JP2019111801A - 撥水性透明フィルム、撥水性透明フィルムの製造方法、ディスプレイ及び光学調整フィルム - Google Patents
撥水性透明フィルム、撥水性透明フィルムの製造方法、ディスプレイ及び光学調整フィルム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】優れた撥水性及び透明性を有し、かつ膜剥がれによる撥水性低下のない撥水性透明フィルム、簡易かつ効率的に当該撥水性透明フィルムを生産することができる撥水性透明フィルムの製造方法、及び水滴等から保護されると共に視認性に優れるディスプレイ及び光学調整フィルムを提供する。【解決手段】本発明の一態様に係る撥水性透明フィルムは、表面のうち少なくとも一部の領域に撥水処理が施された撥水性透明フィルムであって、上記撥水処理領域の表層部が炭素、フッ素及び酸素を含み、X線光電子分光法で計測した上記表層部の深さ方向のフッ素原子含有量の分布曲線で、上記フッ素原子含有量が上記表面で最大値を示し、上記深さの増加と共に漸減することを特徴とする。本発明の別の一態様は、上記撥水性透明フィルムを備えるディスプレイである。本発明のさらに別の一態様は、外層に上記撥水性透明フィルムを用いた光学調整フィルムである。【選択図】なし
Description
本発明は、撥水性透明フィルム、撥水性透明フィルムの製造方法、ディスプレイ及び光学調整フィルムに関する。
フィルムに撥水性を付与する技術として、ポリテトラフルオロエチレ(Polytetrafluoroethylene:PTFE)等のフッ素を含む膜を形成する技術が知られている。この技術としては、撥水性コーティング剤をフィルム表面に塗工する手法、フィルムの表面上にPTFE等を含む薄膜を成膜する手法等が知られている。
撥水性コーティング剤をフィルム表面に塗工してフィルム上に膜を形成する場合、当該フィルムと膜との接着性が弱く、当該膜が剥がれることにより撥水性が低下するおそれがある。
フッ素系樹脂を含む材料を蒸発させてフィルムにフッ素を蒸着させつつ、さらにフッ素系ガスのプラズマを発生させてフッ素イオンをフィルム表面に衝突させることでフィルムへの密着性に優れた薄膜を形成する撥水処理方法が発案されている(特開平5−171410号公報)。当該撥水処理方法によれば、フィルムと膜との密着性には優れるが、フィルムに透明性が要求される場合、当該薄膜が透明性を損なうおそれがある。
上記不都合に鑑みて、本発明は、優れた撥水性及び透明性を有し、かつ膜剥がれによる撥水性低下のない撥水性透明フィルム、簡易かつ効率的に当該撥水性透明フィルムを生産することができる撥水性透明フィルムの製造方法、及び水滴等から保護されると共に視認性に優れるディスプレイ及び光学調整フィルムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様に係る撥水性透明フィルムは、表面のうち少なくとも一部の領域に撥水処理が施された撥水性透明フィルムであって、上記撥水処理領域の表層部が炭素、フッ素及び酸素を含み、X線光電子分光法で計測した上記表層部の深さ方向のフッ素原子含有量の分布曲線で、上記フッ素原子含有量が上記表面で最大値を示し、上記深さの増加と共に漸減することを特徴とする。
表面のうち少なくとも一部の領域を、炭素、フッ素及び酸素を含んだ撥水処理領域とすることで、撥水性に優れた撥水性透明フィルムとすることができる。また、フッ素原子が、上記撥水処理領域の表面に最も多く含まれ、上記撥水性透明フィルムの厚み方向の深さの増加と共に単調に減少することで、上記撥水処理領域に、優れた撥水性を付与しつつ、上記撥水処理領域と撥水処理がされない領域との光線透過率等の特性変化を抑制することができる。よって、当該撥水性透明フィルムの基材の透明性を維持することができる。
X線光電子分光法で計測した上記表層部の表面の炭素原子、フッ素原子、酸素原子及び窒素原子の合計に対するフッ素原子の含有比が15%以上であり、C1s狭域スペクトルが、(C−C,C−H)、C−O、(O−C=O,CHF)、CFx(x=1〜2)、及びCFx(x=2〜3)の5種のピークに分離され、上記5種のピークから得られるC全体の結合状態の存在量に対するCFx(x=1〜2)及びCFx(x=2〜3)のピークから得られるCFxの結合状態の存在量の比が8%以上であるとよい。上記表面のCFxの結合状態の存在量の比が8%以上であることにより、上記表面に優れた撥水性を付与することができる。
上記フッ素原子の含有比が、上記表層部の表面から深さ10nmで5%以下となるとよい。上記フッ素原子の含有比が、上記表層部の表面からの深さ10nmで5%以下となることで、上記撥水領域の光線透過率等の光学的な特性変化を抑制することができる。
上記表層部で、フッ素含有量が酸素含有量よりも多いとよい。上記表面のフッ素含有量が、上記表面の酸素含有量よりも多いことで、上記表面により優れた撥水性を付与することができる。
上記表層部の表面から深さ10nm以上で、フッ素含有量が酸素含有量よりも少ないとよい。上記表面からの深さ10nm以上で、フッ素含有量が酸素含有量よりも少なくなることで、上記領域の光学的な特性変化をより抑制することができる。
上記撥水処理領域と上記撥水処理領域外との全光線透過率の差が5%以内、ヘイズの差が1%以内、かつ透過スペクトルの黄色度b*の差が2以内であるとよい。上記撥水処理領域と上記撥水処理領域外との全光線透過率の差が5%以内、ヘイズの差が1%以内、かつ透過スペクトルの黄色度b*の差が2以内であることにより、撥水処理がされている領域と撥水処理がされていない領域との光学特性の変化がさらに抑制される。よって、当該撥水性透明フィルムの基材が透明な素材である場合、その基材の透明性を維持することができる。
主成分がポリエステル又はポリオレフィンであるとよい。主成分をポリエステル又はポリオレフィンとすることで、強度、可撓性及び透明性が優れた撥水性透明フィルムとすることができる。なお、主成分とは、最も質量含有量が大きい成分を意味する。
上記ポリエステルがポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートであるとよい。主成分をポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートとすることで、強度、可撓性及び透明性がより優れた撥水性透明フィルムとすることができる。
