JP4307379B2 - エネルギー領域GeVまでの中性子に対するイオン治療用シールドルーム - Google Patents

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Description

本発明は、エネルギー領域GeVまでの中性子に対するイオン治療用シールドルームに関する。
ドイツ連邦共和国およびその他のヨーロッパの国々おいて現在、高エネルギーのイオンビームに対する医用の治療加速器装置が計画中である〔I〕。高エネルギーイオン加速器を構想するに当たり、イオン加速器が加速器構造におけるイオンの制動プロセスの際に2次放射を生体標的または別のターゲットに発生するという問題がある。2次放射の主成分は中性子ビームである。この2次放射は所望しない付随効果である。これに対して1次線は加速されるもしくは輸送される。
次のプロセスのために2次放射として中性子が生成されることになる:
−電荷反転による放射損失;
−不完全な真空による残留ガスとの相互作用による放射損失:
−軌道から外れる過程中、軌道へ入る過程中、抽出および注入期間;
−イオン線の、織物またはその他の材料における制動の際。
回避できない2次放射、「中性子ビーム」は遮蔽されなければならない。線源放射として生成される放射線レベルは著しく高くかつSv/hまでのレベルになる。遮蔽の外側で許容できる放射線レベルは、遮蔽の外側での領域の定義に応じて、例えばドイツ連邦共和国の放射線防護法「監視またはコントロール領域」によれば、μSv/hレベルにある。従って中性子ビームの線量パワーは約6オーダ分も低減されなければならない。
クリニックの周辺に重イオン治療ユニットを実現するには放射線防護規定の要求が考慮されなければならず、すなわち治療室に接している領域は、監視領域もしくは放射性物質の無視できる放出において年間1mSv限界値を維持する領域として定義されるべきである。
患者がx線およびガンマ線によって照射される従来の治療装置は、放射線防護室(Strahlenbunker)において、コンクリートト壁が散乱放射のような生成される1次放射を遮蔽して周囲の領域が現実として高められた放射線レベルを有することがないように配置されている。
放射線治療はこれまで、例えば137−Cs,60−Coのようなガンマ線源からのビームによって、または電子加速器において生成されたx線によって実施される。それ故に構造的な放射線防護はガンマおよびx線の遮蔽のためである。50MeVまでの高い終点エネルギーを有する電子加速器に対して、原子核の光電効果において生成される中性子ビームの遮蔽が必要である。中性子遮蔽の設計のための基準となる手引きはDIN規格DIN6847/第2部〔II〕、NCRPの刊行物および基礎研究の高エネルギー粒子加速器に対して参照手引きは Landolt-Boernstein〔III〕である。
中性子ビームの遮蔽のための一般的な手法は、水、コンクリート、水を含有する材料のような水素含有物質の使用である。x線およびガンマ線の遮蔽のために使用される、鉛または鉄のような素材は、中性子を弱めるかまたは吸収するためにはさほど適していない。直接的な中性子ビームに対してDIN6847/第2部〔II〕によれば、医用の照射装置の領域に対して次の十分の一値(デシ)層厚が指示される:
Figure 0004307379
3MeVまでのエネルギーの中性子の吸収および弱体化が十分でないことに基づいて、金属中に不十分な作用が実現されるので、水素を含む別の吸収体が金属遮蔽部に続いて使用されなければならない。
層厚dおよび最小壁厚(d>d)の遮蔽作用はエネルギーEの中性子ビームに対して次の通りである:
Figure 0004307379
上式中、λ(E)は中性子ビームのエネルギーおよび入射線に対して相対的である角度θに依存している特徴的な弱体化定数、rは線源点までの距離、dは遮蔽厚およびHは1次線およびターゲットに依存している線源強度である。
