以下、本発明の一実施形態に係る部品実装装置について図面に基づいて説明する。なお、以下では、方向関係についてはXYZ直交座標軸を用いて説明する。X方向は水平面と平行な方向であり、Y方向は水平面上でX方向と直交する方向であり、Z方向はX、Y両方向に直交する上下方向である。また、X方向の一方向側を「+X側」と称し、X方向の一方向側とは反対の他方向側を「−X側」と称する。また、Y方向の一方向側を「+Y側」と称し、Y方向の一方向側とは反対の他方向側を「−Y側」と称する。また、Z方向の一方向側を「+Z側」と称し、Z方向の一方向側とは反対の他方向側を「−Z側」と称する。
<部品実装装置の構造>
図1は、本発明の一実施形態に係る部品実装装置1の構成を示す平面図である。部品実装装置1は、基板Pに部品を搭載(実装)して電子回路基板を生産する装置である。部品実装装置1は、装置本体1aと、移動フレーム2と、基板搬送部3と、部品供給装置5が装着される部品供給ユニット4と、ヘッドユニット6と、第1駆動機構7と、第2駆動機構8と、撮像装置9とを備える。
装置本体1aは、部品実装装置1を構成する各部が配置される構造体であり、Z方向から見た平面視で略矩形状に形成されている。基板搬送部3は、装置本体1aに配置され、X方向に延びるコンベアである。基板搬送部3は、基板PをX方向に搬送する。基板Pは、基板搬送部3により搬送されて、所定の部品搭載位置(基板P上に部品が搭載される位置)に位置決めされるようになっている。
部品供給ユニット4は、装置本体1aにおけるY方向の+Y側及び−Y側の領域部分にそれぞれ、X方向に2箇所ずつ合計4箇所に配置される。部品供給ユニット4は、装置本体1aにおいて、部品供給装置5が複数並設された状態で装着される領域であって、後述のヘッドユニット6に備えられる保持具である吸着ノズル63による吸着対象の部品毎に、各部品供給装置5のセット位置が区画されている。
部品供給装置5は、装置本体1aの部品供給ユニット4に着脱自在に装着されている。部品供給装置5は、テープを担体(キャリア)として、IC、トランジスタ、コンデンサ等の小片状の電子部品(以下、単に部品と称す)を供給するテープフィーダーである。この部品供給装置5について、図2乃至図5を参照して説明する。図2は、部品実装装置1に備えられる部品供給装置5を概略的に示す図である。図3は、部品供給装置5に備えられるテープガイド45の構成を示す図である。図4は、部品供給装置5に装着される部品収納テープ100の斜視図である。図5は、部品収納テープ100に収納される部品Eの側面図である。
部品供給装置5は、部品供給ユニット4に設けられた取付部31に取り付けられている。取付部31には、X方向に一定間隔で並びかつY方向に互いに平行に延びる複数のスロット32と、これらスロット32よりも前側の位置でX方向に伸びる固定台33とが設けられている。そして、各スロット32に部品供給装置5がセットされ、各部品供給装置5が固定台33に固定されている。これにより、部品供給ユニット4に、複数の部品供給装置5がX方向に横並びに整列して配置されている。
部品供給装置5は、前後方向(Y方向)に細長い形状をなす本体部41を備えている。部品供給装置5は、前記スロット32に本体部41が挿入(セット)された状態で、固定台33に固定されている。
部品供給装置5は、さらに、本体部41の前端部分に備えられた第1テープ送出部42と、本体部41の後端部分に備えられた第2テープ送出部43と、本体部41に設けられたテープ通路44と、テープガイド45とを備えている。
前記テープ通路44は、部品収納テープ100を案内するための通路である。テープ通路44は、本体部41の後端部から前側上部に向かって斜め上方に延びている。部品収納部材としての部品収納テープ100は、本体部41の後端部からその内部に導入され、テープ通路44を通じて本体部41の上面前部に案内されている。
部品収納テープ100は、図4に示すように、テープ本体101とカバーテープ102とで構成された長尺のテープである。テープ本体101には、上部に開口した多数の部品収納部103(凹部)が長手方向(テープ送り方向)に一定間隔で形成されており、各部品収納部103に部品Eが収納されている。テープ本体101の上面には、前記カバーテープ102が接着されており、これにより各部品収納部103がカバーテープ102により閉鎖されている。また、テープ本体101のうち部品収納部103の側方には、長手方向に一定間隔で並びかつテープ本体101をその厚み方向に貫通する複数の嵌合孔104が設けられている。
部品供給装置5において、前記テープガイド45は、本体部41の前部上面に設けられている。テープガイド45は、テープ通路44を通過した部品収納テープ100を覆い、当該部品収納テープ100を本体部41の上面に沿って略水平に部品供給位置P1まで案内するものである。部品供給位置P1は、前記ヘッドユニット6に部品の取り出しを行わせる位置であり、本体部41の上面前端に近い位置に設定されている。
図3に示すように、テープガイド45のうち、部品供給位置P1に対応する位置には開口部45Aが設けられ、この開口部45Aよりも後方側の位置には、部品露出部451が設けられている。部品露出部451は、テープガイド45によりガイドされる部品収納テープ100の部品収納部103内において、部品Eを露出させる。部品露出部45は、挿入部4511と、刃部4512と、カバーテープ後処理部4513とを含む。
