JP2011241918A - 捩り振動減衰装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角の範囲を広角化することができる捩り振動減衰装置を提供すること。
【解決手段】捩り振動減衰装置10を、摩擦材18a、18bを支持する円板部13および円板部13から回転軸L方向に突出する円筒部14を有するカップ部材11と、円板部13に対向して設けられ、放射方向内周部に入力シャフト20を支持するボス19を有する円板部15および円板部15から円板部13に向かって回転軸L方向に突出する円筒部16を有するカップ部材12と、一端部が円筒部14に連結されるとともに、他端部が円筒部16に連結され、カップ部材11、12が相対回転したときに、カップ部材11とカップ部材12との間で回転トルクを伝達するコイルスプリング21、22とを含んで構成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、捩り振動減衰装置に関し、特に、第1の回転部材と第2の回転部材とを弾性部材を介して相対回転自在に連結した捩り振動減衰装置に関する。
従来から内燃機関や電動モータ等の駆動源と車輪等と連結して駆動源からの回転トルクを伝達するとともに、駆動源と変速歯車組を有する駆動系との間の捩り振動を吸収する捩り振動減衰装置が知られている。
この捩り振動減衰装置は、例えば、駆動源側のフライホイールに締結および解放される駆動側回転部材と、変速機の入力シャフトに連結される被駆動側回転部材と、駆動側回転部材および被駆動側回転部材を円周方向に弾性的に連結する弾性部材とから構成されている(例えば、特許文献1参照)。
駆動側回転部材は、クラッチディスクと、クラッチディスクの半径方向内方に設けられた一対のディスクプレートから構成されており、被駆動側回転部材は、変速機の入力シャフトに回転不能にかつ回転軸方向に移動可能に連結され、ディスクプレートの間に設けられたハブから構成されている。
ハブは、入力シャフトにスプライン係合する筒状のボスおよびボスから半径方向外方に広がる円板状のフランジを有している。また、弾性部材は、単独のコイルスプリングから構成されており、コイルスプリングは、フランジに形成された窓孔内に収容されて円周方向両端部を円周方向に支持されているとともに、一対のディスクプレートに形成された窓部によって円周方向に支持されている。
このような構成を有する捩り振動減衰装置にあっては、クラッチディスクおよび一対のディスクプレートとハブとが相対回転すると、コイルスプリングがクラッチディスクおよび一対のディスクプレートとハブとの間で円周方向に圧縮されることにより、駆動側回転部材から被駆動側回転部材に入力される捩り振動をコイルスプリングによって、吸収・減衰するようになっている。
ところで、捩り振動によって発生する変速機側の騒音としては、アイドリング時の異音、走行時の異音およびこもり音が知られている。したがって、各異音の発生原因となる捩り振動を吸収するためには、捩り振動減衰装置の捩れ特性を適切に設定する必要がある。
ここで、アイドル時の異音としては、ニュートラルに変速したアイドル時に、駆動源のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動によって、無負荷状態にある歯車対が衝突して生じるガラガラという異音、所謂、ガラ音が知られている。
また、走行時の異音としては、車両の加減速中に、駆動源のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動や、駆動系の捩り共振によって変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラジャラという異音、所謂、ジャラ音が知られている。
また、こもり音としては、駆動源のトルク変動を起振力とする駆動系の捩り共振による振動によって車室内に発生する異音が知られており、駆動系の捩り共振は、通常、定常走行時(例えば、内燃機関の回転数が2500rpm付近)に存在するため、定常走行時にこもり音が発生する。
従来、捩れ特性を適切に設定した捩り振動減衰装置としては、例えば、特許文献2に記載されたようなものが知られている。
この捩り振動減衰装置は、被駆動側回転部材を構成する筒状のボスと、ボスから半径方向外方に広がる円板状のフランジとを二分割し、ボスの外周部とフランジの内周部にボスとフランジとの捩り振動を吸収するバネ定数の小さい小コイルスプリングを介装するようにしている。
また、一対のディスクプレートには第1の窓部と第2の窓部とが設けられており、この第1の窓部および第2の窓部は、ディスクプレートの円周方向に離隔している。
また、フランジは、第1の窓部と第2の窓部とにそれぞれ対応する第1の窓孔と第2の窓孔とが設けられており、第1の窓部と第1の窓孔内に小コイルスプリングよりもバネ定数が大きい第1のコイルスプリングと第1のシート部材とが設けられている。
また、第2の窓部と第2の窓孔内には小コイルスプリングよりもバネ定数が大きい第2のコイルスプリングと第2のシート部材とが設けられている。
また、第1シート部材は、第1の窓孔から円周方向に隙間が設けられており、第1コイルスプリングは、捩れ特性において第2コイルスプリングが圧縮される領域の捩れ角度の小さな領域では圧縮されず、捩れ角度の大きな領域で圧縮されるようになっている。
具体的には、アイドル状態でニュートラルに変速したとき等のようにクラッチディスクとハブとの捩れ角が小さい領域にあっては、小コイルスプリングのみを圧縮させることにより、捩れ角の小さな領域を低剛性にしてガラ音の発生を抑制する。
