JP2019104786A - 光反射体用成形材料、光反射体、ベース体及びその製造方法、並びに発光装置 - Google Patents

光反射体用成形材料、光反射体、ベース体及びその製造方法、並びに発光装置 Download PDF

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太輔 山下
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靖詔 棚橋
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Abstract

【課題】良好な薄肉充填性及び連続成形性で光反射体を作製することができる光反射体用成形材料を提供する。【解決手段】光反射体用成形材料は、不飽和ポリエステル樹脂、無機充填材、白色顔料及び増粘剤を含有する。無機充填材の含有量は、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、32質量部以上250質量部以下の範囲内である。白色顔料の含有量は、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、100質量部以上300質量部以下の範囲内である。増粘剤の含有量は、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、1.2質量部以上6質量部以下の範囲内である。【選択図】なし

Description

本発明は、一般に光反射体用成形材料、光反射体、ベース体及びその製造方法、並びに発光装置に関する。本発明は、より詳細には白色顔料を含有する光反射体用成形材料、光反射体、光反射体を備えるベース体及びその製造方法、並びに発光装置に関する。
近年、蛍光灯及び白熱電球に替わる光源として発光ダイオードの活用が急速に拡大している。その一例として、発光ダイオードなどの発光素子と、発光素子から発せられた光を反射するように構成された樹脂製の光反射体(リフレクター)とを備える発光装置が照明用途などに使用されている。現在、このように発光ダイオードが組み込まれた発光装置の初期の輝度をいかに長く維持することができるかが課題となっている。
発光装置の輝度低下の要因の一つは、熱による光反射体の変色による光反射率の低下である。そのため、熱変色の少ない素材で光反射体を作製すれば、発光装置の寿命を延ばすことができると考えられる。
例えば、セラミックスは耐熱変色性の良好な素材として知られている。しかしながら、セラミックスは加工精度に限界があり、脆性破壊しやすく、価格も高いことから、汎用性に乏しく、光反射体の素材としては適していない。
これに対して、一般にナイロンと呼ばれるポリアミド樹脂は、耐薬品性、耐熱性、耐摩耗性、靱性に優れており、セラミックスに比べて安価でもあるので、照明用として広く用いられている。しかしながら、ナイロン製の光反射体は、熱による変色が大きく、期待するほど発光装置の寿命を延ばすことができない。
そこで、不飽和ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂で光反射体を作製することが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。熱硬化性樹脂で作製された光反射体は、耐熱変色性に優れているという利点がある。
特開2012−229390号公報 特開2013−251510号公報 特開2014−019747号公報
しかしながら、従来の成形材料では、光反射体を作製する際に、金型の薄肉部分を充填することが難しく、未充填部分が残りやすい。また従来の成形材料を使用して多数の光反射体を連続して作製する場合には、良品の割合が低くなりやすい。
本発明の目的は、良好な薄肉充填性及び連続成形性で光反射体を作製することができる光反射体用成形材料、光反射体、ベース体及びその製造方法、並びに発光装置を提供することにある。
本発明の一態様に係る光反射体用成形材料は、不飽和ポリエステル樹脂、無機充填材、白色顔料及び増粘剤を含有する。前記無機充填材の含有量は、前記不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、32質量部以上250質量部以下の範囲内である。前記白色顔料の含有量は、前記不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、100質量部以上300質量部以下の範囲内である。前記増粘剤の含有量は、前記不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、1.2質量部以上6質量部以下の範囲内である。
本発明の一態様に係る光反射体は、前記光反射体用成形材料の硬化物を含む。
本発明の一態様に係るベース体は、前記光反射体と、リードと、を備える。
本発明の一態様に係るベース体の製造方法は、前記光反射体用成形材料を成形して光反射体を作製することを含む。前記光反射体の作製時に、前記光反射体とリードとを、前記光反射体から前記リードの一部が突出するように一体化させる。
本発明の一態様に係る発光装置は、前記光反射体と、発光素子と、を備える。
本発明の一態様には、良好な薄肉充填性及び連続成形性で光反射体を作製することができる光反射体用成形材料、光反射体、ベース体及びその製造方法、並びに発光装置を提供できる、という利点がある。
図1は、本発明の一実施形態における、光反射体を備える発光装置及び基板を示す斜視図である。図1中、X軸、Y軸及びZ軸は相互に直交する方向を示す。 図2Aは、図1における発光装置のA−A断面図である。図2Bは、図1における発光装置のB−B断面図である。図2A及び図2B中、X軸、Y軸及びZ軸は相互に直交する方向を示す。 図3A〜図3Cは、光反射体と組み合わされたリードに折り曲げ加工を施す一連の様子の一例を示す斜視図である。図3A〜図3C中、X軸、Y軸及びZ軸は相互に直交する方向を示す。 図4A〜図4Cは、光反射体と組み合わされたリードに折り曲げ加工を施す一連の様子の他の一例を示す斜視図である。図4A〜図4C中、X軸、Y軸及びZ軸は相互に直交する方向を示す。 図5Aは、リードフレームの一例を示す平面図である。図5Bは、図5Aのリードフレームとこのリードフレームに一体的に形成された光反射体とを示す平面図である。 図6Aは、本発明の他の実施形態における、リードフレームとこのリードフレームに一体的に形成された光反射体とを示す平面図である。図6Bは、図6AにおけるC−C断面図である。図6Cは、図6Aの底面図である。図6Dは、図6Aの側面図である。図6Eは、図6AにおけるD−D断面図である。図6Fは、図6A中のα部分の拡大図である。 図7Aは、サポートバーで吊り下げられた光反射体を示す平面図である。図7Bは、サポートバーで吊り下げられた光反射体を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[光反射体用成形材料]
本実施形態に係る光反射体用成形材料は、光反射体1(リフレクター)の作製に好適に用いられ得る。光反射体用成形材料は、不飽和ポリエステル樹脂、無機充填材、白色顔料及び増粘剤を含有する。無機充填材の含有量は、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、32質量部以上250質量部以下の範囲内である。白色顔料の含有量は、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、100質量部以上300質量部以下の範囲内である。増粘剤の含有量は、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、1.2質量部以上6質量部以下の範囲内である。