挿入部4511は、先細状に形成された薄板状の部分であり、テープガイド45によりガイドされ、先端が自由端とされた状態の部品収納テープ100に対し、テープ本体101とカバーテープ102との間に挿入される。部品露出部451において刃部4512は、挿入部4511に対してテープ送り方向の下流側に配置され、部品収納テープ100の走行に応じてカバーテープ102を、テープ送り方向に沿った直線状に切断する。部品露出部451においてカバーテープ後処理部4513は、刃部4512に対してテープ送り方向の下流側に配置され、刃部4512により切断されたカバーテープ102を押し広げる処理を行う。これにより、部品収納テープ100の部品収納部103内において、部品Eを露出させることができる。このようにして部品収納部103内において露出された部品Eは、部品供給位置P1において、テープガイド45の開口部45Aを介して、部品実装装置1におけるヘッドユニット6の吸着ノズル63により吸着されて取り出される。
第1テープ送出部42は、テープガイド45の下方に配置される第1スプロケット51と、第1モーター52と、第1モーター52の駆動力を第1スプロケット51に伝達する、複数枚の伝動ギヤからなる第1ギヤ群53とを備えている。第1スプロケット51は、テープガイド45に沿って案内される部品収納テープ100の嵌合孔104に嵌合する歯を有している。つまり、第1テープ送出部42は、第1スプロケット51を第1モーター52により回転駆動することにより、部品収納テープ100を部品供給位置P1に向かって送出する。
第2テープ送出部43は、本体部41の後端部に配置される第2スプロケット54と、第2モーター55と、第2モーター55の駆動力を第2スプロケット54に伝達する、複数枚の伝動ギヤからなる第2ギヤ群56とを備えている。第2スプロケット54は、上方から前記テープ通路44内に臨んでおり、当該テープ通路44に沿って案内される部品収納テープ100の嵌合孔104に嵌合する歯を有している。つまり、第2テープ送出部43は、第2スプロケット54を第2モーター55により回転駆動することにより、部品収納テープ100を前方(部品供給位置P1)に向かって送出する。
部品収納テープ100は、各送出部42,43により部品供給位置P1に向かって間欠的に送出され、部品供給位置P1でテープガイド45の開口部45Aを通じて部品Eの取り出しが行われる。
部品収納テープ100に収納される部品Eは、図5に示すように、セラミック基体E1と、セラミック基体E1に設けられた導体E2と、セラミック基体E2に設けられた抵抗体E3と、抵抗体E3を覆うオーバーコートE4と、セラミック基体E1の両側端部に設けられた電極E5と、を備える。部品Eにおいては、オーバーコートE4が設けられている側が上面となり、それとは反対側が下面となる。部品EにおけるオーバーコートE4側の上面は、後述のヘッドユニット6の吸着ノズル63により部品Eが保持された状態において、被保持面となる。なお、図5に示す部品Eは、部品収納テープ100に収納される部品の一例である。
次に、図1を参照して部品実装装置1に備えられる移動フレーム2は、X方向に延び、装置本体1aに、所定の移動方向(Y方向)に移動可能に支持される。この移動フレーム2にヘッドユニット6が搭載されている。ヘッドユニット6は、X方向に移動可能となるように、移動フレーム2に搭載される。すなわち、ヘッドユニット6は、移動フレーム2の移動に伴ってY方向に移動可能であり、且つ、移動フレーム2に沿ってX方向に移動可能である。ヘッドユニット6は、部品供給ユニット4に装着された部品供給装置5の部品供給位置P1と、基板搬送部3により搬送された基板Pの所定の部品搭載位置とにわたって移動可能とされ、部品供給位置P1において部品供給装置5から部品Eを取り出すとともに、その取り出した部品Eを部品搭載位置において基板P上に搭載(実装)する。ヘッドユニット6の詳細については、後述する。
第1駆動機構7は、装置本体1aの+X側及び−X側の端部に配設される。第1駆動機構7は、移動フレーム2をY方向に移動させる機構である。第1駆動機構7は、例えば、駆動モーターと、Y方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、移動フレーム2に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第1駆動機構7は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、移動フレーム2をY方向に移動させる。
第2駆動機構8は、移動フレーム2に配設される。第2駆動機構8は、ヘッドユニット6を移動フレーム2に沿ったX方向に移動させる機構である。第2駆動機構8は、第1駆動機構7と同様に、例えば、駆動モーターと、X方向に延び、駆動モーターに連結されるボールねじ軸と、ヘッドユニット6に配設されてボールねじ軸と螺合するボールナットと、を含んで構成される。このような構成の第2駆動機構8は、駆動モーターによるボールねじ軸の回転駆動に伴ってボールナットがボールねじ軸に沿って進退することにより、ヘッドユニット6をX方向に移動させる。
