JP2019107776A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体の残量の判断精度を高めることが可能な液体吐出装置を提供すること。【解決手段】液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出部と、液体吐出部に供給する液体を貯留する空間を区画し、液体吐出部の液体の吐出動作に伴い内部の液体の残量が変化する、樹脂製の液体貯留部と、液体吐出部との間に液体の流動が生じない空間を区画する、樹脂製の参照部と、液体貯留部に対応して設けられた第1電極対と、参照部に対応して設けられた第2電極対と、を備えている。【選択図】図4

Description

本発明は、液体吐出装置に関する。
特許文献1には、インクジェットヘッドに供給するインクを貯留するインク容器に電極対を設け、この電極対を用いて、インク容器内のインクの残量を判断する技術が開示されている。具体的には、この特許文献1では、インクの残量が変化すると電極対の間の静電容量が変化することに着目し、電極対の間の静電容量を取得することで、インクの残量を判断している。
特開2006−327111号公報
ところで、インク容器に貯留されている液体の残量の判断を、電極対を用いて行う方法の場合、環境が変化すると判断精度が低下する虞がある。例えば、環境温度が変化すると、液体を貯留するインク容器や当該インク容器に貯留される液体の誘電率は変化するため、液体の残量が同じ場合でも、電極対の間の静電容量は変化する。従って、電極対の間の静電容量に基づいて、インク容器に貯留されている液体の残量を判断する方法の場合、環境温度が変化すると判断精度が低下する。
そこで、本発明の目的は、液体の残量の判断精度を高めることが可能な液体吐出装置を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明の液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出部と、前記液体吐出部に供給する液体を貯留する空間を区画し、前記液体吐出部の液体の吐出動作に伴い内部の液体の残量が変化する、樹脂製の液体貯留部と、前記液体吐出部との間に液体の流動が生じない空間を区画する、樹脂製の参照部と、前記液体貯留部に対応して設けられた第1電極対と、前記参照部に対応して設けられた第2電極対と、を備えていることを特徴とする。
また、本発明の別の観点に係る液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出部と、前記液体吐出部に供給する液体を貯留する空間を区画し、前記液体吐出部の液体の吐出動作に伴い内部の液体の残量が変化する、樹脂製の液体貯留部と、液体を貯留する空間を区画し、前記液体吐出部の前記吐出動作に関わらず内部の液体の量が変化しない、樹脂製の参照部と、前記液体貯留部に対応して設けられた第1電極対と、前記参照部に対応して設けられた第2電極対と、を備えていることを特徴とする。
本発明によると、参照部に対応して設けられた第2電極対により取得される値は、吐出動作が行われても変化せず、環境の変化により変化する。このため、第2電極対を用いて取得される値を参照することで、第1電極対を用いて取得される値が、環境の変化によって受ける影響度合を把握することができる。その結果、液体貯留部内の液体の残量の判断精度を高めることができる。
第1実施形態に係るインクジョットプリンタの概略平面図である。 (a)は、インクジェットヘッド、第1受容部、及びインクカートリッジを模式的に示す鉛直断面図であり、(b)は、第2受容部及び参照ケースを模式的に示す鉛直断面図である。 (a)は、ホルダ、インクカートリッジ及び参照ケースの概略平面図であり、(b)は、ホルダ及び参照ケースの斜視図である。 (a)及び(b)は、電極と静電容量測定回路との接続を模式的に示す図である。 (a)静電容量測定回路について説明する回路図であり、(b)は、静電容量測定回路の動作を示す図である。 インクジェットプリンタの電気的構成を概略的に示すブロック図である。 インクジェットプリンタの処理動作について説明する図である。 (a)は第2実施形態に係るホルダ、インクカートリッジ及び参照ケースの概略平面図であり、(b)は電極と静電容量測定回路との接続を模式的に示す図である。 第2実施形態に係るインクジェットプリンタの処理動作について説明する図である。 (a)は変形例に係るインクジェットヘッド、サブタンク、及びインクカートリッジを模式的に示す鉛直断面図であり、(b)はサブタンクの斜視図である。
以下、本発明の第1実施形態について説明する。また、以下では、液体吐出装置として、インクジェットプリンタ1(以下、プリンタ1)を例にして説明する。図1に示すように、プリンタ1は、略直方体状の筐体1aを有する。筐体1a内には、プラテン2、キャリッジ3、インクジェットヘッド4(以下、ヘッド4)、搬送機構5、ホルダ6、制御装置100、電源回路110(図6参照)、スイッチ回路120(図6参照)、及び静電容量測定回路130(図6参照)等が収容される。尚、以下では、プリンタ1が使用可能に水平面に設置された姿勢(図1の姿勢であって、以下「使用姿勢」と称することがある)を基準として、「上下方向」を定義する。また、図1に示す前後方向及び左右方向を、プリンタ1の「前後方向」及び「左右方向」と定義する。なお、前後方向及び左右方向は水平面と平行な方向であり、上下方向は水平面に対して垂直な鉛直方向である。以下、前後、左右、上下の各方向語を適宜使用して説明する。
プラテン2の上面には、被記録媒体である用紙Pが載置される。また、プラテン2の上方には、左右方向(走査方向)に平行に延びる2本のガイドレール11,12が設けられる。
キャリッジ3は、2本のガイドレール11,12に取り付けられ、プラテン2と対向する領域において2本のガイドレール11,12に沿って左右方向に移動可能である。また、キャリッジ3には、駆動ベルト13が取り付けられている。駆動ベルト13は、2つのプーリ14,15に巻き掛けられた無端状のベルトである。一方のプーリ14はキャリッジ駆動モータ16(図6参照)に連結されている。キャリッジ駆動モータ16によってプーリ14が回転駆動されることで駆動ベルト13が走行し、これにより、キャリッジ3が左右方向に往復移動する。また、このとき、キャリッジ3上に搭載されたヘッド4は、このキャリッジ3とともに左右方向に往復移動することになる。
ホルダ6には、4つの第1受容部61が左右方向に並んで配置されている。各第1受容部61には、インクカートリッジ20が着脱可能に受容される。4つの第1受容部61に受容される4つのインクカートリッジ20には、それぞれ、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクが貯留されている。4つのインクカートリッジ20は、同構成であるため、以下では、1つのインクカートリッジ20の構成について説明する。
インクカートリッジ20は、図2(a)に示すように、インクが貯留される内部空間21を区画する略直方体状のケース22から主に構成されている。ケース22は、樹脂で形成されている。図3(a)に示すように、ケース22の左側壁22l及び右側壁22rは、前後方向に平行な鉛直面に沿って延びている。また、ケース22の前壁22f及び後壁22bは、左右方向に平行な鉛直面に沿って延びている。なお、左側壁22lの厚みと、右側壁22rの厚みは等しい。
図2(a)に示すように、ケース22の後壁22bの下部には、後壁22bを前後に貫通する排出口23が形成されている。この排出口23は、内部空間21に貯留されているインクを外部へ供給するための開口である。また、後壁22bにおける当該排出口23の形成部分には、後方に突出する円筒形状のインク供給部24が設けられている。インク供給部24の内部空間は、排出口23を介して内部空間21と連通する。