例えば、光反射体用成形材料は、熱硬化性樹脂(不飽和ポリエステル樹脂を含む)、充填材(無機充填材及び白色顔料を含む)、増粘剤、重合開始剤及び離型剤を含有する。光反射体用成形材料は、好ましくは30℃以下で固体である。光反射体用成形材料は、粉砕加工又は押出しペレット加工により粒状に加工することができる。
本実施形態では、光反射体用成形材料に通常よりも少量の増粘剤が含有されているので、良好な薄肉充填性及び連続成形性で光反射体を作製することができる。このような効果が得られるメカニズムを本発明者らは、次のように推測している。
すなわち、増粘剤の含有量が、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、1.2質量部以上6質量部以下の範囲内であることで、増粘剤と不飽和ポリエステル樹脂とがキレートを形成し、このキレートにより擬似的な増粘効果が得られる。そして、光反射体用成形材料に熱をかけることで、上記のキレートが破壊されて、光反射体用成形材料の流動性が向上する。より詳しく言えば、成形時の初期の加熱で光反射体用成形材料の粘度が一時的に低下して流動性が向上するので、金型の内部の隅々に光反射体用成形材料を行き渡らせて充填することができる。その後、更なる加熱で光反射体用成形材料が硬化して、光反射体1が形成される。この光反射体1が厚みの小さい部分(薄肉部分)を有していても、この薄肉部分は良好に成形されている。
ただし、増粘剤の含有量が多すぎると、光反射体用成形材料の粘度が高くなりやすく、成形時の初期の加熱であっても一時的な粘度低下が見られなくなる。その結果、薄肉充填性が悪くなる。逆に増粘剤の含有量が少なすぎると、光反射体用成形材料の粘度が低くなりやすく、成形時の初期の加熱で一層粘度が低下して、成形時に空気を巻き込んだり、バリが発生しやすくなったりする。その結果、連続成形性が悪くなる。以上が、本発明者らが推測するメカニズムである。
以下ではまず光反射体用成形材料の構成成分について説明する。
(熱硬化性樹脂)
光反射体用成形材料は、熱硬化性樹脂として少なくとも不飽和ポリエステル樹脂を含有する。光反射体用成形材料は、不飽和ポリエステル樹脂以外の熱硬化性樹脂を更に含有してもよい。このように、光反射体用成形材料が、熱硬化性樹脂を含有するため、光反射体1の耐熱変色性が良好となる。
熱硬化性樹脂に含まれる成分は、モノマー及びオリゴマー(プレポリマー)のうちいずれでもよい。熱硬化性樹脂は、ビニル基、アクリロイル基、カルボキシ基、ヒドロキシ基及びエポキシ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基を有することが好ましい。この官能基は、光反射体用成形材料を成形する際に、架橋反応などの反応に関与できる。
ところで、発光装置6は、図2A及び図2Bに示すように、光反射体1と発光素子3とを備えている。仮に光反射体1が熱可塑性樹脂で形成されていると、発光素子3が発熱したときに光反射体1が熱で変形するおそれがある。しかし、光反射体1が熱硬化性樹脂を含有する光反射体用成形材料で作製されていると、発光素子3が発熱しても光反射体1が熱で変形することを抑制することができる。
熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂及びフェノール樹脂からなる群より選ばれた1種以上の成分を更に含有することが好ましい。この場合、光反射体用成形材料の成形性は良好である。さらにこの場合、光反射体は、高い耐熱変色性及び高い強度も有することができる。
特に熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂を更に含有することが好ましい。エポキシ樹脂は、フェノール樹脂と比べて、光反射体1に、より高い耐熱変色性を付与して、高温でも光反射体1を変色しにくくできる。
熱硬化性樹脂は不飽和ポリエステル樹脂を含有する。不飽和ポリエステル樹脂は、エポキシ樹脂に比べて、光反射体1に高い耐熱変色性を付与できる。その理由は、光反射体用成形材料が不飽和ポリエステル樹脂を含有すると、変色原因となる未反応の官能基が光反射体1の内部に残りにくいためである。すなわち、不飽和ポリエステル樹脂は重合速度が速いため、光反射体1の作製時の成形サイクルが短くても光反射体に未反応の官能基が残存しにくいためである。
不飽和ポリエステル樹脂は、例えば、不飽和アルキッド樹脂と架橋剤(共重合性化合物)とを含む。不飽和アルキッド樹脂は、例えば、30℃以上、好ましくは50℃以上で軟化を開始する。
不飽和アルキッド樹脂は、多塩基酸類とグリコール類とを脱水縮合させて得られる。多塩基酸類は、好ましくは不飽和多塩基酸類を含有する。多塩基酸類は、更に飽和多塩基酸類を含有してもよい。
不飽和多塩基酸類は、例えば、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸からなる群より選ばれた1種以上の成分を含む。
飽和多塩基酸類は、例えば、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘット酸及びテトラブロム無水フタル酸からなる群より選ばれた1種以上の成分を含む。
グリコール類は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールAプロピレンオキシド化合物及びジブロムネオペンチルグリコールからなる群より選ばれた1種以上の成分を含む。
不飽和アルキッド樹脂の溶融粘度は0.1Pa・s以上10Pa・s以下の範囲内であることが好ましい。そのためには、不飽和アルキッド樹脂は、イソフタル酸系不飽和アルキッド樹脂及びテレフタル酸系不飽和アルキッド樹脂のうちいずれか一方又は両方であることが好ましい。不飽和アルキッド樹脂が上記の溶融粘度を有すると、光反射体用成形材料が高い成形性を有することができ、また光反射体1が高い耐熱変色性を有することができる。
不飽和アルキッド樹脂の酸価は、好ましくは15以上40以下の範囲内であり、より好ましくは20以上30以下の範囲内である。酸価が15以上であることで、耐熱信頼性を向上させることができる。酸価が40以下であることで、成形性を向上させることができる。なお、酸価とは、試料1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数をいう。酸価測定は、例えばJIS K 2501などに基づいて行うことができる。
架橋剤は、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、メタクリル酸メチル及び酢酸ビニルからなる群より選ばれた1種以上のビニル系共重合性モノマーを含む。架橋剤は、例えば、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルテトラブロムフタレート、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート及び1,6−ヘキサンジオールジアクリレートからなる群より選ばれた1種以上の共重合性モノマーを含有してもよい。架橋剤は、上記に列挙されたモノマーのうち1種以上の成分が重合したプレポリマーを含有してもよい。特に架橋剤は、ジアリルフタレートプレポリマー、ジアリルフタレートモノマー及びスチレンモノマーからなる群より選ばれた1種以上の成分を含むことが好ましい。
不飽和ポリエステル樹脂中の不飽和アルキッド樹脂と架橋剤との質量比は99:1〜50:50の範囲内であることが好ましい。架橋剤がモノマーを含有する場合、モノマーの含有量が多くなるほど、光反射体用成形材料が常温で固形となりにくくなるので、モノマーの含有量は、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して10質量部以下であることが好ましい。
