JP2019112595A - セルロースエステルフィルムコート用熱硬化性ウレタン樹脂組成物及びそれを用いるセルロースエステルフィルムコート剤組成物 - Google Patents

セルロースエステルフィルムコート用熱硬化性ウレタン樹脂組成物及びそれを用いるセルロースエステルフィルムコート剤組成物 Download PDF

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優子 瀧川
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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、裂け耐性を向上するとともに、透湿度低下を抑制可能なセルロースエステルフィルムコート剤を提供することである。【解決手段】ポリオール(A)、鎖伸長剤(B)、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(C)及び溶剤(D)を含むセルロースエステルフィルムコート用熱硬化性ウレタン樹脂組成物であって、前記ポリオール(A)が、以下の式で表される構造単位(1)を含むポリオール(a1)を含むものであり、前記鎖伸長剤(B)に含まれる水酸基の割合が、ポリオール(A)及び鎖伸長剤(B)に含まれる水酸基の合計中、20モル%以上80モル%以下であることを特徴とするセルロースエステルフィルムコート用熱硬化性ウレタン樹脂組成物を用いる。[式中、nは、3以上の整数を表す。]【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースエステルフィルムコート用熱硬化性ウレタン樹脂組成物及びそれを用いるセルロースエステルフィルムコート剤組成物に関するものである。
液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、無機ELディスプレイ等の各種画像表示装置や、電子材料部品、家電製品、自動車内外装、各種プラスチック製品の表面を保護する保護フィルムとして、セルロースエステルフィルムが用いられている。ところが、セルロースエステルフィルムは、機械的強度に問題があることが知られており、セルロースエステルフィルムの表面をさらに保護するコート剤が提案されている。
前記コート剤として、2つ以上の反応性官能基及び2つのイソシアネート基を有する化合物と、2つ以上の反応性官能基を有する分子量が10,000未満の化合物と、表面の一部に有機成分が被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基を表面に有する無機微粒子を含む硬化性樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、ポリアルキレングリコール変性多官能ウレタン(メタ)アクリレート系バインダー、2官能以上の多官能(メタ)アクリレート系化合物、UV開始剤及びシリカナノ粒子を含むコーティング層形成用組成物が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2009−84328号公報 特開2017−535625号公報
ところが、従来から知られる上記の組成物では、セルロースエステル表面の傷付を抑制できるものの、裂け耐性は十分でない場合があり、さらに、透湿度を十分に維持することができない場合があった。本発明が解決しようとする課題は、裂け耐性を向上するとともに、透湿度低下を抑制可能なセルロースエステルフィルムコート剤を提供することである。
本発明者等は、前記課題を解決すべく研究を進める中で、特定のポリオール及び鎖伸長剤を含む熱硬化性ウレタン樹脂組成物を用いることで、裂け耐性及び透湿度低下を抑制できることを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明は、ポリオール(A)、鎖伸長剤(B)、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(C)及び溶剤(D)を含むセルロースエステルフィルムコート用熱硬化性ウレタン樹脂組成物であって、前記ポリオール(A)が、以下の式で表される構造単位(1)を含むポリオール(a1)を含むものであり、前記鎖伸長剤(B)に含まれる水酸基の割合が、ポリオール(A)及び鎖伸長剤(B)に含まれる水酸基の合計中、20モル%以上80モル%以下であることを特徴とするセルロースエステルフィルムコート用熱硬化性ウレタン樹脂組成物に関するものである。
Figure 2019112595
[式中、nは、3以上の整数を表す。]
本発明のウレタン樹脂組成物を用いることで、裂け耐性を向上するとともに、透湿度低下を抑制可能なセルロースエステルフィルムコート剤を提供することができる。
本発明のセルロースエステルフィルムコート用熱硬化性ウレタン樹脂組成物(以下、単に「ウレタン樹脂組成物」という場合がある。)は、ポリオール(A)、鎖伸長剤(B)、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(C)及び溶剤(D)を含む。