また、捩れ角が大きい領域では、第2のコイルスプリングのみを圧縮させることで、トルクが緩やかに上昇する中剛性の捩れ特性を得ることにより、こもり音を抑制することができる。
また、捩れ角がさらに大きくなり、捩れ角が所定の位置になると、第1のコイルスプリングと第2コイルスプリングとを並列に圧縮することで、トルクの上昇率が大きくなる高剛性の捩れ特性を得ることにより、ジャラ音を抑制するようにしている。すなわち、多段の捩れ特性を得ることができる。
特開2003−194095号公報 特開2001−304341号公報
しかしながら、特許文献2に示す捩り振動減衰装置にあっては、小コイルスプリングの変形によってアイドル時のガラ音を抑制することができるが、トルク変動を吸収するための第1、2のコイルスプリングが筒状のボスに対して放射方向外方に設けられているため、第1のコイルスプリングおよび第2のコイルスプリングの軸長を長くすることができない。
したがって、駆動側回転部材と被駆動側回転部材との捩れ角を広く取ることが構成上困難となってしまい、走行時のジャラ音を充分に抑制することが困難であるという問題があった。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角の範囲を広角化することができる捩り振動減衰装置を提供することを目的とする。
本発明に係る捩り振動減衰装置は、上記目的を達成するため、(1)動力伝達手段を支持する第1の回転部材と、前記第1の回転部材に対向して設けられ、放射方向内周部に回転軸部材を支持する支持部を有する第2の回転部材と、前記第1の回転部材から前記回転軸部材の回転軸方向に突出する第1の突出部材と、前記第2の回転部材から前記第1の突出部材の外周部または内周部に対向するように前記回転軸方向に突出する第2の突出部材と、一端部が前記第1の突出部材に連結されるとともに、他端部が前記第2の突出部材に連結され、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材が相対回転したときに、前記第1の突出部材と前記第2の突出部材との間で回転トルクを伝達する弾性部材とを備えたものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、第1の回転部材から回転軸部材の回転軸方向に突出する第1の突出部材と、放射方向内周部に回転軸部材を支持する支持部を有する第2の回転部材から第1の突出部材の外周部または内周部に対向するように回転軸方向に突出する第2の突出部材とを有し、弾性部材を第1の突出部材と第2の突出部材との間に設けたので、従来のように弾性部材の設置スペースが支持部の放射方向外方のみに限定されることがなく、回転軸部材を軸方向に投影した空間内に弾性部材の一部を設置することができる。
したがって、弾性部材がレイアウトの制限を受けることがなく、弾性部材の軸長を長くすることができるので、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ特性を低剛性化することができるとともに、弾性部材の変形量(例えば、圧縮量)を増大させて第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角の範囲を広角化することができる。
この結果、捩り振動減衰装置を車両の駆動源と変速歯車組を有する変速機の間に介装した場合に、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角が小さいときには、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ剛性を小さくすることができる。
このため、アイドル状態でニュートラルに変速したとき等のように第1の回転部材から第2の回転部材に伝達される回転トルクが小さい、すなわち、第2の回転部材の出力トルクが小さい領域では、駆動源のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動を減衰して、無負荷状態にある変速機の歯車対からガラ音が発生するのを抑制することができる。
また、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角の範囲を広角化することができるため、第1の回転部材から第2の回転部材に伝達される回転トルクが大きい車両の加減速中には、駆動源のトルク変動による回転変動を起振源とした大きな捩り振動や、駆動系の捩り共振を減衰して、変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラ音や駆動系の捩り共振によるこもり音の発生を抑制することができる。
上記(1)に記載の捩り振動減衰装置において、(2)前記弾性部材は、前記弾性部材は、前記支持部を前記回転軸方向に投影した空間内に前記弾性部材の一部が設置され、前記第1の突出部材および前記第2の突出部材の間に介装されるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、弾性部材の一部が支持部を回転軸方向に投影した空間内に設置されるように弾性部材が第1の突出部材および第2の突出部材の間に介装されるので、弾性部材の設置スペースが支持部の放射方向外方のみに限定されることがなく、弾性部材の軸長を長くすることができる。
このため、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ特性を低剛性化することができるとともに、弾性部材の変形量を増大させて第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角の範囲を広角化することができる。
