JP2019112858A - 遮音床構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 厚みの異なる緩衝材を組み合わせて配置し、それぞれの緩衝材が異なる圧縮比率で床材を保持することで、効果的に遮音性能を向上させる遮音床構造を提供する。【解決手段】 梁の上面に複数の緩衝材が配置され、緩衝材の上面に複数の床板を敷設する遮音床構造であって、緩衝材は、厚みの厚い第一緩衝材と、厚みの薄い第二緩衝材と、を有し、第一緩衝材と第二緩衝材とが、梁の上面の床板が延在する方向に並設されており、第一緩衝材が床板の荷重を受けて圧縮されることで床板が第二緩衝材と接するように構成されている。【選択図】 図1

Description

本発明は、梁の上に複数の床板を敷設して構成する遮音床構造に関する。
従来、プレハブ系の建築の集合住宅などにおいては、軽量気泡コンクリート(ALC)や押出成形セメント板などの床板を梁上に敷設し、その上に木質系床材を仕上げ材として敷設することが行われている。このような集合住宅などにおいては、特に上層階の音が下層階にあたえる影響は顕著である。このため、従来より、床の遮音性能を上げるべく、種々の材料の組合せによる工法が採用されている。しかし、種々の材料の組合せによる工法は、コストが高くなると共に施工時に複雑な工程が必要になり、時間と労力を要する。
床板の衝撃音には、軽量衝撃音と重量衝撃音とがある。軽量衝撃音については、床の仕上げ材(フローリング材)等によって改善が可能である。一方、重量衝撃音については、施工する床材の材質によって決まってしまう。このため、設計段階から重量衝撃音に対する遮音性能の優れた床材を選択して施工する必要がある。
重量衝撃音を緩和させる構造として、例えば押出成形セメント板の床板に砂状体を封入して遮音性能を向上させるものがある。しかし、この方法は、施工性やコスト面で十分なものとはいえない。
特に重量衝撃音の低音域(例えば、250Hz以下)の音の遮音は難しく、従来は床板の厚みを上げて重量を重くし、遮音性能を確保することも行われている。しかし、床板の重量が増加すると床を支える下地鉄骨が大きくなり、コストアップの要因につながる。
また、プレハブ系の住宅では、部材が規格化されていることから、床板の種類によって厚みやモジュールを変えることができず、決められた範囲内で必要な遮音性能を得なければならない。遮音性能によって床板の寸法が変われば、床板の種類によって躯体の設計を変更しなければならず、部材を規格化するプレハブ系の住宅では大幅なコストアップになる。
図9は、従来の床構造100を示す斜視図である。床板として押出成形セメント板110を例にしている。この床構造100は、梁120の上面の押出成形セメント板110が延在する方向(並設される方向)に緩衝材130が設けられている。そして、緩衝材130の上に押出成形セメント板110が敷設されている。押出成形セメント板110の上面には、パーティクルボード111が設けられ、パーティクルボード111の上にフローリング材112が設けられている。このような床構造100においては、特に、梁120の上に置かれた押出成形セメント板110は上部からの振動をパーティクルボード(仕上げ材)111から受け、梁120に伝搬する。このため、この振動を防止することが遮音性能を向上させる上で重要となる。
この種の先行技術として、構造部材間の固定度が低い低固定度建物の防音床構造がある(例えば、特許文献1参照)。この防音床構造は、床基版と、床基版を支持する支持構造部材と、床基版と支持構造部材との間の防音部材と、を備えている。そして、防音部材が、床基版に衝撃が加わったときの衝撃力を緩和し、支持構造部材への衝撃力の振動伝達を抑制している。しかし、この構造では、遮音性能を得るために、特定の反発弾性率(低反発)を有する防音部材を用いる必要があり汎用性がない。
特開2005−16103号公報
ところで、乾式床パネルによって床材を構成する場合、鉄骨躯体の梁伏せ状態により、床材の割付けが決り、各種大きさの床材が敷設される。このため、床材は、割付けによって決まる大きさにより重量も異なる。床材と梁の間に緩衝目的で設けられる緩衝材が受ける重量は、その上に載る床材の大きさにより決まる。そのため、緩衝材が受ける重量は一定にならない。