前記ポリオール(A)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えばポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。前記ポリオールは、芳香族、脂肪族及び脂環式ポリオールのいずれであってもよいが、耐変色性及び透明性の観点から、脂肪族又は脂環式ポリオールであることが好ましい。なお本明細書において、脂環式炭化水素には、脂環式炭化水素と脂肪族炭化水素とが組み合わされたものも含まれるものとする。
ポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドの1種または2種以上を、2個以上の活性水素を有する化合物を開始剤として付加重させたポリアルキレンポリオールや、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレングリコール、テトラヒドロフランとアルキル置換テトラヒドロフランを共重合させた変性ポリテトラメチレングリコールや、ネオペンチルグリコールとテトラヒドロフランを共重合させた変性ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
前記2個以上の活性水素を有する化合物としては、例えば水、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等のジオール;グリセリン、ジグリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリトリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオ−ル等のトリオール;トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等のトリアルカノールアミン;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、サッカロース等の4官能以上のポリオール;エチレンジアミン、N−エチルジエチレントリアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノブタン、1,3−ジアミノブタン、1,4−ジアミノブタン、ジエチレントリアミン等のポリアミン;燐酸;酸性リン酸エステルなどが挙げられる。
これらの中でも、耐光性を向上できる観点から脂肪族又は脂環式ポリエーテルポリオールがより好ましく、ポリエチレングリコール;エチレンオキシドと、アルキレンオキシド又は環状エーテル等(特に、プロピレンオキシド)を開始剤に付加重合させて得られる共重合ポリオール;テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレングリコール;テトラヒドロフランとアルキル置換テトラヒドロフランを共重合させた変性ポリテトラメチレングリコール;ネオペンチルグリコールとテトラヒドロフランを共重合させた変性ポリテトラメチレングリコールが特に好ましい。
ポリエーテルポリオールの平均分子量は、好ましくは150以上、より好ましくは200以上であり、好ましくは10,000以下、より好ましくは5,000以下、さらに好ましくは3,500以下、特に好ましくは3,000以下である。
本明細書において、平均分子量とは、分子量150未満の化合物については、化学式から求められる値を表し、分子量150以上の重合体については、対象となる重合体が1種の場合は数平均分子量を表し、対象となる重合体が2種以上の場合は、各重合体の数平均分子量の加重平均値を表すものとする。また本明細書において、数平均分子量、重量平均分子量は、ポリスチレンを分子量標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により求めることができる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、ポリオールとポリカーボネートとの反応物;炭酸エステル及び/又はホスゲンと、後述するポリオールとの反応物などが挙げられる。
前記ポリカーボネートと反応しうるポリオール及び炭酸エステル及び/又はホスゲンと反応しうるポリオールとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ビフェノール等の分子量300未満のジヒドロキシ化合物や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールや、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオール等の分子量300以上(好ましくは500以上、より好ましくは800以上であり、好ましくは10,000以下、より好ましくは5,000以下、さらに好ましくは3,500以下、特に好ましくは3,000以下)のポリオールを使用することができる。
前記炭酸エステルとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、メチルカーボネートや、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネ−ト等を使用することできる。
これらの中でも、透明性を向上できる観点から脂肪族ポリカーボネートポリオールがより好ましく、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを含むポリオールと、ジアルキルカーボネートとを反応させて得られるポリカーボネートポリオールが特に好ましい。
ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、好ましくは300以上、より好ましくは500以上、さらに好ましくは600以上、特に好ましくは800以上であり、好ましくは10,000以下、より好ましくは5,000以下、さらに好ましくは2,500以下、特に好ましくは2,000以下である。
前記ポリエステルポリオールとしては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、低分子量(例えば分子量300未満)のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応物であるポリエステルポリオール;ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応物であるポリエステルポリオール;これらの共重合ポリエステルなどが挙げられる。
前記低分子量(例えば分子量300未満)のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂肪族環式構造含有ポリオール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールS、ビスフェノールSのアルキレンオキサイド付加物等のポリオールが挙げられる。
前記ポリカルボン酸としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、ダイマー酸の脂肪族ポリカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸やシクロヘキサントリカルボン酸等の脂環族ポリカルボン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族ポリカルボン酸、及びそれらの無水物またはエステル誘導体が挙げられる。
これらの中でも、耐光性を向上できる観点から脂肪族又は脂環式ポリエステルポリオールがより好ましく、ε−カプロラクトンを開環重合反応して得られる脂肪族ポリエステルポリオール、1,4−ブタンジオールとアジピン酸とをエステル化反応して得られる脂肪族ポリエステルポリオールが特に好ましい。
前記ポリエステルポリオールの数平均分子量は、好ましくは300以上、より好ましくは500以上、さらに好ましくは600以上、特に好ましくは1,500以上であり、好ましくは10,000以下、より好ましくは5,000以下、さらに好ましくは3,500以下、特に好ましくは2,500以下である。
特に本発明のウレタン樹脂組成物は、ポリオール(A)として以下の式で表される構造単位(1)を含むポリオール(a1)を含む。前記ポリオール(a1)を含むことで、透湿性及び裂け耐性を向上することができる。
Figure 2019112595
[式中、nは、3以上の整数を表す。]
前記ポリオール(a1)は、繰り返し数3以上のオキシエチレン単位を含む重合体であればよく、ポリエチレングリコール;エチレンオキシドと炭素原子数3以上のアルキレンオキシドとを開始剤に付加重合させた共重合ポリオール;エチレンオキシドと炭素原子数3以上の環状エーテルとを共重合させた共重合ポリオールなどが挙げられる。
前記ポリオール(a1)中、前記構造単位(1)の含有率は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であり、上限は100質量%である。
前記ポリオール(a1)の平均分子量は、好ましくは150以上、より好ましくは200以上、さらに好ましくは500以上であり、好ましくは10,000以下、より好ましくは5,000以下、さらに好ましくは3,000以下である。
前記構造単位(1)の含有率は、前記ウレタン樹脂組成物の不揮発分中、10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下である。
本明細書において、ウレタン樹脂組成物の不揮発分とは、ウレタン樹脂組成物から溶剤(D)を除いた成分の合計を意味するものとする。
また、前記ポリオール(a1)の含有率は、前記ウレタン樹脂組成物の不揮発分中、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下である。
また本発明のウレタン樹脂組成物は、前記ポリカーボネートポリオール(以下、「ポリカーボネートポリオール(a2)」という場合がある。)を含むことが好ましい。前記ポリカーボネートポリオール(a2)を含むことで、引裂強度及び表面タックをよりいっそう良好なものとすることができる。
前記ポリカーボネートポリオール(a2)の含有量は、前記ポリオール(a1)100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上、さらに好ましくは50質量部以上であり、好ましくは1000質量部以下、より好ましくは500質量部以下、さらに好ましくは300質量部以下、特に好ましくは200質量部以下である。
前記ポリオール(a1)及び前記ポリカーボネートポリオール(a2)の合計の含有率は、前記ポリオール(A)中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、上限は100質量%である。
前記ポリオール(A)の平均分子量は、好ましくは150以上、より好ましくは300以上、さらに好ましくは500以上であり、好ましくは10,000以下、より好ましくは5,000以下、さらに好ましくは3,000以下である。
