JP2019106362A - 非水電解液電池用電解液及びそれを用いた非水電解液電池 - Google Patents
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Abstract
Description
ニッケル酸化物は、理論容量は高いものの、充電時の熱安定性が低く、当初はコバルト酸化物や、マンガン酸化物、そしてリン酸鉄等が主に正極活物質として使用されてきた。しかし、電池のエネルギー密度向上への要求が更に厳しくなり、更には、コバルトは天然資源の埋蔵量に懸念があるため、ニッケル、コバルト、マンガンを組み合わせた三元系正極「1対1対1」が用いられるようになってきた。例えば、特許文献8には、ニッケルの一部をマンガンやコバルト等に置換した正極が開示されている。
この三元系正極に関しても、コバルトの使用を更に削減するため、そして更に正極容量を増大させる事を目的としてこれ以上にニッケル比率を増加させた正極を用いた電池の開発が非常に盛んに行われている。ここで、ニッケル比率を増加させたNiリッチ正極としては、ニッケル、コバルト、マンガン系ではその比率が「3対1対1」や「8対1対1」のもの、そして、マンガンをアルミニウムに置き換え、ニッケル、コバルト、アルミニウムの比率が「8.5対1.0対0.5」、「8.8対0.9対0.3」「9.0対0.5対0.5」等のものが知られている。
なお、非水電解液電池用電解液に用いられるLiPF6濃縮液の合成方法の一例は、例えば特許文献9に開示されている。
少なくともニッケルを含む1種以上の酸化物を正極活物質として含み、当該正極活物質に含まれる金属中のニッケル含有量が30〜100質量%である正極を含む非水電解液電池用の電解液であって、
(I)非水有機溶媒、
(II)イオン性塩である、溶質、
(III)一般式(1)で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種、及び、
(IV)フルオロスルホン酸リチウム(以降、LiSO3Fと記載する場合がある)、一般式(2)で示されるO=S−F結合を有する化合物、一般式(3)で示されるO=P−F結合を有する化合物、一般式(4)で示されるP(=O)F2 結合を有する化合物、及び一般式(5)で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種
を含み、
上記(I)〜(IV)の総量100質量%に対する、上記(IV)の濃度が0.01〜5.00質量%である、非水電解液電池用電解液(以降、単純に「非水電解液」又は「電解液」と記載する場合がある)である。
[一般式(1)中、R1はそれぞれ互いに独立して炭素−炭素不飽和結合を有する基を表す。
R2はそれぞれ互いに独立して、フッ素原子、炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数が1〜10のアルコキシ基、炭素数が3〜10のアリル基、炭素数が2〜10のアルキニル基、炭素数が6〜15のアリール基、炭素数が3〜10のアリルオキシ基、炭素数が2〜10のアルキニルオキシ基、及び炭素数が6〜15のアリールオキシ基からなる群から選ばれる基を示し、これらの基はフッ素原子及び/又は酸素原子を有していても良い。なお「フッ素原子を有している」とは、具体的には上記の基における水素原子がフッ素原子に置換されたものを指す。また「酸素原子を有している」とは、具体的には上記の基の炭素原子の間に「−O−」(エーテル結合)が介在する基が挙げられる。
aは2〜4である。]
[一般式(2)中、R3は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基である。]
上記R3の、
アルキル基は、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、ペンタフルオロエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基が好ましく、
アルケニル基は、エテニル基が好ましく、
アリール基は、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、tert−アミルフェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基(それぞれの芳香環の水素原子がフッ素原子に置換されていても良い)が好ましく、
アリールオキシ基は、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、tert−アミルフェノキシ基、又はナフトキシ基(それぞれの芳香環の水素原子がフッ素原子に置換されていても良い)が好ましく、
アルコキシ基は、フッ素で置換されていても良い、シクロヘキシロキシ基、メトキシ基、又はエトキシ基が好ましい。
中でも、サイクル後の容量維持率とNi溶出の抑制効果のバランスや、化合物の安定性の観点から、R3はメチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、エテニル基、フェニル基が特に好ましい。
[一般式(3)中、R4は、アルコキシ基、又はアリールオキシ基であり、R5はOLiである(なお、Oは酸素、Liはリチウムを表す)。]
上記R4の、
アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、3−メチルブトキシ基、1−メチルブトキシ基、1−エチルプロポキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、1,1,1−トリフルオロイソプロポキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ基、又はシクロヘキシロキシ基が好ましく、
アリールオキシ基は、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、フルオロフェノキシ基、、tert−ブチルフェノキシ基、tert−アミルフェノキシ基、ビフェノキシ基、又はナフトキシ基が好ましく、それぞれの芳香環の水素原子がフッ素原子に置換されていても良い。
中でも、サイクル後の容量維持率とNi溶出の抑制効果のバランスや、化合物の安定性の観点から、R4はエトキシ基が特に好ましい。
[一般式(4)中、R6は、アリール基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基である。]
上記R6の、
アリール基は、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、tert−アミルフェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基(それぞれの芳香環の水素原子がフッ素原子に置換されていても良い)が好ましく、
アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、3−メチルブトキシ基、1−メチルブトキシ基、1−エチルプロポキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、1,1,1−トリフルオロイソプロポキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ基、又はシクロヘキシロキシ基が好ましく、
アリールオキシ基は、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、フルオロフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、tert−アミルフェノキシ基、ビフェノキシ基、又はナフトキシ基(それぞれの芳香環の水素原子がフッ素原子に置換されていても良い)が好ましい。