このため、あまりに柔らかい緩衝材を用いると床材の大きさの達いから、緩衝材の沈み込み量が異なり、床面の高さが一定にならない。これを防ぐために、なるべく沈み込みの少ない硬い緩衝材を選定した場合、緩衝効果が少なくなり床の遮音性の面で効果が期待できなくなる。また、緩衝材の効果を向上した高性能な緩衝材も多数開発されているが、これら緩衝材はコストも高く、さらに使用する緩衝材の数も多くなることから床構造全体のコストアップとなる。その他、沈み込みを防ぐために、硬質のスペーサーなどを用いることも考えられるが、この場合、緩衝材を単独で用いる場合に比べて遮音性能の低下が考えられる。
そこで、本発明者は、コストアップを抑えて遮音性能の向上を図ることができる遮音床構造について鋭意研究した。そして、本発明者は、厚みの異なる緩衝材を組み合わせて配置して、それぞれの緩衝材が異なる圧縮比率で床材を保持するようにすれば効果的に遮音性能を向上させることを見出した。
本発明に係る遮音床構造は、梁の上面に緩衝材が配置され、前記緩衝材の上面に複数の床板を敷設する遮音床構造であって、前記緩衝材は、厚みの厚い第一緩衝材と、厚みの薄い第二緩衝材と、を有し、前記第一緩衝材と前記第二緩衝材とが、前記梁の上面の前記床板が延在する方向に並設されており、前記第一緩衝材が前記床板の荷重を受けて圧縮されることで前記床板が前記第二緩衝材と接するように構成されている。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における「床板が延在する方向」は、床板を並べて敷設する方向をいう。
この構成により、厚みの厚い第一緩衝材を圧縮した状態で厚みの薄い第二緩衝材によって床板を受ける。これにより、第二緩衝材によって床面の高さを一定に保つことができる。そして、圧縮された厚みの厚い第一緩衝材で荷重を受けて衝撃音を低減し、遮音性能の向上を図ることができる。しかも、厚みの薄い第二緩衝材により、第一緩衝材が過度に圧縮されることを防止すると共に、梁のフランジ部の振動を抑えることができる。よって、床面を保持した状態で遮音効果の向上を図ることができる。
また、前記第一緩衝材と前記第二緩衝材とは、同じ硬度で構成されていてもよい。このように構成すれば、厚みの異なる第一緩衝材と第二緩衝材とを、同じ硬度の緩衝材で構成して緩衝材のコスト低減を図ることができる。
また、前記第二緩衝材は、前記第一緩衝材よりも硬度が高く構成されていてもよい。このように構成すれば、厚みの厚い第一緩衝材を大きく撓ませて遮音効果を発揮し、硬度が高く厚みの薄い第二緩衝材で床面の高さを一定に保つようにできると共に、梁のフランジ部の振動をより抑えることができる。
また、前記第一緩衝材及び前記第二緩衝材は、隣り合う前記床板の間に延在するように配置されていてもよい。このように構成すれば、複数の床板の接続部分に緩衝材を配置して、遮音効果の向上と床面保持とを図ることができる。
また、前記第一緩衝材及び前記第二緩衝材は、前記梁の上面の各前記床板の部分に、単独で配置又は一定間隔で複数配置されていてもよい。このように構成すれば、各床板の部分毎に、適切な範囲に緩衝材を配置して、遮音効果の向上と床面保持とを図ることができる。
また、前記第一緩衝材及び前記第二緩衝材は、硬度が、デュロメータ タイプAの硬度で30〜60の範囲であってもよい。このように構成すれば、比較的やわらかい材質の緩衝材を用いて床面の高さを保持した状態で、床衝撃音の低減を図ることができる。
本発明によれば、並設された厚みの異なる緩衝材に遮音と床面保持の機能をそれぞれ分担させることで、コストアップを抑えて遮音性能の向上と床面保持とを図ることが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る遮音床構造を示す斜視図である。 図2は、図1に示す遮音床構造における緩衝材の配置例を示す図面であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。 図3は、図1に示す遮音床構造における緩衝材の異なる配置例を示す図面であり、(A)は平面図、(B)は正面図である。 図4(A)〜(C)は、本発明に係る遮音床構造における緩衝材のさらに異なる配置例を示す平面図である。 図5(A)〜(C)は、本発明に係る遮音床構造における緩衝材のさらに異なる配置例を示す平面図である。 図6は、従来の床構造における遮音性能の試験結果を示す床衝撃音レベルのグラフである。 