JP2019103796A - 浄化槽用脱臭装置及び浄化槽の脱臭方法 - Google Patents

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【課題】浄化槽から発生する臭気を、簡単な構成で経済的かつ効率的に脱臭できる浄化槽用脱臭装置及び浄化槽の脱臭方法を提供する。【解決手段】浄化槽用脱臭装置10は、生活排水を浄化処理する浄化槽11に設けられ、浄化槽11から発生した臭気を脱臭処理する装置であり、臭気から硫化物成分を除去する脱硫剤14と、脱硫剤14で処理された臭気からアンモニア成分を除去する光触媒15と、光触媒15に光を照射して活性化させる光照射手段16を有する。浄化槽の脱臭方法は、生活排水を浄化処理する浄化槽11から発生した臭気を脱臭処理する方法であり、臭気中の硫化物成分を、脱硫剤14によって除去する硫化物除去工程と、硫化物除去工程で処理された臭気からアンモニア成分を、光照射手段16から照射された光により活性化させた光触媒15によって除去するアンモニア除去工程を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、生活排水を浄化処理する浄化槽に用いる浄化槽用脱臭装置及び浄化槽の脱臭方法に関する。
生活排水の浄化処理においては、一般的に下水道処理施設が利用されているが、その処理区域外においては、例えば、浄化槽(合併処理浄化槽ともいう)による処理がなされている。この浄化槽は、例えば、建屋に設けられた駐車場の下方位置や庭等の地中に設置され、浄化槽から発生する臭気は、臭突管を介して大気へ拡散させていた。
しかし、近年、浄化槽の利用者からの要請により、臭突管の開口部を塞ぐ(臭突管を使用しない)傾向にあり、例えば、浄化槽から漏れ出た臭気が大気へ直接拡散し、駐車場や道路で悪臭がするといった苦情が増えていた。
そこで、例えば、特許文献1に示すような、悪臭物質を分解する微生物が固定化された繊維状活性炭(又は、繊維状活性炭を含有した成形体)からなる充填層に、悪臭ガスを接触させる悪臭ガスの脱臭方法及びその装置が提案されていた。
特開2003−144839号公報
しかしながら、上記した技術は、脱臭に微生物を用いているため、例えば、季節変動や負荷変動に対して、十分に対応できないおそれがあった。このため、微生物の培地を余分に見積もって設計する必要があり、装置構成が大掛かりになるおそれがあった。
また、繊維状活性炭を用いるため、使用にあっては壊れ易く交換頻度が高まるので、ランニングコストがかかるおそれもあった。
なお、他の脱臭方法として、例えば、オゾンを用いる方法もあるが、この場合、オゾン発生器や高圧電気回路等が必要となるため、装置構成が複雑になると共に価格の上昇を招くという問題もある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、浄化槽から発生する臭気を、簡単な構成で経済的かつ効率的に脱臭できる浄化槽用脱臭装置及び浄化槽の脱臭方法を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る浄化槽用脱臭装置は、生活排水を浄化処理する浄化槽に設けられ、該浄化槽から発生した臭気を脱臭処理する浄化槽用脱臭装置において、
臭気から硫化物成分を除去する脱硫剤と、
前記脱硫剤で処理された臭気からアンモニア成分を除去する光触媒と、
前記光触媒に光を照射して活性化させる光照射手段とを有する。
本発明に係る浄化槽用脱臭装置において、臭気の吸気口及び排気口が設けられた脱臭用流路と、臭気を前記吸気口を介して前記脱臭用流路内に送る送臭手段とを備え、前記脱硫剤と前記光触媒を、前記脱臭用流路内の前記吸気口側から前記排気口側へかけて順次収容配置し、前記脱臭用流路の前記排気口側に前記光照射手段を配置することが好ましい。
ここで、前記脱臭用流路内の前記脱硫剤の底部位置にフィルターを設けることが好ましい。
また、前記脱臭用流路の前記吸気口と前記脱硫剤との間に空間部が設けられていることが好ましい。
本発明に係る浄化槽用脱臭装置において、前記脱硫剤と前記光触媒は容器に収容され、該容器が前記脱臭用流路内に着脱自在に装着されることが好ましい。
ここで、前記容器は前記脱硫剤と前記光触媒が収容されたカートリッジであり、前記脱硫剤と前記光触媒の交換の際に前記カートリッジを交換することができる。
本発明に係る浄化槽用脱臭装置において、前記脱硫剤は粒状であり、前記光触媒は粒状化処理されていることが好ましい。
本発明に係る浄化槽用脱臭装置において、前記脱硫剤より上流側に、発生した虫を回収除去する除虫手段を設けることが好ましい。
本発明に係る浄化槽用脱臭装置において、更に、発生した水分を外部へ除去する除水手段を設けることが好ましい。
本発明に係る浄化槽用脱臭装置において、前記浄化槽が、コンビニエンスストア、商業施設、又は、住宅に設置されている場合に、効果がより顕著になる。
前記目的に沿う本発明に係る浄化槽の脱臭方法は、生活排水を浄化処理する浄化槽から発生した臭気を脱臭処理する脱臭方法において、
臭気中の硫化物成分を、脱硫剤によって除去する硫化物除去工程と、
