JP2005043214A - 静電容量センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】 液体や粉粒体などの誘電体を検出するセンサとしては、検出用電極を用いて該電極間で計測される静電容量に基づいて検出するものが知られている。センサが取り付けられる環境によっては、被検出体ではない他の誘電体が、検出用電極面と異なる面側にも出現する可能性があるが、このようなノイズは確実に無視しなければならない。しかし、従来の静電容量式センサは、電子部品実装側に誘電体が接近すると、センサ基板等を介して検出用電極間に静電容量変化を引き起こし、誤信号を出力してしまう恐れがあった。
【解決手段】 基板の一方の面には、センサ電極1aとグランド電極1bを有する検出部が形成され、他方の面には電子部品1dが実装された電気回路部が形成され、電気回路部側の面には導電性薄板材1fが配設されている静電容量センサ。
【選択図】 図2

Description

本発明は、誘電体を検出する静電容量センサに関する。
液体や粉粒体などの誘電体を検出するセンサとしては、検出用電極を用いて該電極で計測される静電容量に基づいて検出するものが知られており、例えば特開平9−166474号公報(特許文献1)に、プリンタに使用されるインクカートリッジのインクの残量を検出する残量センサが開示されている。この残量センサは、センサ基板の片面に、2つの電極パターンからなる検出用電極が形成され、反対面に各種電子部品が実装された検出用回路部が配置されており、インクカートリッジの外側面に検出用電極を密着するように配設される。これにより、検出用電極はインクカートリッジ内のインクを誘電体としたコンデンサを構成し、コンデンサの静電容量がインクカートリッジ内のインクと空気との比率によって変化することを利用し、検出用電極でその静電容量を計測することでインクカートリッジ内のインクの残量を検出するというものである。
特開平9−166474号公報(段落番号0019〜0022)
上述した静電容量式のセンサは、原理的に、被検出体が検出用電極間の静電容量の変化を引き起こすものに対して適用できるので、容器内部の液体や粉粒体などだけでなく、例えば着座検出用や防犯用など人体の検出用にも適用することができる。しかしそのためには、自由に対象の装置や設備に取り付けることができ、かつ確実に検出用電極面側の被検出体の変化だけを検出するようなものが求められる。即ち、センサが取り付けられる環境によっては、被検出体ではない他の誘電体が、検出用電極面と異なる面側にも出現する可能性があるが、このようなノイズは確実に無視しなければならない。この点で、特許文献1に記載の残量センサは、電子部品実装側に誘電体が接近すると、センサ基板等を介して検出用電極間に静電容量変化を引き起こし、誤信号を出力してしまう恐れがある。
従って、本発明は、検出用電極側の誘電体の変化だけを、確実に、信頼性高く検出することのできる静電容量センサを提供することを目的としている。
本発明は、基板の一方の面にはセンサ電極とグランド電極を有する検出部が形成され、他方の面には電子部品が実装された電気回路部が形成され、電気回路部側の面には導電性薄板材が配設されていることを特徴としている。
本発明においては、導電性薄板材は箔材を用い、電子部品と接するように配設されていることが好ましく、さらに、導電性薄板材と少なくとも電子部品の端子とは絶縁材を介して接するように配設されていることが望ましい。
また、前記本発明は、基板と、検出部と、電気回路部と、導電性薄板材とを樹脂でモールドしてセンサ部を形成すると、コンパクト化や取扱いの容易化が図れるとともに、防塵、防爆、防水等が要求される環境や、被検出体等から何らかの力が作用するような機械強度が要求される場合においても使用することができるので好ましい。また、誘電体検出信号を直流化する回路と、この回路に接続されたLEDを有するようにすると、点灯表示で視覚的に確認できるので好ましい。
本発明は、検出用電極取り付け面と反対面に導電性薄板材を配設したので、反対面側に誘電体が接近しても検出部に静電容量変化を及ぼすことがなく、検出用電極側の誘電体の変化だけを、確実に、信頼性高く検出することができる。このため、ノイズ的誘電体の出現が規制できないような環境下でも使用することができる。また、導電性薄板材として銅箔など薄くて形成性がよいものを、反対面に実装した電子部品に絶縁テープを介して密接するように配設することで、センサ部の薄型化を図ることができる。また、センサ部を樹脂モールドする場合も、導電性薄板材を配設した側の樹脂厚さを薄くすることができ、センサ部の小型化、薄型化を図ることができる。
