以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施形態およびその変形例には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
また、以下では、回路基板の実装面と直交する方向を上下方向(Z方向)とし、回路基板にコネクタを実装した状態においてコンタクトが並設される方向を幅方向(Y方向)とし、Z方向およびY方向と直交する方向を前後方向(X方向)として説明する。
さらに、本実施形態では、回路基板に実装されたコネクタを回路基板の上方に位置させた状態における上方を、上下方向の上方と規定する。
上記のように規定することで、図1〜図24で説明するコネクタでは、コネクタにケーブルを挿入した状態におけるケーブル厚さ方向が前後方向(X方向)となり、コネクタの長手方向が幅方向(Y方向)となり、ケーブル挿抜方向が上下方向(Z方向)となる。
また、図1〜図24に示すコネクタについては、ケーブルにおける導体が露出する側をケーブルの前方と規定して説明する。したがって、コネクタにケーブルを挿入した状態において露出する導体と対向する側がコネクタの前側となる。
本実施形態にかかるコネクタ10は、図1に示すように、FPCやFFC等のケーブル(被接続部材)20が挿入される絶縁性のハウジング30を備えている。なお、ケーブル20は、表面(前面:一面)20aおよび裏面(後面:他面)20bを持つシート状(平板状)をしている。さらに、ケーブル20は可撓性を有しており、ケーブル20をケーブル厚さ方向に曲げる(湾曲させる)ことができるようになっている(図1参照)。
また、コネクタ10は、ハウジング30に保持され、ケーブル20に導通接続されるコンタクト(端子)40と、ハウジング30に保持され、挿入されたケーブル20の保持力を高めるためのロック金具(ロック部材)50と、を備えている。
このコネクタ10は、図1に示すように、回路基板(被実装部材)60に実装されており、ハウジング30内にケーブル20を挿入してコンタクト40に導通接続させることで、ケーブル20と回路基板60とを電気的に接続させるものである。
本実施形態では、実装材料70として半田およびフラックスが用いられており、コンタクト40に形成された実装片(実装部)413およびロック金具50に形成された取付片(取付部)512を、回路基板60の実装面60aに半田付けすることで、コネクタ10を回路基板60に実装している(図5および図6参照)。このとき、コネクタ10は、実装面60aを水平にしたときにケーブル挿抜方向が上下方向となるようにした状態で、回路基板60に実装されている。このように、本実施形態では、コネクタ10は、ケーブル挿抜方向が実装面60aと交差する方向となるようにした状態で回路基板60に実装されている。
また、本実施形態で示すコネクタ10は、いわゆるNON−ZIF(Non-Zero Insertion Force)タイプのコネクタであり、ケーブル20自体をケーブル挿抜方向(Z方向)に押し込んだり引っ張ったりすることで、ケーブル20の挿抜が行えるようになっている。
なお、本実施形態では、ケーブル20自体をケーブル挿抜方向(Z方向)に押し込んだり引っ張ったりすることで、ロック金具(ロック部材)50によるケーブル20のロックやロック解除も行えるようになっている。
シート状のケーブル20は、図2に示すように、本体部20cと、本体部20cに連設されてハウジング30内に挿入される挿入端部20dと、を備えており、この挿入端部20dには、複数の導体22aが形成されている。複数の導体22aは、幅方向(Y方向)に所定のピッチで並ぶように形成されており、ケーブル厚さ方向(前後方向;X方向)の一方側(前側)に露出している。
また、ケーブル20は多層構造をしており、導体膜で形成された導体層22と、絶縁体膜で形成されて導体層22を支持する支持層21と、を備えている(図13参照)。なお、導体層22は、複数のコンタクト40に対応する複数の配線パターンとなっている。
このような構造は、例えば、支持層21上に複数の導体膜を印刷することで導体層22を形成し、この導体層22上を他の支持層21で覆うことで形成することができる。このとき、導電層22の先端が覆われないように他の支持層21を設けるようにすれば、導電層22の先端が一側(前後方向の前方)に露出したケーブル20が形成される。
こうすることで、導体層22の両側を支持層21,21で挟んだ3層構造の本体部20cと、本体部20cに連設され、支持層21上に導体層22が形成された2層構造の挿入端部20dと、を備えるケーブル20が得られる。このようにして得られたケーブル20では、挿入端部20dにおいて前後方向(X方向)の前方に露出する導体層22が、幅方向(Y方向)に所定のピッチで並ぶ導体22aとなっている(図2(a)参照)。
なお、本体部20cおよび挿入端部20dの形成方法は上記の方法に限られるものではなく、様々な方法で形成することができる。
さらに、本実施形態では、ケーブル20が補強板23を備えている。この補強板23は、ガラスエポキシ樹脂やステンレス等を用いて形成されており、接着剤等により挿入端部20dの後側(ケーブル厚さ方向の他方側)に取り付けられている。具体的には、補強板23は、挿入端部20dの略全体および本体部20cの連結端部(挿入端部20dとの連結部分)の略全体と重なり合うようにした状態で取り付けられている。