図7は、図1に示す遮音床構造における遮音性能の第1試験例の結果を示す床衝撃音レベルのグラフである。 図8は、図1に示す遮音床構造における遮音性能の第2試験例の結果を示す床衝撃音レベルのグラフである。 図9は、従来の床構造を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、床板として押出成形セメント板10を用いた遮音床構造1を例に説明する。また、梁20としてH形鋼を例に説明する。梁20は、上下にフランジ部21が位置し、ウエブ部22が上下方向を向いた状態となっている。この明細書及び特許請求の範囲の書類中における上下左右方向の概念は、図1に示す遮音床構造1を矢印Vの方向から見た状態における上下左右方向の概念と一致するものとする。
(遮音床構造の全体構成)
図1及び図2に基づいて、この実施形態に係る遮音床構造1について説明する。図2では、押出成形セメント板10を二点鎖線で示す。以下の説明では、H形鋼を用いた梁20のフランジ部21における片側のみの配置例で説明する。
この実施形態の遮音床構造1は、梁20の上面の押出成形セメント板10が延在する方向(押出成形セメント板10を並設する梁20の延びる方向)に、第一緩衝材30と第二緩衝材35とが延在している。第一緩衝材30(以下の図では、クロスハッチングで示す)は、厚みが厚く形成されている。第二緩衝材35は、厚みが薄く形成されている。これら2種類の厚みが異なる第一緩衝材30と第二緩衝材35とが、梁20の上面の押出成形セメント板10の延在する方向に対して直交する方向に平行して複数配置されている。
また、この実施形態では、梁20のフランジ部21上面の中心側(ウエブ部22側)に第一緩衝材30が設けられ、縁側に第二緩衝材35が設けられている。この例では、第一緩衝材30及び第二緩衝材35は、同じ長さのものとなっている。第一緩衝材30及び第二緩衝材35は、同じ材質のものを用いることができる。第一緩衝材30及び第二緩衝材35は、同じ硬度のものを用いることができる。この例では、第二緩衝材35の厚みH2が、第一緩衝材30の厚みH1に対して約0.75倍となっている。第一緩衝材30の厚みH1と第二緩衝材35の厚みH2は一例である。例えば、第二緩衝材35の厚みは、第一緩衝材30の厚みに対して0.5〜0.9倍が好ましい。この範囲より小さいと、第一緩衝材30の圧縮率が大きくなる。この範囲より大きいと、第二緩衝材35の圧縮率が大きくなり、第二緩衝材35から梁20に伝わる振動が大きくなり遮音性能が低下する。
第一緩衝材30及び第二緩衝材35の材質としては、天然ゴム、合成天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴムなどを用いることができる。また、これらの発泡体を用いることができる。
第一緩衝材30及び第二緩衝材35の硬度としては、JIS K6253におけるデュロメータ タイプAにおける硬度が、20〜80の範囲がよく、より好ましくは30〜60の範囲がよい。この範囲より低いと第二緩衝材35を含めて圧縮されてしまい、遮音性能が低下する。また、この範囲より高いと第一緩衝材30から梁20に伝わる振動が大きくなり遮音性能が低下する。
また、第一緩衝材30と第二緩衝材35の硬度は、上記範囲内の硬度においてそれぞれ同じ硬度でも異なる硬度であってもよい。第一緩衝材30と第二緩衝材35との硬度を異ならせる場合、第一緩衝材30の硬度は第二緩衝材35の硬度よりも低くするのが望ましい。これは第一緩衝材30の硬度が高い場合には、圧縮された状態で押出成形セメント板10から第一緩衝材30に伝わる振動が大きくなり、遮音性能が低下するからである。
第一緩衝材30と第二緩衝材35とは、床板として使用する押出成形セメント板10の大きさや、設定する遮音性能に合わせて、大きさ、材質、配置数を決定することができる。特に、第一緩衝材30は、押出成形セメント板10の重量に応じて、第一緩衝材30が第二緩衝材35の厚みまで圧縮されるように厚みを設定することができる。
そして、第一緩衝材30と第二緩衝材35の上に載るように、押出成形セメント板10が敷設されている。押出成形セメント板10は、梁20の延びる方向に複数枚が敷設される。押出成形セメント板10の上面には、図1に示すように、パーティクルボード11が設けられ、パーティクルボード11の上にフローリング材12が設けられる。