上記(1)または(2)に記載の捩り振動減衰装置において、(3)前記第1の突出部材および前記第2の突出部材がヒステリシス機構を介して相対回転自在に連結されるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、第1の突出部材および前記第2の突出部材がヒステリシス機構を介して相対回転自在に連結されるので、車両の加減速時に変速機を有する駆動系の捩り共振が発生したときに、第1の回転部材と第2の回転部材のヒステリシストルクを大きくすることができる。このため、駆動系の捩り共振をより一層抑制することができ、こもり音が発生するのをより一層抑制することができる。
上記(1)ないし(3)に記載の捩り振動減衰装置において、(4)前記弾性部材は、一端部が前記第1の突出部材および前記第2の突出部材のいずれか一方に固定され、他端部が前記第1の突出部材および前記第2の突出部材のいずれか他方に摺動自在に連結されるものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、例えば、弾性部材の一端部を第1の突出部材に固定し、弾性部材の他端部を第2の突出部材に摺動自在に連結した場合には、第1の回転部材が回転したときに弾性部材の他端部が第2の突出部材に摩擦接触して弾性部材が圧縮するように変形することにより、第2の突出部材を介して第2の回転部材に回転トルクを伝達することができる。
このとき、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角が小さいときには、弾性部材の変形量が少ないため、弾性部材が低剛性にして第1の回転部材と第2の回転部材との捩り振動を吸収してガラ音の発生を抑制する。
また、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角が大きくなると、弾性部材がさらに圧縮するように変形することにより、第1の回転部材と第2の回転部材との捩り振動を吸収することができる。
本発明では、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角の範囲を広角化することができるため、第1の回転部材から第2の回転部材に伝達される回転トルクが大きい車両の加減速中には、駆動源のトルク変動による回転変動を起振源とした大きな捩り振動や、駆動系の捩り共振を減衰して、変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラ音や駆動系の捩り共振によるこもり音の発生を抑制することができる。
また、弾性部材の他端部を第2の突出部材に摺動自在に連結しているので、第1の回転部材に過大なトルクが入力した場合には、弾性部材の他端部が第2の突出部材に対して摺動することにより、第1の回転部材から第2の回転部材に回転トルクを伝達しないようにすることができるため、弾性部材をトルクリミッタとして機能させることができ、弾性部材が破損してしまうのを防止することができる。
上記(4)に記載の捩り振動減衰装置において、(5)前記第1の突出部材および前記第2の突出部材のいずれか他方が円筒部材から構成され、前記円筒部材の内周部に、前記円筒部材の円周方向に延在し、湾曲した凹部および湾曲した凸部を前記円周方向に交互に有する波状形状のガイドレールを設け、前記弾性部材の他端部が前記ガイドレールの内周部に摺動自在に接触するものから構成されている。
この捩り振動減衰装置は、例えば、第2の突出部材を円筒部材から構成し、円筒部材の内周部に設けられたガイドレールの内周部に弾性部材の他端部を摺動自在に接触するようにした場合には、第1の回転部材に回転トルクが入力したときに、弾性部材の他端部がガイドレールの凸部に当接することでストッパーとして機能して第2の回転部材に回転トルクを伝達する。
また、第1の回転部材に過大なトルクが入力した場合には、弾性部材の他端部が凸部を乗り越えることにより、第1の回転部材から第2の回転部材に回転トルクを伝達しないようにすることができるため、弾性部材およびガイドレールをトルクリミッタとして機能させることができ、弾性部材が破損してしまうのを防止することができる。
上記(1)ないし(5)に記載の捩り振動減衰装置において、(6)前記弾性部材は、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材が所定方向に相対回転したときに、前記第1の突出部材と前記第2の突出部材との間で回転トルクを伝達する第1の弾性部材と、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材が前記所定方向と反対方向に相対回転したときに、前記第1の突出部材と前記第2の突出部材との間で回転トルクを伝達する第2の弾性部材とを含んで構成されている。
この捩り振動減衰装置は、第1の回転部材および第2の回転部材が所定方向に相対回転したときに、第1の突出部材と第2の突出部材との間で回転トルクを伝達する第1の弾性部材と、第1の回転部材および第2の回転部材が所定方向と反対方向に相対回転したときに、第1の突出部材と第2の突出部材との間で回転トルクを伝達する第2の弾性部材とを備えているので、第1の回転部材から第2の回転部材に回転トルクが伝達された場合および第2の回転部材から第1の回転部材に回転トルクが伝達された場合のいずれにおいても、第1の回転部材と第2の回転部材との間で回転トルクを伝達することができる。
本発明によれば、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角の範囲を広角化することができる捩り振動減衰装置を提供することができる。
