの回転軸方向において前記ガイド部に対応する位置に切欠き部が形成されたハブプレートと、前記ガイド部と前記切欠き部の円周方向一端部とに第1の支持部材を介して支持されるとともに、前記ガイド部と前記切欠き部の円周方向他端部とに第2の支持部材を介して支持され、前記ディスクプレートの円周方向に沿って湾曲するアークスプリングとを備えた捩り振動減衰装置であって、前記アークスプリング、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材を取り囲むようにして前記ガイド部に取付けられた中空の樹脂部材を有し、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材の外周部と前記ハブプレートの回転軸方向両面とに前記樹脂部材の内周部を密着させることにより、前記樹脂部材の内部の空間を密閉したものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、アークスプリング、第1の支持部材および第2の支持部材を取り囲むようにしてガイド部に中空の樹脂部材が設けられるので、第1の支持部材および第2の支持部材を樹脂部材に沿って円周方向に移動させることができ、第1の支持部材および第2の支持部材の摺動抵抗を低減することができる。
また、捩り振動減衰装置は、第1の支持部材および第2の支持部材の外周部とハブプレートの回転軸方向両面とに樹脂部材の内周部を密着させることにより、樹脂部材の内部の空間が密閉されるので、一対のディスクプレートの間から樹脂部材の内部の空間に異物が侵入するのを防止することができる。
このため、第1の支持部材および第2の支持部材と樹脂部材との間に異物が噛み込まれたり、アークスプリングが異物を噛み込むのを防止することができ、第1の支持部材、第2の支持部材およびアークスプリングの耐久性が悪化すること等を防止することができる。
このように溶接やシール部材を用いずに第1の支持部材、第2の支持部材、ハブプレートおよび樹脂部材を利用して樹脂部材の内部の空間に異物が侵入するのを防止することができるため、捩り振動減衰装置の重量が増加して捩り振動減衰装置の慣性が増加するのを防止することができる。
これに加えて、捩り振動減衰装置の部品点数が増加するのを防止して捩り振動減衰装置の製造コストが増大してしまうのを防止することができる。
上記(1)に記載の捩り振動減衰装置において、(2)前記樹脂部材は、前記ディスクプレートの円周方向に沿って延在するスリットを有し、前記ガイド部に装着されて前記第1の支持部材、前記第2の支持部材および前記アークスプリングを取り囲む中空筒状部と、前記スリットの周縁から前記ディスクプレートの半径方向内方に延出する延出部とを含んで構成され、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材の外周部が前記中空筒状部の内周部に密着し、前記延出部が前記ハブプレートの回転軸方向両面に密着するものから構成されている。
この捩り振動減衰装置の樹脂部材は、中空筒状部のスリットの周縁からディスクプレートの半径方向内方に延出する延出部を有し、延出部が、ハブプレートの回転軸方向両面に密着しているので、ハブプレートが中空筒状部のスリットに沿ってディスクプレートの円周方向に移動自在となる。このため、ディスクプレートに対してハブプレートを正側および正側と反対側の負側に回転させることができ、アークスプリングを弾性変形させて振動を減衰することができる。
上記(1)または(2)に記載の捩り振動減衰装置において、(3)前記ガイド部が、前記一対のディスクプレートから回転軸方向外方に窪んだ凹部から構成され、前記樹脂部材が前記凹部に嵌合されるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置のガイド部は、一対のディスクプレートから回転軸方向外方に窪んだ凹部から構成され、樹脂部材が凹部に嵌合されるので、樹脂部材を一対のディスクプレートの凹部で挟持してディスクプレートに装着することができる。
上記(1)〜(3)に記載の捩り振動減衰装置において、(4)前記樹脂部材の内周部の摩擦係数が、前記ガイド部の摩擦係数よりも低く構成されている。
この捩り振動減衰装置の樹脂部材の内周部の摩擦係数が、ガイド部の摩擦係数よりも低いので、第1の支持部材および第2の支持部材がガイド部に沿ってディスクプレートの円周方向に移動したときに、第1の支持部材および第2の支持部材の摺動抵抗を確実に低減することができる。