前記ポリオール(A)の含有率は、ウレタン樹脂組成物の不揮発分中、好ましくは40質量%以上、より好ましくは45質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは75質量%以下である。
前記鎖伸長剤(B)は、活性水素原子を有する基を2個以上有する低分子化合物(例えば、分子量150未満)であり、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、水酸基を有する鎖伸長剤(b1)及びアミノ基を有する鎖伸長剤(b2)が挙げられる。中でも、水酸基を有する鎖伸長剤(b1)を含むことが好ましい。
前記水酸基を有する鎖伸長剤(b1)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレンリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族又は脂環式ジオール化合物;トリメチロールプロパン、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等の3官能以上の脂肪族又は脂環式ポリオール化合物;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等の芳香族ポリオール化合物;水などが挙げられる。
前記鎖伸長剤(b1)としては、ジオール化合物及び3官能以上のポリオール化合物が挙げられ、少なくともジオールを含むことが好ましい。また、前記鎖伸長剤(b1)としては、脂肪族又は脂環式ポリオール化合物並びに芳香族ポリオール化合物が挙げられ、脂肪族又は脂環式ポリオール化合物が好ましく、脂肪族ポリオール化合物がより好ましい。
前記ジオール化合物の含有率は、前記鎖伸長剤(b1)中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上であり、上限は100質量%である。
前記水酸基を有する鎖伸長剤(b1)の含有率は、前記鎖伸長剤(B)100質量%中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上であり、上限は100質量%である。
前記アミノ基を有する鎖伸長剤(b2)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ヒドラジン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。
前記鎖伸長剤(B)に含まれる水酸基の割合は、ポリオール(A)及び鎖伸長剤(B)に含まれる水酸基の合計中、20モル%以上であり、好ましくは25モル%以上、より好ましくは30モル%以上であり、80モル%以下であり、好ましくは75モル%以下である。
前記鎖伸長剤(B)の含有量は、前記ポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上であり、好ましくは50質量部以下、より好ましくは28質量部以下、さらに好ましくは20質量部以下である。
前記脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(C)としては、1種又は2種以上を用いることができ、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロペンチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等を用いることができる。また、前記脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートのアロファネート変性体やヌレート変性体等を用いることができる。これらの中でも、より一層優れた透湿性及び耐熱性が得られる点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、及び/または、イソホロンジイソシアネート、及び/又は、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート及び/またはそれらのヌレート変性体を用いることが好ましい。
前記脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(C)の含有量は、前記ポリオール(A)100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは35質量部以上であり、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、さらに好ましくは100質量部以下である。