本発明の静電容量センサは、誘電体を可変容量コンデンサの容量変化をもとに検出するもので、非金属容器に収納された液体や粉粒体の残量をそのレベルに応じてアナログ出力したり、誘電体の有無をデジタル出力したりすることができる。図1に本発明の静電容量センサの外観図の一例を示すが、センサ部1に、電源、出力、グランド用の電線2が接続されている。図2にセンサ部1の概略構造を示す。図2(a)は図1のA−A断面で、センサ部1の断面構造である。プリント基板1cの一方の面にセンサ電極1aとグランド電極1bとを設けて検出部を形成し、他方の面に電子部品1dを実装して発振回路、比較回路を備えた電気回路部を形成している。プリント基板1cの電気回路部側には、できるだけ全面を覆うような導電性薄板材1fが配設されている。導電性薄板材1fとしては、例えば銅箔など薄くて形成性がよいものを用い、電子部品1dを包むように形成するとよいが、電極間がショートしないように、絶縁性を有する両面接着テ−プを貼った上から銅箔を貼りつけるようにするとよい。なお、導電性薄板材1fはグランド電線と接続することが好ましい。
図2(b)は、検出部におけるセンサ電極1aとグランド電極1bの平面的な配置パターンの一例を示す図であり、例えばエッチングでセンサ電極1aとそれを囲むグランド電極1bを形成している。図2(c)は別の配置パターンの例であり、センサ電極1aとグランド電極1bを並べるように形成したものである。両電極で可変容量コンデンサCvを形成するので、検出感度を高めるのためには電極面積は大きい方が好ましい。
本発明の静電容量センサは、センサ部1を取り付け用のフランジ付きの樹脂ケースに収納して用いてもよいが、射出成形等により樹脂1eでフランジと一体的にモールドして密封するとよい。この時、センサ電極1aとグランド電極1b上の樹脂厚さは、厚すぎると検出感度が低下するので薄い方がよく、1mm程度までとすることが好ましい。また、電気回路部側には導電性薄板材1fが配設されているので、こちら側に誘電体が接近しても検出部に影響を及ぼすことがないため、電気回路部側の樹脂厚さも薄くすることができ、センサ部1の小型化、薄型化を図ることができる。このように、センサ部1を、検出部を除いた箇所に導電性薄板材を配設するとともに樹脂モールドすることにより、コンパクト化や取扱いの容易化が図れるとともに、防塵、防爆、防水等が要求される環境や、被検出体等から何らかの力が作用するような機械強度が要求される場合においても使用することができる。
以下、本発明を樹脂製の容器4に入っている水3の残量を、容器外から検出する場合を例に説明する。図3に示すように、センサ部1は、容器4の壁面に検出部を水3の方に向け、液面が図2(c)で示すように両電極を横断するように取り付ける。液面変動による静電容量の変化量を大きくとるには、電極表面と水3との距離すなわち検出距離lsは小さい方が望ましく、例えば3mm以下が好適である。従って、容器4の壁が厚い場合は、壁面に凹部を設け、検出距離lsが小さくなるようににするとよい。
ここで、検出部としての可変容量コンデンサCvについて説明する。
前述したように、センサ電極1aとグランド電極1b(以降、電極1a、1bと略す)で可変容量コンデンサCvを形成する。電極1a、1bに電位差を付与した場合の可変容量コンデンサCvの全容量Ctは、電極に接している空気の誘電率と水の誘電率が異なることから、電極の周囲に発生する浮遊容量が液面高さにより変化し、次式で表すことができる。
全容量Ct=Cd+Ck+Ce
ここで、Cd:電極1a、1b相互間の静電容量
Ck:周囲が空気である部分の浮遊容量
Ce:周囲が液体である部分の浮遊容量
CkとCeは、それぞれ電極1a、1bに占める長さL、L(図2(c)参照)に比例するので、全容量Ctは液面高さに応じてほぼ直線的に変化する。なお、液体が水の場合、Ck/Ceは約1/80である。
次に、電気回路部について説明する。
発振回路は、基準信号となる所定周波数の矩形波電圧(以降、クロックと称す)を出力するもので、回路としては公知である。
比較回路は、図4に示すように、第1の排他的論理和(EX−OR)ゲート素子IC1(以降、IC1と略す)と、IC1の一方の入力端子P2とクロックが入力される端子P1との間に形成される第1の入力回路と、IC1の他方の入力端子P3とクロックが入力される端子P1との間に形成される第2の入力回路とを有し、端子P4から出力される。