なお、第1駆動機構7及び第2駆動機構8は、当例では、駆動モーターによりボールねじ軸を介して移動フレーム2及びヘッドユニット6を移動させる構成である。しかし、例えばリニアモーターを駆動源として移動フレーム2やヘッドユニット6をダイレクトに駆動する構成であってもよい。
ヘッドユニット6について、図1に加えて図6及び図7を参照して説明する。図6はヘッドユニット6の側面図であり、図7はヘッドユニット6を下方から見た平面図である。ヘッドユニット6は、ヘッド本体61と、回転体62と、吸着ノズル63とを含む。ヘッド本体61は、ヘッドユニット6の本体部分を構成する。回転体62は、円柱状に形成され、回転体駆動機構65(後記の図8参照)により鉛直軸(Z方向に延びる軸)を回転中心として回転可能に、ヘッド本体61に設けられる。
回転体62の外周縁端部には、複数の吸着ノズル63が、周方向に所定の間隔をおいて配設されている。吸着ノズル63は、部品供給装置5により部品供給位置P1に供給された部品Eを吸着して保持可能な保持具である。吸着ノズル63は、電動切替弁を介して負圧発生装置、正圧発生装置及び大気の何れかに連通可能とされている。つまり、吸着ノズル63に負圧が供給されることで当該吸着ノズル63による部品Eの吸着保持(部品の取り出し)が可能となり、その後、正圧が供給されることで当該部品Eの吸着保持が解除される。なお、本実施形態では、吸着ノズル63以外の保持具として、例えば部品Eを把持して保持するチャックなどであってもよい。
吸着ノズル63は、ノズル昇降駆動機構66(後記の図8参照)により上下方向(Z方向)に昇降可能に、回転体62に設けられる。吸着ノズル63は、部品供給装置5により部品供給位置P1に供給された部品Eの保持が可能な保持位置と、保持位置に対して上方側の退避位置との間で、Z方向(上下方向)に沿って移動可能である。つまり、部品供給位置P1に供給された部品Eを保持するときには、吸着ノズル63は、ノズル昇降駆動機構66によって退避位置から保持位置へ向かって下降し、当該保持位置において部品Eを吸着保持する。一方、部品Eの吸着保持後の吸着ノズル63は、ノズル昇降駆動機構66によって保持位置から退避位置へ向かって上昇する。
また、吸着ノズル63は、保持した部品Eを基板Pに搭載可能な搭載可能位置と、搭載可能位置に対して上方側の退避位置との間で、Z方向(上下方向)に沿って移動可能である。つまり、基板搬送部3により部品搭載位置に搬送された基板Pに対して部品Eを搭載するときには、吸着ノズル63は、ノズル昇降駆動機構66によって退避位置から搭載可能位置へ向かって下降し、当該搭載可能位置において保持した部品Eを基板Pに搭載する。一方、部品Eの基板Pに対する搭載後の吸着ノズル63は、ノズル昇降駆動機構66によって搭載可能位置から退避位置へ向かって上昇する。
また、吸着ノズル63は、部品Eの吸着保持動作(退避位置から保持位置への下降動作)、並びに、基板Pに対する部品Eの搭載動作(退避位置から搭載可能位置への下降動作)において、部品Eに対する押付け荷重の調整制御が可能とされている。そして、吸着ノズル63は、部品Eに対する押付け荷重の調整制御の設定に関し、前記調整制御を実施する荷重制御実施設定と、前記調整制御を不実施とする荷重制御不実施設定との間で設定を切替え可能に構成されている。吸着ノズル63が荷重制御実施設定に設定されている場合、吸着保持動作及び搭載動作を実行する際に吸着ノズル63は、部品Eに対する押付け荷重の調整制御を実施する。一方、吸着ノズル63が荷重制御不実施設定に設定されている場合、吸着保持動作及び搭載動作を実行する際に吸着ノズル63は、部品Eに対する押付け荷重の調整制御を不実施とする。
更に、本実施形態に係る部品実装装置1は、図1、図6及び図7に示すように、撮像装置9を備えている。撮像装置9は、第1撮像部91と、第2撮像部92と、第3撮像部93とを含む。
第1撮像部91は、ヘッドユニット6のヘッド本体61の下面において、回転体62よりも外側(−X側)に取付部材64を介して固定された基板認識カメラである。第1撮像部91は、例えばCMOS(Complementary metal−oxide−semiconductor)やCCD(Charged−coupled devices)等の撮像素子を備えている。第1撮像部91は、基板Pの品種の識別や位置決めのために、ヘッドユニット6と共に移動して、基板Pの上面に記された各種マークを上方から撮像するものである。
第2撮像部92は、ヘッドユニット6のヘッド本体61の下面において、回転体62よりも外側(−X側)に取付部材64を介して固定された第1部品認識カメラである。第2撮像部92は、第1撮像部91と同様に、例えばCMOSやCCD等の撮像素子を備えている。第2撮像部92は、部品供給装置5によって部品供給位置P1に供給された部品Eを上方から撮像して、吸着ノズル63により保持される前の部品Eの画像である保持前部品画像G1(後記の図10参照)を取得する。更に、第2撮像部92は、ヘッドユニット6(吸着ノズル63)により基板Pに搭載された部品Eを上方から撮像して、基板Pに対する搭載後の部品Eの画像である搭載後部品画像G2(後記の図11参照)を取得する。なお、第2撮像部92が搭載後部品画像G2を取得するタイミングは、基板搬送部3の搬送による装置本体1aからの基板Pの搬出前である。
