JP2023030639A - 放射線遮蔽構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】迷路内に直接入射する線量を低減するとともに、装置室内の作業スペースや扉の配置に関する制約を小さくすることができる放射線遮蔽構造を提供する。【解決手段】放射線を遮蔽する遮蔽壁10で囲われ、放射線発生装置14を収容する収容室12と、収容室12の出入口である扉24と、収容室12の内部において扉24に続く迷路26を構成する、放射線を遮蔽する迷路壁32と、を有する放射線遮蔽構造100であって、迷路壁32が延びる延在方向に対して交差する交差方向において、迷路壁32に対して迷路26と反対側に位置する遮蔽壁10は、迷路壁32に対して第1の距離S1だけ隔てられ、放射線発生装置14は、交差方向において、迷路壁32に対して迷路26と反対側に位置する遮蔽壁10と、迷路壁32と、に挟まれた、迷路壁32から第1の距離S1の1/4までの領域に少なくとも一部が配置される。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば医療用放射線遮蔽室のような迷路を備えた放射線遮蔽構造に関するものである。
従来、がん治療に使用される電子リニアック(直線加速器)等の放射線発生装置が設置された放射線遮蔽室では、放射線を遮蔽するためにコンクリートや鉄を使った厚い遮蔽壁で囲われている。しかし、遮蔽室の出入口は厚い遮蔽体を設けることができないため、患者に放射線が照射される照射室は、迷路と呼ばれる出入口へ繋がる経路から出入り可能とされている。これにより、線源から出入口に直接、放射線が入射しない構成とするとともに、迷路を形成する壁で放射線を遮蔽する構成としている。また、散乱により照射室に繋がる迷路(経路)の開口部を通過して到達する放射線に関しても、出入口に至るまでの距離を大きくし、出入口に至る放射線が減衰するように、さらには迷路を形成する壁で散乱される回数を増やすことにより放射線が減衰するようにされている。上記の過程により出入口に到達した放射線は、最終的に鉛やポリエチレンを含む遮蔽扉により遮蔽され、室外への漏洩を防いでいる。また、迷路内に壁を貫通する空気が通るダクトや配管や配線を通すために設けられたスリーブが設けられる場合、漏洩を防ぐため鉛やポリエチレンを含む遮蔽棚が設けられる場合がある。
医療用リニアックの主な構成は、ガントリーと、ガントリーを保持・回転させるスタンド、もしくはガントリーと一体となって回転するガントリードラム、およびそれらの周辺機器からなる。以下では、スタンドやガントリードラムに相当する部分および周辺機器の一部を含めて保持装置と呼ぶものとする(一般的な呼称ではない)。ガントリーの先端(ガントリーヘッド)には、X線源として働く金属ターゲットやコリメータがある。
医療用リニアックでX線を利用する際、ガントリーヘッド内の金属ターゲットに加速された電子線を当て、そこで生じたX線束を小窓の開いた鉛やタングステンの板からなるコリメータで絞り込むコリメートを行い、患部に応じた利用線錐を形成し、アイソセンター方向に照射する。この際、ヘッドからは利用線錐の1/1000以下の線量の漏洩線が放出され、電子線のエネルギーが光核反応の閾値以上の場合には中性子も放出される。利用線錐の散乱線、ヘッド漏洩線の散乱線や透過線が迷路内に入射する。
リニアックを制御する操作室は、照射室の外部に設けられる。リニアックを操作するケーブルは、遮蔽壁に設けられたスリーブを通して操作室まで伸びている。リニアックからスリーブまでは、主に床に溝が設けられて形成されたケーブルピットを介してケーブルが這いまわされている。
従来、迷路の形状を複雑にすることで、迷路内や出入口の線量を小さくする手法が提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。迷路先端に、照射室側に伸びる突出部を設けることで、迷路内に直接入射されるヘッド漏洩線を低減させる手法もまた公知であり(例えば、特許文献3を参照)、迷路の壁から独立した遮蔽体でも同様の効果が得られる。
特開平5-223987号公報 特開平4-052598号公報 特開2018-179851号公報
