JP2008018681A - 高比表面積ガスバリア積層体およびこれを用いた難燃性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、簡易な工程で製造可能であり、かつ高い放熱性を有すると共に、高いガス遮断性能を保有する難燃性フィルムを提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、表面に微細な凹凸を有する高分子基材と、前記高分子基材上に気相法により形成された撥水層とを有することを特徴とする、高比表面積積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、高比表面積ガスバリア積層体およびこれを用いた難燃性フィルムに関するものである。さらに詳細には、本発明は、簡易な工程で製造可能であり、かつ高い放熱性を有すると共に、高い気体遮断性能を保有する難燃性フィルムに用いることができる、疎水性物質からなる高比表面積積層体を用いた難燃性フィルムに関する。
難燃性フィルムには、高い難燃性が求められており、用途によっては耐水性や水滴の付着防止の観点から撥水性も求められることがある。そこで、従来より高分子基材の表面に撥水性を付与する方法として基材の表面に疎水性物質であるフッ素系やシリコーン系等の撥水被膜を形成する方法が知られている。しかし、ハロゲン系難燃剤や燐化合物の難燃剤は、シートへの成型加工時や成型品焼却時に、臭化水素や塩化水素などのハロゲン化合物の気体が発生し、機器の腐食や人体への影響、ダイオキシン発生による環境汚染の問題を抱えている。また、珪素化合物の難燃剤は添加量を多くせねば性能が得られず、透明性などの外観や機械特性を損ねる。そこで、簡易な工程で製造可能であり、かつ高い放熱性を有すると共に、高いガス遮断性能を保有する難燃性フィルムの提供が望まれている。
さらに、表面に撥水性を付与する方法として、レーザーやウェットエッチング等により表面に微細な凹凸形状を作製することにより、空気層を導入し、撥水性を向上させる方法が知られている。しかしながら、この方法では、基材が限定されることや、装置が大きく高価であることからコストがかかる等の問題があった。
特開2005−119260号公報 特開2004−017591号公報 特開2005−096312号公報
そこで、簡易な工程で製造可能であり、かつ高い放熱性と表面撥水性を有すると共に、高いガス遮断性能を保有する難燃性フィルムの提供が望まれている。
本発明における高比表面積積層体は、表面に微細な凹凸を有する高分子基材と、前記高分子基材上に形成された撥水層とを有することを特徴とするもの、である。
このような本発明による高比表面積積層体は、好ましくは、前記高分子基材の表面における比表面積が1.1〜1.5の範囲内であるもの、を包含する。また、前記気体遮断層が、JIS−K7126に準拠する酸素透過度が3cm/mday以下であるもの、を包含する。
このような本発明による高比表面積積層体は、好ましくは、前記気体遮断層が珪素骨格にアルキル基を有する有機膜、アルミ骨格にアルキル基を有する有機膜、金属骨格からなりアルキル基を有する有機膜、炭素および水素から構成される有機膜からなるもの、を包含する。
このような本発明による高比表面積積層体は、好ましくは、前記気体遮断層が自己組織化単分子膜であるもの、を包含する。
そして、本発明による難燃性フィルムは、高比表面積積層体は、前記いずれかの高比表面積積層体を具備することを特徴とするもの、である。
また、本発明による難燃性フィルムの製造方法は、高分子基材表面に、ドライエッチングによって表面粗さが5〜200nmの範囲内の凹凸を形成する凹凸形成工程と、
前記凹凸を形成した高分子基材上に気相法によって膜厚が1〜150nmの範囲内である気体遮断層を形成する工程とを有することを特徴とするもの、である。
本発明における高比表面積積層体は、表面に微細な凹凸を有する高分子基材と、前記高分子基材上に形成された気体遮断層とを有することを特徴とするものであることから、高い放熱性と気体遮断性を有するものであって、かつ簡易な工程で製造可能なものである。
本発明は、簡易な工程で製造可能であり、かつ高い気体遮断性を有する高比表面積積層体およびその製造方法に関するものである。以下、これらについてわけて説明する。
1.高比表面積積層体
本発明における高比表面積積層体は、表面に微細な凹凸を有する高分子基材と、前記高分子基材上に気相法により形成された気体遮断層とを有することを特徴とするものである。本発明においては、表面に微細な凹凸を有する高分子基材上に、気体遮断層を形成することにより、高比表面積積層体表面も凹凸を有する形状とすることが可能であり、その表面の凹凸および気体遮断層による気体遮断性との両方の効果により、高い難燃性を有する高比表面積積層体とすることが可能となるのである。