本発明の別の一態様は、上記撥水性透明フィルムを備えるディスプレイである。上記撥水性透明フィルムを備えるディスプレイは、防滴性及び視認性に優れるので、例えばスマートフォン用ディスプレイ等、多様な用途に好適に使用できる。
本発明のさらに別の一態様は、複数のフィルムを張り合わせた積層フィルムであり、外層に上記撥水性透明フィルムを用いた光学調整フィルムである。外層に上記撥水性透明フィルムを用いた光学調整フィルムは、防滴性に優れるので積層フィルムの外層に好適であり、視認性に優れるので光学調整フィルムに好適に使用できる。
本発明の他の一態様は、基材表面のうち少なくとも一部の領域に撥水処理を施す工程を有し、上記撥水処理工程が、プラズマ処理によって炭素、フッ素及び酸素を上記領域の表層部に埋設する工程を含み、X線光電子分光法で計測した上記表層部の深さ方向のフッ素原子含有量の分布曲線で、上記フッ素原子含有量が上記表面で最大値を示し、上記深さの増加と共に漸減する撥水性透明フィルムの製造方法である。
当該撥水フィルムの製造方法は、基材表面のうち少なくとも一部の領域に撥水処理を施す工程を有し、上記撥水処理工程が、プラズマ処理によって炭素、フッ素及び酸素を上記領域の表層部に埋設する工程を含むため、既存の成膜装置等で生産することができる。よって、撥水性に優れた撥水性透明フィルムを低コストで効率よく製造することができる。
上記埋設工程が、上記基材を一対のロールに巻き付ける工程と、上記一対のロール間の放電によりプラズマを発生させる工程とを含むとよい。上記基材を一対のロールに巻き付けることで、上記一対のロールの対向面で炭素、フッ素及び酸素を上記撥水処理領域の表層部に埋設することができるため、撥水処理を効率的に行うことができる。上記一対のロール間の放電によりプラズマを発生することによって、フッ素イオン等を容易に撥水処理される領域に突入させることができ、フッ素等を上記領域の表層部に容易に埋設することができる。
上記放電を、上記一対のロールの電位の極性を交互に反転させて行うとよい。極性を交互に反転させることによって、絶縁性を有する基材を通して電流を流すことができ、効率よく撥水処理を行うことができる。
上記プラズマ発生工程で、上記一対のロールの内部に含まれる磁場発生手段により、上記一対のロールの表面に磁場を形成させるとよい。磁場発生手段がロールの内部に含まれることによって、撥水処理を行う装置をコンパクトにすることができる。また、磁場を形成することにより、より効率よく撥水処理を行うことができる。
上記プラズマ処理に用いられる撥水処理用ガスが、フッ素原子を含むとよい。撥水処理用ガスが、フッ素原子を含むことにより、撥水処理領域のフッ素原子含有量を所望する値とすることが比較的容易にできる。
上記撥水処理用ガスがパーフルオロカーボンを含むとよい。上記撥水処理用ガスがパーフルオロカーボンを含むことにより、撥水処理領域に炭素及びフッ素を比較的容易に供給することができる。
上記パーフルオロカーボンがパーフルオロメタンであるとよい。上記パーフルオロカーボンがパーフルオロメタンであることにより、撥水処理領域に炭素及びフッ素をより容易に供給することができる。
以上説明したように、本願発明に係る撥水性透明フィルムは、優れた撥水性及び透明性を有し、かつ膜剥がれによる撥水性低下を生じることがない。また、本願発明に係る撥水性透明フィルムの製造方法は、簡易かつ効率的に当該撥水性透明フィルムを生産することができる。さらに、本願発明に係るディスプレイ及び光学調整フィルムは、当該撥水性透明フィルムを備えるので、水滴等から保護されると共に視認性等に優れる。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳説する。
[撥水性透明フィルム]
本発明の一実施形態に係る撥水性透明フィルムは、表面のうち少なくとも一部の領域に撥水処理が施された撥水性透明フィルムであって、上記撥水処理領域の表層部が炭素、フッ素及び酸素を含み、X線光電子分光法で計測した上記表層部の深さ方向のフッ素原子含有量の分布曲線で、上記フッ素原子含有量が上記表面で最大値を示し、上記深さの増加と共に漸減することを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る撥水性透明フィルムは、表面のうち少なくとも一部の領域に撥水処理が施された撥水性透明フィルムであって、上記撥水処理領域の表層部が炭素、フッ素及び酸素を含み、X線光電子分光法で計測した上記表層部の深さ方向のフッ素原子含有量の分布曲線で、上記フッ素原子含有量が上記表面で最大値を示し、上記深さの増加と共に漸減することを特徴とする。
具体的には、基材の一方の表面の一部若しくは全部の領域、又は基材の両面の一部若しくは全部の領域の表層部に、炭素、フッ素及び酸素を含ませる表面改質である撥水処理を施して、上記基材を撥水性透明フィルムとする。当該撥水性透明フィルムは、撥水処理が施された領域をX線光電子分光法で計測すると、フッ素原子の含有量が表面で最も多く、当該撥水性透明フィルムの厚み方向に深さを増すと共に、フッ素原子の含有量は漸減するという特徴を有する。
<基材>
基材は無色透明であり、絶縁性及び可撓性を有するフレキシブル基材であることが好ましい。この基材の材質としては、例えば合成樹脂、フレキシブルガラス等を用いることができる。
基材は無色透明であり、絶縁性及び可撓性を有するフレキシブル基材であることが好ましい。この基材の材質としては、例えば合成樹脂、フレキシブルガラス等を用いることができる。
フレキシブル基材を形成する合成樹脂の主成分としては、ポリエステル及びポリオレフィンが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンサルファイド(PES)、ポリカーボネイト(PC)、ポリイミド(PI)、ポリオレフィン等を挙げることができる。中でも、強度、可撓性及び透明性に優れた、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートが特に好ましい。
フレキシブル基材の平均厚さとしては、特に限定されるものではないが、ロールツーロール方式の製造装置で搬送可能とするために、例えば5μm以上500μm以下とすることができる。
<埋設元素>