前記硫化物除去工程で処理された臭気からアンモニア成分を、光照射手段から照射された光により活性化させた光触媒によって除去するアンモニア除去工程とを有する。
本発明に係る浄化槽の脱臭方法において、前記脱硫剤と前記光触媒を予め設定した期間で交換することが好ましい。
本発明に係る浄化槽の脱臭方法において、硫化物除去工程の前に、発生した虫を回収除去する除虫工程を行うことが好ましい。
本発明に係る浄化槽の脱臭方法において、発生した水分を外部へ除去する除水工程を行うことが好ましい。
本発明に係る浄化槽の脱臭方法において、前記浄化槽が、コンビニエンスストア、商業施設、又は、住宅に設置されている場合に、効果がより顕著になる。
本発明に係る浄化槽用脱臭装置及び浄化槽の脱臭方法は、臭気中の硫化物成分とアンモニア成分をそれぞれ、脱硫剤と、光照射手段から照射された光により活性化させた光触媒によって除去するので、浄化槽から発生する臭気を、簡単な構成で経済的かつ効率的に脱臭できる。特に、臭気を、脱硫剤で処理した後に光触媒で処理するので、例えば、硫化物成分である硫化水素から派生した硫酸により、光触媒が被毒して性能劣化することを抑制できる。
本発明の第1の実施の形態に係る浄化槽用脱臭装置の使用状態の説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る浄化槽用脱臭装置の使用状態の説明図である。 (A)は比較例に係る浄化槽用脱臭装置を用いて脱臭処理を行った結果を示すグラフ、(B)は実施例に係る浄化槽用脱臭装置を用いて脱臭処理を行った結果を示すグラフである。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る浄化槽用脱臭装置(以下、単に「脱臭装置」とも記載)10は、生活排水を浄化処理する浄化槽11に設けられ、この浄化槽11から発生した臭気を脱臭処理する装置であり、浄化槽11から発生する臭気中の悪臭成分(硫化物成分とアンモニア成分)を、簡単な構成で経済的かつ効率的に脱臭できるものである。以下、詳しく説明する。
浄化槽11は、例えば、下水道処理施設を利用できない建屋に設置される合併処理浄化槽であり、台所、風呂場、トイレ、洗面所等からの排水を処理する、従来公知のものである。なお、合併処理浄化槽は、処理対象人員が少ない場合(例えば、数人から数十人)に使用可能なものである。
この浄化槽11は、例えば、建屋ごとに設置されており、その設置場所としては、例えば、コンビニエンスストア(小規模小売店舗)、商業施設、又は、住宅等があり、具体的には、建屋に設けられた駐車場の下方位置や庭等の地中があるが、その規模(処理対象人員)や設置場所は、設置環境に応じて種々変更でき、特に限定されるものではなく、生活排水の種類も浄化槽が設置された場所(環境)に応じて様々である。
浄化槽11には、脱臭装置10が取付けられている。この脱臭装置10は、地上に設置するものであるため、例えば、従来使用されていた臭突管の設置作業のような、高所での作業が不要であり、作業性を良好にできる。
脱臭装置10は、浄化槽11に接続された導管12と、導管12の下流側端部に接続される脱臭用箱体(脱臭用流路の一例)13と、この脱臭用箱体13内に収容された脱硫剤14及び光触媒15と、脱臭用箱体13に設けられた光照射可能な光源(光照射手段の一例:例えば、LED照明)16及びファン(送臭手段の一例)17とを有している。
脱臭用箱体13は、有底円筒状であって、軸心(臭気が流れる方向)を鉛直方向に合わせた状態(立設状態)で使用されるものであり、その上部には蓋部18が開閉可能に設けられている。この脱臭用箱体13は、プラスチック製でもよく金属製でもよい。
脱臭用箱体13の下端部(一方側)側壁には、浄化槽11から発生した悪臭成分を含む臭気の吸気口19が、その軸心が水平方向(脱臭用箱体13の軸心とは直交する方向)となるように設けられ、この吸気口19に導管12の下流側端部が接続されている。また、脱臭用箱体13の蓋部18(他方側)には、悪臭成分が除去された臭気の排気口20が設けられている。
脱臭用箱体13の蓋部18にはファン17(ブロワでもよい)が設けられ、臭気を吸気口19を介して脱臭用箱体13内に送る(吸引可能な)構成となっている。このファン17は、例えば、脱臭用箱体13より上流側位置(浄化槽11と脱臭用箱体13を連通する導管12)や脱臭用箱体13(排気口20)より下流側位置に、設置することもできる。
ファン17の吸引能力は、浄化槽11での排水の処理能力(浄化槽11に設けられたブロワの能力)によって選定でき、浄化槽11から発生した臭気が、外部へ漏洩することなく、脱臭用箱体13に供給できる範囲で設定すればよい(例えば、流量が50〜150リットル/分程度)。
これにより、脱臭用箱体13内を流れる臭気は、脱臭用箱体13の下部から上部へかけて流れるが、脱臭用箱体13の吸気口19と排気口20の取付け位置を逆にして、臭気が上部から下部へかけて流れるようにすることもできる(臭気が上下方向に沿って流れる)。また、脱臭用箱体13を横倒しした状態にすることで、臭気が水平方向に沿って流れるようにすることもできる。