リニアックと操作室および遮蔽壁に設けられるスリーブの位置関係により、照射室の床にケーブルピットが設けられる場合、床方向の遮蔽欠損になりうる。例えば図3に示すように、照射室1から迷路2を挟んで反対側に操作室3があり、迷路2の反対側に保持装置4がある場合、保持装置4が配置された装置室5の床下、照射室1の床下、迷路2の床下にケーブルピット6が配置される。迷路2側のケーブルピット6は、迷路2と操作室3の間の遮蔽壁7を貫通するスリーブ8に接続している。なお、遮蔽壁7には、迷路2に連通する出入口用の遮蔽扉9Aが設けられ、利用線錐9Bの延長に位置する遮蔽壁7(側壁と天井)内には、遮蔽鋼板9Cが設けられている。装置室5と照射室1は壁状の間切り9Dで仕切られており、扉9Eを通じて往来可能となっている。このリニアックでX線を利用する際、ガントリー9F内の金属ターゲット9G(線源)に加速された電子線を当て、そこで生じたX線をコリメートして利用線錐9Bを形成し、治療台9Hのアイソセンター9I方向に照射する。このようなスリーブ配置の場合、遮蔽壁7のそばにケーブルピット6が設置されるため、遮蔽欠損になりうる。
迷路内の線量が多い場合、その後続の出入口、ダクト、スリーブからの漏洩が大きくなり、遮蔽扉や遮蔽棚といった、線量に見合う遮蔽が必要である。
これに対し、上記の特許文献4のように遮蔽体を設置する方法が考えられる。すなわち、図4(2)に示すように、迷路2の先端の壁7Aを突出させて遮蔽体7Bを作り、その影に装置室5を設置する方法が考えられる。これにより、迷路2内に直接入射する線量を低減させることができる。図4の例では、特に遮蔽扉9Aから直接見渡すことのできる領域Aを図示しているが、遮蔽体7Bの設置により領域Aに直接入射可能な放射線を低減できていることがわかる。しかし、装置室5内には、装置のメンテナンス等の作業スペースや、装置室5内に入るための出入口を設ける必要があるが、迷路2から連続した遮蔽体7Bでは作業スペースの広さや扉9Eの設置箇所に制限が生じる。
このため、装置室が照射室の迷路側に設置されている放射線遮蔽室において、迷路内に直接入射する線量を低減するとともに、装置室内の作業スペースや扉の配置に関する制約を小さくすることができる技術が求められていた。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、迷路内に直接入射する線量を低減するとともに、装置室内の作業スペースや扉の配置に関する制約を小さくすることができる放射線遮蔽構造を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る放射線遮蔽構造は、放射線発生装置と、放射線を遮蔽する遮蔽壁で囲われ、放射線発生装置を収容する収容室と、前記収容室の出入口である扉と、前記収容室の内部において扉に続く迷路を構成する、放射線を遮蔽する迷路壁と、を有する放射線遮蔽構造であって、前記迷路壁が延びる延在方向に対して交差する交差方向において、前記迷路壁に対して前記迷路と反対側に位置する前記遮蔽壁は、前記迷路壁に対して第1の距離だけ隔てられ、前記放射線発生装置は、前記交差方向において、前記迷路壁に対して前記迷路と反対側に位置する前記遮蔽壁と、前記迷路壁と、に挟まれた、前記迷路壁から前記第1の距離の1/4までの領域に少なくとも一部が配置されることを特徴とする。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽構造は、上述した発明において、前記収容室では、前記延在方向において、前記迷路壁の端部と、前記迷路壁の端部に対向する前記遮蔽壁と、の間に開口部が設けられ、前記収容室の内部に、前記放射線発生装置の線源から前記開口部へ直接入射することを防ぐための放射線遮蔽体が配置されていることを特徴とする。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽構造は、上述した発明において、前記放射線遮蔽体は、前記迷路壁とは独立して設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽構造は、上述した発明において、前記放射線遮蔽体は、前記迷路壁と連続して設けられていることを特徴とする。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽構造は、上述した発明において、前記遮蔽壁は、第一貫通孔が設けられ、前記迷路壁は、第二貫通孔が設けられ、前記第一貫通孔と前記第二貫通孔の間に位置する前記迷路の床には、ケーブルピットが設けられており、前記放射線発生装置に繋がるケーブルは、前記第1貫通孔、前記ケーブルピット、前記第2貫通孔を通されることを特徴とする。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽構造は、上述した発明において、前記放射線発生装置は、患者の治療に用いられるものであって、患者が横たわるベッドを備えていないことを特徴とする。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽構造は、上述した発明において、前記放射線発生装置は、患者が横たわるベッドを備え、患者の治療に用いられるものであって、前記ベッドは、前記迷路壁から前記第1の距離の1/4までの領域に配置されていないことを特徴とする。