上記基材の撥水性が付与される領域の表層部には、炭素(C)、フッ素(F)及び酸素(O)が含まれる。炭素及びフッ素は結合してフッ化炭素(CFx)となることで撥水性に寄与する。酸素は、所定量含有させることで透明樹脂基材の構造を一定程度維持し、透明性維持に寄与する。従って、炭素、フッ素及び酸素を上記表層部に含ませることで、撥水処理領域に撥水性を付与しつつ、基材本来の透明性を損なわない撥水性透明フィルムとすることができる。
上記基材の撥水性が付与される領域の表層部には、炭素(C)、フッ素(F)及び酸素(O)が含まれる。炭素及びフッ素は結合してフッ化炭素(CFx)となることで撥水性に寄与する。酸素は、所定量含有させることで透明樹脂基材の構造を一定程度維持し、透明性維持に寄与する。従って、炭素、フッ素及び酸素を上記表層部に含ませることで、撥水処理領域に撥水性を付与しつつ、基材本来の透明性を損なわない撥水性透明フィルムとすることができる。
特にフッ素原子については、上記表層部の表面から深さ方向のフッ素原子含有量の分布曲線をX線光電子分光法で計測すると、上記表面でフッ素原子の含有量が最大値を示し、上記深さの増加と共に当該フッ素原子の含有量は漸減していく。上記撥水処理領域は、その表面にフッ化炭素を有することで撥水性を発揮することができ、上記撥水処理領域の内部、すなわち当該撥水性透明フィルムの厚み方向で深さを有する部分にフッ化炭素を有していても、内部に存在するフッ化炭素は撥水性に寄与することはできない。一方で、上記領域内部が、上記領域表面と同等のフッ化炭素を有していると、基材が本来有する透明性を阻害し、また、当該撥水性透明フィルムが黄色みを帯びるおそれがある。フッ素原子の含有量が上記表面で最大値を示し、上記深さの増加と共に単調に減少することで、上記表面の撥水性を確保しつつ、当該撥水性透明フィルムの透明性を確保することができる。
X線光電子分光法で計測した、上記表層部の表面の炭素原子、フッ素原子、酸素原子及び窒素原子の合計に対するフッ素原子の含有比が15%以上であり、C1s狭域スペクトルが、(C−C,C−H)、C−O、(O−C=O,CHF)、CFx(x=1〜2)、及びCFx(x=2〜3)の5種のピークに分離され、上記5種のピークから得られるC全体の結合状態の存在量に対するCFx(x=1〜2)及びCFx(x=2〜3)のピークから得られるCFxの結合状態の存在量の比が8%以上であることが好ましい。
X線光電子分光法で計測される上記表面の炭素原子、フッ素原子、酸素原子及び窒素原子の合計に対するフッ素原子の含有比の下限としては、20%がより好ましく、25%がさらに好ましい。一方、上限としては、60%が好ましく、50%がより好ましい。上記フッ素原子の含有比が上記下限に満たない場合、所望する撥水性を発揮できないおそれがある。一方、上記フッ素原子の含有比が上記上限を超えた場合、撥水性の向上は期待できず、撥水処理領域の表層部において極性が生じ、かえって撥水性を低下させるおそれがある。また、当該撥水性透明フィルムの透明性が損なわれるおそれがある。
また、X線光電子分光法で計測される上記表面におけるC1s狭域スペクトルを、(C−C,C−H)、C−O、(O−C=O,CHF)、CFx(x=1〜2)、及びCFx(x=2〜3)の5種のピークに分離し、上記5種のピークから得られるC全体の結合状態の存在量に対するCFx(x=1〜2)及びCFx(x=2〜3)のピークから得られるCFxの結合状態の存在量の比の下限値としては、10%がより好ましく、12%がさらに好ましい。一方、上記CFxの結合状態の存在量の比の上限値としては、60%が好ましく、50%がより好ましく、40%がさらに好ましい。上記CFxの結合状態の存在量の比が上記下限に満たない場合、所望する撥水性を発揮できないおそれがある。一方、上記CFxの結合状態の存在量の比が上記上限を超えた場合、炭素と酸素の結合が不足して透明性が低下すると共に炭素同士の結合が不足し、当該表層部の剥離が発生するおそれがある。また、撥水性の向上は期待できず、当該撥水性透明フィルムの透明性が損なわれるおそれがある。上記表面の炭素原子、フッ素原子、酸素原子及び窒素原子の合計に対するフッ素原子の含有比が上記下限以上であり、かつ上記CFxの結合状態の存在量の比が上記下限以上であることにより、より優れた撥水効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、上記5種の結合状態の存在量を、以下のようにして決定している。
(1)X線光電子分光法で、C1sとF1sとの挟域スペクトルを計測する。
(2)C1sスペクトルに複数のピークを設定してフィッティングを行う。
(3)F1sスペクトルにピークを1つ設定し、フィッティングを行う。
(4)C1sの各ピークとF1sピークの位置関係を求める。
(5)得られた位置関係から、C1sの各ピークの結合状態を決定する。
C1sスペクトルのフィッティングで得られるピークの位置は、スペクトル測定時のサンプルの帯電状態や装置依存性によって左右される。これらの因子の影響を可能な限り排除するため、F1sとの差分を求めることでCFxの結合状態を決定している。
(1)X線光電子分光法で、C1sとF1sとの挟域スペクトルを計測する。
(2)C1sスペクトルに複数のピークを設定してフィッティングを行う。
(3)F1sスペクトルにピークを1つ設定し、フィッティングを行う。
(4)C1sの各ピークとF1sピークの位置関係を求める。
(5)得られた位置関係から、C1sの各ピークの結合状態を決定する。
C1sスペクトルのフィッティングで得られるピークの位置は、スペクトル測定時のサンプルの帯電状態や装置依存性によって左右される。これらの因子の影響を可能な限り排除するため、F1sとの差分を求めることでCFxの結合状態を決定している。
ここで、X線光電子分光法の測定結果からカーボン結合状態の各種C1sピークを決定する際の判断基準、及びC1sとF1sとのピーク位置関係の許容誤差は、以下としている。なお、「文献」とは、「Handbook of X−ray Photoelectron Spectroscopy(ULVAC−PHI, Inc., 1995)」、及び「High Resolution XPS of Organic Polymers − The Scienta ESCA300 Database(Wiley,1992)」であり、「文献からの許容誤差」は、上記文献を参照して、C1sの各結合状態について、F1sとのピーク位置の差を取って、そのばらつきから定めたものをいう。