遮蔽作用は、3MeVまたはそれ以下のエネルギーを有する中性子の場合を除いて、銅に対して一般にコンクリートに対してよりも高い。しかし遮蔽の作用は、全部の中性子エネルギーが線源中性子の、遮蔽を通る輸送の際に発生する可能性があるので、すべての中性子エネルギーに対して作用する遮蔽が存在していなければならない程度のものである。
これまでに作られている放射線治療装置の放射線防護設計は、中性子成分の遮蔽に関して10MeV周辺の中性子のエネルギー領域に集中していた。この場合コンクリートは一般にそれだけですべての種類の放射線に対する十分に作用する放射線防護である。遮蔽作用の差異は金属に対してコンクリートに対してと同じに、広いエネルギー領域にわたって、すなわち3および30MeVの間で匹敵している。
イタリアのイオン治療プロジェクトTERAのための最新の放射線防護計画は、Agosteo et al. 〔IV〕によって実施された。研究において計画の基礎となったのは炭素イオンだった。放射線防護措置の設計のために、ここでも基礎となっている中性子スペクトルが使用される。Agosteo は測定された中性子スペクトルおよび中性子の輸送に基づいて例えば球形のジオメトリーである簡単化されたジオメトリーにおける放射線輸送プログラムFLUKA(V)によって、中性子ビームの弱体化を簡単化された配置構成において見積もることを可能にするモデルを開発した。このモデルは実質的に直接放射により引き起こされる線量パワーを記述する。散乱放射により高められると予測される線量パワーの割合をこの種のモデルによって見積もるのは極めて困難である。
炭素イオンを用いて深度治療を行う重イオン治療装置は中性子当たり約400MeVまでのエネルギーを有する加速されたイオンを必要とする。織物におけるイオンの制動プロセスの際に生成される中性子ビームは約1000Mevまでのエネルギーを有している。この形式の高エネルギー中性子ビームはとりわけ、従来の遮蔽材料によって遮蔽するのは難しい。100MeVより大きなエネルギーを有する中性子の弱体化長は、密度2.3g/cmの通常のコンクリートにおいて45ないし52cmである。デシ値厚は約100cmである。
イオン治療装置の物理的なパラメータは従来のx線照射装置の物理的なパラメータとは大幅に異なっている。すなわち1次線、陽子、炭素イオン、酸素イオンが生成から加速を介して織物における沈着まで正確にガイドされかつx線の場合程強く散乱されないが、制動プロセスにおいて高エネルギーの中性子が生成される。すなわち核子当たりエネルギー400MeVの炭素イオンは制動プロセスにおいて平均して約5個の中性子を発生する。
従来のx線治療装置に対するその他の基本的な相異は、空間的なコストおよび(放射)線生成から線の、患者への適用までの空間的な分配が比較的高いことである。これによりそのことだけで線ガイドに対する遮蔽コストは従来の装置の場合より高い。その他結果的に生じることは、処置空間へのアクセスが難しくなることである。というのは、線ガイドそれ自体が治療ユニット周辺の広範な領域を占有しているからである。x線照射装置に対するこれまでの遮蔽コンセプトは主として、MeV中性子ビームに対して適用可能である弱体化長を有するコンクリートの遮蔽作用を利用している。
放射線防護遮蔽はこれまで、中性子の、陽子での弾性的な散乱を利用するための水素を含む減速材の観点下でのみ開発された。これは中性子エネルギーが増えるにつれて一層僅かになる作用断面を有している。しかし高エネルギーの中性子ビームを遮蔽する構想は、高いエネルギーに対して一定の作用断面および一定の相互作用確率を有している、破砕反応および断片化反応のような別の物理的なプロセスを考慮しなければらない。コンクリートと比較して、種々異なっている材料において変化された弱体化長を招来しかつ純然たるコンクリート遮蔽より一層コンパクトにすませることができる材料がある。