第3撮像部93は、装置本体1a上の各部品供給ユニット4と基板搬送部3との間の位置にそれぞれ配設された第2部品認識カメラである。第3撮像部93は、第1撮像部91及び第2撮像部92と同様に、例えばCMOSやCCD等の撮像素子を備えている。第3撮像部93は、基板Pに対する搭載前において、吸着ノズル63に吸着保持された部品Eを下方から撮像して、吸着ノズル63による保持後の部品Eの画像である保持後部品画像G3(後記の図12参照)を取得する。
<部品実装装置の制御系>
次に、部品実装装置1の制御系について、図8のブロック図を用いて説明する。部品実装装置1は、制御部10と、操作部20と、情報出力部21とを備えている。制御部10は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成されている。制御部10は、CPUがROMに記憶された制御プログラムを実行することにより、部品実装装置1の動作を統括的に制御する。制御部10は、図8に示すように、基板搬送制御部11と、部品供給制御部12と、ヘッド駆動制御部13と、動作条件記憶部14と、情報出力制御部15と、欠陥判定部16と、を含む。
基板搬送制御部11は、基板搬送部3による基板Pの搬送動作を制御する。基板搬送制御部11に制御された基板搬送部3は、部品実装装置1の装置外から装置本体1aに搬入された基板Pを部品搭載位置に向けて搬送し、当該部品搭載位置において部品Eが基板Pに搭載されると、その部品Eが搭載された基板Pを装置本体1aから装置外へ搬出する。
部品供給制御部12は、部品供給装置5による部品供給位置P1への部品Eの供給動作を制御する。
ヘッド駆動制御部13は、第1駆動機構7及び第2駆動機構8によるヘッドユニット6のX方向及びY方向に関する水平面上の移動を制御する。また、ヘッド駆動制御部13は、ノズル昇降駆動機構67による吸着ノズル63の昇降動作を制御する。更に、ヘッド駆動制御部13は、回転体駆動機構66による回転体62の回転動作を制御する。これにより、ヘッド駆動制御部13は、部品供給位置P1における吸着ノズル63による部品Eの吸着保持動作の制御と、部品搭載位置における基板Pに対する部品Eの搭載動作の制御と、を実行する。
動作条件記憶部14は、吸着ノズル63による部品Eの吸着保持動作、及び、吸着ノズル63による基板Pに対する部品Eの搭載動作の各々の動作条件を記憶する。この吸着ノズル63の動作条件に関する動作条件情報J1(図9参照)は、操作部20に対するオペレータの入力操作によって入力される。操作部20は、動作条件情報J1を入力する操作を受付ける。
ヘッド駆動制御部13は、操作部20を介して入力され、動作条件記憶部14に記憶された動作条件情報J1を参照することにより、吸着ノズル63による部品Eの吸着保持動作の制御と基板Pに対する部品Eの搭載動作の制御と、を実行する。ここで、操作部20を介して入力され、動作条件記憶部14に記憶される動作条件情報J1について、図9を参照して説明する。図9に示すように、動作条件情報J1は、例えば、吸着ノズル63の動作条件の項目を表す動作条件項目情報J11(動作条件項目)と、動作条件ごとの設定状況を表す設定状況情報J12とを関連付けた情報である。動作条件項目情報J11には、例えば、吸着保持高さ情報K1(吸着保持高さ)と、搭載高さ情報K2(搭載高さ)と、荷重制御設定情報K3(荷重制御設定)と、目標荷重情報K4(目標荷重)と、部品厚み情報K5(部品厚み)とが含まれる。
吸着保持高さ情報K1は、部品供給位置P1における部品Eに対する吸着ノズル63の吸着保持動作に関する動作条件を表す情報であり、ノズル昇降駆動機構66によって吸着ノズル63を退避位置から下降させる際の目標下降位置となる保持位置の高さ位置を表す情報である。図9に示す例では、吸着保持高さ情報K1に対して、設定状況情報J12として「AA」が関連付けられており、吸着ノズル63の吸着保持動作において保持位置が「AA」に設定されていることが示されている。
搭載高さ情報K2は、部品搭載位置における基板Pに対する吸着ノズル63の搭載動作に関する動作条件を表す情報であり、ノズル昇降駆動機構66によって吸着ノズル63を退避位置から下降させる際の目標下降位置となる搭載可能位置の高さ位置を表す情報である。図9に示す例では、搭載高さ情報K2に対して、設定状況情報J12として「BB」が関連付けられており、吸着ノズル63の搭載動作において搭載可能位置が「BB」に設定されていることが示されている。
荷重制御設定情報K3は、吸着ノズル63の吸着保持動作及び搭載動作における、部品Eに対する押付け荷重の調整制御の設定が、荷重制御実施設定と荷重制御不実施設定とのいずれに設定されているかを表す情報である。図9に示す例では、荷重制御設定情報K3に対して、設定状況情報J12として「荷重制御不実施設定」が関連付けられており、吸着ノズル63の押付け荷重の調整制御に関する設定が「荷重制御不実施設定」に設定されていることが示されている。
目標荷重情報K4は、吸着ノズル63が荷重制御実施設定に設定されている場合において、部品Eに対する押付け荷重の目標値を表す情報である。図9に示す例では、目標荷重情報K4に対して、設定状況情報J12として「−」が関連付けられており、部品Eに対する押付け荷重の目標値が設定されていないことが示されている。