(1)C−C,C−H(sp2):ピーク位置は経験的に決定されている。許容誤差は±0.6として、機器の誤差を含む。
(2)C−C,C−H(sp3):C1s=284.7eVとしてエネルギー軸を補正してピーク位置を決定している。許容誤差は±0.6として、機器の誤差を含む。
(3)C−O:ピーク位置は測定結果のままとして、文献からの許容誤差と機器の誤差を比較したところ、機器の誤差の方が大きいため、許容誤差は機器の誤差である±0.6とした。
(4)O−C=O,CHF:ピーク位置は測定結果のままとして、文献から許容誤差は±0.7とした。
(5)CFx(x=1〜2):ピーク位置は測定結果のままとして、文献から許容誤差は±2.3とした。
(6)CFx(x=2〜3):ピーク位置は測定結果のままとして、文献から許容誤差は±2.1とした。
(1)C−C,C−H(sp2):ピーク位置は経験的に決定されている。許容誤差は±0.6として、機器の誤差を含む。
(2)C−C,C−H(sp3):C1s=284.7eVとしてエネルギー軸を補正してピーク位置を決定している。許容誤差は±0.6として、機器の誤差を含む。
(3)C−O:ピーク位置は測定結果のままとして、文献からの許容誤差と機器の誤差を比較したところ、機器の誤差の方が大きいため、許容誤差は機器の誤差である±0.6とした。
(4)O−C=O,CHF:ピーク位置は測定結果のままとして、文献から許容誤差は±0.7とした。
(5)CFx(x=1〜2):ピーク位置は測定結果のままとして、文献から許容誤差は±2.3とした。
(6)CFx(x=2〜3):ピーク位置は測定結果のままとして、文献から許容誤差は±2.1とした。
X線光電子分光法で計測した、上記表層部の原子全体に対するフッ素原子の含有比が、上記表層部の表面からの深さ10nmで5%以下となるのが好ましい。炭素原子、フッ素原子、酸素原子及び窒素原子の合計に対するフッ素原子の含有比が5%以下となる上記表層部の表面からの深さの下限としては、8nmがより好ましく、5nmがさらに好ましい。撥水処理領域の内部に存在するフッ化炭素は、撥水効果に寄与することができない。また、撥水処理領域の内部に多量のフッ化炭素が存在する場合は、当該撥水性透明フィルムの透明性を低下させるおそれがある。X線光電子分光法で計測される上記表面の原子全体に対するフッ素原子の含有比が、上記表面からの深さが上記下限以上で5%以下となることにより、当該撥水性透明フィルムの透明性の低下を抑制することができる。
上記表層部のフッ素含有量が酸素含有量よりも多いことが好ましい。酸素は透明性に寄与するため、所定量を存在させる理由があるが、酸素含有量がフッ素含有量以上とすると、表層部を構成する分子の極性が強くなり、撥水性を低下させるおそれがある。上記表面のフッ素含有量を、上記表面の酸素含有量より多くすることで、高い撥水性を発揮することができる。
上記表面の酸素含有量としては、フッ素の含有量より少なければ特に限定されないが、例えば、X線光電子分光法で計測される上記表面の炭素原子、フッ素原子、酸素原子及び窒素原子の合計に対する酸素原子の含有比として、5%以上20%以下とすることができる。
また、上記表面の炭素含有量としては、X線光電子分光法で計測される上記表面の炭素原子、フッ素原子、酸素原子及び窒素原子の合計に対する炭素原子の含有比として、20%以上75%以下であることが好ましい。炭素の含有比が上記下限に満たないと、当該表層部の構造維持が困難となり剥離が発生するおそれがある。一方、炭素の含有比が上記上限を超えると、当該撥水性透明フィルムの透明性を低下させるおそれがある。
上記表層部の表面からの深さ10nm以上で、フッ素含有量が酸素含有量よりも少ないことが好ましい。撥水処理領域の内部に多量のフッ化炭素が存在する場合は、当該撥水性透明フィルムの透明性を低下させるおそれがあるが、酸素は、透明性確保に寄与するため、撥水処理領域の内部にも存在することが好ましい。フッ素含有量が酸素含有量よりも少なくなる上記表層部の表面からの深さの上限としては、8nmがより好ましく、5nmがさらに好ましい。上記表面からの深さが上記下限以上でフッ素含有量が酸素含有量よりも少なくなることで、当該撥水性透明フィルムの透明性の低下を抑制することができる。
上記表層部の表面における水の接触角が105度以上であることが好ましい。上記表面における水の接触角を105度以上とすることで、上記表面の撥水効果を好適にしつつ、防汚性を付与することができる。上記表面における水の接触角の下限としては、108度がより好ましく、115度がさらに好ましく、120度が特に好ましい。一方、上記表面における水の接触角の下限としては、特に限定されないが、例えば160度以下とすることができる。上記水の接触角の上記下限を満たさない場合は、好適な撥水性を発揮することができないと共に、十分な防汚性が得られないおそれがある。一方、上記水の接触角の上記上限を超える場合、撥水性及び防汚性の向上は期待できず、当該撥水性透明フィルムの生産コストが増大するおそれがある。
無色透明の基材を撥水処理した上記撥水処理領域と上記撥水処理領域外との全光線透過率の差が5%以内、ヘイズの差が1%以内、かつ透過スペクトルの黄色度b*の差が2以内であることが好ましい。上記撥水処理領域と上記撥水処理領域外との全光線透過率の差が5%以内、ヘイズの差が1%以内、かつ透過スペクトルの黄色度b*の差が2以内であることにより、基材が本来有する無色透明性を維持しつつ、優れた撥水性を有する撥水性透明フィルムとすることができる。上記撥水処理領域と上記撥水処理領域外との全光線透過率の差の上限としては、2%がより好ましく、1%がさらに好ましい。上記全光線透過率の差が上記上限を超えた場合、基材が本来有する透明性が損なわれるおそれがある。また、上記撥水処理領域と上記撥水処理領域外とのヘイズの差の上限としては、0.5%がより好ましく、0.2%がさらに好ましい。上記ヘイズの差が上記上限を超えた場合、基材が本来有する透明性が損なわれるおそれがある。上記撥水処理領域と上記撥水処理領域外との透過スペクトルの黄色度b*の差の上限としては、1.5がより好ましく、1がさらに好ましい。上記黄色度b*の差が上記上限を超える場合、基材が本来有する無色性が損なわれるおそれがある。上記領域と上記領域外との全光線透過率、ヘイズ及び透過スペクトルの黄色度b*の差の下限としては、0である。