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基(オキシラン環)を有する樹脂であれば特に限定されない。エポキシ樹脂は、ポリフェノール型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂及び脂環式エポキシ樹脂からなる群より選ばれた1種以上の成分を含有できる。エポキシ樹脂は、トリアジン骨格を有するエポキシ樹脂を含有することもできる。トリアジン骨格を有するエポキシ樹脂の具体例として、トリグリシジルイソシアヌレートが挙げられる。
フェノール樹脂は、フェノール類とホルムアルデヒドから合成される熱硬化性樹脂である。フェノール樹脂は、例えば、ノボラック型フェノール樹脂及びレゾール型フェノール樹脂のうちいずれか一方又は両方を含む。ノボラック型フェノール樹脂は、酸性触媒でフェノール類とホルムアルデヒドとを縮合させることにより得られる。ノボラック型フェノール樹脂にヘキサメチレンテトラミンを加えて加熱すると硬化する。一方、レゾール型フェノール樹脂は、アルカリ触媒でフェノール類とホルムアルデヒドとを縮合させることにより得られる。レゾール型フェノール樹脂を加熱すると脱水架橋して硬化する。
熱硬化性樹脂の含有量は、光反射体用成形材料の全体量に対して14質量%以上40質量%以下の範囲内であることが好ましく、16質量%以上34質量%以下の範囲内であることがより好ましく、20質量%以上28質量%以下の範囲内であることが更に好ましい。熱硬化性樹脂の含有量が14質量%以上であることによって、光反射体1の光反射性の低下を抑制することができる。熱硬化性樹脂の含有量が40質量%以下であることによって、光反射体1の強度の低下を抑制することができる。
(重合開始剤)
光反射体用成形材料は、重合開始剤を含有できる。熱硬化性樹脂がラジカル重合反応性を有する場合、光反射体用成形材料は、重合開始剤として、熱ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。重合開始剤は、特に限定されないが、例えば、加熱分解型の有機過酸化物が挙げられる。有機過酸化物は、例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルパーオキシオクトエート、ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート及びジクミルパーオキサイドからなる群より選ばれた1種以上の成分を含有する。特に重合開始剤は、ジクミルパーオキサイドのように、10時間半減期温度が100℃以上の有機過酸化物を含むことが好ましい。重合開始剤は、火災及び爆発の防止の観点から、マスターバッチ化されていることでより安全性を高められていてもよい。
光反射体用成形材料は、硬化剤を含んでもよい。硬化剤は、熱硬化性樹脂の硬化を促進するために添加される。例えば、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含有する場合には、光反射体用成形材料は、例えば硬化剤としてヘキサヒドロ無水フタル酸を含有する。熱硬化性樹脂がフェノール樹脂を含有する場合には、光反射体用成形材料は、例えば硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを含有する。
(充填材)
光反射体用成形材料は、充填材を含有する。充填材は、無機充填材及び白色顔料の両方を含有する。
無機充填材は、例えば、シリカ及び水酸化アルミニウムのうちいずれか一方又は両方を含有する。特に無機充填材がシリカを含有することが好ましい。シリカは、例えば、溶融シリカ粉末、球状シリカ粉末、破砕シリカ粉末、結晶シリカ粉末からなる群より選ばれた1種以上の成分を含有する。本実施形態に係る光反射体用成形材料による効果を損なわなければ、無機充填材は、上記に列挙されたもの以外の酸化物、水和物、無機発泡粒子、シリカバルーン等の中空粒子も含んでもよい。
無機充填材の平均粒子径は、好ましくは250μm以下、より好ましくは0.05μm以上100μm以下の範囲内であり、更に好ましくは0.1μm以上10μm以下の範囲内である。このような平均粒子径の無機充填材が光反射体用成形材料に含有されていると、光反射体用成形材料の成形性を向上させることができ、更に光反射体1の光反射性及び耐湿性も向上させることができる。さらに図2A及び図2Bに示す発光装置6において、発光素子3から発せられた光Lが、たとえ反射面23(内周面12など)で反射されずに、周壁10(上壁部18、下壁部19及び2つの側壁部20)内に進入したとしても、これらの内部で、上記のように微小な無機充填材によって光Lの屈折回数を増加させることができる。その結果、光Lが周壁10を透過することを抑制することができ、光隠蔽性を高めることができる。なお、本明細書において、平均粒子径は、レーザ回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒子径(メディアン径(D50))を意味する。レーザ回折・散乱法は、ミー(Mie)散乱を利用したものでもよいし利用しないものでもよい。この場合の粒度分布の形状は特に限定されない。
無機充填材の含有量は、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、32質量部以上250質量部以下の範囲内であり、より好ましくは50質量部以上250質量部以下の範囲内である。この場合、光反射体用成形材料の成形性を向上させることができ、更に光反射体1の耐熱変色性を向上させ、光反射率も高めることができる。さらにこの場合も、図2A及び図2Bに示す発光装置6において、周壁10の内部で、上記のように多量に存在する無機充填材によって光Lの屈折回数を増加させることができる。その結果、光Lが周壁10を透過することを抑制し、周壁10の光隠蔽性を高めることができる。
白色顔料は、例えば、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、炭酸バリウム及び硫酸バリウムからなる群より選ばれた1種以上の成分を含有する。特に白色顔料は、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛及び硫酸バリウムからなる群より選ばれた1種以上の成分を含むことが好ましい。酸化チタンは、例えば、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン及びブルッカイト型酸化チタンからなる群より選ばれた1種以上の成分を含有できる。酸化チタンは、熱安定性に優れているルチル型酸化チタンを含有することが好ましい。
白色顔料の平均粒子径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは2μm以下であり、更に好ましくは0.1μm以上1μm以下の範囲内であり、更により好ましくは0.2μm以上0.7μm以下の範囲内である。この場合も無機充填材の場合と同様に、図2A及び図2Bに示す発光装置6において、周壁10の内部で、上記のように無機充填材に比べて更に微小な白色顔料によって光Lの屈折回数を増加させることができる。その結果、光Lが周壁10を透過することを抑制することができ、光隠蔽性を高めることができる。
白色顔料の含有量は、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、100質量部以上300質量部以下の範囲内である。白色顔料の含有量が100質量部以上であると、光反射体1の光反射率を高めることができる。さらにこの場合も、図2A及び図2Bに示す発光装置6において、周壁10の内部で、上記のように無機充填材に比べて更に多量に存在する白色顔料によって光Lの屈折回数を増加させることができる。その結果、光Lが周壁10を透過することを抑制し、周壁10の光隠蔽性を高めることができる。白色顔料の含有量が300質量部以下であることによって、光反射体用成形材料の薄肉充填性を高めることができ、更に光反射体1の曲げ強度も高めることができる。