このような遮音床構造1によれば、第一緩衝材30は押出成形セメント板10、パーティクルボード11及びフローリング材12の荷重を受けて圧縮される。そして、押出成形セメント板10が第二緩衝材35に接する。第二緩衝材35は多少圧縮されるが、押出成形セメント板10などの重量を受けて床面の高さを一定に保つことができる。また、第二緩衝材35により、第一緩衝材30が過度に圧縮されることを防止することができる。そして、第二緩衝材35で沈み込みが防がれた押出成形セメント板10は、梁20との間に圧縮された第一緩衝材30が介在している。これにより、圧縮された第一緩衝材30で押出成形セメント板10から梁20に伝搬する重量衝撃音を効果的に低減すると共に、第二緩衝材35で梁20のフランジ部21の振動も抑えることで遮音性能の向上を図ることが可能となる。
(緩衝材の異なる配置例)
図3に示すように、第一緩衝材30及び第二緩衝材35は、梁20の延在する方向において、異なる長さとすることができる。この例では、第二緩衝材35が長く、第一緩衝材30が短く形成されている。第一緩衝材30は、第二緩衝材35の長手方向の中央部分にのみ配置されている。この例の場合、第一緩衝材30の厚みが第二緩衝材35の厚みに比べて2倍程度となっており、第一緩衝材30が大きく圧縮される。第一緩衝材30は、圧縮率が大きいため、上記図2の例に比べて厚みを厚くしてもよい。第一緩衝材30と第二緩衝材35との組み合わせは、これらに限定されるものではない。
このように第一緩衝材30及び第二緩衝材35が配置された遮音床構造1によっても、図1に示すように、上面に押出成形セメント板10、パーティクルボード11及びフローリング材12が設けられ、第一緩衝材30は、これらの重みで圧縮される。これにより、第一緩衝材30は第二緩衝材35の厚みまで圧縮される。第二緩衝材35は、押出成形セメント板10、パーティクルボード11及びフローリング材12の重量を受けて、押出成形セメント板10(床材)の高さ(レベル)を一定に保つことができる。
第二緩衝材35で沈み込みが防がれた押出成形セメント板10は、梁20との間に圧縮された第一緩衝材30が介在している。これにより、圧縮された第一緩衝材30で押出成形セメント板10から梁20に伝搬する重量衝撃音を効果的に低減すると共に、第二緩衝材35で梁20のフランジ部21の振動も抑えることで遮音性能の向上を図ることが可能となる。
(緩衝材のさらに異なる配置例)
図4(A)〜(C)及び図5(A)〜(C)に基づいて、上記遮音床構造1における第一緩衝材30と第二緩衝材35との異なる配置例を説明する。第一緩衝材30と第二緩衝材35との配置は、図4(A)に示す梁20のフランジ部21における片側のみで説明する。図4(A)と図4(B)は、第一緩衝材30と第二緩衝材35との間を開けて平行に設けた例である。この例では、梁20の中心側(ウエブ部22側)に第二緩衝材35が配置され、梁20の縁側に第一緩衝材30が配置されている。図4(C)は、梁20の中心側に第二緩衝材35が配置され、梁20の縁側に第一緩衝材30が配置され、第一緩衝材30と第二緩衝材35との間を開けて平行に設けた例である。第一緩衝材30と第二緩衝材35との配置は、いずれが梁20の中心側でもよい。第一緩衝材30及び第二緩衝材35は、梁20の延在する方向において、押出成形セメント板10が敷設される部分の梁20の上面に配置すればよい。
図5(A)〜図5(C)は、第一緩衝材30と第二緩衝材35とが、隣り合う押出成形セメント板10の間に延在するように配置された例である。図5(A)は、梁20の中心側に第一緩衝材30が配置され、梁20の縁側に第二緩衝材35が配置された例である。図5(B)は、梁20の中心側に第二緩衝材35が配置され、梁20の縁側に第一緩衝材30が配置された例である。図5(C)は、梁20の中心側と縁側に第二緩衝材35が配置され、これらの第二緩衝材35の間に第一緩衝材30が配置された例である。
これらのように、第一緩衝材30と第二緩衝材35との配置は、1枚の押出成形セメント板10の幅方向において、単独でも、複数枚数を一定間隔で配置してもよい。また、第一緩衝材30と第二緩衝材35の位置は、梁20の延在する方向に対して直交する方向で入れ替えてもよい。第一緩衝材30と第二緩衝材35とは、押出成形セメント板10の幅内にのみ、単独又は一定間隔で複数配置することにより、押出成形セメント板10毎の施工誤差(床面の高さ差)をなくすことができる。また、押出成形セメント板10の単体における遮音性を向上することができる。
