JP6620331B2 - ハイブリッドキャパシタ - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッドキャパシタに関する。
本願は、2017年7月18日に、日本に出願された特願2017−139523号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、電気エネルギーを貯蔵する技術として、電気二重層キャパシタ(例えば、特許文献1参照)や二次電池が知られている。電気二重層キャパシタ(EDLC:Electric double layer capacitor)は、寿命、安全性、出力密度が二次電池よりも格段に優れている。しかしながら、電気二重層キャパシタは、二次電池に比べてエネルギー密度(体積エネルギー密度)が低いという課題がある。
ここで、電気二重層キャパシタに蓄積されるエネルギー(E)は、キャパシタの静電容量(C)と印加電圧(V)を用いてE=1/2×C×Vと表され、エネルギーは静電容量と印加電圧の二乗とに比例する。従って、電気二重層キャパシタのエネルギー密度を改善するために、電気二重層キャパシタの静電容量や印加電圧を向上する技術が提案されている。
電気二重層キャパシタの静電容量を向上する技術としては、電気二重層キャパシタの電極を構成する活性炭の比表面積を増大させる技術が知られている。現在、知られている活性炭は、比表面積が1000m/g〜2500m/gである。このような活性炭を電極に用いた電気二重層キャパシタでは、電解液として第四級アンモニウム塩を有機溶媒に溶解させた有機電解液や、硫酸等の水溶液電解液等が用いられている。
有機電解液は使用できる電圧範囲が広いため、印加電圧を高めることができ、エネルギー密度を向上することができる。
電気二重層キャパシタの原理を利用して印加電圧を向上させたキャパシタとして、リチウムイオンキャパシタが知られている。負極にリチウムイオンをインターカーレート、ディインターカーレートできる黒鉛あるいは炭素を用い、正極に電解質イオンを吸脱着できる電気二重層キャパシタの電極材と同等の活性炭を用いるものは、リチウムイオンキャパシタと呼ばれている。また、正極あるいは負極のいずれか一方に電気二重層キャパシタの電極材と同等の活性炭を用い、もう一方の電極にファラデー反応が起こる電極として、金属酸化物、導電性高分子を用いるものについては、ハイブリッドキャパシタと呼ばれている。リチウムイオンキャパシタは、電気二重層キャパシタを構成する電極のうち、負極がリチウムイオン二次電池の負極材料である黒鉛やハードカーボン等で構成され、その黒鉛やハードカーボン内にリチウムイオンが挿入された電極である。リチウムイオンキャパシタは、一般的な電気二重層キャパシタ、すなわち、両極が活性炭で構成されるものよりも印加電圧が大きくなるという特徴がある。
しかし、電極に黒鉛を用いた場合、電解液の溶媒として知られる、プロピレンカーボネートを用いることができないという課題がある。電極に黒鉛を用いた場合、プロピレンカーボネートが電気分解して、黒鉛の表面にプロピレンカーボネートの分解生成物が付着し、リチウムイオンの可逆性が低下するためである。プロピレンカーボネートは、低温でも動作可能な溶媒である。プロピレンカーボネートを電気二重層キャパシタに適用した場合、その電気二重層キャパシタは−40℃でも作動することができる。そこで、リチウムイオンキャパシタでは、プロピレンカーボネートが分解し難いハードカーボンが電極材料に用いられている。しかし、ハードカーボンは、黒鉛に比べて電極の体積当たりの容量が低く、電圧も黒鉛に比べて低くなる(貴な電位になる)。そのため、リチウムイオンキャパシタのエネルギー密度が低くなる等の課題がある。
低温特性を重視した場合、高容量の黒鉛を負極に使用するのが難しいリチウムイオンキャパシタの更なる高エネルギー密度化は難しい。さらに、リチウムイオンキャパシタでは、リチウムイオン二次電池の負極と同様に集電体に銅箔を用いているため、2V以下の過放電を行った場合に銅が溶出して短絡を起こす、あるいは充放電容量が低下する等の課題がある。したがって、リチウムイオンキャパシタは、0Vまで放電できる電気二重層キャパシタに比べると使用方法が限定されている等の課題がある。