なお、脱臭用箱体の内部に1枚又は複数枚の仕切り板等を設けることで、臭気が上下方向又は水平方向にジグザグ状に流れるように、また、脱臭用箱体の内部に螺旋状の仕切り部を設けることで、臭気が旋回しながら流れるように、することもできる。
この脱臭用箱体13内には、脱硫剤14と光触媒15が、吸気口19側から排気口20側へかけて順次収容配置されている(即ち、脱臭用箱体13の軸心方向に沿って、脱硫剤14の層の上に光触媒15の層が形成される)。
浄化槽11から発生する臭気には、悪臭の原因となる(悪臭成分である)硫化物成分(硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル等)とアンモニア成分が含まれている。この硫化物成分の1つである硫化水素を除去することで、臭気から悪臭成分の大部分を取り除けるが、アンモニア成分の増減は硫化水素の増減に対応することから、更なる悪臭成分の低減には、アンモニア成分の除去も必要である。
そこで、脱硫剤14により臭気から硫化物成分(硫化水素)を除去した後、光触媒15により臭気からアンモニア成分(残留臭い成分)を除去する。
このように、脱硫剤14は主として硫化物成分である硫化水素を、光触媒15は主としてアンモニア成分を、それぞれ除去するものであるが、他の成分を除去することを妨げるものではない(例えば、光触媒15は更に低級脂肪酸も除去できる)。
また、脱硫剤14によって硫化水素が除去された臭気を、光触媒15によって処理するので、硫化水素から派生した硫酸により、光触媒15が被毒して性能劣化することを抑制できる。これにより、光触媒で処理した臭気を脱硫剤で処理した場合と比較して、光触媒15の脱臭性能を高位に維持できる。
脱硫剤14には、酸化鉄(FeO等)を主成分としたリモナイト(褐鉄鉱)を使用でき、具体的には、(株)日本リモナイト製のリモニック(登録商標)を使用できる。なお、脱硫能を有するものであれば、他の脱硫剤(例えば、活性炭)を用いることもできる。
この脱硫剤14は、円柱状(粒状)に成形されたものであり、例えば、直径が1〜30mm(ここでは、1〜5mm)程度、軸心方向の長さが3〜30mm(ここでは、3〜10mm)程度の範囲で設定できる。なお、脱硫剤の直径や長さは、必要とする脱硫能に応じて適宜選択できるものであり、特に限定されるものではない。
このように、脱硫剤の形状を円柱状にすることで、その表面積を増加させて脱硫能力を向上させている。従って、脱硫能力を高めることができれば、脱硫剤の形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状(粒状)やハニカム状(蜂の巣状)に成形することもできる。
光触媒15には、二酸化チタンを使用できる。この二酸化チタンには、結晶構造の違いによりアナターゼ(Anatase)型やルチル(Rutile)型等が存在するが、結晶構造は特に限定されず、一方のみを用いてもよいし、これらの混合物を用いてもよい。なお、光触媒機能を重視する場合にはアナターゼ型の二酸化チタンを使用することが好ましく、コスト面を重視する場合にはルチル型の二酸化チタンを使用することが好ましい。
また、二酸化チタンの結晶格子中に、硫黄、炭素、窒素等をドープすることもでき、また、二酸化チタンに、増感剤である鉄、銅、クロム、ニッケル等の金属錯体又は金属塩の化合物を混合(又は担持)することもできる。
なお、光触媒としては、上記した二酸化チタンに限定されるものではなく、金属酸化物半導体、金属硫化物半導体、チタン酸ストロンチウム、セレン化カドミウム、タンタル酸カリウム、又は、これらの混合物を使用することができる。ここで、金属酸化物半導体には、例えば、酸化亜鉛、酸化タングステン、酸化カドミウム、酸化インジウム、酸化銀、酸化マンガン、酸化銅、酸化鉄、酸化スズ、酸化バナジウム、酸化ニオブ、及び、酸化ジルコニウム等があり、金属硫化物半導体には、例えば、硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化インジウム、硫化鉛、硫化銅、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化アンチモン、及び、硫化ビスマス等がある。
光触媒15は、溶射材料(ここでは、二酸化チタン粉末)を粒状処理材(粒状多孔質体)の表面に溶射することにより担持されている(即ち、溶射により形成された溶射皮膜が光触媒15となる)。
粒状処理材としては、内部に連通する細孔を有する吸着剤、例えば、活性炭、ゼオライト、セピオライト、及び、シリカゲル等の粉末を、それぞれ球状(外径が0.5〜5mm程度)に成形した複数種のペレットのいずれか1種又は2種以上を使用できる。なお、粒状処理材は、例えば、直径が0.5〜4mm程度、長さが1.5〜6mm程度の円柱状でもよい。このように、粒状処理材の表面に溶射材料を溶射することで、光触媒15は粒状化処理されて粒状になる。
上記した光触媒の溶射方法としては、溶射であれば特に限定されず、フレーム溶射、高速フレーム溶射、ガス式溶射、アーク溶射、プラズマ溶射、線爆溶射等の電気式溶射、コールドスプレー法等の方法を用いることができる。中でも、高速フレーム溶射は、溶射材料が半溶融状態で溶射されて熱の影響を受け難く、また、音速の数倍の速度で吹き付けるので、溶射材料が粒状処理材に食い込んでアンカー効果が得られ易いため、密着性の高い溶射皮膜を形成することでき好ましい。