無機充填材及び白色顔料の含有量の合計は、光反射体用成形材料の全体量に対して、好ましくは33質量%以上74質量%以下の範囲内であり、より好ましくは50質量%以上72質量%以下の範囲内である。
無機充填材及び白色顔料の含有量の合計は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは500質量部以下であり、より好ましくは100質量部以上400質量部以下の範囲内である。この場合、光反射体用成形材料の成形時の流動性を高め、成形性を向上させることができる。
無機充填材及び白色顔料は、粒子径が小さくなるほど凝集又は吸油が生じやすくなり、光反射体用成形材料中で均一に分散しにくくなる。そこで、光反射体用成形材料中での無機充填材及び白色顔料の分散性を向上させるためには、無機充填材及び白色顔料は、脂肪酸及びカップリング剤のうちいずれか一方又は両方で表面処理されていることが好ましい。
(増粘剤)
光反射体用成形材料は、増粘剤を含有する。好ましくは、増粘剤は、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれた1種以上の化合物である。これらの増粘剤が光反射体用成形材料に含有されていると、常温で硬化反応が進行することを抑制することができる。さらに光反射体用成形材料の保存性も向上する。
増粘剤の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上30μm以下の範囲内であり、より好ましくは0.7μm以上20μm以下の範囲内であり、更に好ましくは1μm以上11μm以下の範囲内である。増粘剤の平均粒子径が0.5μm以上であることで、増粘剤が嵩高くなるのを抑制し、光反射体用成形材料中において増粘剤を均一に分散させることができる。増粘剤の平均粒子径が30μm以下であることで、均質な増粘効果が得られやすく、成形安定性を向上させることができる。
一般に増粘剤は、液体の粘性を高めるために混入される添加物であるが、本実施形態では、通常よりも少量の増粘剤が光反射体用成形材料に含有されている。具体的には、増粘剤の含有量は、不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、1.2質量部以上6質量部以下の範囲内である。このように少量の増粘剤を含有する光反射体用成形材料であれば、良好な薄肉充填性及び連続成形性で光反射体を作製することができる。ただし、増粘剤の含有量が6質量部を超えると、光反射体用成形材料の粘度が高くなりやすく、成形時の初期の加熱であっても一時的な粘度低下が見られなくなる。その結果、薄肉充填性が悪くなる。逆に増粘剤の含有量が1.2質量部未満であると、光反射体用成形材料の粘度が低くなりやすく、成形時の初期の加熱で一層粘度が低下して、成形時に空気を巻き込んだり、バリが発生しやすくなったりする。その結果、連続成形性が悪くなる。
なお、ナフテン酸コバルト及びイソシアネート系増粘剤は、本実施形態に係る光反射体用成形材料に含有される増粘剤としては好ましくない。言い換えると、光反射体用成形材料は、ナフテン酸コバルト及びイソシアネート系増粘剤を実質的に含有しないことが好ましい。第一に、ナフテン酸コバルトは、増粘剤としての作用よりも硬化促進剤としての作用の方が強いため、ナフテン酸コバルトが光反射体用成形材料に含有されていると、常温で硬化反応が進行するおそれがある。第二に、ナフテン酸コバルトは、遷移金属であるコバルトを含んでいるため、ナフテン酸コバルトが光反射体用成形材料に含有されていると、光反射体が着色するおそれがある。第三に、遷移金属による酸化還元反応が進行することで、光反射体用成形材料の保存性が低下するおそれがある。一方、イソシアネート系増粘剤が光反射体用成形材料に含有されていると、成形時にウレタン結合が形成され、光反射体が着色するおそれがある。さらにイソシアネート系増粘剤が光反射体用成形材料に含有されていると、保存性が低下するおそれがある。なお、実質的に含有しないとは、本実施形態の効果が損なわれなければ、不純物などとして極微量含有されていてもよいという趣旨である。
(離型剤)
光反射体用成形材料は、離型剤を含有できる。離型剤は、例えば、脂肪酸系ワックス、脂肪酸金属塩系ワックス、及び鉱物系ワックスからなる群より選ばれた1種以上のワックスを含む。特に離型剤は、耐熱変色性に優れた脂肪酸系ワックス及び脂肪酸金属塩系ワックスのうちいずれか一方又は両方を含有することが好ましい。より具体的には、離型剤は、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム及びステアリン酸カルシウムからなる群より選ばれた1種以上のワックスを含む。
離型剤の含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、好ましくは4質量部以上15質量部以下の範囲内である。この場合、光反射体1は、金型からの良好な離型性を有し、優れた外観も有することができ、特に高い光反射性を有することもできる。
(その他の成分)
光反射体用成形材料は、繊維状充填材(補強材)を含有してもよく、補強材を含有しなくてもよい。なお、補強材は、上述の充填材には含まれない成分とする。光反射体用成形材料が補強材を含有する場合、補強材の含有量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して、3質量部以上50質量部以下の範囲内であることが好ましい。
補強材の平均繊維径は5μm以上15μm以下の範囲内であることが好ましく、6μm以上13μm以下の範囲内であることがより好ましい。この場合、光反射体1の強度が特に高くなる。補強材の平均繊維長は、0.5mm以下、0.2mm以下、0.1mm以下、0.05mm以下と小さいほど好ましい。平均繊維長が長めの補強材は取り扱い性に優れているので、例えば、出発原料として平均繊維長が0.5mm以上3mm以下の補強材を用いてもよい。この場合、平均繊維長が0.5mm以上3mm以下の補強材であっても、混練工程(後述)で切断されることで、平均繊維長を0.5mm以下、0.2mm以下、0.1mm以下、0.05mm以下のいずれかに短くすることができる。そして、混練工程において、補強材の切断面を熱硬化性樹脂で濡らすことができ、補強材と熱硬化性樹脂との密着強度を高めることができる。このように、混練工程において、補強材の平均繊維長が0.5mm以下と短くなることで、光反射体1の強度が特に高くなるとともに、光反射体1の光反射率が特に向上する。補強材の平均繊維径及び平均繊維長は、それぞれ、補強材の電子顕微鏡写真を画像処理することで得られる繊維径及び繊維長の算術平均値である。
補強材は、繊維強化プラスチック(FRP)の製造に用いられる材料を含んでもよい。繊維強化プラスチックの具体例として、バルクモールディングコンパウンド(BMC)及びシートモールディングコンパウンド(SMC)が挙げられる。例えば、補強材は、ガラス繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維及びポリエステル繊維からなる群より選ばれた1種以上の成分を含む。
光反射体用成形材料は、特にガラス繊維を含有しないことが好ましい。光反射体用成形材料がガラス繊維を含有する場合でも、光反射体用成形材料全量に対するガラス繊維の含有量は10質量%以下であることが好ましい。この場合、ガラス繊維が形成し得る光の通り道を大幅に減少させることによって、光反射体1の光反射性が特に向上し、光反射体1が厚みの小さい部分を有していても、光反射体1は高い光反射性を有することができる。