本発明によれば、重量の増加やコストの増加を招来することなく、リーススプリングが収容される空間に異物が侵入するのを防止することができる捩り振動減衰装置を提供することができる。
本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、図1のA−A方向矢視断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、アークスプリング部分の捩り振動減衰装置の要部構成図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、図3のB−B方向矢視断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、図3のC−C方向矢視断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、図3のD−D方向矢視断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、図3のE−E方向矢視断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、ガイド部材の斜視図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、加速時の捩り振動減衰装置の部分的な動作を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、減速時の捩り振動減衰装置の部分的な動作を示す図である。
以下、本発明に係る捩り振動減衰装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図10は、本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
図1、図2において、捩り振動減衰装置10は、ハブプレート11と、ハブプレート11と同軸上に設けられ、ハブプレート11に対して相対回転自在に配設されるディスクプレート12、13と、ハブプレート11とディスクプレート12、13とを円周方向に弾性的に連結する複数のアークスプリング14と、それぞれのアークスプリング14をハブプレート11に支持するスプリングシート15、16とを含んで構成されている。
ここで、ハブプレート11およびディスクプレート12、13は、例えば、金属から構成されている。
ハブプレート11は、ボス17と、ボス17から半径方向外方に設けられた環状プレート18と、環状プレート18に一体的に設けられ、環状プレート18から半径方向外方に突出するハブフランジ19とから構成されており、ボス17の内周部には図示しない駆動伝達系に含まれる変速機の入力軸1がスプライン嵌合されている。
ここで、駆動伝達系は、変速機、ディファレンシャル装置、ドライブシャフト等の捩り振動減衰装置10から駆動輪までのドライブラインを含むものである。
ディスクプレート12、13は、ハブプレート11の回転軸方向両側に配設されており、ディスクプレート12、13は、半径方向外周側でリベット21によって連結されている。
ハブプレート11には3つのスプリング収容孔22が形成されており、このスプリング収容孔22にはアークスプリング14が収容されている。
スプリング収容孔22は、ハブフランジ19と環状プレート18の外周部とによって囲まれる切欠きから構成されており、本発明の切欠き部を構成している。
また、スプリングシート15およびスプリングシート16は、アークスプリング14の円周方向端面をそれぞれスプリング収容孔22の円周方向一端部(以下、単に一端部22aという)および円周方向他端部(以下、単に他端部22bという)を支持するようになっている。ここで、スプリングシート15は、第1の支持部材を構成し、スプリングシート16は、第2の支持部材を構成している。
また、本実施の形態の捩り振動減衰装置10において、円周方向とは、ディスクプレート12、13およびハブプレート11の回転方向と同方向であり、半径方向とは、ディスクプレート12、13およびハブプレート11の放射方向と同方向である。また、回転軸方向とは、ディスクプレート12、13の回転軸方向であり、入力軸1の回転軸と同方向である。
また、アークスプリング14は、外力を加えない自然長状態において、ディスクプレート12、13の円周方向に沿って湾曲するようになっており、湾曲した状態で弾性変形するようになっている。