本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、一部を断面で示す捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、図1のA−A方向矢視断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、図2のB−B方向矢視断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、一方のカップ部材の斜視図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、他方のカップ部材の断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置が正側に捩れた状態を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置が正側に捩れたときに過大なトルクが入力した状態を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置が負側に捩れた状態を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置が負側に捩れたときに過大なトルクが入力した状態を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置の捩れ角と回転トルクの関係を示す図である。
以下、本発明に係る捩り振動減衰装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図10は、本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。
なお、本実施の形態では、捩り振動減衰装置10をクラッチ装置1に適用した例を説明する。
図1〜図3において、捩り振動減衰装置10は、有底筒状のカップ部材11および有底筒状の円筒部材としてのカップ部材12を備えており、カップ部材11およびカップ部材12は、回転軸Lに対して回転自在となっている。なお、この回転軸Lは、後述する入力シャフト20の回転軸であり、この回転軸Lは、カップ部材11、12の回転軸と同一である。
カップ部材11は、第1の回転部材としての円板部13および円板部13の放射方向外端から回転軸L方向に突出する第1の突出部材としての円筒部14を備えており、カップ部材12は、第2の回転部材としての円板部15および円板部15の放射方向外端から回転軸L方向に突出して円筒部14の外周部に対向する第2の突出部材および円筒部材としての円筒部16を備えている。
また、図4に示すように、円筒部14の上部には、円筒部14から回転軸L方向に対してカップ部材12側に突出し、円筒部14の円周方向に沿って所定の長さだけ延在する突出片14aが設けられており、この突出片14aは、円筒部14の一部を構成している。
カップ部材11の外周部には環状のクッショニングプレート17の内周部が取付けられており、このクッショニングプレート17の軸方向両側には、図示しないリベットを介して環状の摩擦材18a、18bが固定されている。
なお、クッショニングプレート17は、溶接、ボルト締め等によってカップ部材11の外周部に取付けられていればよい。なお、クッショニングプレート17および摩擦材18a、18bは、動力伝達手段を構成している。
摩擦材18a、18bは、内燃機関のクランクシャフトに固定された図示しないフライホイールとフライホイールにボルト固定されたクラッチカバーのプレッシャプレートとの間に位置しており、摩擦材18a、18bがプレッシャプレートに押圧されてフライホイールとプレッシャプレートに摩擦係合することで、内燃機関の回転トルクがカップ部材11に入力されるようになっている。
また、図示しないクラッチペダルが踏み込まれると、プレッシャプレートが摩擦材18a、18bを押圧するのを解除し、摩擦材18a、18bがフライホイールから離隔することで、内燃機関の回転トルクがカップ部材11に入力されないようになっている。
また、カップ部材12の放射方向内周部には支持部としてのボス19が取付けられており、このボス19の内周部には回転軸部材としての変速機の入力シャフト20がスプライン嵌合されている。なお、図3および後述する図6〜図9において、後述するコイルスプリングの位置関係およびカップ部材11とカップ部材12との相対回転の状態が明確になるようにボス19を仮想線で示している。
また、カップ部材11の突出片14aの内周部には弾性部材および第1の弾性部材としてのコイルスプリング21の一端部と、弾性部材および第2の弾性部材としてのコイルスプリング22の一端部とが連結されている。
また、コイルスプリング21、22の一端部側の内周部には弾性体からなる円柱部材24a、24bが設けられており、円柱部材24a、24bは、カップ部材11の突出片14aからコイルスプリング21、22の他端側に向かって所定の長さに亘って突出している。なお、円柱部材24a、24bの突出長さは、カップ部材11、12の相対回転が略0のときのコイルスプリング21、22の初期状態の長さの1/3程度に設定されている。
なお、コイルスプリング21、22の一端部が連結される突出片14aの連結方法としては、突出片14aに円柱部材24a、24bと一体化されたスプリングシートを設けるようにすればよい。
具体的には、スプリングシートは、コイルスプリング21、22の円周方向両端部の一巻分あるいは二巻分する座巻を有し、この座巻にコイルスプリング21、22の一端部を着座させ、コイルスプリング21、22の一端部を座巻に係合させることにより、コイルスプリング21、22の回転を防止してコイルスプリング21、22をスプリングシートに強固に装着するようにすればよい。また、コイルスプリング21、22を突出片14aに溶接等によって固着してもよい。