中でも、サイクル後の容量維持率とNi溶出の抑制効果のバランスや、化合物の安定性の観点から、R6はフェニル基、フェノキシ基が特に好ましい。
上記R7及びR8の、
ハロゲン原子はフッ素原子が好ましく
ハロゲン原子に置換されていてもよいアルキル基は、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、ペンタフルオロエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基が好ましく、
ハロゲン原子に置換されていてもよいアルケニル基は、エテニル基が好ましく、
ハロゲン原子に置換されていてもよいアリール基は、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、tert−アミルフェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基(それぞれの芳香環の水素原子がフッ素原子に置換されていても良い)が好ましい。
中でも、サイクル後の容量維持率とNi溶出の抑制効果のバランスや、化合物の安定性の観点から、R7、R8はフッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、エテニル基、フェニル基、フルオロフェニル基が特に好ましい。
上記(IV)を含有することで、
上記(III)を含む電解液をNiリッチな正極を備えた電池に適用した際に、当該Niリッチな正極から電解液中へのNiの溶出が低減される。
また、上記R2のアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、及びtert−ペンチル基から選ばれることが好ましく、
アルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、1,1,1−トリフルオロイソプロポキシ基、及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ基から選ばれることが好ましく、
アリル基は、2−プロペニル基が好ましく、
アルキニル基は、エチニル基が好ましく、
アリール基は、フェニル基、メチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、及びtert−アミルフェニル基(それぞれの芳香環の水素原子がフッ素原子に置換されていても良い)から選ばれることが好ましく、
アリルオキシ基は、2−プロペニルオキシ基が好ましく、
アルキニルオキシ基は、プロパルギルオキシ基が好ましく、また
アリールオキシ基は、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、及びtert−アミルフェノキシ基(それぞれの芳香環の水素原子がフッ素原子に置換されていても良い)から選ばれることが好ましい。
それらの中でも、(1−1)、(1−2)、(1−4)、(1−10)、(1−12)、(1−15)、(1−22)、(1−24)、(1−25)、及び(1−28)からなる群から選ばれる少なくとも1種であると耐久性向上効果がより優れる観点から好ましく、(1−1)、(1−2)、(1−12)、及び(1−15)からなる群から選ばれる少なくとも1種であると特に好ましい。
本発明の非水電解液電池用電解液は、
少なくともニッケルを含む1種以上の酸化物を正極活物質として含み、当該正極活物質に含まれる金属中のニッケル含有量が30〜100質量%である正極を含む非水電解液電池用の電解液であって、
(I)非水有機溶媒、
(II)イオン性塩である、溶質、
(III)上記一般式(1)で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種、及び、
(IV)LiSO3F、上記一般式(2)で示されるO=S−F結合を有する化合物、上記一般式(3)で示されるO=P−F結合を有する化合物、上記一般式(4)で示されるP(=O)F2 結合を有する化合物、及び上記一般式(5)で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種
を含み、
(I)〜(IV)の総量100質量%に対する、上記(IV)の濃度が0.01〜5.00質量%である。
本発明の非水電解液電池用電解液に用いる非水有機溶媒の種類は、特に限定されず、任意の非水有機溶媒を用いることができる。具体的には、エチルメチルカーボネート(以降「EMC」と記載する)、ジメチルカーボネート(以降「DMC」と記載する)、ジエチルカーボネート(以降「DEC」と記載する)、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルエチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルプロピルカーボネート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロピルメチルカーボネート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロピルエチルカーボネート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロピルプロピルカーボネート、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロピル)カーボネート、エチレンカーボネート(以降「EC」と記載する)、プロピレンカーボネート(以降「PC」と記載する)、ブチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート(以降「FEC」と記載する)、ジフルオロエチレンカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、2−フルオロプロピオン酸メチル、2−フルオロプロピオン酸エチル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、フラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、及びγ−バレロラクトンからなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
上記環状カーボネートの具体例としてEC、PC、ブチレンカーボネート、及びFEC等が挙げられ、中でもEC、PC、及びFECからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
上記鎖状カーボネートの具体例としてEMC、DMC、DEC、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルエチルカーボネート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロピルメチルカーボネート、及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロピルエチルカーボネート等が挙げられ、中でもEMC、DMC、DEC、及びメチルプロピルカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
また、上記エステルの具体例として、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、2−フルオロプロピオン酸メチル、及び2−フルオロプロピオン酸エチル等が挙げられる。