図3に示すように、スプリングシート15、16は、内周部に座巻が形成されたシート着座面15a、16aおよびシート着座面15a、16aから円周方向に突出する突出部15b、16bを備えている。
シート着座面15a、16aの内周部には座巻が形成されており、この座巻は、アークスプリング14の円周方向両端部の一巻分あるいは二巻分に相当し、この座巻にアークスプリング14の円周方向端部を着座させるようにしている。
そして、スプリングシート15の座巻にはアークスプリング14の延在方向一端部(以下、単に一端部14aという)が係合しており、スプリングシート16の座巻にはアークスプリング14の延在方向他端部(以下、単に、他端部14bという)が係合している。
すなわち、スプリングシート15、16のそれぞれの座巻にはアークスプリング14の一端部14aおよび他端部14bが係合することにより、アークスプリング14の回転が防止されてアークスプリング14がスプリングシート15、16に装着される。
また、スプリング収容孔22の一端部22aおよび他端部22bは、スプリングシート15、16のシート着座面15a、16aの背面15c、16cに係合するようになっている。
このため、本実施の形態のスプリングシート15、16は、アークスプリング14の付勢力を受けてスプリング収容孔22の一端部22aおよび他端部22bに付勢されることにより、ハブプレート11のハブフランジ19に取付けられる。
また、図1〜図7に示すように、ガイド部としての凹部23、24が形成されている。この凹部23、24は、回転軸方向に対向しており、ディスクプレート12、13から回転軸方向外方に窪むとともに、ディスクプレート12、13の円周方向に沿って延在している。また、スプリング収容孔22は、ディスクプレート12、13の回転軸方向において凹部23、24に対応する位置に設けられている。
また、このスプリング収容孔22は、回転軸方向において凹部23、24に対向して設けられている。この凹部23、24にはアークスプリング14およびスプリングシート15、16が収容されている。
スプリングシート15の背面15cは、凹部23、24の円周方向一端部(以下、一端部23a、24aという)に対向しており、スプリングシート16の背面16cは、凹部23、24の円周方向他端部(以下、他端部23b、24bという)に対向している。
すなわち、本実施の形態のスプリングシート15、16は、スプリングシート15の背面15cは、凹部23、24の一端部23a、24aおよびスプリング収容孔22の一端部22aに対向し、スプリングシート16の背面16cは、凹部23、24の他端部23b、24bおよびスプリング収容孔22の他端部22bに対向しており、アークスプリング14は、スプリングシート15、16を介して凹部23、24およびスプリング収容孔22に支持されている。
また、スプリング収容孔22および凹部23、24にはフッ素樹脂等からなるガイド部材25が設けられており、このガイド部材25の摩擦係数は、凹部23、24、すなわち、ディスクプレート12、13の摩擦係数よりも低い。ここで、ガイド部材25は、フッ素樹脂に限定されるものではなく、凹部23、24の内周部の摩擦係数よりも小さい摩擦係数を有する材料であればよい。
このガイド部材25は、アークスプリング14と同一方向に湾曲して構成されており、アークスプリング14およびスプリングシート15、16を取り囲むようにして凹部23、24に嵌合されている。
図4〜図8において、ガイド部材25は、ディスクプレート12、13の円周方向に沿って延在するスリット26aを有し、凹部23、24に嵌合されてアークスプリング14およびスプリングシート15、16を取り囲む中空筒状部26を有している。
また、ガイド部材25は、スリット26aの周縁からディスクプレート12、13の半径方向内方に延出する延出部27a、27bを有し、延出部27a、27bは、回転軸方向に隙間を介して対向している。
このガイド部材25は、スプリングシート15、16の外周部が中空筒状部26の内周部に密着しており、延出部27a、27bが環状プレート18の回転軸方向両面に密着している。
このため、ガイド部材25の中空筒状部26の内部の空間、換言すれば、凹部23、24およびスプリング収容孔22によって囲まれるアークスプリング14が収容される空間は、スプリングシート15、16および環状プレート18によって密閉されている。また、ガイド部材25の中空筒状部26の内周部の摩擦係数は、凹部23、24の摩擦係数よりも小さくなっており、スプリングシート15、16が中空筒状部26に対して円周方向に移動する場合に、摺動抵抗が小さいものとなる。