治療ユニットの建造物構造寸法を一層効率よく選定できるようにするために、コンパクトな遮蔽ジオメトリーを計画することが重要である。これには次のものがある:
−治療室に接している領域は、人員の持続的な滞在を回避することができるような構造のものであるべきである;
−治療室のディメンジョンは、小さな領域だけを遮蔽すればいいように制限すること;
−僅かな容積しか必要でないように遮蔽それ自体の構造を効率的なものにする;
−遮蔽ドアのディメンジョンを、最後に挙げた措置に基づいて、それが電動力なしにも容認できる時間で動かすことができる程度に低減できるようにする。
本発明の課題は、3番目に挙げた措置、すなわち遮蔽それ自体の構造を効率的なものにして遮蔽が僅かな容積しか必要としないようにすることである。
この課題はその要点において請求項1に記載の構成によって解決される。構造的に有利なその他の手段は請求項2ないし10に記載されている。
本発明の解決法は、高エネルギーの中性子ビームに対する空間的に構造化されたマルチ・レイヤ・コンポーネント遮蔽、すなわち組み合わせ遮蔽の原理に基づいている。要部は、まず、重原子核による破砕反応において高エネルギーの中性子の相互作用を引き起こす層(レイヤ)の導入である。この場合高エネルギーの中性子から複数の低エネルギーの中性子が生成される。それから低エネルギーを有するこれら中性子は従来の水素含有遮蔽材料によって吸収されるまたは弱められるようにすることができる。組み合わせ遮蔽は2つのステップにおいて作用する:
−第1の層における破砕および断片化反応のトリガ;
−第1の層において生成された2次放射線の吸収。
組み合わせ遮蔽において重要なのは、放射線防護の種々の観点における最適化である。破砕反応において中性子のみならず、核断片、その中の放射性核種も生成され、これらはこれらで可能な線源である。
重い標的核の選択で、放射性核種においてどんなスペクトルを発生することができるかが予め定められる。従って重い標的核の選択は高エネルギー中性子から低エネルギー中性子への変換と、ベータ線およびガンマ線を放出する放射性核種の生成とを最適化する。重い破砕−中性子変換器、鉛、ビスマスなどの使用により、生成された部分的に比較的長い寿命の放射性核種においても相応に大きなスペクトルが引き起こされる。比較的軽い破砕中性子−変換器は破砕に対して比較的僅かな効率しか有していないが、放射性核種を発生するための可能性および作用断面は比較的僅かである。というのは、核種カードに相応して僅かな放射性核種しか生成されない可能性が高いからである。このことは、加速器の遮断後のベータ線およびガンマ線による被爆に関して放射線防護考察の意味において有利である。
組み合わせ遮蔽は空間的な構造化の措置によって次のようにまとめられる:
i. 組み合わせ遮蔽の導入、例えば0.5ないし1mの層厚を有する金属および続いて1.5ないし2または3mの層厚を有する水素含有層、ここにおいて第1の層において高エネルギーの中性子が破砕反応を引き起こしかつ主として比較的僅かなエネルギーの中性子が生成され、これらは第2および別の層において弱められる、例えば0.5mのFeおよび1.5mのコンクリート。
ii. 例えばコンクリートから成っている、天井から床の方向に垂直に下方に延びているクロス・サポート(横断方向の筋違)の導入。
iii. 横断方向に配置された壁の、組み合わせ遮蔽への導入、相前後する複数の組み合わせ遮蔽。
iv. 例えばポリエチレン、水、パラフィンなどのような水素含有物質から成る放射線防護ドア。
v. 別の措置は、組み合わせ遮蔽に壁を有する中性子に対する後方散乱室およびラビリンスへの側方の出口である。
vi. 1次線が滅せられる場所に対する線ストップ増強部。
付加的な措置は次の通りである:
