JP2019113415A - 放射線遮蔽方法および放射線遮蔽体 - Google Patents

放射線遮蔽方法および放射線遮蔽体 Download PDF

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【課題】貫通孔の放射線遮蔽を容易に行うことのできる放射線遮蔽方法および放射線遮蔽体を提供する。【解決手段】放射線源1からの放射線を遮蔽する放射線遮蔽壁10に設けられた貫通孔12において、放射線源1からの放射線を遮蔽する方法であって、貫通孔12の開口部14を放射線源1の側から覆う位置に対して、開口部14に対応する穴18が開いた箱状の放射線遮蔽体16を設置するようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、放射線を遮蔽する放射線遮蔽方法および放射線遮蔽体に関し、特に放射線遮蔽壁の貫通孔開口部の放射線遮蔽方法および貫通孔開口部に設置される放射線遮蔽体に関するものである。
従来、原子力施設や放射線施設では、管理区域内で発生した放射線が管理区域外に漏洩するのを防ぐため、放射線遮蔽壁を設けている。一方、こうした放射線遮蔽壁には、配線、配管、空調のためのスリーブやダクトが遮蔽壁を貫通するように設けられている。この貫通部からの放射線漏洩が大きい場合の従来の解決策として、図10(a)に示すようにスリーブやダクトを屈曲する方法(例えば、特許文献1を参照)、図10(b)に示すように貫通孔内に放射線遮蔽材を充填する方法(例えば、特許文献2を参照)、図10(c)〜(e)に示すように貫通孔外に遮蔽材や遮蔽棚を設置する方法(例えば、特許文献2、非特許文献1、2を参照)等が知られている。
特開2016−223954号公報 特開平10−048380号公報
「X線防護工事 標準化マニュアル」、JESRA TR−0037−2011、社団法人 日本画像医療システム工業会、2011年4月 Pitts Little Corporation ホームページ、「Neutron Swing Doors by Pitts Little Radiation Shielding」、[online]、[平成29年12月1日検索]、インターネット<URL:http://www.pittslittle.com/neutron-swing-doors.php>
しかしながら、貫通孔を屈曲させる場合、施工性の低下や放射線遮蔽壁の欠損が大きくなるといった問題がある。また、貫通孔内に遮蔽材を充填する方法では、特殊な作業が必要であり施工性が低下するおそれがある。さらに、スリーブやダクトに遮蔽材を巻いて貫通孔外に遮蔽材を設置する方法では、スリーブやダクトの数に応じた遮蔽材と取り付け作業が必要であり、コストが増大するという問題がある。また、図10(e)のように開口部の下に遮蔽板を設置することで遮蔽棚を設ける方法では、複数のダクトやスリーブをまとめて遮蔽可能なため医療用リニアック室のダクト・スリーブの遮蔽に使われているが、必要な遮蔽材の量が多くなるという問題がある。
また、配線・配管後の貫通孔内に遮蔽材を詰めた後で遮蔽能の不足が判明した場合に、図10(d)のように箱型の遮蔽体を開口部に設置する方法では、壁の開口部の正面を覆うことで遮蔽能を向上できるが、配線・配管を壁付近で曲げる必要があるといった問題がある。
このため、貫通孔の放射線遮蔽を容易に行うことのできる技術が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、貫通孔の放射線遮蔽を容易に行うことのできる放射線遮蔽方法および放射線遮蔽体を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る放射線遮蔽方法は、放射線源からの放射線を遮蔽する放射線遮蔽壁に設けられた貫通孔において、放射線源からの放射線を遮蔽する方法であって、貫通孔の開口部を放射線源の側から覆う位置に対して、開口部に対応する穴が開いた箱状の放射線遮蔽体を設置することを特徴とする。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽方法は、上述した発明において、放射線遮蔽体には、開口部に対向する位置において貫通孔の用途に対応する大きさの穴が開いていることを特徴とする。
