JP5445686B2 - 捩り振動減衰装置 - Google Patents

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Description

本発明は、捩り振動減衰装置に関し、特に、外周筒状部材と内周筒状部材との間で捩り振動を減衰しながら動力を伝達することができる捩り振動減衰装置に関する。
従来から内燃機関や電動モータ等の駆動源と車輪等と連結して駆動源からの回転トルクを伝達するとともに、駆動源と変速歯車組を有する駆動系との間の捩り振動を吸収して減衰する捩り振動減衰装置が知られている。
この捩り振動減衰装置は、例えば、駆動源側のフライホイールに締結および解放される駆動側回転部材と、変速機の入力シャフトに連結される被駆動側回転部材と、駆動側回転部材および被駆動側回転部材を円周方向に弾性的に連結する弾性部材とから構成されている(例えば、特許文献1参照)。
駆動側回転部材は、クラッチディスクと、クラッチディスクの半径方向内方に設けられた一対のディスクプレートから構成されており、被駆動側回転部材は、変速機の入力シャフトに回転不能にかつ回転軸線方向に移動可能に連結され、ディスクプレートの間に設けられたハブから構成されている。
ハブは、入力シャフトにスプライン嵌合する筒状のボスおよびボスから半径方向外方に広がる円板状のフランジを有している。また、弾性部材は、単独のコイルスプリングから構成されており、コイルスプリングは、フランジに形成された窓孔内に収容されて円周方向両端部を円周方向に支持されているとともに、一対のディスクプレートに形成された窓部によって円周方向に支持されている。
このような構成を有する捩り振動減衰装置にあっては、クラッチディスクおよび一対のディスクプレートとハブとが相対回転すると、コイルスプリングがクラッチディスクおよび一対のディスクプレートとハブとの間で円周方向に圧縮されることにより、駆動側回転部材から被駆動側回転部材に入力される捩り振動をコイルスプリングによって、吸収・減衰するようになっている。
ところで、捩り振動によって発生する変速機側の騒音としては、アイドリング時の異音、走行時の異音およびこもり音が知られている。したがって、各異音の発生原因となる捩り振動を吸収して減衰するためには、捩り振動減衰装置の捩れ特性を適切に設定する必要がある。
ここで、アイドル時の異音としては、アイドル状態でニュートラルに変速したとき等のようにクラッチディスクとハブとの捩れ角が小さい領域において、駆動源のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動によって、無負荷状態にある歯車対が衝突して生じるガラガラという異音、所謂、ガラ音が知られている。
また、走行時の異音としては、車両の加減速中に、駆動源のトルク変動による回転変動を起振源とした捩り振動や、駆動系の捩り共振によって変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラジャラという異音、所謂、ジャラ音が知られている。
また、こもり音としては、駆動源のトルク変動を起振力とする駆動系の捩り共振による振動によって車室内に発生する異音が知られており、駆動系の捩り共振は、通常、定常走行時(例えば、内燃機関の回転数が2500rpm付近)に存在するため、定常走行時にこもり音が発生する。
従来、捩れ特性を適切に設定した捩り振動減衰装置としては、例えば、特許文献2に記載されたようなものが知られている。
この捩り振動減衰装置は、被駆動側回転部材を構成する筒状のボスと、ボスから半径方向外方に広がる円板状のフランジとを二分割し、ボスの外周部とフランジの内周部にボスとフランジとの捩り振動を吸収するばね定数の小さい小コイルスプリングを介装するようにしている。また、一対のディスクプレートには第1の窓部と第2の窓部とが設けられており、この第1の窓部および第2の窓部は、ディスクプレートの円周方向に離隔している。
また、フランジは、第1の窓部と第2の窓部とにそれぞれ対応する第1の窓孔と第2の窓孔とが設けられており、第1の窓部と第1の窓孔内に小コイルスプリングよりもばね定数が大きい第1のコイルスプリングと第1のシート部材とが設けられている。また、第2の窓部と第2の窓孔内には小コイルスプリングよりもばね定数が大きい第2のコイルスプリングと第2のシート部材とが設けられている。
また、第1シート部材は、第1の窓孔から円周方向に隙間が設けられており、第1のコイルスプリングは、捩れ特性において第2のコイルスプリングが圧縮される領域の捩れ角度の小さな領域では圧縮されず、捩れ角度の大きな領域で圧縮されるようになっている。
具体的には、アイドル状態でニュートラルに変速したとき等のようにクラッチディスクとハブとの捩れ角が小さい領域にあっては、小コイルスプリングのみを圧縮させることにより、捩れ角の小さな領域を低剛性にしてガラ音の発生を抑制する。
また、捩れ角が大きい領域では、第2のコイルスプリングのみを圧縮させることで、トルクが緩やかに上昇する中剛性の捩れ特性を得ることにより、こもり音を抑制することができる。
また、捩れ角がさらに大きくなり、捩れ角が所定の位置になると、第1のコイルスプリングと第2のコイルスプリングとを並列に圧縮することで、トルクの上昇率が大きくなる高剛性の捩れ特性を得ることにより、ジャラ音を抑制するようにしている。すなわち、従来の捩り振動減衰装置は、多段の捩れ特性を得ることができる。
特開2003−194095号公報 特開2001−304341号公報
しかしながら、特許文献2に示す捩り振動減衰装置にあっては、小コイルスプリングの変形によってアイドル時のガラ音を抑制することができるが、トルク変動を吸収するための第1、2のコイルスプリングが筒状のボスに対して半径方向外方に設けられているため、第1のコイルスプリングおよび第2のコイルスプリングの軸長を長くすることができない。
したがって、駆動側回転部材と被駆動側回転部材との捩れ角を広く取ることが構成上困難となってしまい、駆動側回転部材と被駆動側回転部材の捩れ剛性を低くすることができず、走行時のジャラ音やこもり音を充分に抑制することが困難であった。
また、第1のコイルスプリングおよび第2のコイルスプリングをフランジに形成された窓孔内および一対のディスクプレートに形成された窓部に収容した状態において、第1のコイルスプリングおよび第2のコイルスプリングに与圧を与える必要がある。
このため、第1のコイルスプリングおよび第2のコイルスプリングの与圧よりも大きいトルクが発生しないと、第1のコイルスプリングおよび第2のコイルスプリングが圧縮せず、駆動側回転部材と被駆動側回転部材が大きく捩れないことになる。
このため、第1のコイルスプリングおよび第2のコイルスプリングが並列に圧縮されるまでの間は、高剛性の捩れ特性を得ることができず、ジャラ音を十分に抑制することができない。
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、外周筒状部材と内周筒状部材との捩れ角の範囲を広角化して、外周筒状部材と内周筒状部材の捩れ剛性を低くすることができる捩り振動減衰装置を提供することを目的とする。
