JP2019110155A - 電子部品ボンディングツール - Google Patents

電子部品ボンディングツール Download PDF

Info

Publication number
JP2019110155A
JP2019110155A JP2017240713A JP2017240713A JP2019110155A JP 2019110155 A JP2019110155 A JP 2019110155A JP 2017240713 A JP2017240713 A JP 2017240713A JP 2017240713 A JP2017240713 A JP 2017240713A JP 2019110155 A JP2019110155 A JP 2019110155A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electronic component
horn
bonding tool
vibration
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017240713A
Other languages
English (en)
Inventor
裕 蛯原
Yutaka Ebihara
裕 蛯原
那須 博
Hiroshi Nasu
博 那須
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2017240713A priority Critical patent/JP2019110155A/ja
Publication of JP2019110155A publication Critical patent/JP2019110155A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】超音波接合において電子部品に安定した振動を付与することで、電子部品を精度良く実装し、高い接合信頼性を実現すること。【解決手段】ボンディングツール5は、超音波振動を発生する超音波振動子52と、超音波振動を伝達するホーン51と、電子部品を保持する電子部品保持部53と、ホーン51に設けられた複数の節部512と、複数の節部512のそれぞれに対応して設けられた複数のブロック部514と、を備える。ブロック部514は、ホーン51の長手方向の中心軸を基準として対称に設けられている。また、ブロック部514には、ホーン51の長手方向に対して平行な溝部513が設けられている。【選択図】図2B

Description

本発明は、電子部品を回路基板に装着する技術に関する。
従来、プリント基板等の回路基板に電子部品を装着する装置では、部品保持部に保持された電子部品の電極と、回路基板の電極とを接合する様々な方法が利用されている。
例えば、電子部品と回路基板とを短時間で接合することができる方法の1つとして、超音波を利用する接合方法(以下、超音波接合という)が知られている。この超音波接合では、回路基板に押圧された電子部品に超音波振動を付与することにより振動させ、電子部品の電極(例えば、バンプ)と、回路基板の電極とを電気的に接合する。
電子部品装着装置は、電子部品を接合する際に、電子部品そのものを加圧しながら、電子部品に超音波振動を付与する。そのため、加圧動作中は、電子部品に与えられる荷重が電子部品において均一となるように超音波振動を付与し、振動方向を超音波振動方向と同一方向に水平に与えることが重要となる。加圧時に振動方向が傾いてしまうと、保持面が理想的な状態から変化してしまい、電子部品の実装精度を悪化させてしまったり、電子部品に所望の振動が伝わらず、十分な接合強度が得られなくなったりする。
特許文献1には、上述した電子部品への超音波振動を安定させるための構造が開示されている。以下、図9を用いて、特許文献1に開示された従来構造のボンディングユニット6の概略を説明する。図9の上図は、ボンディングユニット6の正面を示しており、図9の下図は、振幅の伝達を示す波形を示している。
まず、図9の上図を参照して、各部品名と役割について説明する。
振動子64に与えられた電荷により、振動子64がボンディングユニット6の共振周波数域で駆動し、その振動がホーン61に伝達される。伝達された振動は、増減しながらツール部63に伝わり、部材62に所望の圧力と振幅を与える。これにより接合が実現される。
次に、図9の下図を参照して、ホーン61に伝達する振動について詳しく説明する。