また、本発明に係る放射線遮蔽体は、放射線源からの放射線を遮蔽する放射線遮蔽壁に設けられた貫通孔において、放射線源からの放射線を遮蔽するための放射線遮蔽体であって、貫通孔の開口部を放射線源の側から覆う位置に設置され、開口部に対応する穴が開いた箱状体からなることを特徴とする。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽体は、上述した発明において、開口部に対向する位置において貫通孔の用途に対応する大きさの穴が開いていることを特徴とする。
本発明に係る放射線遮蔽方法によれば、放射線源からの放射線を遮蔽する放射線遮蔽壁に設けられた貫通孔において、放射線源からの放射線を遮蔽する方法であって、貫通孔の開口部を放射線源の側から覆う位置に対して、開口部に対応する穴が開いた箱状の放射線遮蔽体を設置するので、従来の貫通孔の遮蔽工事に比べて簡易な施工で貫通孔における遮蔽能の確保が可能である。このため、貫通孔の放射線遮蔽を容易に行うことができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽方法によれば、放射線遮蔽体には、開口部に対向する位置において貫通孔の用途に対応する大きさの穴が開いているので、この穴に配線、配管、空調などの貫通孔の用途に対応したスリーブやダクトを挿通配置することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る放射線遮蔽体によれば、放射線源からの放射線を遮蔽する放射線遮蔽壁に設けられた貫通孔において、放射線源からの放射線を遮蔽するための放射線遮蔽体であって、貫通孔の開口部を放射線源の側から覆う位置に設置され、開口部に対応する穴が開いた箱状体からなるので、従来の貫通孔の遮蔽工事に比べて簡易な施工で貫通孔における遮蔽能の確保が可能である。このため、貫通孔の放射線遮蔽を容易に行うことができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽体によれば、開口部に対向する位置において貫通孔の用途に対応する大きさの穴が開いているので、この穴に配線、配管、空調などの貫通孔の用途に対応したスリーブやダクトを挿通配置することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る放射線遮蔽方法および放射線遮蔽体の実施の形態を示す図であり、(1)は正面図、(2)は断面図である。 図2は、本発明に係る放射線遮蔽体の他の実施の形態を示す断面図である。 図3は、計算体系を示す図である。 図4は、計算に用いた放射線遮蔽体の寸法図であり、(1)は正面図、(2)は断面図である。 図5は、計算結果を示す図である。 図6は、遮蔽効果の比較図である。 図7は、計算体系を示す図である。 図8は、放射線遮蔽壁に複数の貫通孔を有する医療用リニアック室の一例を示す正面断面図である。 図9は、複数の貫通孔が隣り合っている場合の放射線遮蔽体の設置状況図である。 図10は、従来技術の一例を示す図である。
以下に、本発明に係る放射線遮蔽方法および放射線遮蔽体の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1に示すように、本実施の形態に係る放射線遮蔽方法は、放射線源1からの放射線を遮蔽する放射線遮蔽壁10に設けられた貫通孔12において、放射線源1からの放射線を遮蔽する方法である。貫通孔12は、例えば配線、配管、空調などのためのスリーブやダクトを挿通配置する用途のものである。本実施の形態では、貫通孔12の開口部14を放射線源1の側から覆う位置に対して、本発明の箱状の放射線遮蔽体16を設置することによって、貫通孔12の放射線遮蔽を行う。
この放射線遮蔽体16は、背面側が全面開口した直方体箱状のものであり、正面、上面、下面、左右側面は放射線遮蔽材で構成されている。正面側には開口部14に対向する位置に穴18が開けられている。図の例では、放射線遮蔽壁10に円形の開口部14が横並びに間隔をあけて2つ配置された場合を示している。このため、放射線遮蔽体16の正面側にはこの開口部14に対向する位置に対して、2つの円形の穴18が開けられている。穴18の中心は貫通孔12の軸線の延長上に位置している。