例えば、アルカリ金属イオン、及びアルカリ土類金属イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンと、ヘキサフルオロリン酸アニオン、テトラフルオロホウ酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、フルオロスルホン酸アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(フルオロスルホニル)イミドアニオン、(トリフルオロメタンスルホニル)(フルオロスルホニル)イミドアニオン、ビス(ジフルオロホスホニル)イミドアニオン、(ジフルオロホスホニル)(フルオロスルホニル)イミドアニオン、及び(ジフルオロホスホニル)(トリフルオロスルホニル)イミドアニオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンの対からなるイオン性塩であることが好ましい。
本発明の要旨を損なわない限りにおいて、本発明の非水電解液電池用電解液に一般に用いられる添加成分を任意の比率でさらに添加しても良い。具体例としては、シクロヘキシルベンゼン、シクロヘキシルフルオロベンゼン、フルオロベンゼン(以降、FBと記載する場合がある)、ビフェニル、ジフルオロアニソール、tert−ブチルベンゼン、tert−アミルベンゼン、2−フルオロトルエン、2−フルオロビフェニル、ビニレンカーボネート、ジメチルビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、メチルプロパルギルカーボネート、エチルプロパルギルカーボネート、ジプロパルギルカーボネート、無水マレイン酸、無水コハク酸、プロパンサルトン、1,3−プロパンスルトン(以降、PSと記載する場合がある)、ブタンスルトン、メチレンメタンジスルホネート、ジメチレンメタンジスルホネート、トリメチレンメタンジスルホネート、下記一般式(6)で示される化合物(例えば、R9がエチレン基である化合物(以降、「Dod」と記載する場合がある)、R9がプロピレン基である化合物(以降、「Dad」と記載する場合がある)、R9がブチレン基である化合物、R9がペンチレン基である化合物、R9が−CH2−CH(C3H7)−基である化合物(以降「pDod」と記載する場合がある))、メタンスルホン酸メチル、ジフルオロビス(オキサラト)リン酸リチウム(以降、LDFBOPと記載する場合がある)、ジフルオロビス(オキサラト)リン酸ナトリウム、ジフルオロビス(オキサラト)リン酸カリウム、ジフルオロオキサラトホウ酸リチウム(以降、LDFOBと記載する場合がある)、ジフルオロオキサラトホウ酸ナトリウム、ジフルオロオキサラトホウ酸カリウム、ビス(オキサラト)ホウ酸リチウム、ビス(オキサラト)ホウ酸ナトリウム、ビス(オキサラト)ホウ酸カリウム、テトラフルオロオキサラトリン酸リチウム(以降、LTFOPと記載する場合がある)、テトラフルオロオキサラトリン酸ナトリウム、テトラフルオロオキサラトリン酸カリウム、トリス(オキサラト)リン酸リチウム、ジフルオロリン酸リチウム(以降、LiPO2F2と記載する場合がある)、フルオロリン酸リチウム等の過充電防止効果、負極皮膜形成効果や正極保護効果を有する化合物が挙げられる。
当該その他の添加剤の電解液中の含有量は0.01質量%以上、8.00質量%以下が好ましい。
[一般式(6)中、R9は炭素数2〜5の炭化水素基であり、炭素数が3以上の場合は分枝構造をとってもよい。また、当該炭化水素基にはハロゲン原子やヘテロ原子や酸素原子が含まれていてもよい。]
本発明の非水電解液電池は、少なくとも、(ア)上記の非水電解液電池用電解液と、(イ)正極と、(ウ)負極とを含む。さらには、(エ)セパレータや外装体等を含むことが好ましい。
(イ)正極は、少なくともニッケルを含む1種以上の酸化物を正極活物質として含み、当該正極活物質に含まれる金属中のニッケル含有量が30〜100質量%である。
非水電解液中のカチオンがリチウム主体となるリチウムイオン二次電池の場合、(イ)正極を構成する正極活物質は、充放電が可能な種々の材料であれば特に限定されるものでないが、例えば、(A)ニッケル、又はニッケルに加えてマンガン、コバルト、アルミニウムからなる群から選ばれる一つ以上の金属を含有し、かつ層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物、(B)スピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物、(C)リチウム含有オリビン型リン酸塩、及び(D)層状岩塩型構造を有するリチウム過剰層状遷移金属酸化物から少なくとも1種を含有するものが挙げられる。
正極活物質(A)ニッケル、又はニッケルに加えてマンガン、コバルト、アルミニウムからなる群から選ばれる一つ以上の金属を含有し、かつ層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、リチウム・ニッケル複合酸化物、リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物、リチウム・ニッケル・マンガン複合酸化物、リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物等が挙げられる。また、これらリチウム遷移金属複合酸化物の主体となる遷移金属原子の一部を、Al、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Si、B、Ba、Y、Sn等の他の元素で置換したものを用いても良い。
LiaNi1−b−cCobM1 cO2 [1−1]
式[1−1]中、M1はAl、Fe、Mg、Zr、Ti、Bからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素であり、aは0.9≦a≦1.2であり、b、cは、0.1≦b≦0.3、0≦c≦0.1の条件を満たす。
これらは、例えば、特開2009−137834号公報等に記載される製造方法等に準じて調製することができる。具体的には、LiNi0.8Co0.2O2、LiNi0.85Co0.10Al0.05O2、LiNi0.87Co0.10Al0.03O2、LiNi0.6Co0.3Al0.1O2等が挙げられる。
LidNieMnfCogM2 hO2 [1−2]
式[1−2]中、M2はAl、Fe、Mg、Zr、Ti、B、Snからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素であり、dは0.9≦d≦1.2であり、e、f、g及びhは、e+f+g+h=1、0≦e≦0.7、0≦f≦0.5、0≦g≦0.5、及びh≧0の条件を満たす。
リチウム・ニッケル・マンガン・コバルト複合酸化物は、構造安定性を高め、リチウム二次電池における高温での安全性を向上させるためにマンガンを一般式[1−2]に示す範囲で含有するものが好ましく、特にリチウムイオン二次電池の高率特性を高めるためにコバルトを一般式[1−2]に示す範囲でさらに含有するものがより好ましい。
具体的には、例えば4.3V以上に充放電領域を有する、Li[Ni1/3Mn1/3Co1/3]O2、Li[Ni0.45Mn0.35Co0.2]O2、Li[Ni0.5Mn0.3Co0.2]O2、Li[Ni0.6Mn0.2Co0.2]O2、Li[Ni0.49Mn0.3Co0.2Zr0.01]O2、Li[Ni0.49Mn0.3Co0.2Mg0.01]O2等が挙げられる。
正極活物質(B)スピネル構造を有するリチウムマンガン複合酸化物としては、例えば、一般式[1−3]で示されるスピネル型リチウムマンガン複合酸化物が挙げられる。
Lij(Mn2−kM3 k)O4 [1−3]
式[1−3]中、M3はNiを含み、それ以外にCo、Fe、Mg、Cr、Cu、Al及びTiからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属元素を含んでも良い。jは1.05≦j≦1.15であり、kは0<k≦0.20である。
具体的には、例えば、LiMn1.9Ni0.1O4、LiMn1.5Ni0.5O4等が挙げられる。
正極活物質(C)オリビン型リチウムリン酸塩としては、例えば一般式[1−4]で示されるものが挙げられる。