本発明に係る捩り振動減衰装置は、上記目的を達成するため、第1の動力伝達手段を支持し、内周部に第1のねじ部が形成された外周筒状部材と、第2の動力伝達手段を支持し、前記外周筒状部材の内方に設けられた内周筒状部材と、前記外周筒状部材の内周部と前記内周筒状部材の外周部との間に設けられ、外周部に前記第1のねじ部に螺合する第2のねじ部を有するとともに、内周部が前記内周筒状部材の外周部にスプライン嵌合され、前記外周筒状部材の軸線方向に沿って移動自在な中間筒状部材と、前記外周筒状部材の軸線方向一端部の内周部と前記中間筒状部材の軸線方向一端部の外周部との間に介装され第1の弾性部材と、前記外周筒状部材の軸線方向他端部の内周部と前記中間筒状部材の軸線方向他端部の外周部との間に介装され第2の弾性部材とを含んで構成されている。
この捩り振動減衰装置は、例えば、外周筒状部材の内周部と中間筒状部材の外周部とを第1のねじ部および第2のねじ部材によって連結するとともに、中間筒状部材の内周部と内周筒状部材の外周部とをスプライン嵌合している。
これに加えて、中間筒状部材の軸線方向一端部の内周部と中間筒状部材の軸線方向一端部の外周部との間に第1の弾性部材を介装するとともに、外周筒状部材の軸線方向他端部の内周部と中間筒状部材の軸線方向他端部の外周部との間に第2の弾性部材を介装している。
このため、外周筒状部材と内周筒状部材とが捩れた場合に、第1の弾性部材または第2の弾性部材を弾性変形させることにより、第1の弾性部材または第2の弾性部材から中間筒状部材に作用する反力によって外周筒状部材と内周筒状部材との間に捩れ特性を発生させることができる。
例えば、外周筒状部材に対して内周筒状部材が正側に捩れた場合には、中間筒状部材が第1のねじ部および第2のねじ部を介して外周筒状部材の軸線方向に移動して第1の弾性部材または第2の弾性部材の一方を弾性変形させる。
このとき、外周筒状部材と内周筒状部材の捩れ角が小さいときには、弾性変形する第1の弾性部材または第2の弾性部材の一方の反力によって外周筒状部材から中間筒状部材を介して内周筒状部材に動力を伝達しつつ、外周筒状部材と内周筒状部材の捩り振動を吸収して減衰する。
また、外周筒状部材と内周筒状部材と捩れ角が大きくなると、中間筒状部材が第1のねじ部および第2のねじ部を介して外周筒状部材の軸線方向に沿ってさらに移動して第1の弾性部材または第2の弾性部材の一方を弾性変形させる。
このとき、第1の弾性部材または第2の弾性部材の一方の弾性変形量が大きくなり、大きな反力によって外周筒状部材から中間筒状部材を介して内周筒状部材に動力を伝達しつつ、外周筒状部材と内周筒状部材の捩り振動を吸収して減衰する。
一方、外周筒状部材に対して内周筒状部材が負側に捩れた場合には、中間筒状部材が第1のねじ部および第2のねじ部を介して外周筒状部材の軸線方向に移動して第1の弾性部材または第2の弾性部材の他方を弾性変形させる。
このとき、外周筒状部材と内周筒状部材との捩れ角が小さいときには、弾性変形する第1の弾性部材または第2の弾性部材の他方の反力によって外周筒状部材から中間筒状部材を介して内周筒状部材に動力を伝達しつつ、外周筒状部材と内周筒状部材の捩り振動を吸収して減衰する。
また、外周筒状部材と内周筒状部材との捩れ角が大きくなると、中間筒状部材が第1のねじ部および第2のねじ部を介して外周筒状部材の軸線方向にさらに移動して第1の弾性部材または第2の弾性部材の他方を弾性変形させる。
このとき、第1の弾性部材または第2の弾性部材の他方の弾性変形量が大きくなり、大きな反力によって外周筒状部材から中間筒状部材を介して内周筒状部材に動力を伝達しつつ、外周筒状部材と内周筒状部材の捩り振動を吸収して減衰する。
このように外周筒状部材と内周筒状部材との捩れ角に応じて中間筒状部材を軸線方向に沿って移動させることで、第1の弾性部材および第2の弾性部材の反力を発生させることにより、外周筒状部材と内周筒状部材との間に捩れ特性を発生させることができ、外周筒状部材と内周筒状部材との間で動力を伝達することができる。
そして、中間筒状部材の軸線方向への移動量が大きくするように外周筒状部材、中間筒状部材および内周筒状部材を構成することにより、捩れ角の範囲を広角化することができ、外周筒状部材と内周筒状部材の捩れ剛性を低くすることができる。
この結果、駆動源のトルク変動による回転変動を起振源とした大きな捩り振動や、駆駆動系の捩り共振を減衰して、変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラ音や駆動系の捩り共振によるこもりの発生を抑制することができる。
また、中間筒状部材の軸線方向一端部の内周部と中間筒状部材の軸線方向一端部の外周部との間に介装された第1の弾性部材と外周筒状部材の軸線方向他端部の内周部と中間筒状部材の軸線方向他端部の外周部との間に介装された第2の弾性部材とが圧縮されたときの反力(付勢力)によって、内周筒状部材および外周筒状部材との間に捩れ特性を発生させることできるため、第1の弾性部材および第2の弾性部材に大きな与圧を付与する必要がない。
このため、中間筒状部材が外周筒状部材の軸線方向に沿って移動するときに、第1の弾性部材および第2の弾性部材を速やかに圧縮させて捩れ特性を速やかに発生させることができ、ジャラ音やこもり音が発生するのをより一層抑制することができる。
好ましくは、捩り振動減衰装置の前記第1の弾性部材は、前記中間筒状部材が前記内周筒状部材の軸線方向一方に移動したときに弾性変形することにより、前記中間筒状部材を前記内周筒状部材の軸線方向他方に付勢し、前記第2の弾性部材は、前記中間筒状部材が前記内周筒状部材の軸線方向他方に移動したときに弾性変形することにより、前記中間筒状部材を前記内周筒状部材の軸線方向一方に付勢するように構成されてもよい。
この捩り振動減衰装置は、第1の弾性部材が、中間筒状部材が内周筒状部材の軸線方向一方に移動したときに弾性変形することにより、中間筒状部材を内周筒状部材の軸線方向他方に付勢するので、例えば、外周筒状部材に対して内周筒状部材が正側に捩れた場合には、第1の弾性部材の反力によって外周筒状部材から中間筒状部材を介して内周筒状部材に動力を伝達しつつ、外周筒状部材と内周筒状部材の捩り振動を吸収して減衰する。
また、第2の弾性部材が、中間筒状部材が内周筒状部材の軸線方向他方に移動したときに弾性変形することにより、中間筒状部材を内周筒状部材の軸線方向一方に付勢するので、例えば、外周筒状部材に対して内周筒状部材が負側に捩れた場合には、第2の弾性部材の反力によって外周筒状部材から中間筒状部材を介して内周筒状部材に動力を伝達しつつ、外周筒状部材と内周筒状部材の捩り振動を吸収して減衰する。
したがって、外周筒状部材と内周筒状部材との捩れ角に応じて中間筒状部材を軸線方向に沿って移動させることで、第1の弾性部材および第2の弾性部材の反力を確実に発生させることができ、外周筒状部材と内周筒状部材との間に捩れ特性を発生させることができる。この結果、外周筒状部材と内周筒状部材との間で動力を伝達しつつ、外周筒状部材と内周筒状部材の捩り振動を吸収して減衰することができる。
好ましくは、振動減衰装置は、前記第1のねじ部と前記第2のねじ部との間に複数のボール部材を介装したものから構成されてもよい。