本発明に係る放射線遮蔽構造によれば、放射線発生装置と、放射線を遮蔽する遮蔽壁で囲われ、放射線発生装置を収容する収容室と、前記収容室の出入口である扉と、前記収容室の内部において扉に続く迷路を構成する、放射線を遮蔽する迷路壁と、を有する放射線遮蔽構造であって、前記迷路壁が延びる延在方向に対して交差する交差方向において、前記迷路壁に対して前記迷路と反対側に位置する前記遮蔽壁は、前記迷路壁に対して第1の距離だけ隔てられ、前記放射線発生装置は、前記交差方向において、前記迷路壁に対して前記迷路と反対側に位置する前記遮蔽壁と、前記迷路壁と、に挟まれた、前記迷路壁から前記第1の距離の1/4までの領域に少なくとも一部が配置されるので、迷路内に直接入射する線量を低減するとともに、装置室内の作業スペースや扉の配置に関する制約を小さくすることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽構造によれば、前記収容室では、前記延在方向において、前記迷路壁の端部と、前記迷路壁の端部に対向する前記遮蔽壁と、の間に開口部が設けられ、前記収容室の内部に、前記放射線発生装置の線源から前記開口部へ直接入射することを防ぐための放射線遮蔽体が配置されているので、放射線遮蔽体の一部に、装置室に出入りするための開口および扉を配置することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽構造によれば、前記放射線遮蔽体は、前記迷路壁とは独立して設けられているので、迷路壁と放射線遮蔽体の間の間仕切りに、装置室に出入りするための開口および扉を配置することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽構造によれば、前記放射線遮蔽体は、前記迷路壁と連続して設けられているので、放射線遮蔽体の一部に、装置室に出入りするための開口および扉を配置することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽構造によれば、前記遮蔽壁は、第一貫通孔が設けられ、前記迷路壁は、第二貫通孔が設けられ、前記第一貫通孔と前記第二貫通孔の間に位置する前記迷路の床には、ケーブルピットが設けられており、前記放射線発生装置に繋がるケーブルは、前記第1貫通孔、前記ケーブルピット、前記第2貫通孔を通されるので、線源から利用線錐方向の遮蔽欠損を防ぐことができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る放射線遮蔽構造の実施の形態を示す図であり、(1)は実施の形態1、(2)は実施の形態2、(3)は実施の形態3である。 図2(1)は実施の形態1に関する説明図、(2)はケーブルの配線を最適化し遮蔽欠損を回避した配置例を示す図である。 図3は、従来の操作室とケーブルピット配置例における遮蔽欠損の説明図であり、(1)は平面図、(2)は断面図である。 図4は、従来の照射室の迷路側に装置室を設置する際の比較図であり、(1)は遮蔽体を設けない場合、(2)は遮蔽体を設ける場合である。
以下に、本発明に係る放射線遮蔽構造の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1について説明する。
図1(1)に示すように、本実施の形態1に係る放射線遮蔽構造100は、放射線を遮蔽する遮蔽壁10(放射線遮蔽壁)で囲われた収容室12と、収容室12の出入口である遮蔽扉24と、収容室12の内部において遮蔽扉4に続く迷路26を構成する迷路壁32と、を有する。
収容室12には、リニアック14(放射線発生装置)の一部である保持装置16が配置されている。本実施例では収容室12は、保持装置16により一部がガントリーヘッド20(線源)からX線(放射線)を患者へ照射する照射室22に区切られている。
迷路壁32は、放射線を遮蔽する放射線遮蔽材で構成され、照射室22へ迷路26を介して出入り可能とする遮蔽扉24は、線源20からのX線が迷路26で直接到達することが防がれる配置とされている。具体的には迷路壁32は、遮蔽扉24が設けられた一方の遮蔽壁10から、一方の遮蔽壁10に対向する他方の遮蔽壁10へ向かって延びている。これにより収容部12では、迷路壁32の延在方向において、他方の遮蔽壁10へ向かって延びた迷路壁32の端部と、迷路壁32の端部に対向する他方の遮蔽壁10との間に開口部36が設けられている。