以下、上記の高比表面積積層体の構成についてそれぞれ説明する。
<高分子基材>
本発明に用いられる高分子基材としては、表面に微細な凹凸を有する高分子基材であり、この微細な凹凸で撥水性を発現することのできるものであれば、特にその樹脂の種類等は限定されるものではなく、用途に応じて透明なものであっても、不透明なものであってもよく、フィルム状であっても、板状であってもよく、さらに、ガラスやシリコンウエハーのような固体表面を高分子によりコーティングした基材でも良い。
本発明に使用できる高分子基材の好ましい具体例としては、例えば、
・ポリオレフィン(PO)樹脂、例えばエチレン、ポリプロピレン、ブテン等の単独重合体または共重合体等、
・環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン樹脂(APO)、
・ポリエステル系樹脂、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン2,6−ナフタレート(PEN)等、
・ポリアミド系(PA)樹脂、例えば、ナイロン6、ナイロン12、共重合ナイロン等、
・ポリビニルアルコール系樹脂、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等、
・ポリイミド(PI)樹脂、
・ポリエーテルイミド(PEI)樹脂、
・ポリサルホン(PS)樹脂、
・ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、
・ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、
・ポリカーボネート(PC)樹脂、
・ポリビニルブチラート(PVB)樹脂、
・ポリアリレート(PAR)樹脂、
・フッ素系樹脂、例えば、エチレン−四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、三フッ化塩化エチレン(PFA)、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニル(PVF)、パーフルオロエチレン1−パーフロロプロピレン−パーフロロビニルエーテル共重合体(EPA)、等を用いることができる。そして、上記樹脂を主成分とする共重合樹脂、或いは混合体(アロイを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。
また、上記に挙げた樹脂以外にも、ラジカル反応性不飽和化合物を有するアクリレート化合物によりなる樹脂組成物や、上記アクリルレート化合物とチオール基を有するメルカプト化合物よりなる樹脂組成物、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート等のオリゴマーを多官能アクリレートモノマーに溶解せしめた樹脂組成物等の光硬化性樹脂およびこれらの混合物等を用いることも可能である。さらに、これらの樹脂の1種または2種以上をラミネート、コーティング等の手段によって積層させたものを基材として用いることも可能である。さらに、ガラスやシリコンウエハーのような固体表面にこれらの樹脂をコーティングした基材でも良い。
上記の高分子基材の中でも、特に高分子基材表面にプラズマ照射することにより、上記高分子基材表面に微細な凹凸が形成される材料であることが好ましい。上記高分子基材が、プラズマ照射により表面に微細な凹凸が形成される材料であることにより、上記の高分子基材表面の微細な凹凸を、プラズマ照射により得ることが可能となり、製造効率やコストの面からも好ましいからである。
本発明における高分子基材は、未延伸のものでも良いが、延伸されたものが好ましい。上記高分子基材が延伸されることで、規則的な配向が可能となり、表面全体に凹凸が規則的に形成されやすく、その凹凸によって、より高度の撥水性とすることが可能となるからである。なお、未延伸の場合にも、ランダムな凹凸が形成されるため、撥水性を高めることが可能となる。
具体的な延伸の方法としては、未延伸の基材を一軸延伸、テンター式逐次二軸延伸、テンター式同時二軸延伸、チューブラー式同時二軸延伸などの公知の方法により、基材の流れ(縦軸)方向、または基材の流れ方向と直角(横軸)方向に延伸することにより延伸基材を製造することができる。この場合の延伸倍率は、基材の原料となる樹脂に合わせて適宜選択することできるが、縦軸方向および横軸方向にそれぞれ2〜10倍が好ましい。