振動子64から発生した振動を増幅させながらツール部63に伝達する過程では、ホーン61において振動が減衰するポイントが必要となる。これは、加圧時にホーン61の振動に与える影響を極力少なくするためである。この例では、振動が最も減衰するポイントとして、2箇所のノーダルポイント611、612が存在している。これらノーダルポイント611、612でホーン61を支持(固定)することで、加圧時にホーン61の振動に与える影響を抑制できる。
特開平2015−123481号公報
上述したように、特許文献1では、ホーン61を2箇所のノーダルポイントで支持している。しかしながら、ノーダルポイント611のホーン61との接触部613には、集中的に圧力がかかる。そのため、完全に振動を抑制できていない場合、振動の影響を受けることにより、接触部613において摩耗が発生してしまう。
接触部613において摩耗が発生すると、ツール部63の振動は不安定になるため、水平方向の長期的な振動安定性の確保が困難になってしまう。
また、接触部613の摩耗具合を検知することは難しいため、不良品を作り続けてしまうおそれもある。
本発明の目的は、超音波接合において電子部品に安定した振動を付与することで、電子部品を精度良く実装でき、高い接合信頼性を実現できる電子部品ボンディングツールを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る電子部品ボンディングツールは、超音波振動を発生する超音波振動子と、前記超音波振動子の超音波振動を伝達するホーンと、電子部品を保持する電子部品保持部と、前記ホーンに設けられた複数の節部と、前記複数の節部のそれぞれに対応して設けられた複数のブロック部と、を備え、前記ブロック部は、前記ホーンの長手方向の中心軸を基準として対称に設けられており、前記ブロック部には、前記ホーンの長手方向に対して平行な溝部が設けられている。
本発明によれば、超音波接合において電子部品に安定した振動を付与することで、電子部品を精度良く実装でき、高い接合信頼性を実現できる。
本発明の実施の形態に係る電子部品装着装置の概略構成を示す正面図 本発明の実施の形態に係るボンディングツールを示す図 本発明の実施の形態に係るボンディングツールの電子部品保持部の近傍の構成の概略を示す斜視図 従来構造のボンディングツールを示す正面図 従来構造のボンディングツールを示す斜視図 第1の検討例に係るボンディングツールを示す正面図 第1の検討例に係るボンディングツールを示す下面図 第2の検討例に係るボンディングツールを示す正面図 第2の検討例に係るボンディングツールを示す下面図 第3の検討例に係るボンディングツールを示す正面図 第3の検討例に係るボンディングツールを示す下面図 本発明の実施の形態に係るホーン保持部を示す上面図 本発明の実施の形態に係るホーン保持部を示す正面図 本発明の実施の形態に係るホーン保持部を示す下面図 本発明の実施の形態に係るブロック部の体積およびホーンの体積を示す下面図 本発明の実施の形態に係るブロック部の体積およびホーンの体積を示す正面図 特許文献1のボンディングツールの説明図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
<電子部品装着装置1>
まず、主に図1を参照しながら、本発明の実施の形態に係る電子部品装着装置1の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る電子部品装着装置1の概略的な構成を示す正面図である。
図1に示す電子部品装着装置1は、システムLSI(Large Scale Integration)などに利用される微細な電子部品の、プリント基板などの回路基板9に対する装着および接合を同時に行う、いわゆるフリップチップ実装装置である。
電子部品は、例えば、LED(Light Emitting Diode)チップ、半導体レーザなどの半導体発光素子、パッケージされたIC(Integrated Circuit)、抵抗、コンデンサ、微細な半導体ベアチップなどの半導体、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルタ、または、カメラモジュールなどの半導体以外の電子部品、のいずれであってもよい。
また、電子部品の電極部は、電子部品の電極パターンに金(Au)で形成された突起バンプであってもよいし、電子部品によってはメッキバンプなどであってもよいし、電極パターン自体であってもよい。
回路基板9は、樹脂により形成された回路基板、または、ガラスおよび半導体などの樹脂以外の材料により形成された回路基板、のいずれであってもよい。
また、回路基板9の電極には、電子部品の電極パターンに形成される突起バンプの代わりの突起バンプが設けられてもよい。
図1に示すように、電子部品装着装置1は、基板保持部2と、部品装着ユニット3と、部品供給部4と、撮像部11と、を備えている。