LiFe1−nM4 nPO4 [1−4]
式[1−4]中、M4はNiを含み、それ以外にCo、Mn、Cu、Zn、Nb、Mg、Al、Ti、W、Zr及びCdから選ばれる少なくとも1つであり、nは、0<n≦1である。
具体的には、例えば、LiNiPO4等が挙げられる。
正極活物質(D)層状岩塩型構造を有するニッケル含有リチウム過剰層状遷移金属酸化物としては、例えば一般式[1−5]で示されるものが挙げられる。
xLiM5O2・(1−x)Li2M6O3 [1−5]
式[1−5]中、xは、0<x<1を満たす数であり、M5は、平均酸化数が3+である少なくとも1種以上の金属元素であり、M6は、平均酸化数が4+である少なくとも1種の金属元素である。式[1−5]中、M5は、好ましくは3価のMn、Ni、Co、Fe、V、Crから選ばれてなる1種の金属元素であるが、2価と4価の等量の金属で平均酸化数を3価にしてもよい。
また、式[1−5]中、M6は、好ましくはMn、Zr、Tiから選ばれてなる1種以上の金属元素である。なお、M5、M6のどちらかに必ずニッケルが含まれる。具体的には、0.5[LiNi0.5Mn0.5O2]・0.5[Li2MnO3]、0.5[LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2]・0.5[Li2MnO3]、0.5[LiNi0.375Co0.25Mn0.375O2]・0.5[Li2MnO3]、0.5[LiNi0.375Co0.125Fe0.125Mn0.375O2]・0.5[Li2MnO3]、0.45[LiNi0.375Co0.25Mn0.375O2]・0.10[Li2TiO3]・0.45[Li2MnO3]等が挙げられる。
この一般式[1−5]で表される正極活物質(D)は、4.4V(Li基準)以上の高電圧充電で高容量を発現することが知られている(例えば、米国特許7,135,252号明細書 )。
これら正極活物質は、例えば特開2008−270201号公報、WO2013/118661号公報、特開2013−030284号公報等に記載される製造方法等に準じて調製することができる。
(イ)正極は、正極集電体を有する。正極集電体としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタン又はこれらの合金等を用いることができる。
(イ)正極は、例えば正極集電体の少なくとも一方の面に正極活物質層が形成される。正極活物質層は、例えば、前述の正極活物質と、結着剤と、必要に応じて導電剤とにより構成される。
結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、炭素繊維、黒鉛(粒状黒鉛や燐片状黒鉛)、フッ素化黒鉛等の炭素材料を用いることができる。正極においては、結晶性の低いアセチレンブラックやケッチェンブラックを用いることが好ましい。
負極材料としては、特に限定されないが、リチウム電池及びリチウムイオン電池の場合、リチウム金属、リチウム金属と他の金属との合金や金属間化合物、種々の炭素材料(人造黒鉛、天然黒鉛など)、金属酸化物、金属窒化物、スズ(単体)、スズ化合物、ケイ素(単体)、ケイ素化合物、活性炭、導電性ポリマー等が用いられる。
非水電解液中のカチオンがリチウム主体となるリチウムイオン二次電池の場合、(ウ)負極を構成する負極活物質としては、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能なものであり、例えば(E)X線回折における格子面(002面)のd値が0.340nm以下の炭素材料、(F)X線回折における格子面(002面)のd値が0.340nmを超える炭素材料、(G)Si、Sn、Alから選ばれる1種以上の金属の酸化物、(H)Si、Sn、Alから選ばれる1種以上の金属若しくはこれら金属を含む合金又はこれら金属若しくは合金とリチウムとの合金、及び(I)リチウムチタン酸化物から選ばれる少なくとも1種を含有するものが挙げられる。これら負極活物質は、1種を単独で用いることができ、2種以上を組合せて用いることもできる。
負極活物質(E)X線回折における格子面(002面)のd値が0.340nm以下の炭素材料としては、例えば熱分解炭素類、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等)、グラファイト類、有機高分子化合物焼成体(例えばフェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭等が挙げられ、これらは黒鉛化したものでもよい。当該炭素材料は、X線回折法で測定した(002)面の面間隔(d002)が0.340nm以下のものであり、中でも、その真密度が1.70g/cm3以上である黒鉛又はそれに近い性質を有する高結晶性炭素材料が好ましい。
負極活物質(F)X線回折における格子面(002面)のd値が0.340nmを超える炭素材料としては、非晶質炭素が挙げられ、これは、2000℃以上の高温で熱処理してもほとんど積層秩序が変化しない炭素材料である。例えば難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、1500℃以下で焼成したメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソペーズビッチカーボンファイバー(MCF)等が例示される。株式会社クレハ製のカーボトロン(登録商標)P等は、その代表的な事例である。
負極活物質(G)Si、Sn、Alから選ばれる1種以上の金属の酸化物としては、リチウムイオンのドープ・脱ドープが可能な、例えば酸化シリコン、酸化スズ等が挙げられる。
Siの超微粒子がSiO2中に分散した構造を持つSiOx等がある。この材料を負極活物質として用いると、Liと反応するSiが超微粒子であるために充放電がスムーズに行われる一方で、上記構造を有するSiOx粒子自体は表面積が小さいため、負極活物質層を形成するための組成物(ペースト)とした際の塗料性や負極合剤層の集電体に対する接着性も良好である。
なお、SiOxは充放電に伴う体積変化が大きいため、SiOxと上述負極活物質(E)の黒鉛とを特定比率で負極活物質に併用することで高容量化と良好な充放電サイクル特性とを両立することができる。
負極活物質(H)Si、Sn、Alから選ばれる1種以上の金属若しくはこれら金属を含む合金又はこれら金属若しくは合金とリチウムとの合金としては、例えばシリコン、スズ、アルミニウム等の金属、シリコン合金、スズ合金、アルミニウム合金等が挙げられ、これらの金属や合金が、充放電に伴いリチウムと合金化した材料も使用できる。
これらの好ましい具体例としては、WO2004/100293号や特開2008−016424号等に記載される、例えばケイ素(Si)、スズ(Sn)等の金属単体(例えば粉末状のもの)、該金属合金、該金属を含有する化合物、該金属にスズ(Sn)とコバルト(Co)とを含む合金等が挙げられる。当該金属を電極に使用した場合、高い充電容量を発現することができ、かつ、充放電に伴う体積の膨張・収縮が比較的少ないことから好ましい。また、これらの金属は、これをリチウムイオン二次電池の負極に用いた場合に、充電時にLiと合金化するため、高い充電容量を発現することが知られており、この点でも好ましい。
さらに、例えばWO2004/042851号、WO2007/083155号等に記載される、サブミクロン直径のシリコンのピラーから形成された負極活物質、シリコンで構成される繊維からなる負極活物質等を用いてもよい。
負極活物質(I)リチウムチタン酸化物としては、例えば、スピネル構造を有するチタン酸リチウム、ラムスデライト構造を有するチタン酸リチウム等を挙げることができる。