図1、図2に示すように、ディスクプレート12、13の外周部には環状のクッショニングプレート28の内周部が連結されており、ディスクプレート12、13とクッショニングプレート28は、ディスクプレート12、13を連結するリベット21によって連結されている。
クッショニングプレート28の回転軸方向両側には、リベット30により環状の摩擦材29a、29bが固定されており、この摩擦材29a、29bは、駆動源としての図示しない内燃機関のクランクシャフトに固定された図示しないフライホイールとフライホイールにボルト固定されたクラッチカバーのプレッシャプレートとの間に位置している。
そして、摩擦材29a、29bがプレッシャプレートに押圧されてフライホイールとプレッシャプレートに摩擦接触することで、内燃機関の回転トルクがディスクプレート12、13に入力される。
また、図示しないクラッチペダルが踏み込まれると、プレッシャプレートが摩擦材29a、29bを押圧するのを解除し、摩擦材29a、29bがフライホイールから離隔することで、内燃機関の回転トルクがディスクプレート12、13に入力されない。
また、ディスクプレート12、13に対してハブプレート11が正側(図1のR2方向)および正側と反対方向の負側(図1のR1方向)に相対回転したときには、アークスプリング14が弾性変形、すなわち、圧縮されてスプリングシート15またはスプリングシート16が凹部23、24に沿って円周方向に移動するようになっている。
以下の説明では、ディスクプレート12、13とハブプレート11とが相対回転することを、ディスクプレート12、13とハブプレート11とが捩れると表現する。
このアークスプリング14は、ディスクプレート12、13に対してハブプレート11が正側に捩れた場合およびディスクプレート12、13に対してハブプレート11が負側に捩れた場合に圧縮することにより、ハブプレート11とディスクプレート12、13との間で回転トルクを伝達するようになっている。
ここで、ディスクプレート12、13に対してハブプレート11が正側に捩れるのは、車両の加速時であり、ディスクプレート12、13に対してハブプレート11が負側に捩れるのは、エンジンブレーキが発生する減速時である。
図2において、ボス17の外周部であって、環状プレート18とディスクプレート13との間には環状のガイド部材31が設けられている。また、環状プレート18とディスクプレート13との間には環状の摩擦材32a、32bおよび環状の皿ばね33が設けられている。
摩擦材32aは、ハブフランジ19に固定されており、摩擦材32bは、皿ばね33によって環状プレート18の摩擦材32aに所定の摩擦力で摩擦接触している。
これら摩擦材32a、32bおよび皿ばね33は、ハブプレート11とディスクプレート12、13とが捩れたときに、ハブプレート11およびディスクプレート12、13との間にヒステリシストルクを発生させるようになっている。本実施の形態の捩り振動減衰装置10は、摩擦材32a、32bおよび皿ばね33がヒステリシス機構を構成している。
次に、作用を説明する。
摩擦材29a、29bがプレッシャプレートに押圧されてフライホイールとプレッシャプレートに摩擦接触すると、内燃機関の回転トルクがディスクプレート12、13に入力され、クッショニングプレート28を介してディスクプレート12、13に回転トルクが伝達される。
車両の加速時に内燃機関の回転変動が大きくなると、ディスクプレート12、13に対してハブプレート11が正側に捩れることにより、アークスプリング14が圧縮してディスクプレート12、13からハブプレート11に回転トルクを伝達する。
ディスクプレート12、13とハブプレート11の捩れ角が大きくなると、ディスクプレート12、13がR1方向に回転するのに伴って、ディスクプレート12、13に対してハブプレート11がR2方向(正側)に捩れることになる。
このときのディスクプレート12、13とハブプレート11の動作を図9に基づいて説明する。但し、図9において、ディスクプレート12、13の凹部23、24は、回転軸方向において同一形状であるため、説明を便宜上、ディスクプレート12、13をまとめて説明する。
ディスクプレート12、13がR1方向に回転すると、ディスクプレート12、13の凹部23、24の他端部23b、24bがスプリングシート16をスプリングシート15に向かって押圧する。このとき、スプリングシート16からハブプレート11のスプリング収容孔22の他端部22bが離隔する。