光反射体用成形材料は、上記の成分以外に、重合禁止剤、着色剤、増粘剤、難燃剤、可撓性付与剤など適宜の添加剤を含有してもよい。
(光反射体用成形材料の曲げ特性)
好ましくは、光反射体用成形材料の硬化物の25℃における曲げ強度は65MPa以上である。これにより、光反射体1の強度を更に高めることができる。
好ましくは、光反射体用成形材料の硬化物の25℃における曲げ弾性率は4GPa以上15GPa以下の範囲内である。これにより、光反射体1の靱性を更に高めることができる。
より好ましくは、光反射体用成形材料の硬化物の25℃における曲げ強度は65MPa以上であり、かつ、光反射体用成形材料の硬化物の25℃における曲げ弾性率は4GPa以上15GPa以下の範囲内である。これにより、光反射体1の強度及び靱性を更に高めることができる。
[光反射体用成形材料の製造方法]
光反射体用成形材料の製造方法は、例えば不飽和ポリエステル樹脂、無機充填材、白色顔料及び増粘剤を含有する混合物を60℃以上160℃以下の範囲内の温度で加熱しながら混練してから、粉状、粒状又はペレット状に加工することを含む。
より具体的には、光反射体用成形材料の製造方法は、例えば以下の工程A1〜工程C1を含む。
工程A1は、不飽和ポリエステル樹脂、無機充填材、白色顔料及び増粘剤、並びに必要によりその他の熱硬化性樹脂、重合開始剤及び離型剤等を、それぞれ所定の割合で混合することによって混合物を得る工程である。混合は、例えばミキサー及びブレンダー等の混合機を用いて行うことができる。
工程B1は、工程A1で得られた混合物を60℃以上160℃以下の範囲内の温度で加熱しながら混練する工程である。加熱温度が60℃未満であると、工程A1で得られた混合物が固体状又は非常に高粘度な液状となり、混練作業性に悪影響を与えるおそれがある。加熱温度が160℃を超えると、工程A1で得られた混合物の熱重合反応が混練工程の中で開始するおそれがある。混練は、例えば加圧ニーダー、熱ロール、エクストルーダー等の混練機を用いて行うことができる。
工程C1では、工程B1で得られた加熱混練後の混合物を、粉状、粒状及びペレット状からなる群より選ばれた1種以上の形状に加工する。この加工は、適宜の造粒機、整粒機、ペレタイザー等を用いて行うことができる。
[光反射体]
図1、図2A及び図2Bに、光反射体1の例を示す。図1、図2A及び図2Bにおいて、X、Y、及びZの矢印で示される方向は、相互に直交する方向を示す。以下、Xの矢印で示される方向をX軸方向、Yの矢印で示される方向をY軸方向、Zの矢印で示される方向をZ軸方向という。
光反射体1は、例えば、LEDリフレクター、レーザリフレクターなどである。光反射体1は、例えば、図2A及び図2Bに示すように、X(0.8〜1.2mm)×Y(2.8〜3.2mm)×Z(0.25〜0.40mm)の空間、すなわちX軸方向の寸法Xが0.8mm以上1.2mm以下の範囲内であり、Y軸方向の寸法Yが2.8mm以上3.2mm以下の範囲内であり、Z軸方向の寸法Zが0.25mm以上0.40mm以下の範囲内である直方体の空間内に収まる大きさであるが、この大きさには限定されない。
光反射体1は、上述の光反射体用成形材料の硬化物を含む。光反射体1は、上述の光反射体用成形材料を硬化させることで作製され得る。好ましくは、コンプレッション成形、トランスファー成形又は射出成形により、光反射体用成形材料を成形して硬化させることで、光反射体1を作製する。
ベース体40は、光反射体1と、リード2と、を備える。光反射体1は、リード2と組み合わされていてもよい。リード2は、例えば光反射体1に埋め込まれている。リード2は、内部端子211,221と、外部端子212,222とを有している。リード2は導電性である。リード2は通常、金属製である。リード2は、例えば、一辺10cm以上50cm以下の範囲内であり、厚み0.05mm以上1.00mm以下の範囲内である銅板を所定形状に加工した後、錫メッキ、ニッケルメッキ、銀メッキ等の表面処理を行うことで得られる。上記の内部端子211,221は、光反射体1の凹所11の内面8から露出している(図2A参照)。上記の外部端子212,222は、光反射体1の外面9から突出している(図1参照)。
図2A及び図2Bに示すように、光反射体1は、周壁10と、凹所11とを備えている。周壁10は、筒状の壁である。凹所11は、周壁10で囲まれている。詳述すると、光反射体1は、第1成形部101及び第2成形部102を有している。これらのうち第1成形部101が周壁10及び凹所11を含んでいる。第2成形部102と第1成形部101とは、この順にX軸方向に重なって一体化し、第2成形部102と第1成形部101の間にはリード2が挟まれている。上述のように光反射体1の第1成形部101は、凹所11を有している。凹所11はX軸方向に開口している。換言すると、凹所11が開口する方向がX軸方向である。周壁10は、Z軸方向に対向する上壁部18及び下壁部19と、Y軸方向に対向する2つの側壁部20とで構成されている。周壁10の先端部分(凹所11の底面17から遠い部分)の厚みYは、例えば、25μm以上でよく、100μm以下でよい。周壁10は、例えば厚み100μm以下の部分を含む。本実施形態では、特に上壁部18及び下壁部19の先端部分が厚み100μm以下の薄い部分を含んでいる。図3Aに示すように、凹所11は、上壁部18及び下壁部19と、2つの側壁部20とで囲まれている。図3Aなどに示すように、X軸方向と反対方向に視た場合の凹所11の開口の形状は凸形状であるが、この形状には限定されない。図2Aに示すように、凹所11の内面8(特に底面17)でリード2が露出している。凹所11の内面8は、底面17と、内周面12とで構成されている。凹所11の内面8は、反射面23を含み、少なくとも内周面12が反射面23を含んでいる。凹所11の深さは、凹所11の底面17から開口までのX軸方向の距離X101である。X101は、例えば、0.3mm以上でよく、0.4mm以下でよい。リード2は、第一のリード21と第二のリード22とを備える。第一のリード21は、凹所11の底面17で露出する内部端子211と、光反射体1の外面9から光反射体1の外部へ突出する外部端子212とを備える。第二のリード22も、凹所11の底面17で露出する内部端子221と、光反射体1の外面9から光反射体1の外部へ突出する外部端子222とを備える。図3Aに示すように、二つの外部端子212,222は、同じ方向(Z軸方向)に突出している。二つの外部端子212,222は、凹所11の開口が向く方向(X軸方向)と直交する方向に突出していてもよいし、凹所11の開口が向く方向(X軸方向)に対して傾斜して突出していてもよい。
[ベース体の製造方法]
本実施形態に係るベース体40の製造方法は、光反射体用成形材料を成形することで光反射体1を作製することを含む。成形方法は、例えばコンプレッション成形、トランスファー成形又は射出成形である。この光反射体1の作製時に、光反射体1とリード2とを、光反射体1からリード2の一部が突出するように一体化させる。
本実施形態に係るベース体40の製造方法は、光反射体1の作製時に、枠170と枠170に繋がったリード2とを備えるリードフレーム200を用い、光反射体1の作製後、枠170からリード2を切り離すことを含んでもよい。リードフレーム200の構成については、後に詳しく説明する。
本実施形態に係るベース体40の製造方法は、光反射体1の作製後、リード2を折り曲げることを含んでもよい。
具体的には、光反射体1の作製方法は、例えば以下の工程A2及び工程B2を含む。なお、以下では、図1、図2A及び図2Bに示す光反射体1を作製する方法について具体的に説明するが、光反射体1は、図1、図2A及び図2Bに示すものに限定されない。
工程A2は、上述の光反射体用成形材料を準備する工程である。光反射体用成形材料は、上述のように製造することができる。