この捩り振動減衰装置は、第1のねじ部と第2のねじ部との間に複数のボール部材を介装したので、第1のねじ部と第2のねじ部の接触面の摩擦抵抗を低減することができ、中間筒状部材を軸線方向に沿って円滑に移動させることができる。
このため、外周筒状部材と内周筒状部材との捩れ角が小さくなった場合に、第1の弾性部材または第2の弾性部材の付勢力によって中間筒状部材を軸線方向に沿って滑らかに移動させて中立位置に円滑に復帰させることができる。
好ましくは、捩り振動減衰装置は、前記第1のねじ部と前記第2のねじ部との接触面を低摩擦材でコーティングしたものから構成されもよい。
この捩り振動減衰装置は、第1のねじ部と第2のねじ部との接触面を低摩擦材でコーティングしたので、第1のねじ部と第2のねじ部の接触面の摩擦抵抗を低減することができ、中間筒状部材を軸線方向に沿って円滑に移動させることができる。
このため、外周筒状部材と内周筒状部材との捩れ角が小さくなった場合に、第1の弾性部材または第2の弾性部材の付勢力によって中間筒状部材を軸線方向に沿って滑らかに移動させて中立位置に円滑に復帰させることができる。
好ましくは、捩り振動減衰装置は、前記第1のねじ部および前記第2のねじ部が角ねじから構成されてもよい。
この捩り振動減衰装置は、第1のねじ部および第2のねじ部が角ねじから構成されるので、第1のねじ部および第2のねじ部の接触面の全面を面接触にすることができる。このため、第1のねじ部および第2のねじ部を介して中間筒状部材が軸線方向に移動するときに、テーパ面を有する三角ねじ等のように軸線方向に対してテーパ面にトルク伝達成分が発生するのを防止して、第1のねじ部および第2のねじ部へのトルク伝達成分を軸線方向のみにすることができる。
したがって、第1の弾性部材、第2の弾性部材および中間筒状部材を介して外周筒状部材と内周筒状部材との間で動力の伝達損失が発生するのを抑制して、動力の伝達性能を向上させることができる。
好ましくは、捩り振動減衰装置は、前記中間筒状部材と前記第1の弾性部材との間および前記中間筒状部材と前記第2の弾性部材との間にスラスト軸受が設けられたものから構成されてもよい。
この捩り振動減衰装置は、中間筒状部材と第1の弾性部材との間および中間筒状部材と第2の弾性部材との間にスラスト軸受が設けられるので、中間筒状部材の回転時に、中間筒状部材と第1弾性部材および第2弾性部材との間に引きずりトルクが発生するのを防止して、中間筒状部材を第1弾性部材および第2弾性部材に対して円滑に回転させることができ、捩り振動減衰装置の作動性を向上させることができる。
好ましくは、捩り振動減衰装置は、前記中間筒状部材の内周部が前記内周筒状部材の外周部にボールスプライン嵌合されるものから構成されてもよい。
この捩り振動減衰装置は、中間筒状部材の内周部が内周筒状部材の外周部にボールスプライン嵌合されるので、中間筒状部材を内周筒状部材の軸線方向に沿って円滑に移動させることができ、捩り振動減衰装置の作動性を向上させることができる。
好ましくは、捩り振動減衰装置は、前記内周筒状部材の軸線方向両端部を前記外周筒状部材の軸線方向両端部から外方に突出させるとともに、前記内周筒状部材および前記外周筒状部材の間にヒステリシス機構を設け、前記ヒステリシス機構は、前記内周筒状部材のいずれか一方の突出部分と前記外周筒状部材の軸線方向のいずれか一方の外周部との間に設けられ、前記外周筒状部材を前記内周筒状部材の軸線方向他方に付勢する付勢部材と、前記内周筒状部材のいずれか他方の突出部分と前記外周筒状部材の軸線方向のいずれか他方の外周部との間に設けられ、前記付勢部材の付勢力によって前記内周筒状部材のいずれか他方の突出部分と前記外周筒状部材のいずれか他方の外周部との間に摩擦力を発生させる摩擦部材とを含んで構成されてもよい。
この捩り振動減衰装置は、内周筒状部材の突出部分と外周筒状部材の外周部との間にヒステリシス機構を設けたので、車両の加減速時に変速機を有する駆動系の捩り共振が発生したときに、外周筒状部材と内周筒状部材のヒステリシストルクを発生させることができる。この結果、駆動系の捩り共振をより一層抑制することができ、こもり音が発生するのをより一層抑制することができる。
好ましくは、捩り振動減衰装置は、前記中間筒状部材と前記第1の弾性部材との間に介装され、前記中間筒状部材の軸線方向一端部の外周部との間に第1の収納室を画成する第1のスラストプレートと、前記中間筒状部材と前記第2の弾性部材との間に介装され、前記中間筒状部材の軸線方向他端部の外周部との間に第2の収納室を画成する第2のスラストプレートとを備え、前記中間筒状部材に、前記第1の収納室と前記第2の収納室とを連通する貫通孔を形成し、前記第1の収納室、前記第2の収納室および前記貫通孔に前記ボール部材と共に潤滑剤を充填したものから構成してもよい。
この捩り振動減衰装置は、中間筒状部材の軸線方向一端部と第1のスラストプレートとの間に第1の収納室を画成するとともに、中間筒状部材の軸線方向他端部と第2のスラストプレートとの間に第2の収納室が画成され、第1の収納室、第2の収納室および貫通孔にボール部材と共に潤滑剤が充填されるので、中間筒状部材が内周筒状部材に沿って移動する際には、ボール部材を第1の収納室(または第2の収納室)、貫通孔および第2の収納室(または第1の収納室)を介して第1のねじ部および第2のねじ部の間に循環させることができる。
このため、第1のねじ部および第2のねじ部の接触面の摩擦抵抗を確実に低減させることができ、中間筒状部材を内周筒状部材に沿って円滑に移動させることができる。
本発明によれば、外周筒状部材と内周筒状部材との捩れ角の範囲を広角化して、外周筒状部材と内周筒状部材の捩れ剛性を低くすることができる捩り振動減衰装置を提供することができる。
本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、捩り振動減衰装置の正面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、図1のA−A方向矢視断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、図2のB―B方向矢視断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、外周筒状部材の断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、中間筒状部材の外観図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、外周筒状部材と中間筒状部材の角ねじ部分の断面図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、内周筒状部材が外周筒状部材に対して正側に捩れた状態を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図であり、内周筒状部材が外周筒状部材に対して負側に捩れた状態を示す図である。 本発明に係る捩り振動減衰装置の第一の実施の形態を示す図であり、内周筒状部材と外周筒状部材の捩れ特性を示す図である。