スピネル構造を有するチタン酸リチウムとしては、例えば、Li4+αTi5O12(αは充放電反応により0≦α≦3の範囲内で変化する)を挙げることができる。また、ラムスデライト構造を有するチタン酸リチウムとしては、例えば、Li2+βTi3O7(βは充放電反応により0≦β≦3の範囲内で変化する)を挙げることができる。これら負極活物質は、例えば特開2007−018883号公報、特開2009−176752号公報等に記載される製造方法等に準じて調製することができる。
例えば、非水電解液中のカチオンがナトリウム主体となるナトリウムイオン二次電池の場合、負極活物質としてハードカーボンやTiO2、V2O5、MoO3等の酸化物等が用いられる。例えば、非水電解液中のカチオンがナトリウム主体となるナトリウムイオン二次電池の場合、正極活物質としてNaFeO2、NaCrO2、NaNiO2、NaMnO2、NaCoO2等のナトリウム含有遷移金属複合酸化物、それらのナトリウム含有遷移金属複合酸化物のFe、Cr、Ni、Mn、Co等の遷移金属が複数混合したもの、それらのナトリウム含有遷移金属複合酸化物の遷移金属の一部が他の遷移金属以外の金属に置換されたもの、Na2FeP2O7、NaCo3(PO4)2P2O7等の遷移金属のリン酸化合物、TiS2、FeS2等の硫化物、あるいはポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、及びポリピロール等の導電性高分子、活性炭、ラジカルを発生するポリマー、カーボン材料等が使用される。
(ウ)負極は、負極集電体を有する。負極集電体としては、例えば、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタン又はこれらの合金等を用いることができる。
(ウ)負極は、例えば負極集電体の少なくとも一方の面に負極活物質層が形成される。負極活物質層は、例えば、前述の負極活物質と、結着剤と、必要に応じて導電剤とにより構成される。
結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、スチレンブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、炭素繊維、黒鉛(粒状黒鉛や燐片状黒鉛)、フッ素化黒鉛等の炭素材料を用いることができる。
電極は、例えば、活物質と、結着剤と、必要に応じて導電剤とを所定の配合量でN−メチル−2−ピロリドン(NMP)や水等の溶媒中に分散混練し、得られたペーストを集電体に塗布、乾燥して活物質層を形成することで得ることができる。得られた電極は、ロールプレス等の方法により圧縮して、適当な密度の電極に調節することが好ましい。
上記の非水電解液電池は、(エ)セパレータを備えることができる。(イ)正極と(ウ)負極の接触を防ぐためのセパレータとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンや、セルロース、紙、又はガラス繊維等で作られた不織布や多孔質シートが使用される。これらのフィルムは、電解液がしみ込んでイオンが透過し易いように、微多孔化されているものが好ましい。
ポリオレフィンセパレータとしては、例えば多孔性ポリオレフィンフィルム等の微多孔性高分子フィルムといった正極と負極とを電気的に絶縁し、かつリチウムイオンが透過可能な膜が挙げられる。多孔性ポリオレフィンフィルムの具体例としては、例えば多孔性ポリエチレンフィルム単独、又は多孔性ポリエチレンフィルムと多孔性ポリプロピレンフィルムとを重ね合わせて複層フィルムとして用いてもよい。また、多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンフィルムとを複合化したフィルム等が挙げられる。
非水電解液電池を構成するにあたり、非水電解液電池の外装体としては、例えばコイン型、円筒型、角型等の金属缶や、ラミネート外装体を用いることができる。金属缶材料としては、例えばニッケルメッキを施した鉄鋼板、ステンレス鋼板、ニッケルメッキを施したステンレス鋼板、アルミニウム又はその合金、ニッケル、チタン等が挙げられる。
ラミネート外装体としては、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、SUS製ラミネートフィルム、シリカをコーティングしたポリプロピレン、ポリエチレン等のラミネートフィルム等を用いることができる。
LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2粉末91.0質量%に、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン(以降PVDF)を4.5質量%、導電材としてアセチレンブラックを4.5質量%混合し、さらにN−メチル−2−ピロリドン(以降NMP)を添加し、正極合材ペーストを作製した。このペーストをアルミニウム箔(A1085)の両面に塗布して、乾燥、加圧を行った後に、4×5cmに打ち抜くことで試験用NCM811正極を得た。
LiNi0.87Co0.10Al0.03O2粉末89.0質量%に、バインダーとしてPVDFを5.0質量%、導電材としてアセチレンブラックを6.0質量%混合し、さらにNMPを添加し、正極合材ペーストを作製した。このペーストをアルミニウム箔(A1085)の両面に塗布して、乾燥、加圧を行った後に、4×5cmに打ち抜くことで試験用NCA正極を得た。
人造黒鉛粉末92.0質量%に、バインダーとして8.0質量%のPVDFを混合し、さらにNMPを添加し、負極合材ペーストを作製した。このペーストを銅箔の片面に塗布して、乾燥、加圧を行った後に、4×5cmに打ち抜くことで試験用黒鉛負極を得た。
上記一般式(1)で示される不飽和結合を有する置換基を備えたケイ素化合物は種々の方法により製造できる。製造法としては、限定されることはないが、例えば、四塩化ケイ素とエチニルグリニャール試薬とをテトラヒドロフラン中で内温40℃以下にて反応させる事により、エチニルトリクロロシラン、ジエチニルジクロロシラン、トリエチニルクロロシラン、テトラエチニルシラン(1−15)が得られる。この時、エチニルグリニャール試薬の使用量を調整して反応させた後に、内温100℃以下で減圧蒸留する事によりこれらのケイ素化合物を作り分けることが可能である。
市販のフルオロスルホン酸を0℃に冷却しながら1当量のアンモニアで中和する事でフルオロスルホン酸アンモニウムが得られた。このフルオロスルホン酸アンモニウムに塩化リチウムを加え、カチオン交換を行う事によってLiSO3Fが得られた。
エテンスルホニルフルオリド(以降、「化合物(2−1)」と記載する場合がある)はAldrich社製のものを使用した。
また、Aldrich社製のメタンスルホニルクロリド、東京化成工業製のベンゼンスルホニルクロリド、ジクロロリン酸フェニル、和光純薬製のフェニルジクロロホスフィンオキシドを、フッ化カリウムでフッ素する事で、それぞれ、メタンスルホニルフルオリド(以降、「化合物(2−4)」と記載する場合がある)、ベンゼンスルホニルフルオリド(以降、「化合物(2−2)」と記載する場合がある)、ジフルオロリン酸フェニル(以降、「化合物(4−1)」と記載する場合がある)、フェニルジフルオロホスフィンオキシド(以降、「化合物(4−2)」と記載する場合がある)を得た。
また、トリフルオロメタンスルホニルフルオリド(以降、「化合物(2−3)」と記載する場合がある)はセントラル硝子製のものを使用した。
また、エチルフルオロリン酸リチウム(以降、「化合物(3−1)」と記載する場合がある)は、ジフルオロリン酸リチウムにエタノールを反応させる事で得た。
以下に示す化合物(5−1)、(5−3)は、Combi-blocks社製のテトラヒドロチオフェン−3−オール−1,1−ジオキシドと、Aldric社製のメタンスルホニルクロリド、または非特許文献1に記載された手法にてジフルオロリン酸カリウムをオキシ塩化リンにて塩素化して合成したクロロジフルオロホスフィンオキシドとの反応にてそれぞれ得た。