また遮蔽扉24は、鉛やポリエチレンを含み、迷路26を形成する迷路壁32や遮蔽壁10で散乱されたX線が到達した場合であっても遮蔽できるように構成されている。照射室22から迷路26を挟んで反対側に、リニアック14を操作するためのリニアック操作室(不図示)が配置されている。
このリニアック14でX線を利用する際、ガントリーヘッド20(金属ターゲット)に加速された電子線を当て、そこで生じたX線をコリメートして利用線錐28を形成し、図示しない治療台のアイソセンター方向に照射する。利用線錐28の延長に位置する遮蔽壁10内には、遮蔽鋼板30が設けられている。
なお、収容室12は、照射室22に加え、リニアック14の一部である保持装置16や間仕切り38で仕切られた装置室18を備えた構成としている。つまり装置室18は、内部が間仕切り38で仕切られ、リニアック14の一部が照射室22に入室した患者の目に触れないように隠している状態である。間仕切り38は、石膏ボード等で壁状に構成されている。間仕切り38には、人の出入りが可能な開口もしくは扉40を設けることが可能であり、装置室18への出入口設置の自由度を高め、かつ内部のスペースを広く確保することができる。
本実施例では収容室12において、リニアック14(放射線発生装置)の一部である保持装置16を迷路壁32側に配置している。つまり収容室12の断面において、照射室22、リニアック14(放射線発生装置)の一部、迷路壁32、迷路26、が順に並ぶ構成とされている。ここで、交差方向において迷路26と反対側に位置する遮蔽壁10は、迷路壁32に対して所定距離S1(第1の距離)だけ隔てられている。
本実施例では特にリニアック14(放射線発生装置)の一部は、交差する方向(迷路壁32の厚み方向)において、迷路壁32との間に、迷路壁32に対して所定距離S2だけ離して配置する。この所定距離S2は、図2(1)に示すように、リニアック14(放射線発生装置)の一部が所定距離S1の1/4より近い領域に配置されるように設定することが好ましい。これにより、線源(ガントリーヘッド20)から放出する利用線錐28以外の漏洩線が開口部36を介して迷路26の内部へ直接入射することをより良く抑制することができる。なおリニアック14は、患者が治療時に横たわるベッドを備えない構成としたが、ベッドを備える場合には、ベッドが所定距離S1の1/4より近い領域に配置されないように配置される。
なお、本実施例に係る形態では、間仕切り38の一部には、放射線遮蔽体42が配置されることが好ましい。この放射線遮蔽体42は、線源(ガントリーヘッド20)から放出する利用線錐28以外の漏洩線が開口部36へ直接入射することを防ぐためのものであり、迷路壁32から独立した柱状構造物として構成される。放射線遮蔽体42により、遮蔽扉24から直接見渡すことのできる迷路26内の領域Aへの直接入射を減らし、迷路26内の線量を下げ、迷路26に続く出入口(遮蔽扉24)に必要な遮蔽材を減らすことができる。また、迷路壁32から独立して設けることで、迷路壁32と放射線遮蔽体42の間の間仕切り38に、装置室18に出入りするための開口もしくは扉40を配置することができる。放射線遮蔽体42の材質には、例えばコンクリート、鉄、鉛、ポリエチレン、水(水を入れた容器)といった一般的な放射線遮蔽材や、これらを組み合わせた材料を用いることができる。
放射線遮蔽体42は、線源(ガントリーヘッド20)から見て開口部36を十分に隠せる位置、サイズであることが好ましい。より具体的には、放射線遮蔽体42は、平面視で、ガントリーヘッド20と開口部36の両端を結ぶ2直線L1、L2と交差するように配置する。高エネルギーのX線に対し、石膏ボード等による間仕切り38の遮蔽能は弱く、通常、遮蔽体として扱われないが、間仕切り38のうちガントリーヘッド20と開口部36の間の部分に遮蔽能の強い物質を配置して放射線遮蔽体とすることで、ガントリーヘッド20から放出される漏洩線が迷路26内の、特に領域Aに対して線源から直接入射する線量を低減可能である。
本実施の形態によれば、装置室18が照射室22の迷路26側にある配置レイアウトとすることで、ガントリーヘッド20から迷路26内に直接入射する放射線を減少させ、迷路26内の線量を減らすことができる。これにより、遮蔽扉24の遮蔽材を減らすことが可能である。