新しい概念のキャパシタとして、活性炭の代わりに黒鉛を正極活物質に用いて黒鉛の層間に電解質イオンを挿入脱離する反応を利用したキャパシタが開発された(例えば、特許文献2参照)。特許文献2には、正極活物質に活性炭を用いる従来の電気二重層キャパシタでは正極に2.5Vを超える電圧を印加すると電界液の分解が生じてガスが発生するのに対して、正極活物質に黒鉛を用いる新しい概念のキャパシタでは3.5Vの充電電圧でも電界液の分解を招来せず、正極活物質に活性炭を用いる従来の電気二重層キャパシタよりも高い電圧で動作できることが記載されている。サイクル特性や低温特性、出力特性に関しても従来の電気二重層キャパシタと同等以上となる。黒鉛の比表面積は活性炭の比表面積の数百分の1であり、この電解液分解作用の違いはこの大きな比表面積の違いに起因する。
黒鉛を正極活物質に用いる新しい概念のキャパシタでは、耐久性が十分ではないため、実用化が阻まれていたが、非晶質炭素被膜で被覆されたアルミニウム材を集電体に用いる技術(特許文献3参照)により、高温耐久性能を実用化レベルまで改善できることが分かっている。なお、この新しい概念のキャパシタは、正極に黒鉛の層間に電解質イオンを挿入脱離する反応を用いたキャパシタであり、厳密には電気二重層キャパシタではないが、特許文献3では広義の意味で電気二重層キャパシタと呼んでいる。
ここで、耐久性の試験は通常、温度を高めて加速試験(高温耐久性試験、充放電サイクル試験)によって行う。その試験はJIS D 1401:2009に記載されている「耐久性(高温連続定格電圧印加)試験」に準じた方法で行うことができる。温度を室温から10℃上昇させると劣化速度が約2倍になると言われている。高温耐久性試験としては例えば、60℃の恒温槽で2000時間、所定の電圧(本発明では、3V以上)で保持(連続充電)し、その後室温に戻して充放電を行ない、そのときの放電容量を測定する試験がある。この高温耐久性試験後に、初期の放電容量に対して放電容量維持率が80%以上を満足することが望ましいと考えられる。
特許文献4では、活性炭に窒素をドーピングすることでEDLCの耐電圧を高められることが開示されている。また、非特許文献1では、排気ガス中のSO除去用の触媒として窒素がドーピングされた活性炭を用いることが開示されている。
特開2011−046584号公報 特開2010−040180号公報 国際公開第2017/216960 特開2013−026484号公報
Carbon 41 (2003) 1925−1932
黒鉛を正極活物質に用い、活性炭を負極活物質に用いたハイブリッドキャパシタは、さらなる高エネルギー密度化が求められている。その場合、負極活物質に用いている活性炭の容量が正極活物質に用いている黒鉛の容量よりも小さいために、負極容量がセルの充放電時の容量を支配している。負極容量を高めるためには、負極還元電位をより低くすることが有効であるが、還元電位を低くし過ぎると電解液の分解によってガスが発生したり、活性炭表面が電解液分解物で覆われることによる比表面積低下に伴って容量低下が生じたり、あるいは活性炭自身の分解による劣化が生じる等の課題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高容量化および高電圧化を図ることで、高エネルギー密度化され、かつ高温耐久性能に優れたハイブリッドキャパシタを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために検討を重ねた結果、黒鉛を正極活物質に用い、活性炭を負極活物質に用いたハイブリッドキャパシタにおいて、負極の活物質に、窒素をドーピングした活性炭を用いることによって、負極の還元電位を下げて負極の高容量化および高電圧化を図ることができ、これによってハイブリッドキャパシタのセル全体の高容量化および高電圧化を図り、セルの高エネルギー密度化および高温耐久性能の向上を図ることが可能となることを見出した。その際に、集電体として、EDLCで広く利用されているエッチドアルミニウムを用いると、ある負極還元電位以下ではエッチドアルミニウムが腐食することがあり、非晶質炭素被膜で被覆されたアルミニウム材を組み合わせて用いることが好ましいことも確認した。
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を提供する。
(1)本発明の一態様に係るハイブリッドキャパシタは、60℃、3.5Vの定電流定電圧連続充電試験において放電容量維持率が80%以上を維持できる時間が1000時間以上であるハイブリッドキャパシタであって、正極側および負極側の集電体はアルミニウム材であって、前記アルミニウム材は非晶質炭素被膜によって被覆され、前記非晶質炭素被膜の厚みが60nm以上、300nm以下であり、正極は正極活物質として黒鉛を含み、負極は負極活物質として活性炭を含み、前記活性炭は窒素を含むことを特徴とする。