インク供給部24の内部空間の先端は、後述するニードル63が挿入される挿入孔24aである。この挿入孔24aは、インクカートリッジ20が第1受容部61に受容されていない状態では、図示しないバルブにより閉じられている。インクカートリッジ20が第1受容部61に受容されると、第1受容部61のニードル63がバルブを押し動かすことにより、挿入孔24aが開放される。
ケース22の後壁22bの上部には、後壁22bを前後に貫通する大気連通口25が形成されている。大気連通口25は、内部空間21内のインクの液面よりも上側の気体層と外部(大気)と連通するものである。
第1受容部61は、チューブジョイント62と、筒状の樹脂針からなるニードル63と、チューブジョイント62及びニードル63を連通させる内部流路64とを有する。チューブジョイント62には、可撓性を有するチューブ17が接続される。チューブ17は、一端がチューブジョイント62に接続され、他端がヘッド4に接続されている。
第1受容部61にインクカートリッジ20が受容された際に、ニードル63がインクカートリッジ20の挿入孔24aに挿入されることで、内部流路64及びチューブ17を介して、インクカートリッジ20の内部空間21と、ヘッド4とが連通する。その結果として、インクカートリッジ20の内部空間21に貯留されているインクを、ヘッド4へと供給することが可能となる。つまり、インクカートリッジ20の内部空間21は、ヘッド4との間でインクの流動が生じ得る。
また、各第1受容部61には、インクカートリッジ20が第1受容部61に受容されているか否かを検知するための受容検知センサ69(図6参照)が設けられている。
尚、以下の説明において、インクジェットプリンタの構成要素のうち、ブラック(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)のインクにそれぞれ対応するものについては、その構成要素を示す符号の後に、どのインクに対応するかが分かるように、適宜、ブラックを示す"K"、イエローを示す"Y"、シアンを示す"C"、マゼンタを示す"M"の何れかの記号を付す。例えば、インクカートリッジ20Kは、ブラックインクを貯留するインクカートリッジ20を示す。
図1に示すように、ホルダ6には、4つの第1受容部61の右側に、1つの第2受容部65が設けられている。第2受容部65には、参照ケース30が受容される。参照ケース30は、略直方体状のケースである。参照ケース30は、インクカートリッジ20のケース22と同じ材質の樹脂で形成されている。この参照ケース30は、図2(b)に示すように、その内部において、内部空間31を区画する。この内部空間31内には、インク等の液体は貯留されておらず、空気のみが存在する。
図3(a)に示すように、参照ケース30の左側壁30l及び右側壁30rは、前後方向に平行な鉛直面に沿って延びている。この左側壁30lの厚みは、ケース22の左側壁22lの厚みと等しい。また、参照ケース30の右側壁30rの厚みは、ケース22の右側壁22rの厚みと等しい。さらに、参照ケース30の左側壁30lと右側壁30rの左右方向の間隔と、ケース22の左側壁22lと右側壁22rとの左右方向の間隔とは等しい。
参照ケース30は、インクカートリッジ20のケース22と異なり、排出口や大気連通口などの内部空間31と外部とを連通される連通口は形成されていない。つまり、内部空間31は密閉されている。また、第2受容部65には、第1受容部61とは異なりニードル等を有していない。以上より、参照ケース30の内部空間31は、ヘッド4と非接続であり、ヘッド4との間でインクの流動が生じることはない。さらに、参照ケース30の内部空間31は、各インクカートリッジ20の内部空間21と非接続であり、各インクカートリッジとの間でインクの流動が生じることはない。従って、参照ケース30の内部空間31に、ヘッド4やインクカートリッジ20からインクが供給されることはない。なお、参照ケース30の内部空間31の下端位置は、インクカートリッジ20の内部空間21の下端位置と同じ高さ位置となるように設定されている。
また、ホルダ6には、図1に示すように、6つの電極7a,7b,7c,7d,7e,7fが、この順に左から左右方向に沿って並ぶように設けられている。これら6つの電極7a,7b,7c,7d,7e,7fは、いずれも同一の構成を有し、後述するように、インクカートリッジ20内のインクの残量を判断する際に用いられる。以下では、電極7a,7b,7c,7d,7e,7fを、区別しない場合又はこれらを総称する場合、「電極7」という。電極7の構成の詳細については、後述する。
ヘッド4は、プラテン2との間に隙間を有する状態でキャリッジ3に搭載されている。ヘッド4は、ヘッド本体41と、ヘッド本体41の上面に設けられ、ヘッド本体41に供給するインクを一時的に貯留するための4つのバッファタンク45とを有する。各バッファタンク45には、チューブ17が接続されている。各バッファタンク45には、チューブ17を介して、対応するインクカートリッジ20内のインクが供給される。
ヘッド本体41の下面は、複数のノズル42が開口した吐出面41a(図2(a)参照)である。ノズル42は、前後方向に配列され、4つのノズル列42K,42Y,42C,42Mを形成している。4つのノズル列42K,42Y,42C,42Mは、左右方向に並んで配置されており、それぞれ、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色のインクを吐出する複数のノズル42で構成されている。
ヘッド本体41の内部には、色毎(ノズル列42K,42Y,42C,42M毎)に共通のインク流路43が形成されている。インク流路43(図2(a)参照)は、バッファタンク45とノズル42とを連通させる流路である。また、ヘッド本体41は、インク流路43内のインクに圧力を付与してノズル42からインクを吐出させる駆動素子を備えたアクチュエータ44(図6参照)を備えている。アクチュエータは、特定の構成のものには限られないが、例えば、駆動素子として、圧電層の逆圧電効果による変形を利用してインクを加圧する圧電素子を有する、圧電アクチュエータを好適に採用できる。また、インクを加熱して膜沸騰を生じさせる発熱体を駆動素子として有するアクチュエータであってもよい。
ヘッド4は、制御装置100による制御の下、アクチュエータ44が駆動することで、ノズル42からインクを吐出する吐出動作が行う。ヘッド4が吐出動作を行うと、この吐出動作によりノズル42から吐出されたインクの量だけ、インクカートリッジ20内のインクがヘッド4に供給されることになる。従って、ヘッド4の吐出動作に伴い、インクカートリッジ20内のインクの残量が減少することになる。
搬送機構5は、プラテン2及びキャリッジ3を挟むように前後に配置された2つの搬送ローラ51,52を有する。2つの搬送ローラ51,52は、搬送モータ53(図6参照)により同期して回転駆動され、ヘッド4とプラテン2の間において用紙Pを前方(搬送方向)へ搬送する。
以上の構成において、プリンタ1は、搬送機構5によって用紙Pを搬送方向に搬送しつつ、キャリッジ3とともにヘッド4を走査方向に移動させながらインクを吐出させることにより、用紙Pに所望の画像等を印刷する。即ち、本実施形態のプリンタ1は、シリアル式のインクジェットプリンタである。
また、プリンタ1の筐体1aの前壁には、タッチパネル90(図6参照)が設けられている。タッチパネル90は、ユーザからの各種操作入力の受け付けや、各種の設定画面や動作状態等をユーザに対して表示することが可能なユーザインターフェースである。
制御装置100は、図6に示すように、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、不揮発性メモリ104、各種制御回路を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)105等を備える。ASIC105には、ヘッド4、キャリッジ駆動モータ16、搬送モータ53、タッチパネル90等が電気的に接続されている。
ROM102には、CPU101が実行するプログラム、各種固定データ等が記憶されている。RAM103には、プログラム実行時に必要なデータ(画像データ等)が一時的に記憶される。