なお、溶射皮膜の形成には、例えば、ステンレス網を加工した有底の筒状容器に多数の粒状処理材を収納し、筒状容器を回転させながら側周面方向から溶射材料を溶射する方法を用いることができる。
光源16(蛍光灯でもよい)は、光触媒15に光(紫外線や可視光線)を照射して活性化させるものである。
この光源16は、脱臭用箱体13内に収容された光触媒15と対向可能な排気口20側の位置、即ち、蓋部18の底面に設けられている。この光源16の設置位置は、光触媒15に光を照射できれば、特に限定されるものではなく、例えば、脱硫剤14の層と光触媒15の層との間に空間を形成し、この空間に配置することもできる。
また、光触媒15への光の照射には、光源16と共に太陽光を利用することもできる(この場合、光源16と太陽光が光照射手段を構成する)。このとき、光触媒15に太陽光が照射可能となるように、例えば、脱臭用箱体を透明にし、蓋部を透明又は網状にするのがよい。
上記した脱硫剤14と光触媒15はそれぞれ、使用に伴ってその脱臭能力が低下するため、予め設定した期間(例えば、半年〜2年程度)で交換する必要がある。このため、以下の方式を用いて交換することができる。
図1に示すように、脱硫剤14と光触媒15を、脱臭用箱体13内に着脱自在に装着される網状となった容器21に収容するのがよい。この容器21は、脱硫剤14と光触媒15が収容されたカートリッジ(一体もの)であるため、脱硫剤14と光触媒15の交換は、カートリッジを取替えるのみで実施できる(即ち、脱硫剤14と光触媒15を容器21と共に交換)。なお、容器21の上部には、容器21の脱臭用箱体13内への装入と、脱臭用箱体13内からの取出しを行うための取っ手(把持部:図示しない)が設けられている。
これにより、脱硫剤14と光触媒15の交換作業を、短時間で作業性よく簡単に実施できる。
また、容器として、脱臭用箱体13内に着脱自在に装着される、網状で上部が開口した有底のものを使用し、脱硫剤14と光触媒15のみを交換することもできる。例えば、脱硫剤14と光触媒15の交換の際に、脱臭用箱体13内から容器を取出し、容器内から使用済みの脱硫剤14と光触媒15を取出して、空となった容器内に未使用の脱硫剤14と光触媒15を装入して、この容器を脱臭用箱体13内に装入する。
この場合、容器内では、脱硫剤14の層と光触媒15の層に区分するため、容器内に充填した脱硫剤14の層の上に、網状の袋に収容された光触媒15を配置するのがよい。
更に、上記した容器を使用することなく、例えば、脱硫剤14と光触媒15をそれぞれ網状の袋に充填し、これをそのままの状態で脱臭用箱体13内に装入配置することもできる。
なお、脱硫剤14と光触媒15の交換は、浄化槽11の定期検査に合わせて行うことが、作業性の点から好ましい。例えば、浄化槽11の定期検査が1年ごとに実施される場合、脱硫剤14と光触媒15が1年間脱臭能力を維持することを前提条件とすると、脱臭用箱体13の内径が150mm程度、容器21の内径が130mm程度であれば、脱硫剤14の層厚を150〜250mm程度、光触媒15の層厚を15〜30mm程度にするのがよい。この各層厚は、例えば、臭気の処理量に応じた脱臭用箱体の規模(容器(脱臭用箱体)の内幅)等により、種々変更可能である。
ここで、脱硫剤14と光触媒15の交換に際しては、未使用品である脱硫剤と、未使用品や再生品(例えば、使用済みの光触媒を熱処理して再生させた物)である光触媒を使用できる。
容器21の底部位置(脱硫剤14より吸気口19側位置:下流側端部位置)には、フィルター22が設けられている。
このフィルター22は、例えば、円盤状となった化学繊維製の不織布で構成され、吸気口19から脱臭用箱体13内に吸気された臭気の流れが、ファン17によってそのまま排気口20側へ流れ出すことを抑制できるものであり、これによって、脱硫剤14と光触媒15の各層を通過する臭気の流れを、脱臭用箱体13の軸心方向に直交する面内で略均一にできる。また、フィルター22により、浄化槽11から脱臭用箱体13内に侵入した虫等が、脱硫剤14の層内、更には光触媒15の層内に侵入することも防止できる。
なお、脱臭用箱体の構造等によっては、フィルター22を使用しなくてもよい。
フィルター22(脱硫剤14の底位置)は、脱臭用箱体13の底面23から100〜200mmの高さ位置にあり、吸気口19とフィルター22との間に空間部24が設けられている。なお、底面23を傾斜させることで、臭気の流れをスムーズにしている。
浄化槽11は、生活排水を処理するものであるため、脱臭用箱体13内に水分が浸入し易い(脱臭用箱体13内に湿気がたまり易い)。このため、脱臭用箱体13内に空間部24を設けることで、水分が浄化槽11に戻り易くなり、脱硫剤14の層内、更には光触媒15の層内に、水分が浸入することを抑制、更には防止できる。
これにより、湿気に起因した脱硫剤14と光触媒15の脱臭能力の低減を抑制できる。
