JP2019108769A - 防護柵 - Google Patents

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Abstract

【課題】防護柵本体が設置された所定箇所から当該防護柵本体を移動可能としつつ、移動させた防護柵本体から連結部材が上方へ大きく突出するのを防ぐことが可能な防護柵を提供する。【解決手段】防護柵1は、所定箇所の地面に固定された複数の固定管3と、前記所定箇所の地面上に設置される防護柵本体2であって複数の固定管3の各々の上方の位置において上下方向に延びる複数の外管16と複数の外管16を繋ぐビーム8とを有するものと、外管16内の空間と固定管3内の空間とにまたがって配置されることにより外管16と固定管3とを連結する連結高さ位置と外管16内の空間から下方に離脱する離脱高さ位置との間で上下方向に移動可能となるように固定管3内に挿入された連結部材4とを備え、防護柵本体2は、連結部材4が連結高さ位置に配置されたときに当該連結部材4を連結高さ位置で保持する保持装置を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、道路及びその道路に隣接する場所に設置される防護柵に関する。
従来、道路及びその道路に隣接する場所に設置される防護柵として、例えば道路の中央分離帯や車道と歩道との間の境界等に設置される様々な防護柵が知られている。下記特許文献1には、このような防護柵の一例が開示されている。
特許文献1に開示された防護柵は、通常の使用時には道路の中央分離帯等に設置されており、緊急時にはその設置箇所から移動させることができるように構成されている。具体的に、この防護柵は、道路上を移動可能に構成されていて上下方向に延びる筒状の支柱をそれぞれ有する複数の可動側部材と、その複数の可動側部材の支柱を横切る方向に延びるとともにそれらの支柱を繋ぐボックスビームと、地面に固定された複数の固定管と、上下方向に移動可能に各可動側部材の支柱内に収容された複数の連結部材とを備えている。
前記複数の連結部材は、それぞれ、可動側部材の支柱内の空間と固定管内の空間とに跨って配置されてその可動側部材の支柱と固定管とを連結する第1の高さ位置と、可動側部材の支柱内の空間に挿入された状態で固定管内の空間から上方に離脱する第2の高さ位置との間で上下方向に移動可能となっている。また、防護柵は、各連結部材をそれぞれ第2の高さ位置で保持する保持部を有する。
防護柵の通常の使用時には、その設置箇所において各連結部材を第1の高さ位置に配置してその各連結部材により各可動側部材の支柱と各固定管とを連結することで可動側部材が移動しないように固定する。一方、緊急時には、各連結部材を第2の高さ位置に引き上げてその各連結部材を保持部により当該第2の高さ位置で保持することによって、当該各連結部材による各可動側部材の支柱と各固定管との連結を解除する。これにより、各可動側部材を移動できるようにし、それによって防護柵をその設置箇所から移動できるようにする。
特許第6014782号公報
前記特許文献1に開示された従来の防護柵では、緊急時に当該防護柵をその設置箇所から移動させるときに各連結部材は前記第2の高さ位置、つまり各可動側部材の支柱よりも上側へ大きく突出する位置に保持されるため、防護柵の移動先、例えば街中や歩道上において景観に好ましくない影響を与える虞がある。
本発明の目的は、防護柵本体が設置された所定箇所から当該防護柵本体を移動可能としつつ、移動させた防護柵本体から連結部材が上方へ大きく突出するのを防ぐことが可能な防護柵を提供することである。
本発明により提供されるのは、道路及びその道路に隣接する場所のうちの所定箇所に設置される防護柵である。この防護柵は、上下方向に延びる姿勢で前記所定箇所の地面に埋め込まれて固定された複数の固定管と、前記所定箇所から移動可能にその所定箇所の地面上に設置される防護柵本体であって、前記複数の固定管の各々の上方の位置において上下方向に延びる複数の外管と、前記複数の外管を横切る方向に延びてそれらの複数の外管を繋ぐビームとを有するものと、前記外管内の空間と前記固定管内の空間とにまたがって配置されることにより前記外管と前記固定管とを連結する連結高さ位置と前記外管内の空間から下方に離脱する離脱高さ位置との間で上下方向に移動可能となるように前記固定管内に挿入された連結部材と、を備え、前記防護柵本体は、前記連結部材が前記連結高さ位置に配置されて前記外管内の空間に挿入されたときにその連結部材を当該連結高さ位置で保持する保持装置を有する。
この防護柵では、保持装置による前記連結高さ位置での連結部材の保持を解除することにより連結部材を前記離脱高さ位置へ下降させて防護柵本体の外管内の空間から下方に離脱させることができるため、地面に固定された固定管に対する連結部材を介した防護柵本体の外管の連結を切り離すことができ、防護柵本体が設置された所定箇所から当該防護柵本体を移動させることができる。しかも、前記離脱高さ位置に下降した連結部材は、防護柵本体の外管から下方に離脱して固定管内の空間に収容されるから、防護柵本体の外管よりも上側へ突出することはない。従って、この防護柵では、前記所定箇所から移動させた防護柵本体から連結部材が上方へ大きく突出するのも防ぐことができる。