また、ASIC105には、通信インターフェース140が電気的に接続されている。CPU101は、この通信インターフェース140を介して、PC等の外部装置200から送信された印刷指令に基づいて、ヘッド4やキャリッジ駆動モータ16等を制御して、用紙Pに画像を印刷する印刷処理を実行する。また、CPU101は、静電容量測定回路130を制御して、各インクカートリッジ20内のインクの残量を判断する残量判断処理を実行する。本実施形態では、CPU101は、残量判断処理においては、インクカートリッジ20のインクの残量が零(インクカートリッジ20の交換が必要なエンプティ状態)か否かを判断する。
なお、本実施形態では、制御装置100は、単一のCPUにより各処理を実行するように構成されているが、複数のCPU、単一のASIC(application specific integrated circuit)、複数のASIC、あるいは、CPUと特定のASICの組み合わせにより各処理を実行するように構成されていてもよい。
次に、6つの電極7、スイッチ回路120、及び静電容量測定回路130について詳細に説明する。
6つの電極7は、図3(a)及び(b)に示すように、前後方向に平行な鉛直面に沿って延びる平板電極である。6つの電極7は、互いに電極サイズが等しい。6つの電極7の上下方向の長さは、ケース22の左側壁22l及び右側壁22rや参照ケース30の左側壁30l及び右側壁30rの上下方向の長さよりも短い。同様に、6つの電極7の前後方向の長さは、左側壁22l、右側壁22r、左側壁30l、右側壁30rの前後方向の長さよりも短い。さらに、6つの電極7は、前後方向に関して同じ位置に配置され、且つ、上下方向に関して同じ位置に配置されている。従って、6つの電極7は、左右方向から見たときに互いに重複する。なお、図3(b)では、便宜上、ホルダ6の一部の壁を省略して図示している
左右方向に隣接する2つの電極7は、平行板コンデンサとなる電極対10を構成する。つまり、本実施形態では、6つの電極7により、左右方向に並ぶ5つの電極対10が構成されている。6つの電極7のうち、左端の電極7a及び右端の電極7fを除く、4つの電極7b,7c,7d,7eは、左右方向に隣接する2つの電極対10の共通の電極である。また、6つの電極7は、左右方向に等間隔に配置されている。従って、5つの電極対10において、電極対10の間隔は互いに等しい。
5つの電極対10は、4つのインクカートリッジ20に対応する4つの電極対8(8K,8Y,8C,8M)と、参照ケース30に対応する1つの電極対9とからなる。
詳細には、4つの電極対8それぞれの間には、4つのインクカートリッジ20のいずれか1つが配置される。即ち、電極7aと電極7bからなる電極対8Kの間には、インクカートリッジ20Kが配置される。電極7aは、インクカートリッジ20Kのケース22の左側壁22lに対向し、電極7bは、インクカートリッジ20Kのケース22の右側壁30rに対向する。同様に、電極7bと電極7cからなる電極対8Yの間には、インクカートリッジ20Yが配置される。電極7cと電極7dからなる電極対8Cの間には、インクカートリッジ20Cが配置される。電極7dと電極7eからなる電極対8Mの間には、インクカートリッジ20Mが配置される。
以上のように、4つの電極対8K,8Y,8C,8Mそれぞれは、対応するインクカートリッジ20を間に挟むように設けられている。換言すれば、左右方向に隣接する2つのインクカートリッジ20の間に、左右方向に隣接する2つの電極対8K,8Y,8C,8Mの共通の電極である電極7b,7c,7dが配置される。また、4つの電極対8K,8Y,8C,8Mの間には、第1受容部61の壁等は配置されていない。つまり、4つの電極対8K,8Y,8C,8Mの間には、対応するインクカートリッジ20との間隙を除くと、対応するインクカートリッジ20のみが配置される。
電極7eと電極7fからなる電極対9の間には、参照ケース30が配置される。換言すれば、インクカートリッジ20Mと参照ケース30との間に、電極対8Mと電極対9の共通の電極である電極7eが配置される。また、電極対9の間には、第2受容部65の壁等は配置されていない。つまり、電極対9の間には、参照ケース30との間隙を除くと、参照ケース30のみが配置される。
また、図2(a)に示すように、6つの電極7の下端位置は、インクカートリッジ20の内部空間21の下端位置、及び参照ケース30の内部空間31の下端位置と同じ高さ位置に設定されている。また、6つの電極7の後端位置は、インクカートリッジ20の後壁22bと同じ前後方向位置に設定されている。そして、6つの電極7は、前後方向において、インクカートリッジのケース22の前壁22fよりも後壁22b側に配置されている。以上の構成により、6つの電極7は、インクカートリッジ20のインクを排出する排出口23の近傍に配置されている。
図4(a)及び(b)に示すように、6つの電極7のうち、2つの電極7b,7fは、グランドGNDに接続されている。このため、2つの電極7b,7fは、グランド電位に保たれている。電極7dは、静電容量測定回路130に接続されている。また、3つの電極7a,7c,7eは、スイッチ回路120に接続されている。
静電容量測定回路130は、各電極対10の間の静電容量の測定するための回路である。ところで、各電極対10の間の静電容量の大きさは、電極対10の間にある誘電体に応じて変化する。そして、各インクカートリッジ20内のインクは誘電体として作用する。このため、各電極対8の間の静電容量は、対応するインクカートリッジ20内のインクの残量に応じて変化することになる。従って、各電極対8の間の静電容量と、対応するインクカートリッジ20内のインクの残量との対応関係を不揮発性メモリ104等に記憶しておけば、インクの残量を精度良く判断できるとも考えられる。
しかしながら、インクの誘電率は、環境温度が変化すれば変化する。加えて、電極対8の間にあるインクカートリッジ20のケース22も樹脂で形成された誘電体である。このためケース22の誘電率も、環境温度が変化すれば変化することになる。従って、各電極対8の間の静電容量は、対応するインクカートリッジ20のインクの残量が同じ場合でも、環境温度が変化すれば変化することになる。その結果、各電極対8の間の静電容量を測定できたとしても、インクカートリッジ20のインクの残量を精度良く判断できるとは限らない。
そこで、本実施形態では、参照ケース30に対応して設けられた電極対9の間の静電容量を測定し、その測定結果と、電極対8の間の静電容量の測定結果に基づいて、各インクカートリッジ20のインクの残量を判断する。
ここで、上述したように、5つの電極対10の間隔は互いに等しく、また、5つの電極対10の電極サイズは互いに等しい。従って、各電極対10の間の静電容量の大きさは、電極対10の間の誘電体の誘電率や厚みによって異なることになる。
また、インクカートリッジ20のケース22と、参照ケース30は、同じ筐体1a内に収容され、且つ、同じホルダ6に受容されている。このため、ケース22の環境と、参照ケース30の環境は略同じになる。また、ケース22と参照ケース30は同じ材質で形成されているため、環境温度が変化したとしても、その誘電率は略等しくなる。また、ケース22の左側壁22lの厚みと参照ケース30の左側壁30lの厚みは等しく、ケース22の右側壁22rの厚みと参照ケース30の右側壁30rの厚みは等しい。従って、誘電体であるケース22が、各電極対8の間の静電容量に与える影響と、誘電体である参照ケース30が、電極対9の間の静電容量に対して与える影響は略等しくなる。
さらに、参照ケース30には、インクは貯留されていない。加えて、ケース22の左側壁22lと右側壁22rとの間隔と、参照ケース30の左側壁30lと右側壁22rの間隔とは等しい。このため、インクカートリッジ20内のインクの残量が零のときには、そのインクカートリッジ20に対応する電極対8の間の静電容量と、参照ケース30に対応する電極対9の間の静電容量との間の差は殆どなくなる。