また、本発明の効果を損なわない範囲で、芳香族ポリイソシアネートを併用してもよい。前記芳香族ポリイソシアネートとしては、1種又は2種以上を用いてもよく例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,6−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,5−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−2,6−フェニレンジイソシアネート、1−メチル−3,5−フェニレンジイソシアネート、1−エチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1−イソプロピル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1,3−ジメチル−2,4−フェニレンジイソシアネート、1,3−ジメチル−4,6−フェニレンジイソシアネート、1,4−ジメチル−2,5−フェニレンジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアネート、1−メチル−3,5−ジエチルベンゼンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ジエチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1,3,5−トリエチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、1−メチル−ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ナフタレン−2,6−ジイソシアネート、ナフタレン−2,7−ジイソシアネート、1,1−ジナフチル−2,2’−ジイソシアネート、ビフェニル−2,4’−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3−3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4−ジイソシアネート等を用いることができる。
前記芳香族ポリイソシアネートの含有量は、前記脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(C)100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下であり、下限は0質量部である。
前記脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(C)及び必要に応じて用いる芳香族ポリイソシアネート(以下、これらを総称して「ポリイソシアネート(C’)」という場合がある。)は、その一部が、ポリオール(A)及び鎖伸長剤(B)とウレタンプレポリマーを形成していてもよく、ポリオール(A)及び鎖伸長剤(B)は、その一部が前記ポリイソシアネート(C’)とウレタンプレポリマーを形成していてもよい。
前記ウレタンプレポリマーにおいて、前記脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(C)の含有量は、前記ポリイソシアネート(C’)の一部に含まれるイソシアネート基と前記ポリオール(A)及び鎖伸長剤(B)に含まれる水酸基とのモル比(NCO/OH比)が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、さらに好ましくは0.9以上、奥に好ましくは1.0以上、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下、さらに好ましくは1.2以下となる範囲であることが好ましい。
前記ウレタンプレポリマーは、水酸基を有するものであることが好ましく、前記ウレタンプレポリマーの水酸基価は、好ましくは1mgKOH/g以上、より好ましくは5mgKOH/g以上、さらに好ましくは10mgKOH/g以上であり、好ましくは200mgKOH/g以下、より好ましくは150mgKOH/g以下、特に好ましくは100mgKOH/g以下である。
本発明において、水酸基価は、JIS K0070に準拠して測定して得られた値を表すものとする。
前記溶剤(D)としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル溶剤;アセトニトリル等のニトリル溶剤;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド溶剤などが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いることも2種以上併用することもできる。また、安全性や環境に対する負荷低減を図るため、前記ウレタンプレポリマーの製造途中または製造後に、例えば、減圧留去することによって前記溶剤(C)の一部または全部を除去してもよい。
前記有機溶剤の含有率は、前記樹脂組成物中、好ましくは50質量%以上、より好ましくは55質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上であり、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、さらに好ましくは70質量%以下である
前記ウレタン樹脂組成物を調製する際、前記ポリオール(A)、前記鎖伸長剤(B)、及び前記ポリイソシアネート(C’)の混合順序は、特に限定されず、(i)前記ポリオール(A)と前記鎖伸長剤(B)と前記ポリイソシアネート(C’)の全量を一括で混合してもよく、(ii)前記ポリオール(A)と前記鎖伸長剤(B)と、前記ポリイソシアネート(C’)の一部とを混合した後、前記ポリイソシアネート(C’)の残部を混合してもよく、(iii)前記ポリオール(A)の一部と前記鎖伸長剤(B)と前記ポリイソシアネート(C’)とを混合した後、前記ポリオール(A)の残部を混合してもよい。前記混合の際は、前記溶剤(D)を共存させてもよい。
