JP2023125560A - 建物の床構造 - Google Patents

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弘之 中瀬
Hiroyuki Nakase
昌子 吉村
Masako Yoshimura
憲一郎 兼
Kenichiro Kane
正晃 大西
Masaaki Onishi
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Abstract

【課題】遮音性能に優れ、防火性能を備えている建物の床構造を提供すること。【解決手段】建物の上階の床板60と、該床板を支持する梁10と、を備える建物の床構造100であって、梁10には、バネ定数が互いに異なる第一支持部材41及び第二支持部材42が梁10の長手方向に並んで取り付けられ、第一支持部材41のバネ定数K1は、第二支持部材42のバネ定数K2よりも高く、第一支持部材41及び第二支持部材42が床板60を支持している。【選択図】図1

Description

本発明は、建物の床構造に関する。
建物の上階の床衝撃音は、上階の床を介してその振動が下方にある下階の天井に伝搬され、下階の天井が励振されることにより下階へ放射される。この床衝撃音には、重量床衝撃音と軽量床衝撃音が含まれる。
従来の防振床構造は、例えば鉄骨梁(H形鋼や溝形鋼等)の上面に、帯状の防振材を取り付け、もしくは、ピース状の防振材を間隔を置いて取り付け、防振材の上に上階の床を形成する床板が載置されることにより形成される(例えば、特許文献1参照)。この床板は乾式の床板(乾式床)であり、ALC(軽量気泡コンクリート、Autoclaved Light weight Concrete)床板(ALCパネル)を一例として挙げることができる。例えば、床が重量床衝撃音を受けた際に、鉄骨梁の上にある防振材の弾性によって重量床衝撃音の周波数が低減され、遮音性能が発揮される。
特開2002-106099号公報
特許文献1に記載の床構造では、梁の長手方向に所定の間隔を置いて、複数のピース状の防振材が配置され、これらの防振材の上に床板が配置されている。このような床構造は、遮音性能に優れるものの耐火性能については改善の余地があった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、遮音性能に優れ、耐火性能を備えている建物の床構造を提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明による建物の床構造の一態様は、
建物の上階の床板と、該床板を支持する梁と、を備える建物の床構造であって、
前記梁には、バネ定数が互いに異なる第一支持部材及び第二支持部材が前記梁の長手方向に並んで取り付けられ、
前記第一支持部材のバネ定数K1は、前記第二支持部材のバネ定数K2よりも高く、
前記第一支持部材及び前記第二支持部材が前記床板を支持していることを特徴とする。
本態様によれば、梁の長手方向において、第一支持部材及び第二支持部材が並んで配置されているので、第一支持部材同士の間において、梁と床板との間の隙間を第二支持部材によって塞ぐことができ、炎の進入を抑制できる。本態様では、梁の長手方向に所定の間隔を置いて複数の防振材が配置される従来技術と比較して、耐火性能を向上させることができる。また、第一支持部材のバネ定数K1が、第二支持部材のバネ定数K2よりも高く、このような第一支持部材によって、床板が重量床衝撃音を受けた際に遮音性能を発揮できる。第二支持部材のバネ定数K2は、第一支持部材のバネ定数K1よりも低いので、第二支持部材は、第一支持部材による遮音性能に悪影響を及ぼさない。本態様では、遮音性能に優れ、耐火性能を備える建物の床構造を実現できる。
また、本発明の他の態様において、
前記床板を受ける前記第一支持部材の受圧面積は、前記床板を受ける前記第二支持部材の受圧面積よりも大きいことを特徴とする。
本態様によれば、第二支持部材よりも受圧面積が大きい第一支持部材によって、床板が重量床衝撃音を受けた際に遮音性能を発揮できる。
また、本発明の他の態様において、