なお、吸気口19とフィルター22との間に空間部24を設けることなく、導管に除湿手段を設けることもできるが、空間部24を設けると共に、導管に除湿手段を設けることもできる。
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る浄化槽の脱臭方法について、図1を参照しながら説明する。
浄化槽11の脱臭方法は、浄化槽用脱臭装置10を使用して、生活排水を浄化処理する浄化槽11から発生した臭気を脱臭処理する方法であり、準備工程、硫化物除去工程、及び、アンモニア除去工程を有している。以下、詳しく説明する。
(準備工程)
浄化槽11に、導管12を介して取付けられた浄化槽用脱臭装置10を駆動する。
具体的には、光源16とファン17を駆動させる。
この駆動電源には、家庭用電源を使用できるが、例えば、浄化槽用脱臭装置にバッテリを設けて行うこともできる(バッテリを単独使用又は家庭用電源と併用)。なお、バッテリの充電は、家庭用電源で行うことができるが、太陽光で行うこともできる。
また、光源16とファン17の駆動は、連続的に行ってもよいが、臭気が発生した場合のみ間欠的に駆動させてもよい。ここで、間欠的に駆動させる場合、例えば、導管12に臭いセンサーを設け、この臭いセンサーの数値が、予め設定した数値を超えたことを条件として、光源16とファン17を自動的に駆動させ、また、予め設定した数値未満になったことを条件として、光源16とファン17を自動的に停止させる構成にする(制御部により制御する)のがよい。
(硫化物除去工程)
浄化槽11に生活排水が流れ込み、浄化槽11で浄化処理が開始されると、浄化槽11から臭気が発生する。
この臭気は、ファン17の駆動により、導管12内を通過し、吸気口19から脱臭用箱体13内に吸引される。これにより、臭気が脱硫剤14の層内を通過し、臭気中の悪臭成分である硫化物成分が、脱硫剤14によって除去される。
(アンモニア除去工程)
硫化物除去工程で硫化物成分が除去された臭気は更に、光触媒15の層内を通過する。
ここで、光触媒15は、光源16から照射された光により活性化しているため、臭気中の悪臭成分であるアンモニア成分が、光触媒15によって除去される。
このように、硫化物除去工程とアンモニア除去工程を順次行うことで、悪臭成分の大部分が除去された臭気が、脱臭用箱体13内から排気口20を介して大気へ放散される。
続いて、図2を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係る浄化槽用脱臭装置(以下、単に「脱臭装置」とも記載)30について説明する。
この浄化槽用脱臭装置30は、浄化槽31に連結され、地表に突出した臭突管32に連通状態で接続される導管33と、導管33の下流側端部に接続される脱臭装置本体34と、導管33(脱臭装置本体34より上流側)に設けられた除虫槽(除虫手段の一例)35と、脱臭装置本体34及び除虫槽35に設けられた除水手段36とを有し、浄化槽31から発生した臭気を脱臭処理する装置であり、浄化槽31から発生する臭気中の悪臭成分(硫化物成分とアンモニア成分)を、簡単な構成で経済的かつ効率的に脱臭できるものである。以下、詳しく説明する。
浄化槽31は、前記した浄化槽11と同一の機能を有するものであり、下水道処理施設の処理区域外に設置された、例えば、コンビニエンスストア(小規模小売店舗)、商業施設、又は、住宅向けの脱臭槽である。なお、上記した商業施設には、例えば、ドラックストア、ホームセンター、パチンコ店、車関連の店舗、レストラン、喫茶店、本屋、レンタルビデオ店等があり、住宅には、例えば、戸建て、集合住宅、老人ホーム、病院等がある。
特に、浄化槽31が、食料品を取扱う場所、例えば、コンビニエンスストアに設置された50人槽用以下の浄化槽(主としてトイレから排出される生活排水(汚水)を処理する浄化槽)である場合、脱臭装置30の効果が顕著になる。
脱臭装置本体34は、前記した脱臭装置10と略同様の構成で、かつ、同一の機能を有するものであり、本実施の形態の導管33が、脱臭装置10の導管12に対応している。
除虫槽35は、主として浄化槽31から発生した虫を回収除去する機能を有するもの(例えば、市販の雨水枡を使用できる)であり、脱臭装置本体34(脱硫剤)より上流側(浄化槽31側)に位置する導管33の途中位置に設けられている。この除虫槽35は有底円筒状となって取外し可能な天蓋を有する(内部に空間が形成された)ものであり、除虫槽35の両側部には、導管33が連通状態で接続される吸気口37と排気口38がそれぞれ設けられ、排気口38の高さ位置を吸気口37よりも低くしている。
除虫槽35内には、金網で構成される有底円筒状の円筒状回収体39が、軸心(臭気が流れる方向)を鉛直方向に合わせた状態(立設状態)で出し入れ可能に収容配置され、この円筒状回収体39の上側側部に形成された開口部40の位置を、除虫槽35の吸気口37に合わせている。なお、円筒状回収体は、例えば、パンチングメタル、また、多数の貫通孔が形成されたプラスチック製の容器や袋、で構成することもできる。
これにより、除虫槽35内に吸気口37を介して流入した臭気が、円筒状回収体39内を通過した後、排気口38を介して脱臭装置本体34側へ流出する。従って、浄化槽31側から発生した虫は、吸気口37を介して円筒状回収体39内に侵入し回収され、臭気から除去されるため、脱臭装置本体34への虫の侵入を抑制、更には防止できる。