(2)前記態様にかかるハイブリッドキャパシタにおいて、前記活性炭は、窒素ドーピング処理が施されていてもよい。
(3)前記態様にかかるハイブリッドキャパシタにおいて、前記活性炭は、炭素に対する窒素の比率が1.0at%以上、4.0at%以下であってもよい。
本発明によれば、高エネルギー密度化され、かつ高温耐久性能に優れたハイブリッドキャパシタを提供することができる。
実施例2で作製したハイブリッドキャパシタの放電特性(窒素ドーピング処理時間を変化させた場合の60℃での定電流定電圧連続充電試験を行った際の放電容量改善率)を示すグラフである。 実施例4で作製したハイブリッドキャパシタの放電特性(充電電圧を高電圧域で変化させた場合の60℃での定電流定電圧連続充電試験を行った際の放電容量改善率)を示すグラフである。
以下、本発明を適用した実施形態に係るハイブリッドキャパシタについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本発明の一実施形態に係るハイブリッドキャパシタは、60℃、3.5Vの定電流定電圧連続充電試験において、80%以上の放電容量維持率を1000時間以上維持できるハイブリッドキャパシタであって、正極、負極、電解液、セパレータを備える。正極側および負極側の集電体はアルミニウム材であり、アルミニウム材は非晶質炭素被膜によって被覆され、非晶質炭素被膜の厚みが60nm以上、300nm以下である。正極は正極活物質として黒鉛を含み、負極は負極活物質として活性炭が用いられ、活性炭は窒素ドーピング処理が施され、活性炭の表面の官能基は窒素と置換され、活性炭は窒素を含む。
正極は、集電体(正極側の集電体)上に正極活物質層が形成されてなる。
正極活物質層は、バインダーと、必要に応じた量の導電材とを含むペースト状の正極材料を、正極側の集電体上に塗布し、乾燥して、形成することができる。
バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエン、アクリル系、オレフィン系、カルボキシメチルセルロース(CMC)系の単独、もしくは2種類以上の混合系を用いることができる。
導電材も、正極活物質層の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電材を使用できる。例えば、カーボンブラック、炭素繊維(カーボンナノチューブ(CNT)、VGCF(登録商標)等を含み、カーボンナノチューブに限らない)等を用いることができる。
正極側の集電体は、耐食性を向上させたアルミニウム材、例えば非晶質炭素被膜で被覆されたアルミニウム材を用いることができる。アルミニウム材は、非晶質炭素被膜のみによって被覆されていてもよいし、非晶質炭素被膜と正極活物質との間に導電性炭素層が設けられていてもよい。
基材であるアルミニウム材としては、一般的に集電体用途で使用されるアルミニウム材を用いることができる。アルミニウム材の形状としては、箔、シート、フィルム、メッシュなどの形態をとることができる。集電体としては、アルミニウム箔を好適に用いることができる。また、アルミニウム材としてプレーンなものの他、後述するエッチドアルミニウムを用いてもよい。
アルミニウム材が箔、シートまたはフィルムである場合の厚みについては、特に限定されないが、セル自体のサイズが同じ場合、薄いほどセルケースに入れる活物質を多く封入できるというメリットはあるが、強度が低下するため、適正な厚みを選択する。実際の厚みとしては、10μm〜40μmが好ましく、15μm〜30μmがより好ましい。厚みが10μm未満の場合、アルミニウム材の表面を粗面化する工程、または、他の製造工程中において、アルミニウム材の破断または亀裂を生じるおそれがある。
非晶質炭素被膜で被覆されたアルミニウム材として、エッチドアルミニウムを用いてもよい。
エッチドアルミニウムは、エッチングによって粗面化処理されたものである。エッチングは一般的に塩酸等の酸溶液に浸漬(化学エッチング)したり、塩酸等の酸溶液中でアルミニウムを陽極として電解(電気化学エッチング)する方法等が用いられる。電気化学エッチングでは、電解の際の電流波形、溶液の組成、温度等によりエッチング形状が異なるので、キャパシタ性能の観点で選択できる。
アルミニウム材は、表面に不動態層を備えているもの、備えていないもののいずれも用いることができる。アルミニウム材は、その表面に自然酸化膜である不動態膜が形成されている場合、非晶質炭素被膜層をこの自然酸化膜の上に設けてもよいし、自然酸化膜を例えば、アルゴンスパッタリングにより除去した後に設けてもよい。