前記第一支持部材は、前記梁の長手方向に隣り合う複数の前記床板を支持し、
一つの前記床板に対して、一つの前記第二支持部材が配置され、該第二支持部材は、前記梁の長手方向において前記床板の中央部に配置されていることを特徴とする。
本態様によれば、梁の長手方向において、床板の中央部に第二支持部材が配置され、梁の長手方向に離間する床板の両端部は、互いに異なる第一支持部材によって支持されることになる。これにより、梁の長手方向に離間する複数の第一支持部材によって床板を安定して支持できる。
また、本発明の他の態様において、
前記梁の長手方向に沿う前記第一支持部材の長さは、前記梁の長手方向に沿う前記第二支持部材の長さの2倍以上、3倍以下の長さであることを特徴とする。
本態様によれば、第二支持部材の長さの2倍以上、3倍以下の長さの第一支持部材によって、床板を支持することができ、床板が重量床衝撃音を受けた際に遮音性能を発揮できる。
また、本発明の他の態様において、
前記第一支持部材のバネ定数K1は、前記第二支持部材のバネ定数K2の5倍以上、6倍以下であることを特徴とする。
本態様によれば、第二支持部材のバネ定数K2の5倍以上、6倍以下のバネ定数K1の第一支持部材によって、床板を支持することができ、床板が重量床衝撃音を受けた際に遮音性能を発揮できる。
また、本発明の他の態様において、
前記第一支持部材が前記床板から受ける単位長さ当たりの荷重は、前記第二支持部材が前記床板から受ける単位長さ当たりの荷重の4倍以上、5倍以下であることを特徴とする。
本態様によれば、第一支持部材は、単位長さ当たり第二支持部材の4倍以上、5倍以下の荷重を床板から受けることができ、床板が重量床衝撃音を受けた際に遮音性能を発揮できる。
以上の説明から理解できるように、本発明の建物の床構造によれば、遮音性能に優れ、耐火性能を備えている建物の床構造を提供することができる。
実施形態に係る建物の床構造の一例の一部の分解斜視図である。 実施形態に係る建物の床構造の一例の縦断面図である。 実施形態に係る建物の床構造の一例の一部の平面図である。
以下、各実施形態に係る防振床構造について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
[実施形態に係る建物の床構造]
はじめに、図1乃至図3を参照して、実施形態に係る建物の床構造の一例について説明する。ここで、図1は、実施形態に係る建物の床構造の一例の一部の分解斜視図である。図2は、実施形態に係る建物の床構造の一例の縦断面図である。図3は、実施形態に係る建物の床構造の一例の一部の平面図である。図1は、梁10の一方側の支持部40及び床板60を示しており、他方の支持部40及び床板60の図示を省略しており、さらに、床50を構成する各種マット材を省略している。また、図3では、床板60を仮想線で示している。また、各図において、互いに直交する3方向として、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向を示す矢印を適宜図示する。Y軸方向は、梁10の長手方向に沿う。X軸方向は、梁10の長手方向に交差する幅方向に沿う。Z軸方向は、鉛直方向に沿う。
図示する建物の床構造100は、建物の上階(例えば、二階や三階)の床50と、床50を支持する梁10とを有する。図示例の梁10は、ウェブ11と上フランジ12と下フランジ13とを有するH形鋼により形成される。
梁10の上フランジ12の上面12aには、支持部40が配置されている。支持部40は、帯状を成し、梁10の長手方向に沿って連続的に配置されている。支持部40の長手方向は、梁10の長手方向に沿う。支持部40は、梁10の長手方向において交互に配置された複数の第一支持部材41及び複数の第二支持部材42を含む。複数の第一支持部材41は、防振材として機能し、複数の第二支持部材42は、緩衝材として機能する。複数の第一支持部材41は、梁10の長手方向において所定の間隔で配置されている。梁10の長手方向において隣り合う複数の第一支持部材41間の領域には、第二支持部材42が配置されている。第一支持部材41及び第二支持部材42は連続するように配置されている。
