JP2019102711A - キャパシタ - Google Patents

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直哉 小林
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Toshihiro Asada
敏広 浅田
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隆 京谷
洋知 西原
Hirotomo Nishihara
洋知 西原
啓太 野村
Keita Nomura
啓太 野村
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Abstract

【課題】容量化および高電圧化を図ることで、高エネルギー密度化され、かつ耐電圧性に優れたキャパシタを提供する。【解決手段】本発明のキャパシタは、少なくとも正極、負極、及び電解質から構成される。正極は正極活物質を含み、かつ、負極は負極活物質を含み、負極活物質は、グラフェンからなる多孔質炭素材料(グラフェン多孔質炭素材料)を含み、負極側の集電体はアルミニウム材であり、アルミニウム材は非晶質炭素被膜で被覆され、非晶質炭素被膜の厚みが60nm以上、300nm以下であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、キャパシタに関する。
従来、電気エネルギーを貯蔵する技術として、電気二重層キャパシタ(例えば、特許文献1参照)や二次電池が知られている。電気二重層キャパシタ(EDLC:Electric double−layer capacitor)は、寿命、安全性、出力密度が二次電池よりも格段に優れている。しかしながら、電気二重層キャパシタは、二次電池に比べてエネルギー密度(体積エネルギー密度)が低いという課題がある。
ここで、電気二重層キャパシタに蓄積されるエネルギー(E)は、キャパシタの静電容量(C)と印加電圧(V)を用いてE=1/2×C×Vと表され、エネルギーは静電容量と印加電圧の二乗とに比例する。従って、電気二重層キャパシタのエネルギー密度を改善するために、電気二重層キャパシタの静電容量や印加電圧を向上する技術が提案されている。
電気二重層キャパシタの静電容量を向上する技術としては、電気二重層キャパシタの電極を構成する活性炭の比表面積を増大させる技術が知られている。現在、知られている活性炭は、比表面積が1000m/g〜2500m/gである。このような活性炭を電極に用いた電気二重層キャパシタでは、電解液として第四級アンモニウム塩を有機溶媒に溶解させた有機電解液や、硫酸等の水溶液電解液等が用いられている。
有機電解液は使用できる電圧範囲が広いため、印加電圧を高めることができ、エネルギー密度を向上することができる。
電気二重層キャパシタの原理を利用して印加電圧を向上させたキャパシタとして、リチウムイオンキャパシタが知られている。負極にリチウムイオンをインターカーレート、ディインターカーレートできる黒鉛あるいは炭素を用い、正極に電解質イオンを吸脱着できる電気二重層キャパシタの電極材と同等の活性炭を用いるものは、リチウムイオンキャパシタと呼ばれている。また、正極あるいは負極のいずれか一方に電気二重層キャパシタの電極材と同等の活性炭を用い、もう一方の電極にファラデー反応が起こる電極として、金属酸化物、導電性高分子を用いるものについては、ハイブリッドキャパシタと呼ばれている。リチウムイオンキャパシタは、電気二重層キャパシタを構成する電極のうち、負極がリチウムイオン二次電池の負極材料である黒鉛やハードカーボン等で構成され、その黒鉛やハードカーボン内にリチウムイオンが挿入された電極である。リチウムイオンキャパシタは、一般的な電気二重層キャパシタ、すなわち、両極が活性炭で構成されるものよりも印加電圧が大きくなるという特徴がある。
しかし、電極に黒鉛を用いた場合、電解液の溶媒として知られる、プロピレンカーボネートを用いることができないという課題がある。電極に黒鉛を用いた場合、プロピレンカーボネートが電気分解して、黒鉛の表面にプロピレンカーボネートの分解生成物が付着し、リチウムイオンの可逆性が低下するためである。プロピレンカーボネートは、低温でも動作可能な溶媒である。プロピレンカーボネートを電気二重層キャパシタに適用した場合、その電気二重層キャパシタは−40℃でも作動することができる。そこで、リチウムイオンキャパシタでは、プロピレンカーボネートが分解し難いハードカーボンが電極材料に用いられている。しかし、ハードカーボンは、黒鉛に比べて電極の体積当たりの容量が低く、電圧も黒鉛に比べて低くなる(貴な電位になる)。そのため、リチウムイオンキャパシタのエネルギー密度が低くなる等の課題がある。
新しい概念のキャパシタとして、活性炭の代わりに黒鉛を正極活物質に用いて黒鉛の層間に電解質イオンを挿入脱離する反応を利用したキャパシタが開発された(例えば、特許文献2参照)。特許文献2には、正極活物質に活性炭を用いる従来の電気二重層キャパシタでは正極に2.5Vを超える電圧を印加すると電界液の分解が生じてガスが発生するのに対して、正極活物質に黒鉛を用いる新しい概念のキャパシタでは3.5Vの充電電圧でも電界液の分解を招来せず、正極活物質に活性炭を用いる従来の電気二重層キャパシタよりも高い電圧で動作できることが記載されている。この技術を用いると、従来の電気二重層キャパシタに比べてエネルギー密度を2〜3倍程度高めることができる。サイクル特性や低温特性、出力特性に関しても従来の電気二重層キャパシタと同等以上となる。黒鉛の比表面積は活性炭の比表面積の数百分の1であり、この電解液分解作用の違いはこの大きな比表面積の違いに起因する。
黒鉛を正極活物質に用いる新しい概念のキャパシタでは、耐久性が十分ではないため、実用化が阻まれていたが、非晶質炭素被膜で被覆されたアルミニウム材を集電体に用いる技術(特許文献3参照)により、高温耐久性能を実用化レベルまで改善できることが分かっている。なお、この新しい概念のキャパシタは、正極に黒鉛の層間に電解質イオンを挿入脱離する反応を用いたキャパシタであり、厳密には電気二重層キャパシタではないが、特許文献3では広義の意味で電気二重層キャパシタと呼んでいる。
ここで、耐久性の試験は通常、温度を高めて加速試験(高温耐久性試験、サイクル寿命試験)によって行う。その試験はJIS D 1401:2009に記載されている「耐久性(高温連続定格電圧印加)試験」に準じた方法で行うことができる。温度を室温から10℃上昇させると劣化速度が約2倍になると言われている。高温耐久性試験としては例えば、60℃の恒温槽で2000時間、所定の電圧(本発明では、3V以上)で保持(連続充電)し、その後室温に戻して充放電を行ない、そのときの放電容量を測定する試験がある。この高温耐久性試験後に、初期の放電容量に対して放電容量維持率が80%以上を満足することが望ましいと考えられる。