第1の入力回路(入力端子P2側)には、可変容量コンデンサCvと可変抵抗VR1 が接続され、この入力回路は可変容量コンデンサCvと可変抵抗VR1とで積分回路(時定数:全容量Ct×可変抵抗VR1 の抵抗値vr1 )をなしている。可変抵抗VR1 により、積分回路の時定数を変更することができるので、本静電容量センサは検出感度を容易に調整することができる。第2の入力回路(入力端子P3側)は、IC1の入力容量Cin2と配線等の固有抵抗R2とで積分回路(時定数:入力容量Cin2×固定抵抗R2 の抵抗値r2 )をなしている。なお、第1の回路においても、固有抵抗R1及びIC1の入力容量Cin1を有するが、vr1及びCtに比べて遥かに小さいので無視している。
次に、容器2の液面が変化したときにおける比較回路の動作について図4、5をもとに説明する。
1)発振回路からのクロック信号が端子P1に入力されると、第1の入力回路の時定数Ct×vr1及び第2の入力回路の時定数Cin2×r2 に従い、端子P2、P3には図4にW2、W3で示すような積分波形が入力される。
2)液面が上昇した場合、Ck/Ce=1/80であるから全容量Ctが増えて時定数Ct×vr1 は大きくなり、端子P2の波形は図4に示すようにW2からW2´へと傾斜が小さくなる。従って、スレッシホールド電圧Vthを基準波形のW3が横切ってから比較波形W2が横切るまでの時間Tthは長くなる。その結果、IC1の出力端子P4に現われるステップ波形は、W4からW4´で示すようにデューティが大きくなる。即ち、液面が上昇すると、ステップ波形のデューティが大きくなり、下降するとデューティが小さくなるので、デューティ変化を検出することで液面の変化を捉えることができる。
本発明は、出力端子P4からステップ状の信号を出力するようにするだけでなく、平滑回路を通すことにより直流化された信号として出力するようにすることもできる。これにより、所定の閾値を設定することでデジタル信号として出力することができる。その電気回路の一例を図6に示す。図6は、コンデンサC3とダイオードD1で形成した平滑回路を通過した信号を、出力回路に設けた第2の排他的論理和(EX−OR)ゲート素子IC2(以降、IC2と略す)の端子Aに入力し、IC2からの出力をLEDに入力し、出力状態をLEDの点灯表示で視覚的に確認できるようにしたものである。なお、図6では、IC2の端子Bには、電源電圧を抵抗R3、R4で分割した電圧が入力されるような図としているが、実際にはジャンパスイッチ(図示せず)で切替えて、抵抗R3、R4の何れかを短絡させるようになっている。R3を短絡させるとIC2の端子Bは電源電圧が印加されてHレベルとなり、R4を短絡させると接地されてLレベルとなる。即ち、端子Bの電圧レベル設定を変えることにより、端子Aに入力される検出信号のレベルを逆転して出力することができるので、システムに合わせて適宜設定するとよい。
本発明の静電容量センサの外観の一例を示す図。 センサ部の概略構造を示す図。 容器内の水の液面レベルを検出する場合の静電容量センサ取り付け図。 センサ部の比較回路を示す図。 比較回路における入力波形と出力波形の変化を説明するための図。 出力を直流化するための回路を説明するための図。
符号の説明
1 静電容量センサのセンサ部
2 静電容量センサの電線
3 容器
1a センサ電極
1b グランド電極
1c プリント基板
1d 電子部品
1e 樹脂
1f 導電性薄板材
Cv 可変容量コンデンサ
IC1 第1の排他的論理和ゲート素子
IC2 第2の排他的論理和ゲート素子

Claims (5)

  1. 基板の一方の面には、センサ電極とグランド電極を有する検出部が形成され、他方の面には電子部品が実装された電気回路部が形成され、電気回路部側の面には導電性薄板材が配設されていることを特徴とする静電容量センサ。
  2. 導電性薄板材は箔材を用い、電子部品と接するように配設されていることを特徴とする請求項1記載の静電容量センサ。
  3. 導電性薄板材と少なくとも電子部品の端子とは絶縁材を介して接するように配設されていることを特徴とする請求項2記載の静電容量センサ。
  4. 基板と、検出部と、電気回路部と、導電性薄板材とを樹脂でモールドしてセンサ部を形成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電容量センサ。
  5. 誘電体検出信号を直流化する回路と、この回路に接続されたLEDを有することを特徴とする請求項4記載の静電容量センサ。

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