JP2024024597A - カーボネート基含有ポリオール、ポリウレタン樹脂組成物、人工皮膜、及び皮革様シート - Google Patents

カーボネート基含有ポリオール、ポリウレタン樹脂組成物、人工皮膜、及び皮革様シート Download PDF

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浩介 千田
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Abstract

【課題】ポリオール自体の粘度を下げることにより、低粘度で取扱性に優れ、塗料やポリウレタンの製造時における溶剤の使用量低減に繋がることに加え、低温柔軟性、耐湿熱性に優れたポリウレタンを得ることができるカーボネート基含有ポリオールを提供すること。【解決手段】数平均分子量が300~10000であり、所定の構成単位(A)と、所定の構成単位(B)と、所定の構成単位(C)と、を有し、上記構成単位(A)の含有量が、上記構成単位(A)、(B)、及び(C)の合計質量に対して、20~80質量%である、カーボネート基含有ポリオール。【選択図】なし

Description

本発明は、カーボネート基含有ポリオール、ポリウレタン樹脂組成物、人工皮膜、及び皮革様シートに関する。
従来、ポリウレタン樹脂は、合成皮革、人工皮革、接着剤、家具用塗料、自動車用塗料等の幅広い領域で使用されている。ポリウレタン樹脂の原料のうち、イソシアネートと反応させるポリオール成分としてポリエーテルやポリエステル、ポリカーボネートが用いられている。しかしながら、近年、耐熱性、耐候性、耐加水分解性、耐溶剤性や耐日焼け止め性、耐傷付き性等、ポリウレタン樹脂の耐久性への要求が高まっている。一方で、欧州や中国等では、環境負荷低減を目的にVOC削減が達成できる材料へのシフトが推進されている。
例えば、特許文献1には、共重合ポリカーボネートジオールを経済的かつ簡便に製造する方法が開示されている。また、例えば、特許文献2には、ポリカーボネートジオール/ポリエーテルブロック共重合体が開示されている。その他、例えば、特許文献3には、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を含有する湿気硬化型ポリウレタンホットメルト樹脂組成物が開示されている。加えて、例えば、特許文献4にはポリオールとしてポリテトラメチレングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールを用いたウレタン樹脂が開示されている。
特開平3-252420号公報 特開2006-124486号公報 特開2021-98775号公報 特開2021-28161号公報
しかしながら、ポリカーボネートポリオールは、単体での粘度が他のポリオールに比べ高いため、ポリカーボネートポリオールの取扱を容易にするために有機溶剤を用いて粘度を低くすることが一般的に行われている。
例えば、塗料やポリウレタンの製造時においてポリカーボネートポリオールを用いる場合には多量の溶剤が必要となる。特許文献1及び特許文献2に記載のポリカーボネートジオールを用いたポリウレタン樹脂においても、低温柔軟性、耐久性の要求物性が厳しい用途においては改善の余地を有している。
特許文献3、4では複数のポリオールを使用しているが、原料の一つであるポリカーボネートポリオールに関しては高粘度であることから取扱性に改善の余地を有している。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、ポリオール自体の粘度を下げることにより、低粘度で取扱性に優れ、塗料やポリウレタンの製造時における溶剤の使用量低減に繋がることに加え、低温柔軟性、耐湿熱性に優れたポリウレタンを得ることができるカーボネート基含有ポリオールを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、特定のカーボネート基含有ポリオールを使用することにより、低粘度で取扱性に優れ、低温柔軟性、耐湿熱性に優れるポリウレタンを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の態様を含むものである。
[1]
数平均分子量が300~10000であり、
下記式(A)で表される構成単位(A)と、
下記式(B)で表される構成単位(B)と、
下記式(C)で表される構成単位(C)と、を有し、
前記構成単位(A)の含有量が、前記構成単位(A)、(B)、及び(C)の合計質量に対して、20~80質量%である、カーボネート基含有ポリオール。
(式(A)中、R11は、各々独立して、炭素数3~12の、直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状の脂肪族炭化水素基、又は、炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。複数あるR11は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。n11は1~60の任意の整数であって、カーボネート基含有ポリオール一分子中に含まれる式(A)の構成単位の総数である。)
(式(B)中、R21は、各々独立して、炭素数2~20の、直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状の脂肪族炭化水素基、又は、炭素数6~20の芳香族炭化水素基である。複数あるR21は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。n21は2~80の任意の整数であって、カーボネート基含有ポリオール一分子中に含まれる式(B)の構成単位の総数である。)
(式(C)中、R31及びR31'は、各々独立して、炭素数3~12の、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の脂肪族炭化水素基、又は、炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。複数あるR31及びR31'は、各々独立して、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。n31は1~60の任意の整数であって、カーボネート基含有ポリオール一分子中に含まれる式(C)の構成単位の総数である。)
[2]
前記カーボネート基含有ポリオールにおける前記構成単位(B)の含有量が、前記構成単位(A)、(B)、及び(C)の合計質量に対して、1.0~80質量%である、
[1]に記載のカーボネート基含有ポリオール。
[3]
前記カーボネート基含有ポリオールにおける前記構成単位(C)の含有量が、前記構成単位(A)、(B)、及び(C)の合計質量に対して、に対して、1~40質量%である、
[1]又は[2]に記載のカーボネート基含有ポリオール。
[4]
前記構成単位(C)の含有量が前記構成単位(B)の含有量に対して、0.1%~80質量%である、
[1]~[3]のいずれかに記載のカーボネート基含有ポリオール。
[5]
前記構成単位(A)において、R11は、各々独立して、炭素数3~10の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は炭素数3~10の分岐鎖状脂肪族炭化水素基である、
[1]~[4]のいずれかに記載のカーボネート基含有ポリオール。
[6]
前記構成単位(B)において、R21は、各々独立して、炭素数2~4の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は炭素数3~6の分岐鎖状脂肪族炭化水素基である、
[1]~[5]のいずれかに記載のカーボネート基含有ポリオール。
[7]
前記構成単位(C)において、R31は、各々独立して、炭素数3~10の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は炭素数3~10の分岐鎖状脂肪族炭化水素基である、
[1]~[6]のいずれかに記載のカーボネート基含有ポリオール。
[8]
前記構成単位(C)において、R31’は、各々独立して、炭素数6~12の芳香族炭化水素基である、
[1]~[7]のいずれかに記載のカーボネート基含有ポリオール。
[9]
50℃において、回転粘度計(E型粘度計(東機産業株式会社製、TVE-22HT、コーン:No.6))を用いて測定した粘度が、100~5000mPa・sである、
[1]~[8]のいずれかに記載のカーボネート基含有ポリオール。
[10]
[1]~[9]のいずれかに記載のカーボネート基含有ポリオールと、
イソシアネート基を有する化合物と、
を反応させて得られるポリウレタン樹脂組成物。
[11]
[10]に記載のポリウレタン樹脂組成物を含む、
人工皮膜。
[12]
[10]に記載のポリウレタン樹脂組成物を含む、
皮革様シート。
本発明のカーボネート基含有ポリオールを用いることで、低粘度で取扱性に優れ、低温柔軟性、及び耐湿熱性に優れるポリウレタンを製造できることを見出した。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
<カーボネート基含有ポリオール>
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールは、数平均分子量が300~10000であり、下記構成単位(A)、(B)、及び(C)を有し、上記構成単位(A)、(B)、及び(C)の合計質量に対し、上記構成単位(A)の含有量が20~80質量%である。
構成単位(A)は、下記式(A)で表される構成単位である。
(式(A)中、R11は、各々独立して、炭素数3~12の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状の脂肪族炭化水素基、又は、炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。複数あるR11は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。n11は1~60の任意の整数であって、カーボネート基含有ポリオール一分子中に含まれる式(A)の構成単位の総数である。)