基材の一方の面又は両面の全面を撥水処理した場合では、基材と当該撥水処理された撥水性透明フィルムとの全光線透過率、ヘイズ、及び透過スペクトルの黄色度b*のそれぞれの差が、上記差であるとよい。
<利点>
以上のように、本発明の実施形態に係る撥水性透明フィルムは、基材が本来有する無色透明性を維持しつつ、優れた撥水性を有する。また、基材表面に撥水性の膜を形成するものではないため、膜剥がれによる撥水性低下を生じることがない。
以上のように、本発明の実施形態に係る撥水性透明フィルムは、基材が本来有する無色透明性を維持しつつ、優れた撥水性を有する。また、基材表面に撥水性の膜を形成するものではないため、膜剥がれによる撥水性低下を生じることがない。
当該撥水性透明フィルムは優れた撥水性と透明性を有するため、ディスプレイ、複数のフィルムを張り合わせた光学調整フィルムの外層に好適に用いることができる。当該ディスプレイとしては、特に限定されないが、例えば、携帯型端末の有機ELディスプレイ等が挙げられる。当該光学調整フィルムとしては、特に限定されないが、例えば、防眩フィルム等が挙げられる。また、当該撥水性透明フィルムを備えるディスプレイ、光学調整フィルムは、それぞれ本発明の別の実施形態である。
[撥水性透明フィルムの製造方法]
上述の撥水性透明フィルムは、本発明の他の実施形態に係る撥水性透明フィルムの製造方法によって製造することができる。なお、以下に詳述する撥水性透明フィルムの製造方法は、上述の撥水性透明フィルムを製造する方法に限定するものではない。
上述の撥水性透明フィルムは、本発明の他の実施形態に係る撥水性透明フィルムの製造方法によって製造することができる。なお、以下に詳述する撥水性透明フィルムの製造方法は、上述の撥水性透明フィルムを製造する方法に限定するものではない。
当該撥水性透明フィルムの製造方法は、基材表面のうち少なくとも一部の領域に撥水処理を施す工程を有し、上記撥水処理工程が、プラズマ処理によって炭素、フッ素及び酸素を上記領域の表層部に埋設する工程を含み、X線光電子分光法で計測した上記表層部の深さ方向のフッ素原子含有量の分布曲線で、上記フッ素原子含有量が上記表面で最大値を示し、上記深さの増加と共に漸減する撥水性透明フィルムを得ることができる。
<撥水処理工程>
当該撥水性透明フィルムの製造方法は、基材表面のうち少なくとも一部の領域に撥水処理を施す工程を有する。すなわち、基材の一方の表面の一部若しくは全部の領域、又は基材の両面の一部若しくは全部の領域の表層部に撥水処理を施して撥水性透明フィルムが得られる。当該撥水処理工程は、所定の元素を上記領域の表層部に埋設する工程を含む。
当該撥水性透明フィルムの製造方法は、基材表面のうち少なくとも一部の領域に撥水処理を施す工程を有する。すなわち、基材の一方の表面の一部若しくは全部の領域、又は基材の両面の一部若しくは全部の領域の表層部に撥水処理を施して撥水性透明フィルムが得られる。当該撥水処理工程は、所定の元素を上記領域の表層部に埋設する工程を含む。
(埋設工程)
埋設工程は、プラズマ処理によって炭素、フッ素及び酸素を上記領域の表層部に埋設する。具体的には、例えば、グロー放電を発生させるグロー放電用の電極を基材の近傍に配置し、炭素、フッ素及び酸素を含む撥水処理用ガスをグロー放電されている領域に供給してプラズマを発生させ、イオン化されたフッ素イオン等を基材表面に突入させて埋設する。上記プラズマ処理により、撥水処理が施される領域の表層部にフッ素原子を多く含ませることができると共に、上記表層部の表面から深さ方向にはフッ素原子を単調に減少させながら含ませることができる。
埋設工程は、プラズマ処理によって炭素、フッ素及び酸素を上記領域の表層部に埋設する。具体的には、例えば、グロー放電を発生させるグロー放電用の電極を基材の近傍に配置し、炭素、フッ素及び酸素を含む撥水処理用ガスをグロー放電されている領域に供給してプラズマを発生させ、イオン化されたフッ素イオン等を基材表面に突入させて埋設する。上記プラズマ処理により、撥水処理が施される領域の表層部にフッ素原子を多く含ませることができると共に、上記表層部の表面から深さ方向にはフッ素原子を単調に減少させながら含ませることができる。
<プラズマ処理装置>
当該撥水性透明フィルムの製造方法では、効率的に当該撥水性透明フィルムを生産するため、撥水処理を施すことができるプラズマ処理装置を用いることが好ましい。プラズマ処理装置としては、プラズマ処理をすることができる装置であれば、特に限定されるものではないが、本実施形態では、図1に示すように、長手方向に搬送される長尺フィルム状の基材Wの表面近傍にプラズマを発生させて撥水処理を行い、ロールツーロール方式の連続的なプロセスによって長尺の撥水性透明フィルムFを得ることができるプラズマ処理装置を用いて説明する。
当該撥水性透明フィルムの製造方法では、効率的に当該撥水性透明フィルムを生産するため、撥水処理を施すことができるプラズマ処理装置を用いることが好ましい。プラズマ処理装置としては、プラズマ処理をすることができる装置であれば、特に限定されるものではないが、本実施形態では、図1に示すように、長手方向に搬送される長尺フィルム状の基材Wの表面近傍にプラズマを発生させて撥水処理を行い、ロールツーロール方式の連続的なプロセスによって長尺の撥水性透明フィルムFを得ることができるプラズマ処理装置を用いて説明する。
このプラズマ処理装置は、減圧可能な真空チャンバ1内に互いに平行に配置される一対のロール2と、この一対のロール2間に電圧を印加する電源3と、一対のロール2の上方からプラズマが生成される空間に向けて撥水処理用ガスを供給するガス供給部4と、複数のガイドロール6と、基材Wを送出する基材ロール7と、撥水性透明フィルムFを巻き取る製品ロール8と、真空ポンプPとを主に備える。また、プラズマ処理装置は、一対のロール2の内部にそれぞれ磁場発生手段(励磁コイル)5をさらに備えることが好ましい。
〔巻き付け工程〕
上記埋設工程が、上記フィルムを一対のロール2に巻き付ける工程と、上記一対のロール2間の放電によりプラズマを発生させる工程とを含むのが好ましい。巻き付け工程では、撥水処理を施される基材Wを、基材ロール7から送出し、ガイドロール6に掛け渡すと共に、一対のロール2に巻き付ける。