アルミニウム材上の自然酸化膜は不動態膜であり、それ自体、電解液に浸食されにくいという利点がある一方、集電体の抵抗の増大につながるため、集電体の抵抗の低減の観点では、自然酸化膜がない方がよい。
本明細書において、非晶質炭素被膜とは、非晶質の炭素膜または水素化炭素膜であり、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜、カーボン硬質膜、アモルファスカーボン(a−C)膜、水素化アモルファスカーボン(a−C:H)膜等を含む。非晶質炭素被膜の成膜方法としては、炭化水素系ガスを用いたプラズマCVD法、スパッタ蒸着法、イオンプレーティング法、真空アーク蒸着法等の公知の方法を用いることができる。なお、非晶質炭素被膜は、集電体として機能する程度の導電性を有することが好ましい。
例示した非晶質炭素被膜の材料のうち、ダイヤモンドライクカーボンは、ダイヤモンド結合(sp)とグラファイト結合(sp)の両方が混在したアモルファス構造を有する材料であり、高い耐薬品性を有する。ただし、集電体の被膜に用いるには導電性が低いため、導電性を高めるためにホウ素や窒素をドーピングするのが好ましい。
非晶質炭素被膜の厚みは60nm以上、300nm以下であることが好ましい。非晶質炭素被膜の膜厚は、60nm未満であると薄すぎて非晶質炭素被膜の被覆効果が小さくなり、定電流定電圧連続充電試験での集電体の腐食を十分抑制できず、300nmを超えて厚すぎると非晶質炭素被膜が抵抗体になって活物質層との間の抵抗が高くなるので、適正な厚みを適宜選択する。非晶質炭素被膜の厚みは80nm以上、300nm以下であればより好ましく、120nm以上、300nm以下であればさらに好ましい。炭化水素系ガスを用いたプラズマCVD法によって非晶質炭素被膜を成膜した場合、非晶質炭素被膜の厚みはアルミニウム材へ注入するエネルギー、具体的には印加電圧、印加時間、温度で制御することができる。
本実施形態のハイブリッドキャパシタで用いる正極活物質は黒鉛を含むものである。黒鉛としては、人造黒鉛、天然黒鉛のいずれも用いることができる。また、天然黒鉛としては鱗片状のものと土状のものが知られている。天然黒鉛は、採掘した原鉱石を粉砕し、浮遊選鉱と呼ばれる選鉱を繰り返すことによって得られる。また、人造黒鉛は例えば、高温度によって炭素材料を焼成する黒鉛化工程を経て製造されるものである。より具体的には例えば、原料のコークスにピッチなどの結合剤を加えて成形し、1300℃付近まで加熱することで一次焼成し、次に一次焼成品をピッチ樹脂に含浸させ、更に3000℃に近い高温で二次焼成することで得られる。また、黒鉛粒子表面を炭素でコーティングしているものも用いることができる。
また、黒鉛の結晶構造は大きく分けて、ABABからなる層構造の六方晶と、ABCABCからなる層構造の菱面体晶がある。これらは条件によってそれらの構造単独、あるいは混合状態になるが、いずれの結晶構造のものも混合状態のものも用いることができる。例えば、後述する実施例で用いたイメリス・ジーシー・ジャパン株式会社製KS−6(商品名)の黒鉛は菱面体晶の比率が26%であり、大阪ガスケミカル株式会社製の人造黒鉛であるメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)は菱面体晶の比率0%である。
本実施形態で用いている黒鉛は、従来のEDLCで用いられている活性炭とは静電容量の発現メカニズムが異なる。活性炭の場合には、比表面積が大きいことを活かし、その表面に電解質イオンが吸脱着することにより、静電容量を発現するものである。これに対して黒鉛の場合は、その層間において、電解質イオンであるアニオンが挿入脱離(インターカーレーション−ディインターカーレーション)することにより、静電容量を発現するものである。このような違いから、本実施形態に係る黒鉛を用いるハイブリッドキャパシタは、特許文献3においては広義の意味で電気二重層キャパシタと呼んでいたが、電気二重層を有する活性炭を用いるEDLCと区別されるものである。
本実施形態で用いている集電体はアルミニウム材の表面に非晶質炭素被膜を有するので、アルミニウム材が電解液に接することを阻止して、電解液による集電体の腐食を防止することができる。
負極は、集電体(負極側の集電体)上に負極活物質層が形成されてなる。
負極活物質層は主に、負極活物質、バインダー、および、必要に応じた量の導電材と、を含むペースト状の負極材料を、負極側の集電体上に塗布し、乾燥して、形成することができる。