より詳細には、インクカートリッジ20内のインクの液面が、電極7の上端位置よりも上方に存在するときには、電極対8の間にインクが存在することになるため、電極対8の間の静電容量と、電極対9の間の静電容量との差は大きい。しかしながら、インクカートリッジ20内のインクの液面が、電極7の上端位置から下降するに従い、電極対8の間に存在するインクの量が少なくなるため、電極対8の間の静電容量と、電極対9の間の静電容量との差が小さくなる。そして、インクカートリッジ20内のインクの残量が零になったとき、電極対8の間の静電容量と、電極対9の間の静電容量との間の差は殆どなくなる。そこで、本実施形態では、電極対8の間の静電容量と、電極対9の間の静電容量との差が所定の閾値未満となったときに、その電極対8に対応するインクカートリッジ20がエンプティ状態であると判断する。
静電容量測定回路130は、当該静電容量測定回路130に接続されている電極対10(以下、測定対象の電極対10ともいう)の間の静電容量を測定する回路である。以下、図5(a)及び(b)を参照して、静電容量測定回路130について詳細に説明する。また、図5(a)では、説明の便宜上、1対の電極対10と静電容量測定回路130との接続関係のみ図示している。
静電容量測定回路130は、図5(a)に示すように、抵抗R、矩形波発生回路131、及び静電容量算出回路132を有する。抵抗Rは、測定対象の電極対10からなるコンデンサとで積分回路(直列RC回路)intを構成する。この積分回路intの時定数は、抵抗Rの抵抗値と、測定対象の電極対10からなるコンデンサの静電容量とを乗算して得られる値である。本実施形態では、抵抗Rの抵抗値は固定である。従って、積分回路intの時定数は、測定対象の電極対10の間の静電容量に応じて変化することになる。
矩形波発生回路131は、電圧を生成する電源回路110に接続されている。そして、矩形波発生回路131は、図5(b)に示すように、電源回路110から出力される電圧とグランド電圧との間で電圧値が切り替わる、矩形波状のパルス電圧信号Vinを発生する。矩形波発生回路131は、発生したパルス電圧信号Vinを積分回路intに入力する。従って、この矩形波発生回路131から積分回路intに入力されたパルス電圧信号Vinは、積分回路intの時定数に応じた速さで応答することになる。つまり、積分回路intから出力される電圧信号Voutの波形は、パルス電圧信号Vinの波形を、積分回路intの時定数に応じて鈍らせた波形となる。
静電容量算出回路132は、積分回路intから出力される電圧信号Voutに基づいて、測定対象の電極対10の間の静電容量を算出する回路である。ここで、電圧信号Voutの立ち上がり時及び立ち下がり時において、電圧信号Voutが、閾値電圧Vtlと閾値電圧Vthとの間を遷移する遷移時間Tは、積分回路intの時定数と相関関係がある。例えば、遷移時間Tは、積分回路intの時定数が大きくなるほど長くなる。従って、遷移時間Tから、積分回路intの時定数を算出することは可能である。また、上述したように積分回路intの抵抗Rの抵抗値は固定値である。このため、積分回路intの時定数を算出すれば、測定対象の電極対10の間の静電容量も算出することができる。従って、静電容量算出回路132は、電圧信号Voutに関する遷移時間Tを算出し、この遷移時間Tに基づいて測定対象の電極対10の間の静電容量を算出する。
ところで、上述したように、4つの電極7b,7c,7d,7eは、左右方向に隣接する2つの電極対10の共通の電極である。このように、隣接する2つの電極対10それぞれの一方の電極を共通の電極にすることで、電極7の数を減らすことができ、その結果として、ホルダ6の小型化を図れる等の利点がある。その反面、静電容量測定回路130は、全ての電極対10の間の静電容量を同時に測定することができない問題が生じる。例えば、隣接する2つの電極対8K,8Yの静電容量を測定する際に、電極7a,電極7cをグランドGNDに接続した状態で、電極7bに対して静電容量算出回路132からパルス電圧信号Vinを印加した場合を考える。この場合、算出される静電容量は、電極対8Kの間の静電容量と、電極対8Yの間の静電容量との合成静電容量となる。つまり、電極対8Kの間の静電容量、及び電極対8Yの間の静電容量をそれぞれ個別に算出することができない。
そこで、本実施形態では、5つの電極対10の間の静電容量を同時に測定するのではなく、2回に分けて測定する。スイッチ回路120は、静電容量測定回路130の測定対象となる電極対10を選択的に切り換えるための回路である。
スイッチ回路120は、図4(a)及び(b)に示すように、3つのスイッチ120a,120b,120cを有している。スイッチ120aは、電極7aの接続先を、グランドGNDと静電容量測定回路130との間で選択的に切り換えるスイッチである。同様に、スイッチ120bは、電極7cの接続先を、グランドGNDと静電容量測定回路130との間で切り換えるスイッチである。スイッチ120cは、電極7eの接続先を、グランドGNDと静電容量測定回路130との間で切り換えるスイッチである。
スイッチ回路120は、制御装置100による制御の下、第1切換状態及び第2切換状態の2つの切換状態の間で状態が切り換えられる。第1切換状態は、図4(a)に示すように、電極7a及び電極7eの接続先が静電容量測定回路130、電極7cの接続先がグランドGNDとなる状態である。この第1切換状態では、3つの電極対8K,8C,9が、測定対象の電極対10となり、静電容量測定回路130により静電容量が測定される。
第2切換状態は、図4(b)に示すように、電極7a及び電極7eの接続先がグランドGND、電極7cの接続先が静電容量測定回路130となる状態である。この第2切換状態では、2つの電極対8Y,8Mが、測定対象の電極対10となり、静電容量測定回路130により静電容量が測定される。
ところで、プリンタ1では、一般的に、ブラックインクは、他の3色のインクと比べて消費量が多い。従って、ブラックインクを貯留するインクカートリッジ20Kのインクの残量判断の頻度を、他のインクカートリッジ20Y,20M,20Cと比べて多くする必要がある。
上述したように、判断対象となるインクカートリッジ20のインクの残量を判断する際には、その判断対象のインクカートリッジ20に対応する電極対8の間の静電容量だけでなく、参照ケース30に対応する電極対9の間の静電容量を測定する必要がある。電極対9は第1切換状態のときに測定対象となるため、判断対象のインクカートリッジ20に対応する電極対8が、第2切換状態のときに測定対象となる電極対である場合には、第1切換状態及び第2切換状態それぞれのときにおいて、静電容量測定回路130による静電容量の測定を行う必要がある。
従って、残量判断の頻度が多いインクカートリッジ20Kに対応する電極対8Kが、第2切換状態のときに測定対象の電極対となる構成の場合には、スイッチ回路120の切換状態の切り換え回数が多くなるため、CPU101の残量判断処理に要する処理負担が多くなり、且つ処理時間も長くなる。しかしながら、本実施形態では、電極対8Kが、第1切換状態のときに測定対象となる構成であるため、スイッチ回路120の状態を切り換えずに、静電容量測定回路130により、電極対8Kの間の静電容量と、電極対9の間の静電容量を測定することができる。その結果、残量判断処理に要する処理負担を少なく、且つ処理時間を短くすることができる。
次に、インクジェットプリンタの処理動作の一例について、図7を参照しつつ説明する。
CPU101は、まず、外部装置200から印刷指令を受信したか否かを判断する(S1)。印刷指令を受信したと判断した場合(S1:YES)には、CPU101は、受信した印刷指令に従って、印刷処理を開始する(S2)。この印刷処理では、CPU101は、搬送機構5によって用紙Pを搬送方向に搬送しつつ、キャリッジ3とともにヘッド4を走査方向に移動させながらインクを吐出させることにより、用紙Pに所望の画像等を印刷する。