部品厚み情報K5は、部品供給装置5により供給される部品Eの厚みを表す情報である。図9に示す例では、部品厚み情報K5に対して、設定状況情報J12として「CC」が関連付けられており、吸着ノズル63の吸着保持対象となる部品Eの厚みが「CC」に設定されていることが示されている。
図8を参照して、制御部10の欠陥判定部16は、第2撮像部92により取得された保持前部品画像G1(図10参照)と搭載後部品画像G2(図11参照)とに基づいて、基板Pに搭載された部品Eの上面に、欠陥が生じているか否かを判定する。
ここで、欠陥判定部16が部品Eの欠陥を判定する際に参照する保持前部品画像G1及び搭載後部品画像G2について、図10及び図11を参照して説明する。まず、第2撮像部92により取得される保持前部品画像G1は、前述したように、部品供給装置5によって部品供給位置P1に供給された部品Eが上方から撮像された画像であって、吸着ノズル63により保持される前の部品Eの画像である。保持前部品画像G1は、部品収納テープ100の部品収納部103に対応した画素からなる部品収納部領域G11と、部品収納部103内に収納された部品Eに対応した画素からなる部品領域G12とを含む。保持前部品画像G1では、部品収納部領域G11を背景として部品領域G12が形成されている。更に、部品領域G12は、部品Eの上面における電極E5に対応した画素からなる電極領域G121と、部品Eの上面におけるオーバーコートE4に対応した画素からなるオーバーコート領域G122とを含む。
第2撮像部92により取得される搭載後部品画像G2は、前述したように、ヘッドユニット6の吸着ノズル63により基板Pに搭載された部品Eが上方から撮像された画像であって、基板Pに対する搭載後の部品Eの画像である。図11(A)に示すように、搭載後部品画像G2は、基板Pに対応した画素からなる基板領域G21と、基板Pに搭載された部品Eに対応した画素からなる部品領域G22とを含む。搭載後部品画像G2では、基板領域G21を背景として部品領域G22が形成されている。更に、部品領域G22は、部品Eの上面における電極E5に対応した画素からなる電極領域G221と、部品Eの上面におけるオーバーコートE4に対応した画素からなるオーバーコート領域G222とを含む。
なお、吸着ノズル63による基板Pに対する部品Eの搭載動作に起因して、基板Pに対する搭載後の部品Eに、「欠け」や「クラック」等の欠陥が生じていた場合、第2撮像部92により取得される搭載後部品画像は、図11(B)に示すような搭載後部品画像G2Aとなる。図11(B)に示す搭載後部品画像G2Aでは、部品領域G22のオーバーコート領域G222に、欠陥に対応した画素からなる欠陥領域G223が含まれる。
欠陥判定部16は、上記の保持前部品画像G1と搭載後部品画像G2(G2A)とを比較することにより、基板Pに搭載された部品Eの上面に、欠陥が生じているか否かを判定する。この欠陥判定部16は、図8に示すように、特徴量算出部161と判定部162とを含む。
特徴量算出部161は、保持前部品画像G1に含まれる部品領域G12において、電極領域G121及びオーバーコート領域G122の各々の第1特徴量を算出する。本実施形態では、特徴量算出部161は、保持前部品画像G1における電極領域G121及びオーバーコート領域G122の各々の第1特徴量として、各領域の第1輝度情報(平均値、分散値)をそれぞれ算出する。更に、特徴量算出部161は、搭載後部品画像G2(G2A)に含まれる部品領域G22において、電極領域G221及びオーバーコート領域G222の各々の第2特徴量を算出する。本実施形態では、特徴量算出部161は、搭載後部品画像G2(GA2)における電極領域G221及びオーバーコート領域G222の各々の第2特徴量として、各領域の第2輝度情報(平均値、分散値)をそれぞれ算出する。
判定部162は、特徴量算出部161により算出された、保持前部品画像G1に基づく第1特徴量である電極領域G121及びオーバーコート領域G122の各々の第1輝度情報と、搭載後部品画像G2(G2A)に基づく第2特徴量である電極領域G221及びオーバーコート領域G222の各々の第2輝度情報と、を比較することにより、基板Pに搭載された部品Eの上面に、欠陥が生じているか否かを判定する。
図11(A)に示すような、欠陥に対応した画素からなる欠陥領域を含まない搭載後部品画像G2における、電極領域G221及びオーバーコート領域G222の各々の第2輝度情報は、保持前部品画像G1における電極領域G121及びオーバーコート領域G122の各々の第1輝度情報と比較して大差はない。つまり、欠陥領域を含まない搭載後部品画像G2における第2輝度情報と、保持前部品画像G1における第1輝度情報との差は、所定の判定基準値未満となる。
一方、図11(B)に示すような、欠陥に対応した画素からなる欠陥領域G223を含む搭載後部品画像G2Aにおける、電極領域G221及びオーバーコート領域G222の各々の第2輝度情報は、保持前部品画像G1における電極領域G121及びオーバーコート領域G122の各々の第1輝度情報と比較して、所定の判定基準値以上の差が生じる。つまり、欠陥領域G223を含む搭載後部品画像G2Aにおける第2輝度情報と、保持前部品画像G1における第1輝度情報との差は、特にオーバーコート領域の輝度情報に関して、所定の判定基準値以上となる。