支持部40の梁10の長手方向に交差する幅W40は、梁10の長手方向において同じである。第一支持部材41の幅と、第二支持部材42の幅とは同じである。なお、第一支持部材41の幅と、第二支持部材42の幅とは異なっていてもよい。また、梁10の幅方向において、ウェブ11に近い方を内側とし、ウェブ11から遠い方向を外側とする。
梁10の上フランジ12は、長手方向に延びる端12c,12dを有する。端12cは、梁10の幅方向において一方側の端であり、端12dは、他方側の端である。支持部40の長手方向に延びる端は、上フランジ12の端12c,12dに沿って配置されている。なお、支持部40の長手方向に延びる端は、上フランジ12の端12c,12dからずれて配置されていてもよい。
第一支持部材41及び第二支持部材42は、梁10の幅方向において同じ位置に配置されている。なお、第一支持部材41及び第二支持部材42は、梁10の幅方向において互いにずれて配置されていてもよい。
複数の床板60は、梁10の長手方向に並べられている。床板60の長手方向は、梁10の長手方向と交差する方向である。床板60の長手方向の端部60aは、支持部40によって支持されている。床板60の長手方向の端部60aは、支持部40を介して梁10に支持されている。支持部40は、鉛直方向において、床板60と上フランジ12とに挟まれている。
床板60の端面60bは、床板60の長手方向と交差する面であり、Y-Z面に沿う。床板60の端面60bは、梁10の長手方向に沿う端部60aに含まれる。
図2に示されるように、梁10の幅方向において、一方側に配置される床板60と、他方側に配置される床板60との間には、隙間が形成されている。同様に、梁10の幅方向において、一方側に配置される支持部40と、他方側に配置される支持部40との間には隙間が形成されている。
梁10の幅方向において、支持部40間の隙間は、床板60の端面60b間の隙間よりも広い。なお、梁10の幅方向において、支持部40間の隙間は、端面60b間の隙間と同じでもよく、端面60b間の隙間より狭くてもよい。また、一つの支持部40によって、梁10の幅方向に隣り合う複数の床板60を支持してもよい。
床板60は、床板60の長手方向に沿う端60cを有する。床板60の長手方向に沿う端60cは、梁10の長手方向と交差するように配置されている。複数の第一支持部材41は、梁10の長手方向において、床板60の長手方向に沿う端60cに対応する位置に配置されている。1つの床板60において、梁10の長手方向に離間する端60cは、それぞれ異なる第一支持部材41によって支持されている。1つの第一支持部材41は、梁10の長手方向に隣接する2つの床板60の端60cを支持する。
第二支持部材42は、梁10の長手方向において床板60の中央部に対応する位置に配置されている。1つの床板60に対して1つの第二支持部材42が配置されている。なお、第二支持部材42は、床板60の梁10の長手方向における長さに応じて、複数設けられていてもよい。
第一支持部材41及び第二支持部材42は、例えば発砲ウレタン(ポリウレタン)やゴム、エラストマー等の粘弾性材により形成される。第一支持部材41及び第二支持部材42は、例えば互いに異なる材質から形成されている。第一支持部材41及び第二支持部材42は、同じ材質でもよい。支持部40は、防振性及び難燃性を有する。第一支持部材41は、第二支持部材42よりも高い防振性を有する。第一支持部材41の動的バネ定数K1と第二支持部材42の動的バネ定数K2とは、互いに異なる。例えば、第一支持部材41及び第二支持部材42の成分を変えることで、動的バネ定数K1,K2を変えることができる。また、第一支持部材41及び第二支持部材42の製造工程を変えることで、動的バネ定数K1,K2を変えてもよい。
第一支持部材41の動的バネ定数K1(N/mm)は、第二支持部材42の動的バネ定数K2(N/mm)よりも高い。第一支持部材41の動的バネ定数K1は、第二支持部材42の動的バネ定数K2の例えば5倍以上、6倍以下でもよい。
第一支持部材41の厚さ及び第二支持部材42の厚さは例えば同じ厚さである。なお、床板60を支持していない状態において、第一支持部材41及び第二支持部材42の厚さは異なっていてもよい。