(i)前記ポリオール(A)と前記鎖伸長剤(B)と前記ポリイソシアネート(C’)の全量を一括混合する場合、前記ポリオール(A)と前記鎖伸長剤(B)の混合物をI液とし、前記ポリイソシアネート(C’)をII液として、前記I液と前記II液とを混合することにより本発明のウレタン樹脂組成物を調製することができる。
(ii)前記ポリオール(A)と前記鎖伸長剤(B)と、前記ポリイソシアネート(C’)の一部とを混合した後、前記ポリイソシアネート(C’)の残部を混合する場合、前記ポリオール(A)と前記ポリイソシアネート(C’)の一部との反応物である水酸基末端のウレタンプレポリマーをI液とし、前記ポリイソシアネート(C’)の残部をII液として、前記I液と前記II液とを混合することにより本発明のウレタン樹脂組成物を調製することができる。
(iii)前記ポリオール(A)の一部および/または前記鎖伸長剤(B)の一部と前記ポリイソシアネート(C’)とを混合した後、前記ポリオール(A)および/または前記鎖伸長剤(B)の残部を混合する場合、前記ポリオール(A)の一部および/または前記鎖伸長剤(B)の一部と前記ポリイソシアネート(C’)との反応物であるイソシアネート基末端のウレタンプレポリマーをI液とし、前記ポリオール(A)の残部及び/又は前記鎖伸長剤(C)の残部をII液として、前記I液と前記II液とを混合することによる本発明のウレタン樹脂組成物を調製することができる。
前記反応の際、触媒を共存させてもよい。前記触媒としては、1種又は2種以上を用いることができ、例えば、三級アミン触媒;アルキル金属化合物(特に、アルキル錫及びその塩)、金属アセチルアセトネート等の有機金属触媒等が挙げられる。
前記ウレタン樹脂組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、レベリング剤;エポキシ架橋剤等の架橋剤;可塑剤;充填材;顔料;染料;安定剤;難燃剤等の添加剤を1種又は2種以上含んでいてもよい。また、前記触媒(特に、アルキル金属化合物等の有機金属触媒)を用いる場合、アセチルアセトン等の遅延剤を共存させてもよい。遅延剤を共存させることで、ポットライフを長くすることが容易となる。
前記ウレタン樹脂組成物をコートしたセルロースエステルフィルムを製造する方法としては、例えば、セルロースエステルフィルムに前記ウレタン樹脂組成物を塗工し、必要に応じて乾燥した後、加熱し硬化する方法;離型基材表面にウレタン樹脂組成物を塗工し、必要に応じて乾燥した後、セルロースエステルフィルムと貼り合わせて、加熱し硬化する方法などが挙げられる。前記塗工方法としては、例えばカーテンフローコーター法やダイコーター法等のスリットコーター法、ナイフコーター法、ロールコーター法等が挙げられる。また、前記乾燥は、常温下で自然乾燥でもよく、加熱乾燥させることもできる。加熱乾燥は、通常、40℃以上250℃で、1秒以上1000秒以下程度の時間で行うことが好ましい。また、2次硬化工程として、40℃以上100℃以下の温度で、1時間以上10時間以下程度の加熱乾燥をしてもよい。
以上の方法によって得られたフィルムは、裂け耐性を向上するとともに、透湿度低下を抑制できることから、セルロースエステルフィルムコート剤として特に好適である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
[合成例1]ウレタンプレポリマー(1)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、ポリエチレングリコール(日本乳化剤製「PEG#1000」)250質量部を加え、0.095MPaに減圧して100〜120℃で脱水を行った。その後、50℃まで冷却して、エチレングリコール13質量部と酢酸エチル570部、ジシクロヘキシルメタン4,4’−ジイソシアナート(以下、「H12MDI」と略記する。)を107質量部、日東化成製「ネオスタンU−830」0.4質量部を加え、70℃で反応させることによって、水酸基を有するウレタンプレポリマー(1)の酢酸エチル溶液を得た。このウレタンプレポリマー(1)の酢酸エチル溶液の水酸基価は7mgKOH/gであった。
[合成例2]ウレタンプレポリマー(2)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、ポリエチレングリコール(日本乳化剤製「PEG#1000」)150質量部とポリカーボネートポリオール(宇部興産製「UH−100」)100質量部を加え、0.095MPaに減圧して100〜120℃で脱水を行った。その後、50℃まで冷却して、エチレングリコール38質量部と酢酸エチル768部、H12MDIを108質量部、日東化成製「ネオスタンU−830」0.4質量部を加え、70℃で反応させることによって、水酸基を有するウレタンプレポリマー(2)の酢酸エチル溶液を得た。このウレタンプレポリマー(2)の酢酸エチル溶液の水酸基価は45mgKOH/gであった。