特開2011−046584号公報 特開2010−040180号公報 特許第6167243号公報
従来の活性炭を用いた電気二重層キャパシタでは、充電電圧は2.5V〜2.7Vである。それ以上の電圧で充電すると電解液が分解し易くなるため、充電電圧が2.7V以下に制限されるという課題がある。
また、正極に黒鉛等の高容量の活物質を用い、負極に活性炭を用いたキャパシタでは、負極に用いている活性炭の容量が正極に用いている黒鉛等の容量よりも低いため、負極の容量がセルの容量を支配している。したがってこのキャパシタのエネルギー密度をさらに向上させるためには、負極の改善が必要である。
負極の容量を高めるためには、負極還元電位をより低くすることが有効であるが、還元電位を低くし過ぎると、電解液の分解によってガスが発生したり、活性炭表面が電解液分解物で覆われ、活性炭の細孔を閉塞することによる比表面積低下で静電容量が低下したり、活性炭自身の分解による劣化が起こる等の課題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高容量化および高電圧化を図ることで、高エネルギー密度化され、かつ耐電圧性に優れたキャパシタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
[1] 少なくとも正極、負極、及び電解質から構成されるキャパシタであって、
前記正極は正極活物質を含み、かつ、前記負極は負極活物質を含み、
前記負極活物質は、グラフェンからなる多孔質炭素材料(以下、グラフェン多孔質炭素材料という)を含み、
負極側の集電体はアルミニウム材であり、
前記アルミニウム材は非晶質炭素被膜で被覆され、
前記非晶質炭素被膜の厚みが60nm以上、300nm以下である、
ことを特徴とするキャパシタ。
[2] 前記グラフェン多孔質炭素材料の細孔は、メソ孔である[1]に記載のキャパシタ。
[3] 前記グラフェン多孔質炭素材料のエッジサイト量が昇温脱離法による分析で0.1mmol/g以下である[1]又は[2]のいずれか1項に記載のキャパシタ。
[4] 前記負極側の集電体は、前記非晶質炭素被膜と前記負極活物質との間に導電性炭素層が形成されている[1]〜[3]のいずれか1項に記載のキャパシタ。
[5] 前記正極活物質は、黒鉛、あるいは前記グラフェン多孔質炭素材料を含み、
正極側の集電体は、アルミニウム材に非晶質炭素被膜が被覆されている、または、アルミニウム材に非晶質炭素被膜が被覆され、かつ、非晶質炭素被膜と正極活物質との間に導電性炭素層が形成されている[1]〜[4]のいずれか1項に記載のキャパシタ。
本発明によれば、高電圧で電解液と反応しやすい官能基がほとんど存在しない、グラフェンからなる多孔質炭素材料(グラフェン多孔質炭素材料)を有する負極活物質を用いることにより、高容量化および高電圧化を図ることで、高エネルギー密度化され、かつ耐電圧性に優れたキャパシタを提供することができる。
本発明の一実施態様のグラフェン多孔質炭素材料(グラフェンメソスポンジ(GMS))の模式図。 実施例1と比較例1の60℃定電流定電圧連続充電試験結果を示すグラフ。 実施例1と比較例2の60℃定電流定電圧連続充電試験結果を示すグラフ。
以下、本発明の実施の形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本発明に係るキャパシタは、少なくとも正極、負極、及び電解質から構成される。正極は正極活物質を含み、かつ、負極は負極活物質を含み、負極活物質は、グラフェンからなる多孔質炭素材料(グラフェン多孔質炭素材料)を含み、負極側の集電体はアルミニウム材であり、アルミニウム材は非晶質炭素被膜で被覆され、非晶質炭素被膜の厚みが60nm以上、300nm以下であることを特徴とする。本発明に係るキャパシタは、後述の本発明のグラフェン多孔質炭素材料の合成方法で得られたグラフェン多孔質炭素材料(グラフェンメソスポンジ(GMS))を含むことが好ましい。
(キャパシタ)
本発明の一実施形態に係るキャパシタは、正極と負極とセパレータと電解質とを有する。
(負極)
本発明の一実施形態のキャパシタで用いる負極は、集電体(負極側の集電体)とその上に形成されている負極活物質層を含む。負極活物質層は、負極活物質とバインダーと導電材とを含む。
負極活物質層は主に、負極活物質、バインダー、および、必要に応じた量の導電材を含むペースト状の負極材料を、負極側の集電体上に塗布し、乾燥して、形成することができる。
(負極活物質)
本発明の一実施形態のキャパシタで用いる負極活物質は、耐電圧が高いキャパシタを得るため、電解質イオンであるカチオンを吸脱着できる炭素質材料である、本発明に係るグラフェン多孔質炭素材料を含むものである。
(グラフェン多孔質炭素材料)
本発明に係るグラフェンは、炭素原子が基本的な反復単位としてハニカム状骨格で共有結合されている単原子層の構造を有する。グラフェンを単層グラフェンと呼ぶことがある。また、2層以上のグラフェンを積層してからなる「積層グラフェン」を単にグラフェンと呼ぶこともある。
本発明に係るグラフェン多孔質炭素材料とは、グラフェンからなる多孔質炭素材料である。
本発明の一実施形態のグラフェン多孔質炭素材料は、細孔を形成するグラフェンで構成されている炭素材料である(細孔の壁がグラフェンである)。隣接する細孔が連通し、複数の細孔が連通していても良い。その細孔がメソ孔であることが好ましい。なお、メソ孔は細孔径が2nm〜50nmの細孔をいう。2〜10nmであることが好ましく、3〜7nmであることがより好ましい。電解質イオン径(1.6nm〜2.0nm)よりも小さいと、細孔に電解質イオンが入らないからである。なお、平均細孔径は、例えばBJH(Barrett−Joyner−Halenda)法を用いて算出することができる。
本発明の一実施形態のグラフェン多孔質炭素材料は、比表面積が1000〜2200m/gであることが好ましく、1800〜2200m/gであることがより好ましい。静電容量を高め、静電容量の大きいキャパシタを得るためには、比表面積は大きい方がよいからである。なお、比表面積は、例えばBET(Brunauer−Emmett−Teller)法を用いて算出することができる。
本発明の一実施形態のグラフェン多孔質炭素材料は、エッジサイト(後述)量が0.01〜0.15mmol/gであることが好ましく、0.01〜0.1mmol/gであることがより好ましい。エッジサイト量が少ない、すなわち官能基が少ないと電解液の分解反応を抑制できるからである。なお、エッジサイト量は、例えば昇温脱離法(TPD;Temperature Programmed Desorption)(1500℃以上)を用いて算出することができる。