また、カップ部材12の円筒部16の内周部には波状形状のガイドレール23が設けられており(図5参照)、このガイドレール23は、円周方向に延在し、湾曲した凹部23aおよび湾曲した凸部23bを円筒部16の円周方向に交互に有している。
また、コイルスプリング21、22の他端部には球状部材21a、22aが設けられており、この球状部材21a、22aは、ガイドレール23の内周部に摺動自在に連結されている。このため、球状部材21a、22aは、ガイドレール23に沿って摺動自在とななっている。
したがって、コイルスプリング21、22は、ボス19に対してカップ部材11およびカップ部材12の回転軸L方向に離隔して設けられ、回転軸Lに対して直交する方向に延在してカップ部材11とカップ部材12の間に介装されることになる。なお、コイルスプリング21、22は、回転軸Lに対して傾斜する方向に延在してカップ部材11とカップ部材12の間に介装されてもよい。
また、カップ部材11の円筒部14の外周面にはスプライン14bが形成されているとともに、カップ部材12の円筒部16の内周面にはスプライン14bに嵌合されるスプライン16aが形成されており、カップ部材11、12は、スプライン14b、16aを介して回転軸Lを中心に回転可能で、回転軸L方向に移動不能に連結されている。
また、スプライン14b、16aは、ヒステリシス機構を構成しており、カップ部材11、12は、スプライン14b、16aによって回転時に摩擦摺動するようになっている。また、カップ部材11、12は、スプライン14b、16aがスプライン嵌合することにより、カップ部材11がカップ部材12から抜け出てしまうのを防止することができる。
この捩り振動減衰装置10は、カップ部材11およびカップ部材12が所定方向に相対回転したとき、すなわち、カップ部材11がカップ部材12に対して正側に捩れたときに、コイルスプリング21がカップ部材11およびカップ部材12の回転方向に圧縮することにより、カップ部材11とカップ部材12との間で回転トルクを伝達するようになっている。
また、捩り振動減衰装置10は、カップ部材11およびカップ部材12が所定方向と反対方向に相対回転したとき、すなわち、カップ部材11がカップ部材12に対して負側に捩れたときに、コイルスプリング22がカップ部材11およびカップ部材12の回転方向に圧縮することにより、カップ部材11とカップ部材12との間で回転トルクを伝達するようになっている。
次に、作用を説明する。
摩擦材18a、18bがプレッシャプレートに押圧されてフライホイールとプレッシャプレートに摩擦係合することで、内燃機関の回転トルクがカップ部材11に入力される。
このとき、カップ部材11に図3中、R1方向(時計回転方向)に回転トルクが入力された場合には、カップ部材11がR1方向に回転するため、コイルスプリング21の球状部材21aがガイドレール23の凸部23bに係合する。
このとき、カップ部材11からコイルスプリング21を介してカップ部材12に回転トルクが伝達され、カップ部材12がR1方向に回転することになる。そして、捩り振動減衰装置10にコイルスプリング21を収縮させるだけの回転トルクが加わると、カップ部材12がカップ部材11に対して捩れる。
捩り振動減衰装置10に加わる内燃機関のトルク変動による回転変動は、コイルスプリング21の収縮によってカップ部材11とカップ部材12との間で緩衝されながら変速機の入力シャフト20に伝達される。この結果、内燃機関の回転トルクがクラッチ装置1から入力シャフト20を介して変速機に伝達される。
一方、入力シャフト20からカップ部材12に図3中、R1方向に回転トルクが加わると、カップ部材12がR1方向に回転するため、コイルスプリング21のガイドレール23の凸部23bが球状部材22aに係合してカップ部材11をR1方向に回転させる。
このとき、カップ部材12からコイルスプリング22を介してカップ部材11に回転トルクが伝達され、カップ部材11がR1方向に回転することになる。そして、捩り振動減衰装置10にコイルスプリング22を収縮させるだけの回転トルクが加わると、カップ部材11がカップ部材12に対して捩れる。
捩り振動減衰装置10に加わる入力シャフト20の回転トルクは、コイルスプリング22の収縮によってカップ部材11とカップ部材12との間で緩衝されながら内燃機関に伝達される。この結果、変速機の回転トルクがクラッチ装置1から内燃機関に伝達される。
次に、カップ部材12がカップ部材11に対して正側(R2方向)に捩れる場合の動作と、負側(R1方向)に捩れる場合の動作を説明する。なお、カップ部材12がカップ部材11に対して正側に捩れるのは、車両の加速時であり、カップ部材12がカップ部材11に対して負側に捩れるのは、エンジンブレーキが発生する車両の減速時である。
また、コイルスプリング21、22の初期状態、すなわち、コイルスプリング21、22をカップ部材11、12に取付けたときの圧縮量は、カップ部材11とカップ部材12の捩れ角が略0となるようにカップ部材11およびカップ部材12を付勢する付勢力を発生する程度に設定されている。
車両の加速時に内燃機関の回転変動が大きくなると、カップ部材11がR1方向に回転するのに伴ってコイルスプリング21の球状部材21aがガイドレール23の凸部23bを押圧することにより、コイルスプリング21が圧縮してカップ部材11からカップ部材12にコイルスプリング21を介して回転トルクを伝達する。
このとき、カップ部材12は、カップ部材11に対して相対的に正側(R2方向)に捩れることになる。カップ部材11とカップ部材12との捩れ角が小さい状態では、コイルスプリング21の圧縮量は小さいため、カップ部材11とカップ部材12との捩れ剛性は小さいものとなる。