前記防護柵本体は、地面上を転動可能なキャスタを有することが好ましい。
この構成によれば、キャスタにより防護柵本体を地面に沿って移動させることができるので、前記所定箇所から防護柵本体を容易に移動させることができる。
前記防護柵本体は、前記キャスタによる当該防護柵本体の地面に沿った移動を抑止するためのストッパを有することが好ましい。
この構成によれば、前記所定箇所から移動させた防護柵本体が移動先において地面の傾斜や防護柵本体が受ける大風などによりキャスタが転動して防護柵本体が意図せず移動してしまうのをストッパにより抑止することができる。
前記防護柵本体がキャスタを有する構成において、前記外管は、その管壁を貫通する外側孔を有し、前記連結部材は、前記連結高さ位置に配置されたときに前記外側孔の位置と一致する内側孔を有し、前記保持装置は、前記外側孔及び前記内側孔に挿脱可能な挿嵌部材であって前記外側孔及び前記内側孔に挿嵌されることにより前記連結部材を前記連結高さ位置で保持するものと、前記挿嵌部材が、前記外側孔及び前記内側孔に挿嵌される挿嵌姿勢と、前記外側孔及び前記内側孔から抜き出されて地面に対して起立し、前記キャスタによる前記防護柵本体の地面に沿った移動を抑止するように地面に接触する接地姿勢とを取り得るように前記挿嵌部材を支持する支持部とを有することが好ましい。
この構成によれば、連結部材を連結高さ位置で保持するための保持装置の挿嵌部材を外管の外側孔及び連結部材の内側孔から抜き出して接地姿勢にすることにより、キャスタによる防護柵本体の地面に沿った移動を抑止するためのストッパとして機能させることができる。すなわち、この構成によれば、保持装置の挿嵌部材をストッパとして兼用できるため、部材点数の増加を防ぎつつ、連結高さ位置での連結部材の保持とキャスタの転動による防護柵本体の意図しない移動の抑止とを共に実現できる。
以上説明したように、本発明によれば、防護柵本体が設置された所定箇所から当該防護柵本体を移動可能としつつ、移動させた防護柵本体から連結部材が上方へ大きく突出するのを防ぐことが可能な防護柵を提供できる。
本発明の一実施形態による複数の防護柵が連結されて設置された状態を示す正面図である。 本発明の一実施形態による防護柵単体の正面図である。 所定箇所に防護柵本体が固定された状態での防護柵の長手方向に沿った断面であって固定管付近を部分的に示す断面図である。 図2中のIV−IV線に沿った防護柵の部分的な断面図である。 挿嵌部材が外側孔からの離脱位置に配置された状態の防護柵の図3相当図である。 防護柵本体の移動先において挿嵌部材が接地姿勢をとった状態での防護柵の長手方向に沿った部分的な断面図である。 図6中の挿嵌部材付近を上方から見た図である。 挿嵌部材の正面図である。 挿嵌部材の平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態による防護柵1は、道路や、道路に隣接する場所、歩道上、歩道と車道との間の境界上などの様々な設置場所に設置される。例えば、本実施形態の防護柵1は、道路の中央分離帯上に設置され、その中央分離帯の地面に固定される。当該防護柵1は、中央分離帯の両側の道路間を仕切り、一方の道路から反対車線の道路への車両の進入を防止する。また、防護柵1のうち後述の防護柵本体2は、当該防護柵1が固定された場所から移動させることが可能であり、その防護柵本体2のみを移動先の例えば街中や歩道上に設置して通行帯を仕切ったり、人の進入を防止したりするのに用いられる。また、通常使用時に中央分離帯上に設置された防護柵1から緊急時には防護柵本体2を移動させることで、車両が一方の道路から反対車線の道路へUターンするスペースを確保できるようになっている。以下、この防護柵1の構成について詳しく説明する。
本実施形態の防護柵1は、図2に示すように、防護柵本体2と、複数の固定管3と、複数の連結部材4と、複数の下降止め部5とを備える。
防護柵本体2は、中央分離帯等の所定箇所から移動可能にその所定箇所の地面G上に設置される。当該防護柵本体2は、車両や人の進入を規制したり、車線を仕切るといった防護柵1の機能をもたらすものである。本実施形態では、当該防護柵本体2は、後述のキャスタ18の車輪20が地面G上を転動することにより地面Gに沿って移動可能となっている。この防護柵本体2は、複数の可動体6と、ビーム8と、補強材10と、複数の保持装置12とを備える。
複数の可動体6は、それぞれ、地面G上を移動可能に構成されている。本実施形態では、防護柵本体2は、2つの可動体6を有する。各可動体6は、ベースプレート14と、外管16と、載置板17と、複数のキャスタ18とを有する。
ベースプレート14は、略長方形状の平板であり、略水平に配置されている。このベースプレート14は、当該ベースプレート14を上下方向(当該ベースプレート14の板厚方向)に貫通する貫通孔14aを有する。この貫通孔14aは、外管16の外径よりも僅かに大きい内径、すなわち外管16を挿入可能な内径を有する。
また、ベースプレート14の長尺方向の一端部には、その一端部の端面からベースプレート14の長尺方向における内側へ窪む凹部14bが設けられている。この凹部14bは、前記一端部においてベースプレート14の短尺方向の中央に位置し、前記一端部の端面において開口している。当該凹部14bの内面は、図7に示すように、当該凹部14bの開口側を向く内端面14cと、ベースプレート14の短尺方向において前記内端面14cの両側に位置し、前記短尺方向において互いに向かい合う一対の内側面14dとを有する。