上記埋設工程が、上記フィルムを一対のロール2に巻き付ける工程と、上記一対のロール2間の放電によりプラズマを発生させる工程とを含むのが好ましい。巻き付け工程では、撥水処理を施される基材Wを、基材ロール7から送出し、ガイドロール6に掛け渡すと共に、一対のロール2に巻き付ける。
〔プラズマ発生工程〕
上記プラズマ処理装置の電源3は、一対のロール2間に電圧を印加してロール2の間の対向空間にグロー放電を発生させる。このグロー放電で電離した撥水処理用ガスのプラズマを用いて基材Wにプラズマ処理による炭素、フッ素及び酸素を基材Wの表層部に埋設する。上述したように、基材Wを一対のロール2に巻き付けることで、一対のロール2の対向面間において基材Wにプラズマ処理をすることができるため、炭素、フッ素及び酸素を基材表面の表層部に効率的に埋設することができる。グロー放電を安定して発生させるために、電源3が印加する電圧としては、交流電圧、好ましくは極性反転を伴うパルス電圧を用いることができる。撥水処理が施された基材Wは撥水性透明フィルムFとして、製品ロール8に巻き取られる。
上記プラズマ処理装置の電源3は、一対のロール2間に電圧を印加してロール2の間の対向空間にグロー放電を発生させる。このグロー放電で電離した撥水処理用ガスのプラズマを用いて基材Wにプラズマ処理による炭素、フッ素及び酸素を基材Wの表層部に埋設する。上述したように、基材Wを一対のロール2に巻き付けることで、一対のロール2の対向面間において基材Wにプラズマ処理をすることができるため、炭素、フッ素及び酸素を基材表面の表層部に効率的に埋設することができる。グロー放電を安定して発生させるために、電源3が印加する電圧としては、交流電圧、好ましくは極性反転を伴うパルス電圧を用いることができる。撥水処理が施された基材Wは撥水性透明フィルムFとして、製品ロール8に巻き取られる。
上記放電を、上記一対のロール2の電位の極性を交互に反転させて行うことが好ましい。極性を交互に反転させることによって、絶縁性を有する基材Wを通して上記一対のロール2間で放電することができ、効率よく所望する元素を上記表層部に埋設することができる。
上記プラズマ発生工程を、上記一対のロール2の内部に含まれる磁場発生手段5により、上記一対のロール2の表面に磁場を形成させて行うのが好ましい。磁場発生手段5がロール2の内部に含まれることによって、プラズマ処理装置をコンパクトにすることができる。磁場発生手段5は、一対のロール2の表面に磁場を形成する。これらの磁場発生手段5は、一対のロール2の周方向に並ぶ複数の磁極を有することが好ましい。この複数の磁極は、N極とS極とが交互に配置されることが好ましい。これにより、ロール2上を搬送される基材Wの表面に誘引されるプラズマの成分が繰り返し変化され、基材の厚み方向の深さによって撥水処理用ガスに含まれる各種元素の含有量を変動させることができる。
当該プラズマ処理装置のガス供給部4は、一方のロール2から複数のガイドロール6を介して他方のロール2に至る基材Wに囲まれる位置に配置され、この基材Wに囲まれる空間内に撥水処理用ガスを供給することが好ましい。また、真空チャンバ1内を減圧する真空ポンプPは、一対のロール2の間の空間を挟んでガス供給部4と対向する位置から真空チャンバ1内のガスを排気するよう配設されることが好ましい。このようにすることで、ガス供給部4から真空チャンバ1内に排出された撥水処理用ガスを、一対のロール2間のプラズマが生成される空間に向けて供給することが容易になる。
(撥水処理用ガス)
ガス供給部4から供給される撥水処理用ガスは、フッ素原子を含むことが好ましい。フッ素原子を含む撥水処理用ガスであることで、フッ素原子を撥水処理が施される領域の表層部に効率的に埋設することができる。フッ素原子を含む撥水処理用ガスとしては、特に限定されるものではないが、例えば、パーフルオロメタン(四フッ化炭素)、パーフルオロへキサン等が挙げられる。
ガス供給部4から供給される撥水処理用ガスは、フッ素原子を含むことが好ましい。フッ素原子を含む撥水処理用ガスであることで、フッ素原子を撥水処理が施される領域の表層部に効率的に埋設することができる。フッ素原子を含む撥水処理用ガスとしては、特に限定されるものではないが、例えば、パーフルオロメタン(四フッ化炭素)、パーフルオロへキサン等が挙げられる。
上記撥水処理用ガスがパーフルオロカーボンを含むものであることが好ましい。パーフルオロカーボンは、フルオロカーボン類に属する化学物質であるため、撥水処理領域にフッ素及び炭素を容易に供給することができる。また、パーフルオロカーボンは水素を含まないため、表層部の水素が基材由来のものに限られ、過剰に水素を含有することがなく、極性を低減することができる。さらに、酸素を含まないため、表層部の酸素が基材由来のものに限られ、過剰に酸素を含有することがなく、極性をより低減することができる。
上記パーフルオロカーボンがパーフルオロメタンであることが好ましい。上記撥水処理用ガスにパーフルオロメタンが含まれることで、撥水処理領域にフッ素及び炭素をより容易に供給することができる。
<利点>
当該撥水性透明フィルムの製造方法は、基材Wの表面に炭素、フッ素及び酸素を撥水処理領域の表層部に埋設する。炭素、フッ素及び酸素の埋設は、プラズマ処理によってイオン化されたフッ素イオン等を基材W表面に突入させるため、フッ素原子が基材W表面に多く、基材内部には少ない撥水性透明フィルムを容易に生産することができる。また、一対のロール2に基材Wを巻き付け、この一対のロール2間に交流を印加することにより、ロール2がプラズマに対して負の電位を持ち、プラズマ中の運動エネルギーを持った正イオンがロール2に巻き付けられた基材Wに対して衝突することができ、基材Wの表層部へのフッ素等の打ち込み(埋設)を効果的に行うことができる。よって、撥水性及び透明性に優れた撥水性透明フィルムの生産性を向上することができる。さらに、当該撥水性透明フィルムの製造方法に用いられるプラズマ処理装置は、公知のプラズマCVD装置等を利用することができるので、低コストで撥水性透明フィルムを生産することができる。