以下、本発明に係る捩り振動減衰装置の実施の形態について、図面を用いて説明する。図1〜図9は、本発明に係る捩り振動減衰装置の一実施の形態を示す図である。
まず、構成を説明する。図1、図2において、捩り振動減衰装置10は、外周筒状部材11、内周筒状部材12および中間筒状部材13を含んで構成されており、外周筒状部材11、内周筒状部材12および中間筒状部材13は、回転軸Lを中心に回転自在となっている。
以下、回転軸L方向を外周筒状部材11、内周筒状部材12および中間筒状部材13の軸線方向として説明を行う。
外周筒状部材11は、図2中、右方に開口端を有する筒状の周壁14Aおよび周壁14Aの右方を閉塞する環状の側壁14Bから構成されるカップ部材14と、周壁14Aの開口端に取付けられたリヤプレート15とを備えている。
カップ部材14は、クッショニングプレート17および摩擦材18a、18bを備えている。クッショニングプレート17は、厚み方向に波打つリング状の部材から構成されており、図示しないリベットやボルト等によってカップ部材14に固定されている。
摩擦材18a、18bは、クッショニングプレート17の両面にリベット19によって固定されており、この摩擦材18a、18bは、内燃機関のクランクシャフトに固定された図示しないフライホイールとフライホイールにボルト固定されたクラッチカバーのプレッシャプレートとの間に位置している。
そして、摩擦材18a、18bがプレッシャプレートに押圧されてフライホイールとプレッシャプレートに摩擦係合することで、内燃機関の回転トルクが摩擦材18a、18bおよびクッショニングプレート17を介して外周筒状部材11に伝達されるようになっている。
また、図示しないクラッチペダルが踏み込まれると、プレッシャプレートが摩擦材18a、18bを押圧するのを解除し、摩擦材18a、18bがフライホイールから離隔することで、内燃機関の回転トルクが摩擦材18a、18bおよびクッショニングプレート17を介して外周筒状部材11に伝達されないようになっている。
本実施の形態では、クッショニングプレート17および摩擦材18a、18bが第1の動力伝達手段を構成しており、外周筒状部材11は、第1の動力伝達手段を支持している。
また、カップ部材14の側壁14Bには開口部14aが形成されており、リヤプレート15には開口部14aに対して回転軸L方向に対向し、かつ、開口部14aと同一面積の開口部15aが形成されている。
内周筒状部材12は、開口部14a、15aを通して外周筒状部材11の半径方向内方に位置するようにして外周筒状部材11内に収納されており、内周筒状部材12の回転軸L方向は、外周筒状部材11の回転軸L方向の外方に突出している。なお、内周筒状部材12の突出部分が突出部分12A、12Bを構成している。
また、内周筒状部材12の内周部にスプライン溝12aが形成されており、内周筒状部材12のスプライン溝12aには第2の動力伝達手段としての変速機の入力シャフト34がスプライン嵌合されている。
また、内周筒状部材12の外周部にはスプライン溝12bが形成されており、このスプライン溝12bは、図3に示すように、中間筒状部材13の内周部に形成されたスプライン溝13aにボール部材20を介して嵌合している。
すなわち、中間筒状部材13は、内周筒状部材12にボールスプライン嵌合しており、中間筒状部材13は、内周筒状部材12の回転軸L方向に移動自在で、かつ内周筒状部材12に対して相対回転不能に取付けられている。このため、内周筒状部材12および中間筒状部材13は、一体回転する。
また、開口部14a、15aは、丸穴から構成されており、内周筒状部材12のスプライン溝12bに嵌合していないため、外周筒状部材11と内周筒状部材12とは相対回転自在となっている。
図4、図5に示すように、カップ部材14の周壁14Aの内周部には第1のねじ部としての角ねじ14bが形成されているとともに、中間筒状部材13の外周部には角ねじ14bに螺合する第2のねじ部としての角ねじ13bが形成されている。
このため、内周筒状部材12が外周筒状部材11に対して正側あるいは負側に捩れると、中間筒状部材13は、角ねじ13b、14bを介して内周筒状部材12に対して回転軸L方向の一方側および他方側に移動することができる。
図1において、外周筒状部材11の回転軸L方向一端部であるカップ部材14の側壁14Bの内周部14cと中間筒状部材13の回転軸L方向一端部の外周部13cとの間にはスラスト軸受21、第1のスラストプレートとしてのスラストプレート22および第1の弾性部材としての皿ばね23が介装されている。
また、外周筒状部材11の回転軸L方向他端部であるリヤプレート15の内周部15bと中間筒状部材13の回転軸L方向他端部の外周部13dとの間にはスラスト軸受24、第2のスラストプレートとしてのスラストプレート25および第2の弾性部材としての皿ばね26が介装されている。
皿ばね23は、中間筒状部材13が角ねじ13b、14bを介して内周筒状部材12の回転軸L方向一方に移動したときに弾性変形することにより、中間筒状部材13を内周筒状部材12の軸線方向他方に付勢し、皿ばね26は、中間筒状部材13が角ねじ13b、14bを介して内周筒状部材12の回転軸L方向他方に移動したときに弾性変形することにより、中間筒状部材13を内周筒状部材12の軸線方向一方に付勢するようになっている。
そして、皿ばね23、26は、外周筒状部材11と内周筒状部材12との捩れ角が零のときに、非圧縮状態となっており、皿ばね23、26が非圧縮状態にあるときには中間筒状部材13は、中立位置に位置している。
また、スラスト軸受21は、スラストプレート22と中間筒状部材13の外周部13cとの間に介装されているとともに、スラスト軸受24は、スラストプレート25と中間筒状部材13の外周部13dとの間に介装されており、スラスト軸受21、24は、中間筒状部材13のスラスト荷重を受けるようになっている。
このため、皿ばね23、26がスラストプレート22、25を介して回転軸L方向に圧縮された場合に、中間筒状部材13の回転によって皿ばね23、26に引きずりトルクが作用するのを抑制することができる。
また、スラストプレート22は、皿ばね23と中間筒状部材13の外周部13cとの間に位置するようにして皿ばね23とスラスト軸受21との間に介装されており、スラストプレート22の半径方向上部と中間筒状部材13の外周部13cとの間には第1の収納室としての収納室27が画成されている。
また、スラストプレート25は、皿ばね26と中間筒状部材13の外周部13dとの間に位置するようにして皿ばね26とスラスト軸受24との間に介装されており、スラストプレート25の半径方向上部と中間筒状部材13の外周部13dとの間には第2の収納室としての収納室28が画成されている。
一方、図1、図3、図5に示すように、中間筒状部材13には回転軸L方向に沿って貫通する4つの貫通孔13eが形成されており、この貫通孔13eは、中間筒状部材13の円周方向に離隔して設けられ、収納室27、28に連通している。
本実施の形態では、図6に示すように、カップ部材14の周壁14Aの内周部に形成された内歯である角ねじ14bと中間筒状部材13の外周部に形成された外歯である角ねじ13bの間にはボール部材29が設けられており、このボール部材29は、貫通孔13eおよび収納室27、28にも充填されている。