ケーブル20の端部にこのような補強板23を設けるようにすれば、導体22aの全体が補強板23により支持されるため、挿入端部20dが上下方向(Z方向)に撓んでしまうのが抑制され、導体22aが上下方向(Z方向)に折れ曲がってしまうのを抑制することができる。また、挿入端部20dが幅方向(Y方向)に撓んでしまうのも抑制されることとなる。このように、挿入端部20dが撓んでしまうのを抑制するようにすれば、ケーブル20をハウジング30内によりスムーズに挿入することができるようになる。
さらに、本実施形態では、ケーブル20の補強板23が設けられた部位の全体がハウジング30内に挿入されるようにしている。すなわち、ケーブル20は、補強板23が設けられた部位が挿入領域201となっている。
一方、ハウジング30には、図3および図4に示すように、導電性を有する複数のコンタクト40が並設されている。各コンタクト40は、ケーブル20の導体22aに導通接続される接触部431を有している。本実施形態では、各コンタクト40は、それぞれの接触部431が幅方向Yに所定のピッチ(導体221のピッチと略同ピッチ)で並設されるように、ハウジング30に保持されている。そして、ケーブル20をハウジング30内に挿入した際に、各コンタクト40の接触部431が、対応する導体22aとそれぞれ接触するようにしている。
また、本実施形態では、ケーブル20には、外部に露出する導体22aがケーブル厚さ方向(前後方向;X方向)の一方側(前側)のみに形成されており、ケーブル厚さ方向の一方側のみでケーブル20とコンタクト40とが導通接続されるようにしている。このように、本実施形態では、複数の導体22aは、少なくともケーブル厚さ方向の一方側に形成されている。
なお、本実施形態では、導体22aに導通接続される複数のコンタクト40をハウジング30の幅方向(Y方向)に略一直線上に並ぶように配置することで、信号伝送用のコンタクトとして用いられる端子群40Gを構成している(図3および図4参照)。
また、ケーブル20の挿入領域201における幅方向(Y方向)の両端には、図2(a)に示すように、幅方向(Y方向)の外側に開口した切り欠き状の保持孔24が、ケーブル厚さ方向(X方向)に貫通するように形成されている。
この保持孔24は、ケーブル20をハウジング30に挿入した状態で、ロック金具50の後述するロック部521,531が係合される被ロック部に相当するものである。したがって、ロック金具50は、ケーブル20をハウジング30に挿入した際には、ロック部521,531が保持孔24に係合されるようにした状態でハウジング30に保持されている。
こうすることで、ケーブル20をハウジング30に挿入した際には、ケーブル20の保持孔24にロック金具50のロック部521,531が係止(係合)されて、ハウジング30に挿入されたケーブル20の抜け止めがなされるようにしている(図18参照)。
なお、本実施形態では、保持孔24は、挿入領域201の幅方向(Y方向)の一方側および他方側に1つずつ形成されている。さらに、各保持孔24は、挿入領域201における複数の導体22aが形成された領域よりも幅方向(Y方向)の外側に形成されている。そのため、各保持孔24と係合するロック金具50は、それぞれ端子群40Gよりも幅方向(Y方向)の外側に配置されている。
さらに、本実施形態では、2つ(複数)のロック金具50が1つの保持孔24に係合されるようにしている。具体的には、ハウジング30における端子群40Gよりも幅方向(Y方向)の一方側に位置する部位に、2つのロック金具50,50が幅方向(Y方向)に並ぶように保持されている。また、ハウジング30における端子群40Gよりも幅方向(Y方向)の他方側に位置する部位にも、2つのロック金具50,50が幅方向(Y方向)に並ぶように保持されている。さらに、本実施形態では、4つのロック金具50と端子群40Gを構成する複数のコンタクト40とが略一直線上に並ぶように配置されている。
ハウジング30は、合成樹脂等の絶縁材料により形成されており、図7および図8に示すように、幅方向に細長い略直方体状をしている。このハウジング30の前後方向(X方向:ケーブル厚さ方向)の略中間部には、ケーブル挿入開口300aから挿入されたケーブル20の先端(挿入領域201)を収容する袋状の収容空間300が形成されている(図9および図10参照)。
具体的には、ハウジング30は、図8(b)に示すように、前後方向の前方に配置され、幅方向および上下方向に延在する前壁(第1の壁部)310と、前後方向の後方に前壁310と対向するように配置され、幅方向および上下方向に延在する後壁(第2の壁部)320と、を備えている。
また、ハウジング30は、前壁310および後壁320の幅方向の端部に連設され、前後方向および上下方向に延在するとともに幅方向に対向する一対の連結壁(第3の壁部)330,330を備えている。すなわち、前壁310の幅方向の一端と後壁320の幅方向の一端とが、一対の連結壁330,330のうちの一方の連結壁330により連結されており、前壁310の幅方向の他端と後壁320の幅方向の他端とが、他方の連結壁330により連結されている。
さらに、ハウジング30は、前壁310、後壁320および一対の連結壁330,330の下端に連設され、前後方向および幅方向に延在する底壁(第4の壁部)340を備えており、全体として上方に開口した有底の四角筒状に形成されている。そして、ハウジング30の上方への開口部が収容空間300のケーブル挿入開口300aとなっており、このケーブル挿入開口300aは、幅方向(Y方向)に細長い扁平な矩形状をしている。