次に、CPU101は、インクカートリッジ20M、又はインクカートリッジ20Yのインク残量の判断を行うか否かを判定する(S3)。例えば、インクカートリッジ20におけるインク残量の前回判断時点からの経過時間が、所定の設定時間以上の場合に、インクカートリッジ20のインク残量の判断を行うと判定する。
インクカートリッジ20M又はインクカートリッジ20Yのインク残量の判断を行うと判定した場合(S3:YES)には、CPU101は、スイッチ回路120の切換状態を第1切換状態(図4(a)参照)にする(S4)。この後、CPU101は、静電容量測定回路130に、参照ケース30に対応する電極対9の間の静電容量を測定させる(S5)。次に、CPU101は、スイッチ回路120の切換状態を第2切換状態(図4(b)参照)にする(S6)。この後、CPU101は、静電容量測定回路130に、インク残量の判断対象のインクカートリッジ20に対応する電極対8の間の静電容量を測定させる(S7)。このS7の処理が終了すると、S11の処理に移る。
S3の処理で、インクカートリッジ20M及びインクカートリッジ20Yのいずれのインクカートリッジ20についてもインク残量の判断を行わないと判定した場合(S3:NO)には、CPU101は、インクカートリッジ20K、又はインクカートリッジ20Cのインク残量の判断を行うか否かを判定する(S8)。このS8の処理は、上記S3の処理と同様に、インクカートリッジ20におけるインク残量の前回判時点からの経過時間が、上記設定時間以上の場合に、インクカートリッジ20のインク残量の判断を行うと判定する。ただし、インクカートリッジ20Kのインク残量の判断頻度については、他のインクカートリッジ20のインク残量の判断頻度よりも多くする必要がある。このために、インクカートリッジ20Kの場合には、他のインクカートリッジ20の場合と比べて、上記設定時間は短く設定される。
インクカートリッジ20K又はインクカートリッジ20Cのインク残量の判断を行うと判定した場合(S8:YES)には、CPU101は、スイッチ回路120の切換状態を第1切換状態(図4(a)参照)にする(S9)。この後、CPU101は、静電容量測定回路130に、参照ケース30に対応する電極対9の間の静電容量、及び判断対象のインクカートリッジ20に対応する電極対8の間の静電容量を測定させる(S10)。このS10の処理が終了すると、S11の処理に移る。
S11の処理では、CPU101は、静電容量測定回路130が測定した、電極対8の間の静電容量と、電極対9の間の静電容量との差が閾値未満か否かを判断する。静電容量の差が閾値未満ではないと判断した場合(A11:NO)には、CPU101は、判断対象のインクカートリッジ20がエンプティ状態ではないと判断して、S3の処理に戻る。
一方で、静電容量の差が閾値未満であると判断した場合(S11:YES)には、CPU101は、判断対象のインクカートリッジ20がエンプティ状態であると判断し(S12)、実行中の印刷処理を中断する(S13)。そして、CPU101は、エンプティ状態と判断したインクカートリッジ20の交換を促す交換画面をタッチパネル90に表示する(S14)。次に、CPU101は、受容検知センサ69の検知結果に基づいて、エンプティ状態と判断したインクカートリッジ20が交換されたか否かを判断する(S15)。そして、インクカートリッジ20が交換されたと判断した場合(S15:YES)に、CPU101は、中断していた印刷処理を再開し(S16)、S3の処理に戻る。
S8の処理で、インクカートリッジ20K及びインクカートリッジ20Cのいずれのインクカートリッジ20についてもインク残量の判断を行わないと判断した場合(S8:NO)には、CPU101は印刷処理が終了したか否かを判断する(S17)。印刷処理が終了していない判断した場合(S17:NO)には、S3の処理に戻る。一方で、印刷処理が終了したと判断した場合(S17:YES)には、S1の処理に戻る。
以上、本実施形態によると、参照ケース30の内部空間31は、ヘッド4との間でインクの流動が生じない。このため、参照ケース30に対応する電極対9の間の静電容量は、ヘッド4が吐出動作を行ったとしても変化せず、環境温度の変化により変化する。このため、電極対9の間の静電容量を参照することで、電極対8の間の静電容量が、環境の変化によって受ける影響度合を把握することができる。その結果、インクカートリッジ20内のインクの残量の判断精度を高めることができる。
また、インクカートリッジ20が第1受容部61に受容される際に、水平面に対して傾いて配置される場合がある。この場合、インクカートリッジ20にインクが貯留されているにも関わらず、ヘッド4にインクを供給できない可能性が生じ得る。例えば、インクカートリッジ20の姿勢が、前後方向に傾き、図2(a)に示す姿勢よりも時計回りに若干回転させた姿勢となった場合、インクの液面が排出口23まで下降した時点においても、インクカートリッジ20の前壁22fの下部付近にはインクが存在することになる。電極対8が、本実施形態と異なり、インクカートリッジ20の後壁22bよりも前壁22f側に配置されていると、インクの液面が排出口23まで下降してヘッド4にインクが供給できない状態のときにおいても、エンプティ状態ではないとして、インクカートリッジ20の交換を促す画面をタッチパネル90に表示させる処理が行われない問題が生じる。しかしながら、本実施形態では、電極対8は、インクカートリッジ20の後壁22b側に配置されており、排出口23の近傍に配置されている。このため、インクカートリッジ20が水平面に対して傾いて配置された場合においても、インクカートリッジ20の残量が、インクカートリッジの交換が必要な量であるか否かを判断することができる。
また、電極7は、インクカートリッジ20の外であり、且つ参照ケース30の外に設けられている。このため、電極7をインクカートリッジ20内に設けた構成と比べて、インクカートリッジ20内において貯留可能なインク量を増やすことができる。
以上説明した実施形態において、ヘッド4が「液体吐出部」に相当する。インクカートリッジ20が「液体貯留部」に相当し、参照ケース30が「参照部」に相当する。電極対8が「第1電極対」に相当し、電極対9が「第2電極対」に相当する。CPU101が「制御部」に相当する。スイッチ回路120が「切換部」に相当する。ホルダ6が「受容部」に相当する。参照ケース30の左側壁30l及び右側壁30r、インクカートリッジ20の左側壁22l及び右側壁22rが「壁部」に相当する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、参照ケース30は、4つのインクカートリッジ20に対して1つ設けられていたが、第2実施形態ではインクカートリッジ20毎(インクの色毎)に参照ケース30(30K,30Y,30C,30M)が設けられている。また、4つの参照ケース30には、対応するインクカートリッジ20に貯留されているインクと同じインクが封入されている。以下においては、上述した第1実施形態と同一の箇所については同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
第2実施形態においては、図8(a)に示すように、筐体1aには、ホルダ6の代わりに、4つのインクカートリッジ20を着脱可能に受容し、且つ4つの参照ケース30を受容するホルダ206が設けられている。具体的には、ホルダ206には、4つの受容部207が左右方向に並んで配置されている。各受容部207には、同じ色のインクを貯留する、インクカートリッジ20及び参照ケース30が受容される。例えば、インクカートリッジ20Kが受容される受容部207には、ブラックのインクを貯留する参照ケース30Kが受容される。
また、4つの参照ケース30は、ヘッド4やインクカートリッジ20Kとは接続されておらず、これらの間でインクの流動は生じない。つまり、4つの参照ケース30に貯留されているインクの量は、ヘッド4の吐出動作に関わらず変化しない。