外管16は、円筒状であり、前記貫通孔14aに挿入されてベースプレート14を貫通するとともに上下方向に延びる姿勢でベースプレート14に固定されている。この外管16のうちベースプレート14に固定されているのは当該外管16の下部であり、当該外管16の下部は、前記貫通孔14aに挿入された状態でベースプレート14の上下両面に対して溶接によって固定されている。また、外管16の上部は、後述のようにビーム8に固定されている。防護柵本体2が前記所定箇所に設置された状態(後述する防護柵1の固定状態)において、各可動体6の外管16は、複数の固定管3の各々の上方の位置において上下方向に延びるように配置される。
外管16は、当該外管16の管壁を貫通する2つの外側孔16aを有する。この2つの外側孔16aは、外管16においてベースプレート14よりも上側で且つビーム8よりも下側の位置、より具体的にはベースプレート14の上側でベースプレート14に近い位置に設けられている。当該2つの外側孔16aは、同じ高さ位置に設けられ、外管16の径方向において互いに対向する位置に設けられている。すなわち、2つの外側孔16aの中心同士を結ぶ直線は、外管16の中心軸に直交しながら当該中心軸を通る水平軸となっている。
載置板17は、外管16の上下方向の中央よりも上端寄りの位置で当該外管16の外周面に溶接によって固定されている。この載置板17は、平板状であり、外管16の中心軸方向(上下方向)に対して垂直に配置されている。また、この載置板17は、当該載置板17を板厚方向(上下方向)に貫通する複数のボルト挿通孔17aを有する。
複数のキャスタ18は、防護柵本体2が地面G上を移動できるようにするためのものであり、ベースプレート14に取り付けられている。本実施形態では、各可動体6は、4つのキャスタ18を有する。4つのキャスタ18は、外管16の両側に分かれて2つずつ配置されている。各キャスタ18は、ベースプレート14から下向きに突出しており、地面Gに接触してベースプレート14を下から支える。各キャスタ18は、地面G上をあらゆる方向に自在に転動することが可能に構成されている。
具体的に、各キャスタ18は、ステンレス製の円板状の車輪20と、当該車輪20を回転可能に支持する車輪支持部21とを有する。車輪支持部21は、上下方向に延びる縦軸回りに旋回可能となるようにベースプレート14に取り付けられている。車輪20が地面G上で転動することにより、各キャスタ18は地面G上をその地面Gに沿って移動することができ、車輪支持部21が縦軸回りに旋回することにより、各キャスタ18は地面G上で向きを変え、地面G上をあらゆる方向に自在に移動できるようになっている。
ビーム8は、複数の可動体6の外管16を横切る方向(水平方向)に延びてそれらの外管16を繋いでいる。このビーム8は、長尺で中空の箱形形状を有するいわゆるボックスビームである。当該ビーム8は、上板24と、下板26と、一対の側板28と、を有する。
上板24は、ビーム8の上面を構成するものであり、略水平に延びる長尺の板体である。下板26は、ビーム8の下面を構成するものであり、略水平に延びる長尺の板体である。下板26は、上板24に対して下方に離間し、上板24に対して平行にその上板24と対向するように配置されている。
一対の側板28は、ビーム8の短尺方向の両側面を構成するものであり、上板24及び下板26に対して垂直に配置されてその上板24及び下板26の長尺方向に沿って延びる長尺の板体である。一対の側板28のうちの一方の側板28は、上板24及び下板26の短尺方向の一方の端縁同士を繋ぎ、他方の側板28は、上板24及び下板26の短尺方向の他方の端縁同士を繋いでいる。
上板24及び下板26は、複数の貫通孔32(本実施形態では2つの貫通孔32)と、複数のボルト挿通孔34とをそれぞれ有する。
各貫通孔32は、各可動体6の外管16が挿嵌される孔である。上板24において、複数の貫通孔32は、当該上板24の長尺方向に沿って互いに離間した位置に設けられている。また、下板26において、複数の貫通孔32は、当該下板26の長尺方向に沿って互いに離間した位置に設けられており、上板24の貫通孔32と対応した位置に設けられている。各貫通孔32にそれぞれ外管16が挿嵌された状態で上板24及び下板26に外管16が固定されている。
複数のボルト挿通孔34は、上板24及び下板26において前記各貫通孔32の周りに設けられている。上板24に設けられた複数のボルト挿通孔34と下板26に設けられた複数のボルト挿通孔34は、上下方向に沿って互いに対応した位置に配置されている。
ビーム8は、上板24の貫通孔32と下板26の貫通孔32に外管16の上部が挿嵌された状態で、可動体6の載置板17上に載置される。その状態で、ビーム8は、上板24の各ボルト挿通孔34及び下板26の各ボルト挿通孔34と載置板17の各ボルト挿通孔17aに挿通された複数のボルト36と、それらのボルト36に螺合した複数のナット37とによって、載置板17に締結されて固定されている。