従って、判定部162は、保持前部品画像G1の第1輝度情報と、搭載後部品画像G2(G2A)の第2輝度情報とを比較することにより、基板Pに搭載された部品Eの上面に、欠陥が生じているか否かを判定することができる。
前述したように、本実施形態に係る部品実装装置1によれば、基板Pに対する搭載後の部品Eの画像である搭載後部品画像G2(G2A)が第2撮像部92により取得される。この搭載後部品画像G2(G2A)は、基板搬送部3の搬送による装置本体1aからの基板Pの搬出前において、吸着ノズル63により基板Pに搭載された部品Eを上方から撮像して取得された画像である。つまり、搭載後部品画像G2(G2A)は、装置本体1aからの基板Pの搬出前であって、基板Pに対する搭載後の部品Eにおいて、吸着ノズル63により保持される側の被保持面となる上面が撮像された画像である。そして、欠陥判定部16は、保持前部品画像G1及び搭載後部品画像G2(G2A)に基づき、基板Pに搭載された部品Eの上面に欠陥が生じているか否かを判定する。これにより、基板Pに対する搭載後の部品Eに欠陥が生じているか否かの判定を可能とし、欠陥が生じた不良部品が搭載された基板Pの装置本体1aからの搬出を可及的に抑止することができる。
また、欠陥判定部16は、ヘッド駆動制御部13が吸着ノズル63の吸着保持動作及び搭載動作の各々を制御するときに参照する、動作条件記憶部14に記憶された動作条件情報J1(図9参照)において、荷重制御設定情報K3が「荷重制御実施設定」と関連付けられている場合には判定動作を行わず、荷重制御設定情報K3が「荷重制御不実施設定」と関連付けられている場合に判定動作を行うように構成されていてもよい。つまり、欠陥判定部16は、吸着ノズル63が「荷重制御実施設定」に設定された場合には判定動作を行わず、吸着ノズル63が「荷重制御不実施設定」に設定された場合に判定動作を行う。
吸着ノズル63が「荷重制御実施設定」に設定された場合、吸着保持動作及び搭載動作において吸着ノズル63は、部品Eに対する押付け荷重の調整制御を実施する。これにより、部品Eに対する押付け荷重が過剰な状態となることが抑止され、吸着ノズル63による吸着保持動作及び搭載動作に起因して、部品Eに欠陥が生じることが可及的に抑止される。一方、吸着ノズル63が「荷重制御不実施設定」に設定された場合、吸着保持動作及び搭載動作において吸着ノズル63は、部品Eに対する押付け荷重の調整制御を不実施とする。この場合、部品に対する保持具の押付け荷重が過剰な状態となる可能性があり、部品Eに欠陥が生じる可能性が高まる。そこで、欠陥判定部16は、吸着ノズル63が「荷重制御実施設定」に設定された場合には判定動作を行わず、吸着ノズル63が「荷重制御不実施設定」に設定された場合に判定動作を行う。これにより、部品Eに欠陥が生じる可能性が高い場合にのみ、判定動作を行うことができる。このため、欠陥判定部16による判定動作に要する時間を短縮することができ、欠陥判定部16による判定動作の負荷を軽減することができる。
また、欠陥判定部16は、第3撮像部93により取得された保持後部品画像G3(図12参照)に基づいて、吸着ノズル63に保持された状態の部品Eの下面に、欠陥が生じているか否かを判定するように、構成されていてもよい。
ここで、欠陥判定部16が部品Eの下面の欠陥を判定する際に参照する保持後部品画像G3について、図12を参照して説明する。第3撮像部93により取得される保持後部品画像G3は、前述したように、基板Pに対する搭載前において、吸着ノズル63に吸着保持された部品Eが下方から撮像された画像であって、吸着ノズル63による保持後の部品Eの画像である。図12(A)に示すように、保持後部品画像G3は、吸着ノズル63の先端部631に対応した画素からなるノズル先端領域G31と、吸着ノズル63に保持された部品Eに対応した画素からなる部品領域G32とを含む。保持後部品画像G3では、ノズル先端領域G31を背景として部品領域G32が形成されている。更に、部品領域G32は、部品Eの下面における電極E5に対応した画素からなる電極領域G321と、部品Eの下面におけるセラミック基体E1に対応した画素からなる基体領域G322とを含む。
なお、吸着ノズル63に保持された部品Eの下面に、「欠け」や「クラック」等の欠陥が生じていた場合、第3撮像部93により取得される保持後部品画像G3には、前述した搭載後部品画像G2Aと同様に、欠陥に対応した画素からなる欠陥領域が含まれる。欠陥判定部16は、保持後部品画像G3に欠陥領域が含まれているか否かに応じて、吸着ノズル63に保持された状態の部品Eの下面に、欠陥が生じているか否かを判定することができる。
また、傾いた姿勢などの異常姿勢を取った状態で部品Eが吸着ノズル63に保持されていることがある。部品Eが異常姿勢を取った状態の保持後部品画像G3Aが図12(B)に示されている。異常姿勢を取った状態で部品Eが吸着ノズル63に保持されていると、基板Pに対して精度よく部品Eを搭載することができなくなる可能性がある。そこで、欠陥判定部16は、第3撮像部93により取得された保持後部品画像G3Aに基づいて、吸着ノズル63に保持された部品Eが異常姿勢を取っているか否かを判定するように、構成されていてもよい。