構成単位(B)は、下記式(B)で表される構成単位である。
(式(B)中、R21は、各々独立して、炭素数2~20の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状の脂肪族炭化水素基、又は、炭素数6~20の芳香族炭化水素基である。複数あるR21は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。n21は2~80の任意の整数であって、カーボネート基含有ポリオール一分子中に含まれる式(B)の各構造単位の総数である。)
構成単位(C)は、下記式(C)で表される構成単位である。
(式(C)中、R31及びR31'は、各々独立して、炭素数3~12の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状の脂肪族炭化水素基、又は、炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。複数あるR31及びR31'は、各々独立して、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。n31は1~60の任意の整数であって、カーボネート基含有ポリオール一分子中に含まれる式(C)の各構造単位の総数である。)
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールは、分子内に所定量の上記構成単位(A)と、上記構成単位(B)と、及び上記構成単位(C)と、が存在することによりポリオール自体の粘度が低く、塗料やポリウレタンの製造時において溶剤の使用量を低減することが可能であることに加えて、低温柔軟性に優れ、耐湿熱性に優れたポリウレタンを提供することができる。これに対して、上記構成単位(A)、(B)及び(C)をそれぞれ独立に含むポリオールを単にブレンドした場合には、均一に溶解せず分離し、粘度も安定せず、取扱性に難が残る。
なお、本実施形態において、構成単位(A)、(B)及び(C)の構造は後述の実施例に記載の方法により確認することができる。
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールにおいて、末端構造は、一方の末端がカーボネート基に結合し、もう一方の末端が水酸基に結合している末端構造、又は、両末端がカーボネート基に結合している末端構造、又は、両末端が水酸基に結合している末端構造である。
また、本実施形態のカーボネート基含有ポリオールにおいて、末端構造は、一方の末端がカーボネート基に結合し、もう一方の末端が水酸基に結合している末端構造と、両末端がカーボネート基に結合している末端構造との組み合わせであってもよい。
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールを得る方法としては、特に限定されないが、例えば、以下の(i)、(ii)の方法が挙げられる。更なる詳細については後述の実施例において詳説する。
(i)上記式(A)で表される構成単位を有する化合物と、上記式(B)で表される構成単位を有する化合物及び上記式(C)で表される構成単位を有する化合物を用いて、エステル交換反応を行う方法。
(ii)後述するカーボネート化合物及び、構成単位(A)を満足するポリオール原料と、上記構成単位(B)を有する化合物、及び上記構成単位(C)を有する化合物とを混和し、常圧又は減圧下、エステル交換触媒の存在下、100~200℃で反応させ、生成するカーボネート原料由来のアルコールを除去して、所定の分子量のカーボネート基含有ポリオールを得る方法。
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールを、合成反応を経て得る際には、通常、触媒を添加して実施される。本実施形態で使用する触媒は、通常のエステル交換反応触媒から自由に選択することができる。エステル交換反応触媒としては、特に限定されないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウム等の金属、塩、アルコキシド、有機化合物が用いられる。特に好ましいのは、チタン、マグネシウム、スズ、鉛の化合物である。また、触媒の使用量は、通常はカーボネート基含有ポリオールの質量に対して0.00001~0.1質量%であってもよい。
以下、本実施形態のカーボネート基含有ポリオールについて詳説する。
<数平均分子量>
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールの数平均分子量は300~10000であり、好ましくは400~5000であり、より好ましくは700~3500である。カーボネート基含有ポリオールの数平均分子量が300以上であることにより、上記カーボネート基含有ポリオールを用いて得られるポリウレタンの低温柔軟性が向上し、カーボネート基含有ポリオールの数平均分子量が10000以下であることにより、上記カーボネート基含有ポリオールを用いて得られるポリウレタンの耐湿熱性が向上する。
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールの数平均分子量を上述の範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、数平均分子量が上記範囲に制御された構成単位(A)と、構成単位(B)と、構成単位(C)と、を用いる方法や、上記(ii)の方法にて数平均分子量を確認しながら反応を行い、上記範囲内に到達した時点で反応を停止する方法等が挙げられる。
本実施形態において、カーボネート基含有ポリオールの数平均分子量は、後述する実施例に記載の方法を用いて、カーボネート基含有ポリオールの水酸基価から算出することができる。
<構成単位(A)>
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールが有する構成単位(A)は、上記式(A)で表される構成単位である。構成単位(A)は連続して配列していてもよく、他の構成単位とランダムに配列していてもよい。
上記式(A)中、R11は、各々独立して、炭素数3~12の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状の脂肪族炭化水素基、又は、炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。複数あるR11は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
11における直鎖状脂肪族炭化水素基としては、炭素数が3~12であり、3~11であることが好ましく、3~10であることがより好ましい。
11における直鎖状脂肪族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナブチレン基、デカブチレン基等が挙げられる。
11における分岐鎖状脂肪族炭化水素基としては、炭素数が3~12であり、3~11であることが好ましく、3~10であることがより好ましい。
11における分岐鎖状脂肪族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、イソプロピレン基、イソブチレン基、tert-ブチレン基、イソペンチレン基、tert-ペンチレン基、2,2-ジメチルトリメチレン基、イソヘキシレン基、2-メチルペンチレン基、3-メチルペンチレン基、イソヘプチレン基、イソオクチレン基、イソノニレン基、2,4-ジエチルペンチレン基、2-ブチル-2-エチルプロピレン基、イソデシレン基等が挙げられる。
11における環状脂肪族炭化水素基としては、炭素数が3~12であり、6~12であることが好ましく、6~10であることがより好ましい。
11における環状脂肪族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等が挙げられる。
11における芳香族炭化水素基としては、炭素数が6~12であり、6~10であることが好ましく、6であることがより好ましい。
11における芳香族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
中でも、R11としては、各々独立して、炭素数3~10の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は、炭素数3~10の分岐鎖状肪族炭化水素基が好ましく、炭素数4~6の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は、炭素数3~6の分岐鎖状肪族炭化水素基がより好ましく、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は、イソブチレン基、3-メチルペンチレン基等の分岐鎖状肪族炭化水素基がさらにより好ましい。
また、本実施形態のカーボネート基含有ポリオールは、少なくとも一部が、構成単位(A)におけるR11が、炭素数3~12の直鎖状の脂肪族炭化水素基、及び炭素数3~12の分岐鎖状の脂肪族炭化水素基からなる群より選ばれる少なくとも2種以上であることが好ましく、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等の直鎖状脂肪族炭化水素基、及びイソブチレン基、3-メチルペンチレン基等の分岐鎖状肪族炭化水素基からなる群より選ばれる少なくとも2種以上であることがさらに好ましい。この場合、常温で液状のカーボネート基含有ポリオールが得られる傾向にある。
11が2,2-ジメチルトリメチレン基である場合、構成単位(A)は、例えば、下記式(H)で表される。
11がイソブチレン基である場合、構成単位(A)は、例えば、下記式(I)で表される。
11がイソヘプチレン基である場合、構成単位(A)は、例えば、下記式(J)で表される。
なお、本実施形態において、カーボネート基含有ポリオール中の構成単位(A)におけるR11の組成は以下の方法により決定することができる。