また、ビーム8の長尺方向の両端部は封止されている。当該ビーム8は、その両端部にそれぞれ接続部39を有する。この接続部39は、図1のように複数の防護柵1が並んで設置されるときに隣り合う防護柵1のビーム8の接続部39と接続される部位である。隣り合う防護柵1のビーム8の接続部39同士は、それらの接続部39を上下に貫通するボルトとそのボルトに螺合したナットとによって締結される。
補強材10は、防護柵本体2を補強して車両の衝突に対する防護柵1の強度を高めるためのものである。補強材10は、ビーム8から下方に離間した位置でビーム8と平行に配置され、複数の可動体6の外管16に固定されてそれらの外管16同士を繋いでいる。補強材10は、複数の外管16全体の周りを囲む楕円環状をなしており、当該補強材10の長尺方向がビーム8の長尺方向と一致している。補強材10の内側の領域のうち当該補強材10の長尺方向において各外管16から外れた領域は、空間となっている。補強材10の短尺方向の幅は、ビーム8の同方向の幅よりも大きい。このため、補強材10は、防護柵本体2の上方から見て当該補強材10の短尺方向においてビーム8の両側に突出している。また、この補強材10は、車両が防護柵本体2に衝突したときにビーム8下への車両の潜り込みを防止する機能をもたらす。
複数の固定管3及び複数の連結部材4は、複数の可動体6を地面Gの所定の設置場所に固定し、それによって防護柵本体2をその設置場所に固定するためのものである。本実施形態では、防護柵1は、2つの固定管3及び2つの連結部材4を有する。
2つの固定管3は、互いに離間した位置で中央分離帯等の所定箇所の地面Gに埋め込まれて固定されている。各固定管3は、円筒状であり、上下方向に延びる姿勢で前記設置場所の地中に埋設され、当該固定管3の上端の位置が前記設置場所の地面Gの位置と略一致するように配置されている。固定管3の上端は、開口している。
各固定管3の下部には、前記下降止め部5が設けられている。この下降止め部5は、連結部材4が後述の離脱高さ位置に配置されたときにその離脱高さ位置よりも下側への連結部材4の下降を阻止するものである。下降止め部5は、棒状の部材からなり、固定管3の径方向に延びるように固定管3内に溶接により固定されている。
2つの連結部材4は、上下方向に延びる姿勢で前記2つの固定管3の対応するものの内部にそれぞれ挿入されている。各連結部材4は、連結高さ位置(図3に示される連結部材4の高さ位置)と、その連結高さ位置よりも下の高さ位置である離脱高さ位置(図5に示される連結部材4の高さ位置)との間で上下方向に移動可能となるように固定管3内に挿入されている。
各連結部材4は、連結高さ位置では、固定管3の上端から上方へ、すなわち地面Gから上方へ大きく突出する。この連結高さ位置において、各連結部材4は、外管16内の空間と固定管3内の空間とにまたがって配置され、それによって外管16と固定管3とを連結する。また、この連結高さ位置では、各連結部材4の上端がビーム8の上端よりも僅かに上側に突出している。
また、各連結部材4は、離脱高さ位置では、外管16内の空間から下方に離脱し、当該連結部材4の上端が固定管3の上端とほぼ同じ高さであるがその固定管3の上端よりも僅かに上側、すなわち当該連結部材4の上端が地面Gとほぼ同じ高さであるがその地面Gよりも僅かに上側に位置するように固定管3内に収容されている。各連結部材4は、その下端が前記下降止め部5に当接することにより離脱高さ位置で保持される。
各連結部材4は、連結部材本体42と、キャップ部44と、掛部46とを有する。
連結部材本体42は、連結部材4の大半を構成するものであり、円筒管からなる。この連結部材本体42は、上下方向に延びる姿勢で固定管3内に挿入され、固定管3と同軸状に配置されている。また、当該連結部材本体42は、その中心軸に沿って上下に移動可能で且つその中心軸回りに回転可能に固定管3内に挿入されている。
連結部材本体42は、当該連結部材本体42の管壁を貫通する2つの内側孔42aを有する。この2つの内側孔42aは、連結部材本体42において、連結部材4が前記連結高さ位置に配置されたときに外管16の外側孔16aの高さ位置と一致する位置に設けられている。当該2つの内側孔42aは、上下方向(連結部材本体42の中心軸方向)における連結部材本体42の中間の所定位置に設けられている。また、当該2つの内側孔42aは、同じ高さ位置に設けられているとともに、連結部材本体42の径方向において互いに対向する位置に設けられている。すなわち、2つの内側孔42aの中心同士を結ぶ直線は、連結部材本体42の中心軸に直交しながら当該中心軸を通る水平軸となっている。
内側孔42aは、外側孔16aの内径よりも大きい内径を有する丸穴である。また、この内側孔42aの内径は、後述する挿嵌部材54のピン部64が遊びを持って当該内側孔42aに挿入されるような内径である。このため、連結部材4が連結高さ位置に配置されたときに外側孔16aに対する内側孔42aの位置が僅かにずれていても挿嵌部材54のピン部64を当該内側孔42aに挿通できる。すなわち、外側孔16aに対する内側孔42aの位置合わせに高い精度が要求されず、その位置合わせの作業が容易になっている。
キャップ部44は、連結部材本体42の上端部に取り付けられている。このキャップ部44は、有底で上端が開口した浅い円筒状のキャップ本体44aと、そのキャップ本体44aの上端から径方向外側に拡径するように設けられた円環状の周縁部44bとを有する。当該キャップ部44は、前記キャップ本体44aが連結部材本体42の上端部内に嵌め込まれ、前記周縁部44bが連結部材本体42の上端に溶接されることにより、連結部材本体42の上端部に取り付けられている。