放射線遮蔽体16を放射線遮蔽に必要な厚さと長さ(背面から正面までの長さ)を持つ箱型とすることで、放射線遮蔽材を通過することなく貫通孔12やスリーブ、ダクト内に進入する放射線を減らすことができる。図の例では、放射線遮蔽体16が直方体箱状である場合を説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えばドーム型の箱状など放射線遮蔽壁10に設置して開口部14を覆える箱状であればいかなる形状でもよい。
本発明では、複数の貫通孔12が隣接する場合、複数の貫通孔12の全体を覆うサイズの放射線遮蔽体16に必要な数の穴18を開けることで、1つの放射線遮蔽体16でこれら複数の貫通孔12をまとめて放射線遮蔽することができる。なお、貫通孔12の配置や数は図の例に限るものではなく、1個の貫通孔12でもよいし、2個以上の複数の貫通孔12が左右のみならず上下、斜めに隣接配置される場合でもよい。
穴18の径は、貫通孔12の用途に対応する大きさに設定することができる。この場合、穴18の径を、例えば貫通孔12と同程度の大きさにしてもよい。このようにすれば、貫通孔12に挿通配置されるスリーブやダクトの延長部や接続部を穴18にも挿通配置することができる。また、穴18の径を、配線、配管、空調などに必要な最小径に設定してもよい。なお、図の例では、穴18の径を開口部14の径と同じに設定した場合を示している。
放射線遮蔽体16を構成する放射線遮蔽材としては、例えばX線やγ線の遮蔽用に鉛や鉄といった金属(厚さ数mm〜数cm程度)、中性子の遮蔽用にポリエチレンやボロン含有ポリエチレン(厚さ数cm〜十数cm程度)等や、それらを組み合わせた材料を用いることができる。
上記構成の動作および作用について説明する。
箱状の放射線遮蔽体16の背面側の開口を放射線遮蔽壁10の正面に向けて配置するとともに、放射線遮蔽体16の正面側の穴18の中心が貫通孔12の軸線の延長上に位置するように配置して、放射線遮蔽体16を放射線遮蔽壁10に固定する。この固定方法としては、例えば放射線遮蔽体16の背面側の縁部に固定穴を有するアングル等の突出片を設けておき、ボルトやビスなどの固定部材を固定穴に通して放射線遮蔽壁10に固定する方法などの周知の方法を用いることができる。
なお、放射線遮蔽体16の好適な施工手順としては、例えば、貫通孔12を設けた状態でコンクリート等を打設して放射線遮蔽壁10を構築した後に、放射線遮蔽体16を開口部14に設置し、その後、配線・配管等のスリーブやダクトを放射線遮蔽体16の穴18と貫通孔12に挿通配置する方法があるが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、穴18と貫通孔12に挿通配置するスリーブやダクトについては、放射線遮蔽体16の設置前、設置中、設置後など適切な時期に配置してもよい。
このように、本実施の形態の放射線遮蔽方法によれば、箱状の放射線遮蔽体16で放射線遮蔽壁10の開口部14を覆い、放射線の漏洩を防ぐ。この方法によれば、放射線遮蔽体16を放射線遮蔽壁10の開口部14を覆うように設置するだけであるため、従来の貫通孔の遮蔽工事に比べて簡易な施工で貫通孔12における遮蔽能の確保が可能である。このため、貫通孔12の放射線遮蔽を容易に行うことができる。
上記の実施の形態において、放射線遮蔽体16を構成する放射線遮蔽材を、例えば中性子遮蔽材とX線・γ線遮蔽材の2層構造などのように複数層で構成してもよい。例えば図2に示すように、放射線遮蔽体16の外側層を中性子遮蔽材20とし、内側層をX線・γ線遮蔽材22としてもよい。中性子遮蔽材20としては例えばホウ素含有ポリエチレンを用いることができ、X線・γ線遮蔽材22としては例えば鉛を用いることができる。
(本発明の効果の検証)
次に、本発明の効果を検証するために行った検討内容および結果について説明する。
[放射線遮蔽体の形状と実効線量の関係]
まず、本発明の実施例における放射線遮蔽体の形状と室外側の実効線量との関係について説明する。
図3に示すように、厚さ60cmのコンクリート製の放射線遮蔽壁に直径10cmの円形の貫通孔を設けたモデルに対し、室内側の開口部中心から半径2mの位置に半球殻状の等方線源を設置し、1.33MeVもしくは0.511MeVの単色γ線を放出させた時の、室外側の開口部中心(評価点)における実効線量と放射線遮蔽体の形状の関係を、モンテカルロ計算コードMCNP5を用いた計算により検討した。計算に用いた放射線遮蔽体の寸法は、図4に示すとおりである。放射線遮蔽体の幅×高さは16cm×16cm、開口部は直径10cmに固定し、奥行き(H)を5cmまたは10cm、厚さ(T)を5mm、10mm、15mmの条件でそれぞれ計算した。