−1次線が滅せられる領域に対して、例えばPbのような金属から成る可動の被覆を設けて、生成されたガンマ放射核種が遮蔽されるようにする。ここで、被覆は放射作動の期間には遮蔽に収納されて活性化が回避されるようにしかつ1次線の遮断後にこの可動の被覆を遮蔽されるべき個所に移動させることができる。
別の可能な措置は次の通りである:
−照射室における可動の遮蔽、所謂調整用設置壁。
上に挙げた措置は要求される遮蔽効果が実現されるように組み合わされなければならない。組み合わせ遮蔽の使用は最適化された放射線防護装置の構成要素である。
個別措置は文献から公知でありまたは基礎研究の加速器に実際に使用されている。遮蔽作用の最適化のためのその組み合わせにおいてこれらは新規である。その組み合わせにおいてこれらは、生成された2次放射の線量パワーを放射線源から入口までで約6オーダだけ低減することができるように作用する。重要な観点は、線源からの直接的な放射成分の低減と同時に、散乱放射成分の同程度の低減でもある。中性子ビームに対するこれまでの遮蔽は、入射する中性子の制動、水素含有減速材、遮蔽において生じている中性子捕獲反応しか利用していない。
ここで提案される措置によりまず1つには、入射する放射(ビーム)の破砕反応を介して入射する中性子より平均してより小さなエネルギーを有する中性子が生成される。それからこれらの生成された中性子はこれまでのように減速されかつ遮蔽中の中性子捕獲反応を介して吸収される。更に、散乱放射の低減のための後方散乱袋小路のような、ラビリンス設計の遮蔽ストラテジーのために新しい幾何学的なエレメントが導入される。
上に述べたストラテジーは、列記した措置の適用に応じて次の観点において、生成された中性子ビームおよび陽子ビームの最適化された遮蔽作用を行う:
−放射線レベルの低減、直接放射によって引き起こされて散乱されない放射;
−散乱放射の低減;
−遮蔽ユニットの空間コストの利用の最適化;
−2次放射による放射性核種の生成、その最小化および生成されたガンマおよびベータ放射性核種による放射被曝の低減;
−例えば出入り口遮蔽ドアが余分になるような、最初の3つの措置の組み合わせ。
本発明の重要な利点は、構造的な放射線防護の実現にある。これらは次の通りである:
−材料および幾何学形状(ジオメトリー)に関して遮蔽を最適化すること;
−陽子、炭素イオンおよび別のイオンによる重イオン治療を用いた癌処置のための装置に関して前以て決められている放射線防護指令を充足するために最適化された措置を統合すること;
−提案される措置は、患者の処置場所に対する入口方向が放射軸線上にあるという不都合な場合ですら、適切な遮蔽を保証するのに適している;
−高エネルギーの中性子ビームに対する直接および散乱放射のより効率的な弱体化;
−遮蔽壁において線が滅せられる、患者照射と品質保証とを有する2モード作動に対するコンパクトな遮蔽措置;
−照射期間の放射性物質の生成およびこの物質の遮蔽を考慮すること。
放射線医科大学病院におけ重イオン治療装置の今日のプロトタイプ計画は炭素イオン線および陽子線に対して考案されている。計画は技術監査協会−南ドイツ(TUEV-Sueddeutschland)によって遮蔽装置および遮蔽作用を考慮して検査されかつ基本的な構想において確認された。
本発明を大学病院の計画された重イオン治療装置のホリゾンタル照射場所のスケッチに基づいて詳細に説明する。このために2つの図を有する図面が使用される。これら図は詳細には次のものを示している:
図1はハイデルベルクの大学病院の計画された重イオン治療装置のホリゾンタル照射場所の概略、
図2は中性子に対する環境線量等量H(10)を突き止めるための放射輸送プログラムFLUKAによるホリゾンタル照射場所のジオメトリーPのモデリング。