[合成例3]ウレタンプレポリマー(3)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、ポリエチレングリコール(日本乳化剤製「PEG#1000」)150質量部とポリカーボネートポリオール(宇部興産製「UH−100」)100質量部を加え、0.095MPaに減圧して100〜120℃で脱水を行った。その後、50℃まで冷却して、エチレングリコール25質量部と酢酸エチル670部、H12MDIを108質量部、日東化成製「ネオスタンU−830」0.4質量部を加え、70℃で反応させることによって、水酸基を有するウレタンプレポリマー(3)の酢酸エチル溶液を得た。このウレタンプレポリマー(3)の酢酸エチル溶液の水酸基価は27mgKOH/gであった。
[合成例4]ウレタンプレポリマー(4)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、ポリエチレングリコール(日本乳化剤製「PEG#1000」)150質量部とポリカーボネートポリオール(宇部興産製「UH−100」)100質量部を加え、0.095MPaに減圧して100〜120℃で脱水を行った。その後、50℃まで冷却して、エチレングリコール8質量部と酢酸エチル532部、H12MDIを87質量部、日東化成製「ネオスタンU−830」0.4質量部を加え、70℃で反応させることによって、水酸基を有するウレタンプレポリマー(4)の酢酸エチル溶液を得た。このウレタンプレポリマー(4)の酢酸エチル溶液の水酸基価は7mgKOH/gであった。
[合成例5]ウレタンプレポリマー(5)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、ポリエチレングリコール(日本乳化剤製「PEG#1000」)100質量部とポリカーボネートポリオール(宇部興産製「UH−100」)150質量部を加え、0.095MPaに減圧して100〜120℃で脱水を行った。その後、50℃まで冷却して、エチレングリコール25質量部と酢酸エチル670部、H12MDIを109質量部、日東化成製「ネオスタンU−830」0.4質量部を加え、70℃で反応させることによって、水酸基を有するウレタンプレポリマー(5)の酢酸エチル溶液を得た。このウレタンプレポリマー(5)の酢酸エチル溶液の水酸基価は28mgKOH/gであった。
[合成例6]ウレタンプレポリマー(6)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、ポリエチレングリコール(日本乳化剤製「PEG#1000」)70質量部とポリエチレングリコール(日本乳化剤製「PEG#200」)30質量部とポリカーボネートポリオール(宇部興産製「UH−100」)150質量部を加え、0.095MPaに減圧して100〜120℃で脱水を行った。その後、50℃まで冷却して、エチレングリコール8質量部と酢酸エチル580部、H12MDIを98質量部、日東化成製「ネオスタンU−830」0.4質量部を加え、70℃で反応させることによって、水酸基を有するウレタンプレポリマー(6)の酢酸エチル溶液を得た。このウレタンプレポリマー(6)の酢酸エチル溶液の水酸基価は15mgKOH/gであった。
[合成例7]ウレタンプレポリマー(7)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、ポリカーボネートポリオール(宇部興産製「UH−100」)250質量部を加え、0.095MPaに減圧して100〜120℃で脱水を行った。その後、50℃まで冷却して、エチレングリコール25質量部と酢酸エチル672部、H12MDIを109質量部、日東化成製「ネオスタンU−830」0.4質量部を加え、70℃で反応させることによって、水酸基を有するウレタンプレポリマー(7)の酢酸エチル溶液を得た。このウレタンプレポリマー(7)の酢酸エチル溶液の水酸基価は27mgKOH/gであった。
[合成例8]ウレタンプレポリマー(8)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、ポリエチレングリコール(日本乳化剤製「PEG#1000」)150質量部とポリカーボネートポリオール(宇部興産製「UH−100」)100質量部を加え、0.095MPaに減圧して100〜120℃で脱水を行った。その後、50℃まで冷却して、エチレングリコール75質量部と酢酸エチル1062部、H12MDIを108質量部、日東化成製「ネオスタンU−830」0.4質量部を加え、70℃で反応させることによって、水酸基を有するウレタンプレポリマー(8)の酢酸エチル溶液を得た。このウレタンプレポリマー(8)の酢酸エチル溶液の水酸基価は81mgKOH/gであった。
[合成例9]ウレタンプレポリマー(9)の合成
攪拌機、還流管、及び温度計を有する反応装置に、ポリエチレングリコール(日本乳化剤製「PEG#1000」)150質量部とポリカーボネートポリオール(宇部興産製「UH−100」)100質量部を加え、0.095MPaに減圧して100〜120℃で脱水を行った。その後、50℃まで冷却して、エチレングリコール3質量部と酢酸エチル493部、H12MDIを66質量部、日東化成製「ネオスタンU−830」0.4質量部を加え、70℃で反応させることによって、水酸基を有するウレタンプレポリマー(9)の酢酸エチル溶液を得た。このウレタンプレポリマー(9)の酢酸エチル溶液の水酸基価は7mgKOH/gであった。
Figure 2019112595
(実施例1:ウレタンコートTACフィルムの作製)