負極活物質としては、電解質イオンであるカチオンを吸脱着できる炭素質材料である活性炭を用いることができる。活性炭は、窒素を含む。活性炭に含まれる窒素は、窒素ドーピング処理によって、活性炭にドープされたものであることが好ましい。
負極の集電体としては、正極側の集電体と同様、耐食性を向上させたアルミニウム材、例えば非晶質炭素被膜で被覆されたアルミニウム材を用いることができる。アルミニウム材は、非晶質炭素被膜のみによって被覆されていてもよいし、非晶質炭素被膜と負極活物質との間に導電性炭素層が設けられていてもよい。
バインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、スチレンブタジエン、アクリル系、オレフィン系、カルボキシメチルセルロース(CMC)系の単独、もしくは2種類以上の混合系を用いることができる。
導電材としては、負極活物質層の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電材を用いることができる。例えば、カーボンブラック、炭素繊維(カーボンナノチューブ(CNT)、VGCF(登録商標)等を含み、カーボンナノチューブに限らない)等を用いることができる。
活性炭への窒素ドーピング処理は、公知の処理を用いることができるが、例えば、負極の表面をアンモニアガスに曝したり、特許文献4で開示されているようなカルバミン酸アンモニウム等に曝すとともに高温処理を行ったり、活性炭を製造する際の原料に窒素源となる材料を添加して合成することによって、行うことができる。
窒素ドーピング処理装置としては、電気炉、特に活性炭に対して均一にアンモニアガス等を接触させて処理するためにロータリーキルン装置が好適である。処理温度としては600℃〜900℃の範囲が好ましい。処理温度が低すぎると窒素ドーピング反応が進みにくくなり、逆に900℃を超える温度にすると活性炭自身の細孔が収縮し、活性炭の比表面積低下を引き起こして容量の低下が起きるので好ましくない。処理温度が900℃以下であれば、活性炭の製造工程の上限温度付近なので細孔が収縮する心配がない。
窒素ドーピングでは、処理温度やガス流量、濃度、処理時間等により、ドーピングされる炭素に対する窒素の比率(N/C比)は変化する。N/C比は0.7at%(原子組成百分率)以上が好ましく、1.0at%以上、4.0at%以下がより好ましく、さらに好ましくは1.5at%以上、3.0at%以下、特に好ましくは2.0at%以上、3.0at%以下である。窒素のドーピング量が少なすぎると還元電位を下げる効果が低下し、多すぎると活性炭としての容量が低下するので、上記範囲内で黒鉛正極との組合せで最適な条件で用いる。炭素に対する窒素の比率(N/C比)は燃焼法やX線光電子分光法(XPS:X-ray Photoelectron Spectroscopy)によって求めることができる。
燃焼法は、試料を燃焼することによって、試料中の窒素をNOxガス化した後、Nガスに還元し、また炭素をCOガスあるいはCOガスにガス化し、得られたNガスとCOガスあるいはCOガスをそれぞれクロマトグラフ法(検出器:TCD)によって定量する方法である。X線光電子分光法は、試料の表面にX線を照射し、試料表面から放出される光電子の運動エネルギーを計測することで、試料表面を構成する元素(NとC)の組成を分析する手法である。
電解液としては、有機溶媒を用いた有機電解液を用いることができる。電解液は、電極に吸脱着可能な電解質イオンを含む。電解質イオンは、そのイオン径ができるだけ小さいものの方が好ましい。具体的には、アンモニウム塩やホスホニウム塩、あるいはイオン液体、リチウム塩等を用いることができる。
アンモニウム塩としては、テトラエチルアンモニウム(TEA)塩、トリエチルアンモニウム(TEMA)塩等を用いることができる。また、ホスホニウム塩としては、二つの五員環を持つスピロ化合物等を用いることができる。