本発明の一実施形態のグラフェン多孔質炭素材料は、そのグラフェンの層数が1〜3であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であること、すなわち単層グラフェンであることがさらに好ましい。また、グラフェン多孔質炭素材料に含まれている単層グラフェンの重量含有量は、60〜100wt%であることが好ましく、80〜100wt%であることがより好ましい。なお、グラフェンの層数は例えば後述の方法を用いて算出することができる。
また、本発明の一実施形態のキャパシタで用いるグラフェン多孔質炭素材料は、後述の本発明の一実施形態のグラフェン多孔質炭素材料の合成方法で得られたグラフェン多孔質炭素材料であるグラフェンメソスポンジ(GMS:graphene mesosponge)が特に好ましい。
炭素材料の表面には、炭素六員環のベーサル(基底)サイト(六員環炭素網面)およびエッジ(端)サイト(ジグザグ端、アームチェア端)がある。本発明の一実施形態のグラフェン多孔質炭素材料はグラフェンを含むので、エッジサイトよりベーサルサイトが多い。
一般的なグラフェンは積層し易く、積層されることでグラフェンが持つ大きな比表面積が低下する。本発明の一実施形態のグラフェン多孔質炭素材料であるグラフェンメソスポンジ(GMS)を用いることで、この課題を解決した。
グラフェンメソスポンジは、その細孔壁が単層グラフェン主体の炭素材料であり、大きな比表面積を有した材料である。図1にその模式図を示した。空洞の空いた球状で、その表面はグラフェンにより構成されている。
グラフェンメソスポンジの比表面積は活性炭と同等の約2000m/gであり、かつその表面には活性炭で見られるような官能基がほとんど存在しない。そのため、キャパシタ電極へ応用した場合、耐電圧を高めても電解液と反応しにくいことから、高電圧化が可能である。
例えば、昇温脱離法(1800℃)を用いてエッジサイト量を算出すると、代表的なアルカリ賦活炭として知られる関西熱化学株式会社製活性炭MSP−20の場合は6.3mmol/g、また代表的な水蒸気賦活炭として知られる株式会社クラレ製活性炭YP−50Fの場合は3.3mmol/gであるが、GMSの場合は0.1mmol/gであり、GMSのエッジサイト量は一桁以上少ない。また、官能基が少ないことで知られる高配向性熱分解グラファイト(HOPG;Highly oriented pyrolytic graphite)の場合は0.07mmol/gであり、GMSはHOPGと同程度のエッジサイト量である。以上のことから、GMSは官能基量が非常に少ない炭素材料であると考えられる。
また、GMSに関してグラフェンの層数を以下の方法で算出した。7nmのアルミナ粒子の上に炭素層を積層した後、熱重量分析(TG;Thermogravimetric analysis)法を用いて炭素の重量を算出し、7nmのアルミナ粒子の表面積より面積当たりの炭素層の重量を算出した。その結果、8.60×10−4g/mであった。なお、単層のグラフェンの場合は7.61×10−4g/mであることがわかっている。(GMSの面積当たりの炭素層の重量)÷(単層のグラフェンの面積当たりの炭素層の重量))=1.1であり、本実施形態のGMSはほぼ単層のグラフェンから構成されることがわかった。
以上の事から、GMSは細孔壁が単層のグラフェンからなる多孔質炭層材料(グラフェン多孔質炭素材料)であると定義する。
通常、水素加熱処理等で活性炭のエッジサイトに存在する官能基を除去すると、バインダー溶液、特に水溶性バインダー溶液(水溶媒)と活性炭との濡れ性が低下し、電極を作製することができないという課題があった。しかし、GMSは水溶媒との親和性が良いため、容易に電極を作製できるという点も特徴の一つである。さらにGMSは内部に細孔を有しているため、電解液を内包し易く、電解液の保持性も高いため、高温耐久性試験や長期サイクル寿命試験で電解液の枯渇による劣化を抑制でき、耐久性や寿命特性を高くできる。また電解液が潤沢にあるため、充放電での電解質イオンの移動が速くなり、入出力特性を高くできる点も特徴である。
また、GMSをキャパシタの負極活物質や正極活物質に用いた場合、活物質自身の耐電圧は高いが、従来EDLCなどで用いられているプレーンアルミニウムやエッチドアルミニウムを集電体に用いると、集電体が腐食してしまうという課題があり、実用セルとしては高電圧化が難しかった。本発明では、詳細を後述する非晶質炭素被膜が被覆されているアルミニウム材、または、非晶質炭素被膜が被覆され、かつ、非晶質炭素被膜と負極活物質もしくは正極活物質との間に導電性炭素層が形成されているアルミニウム材を集電体に用いることで、高温下での高電圧充電時における集電体の腐食抑制を実現した。より具体的には、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コートアルミニウム箔上に導電性炭素層を被覆したもの、あるいはDLCコートアルミニウム箔である。なお、DLCコートアルミニウム箔とは、DLCコーティングしたアルミニウム箔のことである。これにより、高容量を維持したまま、高電圧でも耐久性が高いキャパシタを実現することができた。また、集電体にプレーンアルミニウムやエッチドアルミニウムを用いた場合、それらの表面には自然酸化膜である不動態膜、すなわち酸化アルミニウムが存在する。GMSはエッジサイトに官能基が非常に少なく、単層グラフェンからなるので活性炭等の他の炭素材料に比べて導電性が非常に高い。しかし、プレーンアルミニウムやエッチドアルミニウムを用いた場合、それら表面に存在する酸化アルミニウムによってGMSとの界面抵抗が高くなる課題があり、GMSの特徴である高導電性を活かすことができない。これに対して本発明の一実施例のDLCコートアルミニウム箔はDLCをコーティングする前にアルミニウム表面の酸化アルミニウムをアルゴンスパッタ等で除去した後、DLCをコーティングしてあり、DLC自身は導電性があるのでGMSとの界面(接触)抵抗を下げることができる。さらに、DLCコートアルミニウム箔上に導電性炭素層を被覆したものは、導電性炭素層はさらに導電性が高くなるのでGMSの界面(接触)抵抗をより低くすることができる。これらの集電体を用いることで、高温時の耐食性向上に加えて抵抗低減の効果もあり、高速充放電特性、言い換えると高入出力特性を向上できる効果がある。よって、これらの観点では、非晶質炭素被膜を被覆する際、アルミニウム表面の自然酸化膜はない方が好ましい。
(グラフェン多孔質炭素材料の合成方法)
本発明の一実施形態のグラフェン多孔質炭素材料を合成する方法は、金属酸化物からなるナノ粒子の表面にグラフェン層を形成する工程と、金属酸化物からなるナノ粒子を除去する工程と、細孔を覆うグラフェン層を加熱する工程とを有する。例えば、平均粒径2〜20nm、好ましくは3〜10nmのアルミナ粒子を覆うように、単層〜3層グラフェン、好ましくは単層〜2層グラフェン、さらに好ましくは単層グラフェンを形成する。