セルロースエステル(株式会社ダイセル製「LT−105」)を不揮発分が5質量%となるようにメチレンクロライド/メタノール(9/1)溶液で溶解し、ガラス板上にアプリケーターで塗布したのち、室温で2時間乾燥させ、次いで50℃で30分、120℃で30分乾燥させることで厚さ80ミクロンのセルロースエステルフィルムを得た。得られたフィルム上に、合成例1で得られたウレタンプレポリマー(1)15質量部とH12MDIをNCO/OH=1.02となるように混合した熱硬化性ウレタン樹脂塗工液(X−1)を、硬化乾燥後のフィルム全体の厚さが100μmになるように塗工し、オーブン中で80℃×2分間、次いで120℃×2分間加熱し一次硬化させ、ウレタンコートTACフィルム(Y−1)を得た。
(実施例2〜6:ウレタンコートTACフィルム(Y−2)〜(Y−6)の作製)
実施例1で用いたウレタンプレポリマー(1)に代えて、合成例2〜6で得たウレタンプレポリマー(2)〜(6)を用いた以外は、実施例1と同様に行い、フィルム(Y−2)〜(Y−6)を得た。
(比較例1:ウレタンコートTACフィルムの作製)
セルロースエステル(株式会社ダイセル製「LT−105」)を不揮発分が5質量%となるようにメチレンクロライド/メタノール(9/1)溶液で溶解し、ガラス板上にアプリケーターで塗布したのち、室温で2時間乾燥させ、次いで50℃で30分、120℃で30分乾燥させることで厚さ80ミクロンのセルロースエステルフィルムを得た。得られたフィルム上に、合成例1で得られたウレタンプレポリマー(7)15質量部とH12MDIをNCO/OH=1.02となるように混合した熱硬化性ウレタン樹脂塗工液(X’−1)を、硬化乾燥後のフィルム全体の厚さが100μmになるように塗工し、オーブン中で80℃×2分間、次いで120℃×2分間加熱し一次硬化させ、ウレタンコートTACフィルム(Y’−1)を得た。
(比較例2、3:ウレタンコートTACフィルム(Y’−2)、(Y’−3)の作製)
比較例1で用いたウレタンプレポリマー(7)に代えて、合成例8,9で得たウレタンプレポリマー(8)、(9)を用いた以外は、比較例1と同様に行い、フィルム(Y’−2)、(Y’−3)を得た。
得られたフィルムについて、以下の評価を行った。結果を以下の表に示す。
[透湿性試験]
上述のフィルムを試験体とし、JIS L−1099 A−1法に規定の測定方法にて透湿度を測定する。基材(TACフィルム)の透湿度に対する保持率で評価した。
○保持率70%以上
△保持率50%以上70%未満
×50%未満
[裂け耐性]
上述のフィルムを試験体とし、JIS K 7128−2:1998法に規定の測定方法にて引裂強度を測定した。
○10N/mm以上
△4N/mm以上10N/mm未満
×4N/mm未満
[タック性]
上述のフィルムを試験体とし、フィルム表面の指触評価した。
○タックなし
×タックあり
[層間密着性]
上述のフィルムを試験体とし、層間でのピーリング試験を実施した。
○全面剥離しない
×全面剥離する
Figure 2019112595
本発明のウレタン樹脂組成物を用いた実施例1〜6のフィルムは、引裂強度、透湿性、表面タック、層間密着性が良好であった。これに対して、比較例1のウレタン樹脂組成物は、ポリオール(a1)を含まないものであり、透湿性と層間密着性に劣るものであった。また、比較例2のウレタン樹脂組成物は、ポリオール(A)及び鎖伸長剤(B)に含まれる水酸基の合計中の鎖伸長剤(B)由来の水酸基の割合が80モル%を超えるものであり、裂け耐性に劣るものであった。比較例3のウレタン樹脂組成物は、ポリオール(A)及び鎖伸長剤(B)に含まれる水酸基の合計中の鎖伸長剤(B)由来の水酸基の割合が20モル%に満たないものであり、裂け耐性及び表面タックに劣るものであった。

Claims (6)

  1. ポリオール(A)、鎖伸長剤(B)、脂肪族又は脂環式ポリイソシアネート(C)及び溶剤(D)を含むセルロースエステルフィルムコート用熱硬化性ウレタン樹脂組成物であって、
    前記ポリオール(A)が、以下の式で表される構造単位(1)を有するポリオール(a1)を含むものであり、
    前記鎖伸長剤(B)に含まれる水酸基の割合が、ポリオール(A)及び鎖伸長剤(B)に含まれる水酸基の合計中、20モル%以上80モル%以下であることを特徴とするセルロースエステルフィルムコート用熱硬化性ウレタン樹脂組成物。
    Figure 2019112595
    [式中、nは、3以上の整数を表す。]
  2. 前記構造単位(1)の含有率が、前記セルロースエステルフィルムコート用熱硬化性ウレタン樹脂組成物の不揮発分中、10質量%以上60質量%以下である請求項1記載のセルロースエステルフィルムコート用熱硬化性ウレタン樹脂組成物。
  3. 前記ポリオール(A)の平均分子量が、150以上10,000以下である請求項1又は2記載のセルロースエステルフィルムコート用熱硬化性ウレタン樹脂組成物。
  4. 前記鎖伸長剤(B)が、分子量150未満のジオール化合物を含むものである請求項1〜3のいずれか1項記載のセルロースエステルフィルムコート用熱硬化性ウレタン樹脂組成物。
  5. 前記鎖伸長剤(B)が、エチレングリコールを含むものである請求項1〜4のいずれか1項記載のセルロースエステルフィルムコート用熱硬化性ウレタン樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項記載の熱硬化性ウレタン樹脂組成物からなるセルロースエステルフィルムコート剤。
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