また、内燃機関の回転変動がさらに大きくなると、カップ部材12がカップ部材11に対して相対的に正側(R2方向)にさらに捩れることになり、カップ部材11とカップ部材12との捩れ角がさらに大きくなる。
カップ部材11とカップ部材12との捩れ角が大きくなると、図6に示すように、コイルスプリング21の球状部材21aがガイドレール23の凸部23bを押圧するのに伴ってカップ部材12がカップ部材11に対してR2方向に捩れることにより、コイルスプリング21がさらに圧縮してカップ部材11からカップ部材12にコイルスプリング21を介して回転トルクを伝達することになる。
このため、カップ部材12は、カップ部材11に対して相対的に正側(R2方向)にさらに捩れてカップ部材11とカップ部材12との捩れ角がさらに大きくなる。このとき、コイルスプリング21の圧縮量が増大するため、図10に示すように、カップ部材11とカップ部材12との捩れ剛性が大きくなる。
この結果、内燃機関の回転変動をカップ部材11とカップ部材12との間で緩衝して内燃機関の回転トルクを変速機の入力シャフト20に伝達することができる。
なお、コイルスプリング21が圧縮するときには、コイルスプリング21は湾曲するが、円柱部材24aが弾性体から構成されているため、円柱部材24aは、コイルスプリング21が湾曲するのに伴って変形することにより、コイルスプリング21の変形を許容することができる。
また、カップ部材12がカップ部材11に対してR2方向に捩れるときには、コイルスプリング22の球状部材22aがガイドレール23の凹部23aに沿って摺動する。このとき、コイルスプリング22は、伸長するが、コイルスプリング22が円柱部材24bによって支持されているため、コイルスプリング22の伸長状態においてコイルスプリング22がその中心軸に対して大きく傾いてしまうのを抑制することができる。
また、加速時に、カップ部材11がR1方向に回転してカップ部材12がカップ部材11に対して正側に捩れるときには、カップ部材12がスプライン14b、16aを介してカップ部材11に沿って回転することにより、カップ部材11とカップ部材12との間にヒステリシストルクが発生する。
また、カップ部材11に内燃機関から過大なトルクが入力した場合には、図7に示すように、コイルスプリング21の球状部材21aがガイドレール23の凸部23bを乗り越える、すなわち、ガイドレール23を滑るため、コイルスプリング21およびガイドレール23がトルクリミッタとして機能する。このとき、ガイドレール23の凸部23bがコイルスプリング21の球状部材21aを押し上げることで球状部材21aが凸部23bを乗り越えることになる。
一方、車両の減速時には、内燃機関の回転トルクが小さくなり、エンジンブレーキが発生するため、変速機の入力シャフト20からカップ部材12に回転トルクが入力される。
このとき、カップ部材12がR1方向に回転するのに伴ってガイドレール23の凸部23bがコイルスプリング22の球状部材22aを押圧することにより、コイルスプリング22が圧縮してカップ部材12からカップ部材11にコイルスプリング22を介して回転トルクを伝達する。
このとき、カップ部材12は、カップ部材11に対して相対的に負側(R1方向)に捩れることになる。カップ部材11とカップ部材12との捩れ角が小さい状態では、コイルスプリング22の圧縮量は小さいため、カップ部材11とカップ部材12との捩れ剛性は小さいものとなる。
また、変速機の入力シャフト20からカップ部材12に伝達される回転トルクがさらに大きくなると、カップ部材12がカップ部材11に対して相対的に負側(R1方向)にさらに捩れることになり、カップ部材11とカップ部材12との捩れ角がさらに大きくなる。
カップ部材11とカップ部材12との捩れ角が大きくなると、図8に示すように、コイルスプリング22の球状部材22aがガイドレール23の凸部23bを押圧するのに伴ってカップ部材12がカップ部材11に対してR1方向に捩れることにより、コイルスプリング22がさらに圧縮してカップ部材12からカップ部材11にコイルスプリング22を介して回転トルクを伝達することになる。
このため、カップ部材12は、カップ部材11に対して相対的に負側(R1方向)にさらに捩れてカップ部材11とカップ部材12との捩れ角がさらに大きくなる。このとき、コイルスプリング22の圧縮量が増大するため、図10に示すように、カップ部材11とカップ部材12との捩れ剛性が大きくなる。
なお、コイルスプリング22が圧縮するときには、コイルスプリング22は湾曲するが、円柱部材24bが弾性体から構成されているため、円柱部材24bは、コイルスプリング22が湾曲するのに伴って変形することにより、コイルスプリング22の変形を許容することができる。
また、カップ部材12がカップ部材11に対してR1方向に捩れるときには、コイルスプリング21の球状部材21aがガイドレール23の凹部23aに沿って摺動する。
このとき、コイルスプリング21は、伸長するが、コイルスプリング21の一端部側が円柱部材24bによって支持されているため、コイルスプリング22の伸長状態においてコイルスプリング22がその中心軸に対して大きく傾いてしまうのを抑制することができる。
この結果、変速機の入力シャフト20から内燃機関に伝達される回転トルクをカップ部材11とカップ部材12との間で緩衝して変速機からの回転トルクを内燃機関に伝達することができる。