具体的には、例えば、(1)メタンガスを流しながら700〜1200℃で1〜5時間、好ましくは800〜1000℃で1〜3時間保持した後、室温まで冷却する。(2)次に、グラフェンで覆うアルミナ粒子をフッ酸中に浸漬することでアルミナを除去する。(3)その後、1800℃まで昇温した後、2時間保持し、室温まで冷却した後に取り出すことで、本発明の一実施形態のグラフェン多孔質炭素材料であるグラフェンメソスポンジ(GMS)が得られる。
(正極)
本発明の一実施形態のキャパシタで用いる正極は、集電体(正極側の集電体)とその上に形成されている正極活物質層を含む。正極活物質層は、正極活物質とバインダーと導電材とを含む。
正極活物質層は主に、正極活物質、バインダー、および、必要に応じた量の導電材を含むペースト状の正極材料を、正極側の集電体上に塗布し、乾燥して、形成することができる。
(正極活物質)
本発明の一実施形態のキャパシタで用いる正極活物質は、耐電圧が高いキャパシタを得るため、電解質イオンであるアニオンを吸脱着できる炭素質材料である、本発明に係るグラフェン多孔質炭素材料を含むものである。
また、本発明の他の実施形態のキャパシタで用いる正極活物質は黒鉛を含むものである。黒鉛としては、人造黒鉛、天然黒鉛のいずれも用いることができる。また、天然黒鉛としては鱗片状のものと土状のものが知られている。天然黒鉛は、採掘した原鉱石を粉砕し、浮遊選鉱と呼ばれる選鉱を繰り返すことによって得られる。また、人造黒鉛は例えば、高温度によって炭素材料を焼成する黒鉛化工程を経て製造されるものである。より具体的には例えば、原料のコークスにピッチなどの結合剤を加えて成形し、1300℃付近まで加熱することで一次焼成し、次に一次焼成品をピッチ樹脂に含浸させ、さらに3000℃に近い高温で二次焼成することで得られる。また、黒鉛粒子表面を炭素でコーティングしているものも用いることができる。
黒鉛の結晶構造は大きく分けて、ABABからなる層構造の六方晶と、ABCABCからなる層構造の菱面体晶がある。これらは条件によってそれらの構造単独、あるいは混合状態になるが、いずれの結晶構造のものも混合状態のものも用いることができる。例えば、後述する実施例で用いたイメリス・ジーシー・ジャパン株式会社製KS−6(商品名)の黒鉛は菱面体晶の比率が26%であり、大阪ガスケミカル株式会社製の人造黒鉛であるメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)は菱面体晶の比率0%である。
本発明の他の実施形態で用いている黒鉛は、従来のEDLCで用いられている活性炭とは静電容量の発現メカニズムが異なる。活性炭の場合には、比表面積が大きいことを活かし、その表面に電解質イオンが吸脱着することにより、静電容量を発現するものである。これに対して黒鉛の場合は、その層間において、電解質イオンであるアニオンが挿入脱離(インターカーレーション−ディインターカーレーション)することにより、静電容量を発現するものである。このような違いから、本実施形態に係る黒鉛を用いるキャパシタは、特許文献3においては広義の意味で電気二重層キャパシタと呼んでいたが、ハイブリッドキャパシタと呼ぶことができ、電気二重層を有する活性炭を用いるEDLCと区別されるものである。
正極活物質は、黒鉛もしくは本発明に係るグラフェン多孔質炭素材料を用いることが好ましい。
(集電体)
本発明の一実施形態のキャパシタで用いる正極側又は負極側の集電体は、耐食性を向上させたアルミニウム材、例えば非晶質炭素被膜で被覆されたアルミニウム材を用いることができる。耐食性を向上させたアルミニウム材であれば、非晶質炭素被膜で被覆されたアルミニウム材に限らない。例えば非晶質炭素被膜と正極活物質との間、もしくは非晶質炭素被膜と負極活物質との間に導電性炭素層が形成されていてもよい。
基材であるアルミニウム材としては、一般的に集電体用途で使用されるアルミニウム材を用いることができる。
アルミニウム材の形状としては、箔、シート、フィルム、メッシュなどの形態をとることができる。集電体としては、アルミニウム箔を好適に用いることができる。
また、アルミニウム材としてプレーンなものの他、後述するエッチドアルミニウムを用いてもよい。
アルミニウム材が箔、シートまたはフィルムである場合の厚みについては、特に限定されないが、セル自体のサイズが同じ場合、薄いほどセルケースに入れる活物質を多く封入できるというメリットはあるが、強度が低下するため、適正な厚みを選択する。実際の厚みとしては、10μm〜40μmが好ましく、15μm〜30μmがより好ましい。厚みが10μm未満の場合、アルミニウム材の表面を粗面化する工程、または、他の製造工程中において、アルミニウム材の破断または亀裂を生じるおそれがある。
非晶質炭素被膜で被覆されたアルミニウム材として、エッチドアルミニウムを用いてもよい。
エッチドアルミニウムは、エッチングによって粗面化処理されたものである。エッチングは一般的に塩酸等の酸溶液に浸漬(化学エッチング)したり、塩酸等の酸溶液中でアルミニウムを陽極として電解(電気化学エッチング)する方法等が用いられる。電気化学エッチングでは、電解の際の電流波形、溶液の組成、温度等によりエッチング形状が異なるので、キャパシタ性能の観点で選択できる。
アルミニウム材は、表面に不動態層を備えているもの、備えていないもののいずれも用いることができる。アルミニウム材は、その表面に自然酸化膜である不動態膜が形成されている場合、非晶質炭素被膜層をこの自然酸化膜の上に設けてもよいし、自然酸化膜を例えば、アルゴンスパッタリングにより除去した後に設けてもよい。
アルミニウム材上の自然酸化膜は不動態膜であり、それ自体、電解液に浸食されにくいという利点がある一方、集電体の抵抗の増大につながるため、集電体の抵抗の低減の観点では、自然酸化膜がない方がよい。
本明細書において、非晶質炭素被膜とは、非晶質の炭素膜または水素化炭素膜であり、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜、カーボン硬質膜、アモルファスカーボン(a−C)膜、水素化アモルファスカーボン(a−C:H)膜等を含む。非晶質炭素被膜の成膜方法としては、炭化水素系ガスを用いたプラズマCVD法、スパッタ蒸着法、イオンプレーティング法、真空アーク蒸着法等の公知の方法を用いることができる。なお、非晶質炭素被膜は、集電体として機能する程度の導電性を有することが好ましい。
例示した非晶質炭素被膜の材料のうち、ダイヤモンドライクカーボンは、ダイヤモンド結合(sp)とグラファイト結合(sp)の両方が混在したアモルファス構造を有する材料であり、高い耐薬品性を有する。ただし、集電体の被膜に用いるには導電性が低いため、導電性を高めるためにホウ素や窒素をドーピングするのが好ましい。