さらに、本発明の高分子基材は、上述した高分子基材の中でも特に、ポリエステル樹脂またはポリカーボネートであることが好ましい。また、ポリエステル樹脂の中でも特にポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートであることが好ましい。上記高分子基材が、これらの物質であることにより、微細な表面凹凸の形成が容易であり、さらに加工が容易である等の性質から、様々な用途に使用することが可能であり、高比表面積積層体を様々な用途に使用することが可能となるからである。
ここで、高分子基材の凹凸の形成方法や凹凸の形状等は特に限定されるものではないが、上記の高分子基材表面に形成された凹凸として、比表面積が1.05〜1.7、中でも1.1〜1.5、特に1.1〜1.3の範囲内であることが好ましい。比表面積が1.05未満である場合には表面平坦性が高く、放熱性に欠ける形状であり、一方、1.7を超過する場合には耐擦性が低下することから好ましくない。上記高分子基材表面の比表面積が、上記範囲内であることにより、高い放熱性及び耐擦性を発現することが可能であるからである。本発明における放熱性は、電子機器に用いられるヒートシンクと同様の原理に基づくものであり、物質が持つ熱量に対する比表面積が大きい程、外部媒体への熱拡散現象が大きくなることを利用している。この為、良好な放熱性を得るためには比表面積が大きいことが必要となる。また、燃焼の三要素である熱/可燃物質/支燃物質のうち、熱による温度上昇を抑制することで、難燃性を向上させるものである。
ここで、比表面積は、JIS−B−0601に準拠し、nm単位の測定ができる卓上小型プローブ顕微鏡(セイコーインスツルメンツ社製、商品名Nanopics1000)を用いて、Contactモードで、測定時の基準長さは100μmとして測定したものである。
そして、本発明における高分子基材は、酸素透過度が3.0cm/mday以下、特に1.0cm/mday以下であることが好ましい。ここで、酸素透過度とは、JIS規格に基づくものであって、具体的にはJIS−K7126に準拠する測定手法を用い、単位辺りの酸素透過度を求める。酸素透過度は3.0cm/mdayを超える場合は、支燃防止の観点から好ましくない。
高分子基材表面への凹凸の形成方法は任意であって、本発明ではドライエッチングおよびウエットエッチングのいずれも採用することができる。本発明では、ドライエッチング例えばプラズマ照射によるエッチングや、反応性イオンエッチング、 スパッタエッチング、光エッチング、グロー放電処理、イオン注入処理等が好ましい。中でも、プラズマによるエッチングを用いる方法が好ましく、特には酸素原子を含んだガスを用いるプラズマによるエッチング法を用いることが好ましく、とりわけ酸素プラズマによるエッチングが好ましい。
プラズマによるエッチングを用いた高分子基材表面への凹凸形成は、簡易な工程で行うことが可能であり、製造効率やコストの面からも好ましいからである。また、中でも酸素原子を含んだガスを用いるプラズマによるエッチングを用いることにより、高分子基材表面に親水基を導入することが可能であり、親水基の導入された高分子基材上に後述する気体遮断層を設けることにより、気体遮断層と高分子基材の密着性が向上し、機械的特性の良好な高比表面積積層体を製造することが可能となるからである。
<気体遮断層>
本発明における気体遮断層は、上述した表面凹凸を形成した高分子基材上にガスバリア性を有する層であれば、その原材料等は特に限定されるものではないが、上記気体遮断層は、酸素透過度が3.0cm/mday以下であることが好ましい。更には、1.0cm/mday以下であることが好ましい。上記気体遮断層が、平坦な基板上に形成された場合と異なり、表面凹凸全体を被覆できることが可能となり、支燃性気体である酸素の透過を抑制することができるからである。特に、酸素を透過しない緻密性の高い材料及び製造方法を用いることが好ましい。これは、燃焼の三要素である熱/可燃物質/支燃物質のうち、可燃物質の濃度を抑制することで、難燃性を向上させるものである。
さらに本発明の気体遮断層は、気相法により形成された気体遮断膜、または自己組織化単分子膜であることが好ましい。以下、これらについてわけて説明する。
(1)気相法により形成された気体遮断膜
まず、上記気相法により形成された気体遮断膜について説明する。
本発明における気相法により形成された気体遮断膜とは、金属骨格からなるアルキル基或いはアルコキシド基を有する有機膜であり、上述したような気体遮断性を有する層であれば、製法等は特に限定されるものではないが、基材に対して熱的なダメージを与えずに形成でき、且つ表面凹凸への高い被覆性の観点からCVD法により形成された撥水層であることが特に好ましいといえる。
以下、金属骨格からなりアルキル基或いはアルコキシド基を有する有機膜について、それぞれ説明する。なお、ここで記載したアルキル基は、炭素数が1〜30の範囲内のものが好ましく、中でも炭素数1〜6、特に炭素数が1のメチル基、あるいは2のエチル基が最も好ましい。