計算結果を図5に示す。この図は、γ線エネルギーと遮蔽体寸法を変化させた時の、遮蔽体なし(T=0)を基準とした実効線量の比を表している。この図に示すように、本発明の実施例では、TとHが大きいほど室外の実効線量が低減されており、T=15mm、H=10cmの場合、遮蔽体なしの場合に比べて1.33MeVのγ線による実効線量を21%、0.511MeVのγ線による実効線量を40%低減できることが確認できた。
[本発明と従来技術の効果の差異]
次に、本発明と従来技術の効果の差異について説明する。
上述したように、本発明の実施例は放射線遮蔽体の形状により、所定の遮蔽効果が得られ、貫通孔から室外側に漏洩する線量を低減させることが可能である。図6は、本発明の実施例と比較例(従来技術)の遮蔽効果をまとめたものである。比較例1は放射線遮蔽体を開口部から飛び出たダクトに直接巻く方法、比較例2は開口部の周囲に枠状の放射線遮蔽体を設置する方法(遮蔽棚もこの方法の一種と考えられる)、実施例は開口部を上記の放射線遮蔽体16で覆う方法である。
比較例1(放射線遮蔽体をダクトに直接巻く方法)は、以下の遮蔽効果が見込める。
(1)放射線遮蔽体を透過して貫通孔に入る放射線を、減衰させる。
(2)放射線遮蔽体や放射線遮蔽壁で透過・散乱することなく貫通孔の室外側に届く放射線の割合を低減させる。
また、比較例2(開口部の周囲に枠状の放射線遮蔽体を設置する方法)は、上記の(1)に加え、以下の遮蔽効果が見込める。
(3)貫通孔付近の放射線遮蔽壁を透過して貫通孔内部に入る放射線の割合を低減させる。
(4)放射線遮蔽体の内部で散乱した放射線が貫通孔内に入る割合を低減させる。
比較例1、2は、上記の遮蔽効果(1)〜(4)の組み合わせにより線量を低減させる手法であるが、全てを効果的に満たす構造になっていない。
一方、本発明の実施例は、箱状の放射線遮蔽体16の正面側に開いた穴18により放射線が一度コリメートされることで上記の遮蔽効果(2)に加え、
(5)放射線遮蔽体の内部で散乱する放射線の割合を減らす。
といった効果があり、さらに箱状の放射線遮蔽体16により上記の遮蔽効果(1)、(3)、(4)が得られる。したがって、本発明の実施例は、比較例1、2の遮蔽効果(1)〜(4)全てに加え、遮蔽効果(5)を満たす構造になっている。なお、本発明の実施例の遮蔽効果については、図3〜図5を用いて説明したとおりである。
次に、本発明と従来技術(比較例1)との効果の差異を調べた計算について説明する。本計算は、図7に示すように、開口部から出たダクトに放射線遮蔽体を直接巻いたモデルに対してモンテカルロ計算コードMCNP5を使用して計算した。ダクトに巻いた放射線遮蔽体の形状寸法は、長さ10cm、厚さ1.5cmの円筒状とした。その他の計算条件については、上記の図3のモデルと同様である。
線源から放出される放射線を0.511MeVの単色γ線としたところ、遮蔽体なしの場合に比べて室外側の実効線量が35%低減した。一方、本発明の実施例について計算した厚さT=15mm、奥行きH=10cmの放射線遮蔽体では(図3〜図5を参照)、上述したように、遮蔽体なしの場合に比べて室外側の実効線量が40%低減する。したがって、同じ奥行き(長さ)であれば、本発明の実施例の方が、比較例に比べて遮蔽能が優れていることが判る。
[本発明と従来技術の設置コストに関する差異]
次に、本発明と従来技術の設置コストに関する差異について説明する。
放射線遮蔽体をダクトに直接巻く方法(比較例1)や、開口部の周囲に枠状の放射線遮蔽体を設置する方法(比較例2)が、本発明の実施例と同じ遮蔽能を得るには、放射線遮蔽体の軸方向の長さを伸ばすか、厚みを増やす必要がある。また、鉛等でできた放射線遮蔽体は重量物であるため、ダクトに直接巻く場合はダクトにかかる荷重が大きくなり、天井からのダクトの吊り下げ能力を強化するか、何らかの放射線遮蔽体を直接支える仕組みが必要である。
一方、本発明の実施例は、貫通孔の開口部を覆うように箱状の放射線遮蔽体を放射線遮蔽壁に設置するものであり、比較例1、2などの放射線遮蔽体よりも軸方向の長さを抑えることが可能であるため、貫通孔側の放射線遮蔽壁のみで放射線遮蔽体を支持することが可能という利点がある。