また、以下に示す化合物(5−2)は、上記のテトラヒドロチオフェン−3−オール−1,1−ジオキシドと東京化成工業製の2−クロロエタンスルホニルクロリドを反応させた後に、トリエチルアミンを作用させて脱塩酸にて二重結合を形成させる事で得た。
また、特許文献10に記載された手法にて2、3−ジヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウムと塩化チオニルを反応させた後に塩酸水溶液で処理する事で合成した2−ヒドロキシ−1,3−プロパンスルトンと、上記のクロロジフルオロホスフィンオキシドとを反応させる事で以下に示す化合物(5−4)を得た。
特許文献9に開示した方法に従って、LiPF6濃縮液の合成を行った。すなわち、炭酸エステル(DMC、又はEMC)中で、三塩化リンと塩化リチウムと塩素を反応させて六塩化リン酸リチウムを合成した後に、そこにフッ化水素を導入する事でフッ素化を行い、LiPF6と塩化水素と未反応のフッ化水素が含まれるDMC溶液、EMC溶液をそれぞれ得た。これを減圧濃縮する事でほぼ全ての塩化水素と大部分のフッ化水素が除去されたLiPF6濃縮液が得られた。残るフッ化水素を取り除くため、各炭酸エステルを添加して濃度30.0質量%に調整して粘度を下げた後に、濃縮液各100gに対して10質量%の脱水イオン交換樹脂を添加し、精製処理を行った。これによって、30.0質量%のLiPF6/DMC溶液と、30.0質量%のLiPF6/EMC溶液が得られた。
上記で調製した30.0質量%のLiPF6/EMC溶液と、非水溶媒である、EMC、DEC、ECとを、LiPF6濃度が1.0M、溶媒比(体積)がEMC:DEC:EC=4:2:3となるように混合し、これを基準電解液1とした。
同様に、30.0質量%のLiPF6/DMC溶液と、DMCとECとを、LiPF6濃度が1.0M、溶媒比(体積)がDMC:EC=2:1となるように混合したものを基準電解液2とした。
基準電解液1に対し、0.25質量%に相当するケイ素化合物(1−1)を加え、1時間攪拌して溶解した。これを非水電解液1-(1-1)-0.25-(0)とした。
次に、基準電解液1に対し、0.25質量%に相当するケイ素化合物(1−1)と、0.02質量%に相当するLiSO3Fを加え、1時間攪拌して溶解した。これを非水電解液1-(1-1)-0.25-LiSO3F-0.02とした。
基準電解液1に対して、(III)成分と(IV)成分を表2に示す濃度となるように添加し、攪拌して溶解する事で、それぞれの非水電解液を得た。
基準電解液1に対して、(III)成分と(IV)成分とその他の溶質又は添加成分を表3に示す濃度となるように添加し、攪拌して溶解する事で、それぞれの非水電解液を得た。
基準電解液2に対して、(III)成分と(IV)成分を表4に示す濃度となるように添加し、攪拌して溶解する事で、それぞれの非水電解液を得た。
基準電解液2に対して、(III)成分と(IV)成分とその他の溶質又は添加成分を表5に示す濃度となるように添加し、攪拌して溶解する事で、それぞれの非水電解液を得た。
露点−50℃以下のアルゴン雰囲気で、上述のNCM811正極に端子を溶接した後に、その両側をポリエチレン製セパレータ(5×6cm)2枚で挟み、更にその外側を予め端子を溶接した黒鉛負極2枚で、負極活物質面が正極活物質面と対向するように挟み込んだ。そして、それらを一辺の開口部が残されたアルミラミネートの袋に入れ、非水電解液を真空注液した後に、開口部を熱で封止する事によって、実施例1−1〜1−39、比較例1−1〜1−32に係るアルミラミネート型の電池を作製した。なお、非水電解液として表2、3に記載のものを用いた。
組み立てた上記の電池は、正極活物質重量で規格した容量は73mAhとなった。電池を25℃恒温槽に入れその状態で充放電装置と接続した。充電レート0.2C(5時間で満充電となる電流値)にて4.2Vまで充電を行った。4.2Vを1時間維持した後に、放電レート0.2Cにて3.0Vまで放電を行った。これを充放電1サイクルとし、計3サイクルの充放電を行って電池を安定化させた。
次に、50℃の恒温槽に電池を入れて2時間静置した後に、充電レート2Cにて4.2Vまで充電を行った。4.2Vに到達後はその電圧を1時間維持した後、放電レート2Cにて3.0Vまで放電を行った。この50℃の環境下での2Cでの充放電を400サイクル繰り返した。そして以下の計算式よりサイクル後の容量維持率を算出した。
容量維持率[%]=(400サイクル後の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100
400サイクル後の電池を大気非暴露の環境下で分解し、負極を取り出した。回収した負極は、炭酸ジメチルで洗浄した後に集電体上の活物質層を削り取って回収した。回収した活物質層は14.0質量%の高純度硝酸水溶液に加え、150℃で2時間加熱を行った。残渣の全量を超純水に溶解させた水溶液を、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(島津製作所製 ICPS−7510)にて測定し、活物質層中に含まれるNi成分の量[μg/g](Ni成分/負極活物質層)を求めた。段落[0074]で得られた試験用負極のみ(電池に組み込む前の試験用負極)を同様に炭酸ジメチル洗浄した後に集電体上の活物質層を削り取って回収した。回収した活物質層について、上記と同様の処理を経て、誘導結合プラズマ発光分光分析装置にて、負極活物質層中に含まれるNi成分の量を測定したところ、検出下限1.0μg/g 未満 (Ni成分/負極活物質層)であったことから、400サイクル後の電池から取り出した負極活物質層から定量されたNi成分は全て正極活物質から溶出したと言える。
そこで、これ以降の実施例及び比較例ではLiSO3Fの添加量が特に好適な0.50〜1.50質量%の範囲内である1.00質量%に固定して実験を行っている。
これ以降の実施例ではLiSO3Fの添加量((IV)成分の添加量)を、特に好適な0.50〜1.50質量%の範囲内である1.00質量%に固定して実験を行っている。
また、これ以降の実施例及び比較例では一般式(1)で示される不飽和結合を有するケイ素化合物の添加量を、特に好適な0.08〜0.50質量%の範囲内である0.25質量%に固定して実験を行っている。
露点−50℃以下のアルゴン雰囲気で、上述のNCA正極に端子を溶接した後に、その両側をポリエチレン製セパレータ(5×6cm)2枚で挟み、更にその外側を予め端子を溶接した黒鉛負極2枚で、負極活物質面が正極活物質面と対向するように挟み込んだ。そして、それらを一辺の開口部が残されたアルミラミネートの袋に入れ、、非水電解液を真空注液した後に、開口部を熱で封止する事によって、実施例2−1〜2−18、比較例2−1〜2−18に係るアルミラミネート型の電池を作製した。なお、非水電解液として表4、5に記載のものを用いた。
組み立てた上記の電池は、正極活物質重量で規格した容量は70mAhとなった。電池を25℃恒温槽に入れその状態で充放電装置と接続した。充電レート0.2C(5時間で満充電となる電流値)にて4.1Vまで充電を行った。4.1Vを1時間維持した後に、放電レート0.2Cにて2.7Vまで放電を行った。これを充放電1サイクルとし、計3サイクルの充放電を行って電池を安定化させた。
NCM811/黒鉛の電極構成の電池と同様の条件で評価を行った。
NCM811/黒鉛の電極構成の電池と同様の条件で評価を行った。
基準電解液1、又は基準電解液2に対して、(III)成分と(IV)成分とその他の溶質又は添加成分を表10〜13に示す濃度となるように添加し、攪拌して溶解する事で、それぞれの非水電解液を得た。
基準電解液1に対して、(III)成分と(IV)成分を表18に示す濃度となるように添加し、攪拌して溶解する事で、それぞれの非水電解液を得た。
(IV)成分として化合物(3−1)を用いた実施例3−12に比べて、
(IV)成分として、フルオロスルホン酸リチウム、化合物(2−1)〜(2−4)、(4−1)〜(4−2)、(5−1)〜(5−4)を用いた実施例3−1〜3−11の方が、