(イ)金属骨格からなりアルキル基を有する有機膜
このような有機膜の金属骨格としては、Si、TiおよびAl等を挙げることができる。具体的な材料としては、SixOyCzHαで示される有機シリコン系材料、またはプラズマCVD、Hot−Wire CVD法、プラズマ重合法を用いたこれら重合膜を挙げることができる。ここで、原材料に有機成分が混入しているが、形成された薄膜中に有機成分を残さずに、SiOvCw(v=1.5〜2.0、w=0.1〜0.5)とすることも可能なである。ここで、xは1.0〜2.0、yは0.5〜1.5、zは0.5〜2.0、αは1.0〜7.5を意味する。
(ロ)炭素および水素(CおよびH)のみから構成される有機膜
具体的には、炭化水素系材料またはその重合膜を挙げることができる。このような膜の製造方法としては、プラズマCVD法(プラズマ重合法)を用いてもよく、またポリエチレン等のポリオレフィン材料をPVD法により蒸着するようにしたものであってもよい。
本発明において、上述したように気体遮断膜を形成するに際して、特に好ましい材料としては、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO;(CHSiOSi(CH)、テトラメチルジシロキサン(TMDSO;(CHHSiOSiH(CH)、テトラメチルシラン(TMS;Si(CH)、C、C、CH、C、ポリエチレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等を挙げることができる。
ここで、上記気体遮断膜が酸素原子を含有する酸化珪素膜である場合には、気体遮断膜中の酸素原子の濃度が、Si原子数100に対して0〜100、特に0〜50の範囲内であることが好ましい。酸素原子は、水分子と水素結合を容易に形成することから、気体遮断膜中に酸素原子を有することにより、水分子を引き寄せ、気体遮断性が低下する原因となる。上記気体遮断膜において、酸素原子の濃度が上述した範囲内であることから、酸素原子による気体遮断性の低下を抑えることが可能となり、積層体を気体遮断性の高いものとすることが可能となるからである。
ここで、本発明の撥水膜の各部分における成分割合は、XPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)で測定された値である。XPSによる分析法を以下説明する。真空中で固体表面にX 線を照射すると、X線によりエネルギーを与えられた表面原子から電子が飛散する。この電子は、X線などの光照射によって発生するため光電子と呼ばれ、この光電子は、元素固有のエネルギーを有することから、エネルギー分布を測定することにより元素の定性分析や定量分析が可能となる。また、表面から深いところで発生した光電子は、表面に出てくる前にそのエネルギーを失うため測定が困難であり、1000eVの運動エネルギーを有する電子の脱出深さは、数nm(数十原子層)であることから、最表面の情報を得ることが可能となる。さらに、深部を測定するためには、表面をアルゴン等のイオンによりスパッタリングする必要があり、元素の種類により選択的なスパッタリングが生じるので、定量の際には補正が必要となる。
また、上述した気相法により形成された撥水膜における好適な膜厚は、1nm〜150nmの範囲内、中でも1nm〜100nm、特に1nm〜50nmの範囲内であることが好ましい。
撥水膜の膜厚が、上記範囲より薄い場合は、例えば撥水膜が形成されない部分が生じる等の撥水層としての機能を発揮できない可能性が生じることから好ましくなく、上記範囲より膜厚を厚くしても、撥水性を向上させないことからコスト面で問題となる可能性があるため好ましくない。
(2)自己組織化単分子膜
次に、本発明における上記撥水層は、自己組織化単分子膜であってもよく、以下、この自己組織化単分子膜について説明する。
自己組織化単分子膜とは、固体/液体もしくは固体/気体界面で、有機分子同士が自発的に集合し、会合体を形成しながら自発的に単分子膜を形作っていく有機薄膜である。例として、ある特定の材料でできた基板を、その基板材料と化学的親和性の高い有機分子の溶液または蒸気にさらすと、有機分子は基板表面で化学反応し吸着する。その有機分子が、化学的親和性の高い官能基と、基板との化学反応を全く起こさないアルキル基との2つのパートからなり、親和性の高い官能基がその末端にある場合、分子は反応性末端が基板側を向き、アルキル基が外側を向いて吸着する。アルキル基同士が集合すると、全体として安定になるため、化学吸着の過程で有機分子同士は自発的に集合する。分子の吸着には、基板と末端官能基との間で化学反応が起こることが必要であることから、いったん基板表面が有機分子でおおわれ単分子膜ができあがると、それ以降は分子の吸着は起こらない。その結果、分子が密に集合し、配向性のそろった有機単分子膜ができる。このような膜を本発明においては、自己組織化単分子膜とする。ここで、上記の基板と結合する反応性末端基を吸着基、外側を向いて配向する基を配向基とする。