第一支持部材41の梁10の長手方向に沿う長さL41は、床板60の梁10の長手方向に沿う長さL60の例えば70%の長さでもよい。第一支持部材41の長さL41は、床板60の長さL60の65%以上、75%以下の長さでもよい。
第一支持部材41の梁10の長手方向に沿う長さL41は、第二支持部材42の梁10の長手方向に沿う長さL42よりも長い。第一支持部材41の梁10の長手方向に沿う長さL41は、第二支持部材42の長さL42の2倍以上、3倍以下の長さでもよい。なお、第一支持部材41は、第二支持部材42よりも長いものに限定されない。第一支持部材41長さL41は、第二支持部材42の長さL42と同じ長さでもよく、第二支持部材42の長さL42より短くてもよい。
床50は、複数の乾式の床板60と、水平方向に敷設された複数の床板60の上に敷設される床マット70とを有する。床板60には、既述するALC床板や、プレキャストコンクリート床板(PCa床板、PCaパネル)等が適用される。
図示例の床マット70は、二重の防音マット71,72と、パーチクルボード73と、フロアマット74が積層することにより形成されている。
床板60を受ける第一支持部材41の受圧面積(mm)は、床板60を受ける第二支持部材42の受圧面積(mm)よりも大きい。第一支持部材41の受圧面積は、1枚の床板60に対して接する第一支持部材41の合計の面積である。第二支持部材42の受圧面積は、1枚の床板60に対して接する第二支持部材42の合計の面積である。第一支持部材41の受圧面積は、第二支持部材42の受圧面積の例えば2倍でもよい。第一支持部材41の受圧面積は、第二支持部材42の受圧面積の1.5倍以上、2.5倍以下でもよい。なお、第一支持部材41の受圧面積は、第二支持部材42の受圧面積と同じでもよく、第二支持部材42の受圧面積より小さくてもよい。
第一支持部材41が床板60から受ける単位長さ当たりの荷重(N/mm)は、第二支持部材42が床板60から受ける単位長さ当たりの荷重(N/mm)よりも大きい。第一支持部材41が床板60から受ける単位長さ当たりの荷重は、第二支持部材42が床板60から受ける単位長さ当たりの荷重の4倍以上、5倍以下でもよい。第一支持部材41が床板60から受ける単位面積当たりの荷重(N/mm)は、第二支持部材42が床板60から受ける単位面積当たりの荷重(N/mm)よりも大きい。第一支持部材41が床板60から受ける単位面積当たりの荷重は、第二支持部材42が床板60から受ける単位面積当たりの荷重の4倍以上、5倍以下でもよい。
次に、建物の床構造100の施工方法について説明する。はじめに、現場では、建物の構造躯体である柱及び梁10が施工されている。梁10の上フランジ12の上面12aに対して、第一支持部材41及び第二支持部材42を配置する。第一支持部材41及び第二支持部材42は、例えば両面テープを用いて、上フランジ12に貼り付けることができる。第一支持部材41及び第二支持部材42は、梁10の長手方向に沿って交互に連続するように配置される。なお、第一支持部材41を配置した後に第二支持部材42を配置してもよく、第二支持部材42を配置した後に第一支持部材41を配置してもよい。
なお、第一支持部材41及び第二支持部材42は、例えば接着剤を用いて、梁10に接着されてもよく、その他の方法によって、梁10に対して取り付けられてもよい。第一支持部材41及び第二支持部材42は、上フランジ12の上面12aに配置されるだけでもよい。
梁10に対して第一支持部材41及び第二支持部材42を取り付けた後、複数の床板60を配置する。複数の床板60は、第一支持部材41及び第二支持部材42上に載置される。床板60の端部60aは、支持部40によって支持される。また、床板60の端60cは、梁10の長手方向において、第一支持部材41に重なる位置に配置される。
次に、床板60を梁10に対して固定する。床板60は、例えば固定具、ボルト及びナット等を用いて、梁10に対して固定される。床板60の梁10に対する固定方法は、その他の方法でもよい。床板60を固定した後、床板60上に、床マット70を敷設する。