また、ディスクプレート12、13に対してハブプレート11がR2方向(正側)に捩れるのに伴ってスプリング収容孔22の一端部22aがスプリングシート15をスプリングシート16に向かって押圧する。
ディスクプレート12、13に対してハブプレート11がR2方向(正側)に捩れる際には、ハブプレート11の環状プレート18がガイド部材25のスリット26aに沿って円周方向に移動するため、ハブプレート11がガイド部材25に引っ掛かることがなく、ディスクプレート12、13とハブプレート11との相対回転が許容される。
このとき、アークスプリング14は、ディスクプレート12、13の円周方向に沿って圧縮変形するため、アークスプリング14によって内燃機関から駆動伝達系に伝達される振動を減衰することができる。
特に、本実施の形態の捩り振動減衰装置10は、円周方向に沿って湾曲するアークスプリング14を有するので、ディスクプレート12、13とハブプレート11との捩れ角が大きくなった場合に、アークスプリング14のばね剛性を小さくすることができ、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動によって発生するジャラ音を発生することができる。
ジャラ音とは、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動によって変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラジャラという異音のことである。
また、ディスクプレート12とハブプレート11との間に摩擦材32a、32bおよび皿ばね33が介装されるため、ディスクプレート12に対してハブプレート11がR2方向に捩れるときに、皿ばね33の弾性力によってディスクプレート12とハブプレート11との間にヒステリシストルクが発生する。
ここで、内燃機関の回転数が捩り共振点を通過する際に、共振点付近において駆動伝達系の捩り共振により捩り振動が増大することにより、車室内にこもり音が発生する。本実施の形態の捩り振動減衰装置10は、ディスクプレート12、13とハブプレート11との間のヒステリシストルクを発生させることで、駆動伝達系の捩り共振を速やかに減衰して、車両にこもり音が発生するのを抑制することができる。
また、本実施の形態の捩り振動減衰装置10は、円周方向に長尺のアークスプリング14を有しているため、アークスプリング14の圧縮変形量を大きくすることができるため、ディスクプレート12、13とハブプレート11との捩れ角が非常に小さい領域では、アークスプリング14のばね剛性は、非常に小さいものとなる。
このため、アイドル状態でニュートラルに変速したとき等のように内燃機関の変動トルクが小さい領域、すなわち、ハブプレート11とディスクプレート12、13との捩れ角が非常に小さい場合には、アークスプリング14が微小に変形する。
したがって、アイドル状態では、微小に変形するアークスプリング14によって振動を減衰することができ、無負荷状態にある変速機の歯車対からガラガラという歯打ち音、所謂、ガラ音が発生するのを抑制することができる。
一方、車両の減速時には、内燃機関の回転トルクが小さくなり、エンジンブレーキが発生するため、変速機の入力軸1からハブプレート11に回転トルクが入力される。
減速時に内燃機関の回転変動が大きくなると、ディスクプレート12、13とハブプレート11との捩れ角が大きくなり、ディスクプレート12、13に対してハブプレート11が負側に捩れることにより、アークスプリング14が圧縮してハブプレート11からディスクプレート12、13に回転トルクを伝達する。
ディスクプレート12、13とハブプレート11の捩れ角が大きくなると、ハブプレート11がR1方向に回転するのに伴って、ディスクプレート12、13に対してハブプレート11が中立位置からR1方向(負側)に捩れることになる。
このときのディスクプレート12、13とハブプレート11の動作を図10に基づいて説明する。但し、図10において、ディスクプレート12、13の凹部23、24は、回転軸方向において同一形状であるため、説明を便宜上、ディスクプレート12、13をまとめて説明する。
図10において、ディスクプレート12、13に対してハブプレート11がR1方向(負側)に捩れると、ディスクプレート12、13の凹部23、24の一端部23a、24aがスプリングシート15をスプリングシート16に向かって押圧する。このとき、スプリングシート15からスプリング収容孔22の一端部22aが離隔する。