それぞれ1次線としての陽子、炭素イオン、ネオンイオンおよび重イオンを有する重イオン治療装置の作動は中性子ビームの発生と結び付いている。基本は物質におけるイオンの制動過程の期間のイオンまたは標的核の説明された核物理学的な断片化プロセスである。例えば核子当たりエネルギー400MeVを有する炭素イオン当たり、平均して5個の中性子が放出される。最小の損失と結び付いている、シンクロトロンから患者への線ガイドの他にとりわけ患者処置の領域は中性子線量パワーの高められる場所である。
この形式の治療装置の配置構成によって、処置領域への出入り口は大抵の場合、1次線に面して線ライン上にある。中性子の空間的な放射は、中性子の主成分がイオン線の順方向において散乱されるようになるものである。これにより必然的に、本発明の措置を有する出入り口領域の構造は線が治療場所の入口領域までに十分に弱体化されるようなものになる(図1および図2参照)。
照射場所に対する遮蔽装置の作用の特定は最も正確には放射輸送プログラムによって実施することができる。実施例において、測定された中性子スペクトルに基づいているモンテカルロ放射輸送計算の結果がまとめられている。
放射線レベルの見積もりはホリゾンタル照射場所に対して、測定された中性子スペクトルに基づいて、放射輸送プログラムFLUKAを使用して計算された。線として中性子当たり400MeVのエネルギーを有する炭素イオン線が考慮される。ターゲットとして、測定のために、100×100×200mmを有するグラファイトブロックないし100×100×50mmを有する銅ターゲットが用いられた。中性子スペクトルは角度0°、7.5°、15°、30°、60°および90°において測定された。
この形式の治療装置に対して基本的には2つの照射モードがある:
−患者において完全な1次線沈着が行われる患者の照射;
−照射計画を検証しかつ線が線捕獲器においても沈着されるようにすることができる品質保証のための照射。
計算のために、炭素ターゲットによって測定されたスペクトルは患者照射を表すものとしてもしくは銅ターゲットによって測定されたスペクトルは品質保証のための照射を表すものとして考察された。
ラビリンスのFLUKAシミュレーション計算のために、2つのジオメトリーが次のように扱われる:
−患者ジオメトリー、P;
−コントロール測定に対するジオメトリーQ(品質の保証)。
前者の場合線は第1の壁の前約3.5mにあるターゲットにおいて滅せられ、後者の場合線の大部分はラビリンスの第1の壁において直接滅せられる(図1および図2参照)。発生された中性子はラビリンスを通って入口領域の方向に輸送されかつ線量パワーがラビリンスに沿って求められる。イオン線の強度に対して、作動中10分間隔にわたって平均化されて、毎秒10個のイオンの最大値が期待される。理論上の最大値は毎秒3*10個のイオンにある。逆方向に散乱される線源中性子に対して、90°で測定された中性子スペクトルが使用される。
遮蔽作用を最適化するために次の措置が導入される:
−散乱放射の低減のためのラビリンス技術;
−従来のコンクリート遮蔽の他に、組み合わせ遮蔽の使用;
−中間壁の通路において天井から2.5mの高さまでのクロスサポートの導入;
−品質保証のための1mの面積におけるダンプ機能のための、0.5mの第1の壁の1.0mへの鉄遮蔽の局所的な強化;
−第3の横壁においても鉄遮蔽の使用(0.5m);
−入口領域でのポリエステルドアの使用(0.5m厚);
−ターゲット上方の天井領域における鉄遮蔽の使用(0.5m鉄)。
線量パワーの算出は、人員の滞在領域であるラビリンスに対する入口領域、および隣接空間に集中して行われる。線量パワー値は毎秒3*10個のイオンを有する最大強度の1次線に対して計算されている(図2参照)。
下記の表1から、実施された計算が一目で分かるようになっている。ジオメトリーPは患者ジオメトリーを意味し、ジオメトリーQは品質保証のための照射である。ジオメトリーDは屋根ジオメトリーを意味し、ここではターゲット位置上方の2m厚のコンクリート遮蔽に代わって組み合わせ遮蔽として0.5mの鉄の鉄強化部を備えている。