なお、建物の床構造100の施工方法において、施工の順番は適宜、変更できる。例えば、工場において、予め梁10に対して、支持部40を貼り付けてもよい。支持部40が設けられた梁10を現場に運搬した後、現場にて、梁10を施工してもよい。
本実施形態に係る建物の床構造100によれば、梁10の長手方向において、第一支持部材41及び第二支持部材42が並んで配置されているので、第一支持部材41同士の間において、梁10と床板60との間の隙間を第二支持部材42によって塞ぐことができ、炎の進入を抑制できる。建物の床構造100では、梁10の長手方向に所定の間隔を置いて複数のピース状の防振材が配置される従来技術と比較して、耐火性能を向上させることができる。
また、第一支持部材41の動的バネ定数K1が、第二支持部材42の動的バネ定数K2よりも高いので、第一支持部材41によって、床板60が重量床衝撃音を受けた際に重量床衝撃音の周波数を低減し、遮音性能を発揮できる。第二支持部材42の動的バネ定数K2は、第一支持部材41の動的バネ定数K1よりも低いので、第二支持部材42は、第一支持部材41による遮音性能に悪影響を及ぼさない。このような建物の床構造100では、遮音性能に優れ、耐火性能を備える建物の床構造を実現できる。なお、第一支持部材41の静的バネ定数K1が、第二支持部材42の静的バネ定数K2よりも高くてもよい。
なお、ピース状の防振材を所定の間隔を置いて配置する従来技術では、防振材の適正な歪量を得やすくなるという利点があるものの、梁10と床板60との間に隙間が生じるため耐火性能に改善の余地があった。
また、梁10と床板60と隙間を埋めるべく、梁10の長手方向に連続する線状の防振材のみの構成では、所定の床衝撃音遮断性能を得ることは容易ではなかった。所定の床衝撃音遮断性能を得るには、防振材の歪量を低くする必要があり、そのためには、線状の防振材の硬度をピース状の防振材よりも柔らかくする必要がある。しかしながら、防振材を柔らかくすると、圧縮クリープ性能が低下するという問題が生じる。
本実施形態の建物の床構造100では、帯状の第一支持部材41及び第二支持部材42によって、床板60を支持するので、線状の防振材のみを備える構成と比較して、床板60を支持する支持部40の面積を増大することができる。これにより、第一支持部材41及び第二支持部材42によって受ける単位面積当たりの荷重を減らすことで、第一支持部材41及び第二支持部材42における圧縮クリープ性能の低下が抑制される。第一支持部材41及び第二支持部材42を備える支持部40全体として、圧縮クリープ性能の向上を図ることができる。本実施形態に係る建物の床構造100では、遮音性能、耐火性能、及び圧縮クリープ性能を高いレベルで実現できる。
なお、第一支持部材41及び第二支持部材42の寸法は、床板60の重量に応じて適宜決定できる。第二支持部材42の寸法は、第一支持部材41による遮音性能に悪影響が出ないように決定される。本実施形態の建物の床構造100の固有振動数は、複数の第一支持部材41のみを備える構成の固有振動数とほぼ同じであり、第二支持部材42は、第一支持部材41による遮音性能に悪影響を及ぼさない。
また、建物の床構造100では、床板60を受ける第一支持部材41の受圧面積は、床板60を受ける第二支持部材42の受圧面積よりも大きい。このような構成の建物の床構造100によれば、第二支持部材42よりも受圧面積が大きい第一支持部材41によって、床板60が重量床衝撃音を受けた際に遮音性能を発揮できる。建物の床構造100では、動的バネ定数K1が高い方の第一支持部材41の受圧面積を、動的バネ定数K2が低い方の第二支持部材42の受圧面積よりも大きくできる。
また、建物の床構造100では、第一支持部材41は、梁10の長手方向に隣り合う複数の床板60を支持し、一つの床板60に対して、一つの第二支持部材42が配置され、この第二支持部材42は、梁10の長手方向において床板60の中央部に配置されている。このような構成の建物の床構造100によれば、梁10の長手方向において、床板60の中央部に第二支持部材42が配置され、梁10の長手方向に離間する床板60の両端60cは、互いに異なる第一支持部材41によって支持されることになる。これにより、梁10の長手方向に離間する複数の第一支持部材41によって床板60を安定して支持できる。