また、第一緩衝材30及び第二緩衝材35は、隣り合う押出成形セメント板10を跨いで配置してもよい。これにより、押出成形セメント板10の接続部分において第一緩衝材30と第二緩衝材35とが連続するようにできる。第一緩衝材30と第二緩衝材35とを、隣り合う押出成形セメント板10を跨いで配置することにより、連続する押出成形セメント板10による床面の高さ差をより小さくすることができる。第一緩衝材30と第二緩衝材35との配置は、要求される遮音性能に合わせて設定すればよい。
さらに、第一緩衝材30と第二緩衝材35とは、同じ硬度とすることで、第一緩衝材30が圧縮された状態として押出成形セメント板10の荷重を受けて発揮する遮音性と、薄い第二緩衝材35によって押出成形セメント板10による床面の高さを一定に保つ設計が容易にできる。
また、厚みの薄い第二緩衝材35の硬度を、厚みの厚い第一緩衝材30の硬度よりも高くすることで、薄い第二緩衝材35が圧縮される量を小さくできる。これにより、第一緩衝材30による遮音効果を保ちつつ、第二緩衝材35で、並設される押出成形セメント板10による床面の高さをより一定に保つことができると共に、梁20のフランジ部21の振動もより抑えることができる。
(遮音床構造の遮音性能試験)
上記図1に示す遮音床構造1の遮音性能試験について説明する。図6は、従来の図8に示す床構造100における遮音性能の試験結果を示す床衝撃音レベルのグラフである。図7は、図1に示す遮音床構造1における遮音性能の第1試験例の結果を示す床衝撃音レベルのグラフである。図8は、図1に示す遮音床構造1における遮音性能の第2試験例の結果を示す床衝撃音レベルのグラフである。図6〜図8に示す遮音効果を示すグラフは、縦軸には床衝撃音レベル(dB)を示し、横軸にはオクターブバンド中心周波数(Hz)を示している。図中の点線は、遮音等級を示している。遮音性能は、「JIS A 1418−2 建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法」に基づき、床衝撃音レベルを測定した結果で判断した。
図1に示す遮音床構造1における試験では、梁20の上に2種類の第一緩衝材30と第二緩衝材35とを配置して遮音性能を試験した。第一緩衝材30及び第二緩衝材35として、ウレタンフォーム(硬度50)を用いている。第1試験例では、第一緩衝材30として、厚み4mm、幅10mm、長さ500mmのものを用い、第二緩衝材35として、厚み3mm、幅30mm、長さ500mmのものを用いて試験した。第2試験例では、第一緩衝材30として、厚み6mm、幅10mm、長さ300mmのものを用い、第二緩衝材35として、厚み3mm、幅20mm、長さ500mmのものを用いて試験した。従来の比較例の緩衝材130として、厚み3mm、幅45mm、長さ500mmのものを単独で用いて試験した。
また、床板として押出成形セメント板10を用いている。押出成形セメント板10は、厚み100mm、幅500mm、長さ2000mmのものを8枚用いた。そして、仕上げ材として、押出成形セメント板10の上面に厚み16mmのパーティクルボード11を設け、その上に厚み6mmのフローリング材12を設けた。
表1は、従来の比較例と第1試験例及び第2試験例の試験結果を数値で示した表である。この数値を、遮音性能等級曲線と共にグラフ化したものが、図6、図7、図8である。
Figure 2019112858
図6に示す従来の比較例における床衝撃音レベルは、63Hz付近では78dB、125Hz付近では60dB、250Hz付近では53dB、500Hz付近では48dB程度となっている。
これに対し、図7に示す第1試験例では、63Hz付近では77dB、125Hz付近では60dB、250Hz付近では52dB、500Hz付近では46dB程度となっている。よって、図7に示す第1試験例では、図6の比較例に比べて低音域(63Hz〜250Hz)において、0.4dBから1.6dB低減されている。
また、図8に示す第2試験例では、63Hz付近では76dB、125Hz付近では59dB、250Hz付近では51dB、500Hz付近では45dB程度となっている。よって、図8に示す第2試験例では、図6の比較例に比べて低音域(63Hz〜250Hz)において、1.2dBから2.1dB低減されている。