掛部46は、連結部材4を前記離脱高さ位置から前記連結高さ位置へ引き上げるときに引き上げ具のフック部が引っ掛けられる部位である。この掛部46は、棒状であり、キャップ本体44aの径方向に延びるようにそのキャップ本体44aの内周面に取り付けられている。そして、この掛部46が延びる方向は、前記内側孔42aが連結部材本体42の管壁を貫通する方向と平行になっている。換言すれば、当該掛部46が延びる方向は、前記2つの内側孔42aの中心同士を結ぶ直線が延びる方向と平行になっている。この構成により、掛部46は、連結部材本体42及び固定管3の周方向における前記2つの内側孔42aの位置が前記2つの外側孔16aの位置に合うように外管16に対して連結部材4の周方向の位置決めを行う際の目安になる。
複数の保持装置12は、防護柵1が後述の固定状態を取るために各連結部材4が前記連結高さ位置に配置されて各外管16内の空間に挿入されたときにそれらの連結部材4を当該連結高さ位置で保持するものである。本実施形態では、防護柵本体2は、2つの保持装置12を有する。各保持装置12は、防護柵1が後述の可動状態を取り、防護柵本体2を移動させた先で、防護柵本体2が地面Gに沿って移動するのを抑止する機能も有する。
具体的に、各保持装置12は、支持部52と、挿嵌部材54とを有する。
支持部52は、挿嵌部材54が、前記2つの外側孔16a及び前記2つの内側孔42aに挿嵌される挿嵌姿勢と、前記2つの外側孔16a及び前記2つの内側孔42aから抜き出されて地面Gに対して起立し、キャスタ18による防護柵本体2の地面Gに沿った移動を抑止するように地面Gに接触する接地姿勢とを取り得るように挿嵌部材54を支持するものである。また、支持部52は、挿嵌部材54が、外管16の中心軸及び2つの外側孔16aの中心同士を結ぶ直線の両方に対して垂直な軸回りに回動可能となり、且つ、前記2つの外側孔16aの中心同士を結ぶ直線に沿ってスライド可能となるように当該挿嵌部材54を支持する。この支持部52は、図4に示すように、一対のブラケット58と、軸部60とを有する。
一対のブラケット58は、軸部60が外管16の中心軸及び2つの外側孔16aの中心同士を結ぶ直線の両方に対して垂直に延びるように当該軸部60を支持する。このように一対のブラケット58によって支持された軸部60が、挿嵌部材54が当該軸部60を中心として回動可能で且つ当該軸部60に対して直交する方向にスライド可能となるようにその挿嵌部材54を支持しており、それによって、挿嵌部材54が外管16の中心軸及び2つの外側孔16aの中心同士を結ぶ直線の両方に対して垂直な軸回り(当該軸部60の中心軸回り)に回動可能で、且つ、2つの外側孔16aの中心同士を結ぶ直線に沿ってスライド可能となるようにその挿嵌部材54を支持している。
一対のブラケット58は、ベースプレート14の短尺方向において前記凹部14bの両側に分かれて配置されてベースプレート14に固定されている。各ブラケット58は、L形の金具である。具体的に、各ブラケット58は、ベースプレート14の上面に沿うように配置されてベースプレート14にボルトとナットで締結されることにより固定された被固定部58aと、その被固定部58aの内側端から垂直に立ち上げられた立設部58bとを有する。一対のブラケット58は、それらの立設部58bが前記凹部14bを挟んでベースプレート14の短尺方向において互いに向き合うように配置されている。
軸部60は、丸棒状の部材からなり、一対のブラケット58の立設部58b間で外管16の中心軸及び2つの外側孔16aの中心同士を結ぶ直線の両方に対して垂直な方向に延びるようにそれらの立設部58bに取り付けられている。この軸部60は、後述のように挿嵌部材54を貫通することにより、挿嵌部材54が前記のように当該軸部60を中心として回動可能で且つ当該軸部60に対して直交する方向にスライド可能となるように当該挿嵌部材54を支持する。
挿嵌部材54は、連結部材4が外管16内に挿入されるとともに前記連結高さ位置に配置された状態で外管16の2つの外側孔16aと連結部材4の2つの内側孔42aに挿脱可能に構成されている。この挿嵌部材54は、それらの外側孔16a及び内側孔42aに挿通されることにより、連結部材4を前記連結高さ位置で保持する、すなわち連結部材4が前記連結高さ位置から下降するのを規制する。また、本実施形態では、挿嵌部材54は、接地姿勢を取ることによりキャスタ18による防護柵本体2の地面Gに沿った移動を抑止するためのストッパとしても機能する。この挿嵌部材54は、図8及び図9に示すように、基部62と、ピン部64と、接地部66とを有する。
基部62は、前記支持部52の軸部60によって支持される部分であり、その軸部60を中心として回動可能であるとともに、その軸部60が延びる方向と直交する方向に当該軸部60に対してスライド可能となっている。