[性能評価実験]
本発明者等は、実施形態に係る建物の床構造100の性能を評価する実験を行った。本実験では、建物の床構造100を実施例とし、支持部40に代えて、複数の第一支持部材41のみからなる支持部を備える床構造を比較例とした。比較例の床構造の支持部は、第二支持部材42を備えていない。その他の梁10、第一支持部材41、床板60及び床マット70は、実施例及び比較例で同じである。
実施例と比較例の各床構造を構成する床の床面において、重量床衝撃音を発生させ、下階の室内において、床衝撃音レベルを計測した。具体的にはタイヤを上階の床に対して落下させて、下階の室内において、床衝撃音レベルを計測した。比較例の計測結果をベンチマーク(BM)として、比較例と実施例との床衝撃音レベル差を算出した。表1に実験結果を示す。
Figure 2023125560000002
表1より、実施例は、比較例と同等の遮音性能を有することが実証された。
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
[変形例]
上記実施形態では、支持部40と床板60とが接触するように配置されているが、床板60は、例えば支持金物を介して、支持部40に支持されている構成でもよい。また、支持部40は、梁10の上フランジ12の上面12aに配置されるものに限定されず、梁10に取り付けられた支持金物上に配置されるものでもよい。
また、上記の実施形態では、梁10としてH形鋼を例示しているが、梁10は、H形鋼に限定されない。例えば、梁10は、角型鋼管でもよく、矩形断面を有する木材でもよい。
10:梁(H形鋼)
11:ウェブ
12:上フランジ
12a:上面
12c:端
12d:端
13:下フランジ
40:支持部
41:第一支持部材
42:第二支持部材
50:床
60:床板
60a:端部
60b:端面
60c:端
70:床マット
71,72:防音マット
73:パーチクルボード
74:フロアマット
100:建物の床構造
W40:支持部の幅

Claims (6)

  1. 建物の上階の床板と、該床板を支持する梁と、を備える建物の床構造であって、
    前記梁には、バネ定数が互いに異なる第一支持部材及び第二支持部材が前記梁の長手方向に並んで取り付けられ、
    前記第一支持部材のバネ定数K1は、前記第二支持部材のバネ定数K2よりも高く、
    前記第一支持部材及び前記第二支持部材が前記床板を支持していることを特徴とする、建物の床構造。
  2. 前記床板を受ける前記第一支持部材の受圧面積は、前記床板を受ける前記第二支持部材の受圧面積よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の建物の床構造。
  3. 前記第一支持部材は、前記梁の長手方向に隣り合う複数の前記床板を支持し、
    一つの前記床板に対して、一つの前記第二支持部材が配置され、該第二支持部材は、前記梁の長手方向において前記床板の中央部に配置されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の建物の床構造。
  4. 前記梁の長手方向に沿う前記第一支持部材の長さは、前記梁の長手方向に沿う前記第二支持部材の長さの2倍以上、3倍以下の長さであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の建物の床構造。
  5. 前記第一支持部材のバネ定数K1は、前記第二支持部材のバネ定数K2の5倍以上、6倍以下であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の建物の床構造。
  6. 前記第一支持部材が前記床板から受ける単位長さ当たりの荷重は、前記第二支持部材が前記床板から受ける単位長さ当たりの荷重の4倍以上、5倍以下であることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の建物の床構造。
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