基板保持部2の(+Z)側、すなわち図中の上方側には、基板保持部2に保持された回路基板9に電子部品を装着するための部品装着ユニット3が設けられている。
基板保持部2の(−X)側、すなわち図中の左側には、部品装着ユニット3に電子部品を供給する部品供給部4が設けられている。
基板保持部2と部品供給部4との間には、部品供給部4により部品装着ユニット3に供給された電子部品を撮像する撮像部11が設けられている。
これら基板保持部2、部品装着ユニット3、部品供給部4、および撮像部11が制御部10により制御され、回路基板9に対する電子部品の装着が行われる。
ここで、基板保持部2、部品装着ユニット3、部品供給部4、および撮像部11の構成について、詳細に説明する。
<基板保持部2>
基板保持部2は、回路基板9を保持するユニットである。基板保持部2は、回路基板9を保持するステージ21と、ステージ21をY方向に移動するステージ移動機構22と、を備えている。
<部品装着ユニット3>
部品装着ユニット3は、基板保持部2に保持された回路基板9に、部品供給部4により供給された電子部品を装着するユニットである。部品装着ユニット3は、押圧ユニット33およびボンディングツール(ボンディングヘッドともいう)5を有する部品装着部31と、部品装着ユニット3をX方向に移動させる装着部移動機構32と、を備えている。
押圧ユニット33は、ボンディングツール5を介し、回路基板9に対して電子部品を押圧するユニットである。押圧ユニット33は、モータ(図示略)を有する昇降機構を利用してZ方向に移動させられる。また、押圧ユニット33は、その下端にツール支持部34が固定されたシャフト35を有している。
ボンディングツール5の構成の詳細については、図2A〜B、図7A〜C、図8A〜Bを用いて後述する。
<部品供給部4>
部品供給部4は、部品装着ユニット3に電子部品を供給するユニットである。部品供給部4は、所定の位置に電子部品を配置する電子部品配置部41と、電子部品配置部41から電子部品を取り出して保持する供給ヘッド42と、供給ヘッド42をX方向に移動させる供給ヘッド移動機構43と、供給ヘッド42を回動させる(および、僅かに昇降させる)回動機構44と、を備えている。
電子部品配置部41は、多数の電子部品が載置される電子部品トレイ411と、電子部品トレイ411を保持するステージ412と、電子部品トレイ411をステージ412とともにX方向およびY方向に移動させるトレイ移動機構413と、を備えている。
電子部品トレイ411には、回路基板9に装着される予定の多数の電子部品が、実装後の状態における下面、すなわち回路基板9に接合される電極部が形成された接合面を上側に向けて、回路基板9に装着される向きとは反対向きで載置されている。
供給ヘッド42は、先端部に形成された吸引口を利用する吸着により保持した電子部品をボンディングツール5に供給する供給コレット421を備えている。
<撮像部11>
撮像部11は、装着部移動機構32によって移動される部品装着部31(例えば、ボンディングツール5)の移動経路の真下に設置され、ボンディングツール5に保持された電子部品を(−Z)側から撮像するユニットである。撮像部11は、移動される部品装着部31と干渉しない位置に設けられている。
以上、基板保持部2、部品装着ユニット3、部品供給部4、および撮像部11の構成について、詳細に説明した。
回路基板9の(+X)側には、電子部品8を保持するための電子部品保持部53(図2A参照)を研磨する研磨部7が設けられている。電子部品保持部53は、ボンディングツール5に備えられる。
研磨部7は、平らで水平な研磨面711を有するシート状の研磨部材71と、研磨部材71を保持する研磨部材保持部72と、を備える。研磨部7は、ステージ21の(+X)側に取り付けられており、ステージ移動機構22によりステージ21と一体的にY方向に移動される。
<ボンディングツール5>
次に、本実施の形態の主要部分であるボンディングツール5(本発明の電子部品ボンディングツールの一例)の構成について、図2A、図2Bを参照して、より詳細に説明する。
図2Aは、ボンディングツール5の構成の概略を示す図である。図2Aの上図は、ボンディングユニット6の正面を示しており、図2Aの下図は、振幅の伝達を示す波形を示している。
図2Aの上図に示すように、ボンディングツール5は、ホーン51と、振動子(超音波振動子)52と、電子部品保持部53を備えている。
ホーン51は、ボンディングツール5の上面側に配置されたブロックであるホルダ54と例えばネジで固定されている。そして、ボンディングツール5は、ホルダ54の上面側に配置された連結部55によって、保持されている。連結部55は、押圧ユニット33(図1参照)とボンディングツール5とを連結する部分である。