このボール部材29は、例えば、0.5mm程度の直径を有する微小な球体であり、角ねじ14b、13bは、ボール部材29を介して螺合している。なお、図6では、ボール部材29が設けられていることを明示するために、ボール部材29を大きく描いているが、実際のボール部材29は、図示の形状よりも小さいものである。
また、角ねじ14b、13bの間、貫通孔13eおよび収納室27、28には潤滑剤としてのグリスが充填されており、ボール部材29は、グリスによって円滑に転動するようになっている。
このように、本実施の形態の角ねじ14b、13bは、周囲にグリスを含んだボール部材29を介して接触するため、中間筒状部材13が内周筒状部材12の回転軸L方向に沿って移動するときに、角ねじ14b、13bの接触面の摩擦抵抗を低減することができる。
また、図1に示すように、内周筒状部材12の回転軸L方向の他方の突出部分である突出部分12BにはCリング30が取付けられており、このCリング30と外周筒状部材11の回転軸L方向の他方の外周部であるリヤプレート15の外周部15cとの間には皿ばね31が介装されている。
すなわち、本実施の形態では、内周筒状部材12の突出部分12Bとリヤプレート15の外周部15cとの間に皿ばね31が介装されており、Cリング30および皿ばね31は、外周筒状部材11を内周筒状部材12の回転軸L方向の一方に付勢するようになっている。なお、本実施の形態では、Cリング30および皿ばね31が付勢部材を構成している。
また、内周筒状部材12の一方の突出部分である突出部分12Aの外周部には摩擦材32が設けられており、外周筒状部材11の軸線方向一方の外周部である側壁14Bの外周部14dには摩擦材32に接触する摩擦材33が取付けられている。すなわち、内周筒状部材12の突出部分12Aと側壁14Bの外周部14dとの間には摩擦材32、33が介装されている。
この摩擦材32、33は、皿ばね31の付勢力によって外周筒状部材11が回転軸L方向の一方に付勢されると、高い接触圧で接触することにより、外周筒状部材11と内周筒状部材12との間にヒステリシストルクを発生させるようになっている。本実施の形態では、Cリング30、皿ばね31、摩擦材32、33がヒステリシス機構を構成している。
次に、作用を説明する。ここで、本実施の形態では、図1に示すように、車両の前進時の内燃機関のクランクシャフトの回転方向をR1方向として説明を行う。
また、本実施の形態では、内周筒状部材12がR2方向に回転すると、中間筒状部材13が図2中、左方に移動し、内周筒状部材12がR1方向に回転すると、中間筒状部材13が図2中、右方に移動するように角ねじ13b、14bが外周筒状部材11の内周部と中間筒状部材13の外周部に形成されている。
まず、摩擦材18a、18bがプレッシャプレートに押圧されてフライホイールとプレッシャプレートに摩擦係合することで、内燃機関の回転トルクが外周筒状部材11に入力され、外周筒状部材11がR1方向に回転する。
外周筒状部材11がR1方向に回転すると、中間筒状部材13がスラスト軸受21、24およびスラストプレート22、25と共に角ねじ13bおよび角ねじ14bを介して内周筒状部材12の回転軸L方向に沿ってリヤプレート15の内周部15bに向かって移動する。
このため、リヤプレート15の内周部15bとスラストプレート25との間で皿ばね26が弾性変形することにより、皿ばね26から中間筒状部材13に反力(付勢力)が作用する。
この皿ばね26の反力が外周筒状部材11から中間筒状部材13を介して内周筒状部材12に伝達されることにより、外周筒状部材11から内周筒状部材12に動力を伝達することで内燃機関の駆動力が捩り振動減衰装置10を介して変速機の入力シャフト34に伝達される。
次に、内周筒状部材12が外周筒状部材11に対して正側(R2方向)に捩れる場合の動作と、負側(R1方向)に捩れる場合の動作を説明する。なお、内周筒状部材12が外周筒状部材11に対して正側に捩れるのは、車両の加速時であり、内周筒状部材12が外周筒状部材11に対して負側に捩れるのは、エンジンブレーキが発生する車両の減速時である。
車両の加速時に内燃機関のトルク変動による回転変動が小さい場合には、外周筒状部材11と内周筒状部材12との間の変動トルクが小さく、内周筒状部材12が外周筒状部材11に対して相対的に正側(R2方向)に捩れることになる。
このとき、中間筒状部材13がスラスト軸受21、24およびスラストプレート22、25と共に角ねじ13bおよび角ねじ14bを介して内周筒状部材12の回転軸L方向に沿ってリヤプレート15の内周部15bに向かって移動する。
このため、中間筒状部材13がスラスト軸受24およびスラストプレート25を介して皿ばね26を押圧する。外周筒状部材11と内周筒状部材12との捩れ角が小さい状態では、リヤプレート15の内周部15bとスラストプレート25との間で皿ばね26の弾性変形量が小さく、皿ばね26から中間筒状部材13に作用する小さい反力によって外周筒状部材11と内周筒状部材12との捩れ剛性が低くなる。
この皿ばね26の反力が外周筒状部材11から中間筒状部材13を介して内周筒状部材12に伝達されることにより、外周筒状部材11から内周筒状部材12に動力を伝達しつつ、外周筒状部材11と内周筒状部材12の捩り振動を吸収して減衰する。
また、内燃機関のトルク変動による回転変動が大きくなると、内周筒状部材12と外周筒状部材11との変動トルクが大きくなり、内周筒状部材12が外周筒状部材11に対して相対的に負側(R1方向)にさらに捩れることになり、外周筒状部材11と内周筒状部材12との捩れ角がさらに大きくなる。
図7に示すように、外周筒状部材11と内周筒状部材12との捩れ角が大きくなると、中間筒状部材13がスラスト軸受21、24およびスラストプレート22、25と共に角ねじ13bおよび角ねじ14bを介して内周筒状部材12の回転軸L方向に沿ってリヤプレート15の内周部15bに向かってさらに移動する。
このため、中間筒状部材13がスラスト軸受24およびスラストプレート25を介して皿ばね26をより強く押圧する。外周筒状部材11と内周筒状部材12との捩れ角が大きい状態では、リヤプレート15の内周部15bとスラストプレート25との間で皿ばね26の弾性変形量が大きく、皿ばね26から中間筒状部材13に大きい反力が作用するため、外周筒状部材11と内周筒状部材12との捩れ剛性が高くなる。
この皿ばね26の反力が外周筒状部材11から中間筒状部材13を介して内周筒状部材12に伝達されることにより、外周筒状部材11から内周筒状部材12に動力を伝達しつつ、外周筒状部材11と内周筒状部材12の捩り振動を吸収して減衰する。
また、角ねじ14b、13bの間、貫通孔13eおよび収納室27、28には微小なボール部材29およびグリスが充填されており、角ねじ14b、13bが周囲にグリスを含んだボール部材29を介して接触するため、中間筒状部材13が内周筒状部材12の回転軸L方向に沿って移動するときに、角ねじ14b、13bの接触面の摩擦抵抗が低減される。このため、中間筒状部材13が内周筒状部材12に沿って円滑に移動する。