まず、100mlのナスフラスコに、サンプルを1g測り取り、エタノール30g、水酸化カリウム4gを入れて、混合物を得る。得られた混合物を100℃のオイルバスで1時間加熱する。上記混合物を室温まで冷却後、指示薬としてフェノールフタレインを上記混合物に1~2滴添加し、塩酸で中和する。その後、上記混合物を冷蔵庫で3時間冷却し、沈殿した塩を濾過で除去した後、濾液を下記分析条件にてガスクロマトグラフィー(以下、GCと表記する)分析する。GC分析により得られたジオール化合物の面積値を元に、カーボネート基含有ポリオール中の上記構成単位(A)におけるR11の組成を決定することができる。
なお、本実施形態において、当該カーボネート基含有ポリオールの上記構成単位(A)におけるR11と上記構成単位(C)におけるR31は、エステル交換反応の経過とともにジオールがエステル交換されランダムに配置されることから、それぞれの組成は同一とみなすことができる。
(n11)
上記式(A)中、n11は、カーボネート構造の繰り返し数を表す。n11は1~60の任意の整数であって、カーボネート基含有ポリオール一分子中に含まれる式(A)の各構造単位の総数であるが、本実施形態のカーボネート基含有ポリオール全体におけるn11の平均値は、1~50が好ましく、2~50がより好ましく、2~30がさらに好ましく、3~20が特に好ましい。n11の平均値が2以上であることにより、耐湿熱性等の耐久性により一層優れたポリウレタンが得られる傾向にある。また、本実施形態のカーボネート基含有ポリオール全体におけるn11の平均値が50以下であることにより、カーボネート基含有ポリオールの粘度がより低粘度になる傾向になる。
上記n11の測定方法としては、特に限定されないが、例えば、カーボネート基含有ポリオールを必要に応じてアルカリ分解して原料ジオール成分を取り出し、当該成分についてGC-MS測定、LC-MS測定、NMR測定及びGPC測定を行うことで求めることができる。
構成単位(A)のR11を調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、構成単位(A)の原料として用いるポリオールの組成を変化させることにより調整することができる。より具体的には、例えば、用いるポリオールの炭素数を増加させることにより、R11の炭素数を増加させることができる。
また、構成単位(A)のn11を調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、構成単位(A)の原料として用いるポリオールの使用量を変化させることにより、調整することができる。より具体的には、例えば、構成単位(A)の元となるポリカーボネートジオール原料の割合を増加させることにより、n11を増加させることができる。
また、構成単位(A)は、特に限定されないが、例えば、下記に示すような各種ポリオールとエチレンカーボネートや、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネートに代表されるカーボネート化合物とを反応させることで得ることが出来る。これらの化合物を反応させる方法は、特に限定されない。
これらの化合物を反応させる方法の一例としては、特に限定されないが、例えば、前述のカーボネート化合物と後述のポリオールとを混和し、常圧又は減圧下、エステル交換触媒の存在下、100~200℃で反応させ、生成するカーボネート化合物由来のアルコールを除去して、低分子量ポリカーボネートポリオールを得て、次いで、減圧下、160~250℃で加熱して、未反応のカーボネート化合物とポリオールとを除去するとともに、低分子量ポリカーボネートポリオールを縮合させて得る方法が挙げられる。
構成単位(A)を形成するポリオール原料としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール等の側鎖を持たないジオール、2-メチル-1、8-オクタンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1、5-ペンタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール等の側鎖を持ったジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン等の環状ジオールから、1種類又は2種類以上のジオールを使用することができる。
また、1分子に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等を少量用いることにもできる。この1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物を余り多く用いると、反応中に架橋してゲル化が起きてしまうおそれがある。したがって1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物は、脂肪族及び/又は脂環族ジオールの合計量に対し、0.01~5質量%にするのが好ましい。より好ましくは0.01~1質量%である。
本実施形態に用いる構成単位(A)の原料として好ましいのは、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオールであり、中でも1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオールが特に好ましい。
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールにおいて、上記構成単位(A)、(B)、及び(C)の合計質量に対し、上記構成単位(A)の含有量が20~80質量%であり、好ましくは25~80質量%であり、より好ましくは40~75質量%であり、さらに好ましくは60~70質量%である。
上記構成単位(A)、(B)及び(C)の合計質量に対し、上記構成単位(A)の含有量が、20質量%以上であると、上記カーボネート基含有ポリオールを用いて得られるポリウレタンの耐湿熱性が向上する。また、上記構成単位(A)、(B)及び(C)の合計質量に対し、上記構成単位(A)の含有量が、80質量%以下であると、上記カーボネート基含有ポリオールを用いて得られるポリウレタンの低温柔軟性が向上する。
なお、本実施形態において、上記構成単位(A)の含有量は、構成単位(A)を有する化合物、構成単位(B)を有する化合物、及び構成単位(C)を有する化合物の混合比を変化させることにより調整することができる。また、構成単位(A)の含有量は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<構成単位(B)>
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールが有する構成単位(B)は、上記式(B)で表される構成単位である。構成単位(B)は連続して配列していてもよく、他の構成単位とランダムに配列していてもよい。
(R21) 上記式(B)中、R21は、各々独立して、炭素数2~20の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状の脂肪族炭化水素基、又は、炭素数6~20の芳香族炭化水素基である。複数あるR21は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
21における直鎖状脂肪族炭化水素基としては、炭素数が2~20であり、2~12であることが好ましく、2~6であることがより好ましく、2~4であることがさらに好ましい。
21における直鎖状脂肪族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等が挙げられる。
21における分岐鎖状脂肪族炭化水素基としては、炭素数が3~20であり、3~12であることが好ましく、3~6であることがより好ましい。
21における分岐鎖状肪族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、イソプロピレン基、イソブチレン基、tert-ブチレン基、イソペンチレン基、2,2-ジメチルトリメチレン基、イソヘキシレン基、イソヘプチレン基、イソオクチレン基等が挙げられる。
21がイソプロピレン基である場合、構成単位(B)は、例えば、下記式(M)、又は下記式(N)で表される。
21における環状脂肪族炭化水素基としては、炭素数が6~20であり、6~12であることが好ましく、6~8であることがより好ましい。
21における環状の脂肪族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基等が挙げられる。
21における芳香族炭化水素基としては、炭素数が6~15であり、6~12であることが好ましく、6~10であることがより好ましい。
21における芳香族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
中でも、R21としては、各々独立して、炭素数2~20の直鎖状、分岐鎖状、又は環状の脂肪族炭化水素基(すなわち、アルキレン基)が好ましく、炭素数2~6の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は、炭素数3~6の分岐鎖状肪族炭化水素基がより好ましく、炭素数2~4の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は、炭素数3~6の分岐鎖状肪族炭化水素基がさらに好ましい。特に、R21が分岐鎖状脂肪族炭化水素基を含有すると、低温柔軟性、並びに耐湿熱性等の耐久性により一層優れたポリウレタンが得られる傾向にある。
上記式(B)中、n21は繰り返し数を表す。上記式(B)中、n21は2~80の任意の整数であって、カーボネート基含有ポリオール一分子中に含まれる式(B)の各構造単位の総数であるが、本実施形態のカーボネート基含有ポリオール全体におけるn21の平均値は2以上であり、好ましくは12~70の範囲であり、12~60の範囲がより好ましく、15~50の範囲が特に好ましい。n21の平均値が2以上であることにより、柔軟性及び低温柔軟性により一層優れたポリウレタンが得られる傾向にある。また、本実施形態のカーボネート基含有ポリオール全体におけるn21の平均値が70以下であることにより、カーボネート基含有ポリオールの粘度がより低粘度になる傾向になる。