また、本実施の形態によれば、図2(2)に示すように、リニアック操作室44が照射室22から迷路26を挟んで反対側にある場合に、ケーブルピット46が照射室22内を横切らない配置とすることが可能である。したがって、ケーブルピット46を設けるべく床に形成した溝によって生じる恐れがあった床の部分的な遮蔽欠損を生じさせないための手当てを要しない構成とすることができる。
本実施例では、図2(2)に示す通り、遮蔽壁10に設けられた複数のスリーブ48(第一貫通孔)と、迷路壁32に設けられた複数のスリーブ50(第二貫通孔)と、スリーブ48、50の間に位置する迷路26の床に設けられたケーブルピット46と、装置室18内の床に設けられたケーブルピット52と、を有する構成とする。これによりリニアック14に繋がるケーブルは、操作室44からスリーブ48、ケーブルピット46、スリーブ50、ケーブルピット52を通り、装置室18に引き込まれる。この構成によれば、迷路26内の線量は照射室22に比べて低いため、ダクト・スリーブから漏洩する線量を抑えることができ、ダクト・スリーブからの漏洩線を遮蔽する遮蔽材を減らすことが可能である。さらにはケーブルピットの長さを短くすることができ、コストダウンを図ることが可能である。このように、装置室18の位置に合わせて収容室12のレイアウトの自由度を向上させることができる他、コストダウンを図ることも可能となる。
なお、本実施例のように間仕切り38を使って装置室18とせず、収容室12にリニアック14の一部であるスタンド(保持装置16)が露出しているタイプであっても、同様にリニアック14を迷路26側に配置することで上記と同様の効果が得られる。さらには本実施例のように、線源(ガントリーヘッド20)と開口部36の間に放射線遮蔽体42を設置してもよい。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図1(2)に示すように、本実施の形態2に係る放射線遮蔽構造200は、上記の実施の形態1の変形例であり、迷路壁32の端部34に連続して放射線遮蔽体42Aを設けたものである。この放射線遮蔽体42Aは、迷路壁32の端部34から延びる壁体であり、迷路壁32の端部34に近い側に、装置室18に出入りするための開口54を有する。開口54には扉56が設けられる。放射線遮蔽体42Aは、人の出入りが可能で遮蔽効果のない開口54を有することから、迷路26とは異なる構造であり、迷路26の一部ではない。本実施の形態によれば、放射線遮蔽体42Aの一部に、装置室18に出入りするための開口および扉を配置することができる。
(実施の形態3)
次に、本発明の実施の形態3について説明する。
図1(3)に示すように、本実施の形態3に係る放射線遮蔽構造300は、上記の実施の形態1の変形例であり、間仕切り38の一部に放射線遮蔽体42Bを設けたものである。図の例では、金属板からなる放射線遮蔽体42Bを間仕切り38の角部に配置した場合を示している。放射線遮蔽体42Bを間仕切り38の一部として構成する代わりに、間仕切り38の一部に対して固定してもよい。本実施の形態によれば、間仕切り38に放射線遮蔽体42Bを設けることによって収容室12内のスペースの利用効率を向上することができる。
以上説明したように、本発明に係る放射線遮蔽構造によれば、放射線発生装置と、放射線を遮蔽する遮蔽壁で囲われ、放射線発生装置を収容する収容室と、前記収容室の出入口である扉と、前記収容室の内部において扉に続く迷路を構成する、放射線を遮蔽する迷路壁と、を有する放射線遮蔽構造であって、前記迷路壁が延びる延在方向に対して交差する交差方向において、前記迷路壁に対して前記迷路と反対側に位置する前記遮蔽壁は、前記迷路壁に対して第1の距離だけ隔てられ、前記放射線発生装置は、前記交差方向において、前記迷路壁に対して前記迷路と反対側に位置する前記遮蔽壁と、前記迷路壁と、に挟まれた、前記迷路壁から前記第1の距離の1/4までの領域に少なくとも一部が配置されるので、迷路内に直接入射する線量を低減するとともに、装置室内の作業スペースや扉の配置に関する制約を小さくすることができる。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽構造によれば、前記収容室では、前記延在方向において、前記迷路壁の端部と、前記迷路壁の端部に対向する前記遮蔽壁と、の間に開口部が設けられ、前記収容室の内部に、前記放射線発生装置の線源から前記開口部へ直接入射することを防ぐための放射線遮蔽体が配置されているので、放射線遮蔽体の一部に、装置室に出入りするための開口および扉を配置することができる。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽構造によれば、前記放射線遮蔽体は、前記迷路壁とは独立して設けられているので、迷路壁と放射線遮蔽体の間の間仕切りに、装置室に出入りするための開口および扉を配置することができる。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽構造によれば、前記放射線遮蔽体は、前記迷路壁と連続して設けられているので、放射線遮蔽体の一部に、装置室に出入りするための開口および扉を配置することができる。