非晶質炭素被膜の厚みは60nm以上、300nm以下であることが好ましい。非晶質炭素被膜の膜厚は、60nm未満であると薄すぎて非晶質炭素被膜の被覆効果が小さくなり、定電流定電圧連続充電試験での集電体の腐食を十分抑制できず、300nmを超えて厚すぎると非晶質炭素被膜が抵抗体になって活物質層との間の抵抗が高くなるので、適正な厚みを適宜選択する。非晶質炭素被膜の厚みは80nm以上、300nm以下であればより好ましく、120nm以上、300nm以下であればさらに好ましい。炭化水素系ガスを用いたプラズマCVD法によって非晶質炭素被膜を成膜した場合、非晶質炭素被膜の厚みはアルミニウム材へ注入するエネルギー、具体的には印加電圧、印加時間、温度で制御することができる。
本発明の一実施形態のキャパシタの集電体はアルミニウム材の表面に非晶質炭素被膜を有するので、アルミニウム材が電解液に接することを阻止して、電解液による集電体の腐食を防止することができる。
非晶質炭素被膜と正極活物質との間、もしくは非晶質炭素被膜と負極活物質との間に導電性炭素層が形成されている集電体においては、非晶質炭素被膜層の上に、さらに導電性炭素層が形成されている。導電性炭素層の厚みは5000nm以下であれば好ましく、3000nm以下であればより好ましい。厚みが5000nmを超えると、セルや電極になったとき、エネルギー密度が小さくなるからである。導電性炭素層の材料としては、導電性が高い炭素ならば種類を問わないが、導電性が高い炭素として黒鉛が含まれていることが好ましく、黒鉛のみであればより好ましい。
導電性炭素層の材料の粒径は、活物質である黒鉛やグラフェン多孔質炭素材料の大きさに比べて1/10以下であることが好ましい。これは、粒径がこの範囲にあれば、導電性炭素層と活物質層が接する界面での接触性が高くなり、界面(接触)抵抗を低減できるからである。具体的には導電性炭素層の炭素材料の粒径が、1μm以下であれば好ましく、0.5μm以下であればより好ましい。
また、導電性炭素層を形成する際、溶媒と共にバインダーを加えて塗料化し、DLCコーティングしたアルミニウム箔上に塗布する。塗布方法としては、スクリーン印刷、グラビア印刷、コンマコーター(登録商標)、スピンコーター等を用いることができる。バインダーとしては、セルロース、アクリル、ポリビニルアルコール、熱可塑性樹脂、ゴム、有機樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としてはポリエチレンやポリプロピレン、ゴムとしてはSBR(スチレンーブタジエンラバー)やEPDM、有機樹脂としてはフェノール樹脂やポリイミド樹脂等を用いることができる。
導電性炭素層は、粒子間の隙間が少なく、接触抵抗が低い方が好ましい。また、上記の導電性炭素層を形成するためのバインダーを溶かすための溶剤としては、水溶液と有機溶剤の2種類がある。電極活物質層を形成するためのバインダーが有機溶剤に溶解するものであれば、導電性炭素層には水溶液に溶解するバインダーを用い、逆に電極活物質層を形成するためのバインダーが水溶液の場合は導電性炭素層には有機溶剤に溶解するバインダーを用いるのが好ましい。これは同種の溶剤を電極活物質層と導電性炭素層に用いると、電極活物質層を塗布する際に導電性炭素層のバインダーが溶けやすく、不均一になりやすいからである。
(バインダー)
本発明の一実施形態のキャパシタで用いる電極は、さらにバインダーを含むことが好ましい。
バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエン、アクリル系、オレフィン系、カルボキシメチルセルロース(CMC)系、ゼラチンやキトサン、アルギン酸等の天然高分子の単独、もしくは2種類以上の混合系を用いることができる。
(導電材)
本発明の一実施形態のキャパシタで用いる導電材も、負極活物質層又は正極活物質層の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電材を用いることができる。例えば、カーボンブラック、炭素繊維(カーボンナノチューブ(CNT)、VGCF(登録商標)等を含み、カーボンナノチューブに限らない)等を用いることができる。
(電解質)
本発明の一実施形態のキャパシタで用いる電解質としては、例えば有機溶媒を用いた有機電解液を用いることができる。電解質イオンを含んで入れば、有機電解液に限らない。また、例えばゲルでもよい。電解液は、電極に吸脱着可能な電解質イオンを含む。電解質イオンは、そのイオン径ができるだけ小さいものの方が好ましい。具体的には、アンモニウム塩やホスホニウム塩、あるいはイオン液体、リチウム塩等を用いることができる。
アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウム(TEA)塩、トリエチルアンモニウム(TEMA)塩等を用いることができる。また、ホスホニウム塩としては、二つの五員環を持つスピロ化合物等を用いることができる。
イオン液体としては、その種類は特に問わないが、電解質イオンを移動し易くする観点から、粘度ができる限り低く、また、導電性(導電率)が高い材料が好ましい。イオン液体を構成するカチオンとしては、例えばイミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン等が挙げられる。イミダゾリウムイオンとしては、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(1−ethyl−3−methylimidazolium)(EMIm)イオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム(1−methyl−1−propylpyrrolidinium)(MPPy)イオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウム(1−methyl−1−propylpiperidinium)(MPPi)イオン等が挙げられる。また、リチウム塩としては四フッ化ホウ酸リチウムLiBF、六フッ化リン酸リチウムLiPF等を用いることができる。
ピリジニウムイオンとしては、例えば、1−エチルピリジニウム(1−ethylpyridinium)イオン、1−ブチルピリジニウム(1−buthylpyridinium)イオン、1−ブチルピリジニウム(1−buthylpyridinium)イオン等が挙げられる。
イオン液体を構成するアニオンとしては、BFイオン、PFイオン、[(CFSON]イオン、FSI(ビス(フルオロスルホニル)イミド、bis(fluorosulfonyl)imide)イオン、TFSI(ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、bis(trifluoromethylsulfonyl)imide)イオン等が挙げられる。
溶媒としてはアセトニトリルやプロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、エチルカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、γブチロラクトン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の単独もしくは混合溶媒を用いることができる。