工程B2は、コンプレッション成形、トランスファー成形又は射出成形により、工程A2で準備した光反射体用成形材料を硬化させてリード2に一体化し、光反射体用成形材料の硬化物からリード2の一部を突出させる工程である。
図5Aにリードフレーム200の一例を示す。リードフレーム200は、光反射体1及びベース体を製造するために用いられる。リードフレーム200は、導電性であり、通常、金属製である。図5Aに示すリードフレーム200は、多数個取り用であり、複数の格子を有する枠170と、枠170に繋がった複数のリード2とを有する。図5Aでは枠170は20個の格子を有している。1つの格子が最小単位となる。格子ごとにリード2が設けられている。各リード2は、第一のリード21及び第二のリード22を有している。第一のリード21は、内部端子211及び外部端子212を有している。第二のリード22は、内部端子221及び外部端子222を有している。
コンプレッション成形は、適温に加熱した金型の中にリードフレーム200及び光反射体用成形材料をセットし、金型を閉じた後、加熱、加圧する成形方法である。
トランスファー成形は、適温に加熱した金型の中にリードフレーム200をセットし、ポットと呼ばれる部分に仕込んだ光反射体用成形材料を加圧し、注入口を介して金型内に流し込んで、加熱、加圧する成形方法である。
射出成形は、適温に加熱した金型の中にリードフレーム200をセットしておき、射出成形機を使って金型内へ光反射体用成形材料を加圧注入する成形方法である。この場合の成形条件は、例えば、シリンダー温度が70℃以上90℃以下の範囲内であり、射出圧力が5MPa以上70MPa以下の範囲内であり、金型温度が150℃以上170℃以下の範囲内である。必要に応じてポストキュア処理が施されてもよい。
なお、射出成形は、JIS工業用語大辞典(第3版)に記載されるものである。射出成形は、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂を成形する方法の一種で、成形材料は射出シリンダー中で加熱溶融され、流動化した成形材料は、射出プランジャー又はスクリューによって固く閉じた金型の中に圧力で注入されて成形される技術である。(JIS K 6900)。
そして、コンプレッション成形、トランスファー成形又は射出成形により、金型内で光反射体用成形材料を成形して硬化させると、図5Bに示すように、複数の光反射体1が、リードフレーム200における複数のリード2とそれぞれ一体化した状態で作製される。本実施形態では、光反射体用成形材料に少量の増粘剤が含有されているので、良好な薄肉充填性及び連続成形性で光反射体1を作製することができる。リードフレーム200の枠170が有する格子ごとに、光反射体用成形材料の硬化物を含む光反射体1が作製され、この光反射体1からリード2の一部である外部端子212,222が突出している。
光反射体用成形材料の成形硬化後は、光反射体1及びリードフレーム200を金型の中から取り出し、リードフレーム200を図5Bに示す破線の位置で切断することで、枠170からリード2を切り離す。これにより、図3Aに示すように、折り曲げ加工前のリード2と組み合わされた光反射体1を多数個得ることができる。
光反射体1にはバリ取り処理を施すことが好ましい。バリ取り処理は、例えば、ウェットブラスト処理、アルカリ電解処理及びアルカリ溶液処理からなる群より選ばれた1種以上の処理を含む。ウェットブラスト処理は、ウェットブラスト装置を用いて公知の方法で行うことができる。アルカリ電解処理は、電解バリ取り機を用いて公知の方法で行うことができる。アルカリ溶液処理は、例えば、光反射体1の表面を水酸化カリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリ性溶液で処理することで行うことができる。
図6Aは、他の実施形態における、リードフレーム200とこのリードフレーム200に一体的に形成された光反射体1とを示している。このリードフレーム200は、枠170と、枠170に繋がったリード2と、枠170に繋がった一対のサポートバー180とを有している。
各サポートバー180は、光反射体1の側壁部20に向かって突出している。各サポートバー180は、光反射体1に、第1成形部101と第2成形部102との境界あたりで、わずかに突き刺さっている(図6B参照)。図6Aのα部分を拡大して図6Fに示す。図6Fに示すように、サポートバー180の、光反射体1に突き刺さっている部分の、サポートバー180の突出方向に沿った寸法D2は、例えば70μm以上80μm以下の範囲内である。
なお、図7Aは、図1の光反射体1を、サポートバー180を備えるリードフレーム200を用いて作製する場合の、光反射体1とサポートバー180との関係の例を示し、図6Fと同様の様子を示している。ただし、図7Aにおいて、外部端子222の図示は省略している。なお、このようにサポートバー180を備えるリードフレーム200を用いて図1と同様の光反射体1を作製する場合には、光反射体1には、サポートバー180が突き刺さっていた箇所に穴部が形成される。図1、図2A、図3A〜図3C、図4A〜図4Cは、サポートバー180を備えないリードフレーム200を用いて作製された光反射体1を示すため、サポートバー180が突き刺さっていた穴部は示されていない。
サポートバー180の側面と光反射体1の側面との間の距離D3(図6F及び図7B参照)は例えば30μm以上40μm以下の範囲内である。なお、図7Bは、図1の光反射体1に対応するものであり、図6Fと同様の様子を示している。
光反射体1が従来の成形材料で形成されていると、サポートバー180を引き抜く際に、図7B中のγ部分にクラック等が生じやすい。
サポートバー180を備えるリードフレーム200を用いて光反射体1を作製すると、一対のサポートバー180で光反射体1が吊られている。この状態で光反射体1にバリ取り処理を施してもよい。バリ取り処理後、図6A及び図6Cに示す破線の位置でリードフレーム200を切断することで、枠170からリード2を切り離し、光反射体1からサポートバー180を引き抜く。これにより、折り曲げ加工前のリード2と組み合わされた光反射体1を得ることができる。なお、図6Cにおいて30はゲート痕である。ゲート痕30は、金型のキャビティ内への樹脂の注入口であるゲートの痕跡として光反射体1に形成される突起である。
光反射体1及びベース体40の製造方法は、以下の工程C2を更に含んでもよい。
工程C2は、光反射体用成形材料の硬化物である光反射体1から突出するリード2の一部を切断又は折り曲げる工程である。切断には、上述の多数個取りの場合におけるリードフレーム200の切断が含まれる。以下では、工程C2における折り曲げる工程、すなわち端子曲げ工程について説明する。
図3Aに示すように、光反射体1からリード2の一部である外部端子212,222が突出している。この外部端子212,222を、図3B及び図3Cに示すように、光反射体1の表面に対向して配置されるように、折り曲げる。図3B及び図3C中の矢印は、リード2の外部端子212,222を折り曲げる方向を示している。このように、リード2の外部端子212,222に折り曲げ加工を施すことで、折り曲げ加工後のリード2と、これと組み合わされた光反射体1が得られる。なお、折り曲げ加工に当たっては、図4A〜図4Cに示すように、リード2の外部端子212,222に折り曲げ加工を施してもよい。
光反射体1の作製方法は、工程C2に代えて、以下の工程C3を含んでもよい。
工程C3は、光反射体用成形材料の硬化物である光反射体1から突出するリード2の切断及び折り曲げを同時に行う工程である。切断には、上述の多数個取りの場合におけるリードフレーム200の切断が含まれる。そして、この切断と同時に、光反射体1から突出している外部端子212,222を、図3B及び図3Cの矢印で示すように、光反射体1の表面に対向して配置されるように、折り曲げる。このように、リード2の外部端子212,222に折り曲げ加工を施すことで、折り曲げ加工後のリード2と組み合わされた光反射体1が得られる。