400サイクル後容量維持率及びNi溶出量のいずれか或いは両方の評価結果がより優れることが確認された。
このことから、(IV)成分として、フルオロスルホン酸リチウム、上記一般式(2)で示されるO=S−F結合を有する化合物、上記一般式(4)で示されるP(=O)F2 結合を有する化合物、及び上記一般式(5)で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いると、サイクル後の容量維持率とNi溶出の抑制効果をよりバランスよく発揮できることがわかる。
基準電解液1に対して、(III)成分と(IV)成分を表20に示す濃度となるように添加し、攪拌して溶解する事で、それぞれの非水電解液を得た。
(III)成分を含有しない比較例4−1に比べて、
(III)成分として、化合物(1−1)〜(1−28)を用いた実施例4−1〜4−28では耐久性(400サイクル後容量維持率)の向上が確認された。
一般式(1)のaが3又は4である、化合物(1−1)〜(1−4)、(1−6)〜(1−28)を用いた実施例では、3%以上という大きな耐久性(400サイクル後容量維持率)の向上が確認された。
中でも、化合物(1−1)、(1−2)、(1−4)、(1−10)、(1−12)、(1−15)、(1−22)、(1−24)、(1−25)、(1−28)を用いた実施例では、より大きな耐久性(400サイクル後容量維持率)の向上が確認された。
更にその中でも、化合物(1−1)、(1−2)、(1−12)、(1−15)を用いた実施例では、特に大きな耐久性(400サイクル後容量維持率)の向上が確認された。
Claims (18)
- 少なくともニッケルを含む1種以上の酸化物を正極活物質として含み、当該正極活物質に含まれる金属中のニッケル含有量が30〜100質量%である正極を含む非水電解液電池用の電解液であって、
(I)非水有機溶媒、
(II)イオン性塩である、溶質、
(III)一般式(1)で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種、及び、
(IV)フルオロスルホン酸リチウム、一般式(2)で示されるO=S−F結合を有する化合物、一般式(3)で示されるO=P−F結合を有する化合物、一般式(4)で示されるP(=O)F2 結合を有する化合物、及び一般式(5)で示される化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種
を含み、
前記(I)〜(IV)の総量100質量%に対する、前記(IV)の濃度が0.01〜5.00質量%である、非水電解液電池用電解液。
Si(R1)a(R2)4−a (1)
[一般式(1)中、R1はそれぞれ互いに独立して炭素−炭素不飽和結合を有する基を表す。
R2はそれぞれ互いに独立して、フッ素原子、炭素数が1〜10のアルキル基、炭素数が1〜10のアルコキシ基、炭素数が3〜10のアリル基、炭素数が2〜10のアルキニル基、炭素数が6〜15のアリール基、炭素数が3〜10のアリルオキシ基、炭素数が2〜10のアルキニルオキシ基、及び炭素数が6〜15のアリールオキシ基からなる群から選ばれる基を示し、これらの基はフッ素原子及び/又は酸素原子を有していても良い。
aは2〜4である。]
R3−S(=O)2−F (2)
[一般式(2)中、R3は、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基である。]
R4−PF(=O)−R5 (3)
[一般式(3)中、R4は、アルコキシ基、又はアリールオキシ基であり、R5は、OLiである(なお、Oは酸素、Liはリチウムを表す)。]
R6−P(=O)F2 (4)
[一般式(4)中、R6は、アリール基、アルコキシ基、又はアリールオキシ基である。]
[一般式(5)中、Xは酸素原子、又はハロゲン原子に置換されていてもよいメチレン基であり、Yはリン原子、又は硫黄原子である。nはYがリン原子の場合は0、硫黄原子の場合は1である。R7及びR8はそれぞれ独立で、ハロゲン原子、ハロゲン原子に置換されていてもよい、アルキル基、アルケニル基、又はアリール基である。なお、Yが硫黄原子の場合、R8は存在しない。] - 前記R1がエテニル基である、請求項1に記載の非水電解液電池用電解液。
- 前記R2の、
アルキル基が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、及びtert−ペンチル基から選ばれる基であり、
アルコキシ基が、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、1,1,1−トリフルオロイソプロポキシ基、及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ基から選ばれる基であり、
アリル基が、2−プロペニル基であり、
アルキニル基が、エチニル基であり、
アリール基が、フェニル基、メチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、及びtert−アミルフェニル基から選ばれる基(それぞれの芳香環の水素原子がフッ素原子に置換されていても良い)であり、
アリルオキシ基が、2−プロペニルオキシ基であり、
アルキニルオキシ基が、プロパルギルオキシ基であり、
アリールオキシ基が、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、及びtert−アミルフェノキシ基から選ばれる基(それぞれの芳香環の水素原子がフッ素原子に置換されていても良い)である、請求項1又は2に記載の非水電解液電池用電解液。 - 前記一般式(1)のaが3又は4である、請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液。
- 前記(III)が、前記(1−1)、(1−2)、(1−3)、(1−4)、(1−6)、(1−7)、(1−8)、(1−10)、(1−12)、(1−15)、(1−22)、(1−23)、(1−24)、(1−25)、(1−26)、(1−27)、及び(1−28)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載の非水電解液電池用電解液。
- 前記(III)が、前記(1−1)、(1−2)、(1−4)、(1−10)、(1−12)、(1−15)、(1−22)、(1−24)、(1−25)、及び(1−28)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項5に記載の非水電解液電池用電解液。
- 前記R3の、
アルキル基が、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、ペンタフルオロエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であり、
アルケニル基が、エテニル基であり、
アリール基が、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、tert−アミルフェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基(それぞれの芳香環の水素原子がフッ素原子に置換されていても良い)である、請求項1〜7のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液。 - 前記R4の、
アルコキシ基が、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、3−メチルブトキシ基、1−メチルブトキシ基、1−エチルプロポキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、1,1,1−トリフルオロイソプロポキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ基、又はシクロヘキシロキシ基であり、