なお、虫の回収除去は、上記した円筒状回収体39の使用に限定されるものではなく、例えば、虫の種類(習性:例えば、光、臭い、音等を感知)に応じて種々選択できる。
例えば、除虫槽内に予め殺虫剤を噴霧し(噴霧器を設置し)、また、予め殺虫剤を含むシートや粘着性を備えたシートを配置し、殺虫処理して、虫を回収除去することもできる。
また、虫が夜行性である場合、光を嫌うため、例えば、除虫槽内に光源(発光手段)を配置することで、虫が除虫槽内(脱臭装置本体内)に進入することを抑制、更には防止できる。一方、虫に、光に集まる習性がある場合、除虫槽内に光源を配置し、この光源に集まった虫を殺虫剤等で処理することもできる。なお、光源を使用する場合は、光源を起動させるための電力として太陽光(太陽光発電機器)を使用することもでき、この場合、太陽光で得られた電力を蓄電する充電器(バッテリー)を設けることが好ましい。
成虫時の虫の体には、多くの汚泥が付着しているため、この虫が導管内を移動することで、汚泥があらゆる所に堆積して、新たな成虫が誕生する原因となっていた。
しかし、上記したように、脱臭装置30に除虫槽35を設けることで、虫を除虫槽35で回収除去できるので、従来のように、汚泥があらゆる所に堆積することを抑制、更には防止できる。従って、新たな成虫の誕生を抑制できると共に、脱臭装置本体34が汚泥で汚染されることを抑制、更には防止できる。
なお、虫によって堆積した、浄化槽31と除虫槽35の間に位置する導管33内の汚泥は、例えば、浄化槽31内へ直接落下、又は、除虫槽35内に落下して堆積等する。この除虫槽35内の汚泥は、例えば、除虫槽35内を洗浄することにより、又は、汚泥が自然に落下することにより、後述する除水手段36(配管)を介して、浄化槽31へ送ることができる。
除水手段36は、臭気に含まれる水分(発生した水分の一例)を、脱臭装置本体34内と除虫槽35内から外部へ除去する配管である。この配管は、水平配置され、その下流側端部が導管33の上流側端部(臭突管32の直上)に連通状態で接続された主管41と、この主管41に対して鉛直方向に連通状態で接続され、脱臭装置本体34と除虫槽35の各底部に連通状態で接続された支管42、43とを有している。
浄化槽31から発生した臭気には水分が含まれているため、脱臭装置本体34内と除虫槽35内で水滴となったものは、各支管42、43へ流出し、主管41を介して浄化槽31へ送られる(ドレン除去)。また、脱臭装置30(導管33、脱臭装置本体34、及び、除虫槽35のいずれか1又は2以上)内で生じる結露(発生した水分の一例)等についても、各支管42、43、及び、主管41を介して浄化槽31へ送ることができる。
これにより、特別な装置を用いることなく、脱臭装置30内で発生した水分(臭気に含まれる水分や結露等)を、脱臭装置30内(脱臭装置本体34内と除虫槽35内)から外部(浄化槽30)へ除去することができる。なお、主管41は水平配置に限定されるものではなく、主管における導管33側への水分の流れ易さを考慮すれば、主管を導管33側へ向けて下り勾配(例えば、水平状態に対して1〜10度(更には、上限が5度)の範囲)で傾斜配置することが好ましい。
更に、除虫槽35内で、臭気に含まれる水分の多くを除去することにより、脱臭装置本体34において、水分が光触媒の表面を覆うことを抑制、更には防止できるので、光触媒の脱臭能力を十分に発揮させることができる。
上記した除水手段36(配管)は、主管41と、脱臭装置本体34及び除虫槽35にそれぞれ接続された支管42、43とで構成されているが、臭気に含まれる水分の量に応じて、脱臭装置本体34及び除虫槽35のいずれか一方のみに支管を接続した構成とすることもできる。また、導管に支管を設け、導管内の水分を外部へ除去することもできる。
なお、上記したように、脱臭装置本体34において、光触媒の脱臭能力を十分に発揮させることを考慮すれば、少なくとも除虫槽35に支管を接続した構成(脱臭装置本体34には支管を接続しなくてもよい)とすることが好ましい。
続いて、本発明の第2の実施の形態に係る浄化槽の脱臭方法を、図2を参照しながら説明する。
この浄化槽の脱臭方法は、生活排水を浄化処理する浄化槽31から発生した臭気を脱臭処理する方法であり、前記した第1の実施の形態に係る浄化槽の脱臭方法に更に、除虫工程と除水工程を加えたこと以外、略同様であるため(準備工程、硫化物除去工程、及び、アンモニア除去工程を有しているため)、異なる工程について詳しく説明する。
(準備工程)
浄化槽31に、導管33を介して取付けられた脱臭装置本体34を駆動する(前記した脱臭装置10と略同様の方法)。
(除虫工程)
浄化槽31に生活排水が流れ込み、浄化槽31で浄化処理が開始されると、浄化槽31から臭気が発生する。この臭気は、例えば、脱臭装置本体34のファン17の駆動により、導管33内を通過し、吸気口37から除虫槽35内に吸引される。