[発光装置]
本実施形態に係る発光装置6は、光反射体1と、発光素子3と、を備えている。図1、図2A及び図2Bに、光反射体1を備える発光装置6の例を示す。この発光装置6は、光反射体1と、発光素子3と、更にリード2とを備える。本例では、光反射体1にリード2が埋め込まれていることで、光反射体1とリード2とが組み合わされている。すなわち、発光装置6は、ベース体40と発光素子3とを備え、ベース体40は光反射体1とリード2とを備える。本実施形態に係る光反射体用成形材料から作製される光反射体1、ベース体40及び発光装置6の構造は、本例のみには限られない。
発光素子3は、例えば発光ダイオード(LED)又はレーザダイオード(LD)であるが、これに限られない。図2A及び図2Bに示すように、発光素子3は、凹所11の底面17で露出している内部端子221と電気的に接続されて、光反射体1の凹所11の内部に搭載されている。具体的には発光素子3は、第一のリード21の内部端子211にワイヤ41で電気的に接続されている。
図2A及び図2Bに示す光反射体1は、サイドビュータイプであり、トップビュータイプ(上面発光型)に比べて、発光素子3から凹所11の内周面12までの距離D1が非常に短い。例えば、距離D1は0.01mm以上0.15mm以下(10μm以上150μm以下)の範囲内である。このように距離D1が短いと、例えば、周壁10が従来の成形材料で形成されている場合には、発光素子3から発せられた光Lによって劣化しやすくなる。さらに周壁10の厚みが小さいと、発光素子3から発せられた光Lが周壁10を透過して外部に漏れやすくなる。このような光反射体1の光Lによる劣化及び光漏れといった課題を本実施形態では解決し得る。
すなわち、本実施形態では、光反射体用成形材料が熱硬化性樹脂を含有しているため、距離D1が上記のように非常に短くても、具体的には発光素子3から凹所11の内周面12までの最短距離が0.15mm以下であっても、周壁10の光Lによる劣化を抑制することができる。さらに光反射体用成形材料が熱硬化性樹脂を含有している場合には、相対的に充填材の含有量を増加させて、熱硬化性樹脂の含有量を減少させることができるので、周壁10の光Lによる劣化を更に抑制することができる。また光反射体用成形材料全量に対するガラス繊維の含有量が0質量%以上10質量%以下の範囲内である場合には、ガラス繊維が形成し得る光の通り道を大幅に減少させることによって、光反射体1が厚みの小さい部分を有していても、光漏れを抑制し、光反射体1は高い光反射性を有することができる。
図2A及び図2Bに示すように、凹所11の内周面12の少なくとも一部は、凹所11の開口側に向くように、凹所11の底面17に対して傾斜している。すなわち、凹所11の内周面12の一部又は全部は、発光素子3から発せられた光Lを凹所11の開口側に向けて反射させる反射面23として機能する。このため、発光素子3から発せられた光Lが、光反射体1における凹所11の内周面12で反射しやすくなる。その結果、発光装置6からの光Lの取り出し効率が高くなる。なお、凹所11の底面17も反射面23として機能し得る。
発光装置6の凹所11内に封止材5を充填することで、発光素子3を封止材5で封止してもよい。この場合、封止材5で発光素子3を外気などから保護することができる。
封止材5は、例えば封止用樹脂組成物から作製される。封止用樹脂組成物は、熱硬化性樹脂として、例えば、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、アクリレート樹脂及びウレタン樹脂からなる群より選ばれた1種以上の樹脂を含有することができる。
封止材5は必要に応じて蛍光物質を含有してもよい。すなわち、封止用樹脂組成物は蛍光物質を含有してもよい。この場合、発光装置6から発せられた光Lの色調を蛍光物質で制御することができる。
本実施形態に係る光反射体1は、図1に示すように、例えば、基板7に搭載される。この場合、例えば、基板7における1つの面73上にある端子71,72にそれぞれ光反射体1における外部端子212,222が、はんだなどで接続される。これにより、光反射体1が基板7に支持されるとともに基板7に電気的に接続される。図1に示す光反射体1は、サイドビュータイプである。すなわち、光反射体1が基板7に搭載されると、光反射体1の凹所11の開口は、基板7の光反射体1を支持する面73に沿った方向を向き、光反射体1からは面73に沿った方向に向けて光が発せられる。
ここで、本発明者らは、次のような知見を得た。光反射率は、光反射体1において光の当たる箇所の厚みに依存している。この厚みが大きくなると光反射率は高くなるが、この厚みが小さくなると光反射率は低くなる。実際に、本発明者らは、本実施形態に係る光反射体用成形材料及び従来の成形材料(ナイロンなど)を用いて種々の厚みの試料を作製して実験した。その結果、ガラス繊維によるスレが光反射率の低下の原因となることも突き止めた。スレは、ガラス繊維が金型と接することで発生する汚れを意味する。このような観点からも、光反射体用成形材料は、ガラス繊維を含有しないことが好ましい。光反射体用成形材料がガラス繊維を含有する場合でも、光反射体用成形材料全量に対するガラス繊維の含有量は10質量%以下であることが好ましい。この場合、ガラス繊維が形成し得る光の通り道の減少に加えて、ガラス繊維によるスレ(特に反射面の汚れ)の発生も抑制することができ、光反射体1の光反射性を向上させることができる。そのため、光反射体1が厚みの小さい部分を有していても、光反射体1は高い光反射性を有することができる。
例えば、光反射体1において凹所11を囲む周壁10の最小の厚みが30μm以上200μm以下の範囲内であってもよく、更には100μm以下であってもよい。特に周壁10中の上壁部18及び下壁部19の先端部分(凹所11の底面17から遠い部分)の厚みが20μm以上60μm以下の範囲内であってもよく、更には25μm以上50μm以下の範囲内であってもよく、上壁部18及び下壁部19の根元部分(凹所11の底面17に近い部分)の厚みが40μm以上70μm以下の範囲内であってもよく、更には45μm以上60μm以下の範囲内であってもよい。このように光反射体1が厚みの小さい部分を有していても、本実施形態では、光反射体1が高い靱性及び高い強度を有するとともに高い光反射性も有することができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されない。
<光反射体用成形材料の製造>
光反射体用成形材料の構成成分として以下のものを用いた。
(1)不飽和ポリエステル樹脂
(1−1)不飽和アルキッド樹脂
・テレフタル酸系不飽和アルキッド樹脂(日本ユピカ株式会社製「ユピカ8552」、酸価20〜30)
(1−2)架橋剤
・ジアリルフタレートプレポリマー(株式会社大阪ソーダ製「ダップポリマー」)
(1−3)架橋剤
・ジアリルフタレートモノマー(株式会社大阪ソーダ製「ダップモノマー」)
(2)離型剤
・ステアリン酸亜鉛(堺化学工業株式会社製「SZ−P」)
(3)重合開始剤
・ジクミルパーオキサイド(日油株式会社製「パークミルD−40」、40%マスターバッチ)
(4)充填材
(4−1)無機充填材
・無機充填材1:シリカ(株式会社龍森製「MSR−650」、溶融シリカ、平均粒子径10μm)
・無機充填材2:シリカ(デンカ株式会社製「FB−820」、溶融シリカ、平均粒子径25μm)
(4−2)白色顔料
・白色顔料1:酸化チタン(タイオキサイドジャパン株式会社製「Tioxide R−TC30」、ルチル型酸化チタン、球状、平均粒子径0.4μm)
・白色顔料2:水酸化アルミニウム(株式会社アドマテックス製「AO−502」、球状、平均粒子径0.7μm)