具体的に、基部62は、細長い板体であり、前記一対のブラケット58の立設部58b間で当該基部62の板厚方向が前記軸部60の延びる方向と一致するように配置されている。基部62は、当該基部62をその板厚方向に貫通するとともに当該基部62の長尺方向に延びる長穴62aを有する。この長穴62aに前記軸部60が挿通されている。当該長穴62aの長手方向に直交する方向の幅は前記軸部60の直径よりも僅かに大きい。これにより、当該長穴62aは、基部62が当該長穴62aの長手方向に沿って軸部60に対してスライドすることを許容するとともに、基部62が軸部60を中心として回動することを許容する。基部62の長手方向の両端部のうち一端部が、基部62の後端部であり、挿嵌部材54の後端部を構成している。
ピン部64は、丸棒状であり、連結部材4を前記連結高さ位置で固定するために外側孔16a及び内側孔42aに挿通されるものである。このピン部64は、基部62の長手方向の一端からその基部62の長手方向に沿って延びている。このピン部64の長手方向の両端部のうち基部62から遠い側の端部が、当該ピン部64の先端部であり、挿嵌部材54の先端部である。
挿嵌部材54は、軸部60を中心として回動することにより、ベースプレート14の上方でそのベースプレート14と平行に延びるように倒伏し、前記外側孔16a及び前記内側孔42aに挿嵌される挿嵌姿勢(図3参照)と、ベースプレート14に対して垂直に起立し、地面Gに接触する接地姿勢(図6参照)とを取り得るようになっている。なお、図3及び図6、さらに図5では、挿嵌部材54の状態を判りやすくするために、これらの図において挿嵌部材54と重なって示されるはずの補強材1の図示を省略している。挿嵌部材54は、ベースプレート14の短尺方向の略中央に配置されている。換言すれば、挿嵌部材54は、ビーム8及び補強材10の短尺方向の略中央に配置されている。このため、挿嵌部材54は、軸部60を中心とした回動時の各姿勢において補強材10の内側の空間を通り、それによって当該挿嵌部材54と補強材10との干渉が回避されるようになっている。
ベースプレート14と平行に延びるように倒伏した挿嵌部材54では、基部62が外管16から遠い側に配置されるとともにピン部64が外管16に近い側に配置される。また、挿嵌部材54が倒伏した状態では、ピン部64のベースプレート14からの高さ位置が外側孔16aの高さ位置に一致する。この状態において挿嵌部材54を2つの外側孔16aの中心同士を結ぶ直線に沿って、換言すればベースプレート14と平行に軸部60に対してスライドさせることにより、ピン部64を2つの外側孔16aに挿脱でき、その2つの外側孔16aに対して2つの内側孔42aが位置合わせされている状態では当該2つの内側孔42aに対してもピン部64を挿脱できるようになっている。
ピン部64が2つの外側孔16aに対して挿通された状態では、ピン部64の先端部が外管16の外周面から当該外管16の径方向外側へ突出している。このピン部64の先端部には、当該先端部をその径方向に貫通する孔64aが設けられている。当該ピン部64の先端部が前記のように外管16の外周面から突出した状態で、前記孔64aに図略の錠の掛け金が挿通されて当該錠がロックされることにより外側孔16a及び内側孔42aからのピン部64の抜け止めとその抜け止めによる防護柵本体2及び連結部材4の盗難防止とが図られる。
前記接地姿勢を取った挿嵌部材54では、基部62に対してピン部64が上側に配置され、その基部62及びピン部64が上下方向に延びている。また、挿嵌部材54が前記接地姿勢を取った状態では、基部62がベースプレート14の凹部14b内に入り込んでいる。
接地部66は、挿嵌部材54の後端部、すなわち基部62の後端部に設けられている。この接地部66は、挿嵌部材54が前記接地姿勢を取った時に、キャスタ18による防護柵本体2の地面Gに沿った移動を抑止するように地面Gに接触するものである。当該接地部66は、基部62よりも幅広で薄い板体からなる。当該接地部66は、挿嵌部材54が前記接地姿勢を取った状態において挿嵌部材54の後端部から挿嵌部材54の長手方向及び軸部60の延びる方向の両方に対して垂直な方向に沿って外管16側(キャスタ18側)へ延び、その延びた部分の先端部が曲げ起こされた形状をなしている。
挿嵌部材54が前記接地姿勢を取り、接地部66が地面Gに接触した状態で防護柵本体2に図6中のA方向への力が加えられたときには、挿嵌部材54には、軸部60を中心としてC方向へ回動させる向きの力が作用するが、基部62がベースプレート14の凹部14bの内面のうち前記A方向に沿う方向において当該基部62と対向する内端面14cに当接することによって、挿嵌部材54の前記C方向への回動は阻止される。その結果、接地部66と地面Gとの間に働く摩擦力により前記A方向への防護柵本体2の移動が抑止される。
また、挿嵌部材54が前記接地姿勢を取り、接地部66が地面Gに接触した状態で防護柵本体2に図6中のB方向への力が加えられたときには、挿嵌部材54には、軸部60を中心としてD方向へ回動させる向きの力が作用するが、接地部66のうち基部62から前記B方向へ突出した部位が当該挿嵌部材54のD方向への回動を阻止するように地面Gに対して抵抗することにより、当該挿嵌部材54のD方向への回動は阻止される。その結果、接地部66と地面Gとの間に働く摩擦力により前記B方向への防護柵本体2の移動が抑止される。