ホルダ206には、9つの電極7g〜7oが、この順に左側から左右方向に沿って並ぶように設けられている。9つの電極7g〜7oは、上述の第1実施形態における電極7a〜7fと同構成である。以下においても、9つの電極7g〜7oを区別しない場合又はこれらを総称する場合、「電極7」とする。
9つの電極7により、左右方向に並ぶ8つの電極対10が構成されている。また、8つの電極対10は、4つのインクカートリッジ20に対応する4つの電極対8(8Y,8M,8C,8Y)と、4つの参照ケース30に対応する4つの電極対9(9Y,9M,9C,9Y)とからなる。
スイッチ回路120は、図8(b)に示すように、5つの電極7g,7i,7k,7m,7oの接続先を、グランドGNDと静電容量測定回路130との間で切り換える5つのスイッチ220a〜220eを有している。そして、スイッチ回路120は、制御装置100による制御の下、第1切換状態及び第2切換状態の2つの切換状態の間で状態が切り換えられる。第1切換状態は、その間に参照ケース30を挟む4つの電極対9が、静電容量の測定対象となる切換状態である。一方で、第2切換状態は、図8(b)に示すように、その間にインクカートリッジ20を挟む4つの電極対8が、静電容量の測定対象となる切換状態である。
また、本実施形態においては、各参照ケース30に貯留されているインクの液面は、電極7の上端位置よりも上方に位置している。以上の構成において、インクカートリッジ20内のインクの液面が、電極7の上端位置よりも上方に位置している場合には、インクカートリッジ20に対応する電極対8の間の静電容量と、当該インクカートリッジ20と同じ色のインクを貯留する参照ケース30に対応する電極対9の間の静電容量との差は殆どない。そして、インクカートリッジ20内のインクの液面が、電極7の上端位置よりも下降するに従い、電極対8の間の静電容量と、電極対9の間の静電容量との差が大きくなる。そして、インクカートリッジ20内のインクの残量が零になったとき、電極対8の間の静電容量と、電極対9の間の静電容量との差が最も大きくなる。そこで、本実施形態では、判断対象のインクカートリッジ20に対応する電極対8の間の静電容量と、当該インクカートリッジ20と同じ色のインクを貯留する電極対9の間の静電容量との差が所定の閾値以上となったときに、当該インクカートリッジ20がエンプティ状態であると判断する。
次に、インクジェットプリンタの処理動作の一例について、図9を参照しつつ説明する。
CPU101は、上述のS1及びS2の処理と同様なA1及びA2の処理を実行する。この後、CPU101は、4つのインクカートリッジ20のうち、インク残量の判断を行うべきインクカートリッジ20があるか否かを判定する(A3)。インクの残量の判断を行うべきインクカートリッジ20があると判断した場合(A3:YES)には、CPU101は、スイッチ回路120の切換状態を第1切換状態にする(S4)。この後、CPU101は、静電容量測定回路130に、判断対象のインクカートリッジ20と同じ色のインクを貯留する参照ケース30に対応する電極対9の間の静電容量を測定させる(A5)。次に、CPU101は、スイッチ回路120の切換状態を第2切換状態(図8(b)参照)にする(A6)。この後、CPU101は、静電容量測定回路130に、インク残量の判断対象のインクカートリッジ20に対応する電極対8の間の静電容量を測定させる(A7)。
この後、CPU101は、静電容量測定回路130が測定した、電極対8の間の静電容量と、電極対9の間の静電容量との差が閾値以上か否かを判断する(A8)。静電容量の差が閾値以上ではないと判断した場合(A8:YES)には、CPU101は、判断対象のインクカートリッジ20がエンプティ状態ではないと判断して、A3の処理に戻る。一方で、静電容量の差が閾値以上であると判断した場合(A8:YES)には、CPU101は、判断対象のインクカートリッジ20がエンプティ状態であると判断する(A9)。そして、上述のS13〜S16の処理と同様なA10〜A13の処理を実行し、A3の処理に戻る。
A3の処理で、インクカートリッジ20のいずれについてもインク残量の判断を行わないと判断した場合(A3:NO)には、CPU101は、上述のS17の処理と同様なA14の処理を実行する。
以上、本実施形態によると、参照ケース30は、ヘッド4の吐出動作に関わらず内部のインクの量が変化しない。このため、参照ケース30に対応して設けられた電極対9の間の静電容量は、ヘッド4が吐出動作を行ったとしても変化せず、環境温度の変化により変化する。従って、電極対9の間の静電容量を参照することで、電極対8の間の静電容量が、環境の変化によって受ける影響度合を把握することができる。その結果、インクカートリッジ20内のインクの残量の判断精度を高めることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態では、インクの残量を判断する液体貯留部は、インクカートリッジであったがこれに限定されるものではない。例えば、液体貯留部は、ヘッドが備えるバッファタンクであってもよい。
また、図10(a)及び(b)に示すように、プリンタ201が、インクカートリッジ20とヘッド4との間に介在されたサブタンク250を備えていてもよい。以下、本変形例について詳細に説明する。
本変形例では、ホルダ6の代わりにホルダ256を備えている。ホルダ256は、4つのインクカートリッジ20K,20Y,20M,20Cを着脱可能に受容する。サブタンク250は、このホルダ256の後方において配置されている。サブタンク250は、樹脂で形成されている。そして、サブタンク250は、その内部の空間が、4つの仕切壁255により5つの内部空間251に区画されている。仕切壁255は、前後方向に平行な鉛直面に沿って延びる壁である。この5つの内部空間251の左右方向の幅は、互いに等しい。
5つの内部空間251のうち、4つの内部空間251K,251Y,251M,251Cには、それぞれ、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタの各色のインクが貯留されている。残りの1つの内部空間251Rには、インクが貯留されていない。この内部空間251Rは、他の内部空間251K,251Y,251M,251Cやヘッド4とは接続されていない。つまり、内部空間251Rにインクが供給されることはない。
サブタンク250の前壁252fには、4つの内部空間251K,251Y,251M,251Cそれぞれに接続されたニードル254が接続されている。ホルダ256にインクカートリッジ20が受容された際に、このニードル254がインクカートリッジ20の挿入孔24aに挿入されることで、ニードル254を介して、インクカートリッジ20内のインクが、サブタンク250の内部空間251K,251Y,251M,251Cへと供給される。
サブタンク250の後壁252bの下部には、後壁252bを前後に貫通する排出口253が形成されている。この排出口253にはチューブ17が接続されており、インクカートリッジ20やサブタンク250に貯留されているインクを、チューブ17を介してヘッド4に供給することが可能に構成されている。
また、サブタンク250の左側壁252l、右側壁252r、4つの仕切壁255の6つの壁それぞれの内部には、電極7が1つずつ埋め込まれている。つまり、サブタンク250において、6つの電極7が左右方向に並んで配置されている。
6つの電極7は、第1実施形態と同様の、5つの電極対10を構成する。つまり、5つの電極対10において、電極7のサイズは互いに等しく、電極対10の間隔も互いに等しい。そして、6つの電極7は、前後方向に関して同じ位置に配置され、且つ、上下方向に関して同じ位置に配置されている。また、5つの電極対10は、インクが貯留される内部空間251K,251Y,251M,251Cに対応する電極対8と、インクが貯留されない内部空間251Rに対応する電極対9とからなる。