上記n21は、カーボネート基含有ポリオールを必要に応じてアルカリ分解して原料ジオール成分を取り出し、当該成分についてGC-MS測定、LC-MS測定、NMR測定及びGPC測定を行うことで求めることができる。
中でも、上記式(B)で表される構成単位(B)としては、ポリオキシアルキレン構造が好ましい。
上記式(B)に含まれる好ましいオキシアルキレン基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、オキシエチレン基、オキシ1-メチルエチレン基、オキシテトラメチレン基、オキシ2,2-ジメチルトリメチレン基等が挙げられる。中でも、オキシ1-メチルエチレン基を含有している構造が好ましく、オキシ1-メチルエチレン基及びオキシエチレン基が特に好ましい。上記式(B)に含まれる好ましいオキシアルキレン基が上記構造であることにより、カーボネート基含有ポリオールが側鎖メチル基の導入により常温液状になり作業性に優れ、また、得られるポリウレタンの柔軟性及び低温特性に富む傾向にある。
上記構成単位(B)を形成する原料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエーテルポリオールが挙げられる。ポリエーテルポリオールとしては、分子中にエーテル結合を有するポリオールであれば特に限定ないが、例えば、環状エーテルの開環重合やエポキシ化合物の開環重合により得られる、アルキレン基がエーテル結合したものであることが好ましい。
ポリエーテルポリオールの主鎖の炭素数は、特に限定されないが、入手容易性の観点から主鎖の炭素数は2~4であることが好ましい。更に、ポリウレタンの吸水による耐水性低下を抑制する観点から酸素原子の含有量は少ない方が好ましく、主鎖の炭素数は3~4であることがより好ましい。
ポリエーテルポリオールの具体例としては、特に限定されないが、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アルキル側鎖を有するポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びこれら2種以上の共重合体;エチレンオキシドとプロピレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体又はエチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体等が挙げられる。中でも、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アルキル側鎖を有するポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、及びこれら2種以上の共重合体等が好ましい。
構成単位(B)のR21、及びn21を調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、構成単位(B)の原料を適宜変化させることにより、調整することができる。
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールにおいて、上記構成単位(A)、(B)、及び(C)の合計質量に対し、好ましくは上記構成単位(B)の含有量が、1.0~80質量%であり、より好ましくは10~60質量%であり、さらに好ましくは15~50質量%であり、よりさらに好ましくは20~40質量%である。
上記構成単位(A)、(B)及び(C)の合計質量に対し、上記構成単位(B)の含有量が、1.0質量%以上であると、耐湿熱性が向上する傾向にある。また、上記構成単位(A)、上記構成単位(B)、及び上記構成単位(C)の合計質量に対し、上記構成単位(B)の含有量が、80質量%以下であると、取り扱い性および低温柔軟性が向上する傾向にある。
なお、本実施形態において、上記構成単位(B)の含有量は、構成単位(A)を有する化合物、構成単位(B)を有する化合物、及び構成単位(C)を有する化合物の混合比を変化させることにより、調整することができる。また、構成単位(B)の含有量は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<構成単位(C)>
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールが有する構成単位(C)は、上記式(C)で表される構成単位である。構成単位(C)は連続して配列していてもよく、他の構成単位とランダムに配列していてもよい。
(R31
上記式(C)中、R31は、各々独立して、炭素数3~12の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状の脂肪族炭化水素基、又は、炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。複数あるR31は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
31における直鎖状脂肪族炭化水素基としては、炭素数が3~12であり、6~12であることが好ましく、6~10であることがより好ましい。
31における直鎖状脂肪族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナブチレン基、デカブチレン基等が挙げられる。
31における分岐鎖状脂肪族炭化水素基としては、炭素数が3~12であり、3~11であることが好ましく、3~10であることがより好ましい。
31における分岐鎖状肪族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、イソプロピレン基、イソブチレン基、tert-ブチレン基、イソペンチレン基、tert-ペンチレン基、2,2-ジメチルトリメチレン基、イソヘキシレン基、2-メチルペンチレン基、3-メチルペンチレン基、イソヘプチレン基、イソオクチレン基、イソノニレン基、2,4-ジエチルペンチレン基、2-ブチル-2-エチルプロピレン基、イソデシレン基等が挙げられる。
31における環状脂肪族炭化水素基としては、炭素数が3~12であり、6~12であることが好ましく、6~10であることがより好ましい。
31における環状の脂肪族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等が挙げられる。
31における芳香族炭化水素基としては、炭素数が6~12であり、6~10であることが好ましく、6であることがより好ましい。
31における芳香族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
中でも、R31としては、各々独立して、炭素数3~10の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は、炭素数3~10の分岐鎖状肪族炭化水素基が好ましく、炭素数4~6の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は、炭素数3~6の分岐鎖状肪族炭化水素基がより好ましく、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等の直鎖状脂肪族炭化水素基と、イソブチレン基、3-メチルペンチレン基等の分岐鎖状肪族炭化水素基がさらにより好ましい。特に、R31が分岐鎖状脂肪族炭化水素基を含有すると、低温特性並びに耐湿熱性等の耐久性により一層優れたポリウレタンが得られる傾向にある。
(R31')
上記式(C)中、R31'は、各々独立して、炭素数3~12の直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状の脂肪族炭化水素基、又は、炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。複数あるR31'は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。
31'における直鎖状脂肪族炭化水素基としては、炭素数が3~12であり、6~12であることが好ましく、6~10であることがより好ましい。
31'における直鎖状脂肪族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナブチレン基、デカブチレン基等が挙げられる。
31'における分岐鎖状脂肪族炭化水素基としては、炭素数が3~12であり、3~11であることが好ましく、3~10であることがより好ましい。
31'における分岐鎖状肪族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、イソプロピレン基、イソブチレン基、tert-ブチレン基、イソペンチレン基、tert-ペンチレン基、2,2-ジメチルトリメチレン基、イソヘキシレン基、2-メチルペンチレン基、3-メチルペンチレン基、イソヘプチレン基、イソオクチレン基、イソノニレン基、2,4-ジエチルペンチレン基、2-ブチル-2-エチルプロピレン基、イソデシレン基等が挙げられる。
31'における環状脂肪族炭化水素基としては、炭素数が3~12であり、6~12であることが好ましく、6~10であることがより好ましい。
31'における環状の脂肪族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等が挙げられる。
31'における芳香族炭化水素基としては、炭素数が6~12であり、6~10であることが好ましく、6であることがより好ましい。
31'における芳香族炭化水素基の具体例としては、特に限定されないが、例えば、フェニレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
フェニレン基としては、特に限定されないが、例えば、下記式(Y)-o、下記式(Y)-m、下記式(Y)-p等が挙げられる。