当該撥水性透明フィルムの製造方法は、基材Wの表面に炭素、フッ素及び酸素を撥水処理領域の表層部に埋設する。炭素、フッ素及び酸素の埋設は、プラズマ処理によってイオン化されたフッ素イオン等を基材W表面に突入させるため、フッ素原子が基材W表面に多く、基材内部には少ない撥水性透明フィルムを容易に生産することができる。また、一対のロール2に基材Wを巻き付け、この一対のロール2間に交流を印加することにより、ロール2がプラズマに対して負の電位を持ち、プラズマ中の運動エネルギーを持った正イオンがロール2に巻き付けられた基材Wに対して衝突することができ、基材Wの表層部へのフッ素等の打ち込み(埋設)を効果的に行うことができる。よって、撥水性及び透明性に優れた撥水性透明フィルムの生産性を向上することができる。さらに、当該撥水性透明フィルムの製造方法に用いられるプラズマ処理装置は、公知のプラズマCVD装置等を利用することができるので、低コストで撥水性透明フィルムを生産することができる。
[その他の実施形態]
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではない。
本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではない。
上述した撥水性透明フィルムの製造方法で、基材Wを一対のロール2に巻き付けたもので説明したが、基材Wを1つのロール2に巻き付ける、或いは基材Wを複数対のロール2に巻き付けて当該撥水性透明フィルムを製造する方法も、本発明の範疇である。
以下、実施例に基づき本発明をさらに詳説するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
[試料]
基材は、無色透明で、厚さ100μm、幅350mmのポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4100)を用いた。この基材の表面に、表1の条件で上述の図1のプラズマ処理装置を使用して撥水処理を施し、実施例1〜5の撥水性透明フィルムを得た。撥水処理用ガスの供給量としては、実施例1,2,5は200sccmとし、実施例3,4は、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO、コンバージョンファクタ:0.110)で校正されたマスフローコントローラで、表示値が50sccmとなるように流量を設定した。なお、実施例3,4の「FC−72」とは、スリーエムジャパン株式会社製のテトラデカフルオロヘキサン(分子式:C6F14)である。
基材は、無色透明で、厚さ100μm、幅350mmのポリエステルフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4100)を用いた。この基材の表面に、表1の条件で上述の図1のプラズマ処理装置を使用して撥水処理を施し、実施例1〜5の撥水性透明フィルムを得た。撥水処理用ガスの供給量としては、実施例1,2,5は200sccmとし、実施例3,4は、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO、コンバージョンファクタ:0.110)で校正されたマスフローコントローラで、表示値が50sccmとなるように流量を設定した。なお、実施例3,4の「FC−72」とは、スリーエムジャパン株式会社製のテトラデカフルオロヘキサン(分子式:C6F14)である。
[評価方法]
上記実施例1〜5の撥水性及び透明性の評価を、以下の装置及び方法を用いて行った。
上記実施例1〜5の撥水性及び透明性の評価を、以下の装置及び方法を用いて行った。
<撥水性評価>
装置:アルバック・ファイ社製 Quantera SXM
X線源:単色化Al Kα
X線出力:25.0 W
X線ビーム径:φ100μm
光電子取り出し角:45°
Ar+スパッタ条件:
Ar+エネルギー:1KeV
ラスターサイズ:3×3mm
スパッタ比:0.9nm/min.(スパッタ深さはすべてSiO2換算)
装置:アルバック・ファイ社製 Quantera SXM
X線源:単色化Al Kα
X線出力:25.0 W
X線ビーム径:φ100μm
光電子取り出し角:45°
Ar+スパッタ条件:
Ar+エネルギー:1KeV
ラスターサイズ:3×3mm
スパッタ比:0.9nm/min.(スパッタ深さはすべてSiO2換算)
<透明性評価>
全光線透過率及びヘイズは、「日本電色工業株式会社製 ヘーズメーター:NDH5000」を用いて測定した。黄色度b*は、「日本分光株式会社製 紫外可視近赤外分光光度計:V−570」を用いて、透過スペクトルを測定して黄色度b*を求めた。水の接触角は、「協和界面科学株式会社製 接触角測定計:CA−A」を用いて測定した。
全光線透過率及びヘイズは、「日本電色工業株式会社製 ヘーズメーター:NDH5000」を用いて測定した。黄色度b*は、「日本分光株式会社製 紫外可視近赤外分光光度計:V−570」を用いて、透過スペクトルを測定して黄色度b*を求めた。水の接触角は、「協和界面科学株式会社製 接触角測定計:CA−A」を用いて測定した。
図2に、X線光電子分光法で計測した実施例1の、撥水処理された面から深さ方向とフッ素原子、炭素原子、酸素原子及び窒素原子の含有量との関係を示す分布曲線を示す。図3〜6に、実施例2〜5の上記分布曲線を示す。図7に、X線光電子分光法で計測した実施例1の撥水処理された面のC1s狭域スペクトル、(C−C,C−H)、C−O、(O−C=O,CHF)、CFx(x=1〜2)、及びCFx(x=2〜3)の5種のピークの分離を示す。図8〜11で、実施例2〜5の上記5種のピークの分離を示す。なお、図7〜11のグラフでは、C1s挟域スペクトルのメインピークを「C−C,C−H(sp3)」と仮定し、このピーク位置が284.7eVとなるようにエネルギー軸を補正している。
<結果>
図2〜6より、実施例1〜5のいずれもフッ素原子含有量が撥水処理面で最大値を示し、撥水性透明フィルムの厚み方向深さの増加と共に単調に減少していることが分かる。表2より、X線光電子分光法で計測すると、実施例1〜5のいずれも撥水処理面のフッ素原子の含有比が15%以上であることが分かる。また、表3より、実施例1〜5のいずれもC全体の結合状態の存在量に対するCFxの結合状態の存在量の比が8%以上であることが分かる。表4より、撥水処理がされない基材で計測される数値と実施例1〜5の計測される数値との差が、全光線透過率で5%以内、ヘイズで1%以内、かつ透過スペクトルの黄色度b*で2以内であり、実施例1〜5のいずれも水の接触角が105度以上であることが分かる。以上より、実施例1〜5のいずれも撥水性及び透明性に優れた撥水性透明フィルムであるとことが分かる。