アリールオキシ基が、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、フルオロフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、tert−アミルフェノキシ基、ビフェノキシ基、又はナフトキシ基(それぞれの芳香環の水素原子がフッ素原子に置換されていても良い)である、請求項1〜8のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液。 - 前記R6の、
アリール基が、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、tert−アミルフェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基(それぞれの芳香環の水素原子がフッ素原子に置換されていても良い)であり、
アルコキシ基が、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基、3−メチルブトキシ基、1−メチルブトキシ基、1−エチルプロポキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3−テトラフルオロプロポキシ基、1,1,1−トリフルオロイソプロポキシ基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ基、又はシクロヘキシロキシ基であり、
アリールオキシ基が、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、フルオロフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、tert−アミルフェノキシ基、ビフェノキシ基、又はナフトキシ基(それぞれの芳香環の水素原子がフッ素原子に置換されていても良い)である、請求項1〜9のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液。 - 前記R7及びR8の、
ハロゲン原子がフッ素原子であり、ハロゲン原子に置換されていてもよいアルキル基が、メチル基、トリフルオロメチル基、エチル基、ペンタフルオロエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、又はヘキシル基であり、
ハロゲン原子に置換されていてもよいアルケニル基が、エテニル基であり、
ハロゲン原子に置換されていてもよいアリール基が、フェニル基、メチルフェニル基、ジメチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、tert−アミルフェニル基、ビフェニル基、又はナフチル基(それぞれの芳香環の水素原子がフッ素原子に置換されていても良い)である、請求項1〜10のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液。 - 前記非水有機溶媒が、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、メチルブチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルエチルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチルプロピルカーボネート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)カーボネート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロピルメチルカーボネート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロピルエチルカーボネート、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロピルプロピルカーボネート、ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロピル)カーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、2−フルオロプロピオン酸メチル、2−フルオロプロピオン酸エチル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、フラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、及びγ−バレロラクトンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜11のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液。
- 前記非水有機溶媒が、環状カーボネート及び鎖状カーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する、請求項1〜11のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液。
- 前記環状カーボネートが、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びフルオロエチレンカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種であり、前記鎖状カーボネートが、エチルメチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、及びメチルプロピルカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項13に記載の非水電解液電池用電解液。
- 前記溶質が、アルカリ金属イオン、及びアルカリ土類金属イオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンと、ヘキサフルオロリン酸アニオン、テトラフルオロホウ酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、及びビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンからなる群から選ばれる少なくとも1種のアニオンとの対からなるイオン性塩である請求項1〜14のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液。
- 前記溶質のカチオンがリチウム、ナトリウム、カリウム、又はマグネシウムであり、アニオンがヘキサフルオロリン酸アニオン、テトラフルオロホウ酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、及びビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項15に記載の非水電解液電池用電解液。
- 前記(I)〜(IV)の総量100質量%に対する、前記(III)の濃度が0.01〜2.00質量%である、請求項1〜16のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液。
- 少なくともニッケルを含む1種以上の酸化物を正極活物質として含み、当該正極活物質に含まれる金属中のニッケル含有量が30〜100質量%である正極と、負極と、請求項1〜17のいずれかに記載の非水電解液電池用電解液とを含む、非水電解液電池。
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