中でも、R31'としては、炭素数3~12の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は、炭素数3~10の分岐鎖状肪族炭化水素基、又は、炭素数6~10の芳香族炭化水素基が好ましく、ヘキサメチレン基、又はフェニレン基、又はナフチレン基がより好ましく、フェニレン基がさらにより好ましい。
特に、R31'が芳香族炭化水素基を含有すると、耐湿熱性等、耐久性において、より一層優れたポリウレタンが得られる傾向にある。
また、上記式(C)中、n31は繰り返し数を表す。上記式(C)中、n31は1~60の任意の整数であって、カーボネート基含有ポリオール一分子中に含まれる式(C)の各構造単位の総数であるが、本実施形態のカーボネート基含有ポリオール全体におけるn31の平均値は1以上であり、好ましくは2~50の範囲であり、3~30の範囲がより好ましく、4~25の範囲が特に好ましい。n31の平均値が2以上であることにより、柔軟性及び低温柔軟性により一層優れたポリウレタンが得られる傾向にある。また、本実施形態のカーボネート基含有ポリオール全体におけるn31の平均値が50以下であることにより、カーボネート基含有ポリオールの粘度がより低粘度になる傾向になる。
上記n31は、カーボネート基含有ポリオールを必要に応じてアルカリ分解して原料ジオール成分を取り出し、当該成分についてGC-MS測定、LC-MS測定、NMR測定及びGPC測定を行うことで求めることができる。
構成単位(C)のR31、及びn31を調整する方法としては、特に限定されないが、例えば、構成単位(C)の原料を適宜変化させることにより、調整することができる。
また、上記構成単位(C)を形成する原料としては、特に限定されないが、例えば、ポリエステルポリオールが挙げられる。ポリエステルポリオールとしては、分子中にエステル結合を有するポリオールであれば特に限定ないが、例えば、カルボン酸と多価アルコールとの縮合により得られるポリエステルポリオール、カルボン酸エステルと多価アルコールとの縮合により得られるポリエステルポリオール、カルボン酸とカルボン酸エステルとの混合物と多価アルコールとの縮合により得られるポリエステルポリオール、環状エステルを開環重合して得られるポリエステルポリオール、多価アルコールにヒドロキシカルボン酸を縮合して得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。
ポリエステルポリオールの具体例としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンアジペートジオール、ポリプロピレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリペンチレンアジペートジオール、ポリヘキシレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリへキサメチレンイソフタレートアジペートジオール、ポリエチレンサクシネートジオール、ポリブチレンサクシネートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンセバケートジオール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンフタレートジオール、ポリプロピレンフタレートジオール、ポリブチレンフタレートジオール、ポリペンチレンフタレートジオール、ポリヘキシレンフタレートジオール、ポリエチレンブチレンフタレートジオール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレンフタレート)ジオール、ポリエチレンイソフタレートジオール、ポリプロピレンイソフタレートジオール、ポリブチレンイソフタレートジオール、ポリペンチレンイソフタレートジオール、ポリヘキシレンイソフタレートジオール、ポリエチレンブチレンイソフタレートジオール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレンイソフタレート)ジオール、ポリエチレンテレフタレートジオール、ポリプロピレンテレフタレートジオール、ポリブチレンテレフタレートジオール、ポリペンチレンテレフタレートジオール、ポリヘキシレンテレフタレートジオール、ポリエチレンブチレンテレフタレートジオール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレンテレフタレート)ジオール、ポリエチレンナフタレートジオール、ポリプロピレンナフタレートジオール、ポリブチレンナフタレートジオール、ポリペンチレンナフタレートジオール、ポリヘキシレンナフタレートジオール、ポリエチレンブチレンナフタレートジオール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレンナフタレート)ジオール、ポリ-γ-ブチロラクトンジオール、ポリ-δ-バレロラクトンジオール、ポリ-ε-カプロラクトンジオール、1,6-へキサンジオールとダイマー酸の重縮合物等が挙げられる。中でも、好ましくは、ポリブチレンフタレートジオール、ポリペンチレンフタレートジオール、ポリヘキシレンフタレートジオール、ポリエチレンブチレンフタレートジオール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレンフタレート)ジオール、ポリブチレンイソフタレートジオール、ポリペンチレンイソフタレートジオール、ポリヘキシレンイソフタレートジオール、ポリエチレンブチレンイソフタレートジオール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレンイソフタレート)ジオール、ポリブチレンテレフタレートジオール、ポリペンチレンテレフタレートジオール、ポリヘキシレンテレフタレートジオール、ポリエチレンブチレンテレフタレートジオール、ポリ(3-メチル-1,5-ペンチレンテレフタレート)ジオールである。
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールにおいて、上記構成単位(A)、(B)、及び(C)の合計質量に対し、好ましくは上記構成単位(C)の含有量が、1.0~40質量%であり、より好ましくは3.0~30質量%であり、さらに好ましくは4.0~20質量%であり、よりさらに好ましくは5.0~10質量%である。
上記構成単位(A)、(B)及び上記構成単位(C)の合計質量に対し、上記構成単位(C)の含有量が、1.0質量%以上であると、低温柔軟性が向上する傾向にある。また、上記構成単位(A)、(B)及び(C)の合計質量に対し、上記構成単位(C)の含有量が、40質量%以下であると、取り扱い性が向上する傾向にある。
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールにおいて、上記構成単位(B)の含有量に対して、上記構成単位(C)の含有量が、好ましくは1.0~40質量%であり、より好ましくは5.0~35質量%であり、さらに好ましくは10~30質量%であり、よりさらに好ましくは20~25質量%である。
上記構成単位(B)の含有量に対して、上記構成単位(C)の含有量が、5.0質量%以上であると、低温柔軟性が向上する傾向にある。また、上記構成単位(B)の含有量に対して、上記構成単位(C)の含有量が、40質量%以下であると、取り扱い性が向上する傾向にある。
なお、本実施形態において、上記構成単位(C)の含有量は、構成単位(A)を有する化合物、構成単位(B)を有する化合物、及び構成単位(C)を有する化合物の混合比を変化させることにより、調整することができる。また、構成単位(C)の含有量は、後述の実施例に記載の方法により測定することができる。
<粘度>
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールの50℃において回転粘度計(E型粘度計(東機産業株式会社製、TVE-22HT、コーン:No.6))で測定した粘度は、好ましくは100~10000mPa・sであり、より好ましくは500~5000mPa・sであり、さらに好ましくは1000~2500mPa・sである。カーボネート基含有ポリオールの50℃での粘度が100mPa・s以上であることにより、カーボネート基含有ポリオールを用いて得られるポリウレタンの低温柔軟性が向上する傾向にある。また、カーボネート基含有ポリオールの50℃での粘度が10000mPa・s以下であることにより、溶剤溶解性が良好となり取扱性に優れる傾向にある。
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールの50℃において回転粘度計(E型粘度計(東機産業株式会社製、TVE-22HT、コーン:No.6))を用いて測定した粘度、を上述の範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、上記構成単位(A)の含有量を変える方法や、構成単位(A)の構造を変化させること等が挙げられる。その際、構成単位(A)の構造に分岐を持たせることにより、上記粘度を低下させることができる。
<用途>
本実施形態のカーボネート基含有ポリオールは、ポリイソシアネートと反応させて得られるポリウレタンの原料として用いることができる。本実施形態のカーボネート基含有ポリオールを用いて得られるポリウレタンは、低温柔軟性、耐湿熱性に優れる。そのため、特に限定されないが、例えば、人工皮革、合成皮革、フォーム、エラストマー、塗料、コーティング剤、粘着剤、接着剤、水系ポリウレタン塗料等に広く用いることができる。
<ポリウレタン樹脂組成物>
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物は、上述のカーボネート基含有ポリオールと、複数のイソシアネート基を有する化合物と、ポリオール及びポリアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種の鎖延長剤と、を用いてなる。
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物を製造する方法は、従来公知のポリウレタン化反応条件が用いられる。