ボンディングツール5では、ホーン51が、振動子52が発生する超音波振動を電子部品保持部53に伝達する。これにより、電子部品保持部53が振動し、電子部品保持部53に吸引されている電子部品8に振動が与えられる。このようにして、超音波接合が行われる。
ホルダ54にホーン51を連結する際、ホーン51の振動を安定させるために、振動が最も減衰するノーダルポイントNp(図2Aの下図参照)に支持部(例えば、後述する節部512)を設け、電子部品保持部53において振動が最大になるように設定する。
電子部品保持部53の先端部は、電子部品8を保持しながら実装する際にたわみ振動が生じないZ方向の高さhwを有している。本実施の形態では、たわみ振動を生じないように、高さhwを設定することが非常に重要である。
図2Bは、ボンディングツール5の電子部品保持部53の近傍の構成の概略を示す斜視図である。
ホーン51には、上述したノーダルポイントNpに2つの節部512が設けられている。2つの節部512は、それぞれ、ホーン51の振動方向(長手方向)に対して垂直な方向に設けられている。また、2つの節部512は、ホーン51の長手方向の中心軸H1を基準として左右対称に配置されている。
節部512は、図2Bに示すように、ホーン51の側面Sにおいてホーン51の高さ方向hxに沿って直線状に設けられている。これにより、節部512は、加圧時に高い剛性を維持できる。
ブロック部514は、それぞれ、節部512に対応して設けられている。よって、図2Bに示すように、ブロック部514も、節部512と同様に、ホーン51の長手方向の中心軸H1を基準として左右対称に配置されている。
ブロック部514には、ホーン51を伝達する振動が増幅しないようにするために、溝部513が形成されている。溝部513は、ホーン51の長手方向(中心軸H)に対して平行に形成されている。溝部513の形成によって振動を常に安定させることができるが、その詳細については図7Cを用いて後述する。
また、ブロック部514には、ホルダ部(図示略)にホーン51を固定するための連結ネジ57が挿入される穴が形成されている。
なお、ブロック部514は、加圧時の剛性を維持するために、ホーン51の高さ方向hxと同じ高さを有するように構成されることが望ましい。
<従来構造の問題点>
ここで、従来構造のボンディングツールにおける問題点について、説明する。
図3Aおよび図3Bは、従来構造のボンディングツールの一例を示す図である。図3Aは、従来構造のボンディングツールの正面図である。また、図3Bは、従来構造のボンディングツールの斜視図である。また、図3Bは、ホーン保持部56を立体的に示している。以下、図3A、図3Bを参照しながら説明する。
従来構造のボンディングツールは、本実施の形態のボンディングツール5と同様に、ホーン51と、振動子52と、電子部品保持部53を備えている。ホーン51には、ホーン保持部56が形成されている。
ホーン保持部56には、フランジ構造が適用されている。すなわち、ホーン保持部56は、円筒形のホーン51の周囲の外側に存在するノーダルポイント561に対応して、ホーン51の円周方向に沿ってリング状に設けられている。これにより、高い剛性が得ることができる。
フランジ構造が適用されたホーン保持部56はホーン51の外周方向に配置され、電子部品8を実装する際には、Z方向の高さhwを長く確保することで、回路基板9に衝突しないように設定される。
このため、電子部品保持部53においては、Z方向の高さhwを設定する際に、電子部品を保持している先端部の最大振幅Daが減衰しないように、ノーダルポイントNpを2箇所設ける必要がある。
しかしながら、この設計では加圧時のノーダルポイントNpがずれてしまうため、最大振幅Daは大きく減衰してしまうことになる。その結果、所望のエネルギーが電子部品に伝わらず、実装時に電子部品8がずれてしまったり、接合不良を引き起こしてしまったりする。
また、先端部の最大振幅Daを損失しないようにするため、ホーン51の形状を、振幅が増幅されるように電子部品保持部53に向かって細める構造にすることが考えられる。しかし、この場合では、加圧が大きくなるほど、先端部の振動モードの軌道が図3Aに示すように斜めになってしまうため、電子部品8の実装の精度が悪化してしまうことがわかっている。
<ボンディングツールの検討例>
上述した従来構造のボンディングツールにおける問題点を解決するために検討したボンディングツールの各例について、以下に説明する。
まず、第1の検討例について説明する。図4Aおよび図4Bは、第1の検討例に係るボンディングツールを示す図である。図4Aは正面図であり、図4Bは下面図である。