図2〜6より、実施例1〜5のいずれもフッ素原子含有量が撥水処理面で最大値を示し、撥水性透明フィルムの厚み方向深さの増加と共に単調に減少していることが分かる。表2より、X線光電子分光法で計測すると、実施例1〜5のいずれも撥水処理面のフッ素原子の含有比が15%以上であることが分かる。また、表3より、実施例1〜5のいずれもC全体の結合状態の存在量に対するCFxの結合状態の存在量の比が8%以上であることが分かる。表4より、撥水処理がされない基材で計測される数値と実施例1〜5の計測される数値との差が、全光線透過率で5%以内、ヘイズで1%以内、かつ透過スペクトルの黄色度b*で2以内であり、実施例1〜5のいずれも水の接触角が105度以上であることが分かる。以上より、実施例1〜5のいずれも撥水性及び透明性に優れた撥水性透明フィルムであるとことが分かる。
本発明の撥水性透明フィルムは、上述のように、撥水性及び透明性に優れるので、屋外で使用される機器の表示部、光学フィルム等に好適に用いることができる。
1 真空チャンバ
2 ロール
3 電源
4 ガス供給部
5 磁場発生手段(励磁コイル)
6 ガイドロール
7 基材ロール
8 製品ロール
F 撥水性透明フィルム
P 真空ポンプ
W 基材
2 ロール
3 電源
4 ガス供給部
5 磁場発生手段(励磁コイル)
6 ガイドロール
7 基材ロール
8 製品ロール
F 撥水性透明フィルム
P 真空ポンプ
W 基材
Claims (17)
- 表面のうち少なくとも一部の領域に撥水処理が施された撥水性透明フィルムであって、
上記撥水処理領域の表層部が炭素、フッ素及び酸素を含み、
X線光電子分光法で計測した上記表層部の深さ方向のフッ素原子含有量の分布曲線で、上記フッ素原子含有量が上記表面で最大値を示し、上記深さの増加と共に漸減することを特徴とする撥水性透明フィルム。 - X線光電子分光法で計測した上記表層部の表面の炭素原子、フッ素原子、酸素原子及び窒素原子の合計に対するフッ素原子の含有比が15%以上であり、
C1s狭域スペクトルが、
(C−C,C−H)、
C−O、
(O−C=O,CHF)、
CFx(x=1〜2)、及び
CFx(x=2〜3)
の5種のピークに分離され、
上記5種のピークから得られるC全体の結合状態の存在量に対するCFx(x=1〜2)及びCFx(x=2〜3)のピークから得られるCFxの結合状態の存在量の比が8%以上である請求項1に記載の撥水性透明フィルム。 - 上記フッ素原子の含有比が、上記表層部の表面から深さ10nmで5%以下となる請求項1又は請求項2に記載の撥水性透明フィルム。
- 上記表層部で、フッ素含有量が酸素含有量よりも多い請求項1、請求項2又は請求項3に記載の撥水性透明フィルム。
- 上記表層部の表面から深さ10nm以上で、フッ素含有量が酸素含有量よりも少ない請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の撥水性透明フィルム。
- 上記撥水処理領域と上記撥水処理領域外との全光線透過率の差が5%以内、ヘイズの差が1%以内、かつ透過スペクトルの黄色度b*の差が2以内である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の撥水性透明フィルム。
- 主成分がポリエステル又はポリオレフィンである請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の撥水性透明フィルム。
- 上記ポリエステルがポリエチレンテレフタレート又はポリエチレンナフタレートである請求項7に記載の撥水性透明フィルム。
- 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の撥水性透明フィルムを備えるディスプレイ。
- 複数のフィルムを張り合わせた積層フィルムであり、外層に請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の撥水性透明フィルムを用いた光学調整フィルム。
- 基材表面のうち少なくとも一領域に撥水処理を施す工程を有し、
上記撥水処理工程が、プラズマ処理によって炭素、フッ素及び酸素を上記領域の表層部に埋設する工程を含み、
X線光電子分光法で計測した上記表層部の深さ方向のフッ素原子含有量の分布曲線で、上記フッ素原子含有量が上記表面で最大値を示し、上記深さの増加と共に漸減する撥水性透明フィルムの製造方法。 - 上記埋設工程が、上記基材を一対のロールに巻き付ける工程と、上記一対のロール間の放電によりプラズマを発生させる工程とを含む請求項11に記載の撥水性透明フィルムの製造方法。
- 上記放電を、上記一対のロールの電位の極性を交互に反転させて行う請求項12に記載の撥水性透明フィルムの製造方法。
- 上記プラズマ発生工程で、上記一対のロールの内部に含まれる磁場発生手段により、上記一対のロールの表面に磁場を形成させる請求項13に記載の撥水性透明フィルムの製造方法。
- 上記プラズマ処理に用いられる撥水処理用ガスが、フッ素原子を含む請求項11から請求項14のいずれか1項に記載の撥水性透明フィルムの製造方法。
- 上記撥水処理用ガスがパーフルオロカーボンを含む請求項15に記載の撥水性透明フィルムの製造方法。
- 上記パーフルオロカーボンがパーフルオロメタンである請求項16に記載の撥水性透明フィルムの製造方法。
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WO2020241696A1 (ja) | 2019-05-28 | 2020-12-03 | 住友電気工業株式会社 | 光ファイバテープ心線、光ファイバケーブルおよび光ファイバテープ心線の製造方法 |
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2018
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WO2020241696A1 (ja) | 2019-05-28 | 2020-12-03 | 住友電気工業株式会社 | 光ファイバテープ心線、光ファイバケーブルおよび光ファイバテープ心線の製造方法 |
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