イオン液体としては、その種類は特に問わないが、電解質イオンを移動し易くする観点から、粘度ができる限り低く、また、導電性(導電率)が高い材料が好ましい。イオン液体を構成するカチオンとしては、例えばイミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン等が挙げられる。イミダゾリウムイオンとしては、例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(1−ethyl−3−methylimidazolium)(EMIm)イオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム(1−methyl−1−propylpyrrolidinium)(MPPy)イオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウム(1−methyl−1−propylpiperidinium)(MPPi)イオン等が挙げられる。また、リチウム塩としては四フッ化ホウ酸リチウムLiBF、六フッ化リン酸リチウムLiPF等を用いることができる。
ピリジニウムイオンとしては、例えば、1−エチルピリジニウム(1−ethylpyridinium)イオン、1−ブチルピリジニウム(1−buthylpyridinium)イオン等が挙げられる。
イオン液体を構成するアニオンとしては、BFイオン、PFイオン、[(CFSON]イオン、FSI(ビス(フルオロスルホニル)イミド、bis(fluorosulfonyl)imide)イオン、TFSI(ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、bis(trifluoromethylsulfonyl)imide)イオン等が挙げられる。
溶媒としてはアセトニトリルやプロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジメチルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、エチルカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、γブチロラクトン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の単独もしくは混合溶媒を用いることができる。
セパレータとしては、正極と負極の短絡防止や電解液保液性の確保等の理由から、セルロース系の紙状セパレータや、ガラス繊維セパレータ、ポリエチレンやポリプロピレンの微多孔膜等が好適である。
以上のように、本実施形態に係るハイブリッドキャパシタでは、負極活物質として窒素を含む活性炭、好ましくは窒素ドーピング処理によって、窒素がドープされた活性炭を用いる。活性炭に窒素ドーピング処理を行うと、活性炭表面に存在する官能基が窒素に置換される。例えば、負極活物質として表面に官能基が存在している活性炭を用いた場合、電極電位を卑な電位(還元側)の方向に高くしていくと(セルで見るとセル電圧を高めていく方向)、官能基が電解液と反応して、有機分解物や分解ガスが生成する。生成した有機分解物が活性炭表面に蓄積して、活性炭の表面が有機分解物で覆われると、活性炭の比表面積が低下し、負極の容量低下を生じる。また発生した分解ガスによって電極やセパレータ中の電解液が押し出されて充放電容量が低下する。これに対して、窒素ドーピングを施すと、負極の電極電位を卑な電位(還元側)の方向に高くしていっても電解液と反応する官能基が窒素で置換されているので、分解ガスや有機分解物の生成を抑制できる。したがって、本実施形態に係るハイブリッドキャパシタは、窒素ドーピング処理が施され、表面の官能基が窒素と置換され、窒素を含む活性炭を負極活物質として用いることにより、負極の還元電位を下げて負極の高容量化および高電圧化を図ることで、黒鉛を正極活物質に用いたハイブリッドキャパシタのセル全体の高容量化および高電圧化を図り、セルの高エネルギー密度化および高温耐久性能の向上を図るものである。
本実施形態において、非晶質炭素被膜で被覆されたアルミニウム箔を用いた窒素ドーピング処理された活性炭を用いた負極は、ハイブリッドキャパシタでの使用に限定されるものではない。この窒素ドーピング処理された活性炭を用いた負極は、正極に、窒素ドーピング処理された活性炭や窒素ドーピング処理されていない活性炭等を用いることにより、EDLCの電極としても使用可能である。
以下、実施例により、本発明の効果をより明らかなものとする。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その効果を奏する範囲で適宜変更して実施することができる。
<実施例1>