本検討例のボンディングツールは、ホーン51におけるホーン保持部56を、連結ネジ57の頭部に合わせ、極力小さくした構成である。
この構成では、図4Bに示す節部512の長さは、図4Aに示すように連結ネジ57の頭分だけ短く設定され、図4Aに示す加圧方向の長さhzとなる。そのため、加圧時における剛性が弱くなってしまい、電子部品保持部53にモーメントが発生する。これにより、電子部品8に与える振動モードが変化してしまうため、従来構造のボンディングツールと比較しても大きな改善が見られない。
また、この構成では、図4Bに示すように、ブロック部514を小さく構成することが可能となる。しかし、ブロック部514を、ホーン51の中心軸H1に対して均等に配置しなければならないため、ブロック部514(連結ネジ57)の中心と電子部品保持部53の中心との間の距離hlは長くなってしまう。よって、ホーン51の剛性が圧倒的に弱くなる。
次に、第2の検討例について説明する。図5Aおよび図5Bは、第2の検討例に係るボンディングツールを示す図である。図5Aは正面図であり、図5Bは下面図である。
本検討例のボンディングツールは、図4Bに示した構成に比べてブロック部514を大きくし、ブロック部514の内部に連結ネジ57を挿入可能とした構成である。
この構成では、図5Bに示す節部512の長さは、図5Aに示す加圧方向の長さhzとなる。図5Aに示す加圧方向の長さhzは、図4Aに示す加圧方向の長さhzよりも長いため、加圧時における剛性が強くなる。これにより、電子部品保持部53にかかるモーメントが改善され、電子部品8に与えられる振動の変化が少なくなるため、従来構造のボンディングツールに比べ、30%ほど剛性が向上することがわかっている。
しかしながら、図5Bに示すように、ブロック部514を大きく構成し、ブロック部514をホーン51の中心軸H1に対して均等に配置してしまうと、共振周波数に近い周波数になった場合、節部512を中心に大きな振動が発生してしまう。そのため、ブロック部514が常に振動してしまい、振動の制御がうまくいかず、結果的には、共振周波数帯での制御が困難となる。その結果、超音波振動が電子部品8に安定して伝わらず、電子部品8が回転したり、実装ズレが発生したりするため、高精度な実装を行うことができない。
次に、第3の検討例について説明する。図6Aおよび図6Bは、第3の検討例に係るボンディングツールを示す図である。図6Aは正面図であり、図6Bは下面図である。
本検討例のボンディングツールは、第2の検討例の構成と同様に、図4Bに示した構成に比べてブロック部514を大きくし、ブロック部514の内部に連結ネジ57(図2B参照)を挿入可能とした構成である。ただし、本検討例のボンディングツールでは、第2の検討例の構成(図5B参照)と比べて、ブロック部514が電子部品保持部53の近くに配置されている点が異なる。
この構成では、第2の検討例の構成と同様に、図6Bに示す節部512の長さは、図6Aに示す加圧方向の長さhzとなる。さらに、この構成では、上述したとおり、第2の検討例の構成と比べて、ブロック部514を電子部品保持部53の近くに配置しているため、ブロック部514(連結ネジ57)の中心と電子部品保持部53の中心との間の距離hlが短くなる。よって、第1の検討例の構成および第2の検討例の構成と比べて、加圧時における剛性が最も強くなる。これにより、電子部品保持部53にかかるモーメントが改善され、電子部品8に与えられる振動の変化が少なくなるため、従来構造のボンディングツールに比べ、50%ほど剛性が向上することがわかっている。
しかしながら、図6Bに示すように、ブロック部514を電子部品保持部53の近くに配置すると、共振周波数帯域でホーン51が共振をしているときに、節部512を中心に振動してしまう。その結果、本検討例の構成も、電子部品8に与えられる振動が不安定となってしまう。
また、本検討例の構成では、節部512に応力が集中してしまうため、最悪の場合にはホーン51の破損が発生してしまうおそれもある。
<実施の形態のホーン保持部56>
上述した各検討例における問題点を解決可能な、本実施の形態のボンディングツール5(図2参照)のホーン保持部56について、図7A〜Cを参照して詳細に説明する。
図7A〜Cは、本実施の形態に係るホーン保持部56を示す図である。図7Aは上面図であり、図7Bは正面図であり、図7Cは下面図である。
図7Aでは、ホーン51に連結された節部512の幅Nd、ホーン51の側面から溝部513までの距離Nm、ホーン51の側面からブロック部514までの距離Nb、ノーダルポイントの領域Nplをそれぞれ示している。
図7Aにおいて、節部512の幅Ndは、ホーン51の長手方向の長さの1/80以上かつ1/20以下であることが望ましい。その理由を以下に説明する。