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物の製造方法の具体的な例としては、特に限定されないが、例えば、上述のカーボネート基含有ポリオール、それ以外のポリオール、ポリイソシアネート及び鎖伸長剤を一括混合して反応させる方法(以下、「ワンショット法」と称する場合ある)や、まず上述のカーボネート基含有ポリオール、それ以外のポリオール及びポリイソシアネートを反応させて両末端イソシアネート基のプレポリマーを調製した後にそのプレポリマーと鎖伸長剤とを反応させる方法(以下、「プレポリマー法」と称する場合がある)等が挙げられる。
<イソシアネート基を有する化合物>
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物に用いる複数のイソシアネート基を有する化合物は、硬化剤として働くものであれば特に制限されないが、例えば、末端にイソシアネート基を2個以上又は3個以上有するイソシアネート化合物を用いる。
このようなイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、鎖状脂肪族ジイソシアネート、環状脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート並びに、これらのイソシアネート化合物のイソシアヌレート化変性品、及びビウレット化変性品等が挙げられる。
具体的な鎖状脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート及びトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
具体的な環状脂肪族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
具体的な芳香族ジイソシアネートとしては、特に限定されないが、例えば、トリレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、「MDI」と略記することがある)、キシリレンジイソシアネート及びナフチレンジイソシアネート等が挙げられる。
また、3個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、トリフェニルメタン-4,4’-4’’-トリイソシアネート、1,3,5-トリイソシアナトベンゼン、2,4,6-トリイソシアナトトルエン及び4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’-テトライソシアネート等が挙げられる。
本実施形態において用いるイソシアネート化合物は市販のものを用いてもよく、公知の方法を用いて合成してもよい。
イソシアネート化合物の使用量は、主剤であるポリオールの水酸基のモル量に応じて、適宜に調整すればよい。具体的には、ポリオール(例えば、ポリカーボネートジオール)の水酸基に対する、イソシアネート化合物のイソシアネート基のモル比(NCO/OH)は、例えば0.2~5.0とすることができ、例えば0.4~3.0とすることができ、例えば0.5~2.0とすることができる。NCO/OHが0.2以上であると、より強靱な塗膜が得られる傾向にある。一方、NCO/OHが上5.0以下であると、塗膜の平滑性がより向上する傾向にある。
<鎖延長剤>
本実施形態のポリウレタン樹脂組成物を製造する際に用いられる鎖延長剤は、特に限定されないが、例えば、通常ポリオール及びポリアミン等が挙げられる。
ポリオールとしては、特に限定されないが、例えば、直鎖状ジオール、分岐鎖状ジオール、環状ジオール、及び芳香環を有するジオール等が挙げられる。
直鎖状ジオールとしては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール等が挙げられる。
分岐鎖状ジオールとしては、特に限定されないが、例えば、2-メチル-1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール等が挙げられる。
環状ジオールとしては、特に限定されないが、例えば、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン等が挙げられる。
芳香環を有するジオールとしては、特に限定されないが、例えば、p-キシレンジオール、p-テトラクロロキシレンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、2,2-ビス〔(4-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン等が挙げられる。
ポリアミンとしては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシアミン類、ポリアミン類等が挙げられる。
ヒドロキシアミン類としては、特に限定されないが、例えば、N-メチルエタノールアミン、N-エチルエタノールアミン等が挙げられる。
ポリアミン類としては、特に限定されないが、例えば、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、4,4’-ジアミノジシクロヘキシルメタン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、4,4’-ジフェニルメタンジアミン、メチレンビス(o-クロロアニリン)、キシリレンジアミン、ジフェニルジアミン、トリレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、N,N’-ジアミノピペラジン等が挙げられる。
これらの鎖延長剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<人工皮膜>
本実施形態の人工皮膜は、上述のポリウレタン樹脂組成物を用いて形成することができる。具体的には、本実施形態の皮膜は、特に限定されないが、例えば、上述のポリウレタン樹脂組成物を基材に塗布して乾燥させることにより形成することができる。
上記基材としては、特に限定されないが、例えば、不織布、織布、編み物等の繊維状基材、樹脂フィルム等が挙げられる。上記繊維状基材を構成するものとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、ポリ乳酸繊維等の化学繊維;綿、麻、絹、羊毛、及びこれらの混紡繊維等が挙げられる。上記樹脂フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタラートフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリル樹脂フィルム、COP(シクロオレフィンポリマー)フィルム、TAC(トリアセチルセルロース)フィルム等が挙げられる。
上記基材の表面には、必要に応じて、制電加工、離型処理加工、撥水加工、吸水加工、抗菌防臭加工、制菌加工、紫外線遮断加工等の処理が施されていてもよい。
上記基材に上述のポリウレタン樹脂組成物を塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、アプリケーター、バーコーター、ナイフコーター、T-ダイコーター、ロールコーター等による塗布方法が挙げられる。
上記塗布されたポリウレタン樹脂組成物を乾燥させる方法としては、例えば、50~140℃の温度で、30秒~10分間乾燥させる方法が挙げられる。
本実施形態の皮膜の厚さとしては、使用される用途に応じて適宜決定されるが、例えば、0.001~10mmの範囲である。
<皮革様シート>
本実施形態の皮革様シートは、多層シートであり、少なくとも1つの層として上述の皮膜を有する。上述の皮膜を用いて皮革様シートを作製するにあたっては、上記皮膜を皮革様シートの接着層、表皮層、表面処理層の少なくともいずれかとすることが好ましい。
本実施形態の皮革様シートの製造方法としては、特に限定されないが、例えば、離型紙上に形成した表面処理層と、上述の皮膜とを従来公知の方法で貼りあわせる方法等が挙げられる。上記表面処理層を形成する材料としては、特に限定されないが、例えば、溶剤系ウレタン樹脂、水系ウレタン樹脂、水系アクリル樹脂等が挙げられる。また、上記貼りあわせには、必要に応じて、従来公知の接着剤を用いてもよい。
以上のとおり、本実施形態のカーボネート基含有ポリオールは、低温柔軟性、耐湿熱性等に優れるポリウレタン樹脂組成物を提供することができる。よって、このようなポリウレタン樹脂組成物は、合成皮革、人工皮革等の皮革様シート、衣料、支持パッド、研磨パッド等の製造に使用される材料として好適に使用することができ、皮革様シートの材料として特に好適に使用することができる。
以下実施例等を用いて、本実施形態を更に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの例によって何ら限定されるものではない。以下の実施例、比較例、応用例及び応用比較例における、分析方法及び物性の評価は、以下の試験方法に従って実施した。なお、以下に記載するポリオール類とは、実施例で調製されるカーボネート基含有ポリオール、及び原料となるポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、合成例で調製したポリカーボネートジオール等のことである。
<外観>
後述の実施例で得られたポリオール類の外観は、50mLサンプル瓶にサンプルを30mL取り、室温(25℃)における外観を目視で観察することにより判断した。
<水酸基価>
ポリオール類の水酸基価は、以下の方法で測定した。
まず、メスフラスコを用い、無水酢酸12.5gにピリジンを加えて50mLとし、アセチル化試薬を調製した。次いで、100mLのナスフラスコに、サンプルを2.5g精秤した。次いで、上記ナスフラスコに、アセチル化試薬5mLとトルエン10mLとをホールピペットで添加後、冷却管を取り付けて、100℃で1時間、上記ナスフラスコ中の溶液を撹拌加熱した。次いで、上記ナスフラスコに、蒸留水2.5mLをホールピペットで添加後、さらに10分、上記ナスフラスコ中の溶液を加熱撹拌した。上記ナスフラスコ中の溶液を2~3分冷却後、上記ナスフラスコに、エタノールを12.5mL添加した。次いで、上記ナスフラスコに、指示薬としてフェノールフタレインを2~3滴入れ、0.5mol/Lのエタノール性水酸化カリウムで滴定した。次いで、アセチル化試薬5mL、トルエン10mL、及び蒸留水2.5mLを100mLのナスフラスコに入れ、10分間、上記ナスフラスコ中の溶液を加熱撹拌した後、同様に滴定を行った(空試験)。この結果をもとに、下記式(i)でポリオール類の水酸基価を計算した。