また、中間筒状部材13が内周筒状部材12に沿って円滑に移動する際には、ボール部材29を収納室28、貫通孔13e、収納室27を介して角ねじ14b、13bの間に循環させることができるため、角ねじ14b、13bの接触面の摩擦抵抗を確実に低減させることができ、中間筒状部材13を内周筒状部材12に沿って円滑に移動させることができる。
また、中間筒状部材13が角ねじ14b、13bを介してリヤプレート15の内周部15bに向かって移動する際には、スラストプレート25と中間筒状部材13の外周部13dとの間に、中間筒状部材13のスラスト荷重を受けるスラスト軸受24が介装されているため、皿ばね26の反力がスラストプレート25を介して中間筒状部材13に作用した場合であっても、中間筒状部材13を円滑に回転させながらリヤプレート15の内周部15bに向かって移動させることができる。
一方、車両の減速時には、内燃機関の駆動トルクが小さくなり、エンジンブレーキが発生するため、変速機の入力シャフト34から内周筒状部材12に回転トルクが入力されることになる。減速時に、内燃機関のトルク変動による回転変動が小さい場合には、外周筒状部材11と内周筒状部材12との間の変動トルクが小さいため、内周筒状部材12が外周筒状部材11に対して相対的に負側(R1方向)に捩れることになる。
内周筒状部材12が外周筒状部材11に対して相対的に負側(R1方向)に捩れると、中間筒状部材13がスラスト軸受21、24およびスラストプレート22、25と共に角ねじ13bおよび角ねじ14bを介して内周筒状部材12の回転軸L方向に沿って側壁14Bの内周部14cに向かって移動する。
このため、中間筒状部材13がスラスト軸受21およびスラストプレート22を介して皿ばね23を押圧する。外周筒状部材11と内周筒状部材12との捩れ角が小さい状態では、側壁14Bの内周部14cとスラストプレート22との間で皿ばね23の弾性変形量が小さく、皿ばね23から中間筒状部材13に作用する小さい反力(付勢力)によって外周筒状部材11と内周筒状部材12との捩れ剛性が低くなる。
この皿ばね23の反力が外周筒状部材11から中間筒状部材13を介して内周筒状部材12に伝達されることにより、外周筒状部材11から内周筒状部材12に動力を伝達しつつ、外周筒状部材11と内周筒状部材12の捩り振動を吸収して減衰する。
また、内燃機関のトルク変動による回転変動が大きくなると、外周筒状部材11と内周筒状部材12との間の変動トルクが大きくなる。このとき、内周筒状部材12が外周筒状部材11に対して相対的に負側(R1方向)にさらに捩れることになり、外周筒状部材11と内周筒状部材12との捩れ角がさらに大きくなる。
図8に示すように、外周筒状部材11と内周筒状部材12との捩れ角が大きくなると、中間筒状部材13がスラスト軸受21、24およびスラストプレート22、25と共に角ねじ13bおよび角ねじ14bを介して内周筒状部材12の回転軸L方向に沿って側壁14Bの内周部14cに向かってさらに移動する。
このため、中間筒状部材13がスラスト軸受21およびスラストプレート22を介して皿ばね23をより強く押圧する。外周筒状部材11と内周筒状部材12との捩れ角が大きい状態では、側壁14Bの内周部14cとスラストプレート22との間で皿ばね23の弾性変形量が大きく、皿ばね23から中間筒状部材13に大きい反力(付勢力)が作用するため、外周筒状部材11と内周筒状部材12との捩れ剛性が高くなる。
この皿ばね23の反力が外周筒状部材11から中間筒状部材13を介して内周筒状部材12に伝達されることにより、外周筒状部材11から内周筒状部材12に動力を伝達しつつ、外周筒状部材11と内周筒状部材12の捩り振動を吸収して減衰する。
また、角ねじ14b、13bの間、貫通孔13eおよび収納室27、28には微小なボール部材29およびグリスが充填されており、角ねじ14b、13bが周囲にグリスを含んだボール部材29を介して接触するため、中間筒状部材13が内周筒状部材12の回転軸L方向に沿って移動するときに、角ねじ14b、13bの接触面の摩擦抵抗が低減される。このため、中間筒状部材13が内周筒状部材12に沿って円滑に移動する。
また、中間筒状部材13が角ねじ14b、13bを介して側壁14Bの内周部14cに向かって移動する際には、角ねじ14b、13bの間に介装されるボール部材29が角ねじ14b、13bの間を転動しながら収納室27側に押し出される。
この場合、収納室27、28の容積は同じであることから、ボール部材29が収納室27に移動して収納室28側のボール部材29が不足して角ねじ14b、13bの間のボール部材29が不足してしまうおそれがある。
本実施の形態では、中間筒状部材13の回転軸L方向に沿って貫通する4つの貫通孔13eを形成し、貫通孔13eを収納室27、28に連通しているので、収納室27に押し出されたボール部材29を貫通孔13eを介して収納室28に循環させることができ、ボール部材29を収納室28から角ねじ14b、13bの間に供給することができる。
すなわち、本実施の形態では、中間筒状部材13の移動に伴ってボール部材29を収納室27、貫通孔13e、収納室28を介して角ねじ14b、13bの間に循環させることができる。したがって、角ねじ14b、13bの接触面の摩擦抵抗を確実に低減させることができ、中間筒状部材13を内周筒状部材12に沿って円滑に移動させることができる。
また、中間筒状部材13が角ねじ14b、13bを介して側壁14Bの内周部14cに向かって移動する際には、スラストプレート22と中間筒状部材13の外周部13cとの間に、中間筒状部材13のスラスト荷重を受けるスラスト軸受21が介装されているため、皿ばね23の反力がスラストプレート22を介して中間筒状部材13に作用した場合であっても、中間筒状部材13を円滑に回転させながら側壁14Bの内周部14cに向かって移動させることができる。
また、本実施の形態では、内周筒状部材12の突出部分12Bとリヤプレート15の外周部15cとの間に、外周筒状部材11を内周筒状部材12の回転軸L方向の一方に付勢するCリング30および皿ばね31が介装されるとともに、内周筒状部材12の突出部分12Aと側壁14Bの外周部14dとの間に摩擦材32、33が介装されているため、外周筒状部材11と内周筒状部材12との間にヒステリシストルクを発生させることができる。
一方、捩り振動減衰装置10に内燃機関の回転トルクが伝達されないニュートラル等の運転状態になると、外周筒状部材11と内周筒状部材12の捩れ角が零になる。このときには、外周筒状部材11と内周筒状部材12が相対回転した状態から相対回転しない元の状態に復帰するために、中間筒状部材13が皿ばね23または皿ばね26に押圧される。
このとき、中間筒状部材13は、内周筒状部材12の回転軸L方向に沿って角ねじ13bおよび角ねじ14bを介して回転し、中立位置に復帰する。
この中立位置は、皿ばね23および皿ばね26が非圧縮状態となって弾性変形量が同等となる位置である。
また、角ねじ14b、13bが周囲にグリスを含んだボール部材29を介して接触するため、中間筒状部材13が内周筒状部材12の回転軸L方向に沿って移動するときに、角ねじ14b、13bの接触面の摩擦抵抗が低減されるため、中間筒状部材13は、皿ばね23または皿ばね26の付勢力によって中間筒状部材13が内周筒状部材12の回転軸L方向に円滑に移動して中立位置に復帰することができる。