(5)増粘剤
・増粘剤1:水酸化マグネシウム(協和化学工業株式会社製「キスマF」、平均粒子径7μm、BET比表面積55m/g)
・増粘剤2:酸化マグネシウム(協和化学工業株式会社製「#150」、平均粒子径6μm、BET比表面積150m/g)
・増粘剤3:水酸化カルシウム(河合石灰工業株式会社製「350M」、平均粒子径11μm)
・増粘剤4:ナフテン酸コバルト(東栄化工株式会社製「ナフテン酸コバルト6%」、赤紫色液体、金属含有量6%)
ミキサーを用いて、表1の組成の欄に示す成分をこの表1に示す配合量で混合することによって混合物を得た。
次に、混合物を、加圧ニーダーを用いて60℃以上160℃以下の範囲内の温度で加熱しながら混練した。
次に、加熱混練後の混合物を、ペレタイザーを用いてペレット状に加工することによって、光反射体用成形材料を得た。
<評価方法>
(1)曲げ強度及び曲げ弾性率
光反射体用成形材料を用いて、JIS K 6911に準拠した試験片を射出成形にて作製した。成形条件は、シリンダー温度80℃、射出圧力40MPa、金型温度160℃、保持時間180秒とした。得られた試験片の25℃における曲げ強度及び曲げ弾性率をJIS K 6911に準拠して測定した。
(2)初期光反射率
光反射体用成形材料を、射出成形にて、射出圧力20MPa、金型温度150℃、保持時間120秒の条件で成形し、厚み1mmの試験片を作製した。得られた試験片の波長460nmの初期光反射率を反射率測定器(日本電色工業株式会社製分光色彩計)で測定した。
(3)耐熱変色性
上記の初期光反射率を測定した試験片を150℃で1000時間加熱した後、再度、この試験片の光反射率を反射率測定器(日本電色工業株式会社製分光色彩計)で測定した。測定結果は、以下の基準で判定した。
「S」:光反射率が85%以上
「A」:光反射率が80%以上85%未満
「B」:光反射率が75%以上80%未満
「C」:光反射率が75%未満。
(4)粘度
フローテスタ(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)を用い、温度150℃、荷重100kgfとして、光反射体用成形材料の粘度を測定した。
(5)スパイラルフロー
電気機能材料工業会規格(EIMS)のT901に準拠するスパイラルフロー金型に光反射体用成形材料をセットし、トランスファー成形機にて、注入圧50MPa、金型温度150℃、保持時間120秒の条件で成形し、スパイラルフロー長を測定した。
(6)薄肉充填性
図5Aに示すリードフレームを用意し、このリードフレームを金型にセットした状態で、光反射体用成形材料を、射出成形にて、射出圧力10MPa、金型温度150℃、保持時間120秒の条件で成形した。これにより、図5Bに示すように、光反射体を作製するとともに光反射体をリードフレームに一体化させた。光反射体及びリードフレームを金型から取り出し、リードフレームを図5Bに示す破線の位置で切断することで、リードフレームの枠からリードを切り離した。光反射体における最も厚みの小さい部分の厚みは、30μmである。この光反射体における未充填の有無を確認した。その結果から、薄肉充填性を次のように評価した。
「S」:光反射体に未充填が認められない
「A」:光反射体における厚み40μm以下の部分に未充填が認められ、厚みが40μmより大きい部分には未充填は認められない
「B」:光反射体における厚みが40μmより大きく60μm以下の部分に未充填が認められ、厚みが60μmより大きい部分には未充填は認められない
「C」:光反射体における厚みが60μmより大きく0.1mm以下の部分に未充填が認められ、厚みが0.1mmより大きい部分には未充填は認められない。
(7)薄肉強度
(6)と同様にして光反射体を作製し、この光反射体の薄肉部分(側壁部20)の強度を、プッシュプルゲージを用いて試験速度0.1mm/秒の条件で測定した。その結果から、薄肉強度を次のように評価した。
「A」:破断荷重100gf以上
「B」:破断荷重75gf以上100gf未満
「C」:破断荷重75gf未満。
(8)金型離型性
(6)と同様にして光反射体を作製した。金型離型性を次のように評価した。
「A」:光反射体が金型に残らない
「B」:光反射体が金型に残る。
(9)連続成形性
(6)と同様にして光反射体を作製した。連続成形性を次のように評価した。
「A」:未充填が発生する頻度が0.5%未満
「B」:未充填が発生する頻度が0.5%以上。
なお、ここでの未充填とは、(6)におけるB及びCに相当する未充填をいう。
(10)保存安定性
保管前後の光反射体用成形材料について示差走査熱量測定(DSC)を行った。保管は、25℃の恒温環境下で1か月行った。示差走査熱量測定は、30℃から250℃まで20℃/分で昇温することにより行った。得られたDSC曲線から、保管前に対する保管後の発熱量の減少率を算出した。その結果から、保存安定性を次のように評価した。
「A」:発熱量の減少率が10%未満
「B」:発熱量の減少率が10%以上。
Figure 2019104786
1 光反射体
2 リード
3 発光素子
6 発光装置
40 ベース体

Claims (10)

  1. 光反射体用成形材料であって、
    前記光反射体用成形材料は、不飽和ポリエステル樹脂、無機充填材、白色顔料及び増粘剤を含有し、
    前記無機充填材の含有量は、前記不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、32質量部以上250質量部以下の範囲内であり、
    前記白色顔料の含有量は、前記不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、100質量部以上300質量部以下の範囲内であり、
    前記増粘剤の含有量は、前記不飽和ポリエステル樹脂100質量部に対して、1.2質量部以上6質量部以下の範囲内である、
    光反射体用成形材料。
  2. 前記増粘剤は、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム及び酸化カルシウムからなる群より選ばれた1種以上の化合物である、
    請求項1に記載の光反射体用成形材料。
  3. 前記白色顔料は、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛及び硫酸バリウムからなる群より選ばれた1種以上の化合物である、
    請求項1又は2に記載の光反射体用成形材料。
  4. 前記白色顔料の平均粒子径は10μm以下である、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の光反射体用成形材料。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の光反射体用成形材料の硬化物を含む、
    光反射体。
  6. 請求項5に記載の光反射体と、リードと、を備える、
    ベース体。
  7. 請求項1から4のいずれか一項に記載の光反射体用成形材料を成形して光反射体を作製することを含み、
    前記光反射体の作製時に、前記光反射体とリードとを、前記光反射体から前記リードの一部が突出するように一体化させる、
    ベース体の製造方法。
  8. 前記光反射体の作製時に、枠と前記枠に繋がった前記リードとを備えるリードフレームを用い、
    前記光反射体の作製後、前記枠から前記リードを切り離すことを含む、
    請求項7に記載のベース体の製造方法。
  9. 前記光反射体の作製後、前記リードを折り曲げることを含む、
    請求項7又は8に記載のベース体の製造方法。
  10. 請求項5に記載の光反射体と、発光素子と、を備える、
    発光装置。
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