水酸基価(mgKOH/g)={(F-E)×28.05×f}/G ・・・ (i)
なお、式(i)中、Eはサンプルの滴定量(mL)を表し、Fは空試験の滴定量(mL)を表し、Gはサンプル質量(g)を表し、fは滴定液のファクターを表す。
<数平均分子量>
後述の合成例で得られたポリオール類の数平均分子量は、上述の方法で求められた水酸基価から、下記式(ii)を用いて計算した。
数平均分子量(A)=2/(H×10-3/56.11) ・・・ (ii)
なお、式(ii)中、Hはポリオール類の水酸基価(mgKOH/g)を表す。
<粘度の測定>
後述の実施例で得られたポリオール類を予め50℃に加温した後、回転粘度計(E型粘度計(東機産業株式会社製、TVE-22HT、コーン:No.6))を用い、50℃における溶融粘度を測定した。粘度が低いほど、取扱性に優れると評価される。
(評価基準)
◎:粘度が2500mPa・s未満である。
〇:粘度が2500mPa・s以上、5000mPa・s未満である。
△:粘度が5000mPa・s以上、10000mPa・s未満である。
×:粘度が10000mPa・s以上である。
××:常温における化合物外観が均一でなく、測定粘度値が安定しない。
<構成単位(A)の含有量>
まず、カーボネート基含有ポリオールをアルカリ分解して原料成分(ジオール成分)を取りだし、当該成分についてGC-MS測定、LC-MS測定、GPC測定を行うことで、原料成分の種類の特定と、mоl比の算出を行った。つづいて、原料成分の種類とmol比から、R11の平均分子量を算出し、これをもとに構成単位(A)の平均分子量を決定した。次にカーボネート基含有ポリオールを重水素化クロロホルムに溶解し、1H-NMR(日本電子株式会社製AL-400、400MHz)の測定を行うことで構成単位(A)の平均繰り返し数を算出した。
その後、以下の式により構成単位(A)の含有量を算出した。
構成単位(A)の含有量=((A)の構成単位分子量(g/mоl) × カーボネート構造の繰り返し数 × ポリカーボネートジオール原料(mоl)) / 仕込み全ポリオール重量(g)
ここで、構成単位(A)の構造は以下の通りであり、ポリカーボネートジオール原料とは、例えば各実施例中に記載したポリカーボネートジオールのことであり、仕込み全ポリオール重量とは、例えば各実施例中に記載したポリカーボネートジオール(P-1)、ポリエーテルポリオール(PE-61)、ポリエステルポリオール(P―2030)の総重量のことである。
<ポリオール組成物の取扱性(溶剤溶解性)>
後述の応用例及び応用比較例に示す割合で「ポリオール組成物」とN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)を250mLアイボーイに仕込んだ後、振とう器(ラボシェーカー(アズワン社製、SHAKER SR-1、80rpm)を用いて溶解させ、完全溶解するまでの時間を測定した。測定時間が短いほど、取扱性に優れると評価される。
(評価基準)
〇:溶解時間が5分未満である。
△:溶解時間が5分以上、10分未満である。
×:溶解時間が10分以上である。
<ポリウレタン皮膜の分子量>
後述の応用例及び応用比較例で得られたポリウレタン皮膜の一部を切り取り、ポリウレタンの濃度が0.1質量%になるように、N,N-ジメチルホルムアミド溶液を調製し、GPC装置〔東ソー社製、製品名「HLC-8320」(カラム:Tskgel SuperHM-H・4本)、溶離液にはリチウムブロマイド2.6gをN,N-ジメチルホルムアミド1Lに溶解させた溶液を使用〕を用い、標準ポリスチレン換算での数平均分子量(Mn)を測定した。
<ポリウレタン皮膜の低温柔軟性(ガラス転移温度)>
後述の応用例及び応用比較例で得られたポリウレタン皮膜から、幅10mm、長さ40mm、厚さ0.4mmの試験片を切り出した。粘弾性測定装置(株式会社日立ハイテクサイエンス製、[TA7000シリーズ、DMA7100])を用い、チャック間距離20mmに試験片をセッティングし、-100℃から100℃に5℃/分で昇温しながら粘弾性の測定を行った。tanδのピークを読み取り、ポリウレタン皮膜の低温柔軟性の指標としてガラス転移温度(Tg)を求めた。ガラス転移温度(Tg)が低いほど低温柔軟性に優れると評価される。
(評価基準)
◎:Tgが-15℃未満である。
〇:Tgが-15℃以上、-10℃未満である。
△:Tgが-10℃以上、-3℃未満である。
×:Tgが-3℃以上である。
<ポリウレタン皮膜の耐湿熱性>
JIS K6301(2010)に準じ、幅10mm、長さ100mm、厚み約0.5mmの短冊状としたポリウレタン試験片をユニクール(株式会社エスペック社製、製品名「プラチナス、モデルPR-1J」)にて温度85℃、湿度85%で500時間加熱を行った。加熱後のサンプルを、引張試験機(株式会社オリエンテック社製、製品名「テンシロン、モデルRTE-1210」)を用いて、チャック間距離20mm、引張速度100mm/分にて、温度23℃(相対湿度55%)で引張試験を実施し、試験片が100%伸長した時点での応力、及び破断点強度、破断点伸びを測定した。
(評価基準)
常温の引張強度の保持率と比べて
◎:90%以上である。
〇:80%以上、90%未満である。
△:70%以上、80%未満である。
×:70%未満である。
[合成例1]ポリカーボネートジオールP-1の製造
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた1Lのガラス製フラスコ(以下「反応器」とも記す)に1,5-ペンタンジオール240g、1,6-ヘキサンジオール262g、及びエチレンカーボネート398gを仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ-n-ブトキシドを0.047g入れた。反応器を170℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度155℃で12時間反応した。次いで、反応器を直接コンデンサーに接続し、オイルバスの温度を190℃に上げた後、圧力を徐々に下げてさらに5時間反応を行い、ポリカーボネートジオールP-1(450g)を得た。
得られたポリカーボネートジオールP-1の水酸基価は、57.5mgKOH/gであった。また、得られたポリカーボネートジオールP-1の数平均分子量は、1951であった。
[合成例2]ポリカーボネートジオールP-2の製造
上記合成例1と同じ装置を用い、2-メチル-1,3-プロパンジオールを257g、1,4-ブタンジオールを198g、及びエチレンカーボネートを445g仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ-n-ブトキシドを0.09g入れた。反応器を180℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度155℃で24時間反応した。次いで、反応器を直接コンデンサーに接続し、オイルバスの温度を180℃に上げた後、圧力を徐々に下げてさらに3時間反応を行い、ポリカーボネートジオールP-2(248g)を得た。得られたポリカーボネートジオールP-2の水酸基価は、55.7mgKOH/gであった。また、得られたポリカーボネートジオールP-2の数平均分子量は、2014であった。
[合成例3]ポリカーボネートジオールP-3の製造
上記合成例1と同じ装置を用い、1,4-ブタンジオールを397g、1,10-デカンジオールを83g、及びエチレンカーボネートを419g仕込んだ後、触媒としてチタンテトラ-n-ブトキシドを0.047g入れた。反応器を170℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度160℃で10時間反応した。次いで、反応器を直接コンデンサーに接続し、オイルバスの温度を185℃に上げた後、圧力を徐々に下げてさらに2時間反応を行い、ポリカーボネートジオールP-3(401g)を得た。得られたポリカーボネートジオールP-3の水酸基価は、56.3mgKOH/gであった。また、得られたポリカーボネートジオールP-3の数平均分子量は、1992であった。
[合成例4]ポリカーボネートジオールP-4の製造
上記合成例1と同じ装置を用い、同じ原料を仕込んだ後、反応器を170℃のオイルバスに浸漬し、留出液の一部を抜き出しながら、反応温度155℃で12時間反応した。次いで、反応器を直接コンデンサーに接続し、オイルバスの温度を190℃に上げた後、圧力を徐々に下げてさらに4時間反応を行い、ポリカーボネートジオールP-1(462g)を得た。
得られたポリカーボネートジオールP-4の水酸基価は、137.8mgKOH/gであった。また、得られたポリカーボネートジオールP-4の数平均分子量は、814であった。
[実施例1]カーボネート基含有ポリオールA-1の製造
攪拌装置を備えた1Lのガラス製フラスコ(以下「反応器」とも記す)に、合成例1で得られた「ポリカーボネートジオールP-1」を189g、三洋化成工業株式会社製「ニューポールPE-61」(商品名、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、数平均分子量:約2000)を90g、及び株式会社クラレ製「P-2030」(商品名、ポリ3-メチル-1,5-ペンタンジオールイソフタレート、数平均分子量:約2000)を21g仕込んだ。次いで、これらを撹拌しながら加熱し、反応器内温度として約160℃で13時間維持することによりカーボネート基含有ポリオールA-1を得た。なお、エステル交換反応については、反応溶液について経時的にGPC測定を行い、原料に由来するピークの消失及び生成物に由来するピークの出現を経時的に確認することで、その反応の進行を確認した。
得られたカーボネート基含有ポリオールA-1の各物性を上記の方法により測定した結果を表1に示す。