さらに、これらの結果から、63Hzの低音域における遮音性能を比較すると、比較例では僅かに遮音等級のL−55の基準値を上回っているが、第1試験例、第2試験例共に遮音等級のL−55をクリアできている。
これらの試験結果から、第二緩衝材35によって押出成形セメント板10から梁20に伝搬する重量衝撃音を効果的に低減していることがわかる。よって、第1試験例、第2試験例の構成によれば、集合住宅などにおいて、遮音等級のL−55(人の飛びはね、歩行音が聞こえる。物の落下音、イスの移動音が気になる。)をクリアして住環境の向上を図ることができる。このように、一種類の緩衝材130を用いるよりも、厚みの異なる第一緩衝材30と第二緩衝材35とを組み合わせて用いることで遮音性能を向上することが可能となる。
(総括)
以上のように、上記遮音床構造1によれば、梁20の上面に厚みの異なる第一緩衝材30と第二緩衝材35とを組み合わせて平行に配置することで、厚みの厚い第一緩衝材30で押出成形セメント板10の荷重を受けて、押出成形セメント板10に伝搬する重量衝撃音を効果的に低減して遮音性能を発揮することが可能となる。これにより、住環境の向上を図ることができる。また、厚みの薄い第二緩衝材35で、厚みの厚い第一緩衝材30の過度の圧縮を防止して床面のレベルを一定に保つことが可能となる。
すなわち、上記遮音床構造1では、厚みの厚い第一緩衝材30で耐荷重性能と遮音性能を発揮し、厚みの薄い第二緩衝材35で床面の高さを保つ保持機能(床面の沈み込み防止)を発揮するように、厚みの異なる緩衝材を組み合わせている。そして、第二緩衝材35による床面の維持と、第一緩衝材30による遮音性能の向上との両方を効果的に機能させることを可能としている。しかも、緩衝材全体としての使用量を減らすことができるので、コストダウンを図ることができる。
(その他の変形例)
床板は、上記した実施形態における中空セメント系床板である押出成形セメント板10の他、中空でない他の材料の床板でもよい。床板は、上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記した実施形態は一例を示しており、第一緩衝材30と第二緩衝材35との組み合わせは、長さ、配置など、上記した実施形態以外でも実施可能であり、本発明の要旨を損なわない範囲で種々の変更をしてもよく、本発明は上記した実施形態に限定されるものではない。
1 遮音床構造
10 押出成形セメント板(床板)
11 パーティクルボード
12 フローリング材
20 梁
21 フランジ部
22 ウエブ部
30 第一緩衝材
35 第二緩衝材

Claims (6)

  1. 梁の上面に緩衝材が配置され、前記緩衝材の上面に複数の床板を敷設する遮音床構造であって、
    前記緩衝材は、厚みの厚い第一緩衝材と、厚みの薄い第二緩衝材と、を有し、
    前記第一緩衝材と前記第二緩衝材とが、前記梁の上面の前記床板が延在する方向に並設されており、前記第一緩衝材が前記床板の荷重を受けて圧縮されることで前記床板が前記第二緩衝材と接するように構成されている、
    ことを特徴とする遮音床構造。
  2. 前記第一緩衝材と前記第二緩衝材とは、同じ硬度で構成されている、
    請求項1に記載の遮音床構造。
  3. 前記第二緩衝材は、前記第一緩衝材よりも硬度が高く構成されている、
    請求項1に記載の遮音床構造。
  4. 前記第一緩衝材及び前記第二緩衝材は、隣り合う前記床板の間に延在するように配置されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮音床構造。
  5. 前記第一緩衝材及び前記第二緩衝材は、前記梁の上面の各前記床板の部分に、単独で配置又は一定間隔で複数配置されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮音床構造。
  6. 前記第一緩衝材及び前記第二緩衝材は、硬度が、デュロメータ タイプAの硬度で30〜60の範囲である、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮音床構造。
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