負極活物質として株式会社クレハ製活性炭(商品名:YP50F)を10g秤量した後に、高砂工業株式会社製デスクトップロータリーキルン装置にセットした。セットした活性炭に対し、窒素ガスを5L/分の流速でフローしながら800℃まで昇温した。次に、この窒素ガスをアンモニアガスに交換し、5L/分の流速でフローしながら、20分間800℃で熱処理した。次に、このアンモニアガスを窒素ガスに交換し、室温まで冷却した活性炭を装置から取り出した。なお、窒素ドーピング処理時間とは、昇温後、アンモニアガスをフローしながら800℃で保持(熱処理)し、活性炭が窒素ドープされる時間を指す。
燃焼法により、取り出した活性炭のN/C比率(炭素に対する窒素の比率)を算出したところ、2.1at%であった。なお、窒素ドープされるのは活性炭の官能基であり、その官能基は活性炭の表面にしか存在しないが、燃焼法では活性炭の表面ではなく、活性炭の全体を対象として測定され、数値を算出する方法である。
上記処理によって窒素ドーピング処理が施され、表面の官能基が窒素と置換され、窒素を含む活性炭(以下、「窒素ドープ活性炭」ということがある)、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンを、重量パーセント濃度(wt%)の比率が80:10:10となるように秤量し、N−メチルピロリドンで溶解混合することで得たペーストを、DLCコーティングしたアルミニウム箔(厚さ20μm)上に、ドクターブレードを用いて塗布したものを負極とした。
上記DLCコーティングしたアルミニウム箔(以下、「DLCコートアルミニウム箔」ということがある)は負極側の集電体であり、非晶質炭素被膜で被覆されたアルミニウム材に相当する。DLCコートアルミニウム箔の製造法としては、純度99.99%のアルミニウム箔に対して、アルゴンスパッタリングでアルミニウム箔表面の自然酸化膜を除去した後、そのアルミニウム表面近傍にメタン、アセチレンおよび窒素の混合ガス中で放電プラズマを発生させ、アルミニウム材に負のバイアス電圧を印加することによりDLC膜を生成させた。ここで、DLCをコーティング(被覆)したアルミニウム箔上のDLC膜の厚みを、ブルカー(BRUKER)社製触針式表面形状測定器DektakXTを用いて計測したところ、135nmであった。
正極活物質としてイメリス・ジーシー・ジャパン株式会社製黒鉛(商品名:KS−6)、アセチレンブラック、ポリフッ化ビニリデンを、重量パーセント濃度(wt%)の比率が80:10:10となるように秤量し、N−メチルピロリドンで溶解混合することで得たペーストを、上記負極に用いたのと同一のDLCコーティングしたアルミニウム箔(厚さ20μm)上に、ドクターブレードを用いて塗布したものを正極とした。
次に、上記正極と負極を直径16mmの円板状に打ち抜いたものを150℃で24時間真空乾燥した後、アルゴングローブボックスへ移動した。これらを、ニッポン高度紙工業株式会社製紙セパレータ(商品名:TF40−30)を介して積層し、電解質に1MのTEA−BF(四フッ化ホウ酸テトラエチルアンモニウム)、溶媒にSL+DMS(スルホラン(Sulfolane)+硫化ジメチル)を用いた電解液0.1mLを加えて、アルゴングローブボックス中で2032型コインセルを作製した。
得られたセルに対し、株式会社ナガノ製充放電試験装置BTS2004を用いて、25℃の恒温槽中で、0.4mA/cmの電流密度、0V〜3.5Vの電圧で範囲の充放電試験を行い、定電流定電圧連続充電試験前の放電容量を計測した。なお、印加電圧の上限について、窒素ドープ活性炭を負極活物質として用いた実施例1、実施例2(後述)および実施例3(後述)では3.5Vまで印加できたが、窒素ドーピング処理を施されていない活性炭を負極活物質として用いた比較例1(後述)では、2.5Vまでで測定した。
次に、充放電試験装置を用いて、60℃の恒温槽中で、電流密度0.4mA/cm、電圧3.5Vで2000時間連続充電試験(定電流定電圧連続充電試験)を行った。具体的には、充電の途中、所定の時間で充電を止め、セルを25℃の恒温槽に移した後、上記の充放電試験と同様に0.4mA/cmの電流密度、0V〜3.5Vの範囲の充電電圧で充放電試験を5回行うことで放電容量を得た。その後、60℃の恒温槽に戻して連続充電試験を再開し、連続充電試験時間の総計が2000時間になるまで試験を実施した。
その結果として得られた放電容量改善率を表1に示す。放電容量改善率とは、定電流定電圧連続充電試験開始前の放電容量に対して、定電流定電圧連続充電試験後の放電容量維持率が80%以下になった充電時間を寿命とし、後述する比較例1での寿命になった時間(2050時間)を100として規格化したものである。すなわち、比較例1の窒素ドーピング処理を施されていない活性炭を負極活物質に用いた場合を100として規格化した。
<実施例2>