以上の構成において、CPU101は、第1実施形態と同様に、内部空間251K,251Y,251M,251Cに貯留されているインクを判断する際に、その判断対象の内部空間251K,251Y,251M,251Cに対応する電極対8の間の静電容量と、インクが貯留されていない内部空間251Rに対応する電極対9の間の静電容量とを取得することで、内部空間251K,251Y,251M,251C内のインクの残量を判断することができる。以上説明した変形例において、サブタンク250において、内部空間251K,251Y,251M,251Cを区画する壁が「液体貯留部」に相当し、内部空間251Rを区画する壁が「参照部」に相当する。
以下、その他の変形例について説明する。
上述の実施形態では、インクカートリッジ20(液体貯留部)内のインクの残量判断は、インクカートリッジ20内のインクの残量が零か否かを判断するものであったが、これに限定されるものではない。液体貯留部内にどの程度の液体が貯留されているかを判断するものであってもよい。即ち、液体貯留部内の液体の液面位置を判断するものであってもよい。例えば、参照部内に液体を貯溜されている場合、第2電極対の間の静電容量に基づいて、環境が変化したときの、第1電極対の間にある誘電体(液体貯留部や液体)の誘電率の変化を推定することも可能である。また、第1電極対の電極を、液体貯留部の空間の上端位置から下端位置に亘って延在させると、液体貯留部内の液体の液面位置が変化すれば、それに応じて第1電極対の間の静電容量が変化することになる。従って、第1電極対の間の静電容量と、第2電極対の間の静電容量とを参照することで、液体貯留部内の液体の液面位置を判断することもできる。
また、上述の実施形態では、1つのインクカートリッジ20(液体貯留部)に対して、1対の電極対8(第1電極対)が対応して設けられていたが、複数対の第1電極対が対応して設けられていてもよい。例えば、複数対の第1電極対を上下方向に沿って配置した場合、液体貯留部内のインクの液面位置を精度良く判断することができる。
また、上述の実施形態では、液体貯留部内のインクの残量の判断の際に、第1電極対、第2電極対を用いて取得するデータは、これらの電極対の間の静電容量であったが、これに限定されず、これら電極対を用いて取得可能な任意の種類のデータを採用することができる。例えば、液体が導電性を有する液体であった場合、第1電極対及び第2電極対それぞれの間の抵抗値や電流値を取得することで、液体貯留部内の液体の残量を判断してもよい。
電極対の間の静電容量の測定方法は、上述の実施形態の方法に限定されず、任意の方法を採用することができる。例えば、ブリッジ法、共振周波数から求める方法、フライングキャパシターを用いる方法等であってよい。
上述の実施形態ではインクカートリッジ20に対応して設けられて電極対8と、参照ケース30に対応して設けられた電極対9とを用いたインクの残量判断を、プリンタ1のCPU101が実行するように構成されていたがこれに限定されるものではない。例えば、液体吐出装置は、第1電極対を用いて取得される値と第2電極対を用いて取得される値とを含むデータを外部装置に送信する。そして、外部装置において、受信したデータに基づいて液体の残量の判断を行ってもよい。
また、電極対8はインクカートリッジ20の外に設けられ、電極対9は参照ケース30の外に設けられていたが、これに限定されるものではない。第1電極対は液体貯留部内に設けられ、第2電極対は参照部内に設けられていてもよい。
また、上述の実施形態においては、参照ケース30の内部空間31は、ヘッド4と非接続であったが、これに限定されるものではない。例えば、参照部の空間と、液体吐出部とが、液体の透過を防ぎつつ気体の透過を許容する気体透過膜を介して接続されていてもよい。
また、参照部が液体を貯溜する空間を区画する場合において、参照部内の液体の量が、液体吐出部の吐出動作に関わらず変化しないのであれば、参照部の空間が液体吐出部と接続されていてもよく、液体貯留部と接続されていてもよい。例えば、液体を貯溜するケース内において、その内部空間を、第1空間及び第2空間の2つの空間に仕切る、鉛直方向に延びる仕切板を設ける。この仕切板の上端部には、水平方向に貫通する接続部が形成されおり、この接続部により、第1空間及び第2空間が連通している。そして、第1空間に、液体吐出部に液体を排出する排出口を形成する。また、初期状態では、第1空間及び第2空間の両方に液体を貯留する。以上において、第1空間が、液体貯留部が区画する空間に相当し、第2空間が、参照部が区画する空間に相当する。そして、液体吐出部の液体の吐出動作に伴い、液体貯留部が区画する第1空間に貯留されている液体は減少する一方で、第2空間に貯留されている液体の量は、仕切壁により減少しない。従って、この第1空間を区画する液体貯留部に対応して第1電極対を設け、第2空間を区画する参照部に対応して第2電極対を設けることで、第1空間内の液体の残量を精度良く判断することは可能である。
また、上述の実施形態では、インクカートリッジ20のケース22と、参照ケース30は同じ材質で形成されていたがこれに限定されず、ケース22の左側壁22l及び右側壁22r、及び参照ケース30の左側壁30l及び右側壁30rのみ同じ材質の樹脂で形成されていてもよい。また、液体貯留部と参照部の誘電率が略等しいのであるならば、異なる材質の樹脂で形成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、左右方向に隣接する2つの電極対10それぞれの一方の電極は、共通の電極とされていたが、共通の電極とされていなくてもよい。この場合、電極の数は多くなるが、上述の実施形態のようにスイッチ回路を設ける必要はない。
また、上述の実施形態では、インクカートリッジ20内のインクの残量を判断する際には、毎回、参照ケース30に対応する電極対9の間の静電容量を算出するように構成されていたが、電極対9の間の静電容量の算出は毎回行う必要はない。例えば、印刷処理の実行中において、インクの残量を複数回判断する際には、インクの残量を最初に判断するときのみ、電極対9の間の静電容量の算出を行うように構成されていてもよい。
また、上述の実施形態では、インクカートリッジ20及び参照ケース30はインクジェットプリンタ1の筐体1aに収容されていたが、これに限定されない。例えば、プリンタの外部に設けられた筐体内に液体貯留部及び参照部が収容されていてもよい。
液体貯留部に貯留される液体は、インクに限定されず、任意の液体(例えば、インク中の成分を凝集又は析出させる処理液等)であってよい。また、第1電極対の2つの電極の相対的な位置関係と、第2電極対の2つの電極の相対的な位置関係とが同じであるならば、各電極対の2つの電極は平行に配置されている必要はない。また、電極対が並ぶ方向と直交する方向において、各電極対の2つの電極がずれて配置されていてもよい。さらに、第1電極対は、水平方向において液体貯留部を挟むように配置されている必要はなく、例えば、上下方向において液体貯留部を挟むように配置されていてもよい。同様に、第2電極対は、水平方向において参照部を挟むように配置されている必要はなく、例えば、上下方向において参照部を挟むように配置されていてもよい
また、参照部の2つの壁部の間隔と、液体貯留部の2つの壁部の間隔とは異なっていてもよい。液体貯留部及び参照部は樹脂製であるため、空気などよりも誘電率が大きい誘電体である。従って、例えば、第1実施形態のように、参照部内に液体が貯留されておらず、空気のみ存在する場合において、参照部内及び液体貯留部内の空気が第1電極対及び第2電極対の間の静電容量に対して及ぼす影響は、参照部及び液体貯留部の2つの壁部が静電容量に対して及ぼす影響よりも小さい。従って、参照部の2つの壁部の間隔と、液体貯留部の2つの壁部の間隔とが異なっていたとしても、液体の残量判断の精度はそれほど低下しない。
本発明は、インクジェットヘッドを固定した状態で、搬送機構により搬送される用紙に画像を印刷する、所謂ライン式のインクジェットプリンタにも適用されうる。また、本発明は、インクジェットプリンタに限定されず、ファクシミリ、コピー機、複合機等にも適用可能である。
1 インクジェットプリンタ(液体吐出装置)
4 インクジェットヘッド(液体吐出部)
20 インクカートリッジ(液体貯留部)