また、カップ部材12に変速機から過大なトルクが入力した場合には、図9に示すように、コイルスプリング22の球状部材22aがガイドレール23の凸部23bを乗り越える、すなわち、ガイドレール23を滑るため、コイルスプリング22およびガイドレール23がトルクリミッタとして機能する。このとき、ガイドレール23の凸部23bがコイルスプリング22の球状部材22aを押し上げることで球状部材22aが凸部23bを乗り越えることになる。
このように本実施の形態の捩り振動減衰装置10は、摩擦材18a、18bを支持する円板部13および円板部13から回転軸L方向に突出する円筒部14を有するカップ部材11と、円板部13に対向して設けられ、放射方向内周部に入力シャフト20を支持するボス19を有する円板部15および円板部15から円板部13に向かって回転軸L方向に突出する円筒部16を有するカップ部材12と、一端部が円筒部14に連結されるとともに、他端部が円筒部16に連結され、カップ部材11、12が相対回転したときに、円板部13の回転部材の円周方向に圧縮することにより、カップ部材11とカップ部材12との間で回転トルクを伝達するコイルスプリング21、22とを含んで構成した。
特に、本実施の形態では、コイルスプリング21、22の一部であるコイルスプリング21、22の延在方向中心部を、ボス19を回転軸L方向に投影した空間内に設置したので、従来のようにコイルスプリング21、22の設置スペースがボス19の放射方向外方のみに限定されることがない。
したがって、コイルスプリング21、22がレイアウトの制限を受けることがなく、コイルスプリング21、22の軸長を長くすることができるので、カップ部材11、12の捩れ特性を低剛性化することができる。
このため、カップ部材11、12の捩れ角が小さいときには、カップ部材11、12の捩れ剛性を小さくすることができる。
この結果、アイドル状態でニュートラルに変速したとき等のようにカップ部材11からカップ部材12に伝達される回転トルクが小さい、すなわち、カップ部材12の出力トルクが小さい領域では、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動を減衰して、無負荷状態にある変速機の歯車対からガラ音が発生するのを抑制することができる。
また、コイルスプリング21、22の圧縮量を増大させて、カップ部材11、12の捩れ角の範囲を広角化することができるため、カップ部材11およびカップ部材12の間で伝達される回転トルクが大きい車両の加減速中には、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした大きな捩り振動や、駆動系の捩り共振を減衰して、変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラ音や駆動系の捩り共振によるこもり音の発生を抑制することができる。
ここで、従来の捩り振動減衰装置の捩れ角が正負合わせて60°程度であったのに対して、本実施の形態の捩り振動減衰装置10は、正負合わせて100°程度の捩れ角にすることができる。
また、本実施の形態では、円筒部14の外周部および円筒部16の内周部にヒステリシス機構を構成するスプライン14b、16aを設け、カップ部材11、12をスプライン14b、16aを介して相対回転自在に連結したので、車両の加減速時に変速機を有する駆動系の捩り共振が発生したときに、スプライン14b、16aが摩擦接触することにより、カップ部材11、12のヒステリシストルクを大きくすることができ、駆動系の捩り共振をより一層抑制することができ、こもり音が発生するのをより一層抑制することができる。
また、本実施の形態では、カップ部材12の円筒部16の内周部に、円筒部16の円周方向に延在し、湾曲した凹部23aおよび湾曲した凸部23bを円筒部16の円周方向に交互に有する波状形状のガイドレール23を設け、コイルスプリング21、22の他端部を球状部材21a、22aを介してガイドレール23の内周部に摺動自在に接触させるように構成した。
このため、カップ部材11、12の捩れ角が小さいときには、コイルスプリング21、22が圧縮することにより、カップ部材11とカップ部材12との間で回転トルクを伝達するときに、コイルスプリング21の球状部材21aまたはコイルスプリング22の球状部材22aをガイドレール23の凸部23bに摩擦接触させてコイルスプリング21またはコイルスプリング22を圧縮させることにより、カップ部材11とカップ部材12との間で回転トルクを伝達することができる。
また、本実施の形態では、コイルスプリング21、22の球状部材21a、22aをガイドレール23に摺動自在に連結しているので、カップ部材11に過大なトルクが入力した場合には、コイルスプリング21、22の球状部材21a、22aをガイドレール23に対して摺動させることにより、カップ部材11とカップ部材12との間で回転トルクを伝達しないようにすることができる。
このため、コイルスプリング21、22およびガイドレール23をトルクリミッタとして機能させることができ、コイルスプリング21、22が破損してしまうのを防止することができる。
また、本実施の形態では、カップ部材11とカップ部材12とが所定方向に相対回転したとき、すなわち、カップ部材12がカップ部材11に対して正側に捩れたときに、コイルスプリング21がカップ部材11、12の円周方向に圧縮することにより、カップ部材11、12の間で回転トルクを伝達し、カップ部材11とカップ部材12とが所定方向と反対方向に相対回転したとき、すなわち、カップ部材12がカップ部材11に対して負側に捩れたときに、コイルスプリング22がカップ部材11、12の円周方向に圧縮することにより、カップ部材11、12の間で回転トルクを伝達するので、カップ部材11からカップ部材12に回転トルクが伝達された場合およびカップ部材12からカップ部材11に回転トルクが伝達された場合のいずれにおいても、カップ部材11とカップ部材12との間で回転トルクを伝達することができる。