活性炭への窒素ドーピング処理時間(昇温後、アンモニアガスをフローしながら800℃で保持する時間)を5分から120分まで変化させ、活性炭のN/C比率(炭素に対する窒素の比率)を変えたこと以外は、実施例1と同様の2032型コインセルを作製し、同様の評価を行った。
その結果として得られた放電容量改善率を図1のグラフに示す。グラフの横軸はN/C比率(炭素に対する窒素の比率、at%:原子組成百分率)を示し、グラフの縦軸は放電容量改善率(%)を示したものである。
窒素ドーピングの効果は0.7at%より現れ始め、1.0at%以上で効果が増大し、2.0at%以上で一定になっている。この結果より、N/C比率としては2.0at%以上、3.0at%以下が最適であることが分かる。
<実施例3>
正極活物質として大阪ガスケミカル株式会社製人造黒鉛(商品名:MCMB6−10)を用いたこと以外は、実施例1と同様の2032型コインセルを作製し、同様の評価を行った。
<比較例1>
負極活物質として関西熱化学株式会社製の窒素ドーピング処理を施されていない活性炭(商品名:MSP−20)を用いたこと以外は、実施例1と同様の2032型コインセルを作製し、同様の評価を行った。
Figure 0006620331
窒素ドープ活性炭を負極活物質に用いた実施例1は、窒素ドーピング処理を施されていない活性炭を負極活物質に用いた比較例1に対して放電容量維持率を8%改善できた。また、窒素ドープ活性炭を負極活物質に用いたことに加え、菱面体晶が含まれていない人造黒鉛を正極活物質に用いた実施例3でも比較例1に対して放電容量維持率を7%改善でき、いずれにおいても窒素ドーピング処理の効果を確認することができた。
<実施例4>
2000時間連続充電試験(定電流定電圧連続充電試験)の充電電圧の範囲が3.6V〜4.0Vであること以外は、実施例1と同様の評価を行った。
その結果として得られた放電容量と平均放電電圧より、エネルギー(Wh)を算出した結果を表2に示す。表2においては、実施例4のエネルギーを比較例1で規格化した値を示した。この際、比較例1の結果を100として規格化した。
また、連続充電試験(定電流定電圧連続充電試験)の結果として得られた放電容量改善率を図2に示す。グラフの横軸は連続充電試験における充電電圧(V)を示し、グラフの縦軸は放電容量改善率(%)を示している。
Figure 0006620331
窒素ドーピングの効果として、電解液の分解によってガスが発生したり、活性炭表面が電解液分解物で覆われることによる比表面積低下に伴って容量低下が生じたり、あるいは活性炭自身の分解による劣化が還元電位を下げても少ないことが期待され、特に高温においてその劣化は顕著であることから、60℃における2000時間連続充電試験において充電電圧を変化させる評価を行った。
その結果、図2に示すように充電電圧が3.8Vまでは窒素ドーピング処理を施されていない活性炭を負極活物質に用いた比較例1に対する放電容量改善率は上昇した。その後4.0Vに向けて低下したが、比較例1よりは高い放電容量維持率を示している。
この結果より、窒素ドーピングによって耐還元電位を卑な方向へ拡大しても、電解液の分解抑制や活性炭自身の分解抑制の効果によって、耐電圧を向上させる効果があることが分かった。図2の結果と踏まえると、表2の結果から、耐電圧は、放電容量維持率が最大となる3.8Vまで高くできることが分かった。

Claims (3)

  1. 60℃、3.5Vの定電流定電圧連続充電試験において放電容量維持率が80%以上を維持できる時間が1000時間以上であるハイブリッドキャパシタであって、
    正極側および負極側の集電体はアルミニウム材であって、
    前記アルミニウム材は非晶質炭素被膜のみによって被覆され、
    前記非晶質炭素被膜の厚みが60nm以上、300nm以下であり、
    正極は正極活物質として黒鉛を含み、
    負極は負極活物質として活性炭を含み、
    前記活性炭は窒素を含み、
    電解液は電解質イオンを含み、
    前記黒鉛の層間において、前記電解質イオンであるアニオンが挿入脱離することにより、静電容量を発現することを特徴とするハイブリッドキャパシタ。
  2. 前記活性炭は、窒素ドーピング処理が施されている請求項1に記載のハイブリッドキャパシタ。
  3. 前記活性炭は、炭素に対する窒素の比率が1.0at%以上、4.0at%以下である請求項1又は2に記載のハイブリッドキャパシタ。
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