これにより、臭気が円筒状回収体39内を通過し、主として浄化槽31から発生した臭気に含まれる虫が、円筒状回収体39によって回収除去される。この回収された虫は、円筒状回収体39を除虫槽35内から定期的に取出し廃棄することで、除虫槽35内から除去できる。
(除水工程)
また、臭気が除虫槽35内に吸引された際に、臭気に含まれる水分のうち、水滴となった水分は、除虫槽35の底部に落下し、支管43と主管41を通って導管33側へ流れ、浄化槽31に流入する。
そして、除虫槽35で多くの水分が除去された臭気は、更に、除虫槽35の排気口38から導管33を介して脱臭装置本体34内に吸引されるが、臭気に含まれる残存水分のうち、水滴となった水分は、脱臭装置本体34の底部に落下し、支管42と主管41を通って導管33側へ流れ、浄化槽31に流入する(以上、脱臭装置30内で生じる結露等についても同様)。
上記したように、硫化物除去工程の前に行われる除虫工程で、混入した虫が除去され、しかも、除水工程で、含まれる多くの水分が除去された臭気に対し、脱臭装置本体34内で、前記した硫化物除去工程とアンモニア除去工程を順次行うことで、悪臭成分の大部分が除去された臭気が、脱臭装置本体34内から排気口20を介して大気へ放散される。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
ここでは、40人槽用の浄化槽から発生した臭気を、脱硫剤(リモニック)のみで脱臭処理した結果(比較例)と、脱硫剤(リモニック)及び光触媒(TiO)で順次脱臭処理した結果(実施例)について説明する。脱硫剤のみによる脱臭処理は、前記した脱臭用箱体13内に脱硫剤のみを収容配置して行い、また、脱硫剤及び光触媒による脱臭処理は、前記した脱臭用箱体13内の吸気口19側から排気口20側にかけて脱硫剤及び光触媒を順次収容配置して行った。
上記した脱硫剤のみで脱臭処理した結果を図3(A)に、脱硫剤及び光触媒で脱臭処理した結果を図3(B)に、それぞれ示す。この図3(A)、(B)は、縦軸に臭いセンサー値、横軸に測定時刻(時間経過)をとっている。
脱臭処理の前後(即ち、脱臭用箱体13の吸気口19と排気口20)における各臭気は、ポータブル型ニオイセンサXP−329IIIR(新コスモス電機(株)製)で測定し、得られた臭いセンサー値は、臭いのレベル値(同じ質の臭気を比較することを基本とした相対値)で示している。なお、ここでは、臭いセンサー値が300以下の場合を、脱臭処理が適切に行われていると判断した。
図3(A)では、臭いセンサー値が300を大きく超える時間帯が2箇所発生した。
時間帯aでの臭いセンサー値は、脱臭処理前が633であり、脱臭処理後が338であって、300以下にできなかった(除去率:47%)。
一方、時間帯bでの臭いセンサー値は、脱臭処理前が449であり、脱臭処理後が207であって、300以下にできた(除去率:54%)。これは、脱臭処理前の臭いセンサー値が、時間帯aよりも大幅に低かったことによるものと考えられる。
このように、脱硫剤のみで脱臭処理した場合、脱臭処理前の臭気のレベルによっては、適切に脱臭処理できないことがあると考えられる。
図3(B)では、臭いセンサー値が300を大きく超える時間帯が2箇所発生した。
時間帯cでの臭いセンサー値は、脱臭処理前が528であり、脱臭処理後が233であって、300以下にできた(除去率:56%)。
一方、時間帯dでの臭いセンサー値は、脱臭処理前が大幅に高くなって907であり、脱臭処理後が0であった(除去率:100%)。
このように、脱硫剤及び光触媒で脱臭処理した場合、脱臭処理前の臭気のレベルに関係なく、適切に脱臭処理ができた。
以上のことから、本発明の浄化槽用脱臭装置及び浄化槽の脱臭方法を用いることで、浄化槽から発生する臭気を、簡単な構成で経済的かつ効率的に脱臭できることを確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の浄化槽用脱臭装置及び浄化槽の脱臭方法を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
前記実施の形態においては、浄化槽用脱臭装置を地上に配置し、浄化槽と導管を介して接続した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、浄化槽用脱臭装置を浄化槽に一体的に取付けることもできる。
また、前記実施の形態においては、1つの浄化槽に1つの浄化槽用脱臭装置を取付けた場合について説明したが、1つの浄化槽に、複数の浄化槽用脱臭装置を直列又は並列に設けることもできる。
そして、前記実施の形態においては、脱臭用流路内に、脱硫剤と光触媒を、吸気口側から排気口側へかけて順次収容配置した(硫化物除去工程を行った後にアンモニア除去工程を行う)場合について説明したが、脱硫剤と光触媒を吸気口側から排気口側へかけて交互に配置する(硫化物除去工程とアンモニア除去工程を交互に行う)こともできる。この場合、光触媒の位置に応じて光照射手段の位置も変更する。
なお、浄化槽用脱臭装置は、新規に製造した浄化槽(例えば、建屋への設置前の浄化槽)に取付けることができるが、既存の浄化槽(例えば、建屋への設置後の浄化槽)に取付けることもできる。