節部512の幅Ndをホーン51の長手方向の1/80より小さくした場合、ホーン51に与えられる加圧が100Nを超えると、歪応力がホーン51の剛性に対し、許容がなくなってしまうため、加圧に耐えられない結果となってしまう。また、実際は、降伏荷重がかかるため、歪みが発生しはじめた場合、振動が安定しない結果になってしまう。
一方、節部512の幅Ndをホーン51の長手方向の1/20以上とした場合、ホーン51が共振すると、ノーダルポイント領域Nplを超えてしまい、振動が伝達してしまうので、安定的な振動伝達が不可能となる。さらに、ブロック部514自体が異なる共振周波数を持ってしまうことが多く、副共振とよばれるホーン51の共振周波数に近いところにもう一つの共振周波数ができてしまうため、制御が不可能となる場合がある。この場合では、超音波接合が不可能となってしまう。
図7Aにおいて、距離Nbは、0.3×Nd≦Nb≦1.8×Ndであることが望ましい。
ホーン51の最大発生振幅から、ホーン51が発生する振動の膨らみは約10μm程度であるため、それ以上の距離が必要である。実際は、加工時の限界が発生し、ワイヤーカット工法などでの加工においては、焼き付けなどが起こる。そのため、振動影響と加工限界を考慮し、距離Nbは0.3×Nd以上にすることが望ましい。
また、距離Nbを1.8×Ndより大きくした場合、ブロック部514が振動してしまうため、距離Nbは1.8×Nd以下にすることが望ましい。
図7Aにおいて、距離Nmは、ブロック部514への振動伝達抑制のため、Nm=Nb+Ndとすることが望ましい。
図7Bに示すように、面取り部Ncは、上述したブロック部514および節部512に設けられている。この面取り部Ncを節部512の幅Ndの1/2以下に形成することにより、ブロック部514で発生する振動をヘッド部に伝わらないようにすることができ、伝達される微小な振動を50%以上削減することができる。
図7Cでは、溝部513の幅Nw、溝部513の長さNlをそれぞれ示している。以下、幅Nwおよび長さNlについて、説明する。
図7Cにおいて、幅Nwは0.5mm以上かつ2.0mm以下に設計されることが不可欠となる。これにより、節部512がバネ構造として機能し、振動発生時に非常に安定した振動を発生することが可能となる。
幅Nwを0.5mm未満とした場合、節部512において微小振動を吸収することが不可能となる。また、幅Nwを2.0mmより大きくした場合、最大振幅発生時で加圧が100N以上になり、溝部513と節部512の間に大きな応力が発生ししまうため、節部512が破損してしまうおそれがある。
図7Cにおいて、長さNlは1/10×Bl≦Nl≦1/3×Blを満たすように設計されることが不可欠である。Blは、ブロック部514の振動方向(振動伝達方向)の長さである。
長さNlは、節部512の振動を吸収するように形成されることが必要となる。ブロック部514は、図示した矢印M1の方向に往復振動する。この時に、長さNlが往復振動を抑制することが重要となる。ここで、長さNlを1/10×Bl未満とした場合、矢印M1の方向の振動が収まらず、ブロック部514の端部BAに摩耗が発生し、連結ネジ57の締結力が弱まってしまうなどの不具合が発生する。
一方、長さNlを1/3×Blより大きくした場合、共振周波数付近で、振動エネルギーが節部512に集中し、金属疲労限界になってしまうため、節部512が破損してしまう。
<実施の形態のホーン51およびブロック部514>
次に、図8Aおよび図8Bを用いて、本実施の形態のボンディングツール5(図2参照)におけるホーン51とブロック部514の体積比率について説明する。図8Aおよび図8Bは、本実施の形態のホーン51とブロック部514との体積を示す図であり、図8Aは下面図であり、図8Bは正面図である。
上記図7A〜Cの説明において、ブロック部514に設けられた溝部513によってホーン51に発生した振動を最大限吸収し、電子部品8の安定した接合を実現することを述べたが、ブロック部514とホーン51の体積比率は非常に重要である。
そこで、図8Aおよび図8Bに示すようにホーン51の体積をHvとし、ブロック部514の体積をNvとした場合、Hv/5≦Nv≦Hv/2を満たすようにホーン51およびブロック部514を設計することが望ましい。
ブロック部514の体積Nvをホーン51の体積Hvの1/5より小さくした場合、連結ネジ57(例えば、図7C参照)を極力小さく構成しなければならなくなるが、連結ネジ57のネジ径が小さくなるため、連結ネジ57の剛性が弱くなってしまう。よって、振動エネルギーに耐えられずに、振動が不安定になったり、長期的な安定振動を保持できなくなったりする。