なお、本実施の形態では、コイルスプリング21、22を圧縮させることにより、カップ部材11、12の間で回転トルクを伝達するようにしているが、これに限定されるものではない。
すなわち、球状部材21a、22aおよびガイドレール23を廃止して、コイルスプリング21、22の一端部をカップ部材11に固定するとともに、コイルスプリング21、22の他端部をカップ部材12に固定するようにしてもよい。
このようにすれば、カップ部材12がカップ部材11に対して正側に捩れたときに、コイルスプリング21が圧縮してコイルスプリング22が伸長することにより、カップ部材11、12の間で回転トルクを伝達することができ、カップ部材12がカップ部材11に対して負側に捩れたときに、コイルスプリング22が伸長してコイルスプリング21が圧縮することにより、カップ部材11、12の間で回転トルクを伝達することができる。
このようにしてもコイルスプリング21、22の変形量を増大させて、カップ部材11、12の捩れ角の範囲を広角化することができる。
また、上記各実施の形態では、捩り振動減衰装置10をクラッチ装置1に適用しているが、これに限らず、車両等の駆動系に設けられる捩り振動減衰装置であれば何でもよい。例えば、ハイブリッド車両にあっては、内燃機関の出力軸と、電動機と車輪側出力軸とに動力を分割する動力分割機構との間に介装されるハイブリッドダンパ等の捩り振動減衰装置に適用してもよい。
また、トルクコンバータのロックアップクラッチ装置と変速歯車組の間に介装されるロックアップダンパ等の捩り振動減衰装置に適用してもよい。また、ディファレンシャルケースとディファレンシャルケースの外周部に設けられたリングギヤとの間に捩り振動減衰装置を設けてもよい。
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上のように、本発明に係る捩り振動減衰装置は、第1の回転部材と第2の回転部材との捩れ角の範囲を広角化することができるという効果を有し、第1の回転部材と第2の回転部材とを弾性部材を介して相対回転自在に連結した捩り振動減衰装置等として有用である。
10 捩り振動減衰装置
13 円板部(第1の回転部材)
14 円筒部(第1の突出部材)
14b、16a スプライン(ヒステリシス機構)
14a 突出片(第1の突出部材)
15 円板部(第2の回転部材)
16 円筒部(第2の突出部材)
17 クッショニングプレート(動力伝達手段)
18a、18b 摩擦材(動力伝達手段)
19 ボス(支持部)
20 入力シャフト(回転軸部材)
21 コイルスプリング(弾性部材、第1の弾性部材)
22 コイルスプリング(弾性部材、第2の弾性部材)
23 ガイドレール
23a 凹部
23b 凸部
L 回転軸

Claims (6)

  1. 動力伝達手段を支持する第1の回転部材と、前記第1の回転部材に対向して設けられ、放射方向内周部に回転軸部材を支持する支持部を有する第2の回転部材と、
    前記第1の回転部材から前記回転軸部材の回転軸方向に突出する第1の突出部材と、前記第2の回転部材から前記第1の突出部材の外周部または内周部に対向するように前記回転軸方向に突出する第2の突出部材と、
    一端部が前記第1の突出部材に連結されるとともに、他端部が前記第2の突出部材に連結され、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材が相対回転したときに、前記第1の突出部材と前記第2の突出部材との間で回転トルクを伝達する弾性部材とを備えたこと特徴とする捩り振動減衰装置。
  2. 前記弾性部材は、前記支持部を前記回転軸方向に投影した空間内に前記弾性部材の一部が設置され、前記第1の突出部材および前記第2の突出部材の間に介装されることを特徴とする請求項1に記載の捩り振動減衰装置。
  3. 前記第1の突出部材および前記第2の突出部材がヒステリシス機構を介して相対回転自在に連結されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の捩り振動減衰装置。
  4. 前記弾性部材は、一端部が前記第1の突出部材および前記第2の突出部材のいずれか一方に固定され、他端部が前記第1の突出部材および前記第2の突出部材のいずれか他方に摺動自在に連結されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
  5. 前記第1の突出部材および前記第2の突出部材のいずれか他方が円筒部材から構成され、
    前記円筒部材の内周部に、前記円筒部材の円周方向に延在し、湾曲した凹部および湾曲した凸部を前記円周方向に交互に有する波状形状のガイドレールを設け、
    前記弾性部材の他端部が前記ガイドレールの内周部に摺動自在に接触することを特徴とする請求項4に記載の捩り振動減衰装置。
  6. 前記弾性部材は、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材が所定方向に相対回転したときに、前記第1の突出部材と前記第2の突出部材との間で回転トルクを伝達する第1の弾性部材と、前記第1の回転部材および前記第2の回転部材が前記所定方向と反対方向に相対回転したときに、前記第1の突出部材と前記第2の突出部材との間で回転トルクを伝達する第2の弾性部材とを含んで構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
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