(セパレータ)
本発明の一実施形態のキャパシタで用いるセパレータとしては、正極と負極の短絡防止や電解液保液性の確保等の理由から、セルロース系の紙状セパレータや、ガラス繊維セパレータ、ポリエチレンやポリプロピレンの微多孔膜等が好適である。
以上のように、本発明の一実施形態のキャパシタは、グラフェンからなる多孔質炭素材料(グラフェン多孔質炭素材料)を負極活物質に用い、非晶質炭素被膜で被覆されたアルミニウム材を負極側の集電体として用いることにより、高容量化および高電圧化を図り、以って高エネルギー密度化され、かつ耐電圧性および高温耐久性の向上を図るものである。
また、本発明の一実施形態に係るキャパシタは、グラフェンからなる多孔質炭素材料(グラフェン多孔質炭素材料)を負極活物質に用い、さらに非晶質炭素被膜で被覆され、かつ、非晶質炭素被膜と負極活物質との間に導電性炭素層が形成されているアルミニウム材負極側の集電体として用いることにより、高容量化および高電圧化を図り、以って高エネルギー密度化され、かつ耐電圧性および高温耐久性の向上を図るものである。
また、本発明の他の実施形態に係るキャパシタ(ハイブリッドキャパシタ)は、グラフェンからなる多孔質炭素材料(グラフェン多孔質炭素材料)を負極活物質に用いることにより、黒鉛を正極活物質に用いた(ハイブリッド)キャパシタの高容量化および高電圧化を図り、以って高エネルギー密度化され、かつ耐電圧性および高温耐久性の向上を図るものである。
本発明の実施形態において、グラフェン多孔質炭素材料を用いた電極は、EDLCの電極としても、ハイブリッドキャパシタの電極としても使用可能である。
(実施例1)
(グラフェン多孔質炭素材料の合成)
平均粒径7nmの大明化学工業株式会社製アルミナ粒子(商品名:TM300)を石英製のレトルト(高圧釜)に入れた後、ロータリーキルン装置にセットした。
(1)アルゴンガスを500ml/分の流速で流しながら10℃/分の昇温スピードで900℃まで加熱した。
(2)その後、メタンガスを500ml/分の流速で流しながら900℃で2時間保持した。
(3)その後、アルゴンガスを500ml/分の流速で流しながら、室温まで冷却した。
(4)セットしていたアルミナ粒子を取り出し、フッ酸中に浸漬することでアルミナを除去した。
(5)その後、アルゴンガスを500ml/分の流速で流しながら10℃/分の昇温スピードで1800℃まで加熱した後、2時間保持し、室温まで冷却した後、取り出し、本実施例のグラフェン多孔質炭素材料を得た。
得られたグラフェン多孔質炭素材料をグラフェンメソスポンジ(GMS)とも呼ぶ。
(グラフェン多孔質炭素材料からなる正極及び負極の作製)
(1) DLCコーティングしたアルミニウム箔からなる集電体の作製
DLCコーティングしたアルミニウム箔(「DLCコートアルミニウム箔」ということがある)は正極側の集電体および負極側の集電体であり、非晶質炭素被膜で被覆されたアルミニウム材に相当する。DLCコートアルミニウム箔の製造法としては、純度99.99%のアルミニウム箔(厚さ20μm)に対して、アルゴンスパッタリングでアルミニウム箔表面の自然酸化膜を除去した後、そのアルミニウム表面近傍にメタン、アセチレンおよび窒素の混合ガス中で放電プラズマを発生させ、アルミニウム材に負のバイアス電圧を印加することによりDLC膜を生成させた。ここで、DLCをコーティング(被覆)したアルミニウム箔上のDLC膜の厚みを、ブルカー(BRUKER)社製触針式表面形状測定器DektakXTを用いて計測したところ、150nmであった。
(2)キャパシタ電極用ペーストの調製
正極活物質および負極活物質として本実施例のグラフェン多孔質炭素材料と、アセチレンブラック(導電材)と、カルボキシメチルセルロース(水溶液系バインダー1)と、ポリアクリル酸(水溶液系バインダー2)と、が85wt%:5wt%:5wt%:5wt%の比率になるように秤量した後、純水で溶解混合し、本実施例のキャパシタ電極用ペーストを調整した。
(3)キャパシタ電極の作製
調製したキャパシタ電極用ペーストを、上記(1)で作製したDLCコーティングしたアルミニウム箔(厚さ20μm)上に卓上コーターを用いて塗布した後、100℃で1時間乾燥し、本実施例の正極と負極を作製した。
<コインセル型キャパシタの作製>
次に、上記正極と負極をそれぞれ直径16mm、直径14mmの円板状に打ち抜いたものを150℃で24時間真空乾燥した後、アルゴングローブボックスへ移動した。これらを、ニッポン高度紙工業株式会社製紙セパレータ(商品名:TF40−30)を介して積層し、電解質に1MのTEA−BF(四フッ化ホウ酸テトラエチルアンモニウム)、溶媒にSL+DMS(スルホラン(Sulfolane)+硫化ジメチル)を用いた電解液0.1mLを加えて、アルゴングローブボックス中で本実施例のキャパシタである2032型コインセルを作製した。
(グラフェン多孔質炭素材料の評価)
<グラフェン層数の評価>
得られたグラフェン多孔質炭素材料について、以下の方法を用いてグラフェンの層数を算出した。
熱重量分析(TG;Thermogravimetric analysis)法を用いて炭素の重量を算出し、次に、アルミナ粒子の表面積を算出し、これらを用いて面積当たりの炭素層の重量を算出した。その結果、8.60×10−4g/mであった。なお、単層のグラフェンの場合は7.61×10−4g/mであることがわかっている。
これらの結果を用いて、以下の計算式でグラフェンの層数を算出した。
(グラフェン多孔質炭素材料の面積当たりの炭素層の重量)÷(単層のグラフェンの面積当たりの炭素層の重量)
その結果1.1となり、得られたグラフェン多孔質炭素材料は、ほぼ単層のグラフェンから構成されることがわかった。
(実施例3)
正極側の集電体および負極側の集電体として、実施例1の正極側の集電体および負極側の集電体であるDLCコートアルミニウム箔上に導電性炭素層を形成した、すなわち導電性炭素層を被覆したDLCコートアルミニウム箔を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で2032型コインセルを作製した。具体的には、実施例1と同様の方法で作製したDLCコートアルミニウム箔上に、スクリーン印刷機を用いて、日本黒鉛工業株式会社製の黒鉛製導電性ペースト(商品名:バニーハイトT−602U、セルロース系樹脂バインダー、水溶液)を塗布することで導電性炭素層を形成した後、100℃で20分間熱風乾燥機中で乾燥させたものを集電体とした。導電性炭素層を被覆したDLCコートアルミニウム箔は、非晶質炭素被膜で被覆され、かつ、非晶質炭素被膜と負極活物質もしくは正極活物質との間に導電性炭素層が形成されているアルミニウム材に相当する。
(比較例1)
正極側の集電体および負極側の集電体として日本蓄電器工業株式会社製エッチドアルミ箔(厚さ20μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で2032型コインセルを作製した。