図8を参照して、制御部10の情報出力制御部15は、情報出力部21の情報出力動作を制御する。情報出力制御部15は、欠陥判定部16により部品Eに欠陥が生じていると判定された場合に、情報出力部21を制御し、条件変更指令情報J2(図13参照)を出力させる。条件変更指令情報J2は、吸着ノズル63による部品Eの吸着保持動作、並びに、吸着ノズル63による基板Pに対する部品Eの搭載動作の各々の動作条件を変更する指令に関する情報である。図13に示すように、条件変更指令情報J2は、例えば、吸着ノズル63の動作条件の変更をオペレータに促すためのメッセージ情報J21と、リスト情報J22とを含む。
図13に示す例では、メッセージ情報J21は、「基板上の部品に欠陥が検出されました。動作条件の変更を検討して下さい。」との文字列にて表される情報である。情報出力部21から出力される条件変更情報J2に含まれるメッセージ情報J21によって、オペレータは、基板Pに搭載された部品Eに欠陥が生じていることを認識し、吸着ノズル63の吸着保持動作及び搭載動作の動作条件の変更を検討することができる。
条件変更指令情報J2のリスト情報J22は、例えば、吸着ノズル63の動作条件の項目を表す動作条件項目情報J221(動作条件項目)と、動作条件ごとの現在の設定状況を表す現在設定状況情報J222(現在設定状況)と、動作条件ごとの設定の変更入力状況を表す設定変更入力情報J223(設定変更入力)と、を関連付けた情報である。設定変更入力情報J223は、操作部20を介したオペレータの入力操作によって書き替え可能である。操作部20を介して設定変更入力情報J223が書き替えられると、その書き替えに応じて動作条件記憶部14に記憶される動作条件情報J1(図9参照)が更新される。
動作条件記憶部14に記憶された動作条件情報J1と同様に、条件変更指令情報J2におけるリスト情報J22の動作条件項目情報J221には、例えば、吸着保持高さ情報K1(吸着保持高さ)と、搭載高さ情報K2(搭載高さ)と、荷重制御設定情報K3(荷重制御設定)と、目標荷重情報K4(目標荷重)と、部品厚み情報K5(部品厚み)とが含まれる。
図13に示す例では、吸着保持高さ情報K1に対して、現在設定状況情報J222として「AA」が関連付けられており、吸着ノズル63の吸着保持動作において保持位置が「AA」に設定されていることが示されている。更に、吸着保持高さ情報K1に対して、設定変更入力情報J223として「AA1」が関連付けられており、吸着ノズル63の吸着保持動作において保持位置が、現在の設定「AA」から「AA1」に変更されることが示されている。
図13に示す例では、搭載高さ情報K2に対して、現在設定状況情報J222として「BB」が関連付けられており、吸着ノズル63の搭載動作において搭載可能位置が「BB」に設定されていることが示されている。更に、搭載高さ情報K2に対して、設定変更入力情報J223として「BB1」が関連付けられており、吸着ノズル63の搭載動作において搭載可能位置が、現在の設定「BB」から「BB1」に変更されることが示されている。
図13に示す例では、荷重制御設定情報K3に対して、現在設定状況情報J222として「荷重制御不実施設定」が関連付けられており、吸着ノズル63の押付け荷重の調整制御に関する設定が「荷重制御不実施設定」に設定されていることが示されている。更に、荷重制御設定情報K3に対して、設定変更入力情報J223として「荷重制御実施設定」が関連付けられており、吸着ノズル63の押付け荷重の調整制御に関する設定が、現在の設定「荷重制御不実施設定」から「荷重制御実施設定」に変更されることが示されている。
図13に示す例では、目標荷重情報K4に対して、現在設定状況情報J222として「−」が関連付けられており、部品Eに対する押付け荷重の目標値が設定されていないことが示されている。更に、目標荷重情報K4に対して、設定変更入力情報J223として「DD」が関連付けられており、部品Eに対する押付け荷重の目標値が、現在の設定「−」から「DD」に変更されることが示されている。
図13に示す例では、部品厚み情報K5に対して、現在設定状況情報J222として「CC」が関連付けられており、吸着ノズル63の吸着保持対象となる部品Eの厚みが「CC」に設定されていることが示されている。更に、部品厚み情報K5に対して、設定変更入力情報J223として「CC1」が関連付けられており、吸着ノズル63の吸着保持対象となる部品Eの厚みが、現在の設定「CC」から「CC1」に変更されることが示されている。
上記のように、情報出力制御部15に制御された情報出力部21は、吸着ノズル63による部品Eの吸着保持動作、並びに、吸着ノズル63による基板Pに対する部品Eの搭載動作の各々の動作条件を変更する指令に関する条件変更指令情報J2を出力する。この情報出力部21から出力された条件変更指令情報J2に従って、オペレータは、基板Pに対する搭載後の部品Eに欠陥が生じないように吸着ノズル63の動作条件を変更し、その変更した動作条件に関する動作条件情報J1を、操作部20を介して入力することができる。
<部品実装装置の動作について>