図8は、放射線治療室(リニアック室)の迷路に設けられた貫通孔の事例である。この図に示すように、放射線遮蔽壁の上方に2つの空調ダクト2と、設備、電気用の6つのスリーブ3が設けられている。ダクト2とスリーブ3は1つの遮蔽棚4で遮蔽されている。なお、このような事例の他に、例えば陽子線施設のサイクロトロン加速器室の放射線遮蔽壁において、十数個の貫通孔が横並びで配置されている事例もある。
このように貫通孔が複数隣り合わせて設置されている具体例として、図9(1)に示すように、貫通孔が横に3列、縦に2段設けられている場合を考える。これに対して、比較例1、比較例2、本発明の実施例をそれぞれ適用すると図9(2)、図9(3)、図9(4)のようになる。これらの図から判るように、本発明の実施例は、特にダクトに直接巻く方法(比較例1)に比べて、放射線遮蔽材の量と設置の手間を減らすことができ、設置コストを低減することができる。
なお、本発明の実施例の放射線遮蔽体の施工は、放射線遮蔽壁に貫通孔を設けた状態でコンクリート等を打設して放射線遮蔽壁を構築した後に、放射線遮蔽体を開口部に設置し、その後、配線・配管等のスリーブやダクトを放射線遮蔽体の穴と貫通孔に設置する手順で施工することが好ましい。
以上説明したように、本発明に係る放射線遮蔽方法によれば、放射線源からの放射線を遮蔽する放射線遮蔽壁に設けられた貫通孔において、放射線源からの放射線を遮蔽する方法であって、貫通孔の開口部を放射線源の側から覆う位置に対して、開口部に対応する穴が開いた箱状の放射線遮蔽体を設置するので、従来の貫通孔の遮蔽工事に比べて簡易な施工で貫通孔における遮蔽能の確保が可能である。このため、貫通孔の放射線遮蔽を容易に行うことができる。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽方法によれば、放射線遮蔽体には、開口部に対向する位置において貫通孔の用途に対応する大きさの穴が開いているので、この穴に配線、配管、空調などの貫通孔の用途に対応したスリーブやダクトを挿通配置することができる。
また、本発明に係る放射線遮蔽体によれば、放射線源からの放射線を遮蔽する放射線遮蔽壁に設けられた貫通孔において、放射線源からの放射線を遮蔽するための放射線遮蔽体であって、貫通孔の開口部を放射線源の側から覆う位置に設置され、開口部に対応する穴が開いた箱状体からなるので、従来の貫通孔の遮蔽工事に比べて簡易な施工で貫通孔における遮蔽能の確保が可能である。このため、貫通孔の放射線遮蔽を容易に行うことができる。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽体によれば、開口部に対向する位置において貫通孔の用途に対応する大きさの穴が開いているので、この穴に配線、配管、空調などの貫通孔の用途に対応したスリーブやダクトを挿通配置することができる。
以上のように、本発明に係る放射線遮蔽方法および放射線遮蔽体は、原子力施設や放射線施設における放射線遮蔽に有用であり、特に、放射線遮蔽壁に開けられた貫通孔の放射線遮蔽を容易に行うのに適している。
1 放射線源
10 放射線遮蔽壁
12 貫通孔
14 開口部
16 放射線遮蔽体
18 穴
20 中性子遮蔽材
22 X線・γ線遮蔽材

Claims (4)

  1. 放射線源からの放射線を遮蔽する放射線遮蔽壁に設けられた貫通孔において、放射線源からの放射線を遮蔽する方法であって、
    貫通孔の開口部を放射線源の側から覆う位置に対して、開口部に対応する穴が開いた箱状の放射線遮蔽体を設置することを特徴とする放射線遮蔽方法。
  2. 放射線遮蔽体には、開口部に対向する位置において貫通孔の用途に対応する大きさの穴が開いていることを特徴とする請求項1に記載の放射線遮蔽方法。
  3. 放射線源からの放射線を遮蔽する放射線遮蔽壁に設けられた貫通孔において、放射線源からの放射線を遮蔽するための放射線遮蔽体であって、
    貫通孔の開口部を放射線源の側から覆う位置に設置され、開口部に対応する穴が開いた箱状体からなることを特徴とする放射線遮蔽体。
  4. 開口部に対向する位置において貫通孔の用途に対応する大きさの穴が開いていることを特徴とする請求項3に記載の放射線遮蔽体。
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