一方、ブロック部514の体積Nvをホーン51の体積Hvの1/2より大きくした場合、ブロック部514自体が共振をしてしまうため、制御が困難になる。具体的には、ブロック部514の振動がホーン51と同等の振動を発生してしまう。そのため、加圧の大きさに対し、大きくなればなるほど、接合そのものができなくなってしまう。
<本実施の形態の効果>
以上説明したように、本実施の形態によれば、超音波接合において電子部品に安定した振動を付与することで、電子部品を精度良く実装でき、高い接合信頼性を実現できる。
また、本実施の形態によれば、研磨作業において研磨面を安定的に平坦化することができ、より長期的に安定した接合信頼性を確保することができる。
本実施の形態に係るボンディングツール、電子部品装着装置、ボンディング方法は、より質の高い超音波接合を行うことが可能であり、電子部品を回路基板に装着するために非常に有用である。
なお、本発明は、上記実施の形態の説明に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。
本発明は、半導体発光素子、他の半導体ベアチップ、さらには他の種類の電子部品を、超音波を利用して回路基板に装着する電子部品装着装置に利用可能である。
1 電子部品装着装置
2 基板保持部
21 ステージ
22 ステージ移動機構
3 部品装着ユニット
31 部品装着部
32 装着部移動機構
33 押圧ユニット
34 ツール支持部
35 シャフト
4 部品供給部
41 電子部品配置部
411 部品トレイ
412 ステージ
413 トレイ移動機構
42 供給ヘッド
421 供給コレット
43 供給ヘッド移動機構
44 回転機構
5 ボンディングツール
51 ホーン
512 節部
513 溝部
514 ブロック部
52 振動子
53 電子部品保持部
54 ホルダ
55 連結部
56 ホーン保持部
57 連結ネジ
6 ボンディングユニット
61 ホーン
611 ノーダルポイント
612 ノーダルポイント
613 接触部
62 部材
63 ツール部
64 振動子
65 ホルダ部
7 研磨部
71 研磨部材
711 研磨面
72 研磨部材保持部
8 電子部品
9 回路基板
11 撮影部
hw 電子部品保持部53の先端部の高さ
H1 ホーン51の長手方向の中心軸
S ホーン51の側面
hx ホーン51の高さ
Np ノーダルポイント
Da 最大振幅
hl ブロック部514の中心と電子部品保持部53の中心との間の距離
Nd 節部512の幅
Nm ホーン51の側面から溝部513までの距離
Nb ホーン51の側面からブロック部514までの距離
Npl ノーダルポイントの領域
Nc 面取り部
Nw 溝部513の幅
Nl 溝部513の長さ
Bl ブロック部514の振動伝達方向の長さ
BA ブロック部514の端部
M1 ブロック部514の往復振動の方向
Nv ブロック部514の体積
Hv ホーン51の体積

Claims (8)

  1. 超音波振動を発生する超音波振動子と、
    前記超音波振動子の超音波振動を伝達するホーンと、
    電子部品を保持する電子部品保持部と、
    前記ホーンに設けられた複数の節部と、
    前記複数の節部のそれぞれに対応して設けられた複数のブロック部と、を備え、
    前記ブロック部は、前記ホーンの長手方向の中心軸を基準として対称に設けられており、
    前記ブロック部には、前記ホーンの長手方向に対して平行な溝部が設けられている、
    電子部品ボンディングツール。
  2. 前記複数の節部は、前記ホーンの側面において前記ホーンの高さ方向に沿って直線状に設けられている、
    請求項1に記載の電子部品ボンディングツール。
  3. 前記複数の節部は、前記ホーンにおいて振動が減衰する位置に設けられている、
    請求項1または2記載の電子部品ボンディングツール。
  4. 前記ブロック部は、前記ホーンにおいて振動が最も減衰する位置を基準として、前記電子部品保持部の方に近付いて設けられている、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の電子部品ボンディングツール。
  5. 前記節部の幅は、前記ホーンの長手方向の長さの1/80以上かつ1/20以下である、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の電子部品ボンディングツール。
  6. 前記溝部の幅は、0.5mm以上かつ2.0mm以下である、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の電子部品ボンディングツール。