また、ディスクプレート12、13に対してハブプレート11がR1方向(負側)に捩れるのに伴ってハブプレート11のスプリング収容孔22の他端部22bがスプリングシート16をスプリングシート15に向かって押圧する。
このとき、ハブプレート11の環状プレート18がガイド部材25のスリット26aに沿って円周方向に移動するため、ハブプレート11がガイド部材25に引っ掛かることがなく、ディスクプレート12、13とハブプレート11との相対回転が許容される。
このようにディスクプレート12、13とハブプレート11が捩れることにより、アークスプリング14は、ディスクプレート12、13の円周方向に沿って圧縮変形するため、アークスプリング14によって駆動伝達系から内燃機関に伝達される振動を減衰することができる。
一方、車両の加減速時において、捩り振動減衰装置10がR1方向に回転するときに、捩り振動減衰装置10に発生する遠心力によってスプリングシート15、16が放射方向外方に移動する。ガイド部材25がない場合には、スプリングシート15、16が凹部23、24に接触してスプリングシート15、16が円周方向に移動するときの摺動抵抗が増大してしまい、アークスプリング14のばね剛性が増大してしまう。
本実施の形態の捩り振動減衰装置10は、アークスプリング14およびスプリングシート15、16を取り囲むようにして凹部23、24にフッ素樹脂等からなるガイド部材25が設けられる。
このため、スプリングシート15、16を中空筒状部26に沿って円周方向に移動させることができ、スプリングシート15、16の摺動抵抗を低減することができる。
また、本実施の形態の捩り振動減衰装置10は、一対のディスクプレート12、13の間に隙間が画成されているため、この隙間を通してアークスプリング14が収容される空間に異物が侵入するおそれがある。
これに対して、本実施の形態の捩り振動減衰装置10は、スプリングシート15、16の外周部とハブプレート11の環状プレート18の回転軸方向両面とを、ガイド部材25の中空筒状部26の内周部および延出部27a、27bの内周部に密着させることにより、ガイド部材25の内部の空間を密閉している。
このため、ディスクプレート12、13の間からガイド部材25の内部の空間に異物が侵入するのを防止することができる。したがって、スプリングシート15、16とガイド部材25との間に異物が噛み込まれたり、アークスプリング14が異物を噛み込むのを防止することができ、スプリングシート15、16およびアークスプリング14の耐久性が悪化すること等を防止することができる。
このように本実施の形態の捩り振動減衰装置10は、溶接やシール部材を用いずにスプリングシート15、16、ハブプレート11およびガイド部材25を利用してガイド部材25の内部の空間に異物が侵入するのを防止することができるため、捩り振動減衰装置10の重量が増加して捩り振動減衰装置10の慣性が増加するのを防止することができる。
これに加えて、捩り振動減衰装置10の部品点数が増加するのを防止して捩り振動減衰装置10の製造コストが増大してしまうのを防止することができる。
また、本実施の形態のガイド部材25は、中空筒状部26のスリット26aの周縁からディスクプレート12、13の半径方向内方に延出する延出部27a、27bを有し、延出部27a、27bが、ハブプレート11の環状プレート18の回転軸方向両面に密着している。
このため、ハブプレート11を、中空筒状部26のスリット26aに沿ってディスクプレート12、13の円周方向に移動自在とすることができ、ハブプレート11をディスクプレート12、13に対して正側および正側と反対側の負側に回転させることができ、アークスプリング14を弾性変形させて振動を減衰することができる。
また、本実施の形態のディスクプレート12、13は、ディスクプレート12、13から回転軸方向外方に窪んだ凹部23、24を有し、ガイド部材25が凹部23、24に嵌合されるので、ガイド部材25をディスクプレート12、13の凹部23、24で挟持してディスクプレート12、13に装着することができる。
また、本実施の形態のガイド部材25の中空筒状部26の摩擦係数は、凹部23、24の摩擦係数よりも低く構成されるので、スプリングシート15、16が凹部23、24に沿ってディスクプレート12、13の円周方向に移動したときに、スプリングシート15、16の摺動抵抗を確実に低減することができる。