30 参照ケース(参照部)
8 電極対(第1電極対)
9 電極対(第2電極対)

Claims (21)

  1. 液体を吐出する液体吐出部と、
    前記液体吐出部に供給する液体を貯留する空間を区画し、前記液体吐出部の液体の吐出動作に伴い内部の液体の残量が変化する、樹脂製の液体貯留部と、
    前記液体吐出部との間に液体の流動が生じない空間を区画する、樹脂製の参照部と、
    前記液体貯留部に対応して設けられた第1電極対と、
    前記参照部に対応して設けられた第2電極対と、
    を備えていることを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記参照部が区画する空間は、前記液体吐出部と非接続であることを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記液体貯留部が区画する空間と、前記参照部が区画する空間は、非接続であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体吐出装置。
  4. 制御部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記第1電極対及び前記第2電極対を用いて、前記液体貯留部内の液体の残量を判断することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  5. 前記制御部は、
    前記液体貯留部内の液体の残量を判断する際に、
    前記第1電極対の間の静電容量、及び前記第2電極対の間の静電容量をそれぞれ取得し、その取得結果に基づいて前記液体貯留部内の液体の残量を判断することを特徴とする請求項4に記載の液体吐出装置。
  6. 前記第1電極対の間隔と、前記第2電極対の間隔は、互いに等しく、
    前記第1電極対の電極のサイズと、前記第2電極対の電極のサイズは、互いに等しいことを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記第1電極対は、前記液体貯留部の外に設けられており、
    前記第2電極対は、前記参照部の外に設けられており、
    前記液体貯留部は、前記第1電極対が並ぶ方向に並ぶ2つの壁部を有し、
    前記参照部は、前記第2電極対が並ぶ方向に並ぶ2つの壁部を有し、
    前記液体貯留部及び前記参照部の各々の前記壁部は、厚みが等しく、且つ、各々の前記壁部は同じ材質であることを特徴とする請求項5又は6に記載の液体吐出装置。
  8. 前記液体貯留部の前記2つの壁部の間隔と、前記参照部の前記2つの壁部の間隔が等しいことを特徴とする請求項7に記載の液体吐出装置。
  9. 前記参照部内には、液体が貯留されておらず、
    前記制御部は、
    前記液体貯留部内の液体の残量を判断する際に、
    前記第1電極対の間の静電容量と、前記第2電極対の間の静電容量との差が、所定の閾値未満の場合、前記液体貯留部内の液体の残量が零であると判断することを特徴とする請求項5〜8のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  10. 前記参照部内には、液体が貯留されていないことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  11. 前記参照部内には、液体が封入されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  12. 前記液体吐出部を収容する筐体を更に備え、
    前記液体貯留部及び前記参照部は、前記筐体内に配置されていることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  13. 前記第1電極対は、前記液体貯留部の外に設けられており、
    前記第2電極対は、前記参照部の外に設けられていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  14. 前記第1電極対の一方の電極、及び前記第2電極対の一方の電極が、共通の電極であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  15. 前記液体貯留部と前記参照部とが並んで配置され、
    前記液体貯留部と前記参照部の間に、前記共通の電極が配置されることを特徴する請求項14に記載の液体吐出装置。
  16. 前記第1電極対の一方の電極、及び前記第2電極対の一方の電極が、共通の電極であり、
    電圧を生成する電源と、
    前記電源の接続先を、前記第1電極対と前記第2電極対との間で選択的に切り換える切換部と
    をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記液体貯留部内の液体の残量を判断する際に、
    前記第1電極対と前記電源との接続と、前記第2電極対と前記電源との接続が行われるように、前記切換部に前記電源の接続先を切り換えさせることを特徴とする請求項5〜9のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  17. 電圧を生成する電源と、
    ブラックの液体を貯留するブラック貯留部を含む、複数色の液体を各々貯留する複数の前記液体貯留部と、
    前記複数の前記液体貯留部に対応する複数の前記第1電極対と、
    前記電源を、前記ブラック貯留部に対応する前記第1電極対と前記第2電極対を同時に接続するか、前記複数の第1電極対及び前記第2電極対のうち、前記ブラック貯留部に対応する前記第1電極対と前記第2電極対以外の少なくとも1つを接続するか、を選択的に切り換える切換部と、をさらに備え、
    前記複数の第1電極対と前記第2電極対が、所定方向に沿って並び、
    前記複数の第1電極対と前記第2電極対のうちの一つの電極と、その一つの電極に隣接する別の電極との間に、前記複数の液体貯留部と前記参照部のうちの一つが配置され、
    前記制御部は、
    前記液体貯留部内の液体の残量を判断する際に、
    液体の残量を判断する判断対象の前記液体貯留部に対応する前記第1電極対が前記電源に接続されるように、前記切換部に前記電源の接続先を切り換えさせることを特徴とする請求項5〜9のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  18. 前記液体貯留部を着脱可能に受け、且つ、前記参照部を受ける受容部を備え、
    前記第1電極対及び前記第2電極対は、前記受容部に設けられていることを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  19. 前記液体貯留部には、水平面と平行な水平方向の一端に、前記液体吐出部に液体を排出する排出口が形成されており、
    前記第1電極対は、前記液体貯留部の前記水平方向の他端よりも、前記一端側に配置されていることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  20. 前記参照部は、前記液体貯留部と同じ材質の樹脂で形成されることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  21. 液体を吐出する液体吐出部と、
    前記液体吐出部に供給する液体を貯留する空間を区画し、前記液体吐出部の液体の吐出動作に伴い内部の液体の残量が変化する、樹脂製の液体貯留部と、
    液体を貯留する空間を区画し、前記液体吐出部の前記吐出動作に関わらず内部の液体の量が変化しない、樹脂製の参照部と、
    前記液体貯留部に対応して設けられた第1電極対と、
    前記参照部に対応して設けられた第2電極対と、
    を備えていることを特徴とする液体吐出装置。
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