  7. 前記溝部の長さは、前記ブロック部の振動方向の長さの1/10以上かつ前記ブロック部の振動方向の長さの1/3以下である、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の電子部品ボンディングツール。
  8. 前記ブロック部の体積は、前記ホーンの体積の1/5以上かつ1/2以下である、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の電子部品ボンディングツール。
JP2017240713A 2017-12-15 2017-12-15 電子部品ボンディングツール Pending JP2019110155A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017240713A JP2019110155A (ja) 2017-12-15 2017-12-15 電子部品ボンディングツール

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017240713A JP2019110155A (ja) 2017-12-15 2017-12-15 電子部品ボンディングツール

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019110155A true JP2019110155A (ja) 2019-07-04

Family

ID=67180118

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017240713A Pending JP2019110155A (ja) 2017-12-15 2017-12-15 電子部品ボンディングツール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019110155A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5313751B2 (ja) 電子部品装着装置
US6811630B2 (en) Ultrasonic vibration method and ultrasonic vibration apparatus
KR100571306B1 (ko) 초음파 트랜스듀서 조립체
US7757926B2 (en) Transducer assembly for a bonding apparatus
JP5426762B2 (ja) ボンディングツール、電子部品装着装置、およびボンディングツールの製造方法
JP5930423B2 (ja) ボンディング装置
JP7082434B2 (ja) 超音波接合装置
JP3966217B2 (ja) ボンディング装置およびボンディングツール
KR20080047273A (ko) 강도를 향상시킨 플랜지형 진동자
KR100950977B1 (ko) 횡진동 방식의 전파장 초음파 용착기 및 이를 구비한초음파 본딩 장치
JP2019110155A (ja) 電子部品ボンディングツール
JP3745927B2 (ja) 実装装置
EP2422914A2 (en) Capillary and ultrasonic transducer for ultrasonic bonding with adapted flexure rigidity
JP2006239749A (ja) 超音波接合方法および超音波接合装置
JPH11265914A (ja) ボンディングツールおよびボンディング装置
KR100950980B1 (ko) 횡진동 방식의 반파장 초음파 용착기 및 이를 구비한초음파 본딩 장치
JP2003059972A (ja) ボンディングヘッド及びこれを備えたボンディング装置
JP4308444B2 (ja) 部品接合装置
JP4598968B2 (ja) ボンディングツール、ならびにボンディング装置、半導体装置の製造方法
JP3854857B2 (ja) 超音波振動発振器、及び部品接合方法
JP2005079527A (ja) 電子部品実装装置、電子部品実装方法および電子回路装置
JP2009090296A (ja) 超音波振動接合装置
JP2002271010A (ja) 電子部品及び基板の製造方法
KR100996958B1 (ko) 와이어본딩용 트랜스듀서 어셈블리
JP2005064149A (ja) 超音波フリップチップ接合装置および接合方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20190625

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20191018