ここに計画される装置の特殊性−出入り口部における中性子円錐ローブの順方向散乱−はこの形式の照射装置に対する文献においてこれまで考慮されない。
Figure 0004307379
表1:種々の線パラメータおよびジオメトリーを使用して、FLUKAによって計算されたジオメトリーの概観。
ハイデルベルクの大学病院の計画された重イオン治療装置のホリゾンタル照射場所の概略図 中性子に対する環境等価線量H(10)を突き止めるための放射輸送プログラムFLUKAによるホリゾンタル照射場所のジオメトリーPのモデリングを示す図
符号の説明
1 遮蔽
2 遮蔽
3 領域
4 遮蔽
5 遮蔽ドア
6 領域
Figure 0004307379

Claims (9)

  1. エネルギー領域がGeVまでの中性子を遮蔽するためのイオン治療用のシールドルームであって、
    該シールドルームは、
    1) 1つの側を除いてすべての側に第1の遮蔽(1)を備えている治療室と、
    2) 前記治療室の遮蔽されていない側にある遮蔽効果のあるラビリンス形式の出入り部と、
    3) 前記ラビリンス形式の出入り部に配置されている少なくとも2つの遮蔽(2)のうちの第1の遮蔽に設けられている領域(3)と
    を備えており、
    前記治療室の主軸線は治療線の線軸線と一致しており、
    前記ラビリンス形式の出入り部は前記線軸線を延ばした方向において前記少なくとも2つの相次いでいる遮蔽(2)を有しており、該遮蔽は前記第1の遮蔽の相対向する側(1)から交互に逆向きに治療室内に突出しておりかつそれぞれが該ラビリンス形式の出入り部の内法の二分の一より大きく遮蔽しており、
    前記領域(3)はマルチ・レイヤ・コンポーネント遮蔽(3)としてレイヤ毎に、該領域が入射する中性子の破砕過程を引き起こしかつ生成された中性子をその中で減速することができるような構造になっている
    ことを特徴とするシールドルーム。
  2. 前記ラビリンス形式の出入り部に配置されている少なくとも2つの遮蔽(2)は治療室を向いている方の側において金属層を有している
    請求項1記載のシールドルーム。
  3. 前記ラビリンス形式の出入り部において、前記少なくとも2つの相次いでいる遮蔽(2)の間に付加的な水素含有遮蔽(4)が組み込まれている
    請求項1または2記載のシールドルーム。
  4. 前記ラビリンス形式の出入り部において前記遮蔽(2)の少なくとも1つに、該遮蔽が設けられている該ラビリンス形式の出入り部の側とは反対のラビリンス形式の出入り部側(遮蔽1)まで達している別の遮蔽(4)が取り付けられている
    請求項1からまでのいずれか1項記載のシールドルーム。
  5. 前記ラビリンス形式の出入り部は治療室とは反対の方の側で水素含有遮蔽ドア(5)を含んでいる
    請求項1から4までのいずれか1項記載のシールドルーム。
  6. 前記マルチ・レイヤ・コンポーネントとして実現されている領域(3)は凹面を有している
    請求項1からまでのいずれか1項記載のシールドルーム。
  7. 前記第1の遮蔽(1)の一部は、該一部が、入射する中性子の破砕過程を引き起こしかつ生成された中性子を減速することができるのに適しているような構造になっている
    請求項1からまでのいずれか1項記載のシールドルーム。
  8. 前記マルチ・レイヤ・コンポーネントとして実現されている領域(3)は付加的な可動の遮蔽エレメントによって遮蔽することができる
    請求項1からまでのいずれか1項記載のシールドルーム。
  9. 前記ラビリンス形式の出入り部に配置されている前記少なくとも2つの遮蔽(2)の少なくとも1つの自由端はTまたはL形状に実現されている
    請求項1からまでのいずれか1項記載のシールドルーム。
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