(比較例2)
正極活物質および負極活物質として株式会社クラレ製活性炭YP−50Fを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で2032型コインセルを作製した。
(比較例4)
正極活物質および負極活物質としてメソポーラスカーボンを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で2032型コインセルを作製した。
メソポーラスカーボンは下記の方法で作製した。細孔径が4nmのメソポーラスシリカにフルフリルアルコールを含浸した後、500ml/分の流速で窒素を流しながら900℃で2時間処理することで、メソポーラスシリカと炭素の複合体を作製した。これを室温の和光純薬工業株式会社製フッ化水素酸(46〜48%)中に入れ、5時間攪拌してシリカを除去した。これを水洗した後、100℃の真空乾燥機中で24時間処理することで水分を除去し、メソポーラスカーボンを得た。
(試験1)グラフェン多孔質炭素材料、活性炭およびメソポーラスカーボンの評価
<エッジサイト量の測定方法>
得られた実施例1のグラフェン多孔質炭素材料、比較例2で用いた活性炭、および比較例4で用いたメソポーラスカーボンについて、昇温脱離法(TPD;Temperature−Programmed Desorption)(1800℃)を用いてエッジサイト量を測定した。その結果を表1に示す。
<比表面積の評価>
得られた実施例1のグラフェン多孔質炭素材料、比較例2で用いた活性炭、および比較例4で用いたメソポーラスカーボンについて、マイクロトラック・ベル株式会社製ガス吸着量測定装置BELSORP−maxを用いて、77K(−196℃)における窒素吸脱着測定を行った。得られた窒素吸着量からBET(Brunauer−Emmett−Teller)法を用いて比表面積を算出した。その結果を表1に示す。
<平均細孔径の評価>
得られた実施例1のグラフェン多孔質炭素材料、比較例2で用いた活性炭、および比較例4で用いたメソポーラスカーボンについて、マイクロトラック・ベル株式会社製ガス吸着量測定装置BELSORP−maxを用いて、77K(−196℃)における窒素吸脱着測定を行った。得られた窒素吸着等温線からBJH(Barrett−Joyner−Halenda)法を用いて平均細孔径を算出した。その結果を表1に示す。
(試験2)キャパシタの評価<放電容量および放電率>
得られたセルについて、株式会社ナガノ製充放電試験装置BTS2004を用いて、25℃の恒温槽中で、0.4mA/cmあるいは50mA/cmの電流密度、3.5Vの電圧で定電流定電圧充電を行ない、その後、電流密度0.4mA/cmの放電電流値で0Vまで放電を行なう充放電試験を行なった。その結果として得られた0.4mA/cmの電流密度で充放電試験を行なった場合の放電容量を表2に示す。また、0.4mA/cmでの放電容量に対する50mA/cmでの放電容量の比率を算出し、放電率を得た。その結果を表2に示す。表2においては、実施例1および実施例3の放電容量および放電率を適宜比較例1、比較例2、および比較例4で規格化した値を示した。この際、比較例1、比較例2、および比較例4の結果を100として規格化した。
(試験3)キャパシタの評価<放電容量維持率>
得られたセルについて、株式会社ナガノ製充放電試験装置BTS2004を用いて、25℃の恒温槽中で、0.4mA/cmの電流密度、3.5Vの電圧で定電流定電圧充電を行ない、その後、電流密度0.4mA/cmの放電電流値で0Vまで放電を行なう充放電試験を行い、定電流定電圧連続充電試験前の放電容量を計測した。
次に充放電試験装置BTS2004を用いて、60℃の恒温槽中で、電流密度0.4mA/cm、電圧3.5Vで連続充電試験(定電流定電圧連続充電試験)を行った。具体的には、充電の途中、所定の時間で充電を止め、セルを25℃の恒温槽に移した後、上記と同様に0.4mA/cmの電流密度、3.5Vの電圧で定電流定電圧充電を行ない、その後、電流密度0.4mA/cmの放電電流値で0Vまで放電を行なう充放電試験を5回行うことで放電容量を得た。その後、60℃の恒温槽に戻して連続充電試験を再開し、連続充電試験時間の総計が2000時間になるまで試験を実施した。
その結果として得られた実施例1、比較例1、および比較例2の放電容量維持率を図2および図3のグラフに示す。グラフは、試験開始前の放電容量を100とし、試験開始後、各充電時間経過後の放電容量を、その100の放電容量に対する割合で示したものであり、グラフの横軸は60℃定電流定電圧連続充電時間(h)を示し、グラフの縦軸は放電容量維持率(%)を示している。
表2に示した通り、集電体の違いを比較した実施例1/比較例1では、放電容量に変化はなかったが、放電率は24%向上した。これは比較例1の正極側の集電体および負極側の集電体であるエッチドアルミニウムの表面は不動態膜である自然酸化膜(酸化アルミニウム)で覆われているが、実施例1の正極側の集電体および負極側の集電体であるDLCコートアルミニウム箔は自然酸化膜を除去した後、DLC膜を成膜しているため、本実施例の正極および負極のグラフェンメソスポンジ活物質層との界面(接触)抵抗が低くなったことによる効果と考えられる。
また、活物質の違いを比較した実施例1/比較例2では、放電容量が40%増加し、放電率も55%向上できた。
実施例1の正極活物質および負極活物質であるグラフェンメソスポンジは、平均細孔径が5nmであり、電解質イオン径(1.6nm〜2.0nm)以上の、メソ孔主体の細孔を有している。一方、比較例2の正極活物質および負極活物質である活性炭YP−50Fの細孔は、電解質イオン径より小さいミクロ孔が88%を占めており、多くの細孔に電解質イオンが入らない。
これらのことから、実施例1のグラフェンメソスポンジの電解質イオンの吸着効率が比較例2の活性炭YP−50Fに比べて高いことにより、放電容量が増加したと考えられる。また放電率の向上に関しては、実施例1のグラフェンメソスポンジの細孔径が大きいため、電解質イオンの移動が速くなったことによる効果と考えられる。
図2に集電体による違いを比較するため、実施例1および比較例1の定電流定電圧連続充電試験の結果を示した。正極側の集電体および負極側の集電体にエッチドアルミ箔を用いた比較例1では、300時間で10%以下の放電容量維持率であったのに対して、DLCコートアルミニウム箔を用いた実施例1では、700時間で60%以上の放電容量維持率を示し、大幅な改善を達成できた。エッチドアルミ箔は早い段階で腐食が発生したことが要因と考えられる。
これらのことから、高温(60℃)高電圧(3.5V)での連続充電試験(定電流定電圧連続充電試験)では、耐食性の高い集電体との組み合わせが重要であることがわかった。