なお、防護柵本体2が有する2つの保持装置12は、前記A方向及び前記B方向に沿う方向において互いに逆向きに配置されている。このため、防護柵本体2に前記A方向への力が作用したときには、一方の保持装置12の挿嵌部材54はその基部62が凹部14bの内端面14cに当接することによる当該挿嵌部材54の回動阻止により防護柵本体2の移動を抑止する作用を発揮し、他方の保持装置12の挿嵌部材54は接地部66のうち基部62から突出した部位が挿嵌部材54の回動を阻止するように地面Gに対して抵抗することにより防護柵本体2の移動を抑止する作用を発揮し、それらの両方の作用により前記A方向への防護柵本体2の移動が抑止される。また、防護柵本体2に前記A方向と逆向きの前記B方向への力が作用したときには、前記他方の保持装置12の挿嵌部材54はその基部62が凹部14bの内端面14cに当接することによる当該挿嵌部材54の回動阻止により防護柵本体2の移動を抑止する作用を発揮し、前記一方の保持装置12の挿嵌部材54は接地部66のうち基部62から突出した部位が挿嵌部材54の回動を阻止するように地面Gに対して抵抗することにより防護柵本体2の移動を抑止する作用を発揮し、それらの両方の作用により前記B方向への防護柵本体2の移動が抑止される。
また、防護柵本体2は、キャスタ18が縦軸回りに旋回することにより図6の紙面に垂直な方向へ地面Gに沿って移動することが可能であるが、挿嵌部材54が前記接地姿勢を取り、接地部66が地面Gに接触した状態で防護柵本体2に同方向への力が加えられたときには、基部62がベースプレート14の凹部14bの内面のうちの内側面14dに当接することにより、挿嵌部材54の同方向への変位が阻止される。その結果、接地部66と地面Gとの間に働く摩擦力により図6の紙面に垂直な方向への防護柵本体2の移動が抑止される。
以上のように構成された防護柵1は、連結部材4が前記連結高さ位置と前記離脱高さ位置との間で移動することにより、当該連結部材4を介して防護柵本体2の外管16と固定管3とが連結されて防護柵本体2が地面Gに固定される固定状態と、防護柵本体2の外管16が当該連結部材4から切り離されて防護柵本体2が移動可能となる可動状態とを取り得るようになっている。
具体的に、前記固定状態では、連結部材4は、前記連結高さ位置に配置され、その上半部が防護柵本体2の外管16内の空間に挿入されるとともに、下半部が地中に埋設された固定管3内の空間に残された状態で、防護柵本体2の外管16と固定管3とに当該連結部材4がまたがって配置される。このとき、外管16の外側孔16a及び連結部材4の内側孔42aに保持装置12の挿嵌部材54のピン部64が挿入され、それによって連結部材4が前記連結高さ位置で下降しないように固定されている。そして、外管16の外周面から突出したピン部64の先端部の孔64aに錠の掛け金が挿通され、その錠により外側孔16a及び内側孔42aからのピン部64の抜け止めがされている。このような状態で、防護柵本体2の外管16と固定管3は、連結部材4によって橋渡しされた状態で連結され、防護柵本体2が例えば中央分離帯の地面Gに固定されている。
防護柵1を前記固定状態から前記可動状態へ移行させる時には、挿嵌部材54のピン部64の先端部に取り付けられた錠を取り外し、挿嵌部材54を軸部60に対してスライドさせてピン部64を外側孔16a及び内側孔42aから抜き出す。これにより、連結部材4は、自重によって前記連結高さ位置から下降して外管16内から下方へ離脱し、前記離脱高さ位置に配置される。これにより、防護柵本体2が連結部材4から切り離され、すなわち地面Gに対する防護柵本体2の固定が解除され、防護柵本体2がキャスタ18により地面Gに沿って移動可能となる。すなわち、防護柵1が前記可動状態となる。
前記のように外側孔16a及び内側孔42aから抜き出したピン部64は、連結部材4が前記離脱高さ位置に配置された後、外管16の2つの外側孔16aへ挿入し直す。その状態で、作業者は、防護柵本体2を押す又は引っ張ることにより前記固定状態での防護柵1の設置場所から当該防護柵本体2を地面Gに沿って移動させ、車両等が前記設置場所を通れるようにする。
そして、防護柵本体2の移動先の場所、例えば道路脇や歩道上、街中等の場所では、防護柵本体2を固定するための固定管3及び連結部材4は存在しないので、地面の傾斜や防護柵本体2が受ける大風等により防護柵本体2を地面Gに沿って移動させる力が当該防護柵本体2に作用することがある。このような場合にキャスタ18の車輪20が転動して防護柵本体2が意図せず移動するのを、接地姿勢にした挿嵌部材54により抑止する。
具体的には、防護柵本体2の移動先の場所において、作業者は、軸部60が長穴62aのピン部64側の端部にあたる位置まで挿嵌部材54をスライドさせることによりピン部64を外側孔16aから抜き出し、軸部60を中心として挿嵌部材54を90度回動させて接地姿勢にする。これにより、接地部66が、地面Gに接触し、地面Gに沿った防護柵本体2の移動を抑止する。
また、逆に、防護柵本体2を前記設置場所へ戻したときには、その各外管16の位置が各固定管3の位置に合うように防護柵本体2を配置し、各外管16の上方からその外管16内の空間を通して引き上げ具により連結部材4の掛部46を引っ掛けて当該連結部材4を連結高さ位置まで引き上げる。そして、掛部46の延びる方向を目安に連結部材4の周方向における2つの内側孔42aの位置を外管16の2つの外側孔16aの位置に合わせる。そして、保持装置12の挿嵌部材54をベースプレート14と平行になるように倒伏した状態で軸部60に対してスライドさせて当該挿嵌部材54のピン部64を外側孔16a及び内側孔42aに挿通して挿嵌姿勢にすることにより、連結部材4を連結高さ位置で保持する。これにより、防護柵本体2の外管16を連結部4を介して固定管3に連結し、防護柵1を固定状態にする。