上記撥水層が上述したような自己組織化単分子膜であることにより、上述した高分子基材の凹凸に沿って、単分子で膜を形成することが可能であり、上記高分子基材の凹凸、および自己組織化単分子膜の配向基の撥水性により高比表面積積層体とすることが可能となるのである。
ここで、上記自己組織化単分子膜は、下記の一般式(1)で示される化合物を原材料として形成されたものであることが好ましい。
上記に示した自己組織化単分子膜形成物質の具体的な例として、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクタデシルメチルジエトキシシラン、オクタデシルジメチルメトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシラン、オクタデシルジメチル(ジメチルアミノ)シラン、オクテニルトリメトキシシラン、オクチルメチルジエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン、フェニルジエトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシランであることが好ましい。
本発明においては、中でもオクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクテニルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ペンチルトリエトキシシラン、フェネチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、イソブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、が好ましく、特にオクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシランが好ましい。
<高比表面積積層体>
本発明における高比表面積積層体は、上述した高分子基材上に、上述した気体遮断層を形成したものであれば、用途に合わせて透明であっても、不透明であってもよい。
また、本発明においては、高比表面積積層体の比表面積が1.05〜1.7、中でも1.1〜1.5、特に1.1〜1.3の範囲内であることが好ましい。高比表面積積層体の比表面積が上記の範囲内であることにより、比表面積に依存する放熱性と支燃性気体である酸素の気体遮断性との両方の効果により、難燃性を発現することが可能となるからである。なお、ここでいう比表面積は、上述した方法により測定されたものである。
また、本発明においては、上記高比表面積積層体の酸素透過度が3.0cm/mday以下、特に1.0cm/mday以下であることが好ましい。高比表面積積層体の酸素透過度を上記範囲とすることにより、高い難燃性の要求される様々な用途に使用することが可能となるからである。なお、ここでいう酸素透過度の測定方法は、上述した方法により測定されたものである。
2.高比表面積積層体の製造方法
本発明の高比表面積積層体の製造方法は、高分子基材表面に、ドライエッチングにより凹凸を形成する凹凸形成工程と、前記凹凸を形成した高分子基材上に気相法により気体遮断層を形成する気体遮断層形成工程とを有することを特徴とする方法である。本発明によれば、高分子基材表面のドライエッチングにより、凹凸を形成する凹凸形成工程を有することによって、高比表面積積層体の表面に凹凸を形成することが可能となり、高い難燃性を付与することが可能となるのである。また、上記凹凸形成工程により凹凸を形成した高分子基材上に、気相法により気体遮断層を形成することにより、上記凹凸形成工程で形成した凹凸を平坦化することなく、気体遮断層を形成することが可能となることから、上記の表面凹凸、および気体遮断層の効果により、高い難燃性を有する高比表面積積層体を形成することが可能となるのである。
以下、上記の高比表面積積層体の製造方法について、詳しく説明する。
<凹凸形成工程>
本発明における凹凸形成工程は、高分子基材表面にドライエッチングにより、比表面積が1.05〜1.7、中でも1.1〜1.5、特に1.1〜1.3の範囲内の凹凸を形成する工程である。なお、ここでいう比表面積は、上述した方法により測定されたものである。