このように本実施の形態の捩り振動減衰装置10は、外周筒状部材11の内周部と中間筒状部材13の外周部とを角ねじ13b、14bによって連結するとともに、中間筒状部材13の内周部と内周筒状部材12の外周部とをボールスプライン嵌合し、カップ部材14の側壁14Bの内周部14cと中間筒状部材13の外周部13cとの間には皿ばね23を介装するとともに、リヤプレート15の内周部15bと中間筒状部材13の外周部13dとの間に皿ばね26を介装している。
そして、中間筒状部材13がカップ部材14の側壁14Bの内周部14cに移動したときに皿ばね23が弾性変形することにより、中間筒状部材13をリヤプレート15の内周部15bに向かって付勢し、中間筒状部材13がリヤプレート15の内周部15bに向かって移動したときに皿ばね26が弾性変形することにより、中間筒状部材13をカップ部材14の側壁14Bの内周部14cに向かって付勢するようにした。
このため、外周筒状部材11と内周筒状部材12とが捩れたときに、外周筒状部材11と内周筒状部材12との捩れ角に応じて中間筒状部材13を回転軸L方向に沿って移動させることで、皿ばね23、26の反力を発生させることにより、外周筒状部材11と内周筒状部材12との間に捩れ特性を発生させることができる。このため、外周筒状部材11と内周筒状部材12との間で動力を伝達しつつ、外周筒状部材11と内周筒状部材12の捩り振動を吸収して減衰することができる。
そして、中間筒状部材13の回転軸L方向への移動量が大きくするように外周筒状部材11、中間筒状部材13および内周筒状部材12を構成することにより、捩れ角の範囲を広角化することができ、外周筒状部材11と内周筒状部材12の捩れ剛性を低くすることができる。
ここで、従来の捩り振動減衰装置の捩れ角が正負合わせて60°程度であったのに対して、本実施の形態の捩り振動減衰装置10は、図9に示すように、正負合わせて360°程度の捩れ角にすることができ、捩り振動減衰装置10を従来の捩り振動減衰装置に対して全体的に低剛性化することができた。
この結果、外周筒状部材11から内周筒状部材12に伝達される回転トルクが大きい車両の加減速中には、内燃機関のトルク変動による回転変動を起振源とした大きな捩り振動や、駆駆動系の捩り共振を減衰して、変速歯車組の空転歯車対が衝突して生じるジャラ音や駆動系の捩り共振によるこもりの発生を抑制することができる。
なお、捩り振動減衰装置10の捩れ特性は、正負合わせて360°程度に限らず、外周筒状部材11、内周筒状部材12、中間筒状部材13の回転軸L方向の長さや角ねじ13b、14bのピッチ等を適宜設定することにより、正負合わせて360°以上にすることが可能である。
また、本実施の形態では、皿ばね23、26が圧縮されたときの反力(付勢力)によって、内周筒状部材12および外周筒状部材11との間に捩れ特性を発生させることできるため、皿ばね23、26に大きな与圧を付与するのを不要にできる。
このため、中間筒状部材13が回転軸L方向に沿って移動するときに、皿ばね23、26を速やかに圧縮させて捩れ特性を速やかに発生させることができ、ジャラ音やこもり音が発生するのをより一層抑制することができる。
また、本実施の形態では、角ねじ13bおよび角ねじ14bの間に微小な複数のボール部材29を介装したので、角ねじ13bおよび角ねじ14bの接触面の摩擦抵抗を低減することができ、中間筒状部材13を回転軸L方向に沿って円滑に移動させることができる。
このため、ニュートラル時等に外周筒状部材11と内周筒状部材12との捩れ角が零になる場合には、皿ばね23、26の付勢力によって中間筒状部材13を回転軸L方向に沿って滑らかに移動させて中間筒状部材13を中立位置に円滑に復帰させることができる。
なお、本実施の形態では、角ねじ13bおよび角ねじ14bの接触面の摩擦抵抗を低減するために、角ねじ13bおよび角ねじ14bの間にボール部材29およびグリスを介装しているが、これに代えて、角ねじ13bおよび角ねじ14bの接触面をテフロン(登録商標)等の低摩擦材によってコーティングするようにしてもよい。
また、本実施の形態では、外周筒状部材11の内周部と中間筒状部材13の外周部とを角ねじ13b、14bによって連結しているので、角ねじ13b、14bの接触面の全面を面接触にすることができる。
このため、角ねじ13b、14bを介して中間筒状部材13が回転軸L方向に移動するときに、テーパ面を有する三角ねじ等のように回転軸L方向に対してテーパ面にトルク伝達成分が発生するのを防止して、角ねじ13b、14bへのトルク伝達成分を回転軸L方向のみにすることができる。
したがって、皿ばね23、26および中間筒状部材13を介して外周筒状部材11と内周筒状部材12との間で動力の伝達損失が発生するのを抑制して、捩り振動減衰装置10の動力の伝達性能を向上させることができる。
また、本実施の形態では、中間筒状部材13と皿ばね23との間および中間筒状部材13と皿ばね26との間にスラスト軸受21、24を設けたので、中間筒状部材13と皿ばね23、26の間に引きずりトルクが発生するのを防止して、中間筒状部材13を皿ばね23、26に対して円滑に回転させることができ、捩り振動減衰装置10の作動性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、中間筒状部材13の内周部を内周筒状部材12の外周部にボールスプライン嵌合しているので、中間筒状部材13を内周筒状部材12の回転軸L方向に沿って円滑に移動させることができ、捩り振動減衰装置10の作動性を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、ボールスプライン嵌合に代えて、中間筒状部材13の内周部および内周筒状部材12の外周部にスプラインを形成し、中間筒状部材13の内周部および内周筒状部材12の外周部をスプライン嵌合させるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、内周筒状部材12の回転軸L方向の両端部を外周筒状部材11の回転軸L方向の両端部から外方に突出させるとともに、内周筒状部材12および外周筒状部材11の間にヒステリシス機構を設けた。
このヒステリシス機構は、内周筒状部材12の突出部分12Bとリヤプレート15の外周部15cとの間に設けられ、外周筒状部材11を内周筒状部材12の回転軸L方向の他方に付勢するCリング30および皿ばね31と、内周筒状部材12の突出部分12Aと側壁14Bの外周部14dとの間に設けられ、皿ばね31の付勢力によって内周筒状部材12の突出部分12Aと側壁14Bの外周部14dとの間に摩擦力を発生させる摩擦材32、33とを含んで構成される。
このため、車両の加減速時に変速機を有する駆動系の捩り共振が発生したときに、外周筒状部材11と内周筒状部材12のヒステリシストルクを発生させることができる。この結果、駆動系の捩り共振をより一層抑制することができ、こもり音が発生するのをより一層抑制することができる。