本実施形態では、保持装置12による前記連結高さ位置での連結部材4の保持を解除することにより、連結部材4を前記離脱高さ位置へ下降させて防護柵本体2の外管16内の空間から下方に離脱させることができる。このため、地面Gに固定された固定管3に対する連結部材4を介して防護柵本体2の外管16の連結を切り離すことができ、防護柵本体2が固定的に設置された所定箇所から当該防護柵本体2を移動させることができる。しかも、前記離脱高さ位置に下降した連結部材4は、防護柵本体2の外管16から下方に離脱して固定管3内の空間に収容されるから、防護柵本体2の外管16よりも上側へ突出することはない。従って、前記所定箇所から移動させた防護柵本体2から連結部材4が上方へ大きく突出するのも防ぐことができ、防護柵本体2の移動先である例えば街中や歩道上において景観を損なうのを防ぐことができる。
また、本実施形態では、防護柵本体2はキャスタ18により地面Gに沿って移動可能であるので、前記所定箇所から防護柵本体2を容易に移動させることができる。
また、本実施形態では、連結部材4を前記連結高さ位置で保持するための保持装置12の挿嵌部材54を外管16の外側孔16a及び連結部材4の内側孔42aから抜き出して接地姿勢にすることにより、当該挿嵌部材54をキャスタ18による防護柵本体2の地面Gに沿った移動を抑止するためのストッパとして機能させることができる。すなわち、本実施形態では、保持装置12の挿嵌部材54をストッパとして兼用できるため、部材点数の増加を防ぎつつ、前記連結高さ位置で連結部材4を保持できるとともに、所定箇所から移動させた防護柵本体2がその移動先において地面の傾斜や当該防護柵本体2が受ける大風などによりキャスタ18が転動して当該防護柵本体2が意図せず移動してしまうのを抑止できる。
本発明による防護柵は、前記のような構成のものに必ずしも限定されない。例えば、本発明による防護柵に以下のような構成を採用可能である。
前記実施形態では、保持装置の挿嵌部材をキャスタによる防護柵本体の地面に沿った移動を抑止するためのストッパとして兼用できるようにしたが、連結部材を連結高さ位置で保持するための保持装置とは別個に防護柵本体の地面に沿った移動を抑止するための専用のストッパを設けてもよい。
また、防護柵本体は、キャスタを必ずしも具備していなくてもよい。すなわち、防護柵本体は、それが固定的に設置される所定箇所では地面上に載置され、その所定箇所からの移動時には人力で持ち上げて移動させたり、クレーン、フォークリフト等の作業機械によって移動させたりすることが可能なものであってもよい。
1 防護柵
2 防護柵本体
3 固定管
4 連結部材
8 ビーム
12 保持装置
16 外管
16a 外側孔
18 キャスタ
42a 内側孔
52 支持部
54 挿嵌部材(ストッパ)

Claims (4)

  1. 道路及びその道路に隣接する場所のうちの所定箇所に設置される防護柵であって、
    上下方向に延びる姿勢で前記所定箇所の地面に埋め込まれて固定された複数の固定管と、
    前記所定箇所から移動可能にその所定箇所の地面上に設置される防護柵本体であって、前記複数の固定管の各々の上方の位置において上下方向に延びる複数の外管と、前記複数の外管を横切る方向に延びてそれらの複数の外管を繋ぐビームとを有するものと、
    前記外管内の空間と前記固定管内の空間とにまたがって配置されることにより前記外管と前記固定管とを連結する連結高さ位置と前記外管内の空間から下方に離脱する離脱高さ位置との間で上下方向に移動可能となるように前記固定管内に挿入された連結部材と、を備え、
    前記防護柵本体は、前記連結部材が前記連結高さ位置に配置されて前記外管内の空間に挿入されたときにその連結部材を当該連結高さ位置で保持する保持装置を有する、防護柵。
  2. 前記防護柵本体は、地面上を転動可能なキャスタを有する、請求項1に記載の防護柵。
  3. 前記防護柵本体は、前記キャスタによる当該防護柵本体の地面に沿った移動を抑止するためのストッパを有する、請求項2に記載の防護柵。
  4. 前記外管は、その管壁を貫通する外側孔を有し、
    前記連結部材は、前記連結高さ位置に配置されたときに前記外側孔の位置と一致する内側孔を有し、
    前記保持装置は、前記外側孔及び前記内側孔に挿脱可能な挿嵌部材であって前記外側孔及び前記内側孔に挿嵌されることにより前記連結部材を前記連結高さ位置で保持するものと、前記挿嵌部材が、前記外側孔及び前記内側孔に挿嵌される挿嵌姿勢と、前記外側孔及び前記内側孔から抜き出されて地面に対して起立し、前記キャスタによる前記防護柵本体の地面に沿った移動を抑止するように地面に接触する接地姿勢とを取り得るように前記挿嵌部材を支持する支持部とを有する、請求項2に記載の防護柵。
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