さらに、耐食性の高い集電体を用いた場合の活物質による違いを比較するため、図3に実施例1および比較例2の定電流定電圧連続充電試験の結果を示した。
実施例1および比較例2の正極側の集電体および負極側の集電体には、いずれも耐食性の高いDLCコートアルミニウム箔を用いた。
一般に、活性炭を正極及び負極に用いた電気二重層キャパシタ(EDLC)において、3.0V以上の電圧では、高温下で定電流定電圧連続充電試験を行った場合、劣化が大きく、3.0V以上で作動できるEDLCは実用化されていない。図3では、EDLCとしては実用化電圧よりも高い3.5Vという高電圧で試験を行った結果を示した。その結果、活性炭YP−50Fを正極活物質および負極活物質に用いた比較例2では200時間で放電容量維持率は10%以下になり、DLCコートアルミニウム箔を用いて耐食性を高めただけでは、定電流定電圧連続充電試験に対して耐久性を高めることができないことがわかった。
また、表1に示した通り、正極側の集電体および負極側の集電体に導電性炭素層を被覆したDLCコートアルミニウム箔を用いた実施例3は、エッチドアルミニウム箔を用いた比較例1に比べて放電率を37%向上することができた。また、導電性炭素層を被覆していないDLCコートアルミニウム箔を用いた実施例1よりも、さらに向上することができた。これは不動態膜である自然酸化膜(酸化アルミニウム)を除去し、DLCコーティングしたアルミニウム箔上に、さらにその材料の粒径が活物質に比べて小さい導電性炭素層を形成したことで、活物質層との界面(接触)抵抗をさらに低減できたことによる効果と考えられる。
メソポーラスカーボンを正極活物質および負極活物質に用いた比較例4と実施例1とを比較した結果を表1に示した。メソポーラスカーボンを用いた場合に比べて、実施例1のグラフェンメソスポンジを用いた場合、放電容量は22%向上した。これは比較例4のメソポーラスカーボンに比べて、実施例1のグラフェンメソスポンジの電解質イオンの吸着効率が高く、かつ比表面積が高いことによる効果と考えられる。また、放電率に関しても37%向上した。これは比較例4のメソポーラスカーボンに比べて、実施例1のグラフェンメソスポンジの比表面積が高いため実効電流密度が低くなったことによる効果と、平均細孔径が大きいため電解質イオンの移動が速くなったことによる効果と考えられる。
(実施例2)サイクル寿命試験
実施例1のセルについて、株式会社ナガノ製充放電試験装置BTS2004を用いて、25℃の恒温槽中で、0.4mA/cmの電流密度で定電流定電圧充電を行なった。その際、定電圧の電圧設定値をそれぞれ3.5V〜4.0Vに変更した条件で定電流定電圧充電を行なった。定電流定電圧充電後、0.4mA/cmの電流密度の放電電流値で、0Vの電圧まで放電を行ない、初回放電容量を計測した。その後、同じ条件で充放電を繰り返し、初回放電容量に対し、放電容量が80%未満まで低下した時点での充放電回数を寿命回数とした。
(比較例3)
比較例2のセルを用いたこと以外は、実施例2と同様のサイクル寿命試験を行った。
実施例2および比較例3のサイクル寿命試験の結果として得られた寿命回数を表3に示す。表3においては、実施例2の寿命回数を比較例3で規格化した値を示した。この際、比較例3の結果を100として規格化した。
充電電圧を高くした場合のサイクル寿命特性の活物質による違いを比較した実施例2/比較例3では、それぞれ、寿命回数が31〜22倍となり、高いサイクル寿命特性を示した。実施例2の正極活物質および負極活物質にグラフェン多孔質炭素材料を用い、かつ、正極側の集電体および負極側の集電体にDLCコートアルミニウム箔を用いたことで、高電圧充電の場合でもサイクル寿命特性を大幅に向上できたことがわかった。これは、エッジサイト量が少ない、すなわち官能基が少ないグラフェン多孔質炭素材料を用いたことで、電解液の分解反応を抑制でき、かつ、DLCコートアルミニウム箔を用いたことで、高電圧充電時の集電体の溶解を抑制できたことで、サイクル寿命特性を向上できたと考えられる。
(実施例4)
正極活物質としてイメリス・ジーシー・ジャパン株式会社製黒鉛KS−6を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で2032型コインセルを作製し、評価した。
(比較例5)負極活物質として比較例2で用いた株式会社クラレ製活性炭YP−50Fを用いたこと以外は、実施例4と同様の方法で2032型コインセルを作製し、評価した。
実施例4および比較例5の評価の結果として得られた放電容量および放電率を表3に示す。表3においては、実施例4の放電容量と放電率を各々比較例5で規格化した値を示した。この際、比較例5の結果を100として規格化した。
表4に示した通り、正極活物質として黒鉛を用いた場合の負極活物質の違いを比較した実施例4/比較例5では、放電容量が2.4倍になり、放電率も19%向上させることができた。これは、比較例5の活性炭負極を用いた場合に比べて、実施例4のグラフェンメソスポンジ負極を用いた場合の方が黒鉛正極の活物質利用率を高めることができた結果、セルの放電容量を大幅に増加することができたと考えられる。また、放電率の向上に関しては、実施例4のグラフェンメソスポンジの細孔径が大きいため、電解質イオンの移動が速くなったことによる効果と考えられる。

Claims (5)

  1. 少なくとも正極、負極、及び電解質から構成されるキャパシタであって、
    前記正極は正極活物質を含み、かつ、前記負極は負極活物質を含み、
    前記負極活物質は、グラフェンからなる多孔質炭素材料(以下、グラフェン多孔質炭素材料という)を含み、
    負極側の集電体はアルミニウム材であり、
    前記アルミニウム材は非晶質炭素被膜で被覆され、
    前記非晶質炭素被膜の厚みが60nm以上、300nm以下である、
    ことを特徴とするキャパシタ。
  2. 前記グラフェン多孔質炭素材料の細孔は、メソ孔である請求項1に記載のキャパシタ。
  3. 前記グラフェン多孔質炭素材料のエッジサイト量が昇温脱離法による分析で0.1mmol/g以下である
    請求項1又は2のいずれか1項に記載のキャパシタ。
  4. 前記負極側の集電体は、前記非晶質炭素被膜と前記負極活物質との間に導電性炭素層が形成されている
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のキャパシタ。
  5. 前記正極活物質は、黒鉛、あるいは前記グラフェン多孔質炭素材料を含み、
    正極側の集電体は、アルミニウム材に非晶質炭素被膜が被覆されている、または、アルミニウム材に非晶質炭素被膜が被覆され、かつ、非晶質炭素被膜と正極活物質との間に導電性炭素層が形成されている
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のキャパシタ。
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