[実施例2~11]
各原料の種類、仕込み量をそれぞれ表1に記載のとおりに変更したこと以外はすべて実施例1と同様の条件と方法で反応を行い、実施例2~11のカーボネート基含有ポリオールA-2~A-11を得た。得られたカーボネート基含有ポリオールA-2~A-11の各物性を上記の方法により測定した。結果を表1および表2に示す。
[実施例12]
上記実施例1と同じ装置を用い、合成例1で得られた「ポリカーボネートジオールP-1」を189g、実施例1と同様に「ニューポールPE-61」を90g、「P-2030」を21g仕込んだ。次いで、これらを撹拌しながら加熱し、反応器内温度として約160℃で13時間維持した後、反応器を直接コンデンサーに接続し、オイルバスの温度を185℃に上げた後、圧力を徐々に下げてさらに2時間反応を行うことによりカーボネート基含有ポリオールA-12を得た。得られたカーボネート基含有ポリオールA-12の各物性を上記の方法により測定した。結果を表2に示す。
[比較例1]
上記実施例1と同じ装置を用い、合成例1で得られた「ポリカーボネートジオールP-1」を189g、「ニューポールPE-61」を90g、「P-2030」を21g仕込んだ。次いで、これらをエステル交換反応が起こらない反応温度である約40℃で加温しながら、0.5時間撹拌し、ポリオール混合物B-1を得た。得られたポリオール混合物B-1の各物性を上記の方法により測定した。結果を表2に示す。なお、表2において、比較例1における構成単位(A)の含有量(%)とは、ポリオール混合物B-1に含まれる全ポリマー中の構成単位(A)、(B)及び(C)の合計質量に対する、全ポリマー中の構成単位(A)の合計質量を意味する。
[比較例2~3]
上記実施例1と同じ装置を用い、各原料の種類、仕込み量をそれぞれ表2に記載のとおりに変更したこと以外はすべて実施例1と同様の条件と方法で反応を行い、比較例2~3のカーボネート基含有ポリオールB-2~B-3を得た。得られたカーボネート基含有ポリオールB-2~B-3の各物性を上記の方法により測定した。結果を表2に示す。
なお、表1、2中のポリオール組成物の略語は下記の通りである。
・PTMG2000:PTMG2000(三菱ケミカル株式会社製、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、数平均分子量:約2000)
・PE-61:ニューポールPE-61(三洋化成工業株式会社製、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、数平均分子量:約2000)
・P-2010:クラレポリオールP-2010(株式会社クラレ社製、ポリ3-メチル-1,5-ペンチレンアジペートジオール、数平均分子量:約2000)
・P-2020:クラレポリオールP-2020(株式会社クラレ社製、ポリ3-メチル-1,5-ペンタンジオールテレフタレート、数平均分子量:約2000)
・P-2030:クラレポリオールP-2030(株式会社クラレ社製、ポリ3-メチル-1,5-ペンタンジオールイソフタレート、数平均分子量:約2000)
[応用例1]ポリウレタン皮膜PA-1の合成
熱電対と冷却管とを設置した500mlセパラブルフラスコに、実施例1で得た「カーボネート基含有ポリオールA-1」 39g、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)229g(固形分:20質量%に設定)、1%ジブチル錫ジラウレートトルエン溶液 0.27g(MDIとカーボネート基含有ポリオールとの合計質量に対して50ppm)を入れ、40℃のオイルバスで加温した。フラスコ内窒素雰囲気下100rpmでフラスコ内の溶液を攪拌しながら、MDIを15.1g(カーボネート基含有ポリオールのOH[mol]に対し3.09倍[mol]))を滴下し、さらにフラスコ内の溶液を1.5時間程度攪拌した。イソシアネート基濃度を分析し、理論量消費されたことを確認し、プレポリマーを得た。続いて、残存イソシアネートより算出した必要量の1,4-ブタンジオール(1,4-BDO)3.3gをフラスコ内に分割添加した。フラスコ内の溶液を約1時間攪拌後、エタノールを約1g添加し、さらにフラスコ内の溶液を30分攪拌し数平均分子量75300のポリウレタン溶液を得た。
0.8~2.5mm厚アプリケーターを用い、ガラス板(JIS R3202、2mm×100mm×150mm)上に、得られたポリウレタン溶液を板上部に滴下し、乾燥膜厚が50~400μmになるよう塗工し、表面温度60℃のホットプレート上で2時間、続いて80℃のオーブン中で12時間乾燥させた。さらに23℃、55%RHの恒温恒湿下で12時間以上静置し、ポリウレタン皮膜PA-1を得た。得られたポリウレタン皮膜PA-1について上記の方法により各種物性の評価に供した。評価結果を表3に示す。
[応用例2~12]
各原料の種類をそれぞれ表3に記載のとおりに変更したこと以外はすべて応用例1と同様の条件と方法で反応を行い、ポリウレタン皮膜PA-2~PA-12を得た。得られたポリウレタン皮膜PA-2~PA-12について上記の方法により各種物性の評価に供した。評価結果を表3および表4に示す。
[応用比較例1~3]
各原料の種類をそれぞれ表3に記載のとおりに変更したこと以外はすべて応用例1と同様の条件と方法で反応を行い、ポリウレタン皮膜PB-1~PB-3を得た。得られたポリウレタン皮膜PB-1~PB-3について上記の方法により各種物性の評価に供した。評価結果を表4に示す。

Claims (12)

  1. 数平均分子量が300~10000であり、
    下記式(A)で表される構成単位(A)と、
    下記式(B)で表される構成単位(B)と、
    下記式(C)で表される構成単位(C)と、を有し、
    前記構成単位(A)の含有量が、前記構成単位(A)、(B)、及び(C)の合計質量に対して、20~80質量%である、カーボネート基含有ポリオール。
    (式(A)中、R11は、各々独立して、炭素数3~12の、直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状の脂肪族炭化水素基、又は、炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。複数あるR11は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。n11は1~60の任意の整数であって、カーボネート基含有ポリオール一分子中に含まれる式(A)の構成単位の総数である。)
    (式(B)中、R21は、各々独立して、炭素数2~20の、直鎖状、分岐鎖状、若しくは環状の脂肪族炭化水素基、又は、炭素数6~20の芳香族炭化水素基である。複数あるR21は、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。n21は2~80の任意の整数であって、カーボネート基含有ポリオール一分子中に含まれる式(B)の構成単位の総数である。)
    (式(C)中、R31及びR31'は、各々独立して、炭素数3~12の、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の脂肪族炭化水素基、又は、炭素数6~12の芳香族炭化水素基である。複数あるR31及びR31'は、各々独立して、互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。n31は1~60の任意の整数であって、カーボネート基含有ポリオール一分子中に含まれる式(C)の構成単位の総数である。)
  2. 前記カーボネート基含有ポリオールにおける前記構成単位(B)の含有量が、前記構成単位(A)、(B)、及び(C)の合計質量に対して、1.0~80質量%である、
    請求項1に記載のカーボネート基含有ポリオール。
  3. 前記カーボネート基含有ポリオールにおける前記構成単位(C)の含有量が、前記構成単位(A)、(B)、及び(C)の合計質量に対して、1~40質量%である、
    請求項1に記載のカーボネート基含有ポリオール。
  4. 前記構成単位(C)の含有量が前記構成単位(B)の含有量に対して、0.1%~80質量%である、請求項1に記載のカーボネート基含有ポリオール。
  5. 前記構成単位(A)において、R11は、各々独立して、炭素数3~10の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は炭素数3~10の分岐鎖状脂肪族炭化水素基である、
    請求項1に記載のカーボネート基含有ポリオール。
  6. 前記構成単位(B)において、R21は、各々独立して、炭素数2~4の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は炭素数3~6の分岐鎖状脂肪族炭化水素基である、
    請求項1に記載のカーボネート基含有ポリオール。
  7. 前記構成単位(C)において、R31は、各々独立して、炭素数3~10の直鎖状脂肪族炭化水素基、又は炭素数3~10の分岐鎖状脂肪族炭化水素基である、
    請求項1に記載のカーボネート基含有ポリオール。
  8. 前記構成単位(C)において、R31’は、各々独立して、炭素数6~12の芳香族炭化水素基である、請求項1に記載のカーボネート基含有ポリオール。
  9. 50℃において、回転粘度計(E型粘度計(東機産業株式会社製、TVE-22HT、コーン:No.6))を用いて測定した粘度が、100~5000mPa・sである、
    請求項1に記載のカーボネート基含有ポリオール。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載のカーボネート基含有ポリオールと、
    イソシアネート基を有する化合物と、
    を反応させて得られるポリウレタン樹脂組成物。
  11. 請求項10に記載のポリウレタン樹脂組成物を含む、
    人工皮膜。
  12. 請求項10に記載のポリウレタン樹脂組成物を含む、
    皮革様シート。
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