本発明における高分子基材比表面積が、上記範囲内であることにより、高い放熱性を発現することが可能であり、さらに後述する気体遮断層形成工程により、高分子基材上に気体遮断層を形成した際にも、気体遮断層により平坦化される可能性が少ないからである。
また、本発明に用いられる高分子基材は、凹凸の形成が可能な樹脂基材であれば、特に限定されるものではなく、中でも、均一な凹凸が形成可能であるという面から、上記高分子基材が延伸されたものであることが好ましい。本発明における高分子基材の種類や、延伸の具体的な方法は、高比表面積積層体の高分子基材の項で述べたものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本発明の凹凸形成工程において用いられるドライエッチングは、プラズマエッチングやスパッタエッチング等を挙げることができ、上記の範囲内の比表面積を形成可能な方法であれば特に限定されるものではないが、中でも酸素原子を含んだガスを用いるプラズマによるエッチング法を用いた工程であることが好ましい。本発明において、酸素原子を含んだガスとは、例としては、NO、CO、オゾン、又はO等の気体やNO(100ppm)−He等の混合気体である。上記凹凸形成工程に、酸素原子を含んだガスを用いるプラズマによるエッチング法を用いることによって、高分子基材表面に凹凸を形成するのと同時に、プラズマ中の酸素と高分子基材表面において反応が行われ、高分子基材表面に−OH基が導入される。これにより、高分子基材表面と後述する気体遮断層形成工程により形成される気体遮断層との密着性を向上させることができ、高い難燃性を有する積層体を製造することが可能となるからである。
上記の酸素原子を含んだガスを用いるプラズマによるエッチング法の中でも、本発明では特に酸素プラズマによるエッチングを用いることが好ましい。本発明において好適に用いられる酸素プラズマによるエッチング法とは、具体的には酸素プラズマによる分解生成された活性な分子、ここでは活性酸素種(原子および分子を含む広義のラジカル)による化学的効果と基材表面に形成されるイオン・シースで加速されたイオンによる物理的効果とその相乗効果によるエッチング技術である。
<気体遮断層形成工程>
本発明における気体遮断層形成工程は、上述した凹凸形成工程により凹凸が形成された高分子基材上に、気相法により、厚さが1〜150nm、好ましくは1〜100nm、特に1〜50nm、更に好ましくは3〜30nmの範囲内である気体遮断層を形成する工程である。
本発明の撥水層は、気相法により形成された気体遮断膜、または自己組織化単分子膜であることが好ましく、以下にこれらの気体遮断層の形成方法について説明する。
(1) 気相法により形成された気体遮断膜
まず、気体遮断層が、気相法により形成される気体遮断膜である場合の気体遮断層形成工程について説明する。
本発明における気相法とは、PVD法であっても、CVD法であってもよく、気相を介して行う成膜法であれば、特に限定されるものではないが、表面凹凸に対する被覆性からプラズマCVD法、熱CVD法、Hot−Wire CVD法が好ましいが、特にはプラズマCVD法により行うことが好ましい。
プラズマCVD法は、高分子基材に熱的ダメージが加わらない程度の低温(およそ−10〜200℃程度の範囲)で所望の材料を成膜でき、さらに原料ガスの種類・流量、成膜圧力、投入電力によって、得られる膜の種類や物性を制御できるという利点があることから、上述した基材等に熱的ダメージを与える可能性が少なく、本発明においては、上述した凹凸形成工程により形成された高分子基材の表面の凹凸を平坦化する可能性が少ないことから、基材として例えば熱的耐性の弱い高分子基材等を使用することが可能となり、種々の用途に使用できる高比表面積積層体とすることが可能となるからである。
本発明における具体的な成膜方法としては、まず成膜時の基材の温度が−20〜100℃の範囲内、好ましくは−10〜50℃の範囲内とする。次に原料ガスとして下記のいずれかの材料を用い、プラズマCVD装置のプラズマ発生手段における単位面積当たりの投入電力を有機薄膜が形成可能な大きさで設定し、成膜圧力をパーティクルの発生がない程度の高い圧力(50〜300mTorr)の範囲で設定する。また、マグネット等プラズマの閉じ込め空間を形成しその反応性を高めることにより、その効果がより高く得られる。
ここで、本発明の気体遮断膜としては、
(イ)アルキル基のリッチな薄膜
(ロ)C 、Hのみで構成される炭化水素膜
のいずれかであることが好ましく、上記の方法により撥水性の高い膜を形成できる。以下、これらに用いられる原料ガスについて説明する。
(イ)アルキルリッチ有機膜形成の場合