なお、本実施の形態では、弾性部材として皿ばね23、26を用いているが、コイルスプリング等の弾性部材を用いてもよい。要は、荷重を加えたときに変形し、荷重を除いたときに元の状態に復帰する弾性変形を行う弾性部材であればよい。
また、内周筒状部材12の突出部分12Bとリヤプレート15の外周部15cとの間に摩擦材32、33を介装するとともに、内周筒状部材12の突出部分12Aと側壁14Bの外周部14dとの間にはCリング30および皿ばね31を介装するようにしてヒステリシス機構を構成してもよい。
この場合には、摩擦材32、33は、皿ばね31の付勢力によって外周筒状部材11が回転軸L方向の他方に付勢されると、高い接触圧で接触することにより、外周筒状部材11と内周筒状部材12との間にヒステリシストルクを発生させることができる。
また、本実施の形態では、捩り振動減衰装置10を車両の内燃機関と変速機を有する駆動系との間に介装するようにしているが、これに限らず、車両等の駆動系に設けられる捩り振動減衰装置であれば何でもよい。
例えば、ハイブリッド車両にあっては、内燃機関の出力軸と、電動機と車輪側出力軸とに動力を分割する動力分割機構との間に介装されるハイブリッドダンパ等の捩り振動減衰装置に適用してもよい。
また、トルクコンバータのロックアップクラッチ装置と変速歯車組の間に介装されるロックアップダンパ等の捩り振動減衰装置に適用してもよい。また、ディファレンシャルケースとディファレンシャルケースの外周部に設けられたリングギヤとの間に捩り振動減衰装置を設けてもよい。
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であってこの実施の形態に制限されるものではない。本発明の範囲は、上記した実施の形態のみの説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以上のように、本発明に係る捩り振動減衰装置は、外周筒状部材と内周筒状部材との捩れ角の範囲を広角化して、外周筒状部材と内周筒状部材の捩れ剛性を低くすることができるという効果を有し、外周筒状部材と内周筒状部材との間で捩り振動を吸収しながら動力を伝達することができる捩り振動減衰装置等として有用である。
10 捩り振動減衰装置
11 外周筒状部材
12 内周筒状部材
12A、12B 突出部分
12b スプライン溝
13 中間筒状部材
13a スプライン溝
13b 角ねじ(第2のねじ部)
13c 外周部(中間筒状部材の軸線方向一端部の外周部)
13d 外周部(中間筒状部材の軸線方向他端部の外周部)
13e 貫通孔
14b 角ねじ(第1のねじ部)
14c 内周部(外周筒状部材の軸線方向一端部の内周部)
15b 内周部(外周筒状部材の軸線方向他端部の内周部)
17 クッショニングプレート(第1の動力伝達部材)
18a、18b 摩擦材(第1の動力伝達部材)
20、29 ボール部材
21、24 スラスト軸受
22 スラストプレート(第1のスラストプレート)
23 皿ばね(第1の弾性部材)
25 スラストプレート(第2のスラストプレート)
26 皿ばね(第2の弾性部材)
27 収納室(第1の収納室)
28 収納室(第2の収納室)
30 Cリング(ヒステリシス機構)
31 皿ばね(ヒステリシス機構)
32、33 摩擦材(ヒステリシス機構)
34 入力シャフト(第2の動力伝達部材)

Claims (7)

  1. 第1の動力伝達手段を支持し、内周部に第1のねじ部が形成された外周筒状部材と、
    第2の動力伝達手段を支持し、前記外周筒状部材の内方に設けられた内周筒状部材と、
    前記外周筒状部材の内周部と前記内周筒状部材の外周部との間に設けられ、外周部に前記第1のねじ部に螺合する第2のねじ部を有するとともに、内周部が前記内周筒状部材の外周部にスプライン嵌合され、前記外周筒状部材の軸線方向に沿って移動自在な中間筒状部材と、
    前記外周筒状部材の軸線方向一端部の内周部と前記中間筒状部材の軸線方向一端部の外周部との間に介装された第1の弾性部材と、
    前記外周筒状部材の軸線方向他端部の内周部と前記中間筒状部材の軸線方向他端部の外周部との間に介装された第2の弾性部材とを含んで構成され、
    前記第1のねじ部と前記第2のねじ部との間に複数のボール部材を介装したことを特徴とする捩り振動減衰装置。
  2. 前記第1の弾性部材は、前記中間筒状部材が前記内周筒状部材の軸線方向一方に移動したときに弾性変形することにより、前記中間筒状部材を前記内周筒状部材の軸線方向他方に付勢し、
    前記第2の弾性部材は、前記中間筒状部材が前記内周筒状部材の軸線方向他方に移動したときに弾性変形することにより、前記中間筒状部材を前記内周筒状部材の軸線方向一方に付勢することを特徴とする請求項1に記載の捩り振動減衰装置。
  3. 前記第1のねじ部および前記第2のねじ部が角ねじから構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の捩り振動減衰装置。
  4. 前記中間筒状部材と前記第1の弾性部材との間および前記中間筒状部材と前記第2の弾性部材との間にスラスト軸受が設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
  5. 前記中筒状部材の内周部が前記内周筒状部材の外周部にボールスプライン嵌合されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
  6. 前記内周筒状部材の軸線方向両端部を前記外周筒状部材の軸線方向両端部から外方に突出させるとともに、前記内周筒状部材および前記外周筒状部材の間にヒステリシス機構を設け、
    前記ヒステリシス機構は、前記内周筒状部材のいずれか一方の突出部分と前記外周筒状部材の軸線方向のいずれか一方の外周部との間に設けられ、前記外周筒状部材を前記内周筒状部材の軸線方向他方に付勢する付勢部材と、前記内周筒状部材のいずれか他方の突出部分と前記外周筒状部材の軸線方向のいずれか他方の外周部との間に設けられ、前記付勢部材の付勢力によって前記内周筒状部材のいずれか他方の突出部分と前記外周筒状部材のいずれか他方の外周部との間に摩擦力を発生させる摩擦部材とを含んで構成されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
  7. 前記中間筒状部材と前記第1の弾性部材との間に介装され、前記中間筒状部材の軸線方向一端部の外周部との間に第1の収納室を画成する第1のスラストプレートと、前記中間筒状部材と前記第2の弾性部材との間に介装され、前記中間筒状部材の軸線方向他端部の外周部との間に第2の収納室を画成する第2のスラストプレートとを備え、
    前記中間筒状部材に、前記第1の収納室と前記第2の収納室とを連通する貫通孔を形成し、前記第1の収納室、前記第2の収納室および前記貫通孔に前記ボール部材と共に潤滑剤を充填したことを特徴とする請求項1、請求項3、請求項5、請求項6のいずれか1の請求項に記載の捩り振動減衰装置。
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