次に、図14A及び図14Bのフローチャートを参照して、部品実装装置1の動作について説明する。
部品実装装置1は、基板Pに対する部品Eの部品搭載動作を開始する指令信号がオペレータの操作により入力されると、その部品搭載動作を開始する。まず、部品供給制御部12は、部品供給装置5を制御する。部品供給装置5は、部品収納テープ100を間欠的に送出することにより、部品Eを部品供給位置P1に供給する(ステップs1)。
次に、ヘッド駆動制御部13は、第1駆動機構7及び第2駆動機構8によるヘッドユニット6のX方向及びY方向に関する水平面上の移動を制御する。第1駆動機構7及び第2駆動機構8は、吸着ノズル63が部品供給位置P1の真上に位置するように、ヘッドユニット6を移動させる(ステップs2)。このとき、第2撮像部92は、部品供給位置P1に供給された部品Eを上方から撮像して保持前部品画像G1(図10参照)を取得する(ステップs3)。そして、欠陥判定部16は、保持前部品画像G1に基づき、吸着ノズル63に保持される前の部品Eの上面に欠陥が生じているか否かを判定する(ステップs4,ステップs5)。
欠陥判定部16により部品Eに欠陥が生じていないと判定されると、ヘッド駆動制御部13は、ノズル昇降駆動機構66による吸着ノズル63の昇降動作を制御する。ノズル昇降駆動機構66は、吸着ノズル63を下降させる。下降された吸着ノズル63は、部品供給位置P1に供給された部品Eを吸着保持する(ステップs6)。吸着ノズル63が部品Eを保持すると、ヘッド駆動制御部13は、吸着ノズル63を上昇させる。このとき、第3撮像部93は、吸着ノズル63に保持された部品Eを下方から撮像して保持後部品画像G3(図12参照)を取得する(ステップs7)。そして、欠陥判定部16は、保持後部品画像G3に基づき、吸着ノズル63に保持された部品Eの下面に欠陥が生じているか否かを判定する(ステップs8,ステップs9)。
一方、ステップs5において、欠陥判定部16により部品Eに欠陥が生じていると判定されると、ヘッド駆動制御部13は、吸着ノズル63に保持された部品Eを廃棄する部品廃棄動作を実行するように、ヘッドユニット6の動作を制御する(ステップs10)。また、ステップs9において、欠陥判定部16により部品Eに欠陥が生じていると判定された場合においても、ステップs10において吸着ノズル63に保持された部品Eを廃棄する部品廃棄動作が実行される。このようにして、欠陥が生じた部品Eを廃棄することにより、欠陥が生じた不良部品が搭載された基板Pの発生を低減することができる。
ステップs9において、欠陥判定部16により部品Eに欠陥が生じていないと判定されると、基板搬送制御部11は基板搬送部3を制御し、基板Pを部品搭載位置に向けて搬送させる(ステップs11)。このとき、第1撮像部91は、基板Pの品種の識別や位置決めのために、基板Pの上面に記された各種マークを上方から撮像する。これにより、基板搬送部3によって搬送された基板Pが、部品搭載位置に位置決めされる。
次に、ヘッド駆動制御部13は、第1駆動機構7及び第2駆動機構8によるヘッドユニット6のX方向及びY方向に関する水平面上の移動を制御する。第1駆動機構7及び第2駆動機構8は、吸着ノズル63が基板搬送部3により搬送された基板Pにおける部品搭載位置の真上に位置するように、ヘッドユニット6を移動させる(ステップs12)。更に、ヘッド駆動制御部13は、部品搭載位置の真上に配置され、部品Eを保持した吸着ノズル63を下降させて、基板Pへの部品Eの部品搭載動作を実行する(ステップs13)。このようにして、部品Eを基板Pに搭載することができる。このとき、第2撮像部92は、基板Pに搭載された部品Eを上方から撮像して搭載後部品画像G2(図11参照)を取得する(ステップs14)。そして、欠陥判定部16は、ステップs3において取得された保持前部品画像G1と、ステップs14において取得された搭載後部品画像G2とを比較することにより、基板Pに搭載された部品Eの上面に欠陥が生じているか否かを判定する(ステップs15,ステップs16)。
欠陥判定部16により、基板Pに対する搭載後の部品Eに欠陥が生じていないと判定されると、基板搬送制御部11は基板搬送部3を制御し、部品Eが搭載された基板Pを搬送させ、当該基板Pを装置本体1aから搬出させる(ステップs17)。これにより、欠陥が生じていない部品Eが搭載された基板Pを装置本体1aから搬出することができる。
一方、ステップs16において、欠陥判定部16により、基板Pに対する搭載後の部品Eに欠陥が生じていると判定されると、制御部10は、電子回路基板の生産を一時停止させる(ステップs18)。そして、情報出力制御部15は情報出力部21を制御し、条件変更指令情報J2(図13参照)を出力させる(ステップs19)。
情報出力部21から条件変更指令情報J2が出力されると、この条件変更指令情報J2に従って、オペレータは、基板Pに対する搭載後の部品Eに欠陥が生じないように吸着ノズル63の動作条件を変更し、その変更した動作条件に関する動作条件情報J1(図9参照)を、操作部20を介して入力することができる(ステップs20)。操作部20を介して、変更した動作条件に関する動作条件情報J1が入力されると、制御部10は、電子回路基板の生産の一時停止を解除し、生産を再開させる(ステップs21)。