有機珪素化合物ガスとしては、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、テトラメチルシラン(TMS)、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、テトラメトキシシラン(TMOS)、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザンを好ましく用いることができる他、テトラメチルジシロキサン、ノルマルメチルトリメトキシシラン等の従来公知のものを、一種または二種以上用いることができる。
しかしながら、この場合は、アルキルリッチな膜を形成する目的から、特に分子内に炭素−珪素結合を多くもつ有機珪素化合物が好適に用いられる。具体的には、ヘキサメチルジシロキサン(HMDSO)、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン(TMDSO)、テトラメチルシラン(TMS)、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等を挙げることができ、中でも分子内に炭素− 珪素結合を多く有するヘキサメチルジシロキサン(HMDSO;(CHSiOSi(CH)、テトラメチルジシロキサン(TMDSO;(CHHSiOSiH(CH)、テトラメチルシラン(TMS;Si(CH)が好ましいといえる。
(ロ)炭化水素系材料の場合
炭化水素系材料として、好ましい材料は、CH、C、C、およびCを挙げることができ、特に好ましくは、C 、およびCを挙げることができる。
このように、原料ガスのうち有機珪素化合物ガスとして炭素−珪素結合を多く有する有機化合物を用い、さらに上述したような開始時の基材の温度、原料ガスの流量比、さらにはプラズマ発生手段における投入電力、成膜圧力を上述した範囲内とすることにより、より優れた撥水性膜が得られるのは、有機珪素化合物ガスの分解性が低く、膜中にアルキル基またはフッ素が取り込まれやすくなるから((イ)の場合)、もしくは膜がCH結合のみで構成される結果として撥水効果の高い膜が得られるから((ロ)の場合)と考えられる。なお、ここでいうアルキルとは、炭素数が1〜30の範囲内のものが好ましく、中でも炭素数が1〜6、特に1のメチル基あるいは2のエチル基が最も好ましい。
(2)自己組織化単分子膜
次に、本発明における撥水層が、自己組織化単分子膜(SAM:Self-assembly monolayer)である場合について説明する。本発明における自己組織化単分子膜の形成方法は特に限定されるものではないが、特に熱CVD法により形成することが好ましい。自己組織化単分子膜を形成する工程が、熱CVD法であることにより、熱CVD法では、原料となる物質を気化し、基材上に均一になるように材料を送り込み、酸化、還元、置換等の反応を行わせることから、上記高分子基材の凹凸上にも均一に自己組織化単分子膜を形成することが可能であり、上記高分子基材表面に形成された凹凸を平坦化することなく、撥水層を形成することが可能である。
本発明における熱CVD法の好ましい成膜条件としては、上述した高分子基材の耐熱温度以下であれば、高ければ高いほどよいが、50℃〜200℃の範囲内であることが好ましい。また、反応系中に水分、あるいは酸素が含まれることが、上記自己組織化単分子膜形成物質のアルコキシ基の加水分解反応がより促進され、基材との反応性が高くなることから好ましい。
本発明における熱CVD法による自己組織化単分子膜の材料としては、上述した高比表面積積層体の撥水層の自己組織化単分子膜の記載と同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(表面凹凸形成)
PET基材を容量結合型高周波プラズマ装置により下記の方法により、酸素プラズマエッチングした。まず、PET基材をチャンバー中に設置した後、 減圧手段により反応チャンバー内を1.0×10−3Pa以下まで真空にした。基材には25μmの東洋紡エステルE5000(東洋紡績社製、PETフィルム商品名)を使用した。次いで、酸素原子を含むガスとしてAr/酸素混合ガスを用い、 チャンバー中に5Pa導入した。プラズマ生成には13.56MHzの高周波を用いた。300Wの電力で、10分間酸素プラズマエッチングを実施した。エッチング後のPET表面の比表面積は1.3であった。表面粗さの測定は、原子間力顕微鏡(セイコーインスツルメンツ社製;SPI3800N)を用いて、コンタクトモードで測定された。
(熱CVD工程による撥水層形成;自己組織化単分子膜成膜)
上述した酸素プラズマエッチングされたPET基材と、ガラス容器に入れたオクタデシルトリメトキシシラン(ODS)(東京化成工業(株)社製 00256)約0.2mlを、テフロンODS−SAM成膜後、酸素透過度および膜厚を測定したところ、表1の結果を得た。