この結果、ハブプレート11とディスクプレート12、13とが捩れたときにアークスプリング14のばね剛性とヒステリシストルクとが高くなるのを防止することができ、振動の減衰性能が悪化するのを防止することができる。
また、本実施の形態の捩り振動減衰装置10は、車両の内燃機関と変速機を有する駆動伝達系との間に介装されているが、これに限らず、車両等の駆動伝達系に設けられる捩り振動減衰装置であれば何でもよい。
例えば、ハイブリッド車両にあっては、内燃機関の出力軸と、電動機と車輪側出力軸とに動力を分割する動力分割機構との間に介装されるハイブリッドダンパ等の捩り振動減衰装置に適用してもよい。
また、トルクコンバータのロックアップクラッチ装置と変速歯車組の間に介装されるロックアップダンパ等の捩り振動減衰装置に適用してもよい。また、ディファレンシャルケースとディファレンシャルケースの外周部に設けられたリングギヤとの間に捩り振動減衰装置を設けてもよい。
また、本実施の形態の捩り振動減衰装置10は、円周方向に離隔する3本のアークスプリング14を有するが、アークスプリング14は、円周方向に1本、2本、または4本以上設けられてもよい。
以上のように、本発明に係る捩り振動減衰装置は、重量の増加やコストの増加を招来することなく、リーススプリングが収容される空間に異物が侵入するのを防止することができるという効果を有し、車両等に搭載され、クラッチディスクとハブプレートとの間にアークスプリングが介装された捩り振動減衰装置等として有用である。
10…捩り振動減衰装置、11…ハブプレート、12,13…ディスクプレート、14…アークスプリング、15…スプリングシート(第1の支持部材)、16…スプリングシート(第2の支持部材)、22…スプリング収容孔(切欠き部)、22a…一端部(切欠き部の円周方向一端部)、22b…他端部(切欠き部の円周方向他端部)、23,24…凹部(ガイド部)、25…ガイド部材(樹脂部材)、26…中空筒状部、26a…スリット、27a,27b…延出部

Claims (4)

  1. 駆動源から動力が伝達されるとともに、互いに連結される一対のディスクプレートと、
    前記一対のディスクプレートに設けられ、前記ディスクプレートの回転軸方向に対向して前記ディスクプレートの円周方向に延在するガイド部と、
    前記一対のディスクプレートの間に設けられ、前記ディスクプレートの回転軸方向において前記ガイド部に対応する位置に切欠き部が形成されたハブプレートと、
    前記ガイド部と前記切欠き部の円周方向一端部とに第1の支持部材を介して支持されるとともに、前記ガイド部と前記切欠き部の円周方向他端部とに第2の支持部材を介して支持され、前記ディスクプレートの円周方向に沿って湾曲するアークスプリングとを備えた捩り振動減衰装置であって、
    前記アークスプリング、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材を取り囲むようにして前記ガイド部に取付けられた中空の樹脂部材を有し、
    前記第1の支持部材および前記第2の支持部材の外周部と前記ハブプレートの回転軸方向両面とに前記樹脂部材の内周部を密着させることにより、前記樹脂部材の内部の空間を密閉したことを特徴とする捩り振動減衰装置。
  2. 前記樹脂部材は、前記ディスクプレートの円周方向に沿って延在するスリットを有し、前記ガイド部に装着されて前記第1の支持部材、前記第2の支持部材および前記アークスプリングを取り囲む中空筒状部と、前記スリットの周縁から前記ディスクプレートの半径方向内方に延出する延出部とを含んで構成され、前記第1の支持部材および前記第2の支持部材の外周部が前記中空筒状部の内周部に密着し、前記延出部が前記ハブプレートの回転軸方向両面に密着することを特徴とする請求項1に記載の捩り振動減衰装置。
  3. 前記ガイド部が、前記一対のディスクプレートから回転軸方向外方に窪んだ凹部から構成され、前記樹脂部材が前記凹部に嵌合されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の捩り振動減衰装置。
  4. 前記樹脂部材の内周部の摩擦係数が、前記ガイド部の摩擦係数よりも低いことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
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