本発明に係る浄化槽用脱臭装置及び浄化槽の脱臭方法は、浄化槽から発生する臭気を、簡単な構成で経済的かつ効率的に脱臭できる。これにより、浄化槽用脱臭装置及び浄化槽の脱臭方法を、生活排水の浄化処理を浄化槽で実施している地域で有効に利用でき、例えば、駐車場や道路への悪臭の拡散が抑制、更には防止され、環境改善に貢献することができる。また、浄化槽用脱臭装置の使用により、従来、屋根の軒上に突出するように立設されていた臭突管が不要となるため、例えば、臭突管設置時の足場の準備作業や解体作業を従来よりも削減、更には無くすことができ、また、臭突管から発生する臭気による臭いの不快感を解消できる。
10:浄化槽用脱臭装置、11:浄化槽、12:導管、13:脱臭用箱体(脱臭用流路)、14:脱硫剤、15:光触媒、16:光源(光照射手段)、17:ファン(送臭手段)、18:蓋部、19:吸気口、20:排気口、21:容器、22:フィルター、23:底面、24:空間部、30:浄化槽用脱臭装置、31:浄化槽、32:臭突管、33:導管、34:脱臭装置本体、35:除虫槽(除虫手段)、36:除水手段、37:吸気口、38:排気口、39:円筒状回収体、40:開口部、41:主管、42、43:支管

Claims (15)

  1. 生活排水を浄化処理する浄化槽に設けられ、該浄化槽から発生した臭気を脱臭処理する浄化槽用脱臭装置において、
    臭気から硫化物成分を除去する脱硫剤と、
    前記脱硫剤で処理された臭気からアンモニア成分を除去する光触媒と、
    前記光触媒に光を照射して活性化させる光照射手段とを有することを特徴とする浄化槽用脱臭装置。
  2. 請求項1記載の浄化槽用脱臭装置において、臭気の吸気口及び排気口が設けられた脱臭用流路と、臭気を前記吸気口を介して前記脱臭用流路内に送る送臭手段とを備え、前記脱硫剤と前記光触媒を、前記脱臭用流路内の前記吸気口側から前記排気口側へかけて順次収容配置し、前記脱臭用流路の前記排気口側に前記光照射手段を配置したことを特徴とする浄化槽用脱臭装置。
  3. 請求項2記載の浄化槽用脱臭装置において、前記脱臭用流路内の前記脱硫剤の底部位置にフィルターを設けたことを特徴とする浄化槽用脱臭装置。
  4. 請求項2又は3記載の浄化槽用脱臭装置において、前記脱臭用流路の前記吸気口と前記脱硫剤との間に空間部が設けられていることを特徴とする浄化槽用脱臭装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の浄化槽用脱臭装置において、前記脱硫剤と前記光触媒は容器に収容され、該容器が前記脱臭用流路内に着脱自在に装着されることを特徴とする浄化槽用脱臭装置。
  6. 請求項5記載の浄化槽用脱臭装置において、前記容器は前記脱硫剤と前記光触媒が収容されたカートリッジであり、前記脱硫剤と前記光触媒の交換の際に前記カートリッジを交換することを特徴とする浄化槽用脱臭装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の浄化槽用脱臭装置において、前記脱硫剤は粒状であり、前記光触媒は粒状化処理されていることを特徴とする浄化槽用脱臭装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の浄化槽用脱臭装置において、前記脱硫剤より上流側に、発生した虫を回収除去する除虫手段を設けたことを特徴とする浄化槽用脱臭装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の浄化槽用脱臭装置において、更に、発生した水分を外部へ除去する除水手段を設けたことを特徴とする浄化槽用脱臭装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の浄化槽用脱臭装置において、前記浄化槽は、コンビニエンスストア、商業施設、又は、住宅に設置されていることを特徴とする浄化槽用脱臭装置。
  11. 生活排水を浄化処理する浄化槽から発生した臭気を脱臭処理する脱臭方法において、
    臭気中の硫化物成分を、脱硫剤によって除去する硫化物除去工程と、
    前記硫化物除去工程で処理された臭気からアンモニア成分を、光照射手段から照射された光により活性化させた光触媒によって除去するアンモニア除去工程とを有することを特徴とする浄化槽の脱臭方法。
  12. 請求項11記載の浄化槽の脱臭方法において、前記脱硫剤と前記光触媒を予め設定した期間で交換することを特徴とする浄化槽の脱臭方法。
  13. 請求項11又は12記載の浄化槽の脱臭方法において、前記硫化物除去工程の前に、発生した虫を回収除去する除虫工程を行うことを特徴とする浄化槽の脱臭方法。
  14. 請求項11〜13のいずれか1項に記載の浄化槽の脱臭方法において、発生した水分を外部へ除去する除水工程を行うことを特徴とする浄化槽の脱臭方法。
  15. 請求項11〜14のいずれか1項に記載の浄化槽の脱臭方法において、前記浄化槽は、コンビニエンスストア、商業施設、又は、住宅に設置されていることを特徴とする浄化槽の脱臭方法。
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