ODS−SAM成膜後、 XPSにより膜特性を評価したところ、膜中からSiおよびCの存在が確認された。なお、XPSによる評価は、MgKα使用、15kV、20mA(300W)という条件下で、XPS 220iXL(ESCALAB社製)を用い実施された。
得られた高比表面積積層体を、下記の評価方法によって評価した。結果は、表1に示される通りである。
[実施例2]
(表面凹凸形状形成)
実施例1と同様にしてPET上に凹凸を形成した。
(プラズマCVD工程による撥水層形成;シリカ系薄膜成膜)
酸素プラズマエッチング工程に引き続き、エッチングされたPET基材上に、シリカ系薄膜(SiOxCyHz系薄膜)を容量結合型高周波プラズマCVDにより成膜した。プラズマエッチング後、再度チャンバー内の真空度を1.0×10−3Pa以下にした後、原料ガスを反応チャンバー内に導入した。原料ガスとしては、有機珪素化合物としてテトラエトキシシラン(チッソ(株)社製 T2050)を用いた。チャンバー全圧が10Paとなるように圧力を調整した。プラズマ生成、原料分解には13.56MHzの高周波を用いた。成膜時間15秒間、300Wの電力でシリカ系薄膜を成膜して、本発明による高比表面積積層体を製造した。
成膜中、基材表面温度は50℃ 以下であった。シリカ系薄膜成膜後、酸素透過度および膜厚を測定したところ、表1の結果を得た。
シリカ成膜後、XPSにより膜特性を評価したところ、膜中からSi、O、C、Hの存在が確認された。Hはアルキル基などの炭素骨格に含まれて観測された。
得られた高比表面積積層体を、下記の評価方法によって評価した。結果は、表1に示される通りである。
[比較例1]
酸素プラズマエッチングを実施せずに、ODS−SAMをPET基材上に形成(ODS−SAM成膜は実施例1と同様)したところ、表1の結果を得た。
[比較例2]
酸素プラズマエッチングを実施せずに、シリカ系薄膜をPET基材上に形成(シリカ系薄膜作製は実施例2と同様)したところ、表1の結果を得た。
(評価方法)
評価は、燃焼性試験、酸素透過度、比表面積、ヘイズ、全光線透過率、引張破壊強さ、引張破壊伸び、引張弾性率で行った。
(1)燃焼性試験は、アンダーラボラトリーズ社発行のプラスチック材料の燃焼性試験規格UL94の垂直燃焼試験方法に準じ、UL94VTMランクを判定した。
(2)酸素透過度はJIS−K7126に準拠し、(3)透湿度は、JIS−K7129に準拠し、(4)ヘイズはJIS−K7125に準拠し、(5)全光線透過率はJIS−K7125に準拠し、(6)引張破壊強さ、(7)引張破壊伸び、及び(8)引張弾性率は、JIS−K7127に準拠し、縦方向のみを測定した。なお、金属酸化物膜厚は蛍光X線法で測定した。
(3)何れの実施例でもVTM−0であった。
Figure 2008018681

Claims (7)

  1. 表面に微細な凹凸を有する高分子基材と、
    前記高分子基材上に形成された気体遮断層とを有することを特徴とする、高比表面積ガスバリア積層体。
  2. 前記高分子基材の表面における比表面積が1.1〜1.5の範囲内である、請求項1に記載の高比表面積ガスバリア積層体。
  3. 前記気体遮断層が、JIS−K7126に準拠する酸素透過度が3cm/mday以下である、請求項1または2に記載の高比表面積ガスバリア積層体。
  4. 前記気体遮断層が、金属骨格からなりアルキル基を有する有機膜、炭素および水素から構成される有機膜からなる、請求項1〜3のいずれかの1項に記載の高比表面積ガスバリア積層体。
  5. 前記気体遮断層が、自己組織化単分子膜である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の高比表面積ガスバリア積層体。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の高比表面積ガスバリア積層体を具備することを特徴とする、難燃性フィルム。
  7. 高分子基材表面に、ドライエッチングによって表面粗さが5〜200nmの範囲内の凹凸を形成する凹凸形成工程と、
    前記凹凸を形成した高分子基材上に気相法によって膜厚が1〜150nmの範囲内であるガスバリア層を形成する工程とを有することを特徴とする、難燃性フィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017013330A (ja) * 2015-06-30 2017-01-19 太陽誘電ケミカルテクノロジー株式会社 印刷用孔版及びその製造方法
JP2017185703A (ja) * 2016-04-06 2017-10-12 凸版印刷株式会社 ガスバリア性積層体

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