また、本発明に係る他の放射線遮蔽構造によれば、前記遮蔽壁は、第一貫通孔が設けられ、前記迷路壁は、第二貫通孔が設けられ、前記第一貫通孔と前記第二貫通孔の間に位置する前記迷路の床には、ケーブルピットが設けられており、前記放射線発生装置に繋がるケーブルは、前記第1貫通孔、前記ケーブルピット、前記第2貫通孔を通されるので、線源から利用線錐方向の遮蔽欠損を防ぐことができる。
以上のように、本発明に係る放射線遮蔽構造は、医療用放射線遮蔽室のような迷路を備える放射線利用施設に有用であり、特に、迷路内に直接入射する線量を低減するとともに、装置室内の作業スペースや扉の配置に関する制約を小さくするのに適している。
10 遮蔽壁(放射線遮蔽壁)
12 収容室
14 リニアック(放射線発生装置)
16 保持装置
18 装置室
20 ガントリーヘッド(線源)
22 照射室
24 遮蔽扉(出入口)
26 迷路
28 利用線錐
30 遮蔽鋼板
32 迷路壁
34 端部
36 開口部
38 間切り
40,56 扉
42,42A,42B 放射線遮蔽体
44 リニアック操作室
46,52 ケーブルピット
48,50 スリーブ
54 開口
100,200,300 放射線遮蔽構造
A 領域
L1,L2 直線
S1 第1の距離

Claims (7)

  1. 放射線発生装置と、
    放射線を遮蔽する遮蔽壁で囲われ、前記放射線発生装置を収容する収容室と、
    前記収容室の出入口である扉と、
    前記収容室の内部において扉に続く迷路を構成する、放射線を遮蔽する迷路壁と、を有する放射線遮蔽構造であって、
    前記迷路壁が延びる延在方向に対して交差する交差方向において、前記迷路壁に対して前記迷路と反対側に位置する前記遮蔽壁は、前記迷路壁に対して第1の距離だけ隔てられ、
    前記放射線発生装置は、前記交差方向において、前記迷路壁に対して前記迷路と反対側に位置する前記遮蔽壁と、前記迷路壁と、に挟まれた、前記迷路壁から前記第1の距離の1/4までの領域に少なくとも一部が配置される放射線遮蔽構造。
  2. 前記収容室では、前記延在方向において、前記迷路壁の端部と、前記迷路壁の端部に対向する前記遮蔽壁と、の間に開口部が設けられ、
    前記収容室の内部に、前記放射線発生装置の線源から前記開口部へ直接入射することを防ぐための放射線遮蔽体が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の放射線遮蔽構造。
  3. 前記放射線遮蔽体は、前記迷路壁とは独立して設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線遮蔽構造。
  4. 前記放射線遮蔽体は、前記迷路壁と連続して設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線遮蔽構造。
  5. 前記遮蔽壁は、第一貫通孔が設けられ、
    前記迷路壁は、第二貫通孔が設けられ、
    前記第一貫通孔と前記第二貫通孔の間に位置する前記迷路の床には、ケーブルピットが設けられており、
    前記放射線発生装置に繋がるケーブルは、前記第1貫通孔、前記ケーブルピット、前記第2貫通孔を通されることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の放射線遮蔽構造。
  6. 前記放射線発生装置は、患者の治療に用いられるものであって、患者が横たわるベッドを備えていないことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の放射線遮蔽構造。
  7. 前記放射線発生装置は、患者が横たわるベッドを備え、患者の治療に用いられるものであって、
    前記ベッドは、前記迷路壁から前記第1の距離の1/4までの領域に配置されていないことを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の放射線遮蔽構造。
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