このように、本実施形態では、ハウジング30の内部には、前壁310の後面(第1の内面)311と、後壁320の前面(第2の内面)321と、一対の連結壁330,330の側面(第3の内面)331,331と、底壁340の上面(第4の内面)341と、で画成された収容空間300が形成されている。
なお、ハウジング30は、前壁310と後壁320とで収容空間300の前後が画成されていればよく、幅方向Yの両端が、ハウジング30とは別部材で形成された部材(例えば、金属板や樹脂板等)によって画成されるようにしてもよい。
また、本実施形態では、前壁310の後面311の上部が、上方かつ前方に傾斜する傾斜面311aとなっており、後壁320の前面321の上部が、上方かつ後方に傾斜する傾斜面321aとなっている。さらに、一対の連結壁330,330の側面331,331の上部が、上方かつ外側に傾斜する傾斜面331a,331aとなっている。すなわち、一対の連結壁330,330の側面331,331の上部が、上方に向かうにつれて互いに離れるように傾斜する傾斜面331a,331aとなっている。そして、一対の傾斜面331a,331aは、それぞれ傾斜面311aおよび傾斜面321aに連設されている。
このように、本実施形態では、ハウジング30の上部の内側に、下方かつ中央に向かうテーパ部30aを形成している(図8(b)参照)。そして、下方かつ中央に向かうテーパ部30aをハウジング30の上部の内側に形成することで、収容空間300の開口側端部における開口面積(幅方向の開口長さおよび前後方向の開口長さ)が、下方(奥側)に向かうにつれて小さくなるようにしている。
こうすることで、ハウジング30に、ケーブル20を収容部300の奥側へと誘い込むための誘い込み機能を持たせている。すなわち、前後左右に若干ずれた状態でケーブル20をハウジング30内に挿入したとしても、ケーブル20の先端(挿入領域201)がハウジング30のテーパ部30aにガイドされて、ケーブル20を収容空間300の奥側までよりスムーズに挿入できるようにしている。
さらに、本実施形態では、後壁320の開口側(上側:ケーブル挿入開口300aが形成された側)における幅方向の中央に、上方に開口する切り欠き部322が前後方向(X方向)に貫通するように形成されている(図7および図8参照)。すなわち、後壁320は、上部における幅方向の中央が下方(ケーブル挿入開口300aが形成された側とは反対側)に向けて凹んだ形状をしており、ハウジング30を後方から視た際に、前壁310の後面311の上部が視認できるようになっている。
具体的には、切り欠き部322は、図8(a)に示すように、一対の連結壁330,330の傾斜面331a,331aにそれぞれ連設されるように形成された一対の外側切り欠き部322a,322aを有している。また、切り欠き部322は、一対の外側切り欠き部322a,322aに連設され、一対の外側切り欠き部322a,322aよりも下方に切り欠かれた形状の内側切り欠き部322bを有している。この内側切り欠き部322bは、幅方向の両端が、それぞれ、複数のコンタクト40をハウジング30に保持した際に形成される端子群40Gの幅方向の端縁よりも若干外側となるように形成されている(図4(a)参照)。すなわち、内側切り欠き部322bは、ハウジング30を後方から視た際に、幅方向の位置が端子群40Gと略一致するように形成されている。なお、本実施形態では、ロック金具50は、一対の外側切り欠き部322a,322aが形成された部位でハウジング30に保持されている。
このように、本実施形態では、後壁320の上部に切り欠き部322を設けることで、ケーブル20の収容空間300内への挿入状態を確認できるようにしている。
具体的には、内側切り欠き部322bが形成された部位の後壁320の高さ位置を、ケーブル20のハウジング30への挿入完了状態(保持孔24にロック部521,531が係止されている状態)における補強板23の上端(本体部20c側の端縁)の高さ位置よりも若干高くなるようにしている(図15参照)。こうすることで、ハウジング30を後方から視た際に、補強板23が後壁320の上方に露出しているか否かを目視することで、ケーブル20のハウジング30への挿入が完了しているか否かを確認できるようにしている。
また、本実施形態では、底壁340に、上下方向に貫通するコンタクト挿通孔342が幅方向に並ぶように複数形成されており、コンタクト40は、このコンタクト挿通孔342から収容空間300内に挿入されてハウジング30に固定保持されるようになっている。すなわち、各コンタクト40は、下方(ハウジング30のケーブル挿入開口300aが形成された側とは反対側)からハウジング30に挿入することでハウジング30に固定保持されるようになっている(図5参照)。
本実施形態では、コンタクト挿通孔342を収容空間300に連通させることで、ハウジング30に、コンタクト40を収容するコンタクト収容空間360が上下方向(Z方向)に貫通するように複数設けられるようにしている。さらに、それぞれのコンタクト収容空間360が、前後方向および上下方向に延在する隔壁350によって幅方向(Y方向)の両側が仕切られるようにしている(図5参照)。すなわち、本実施形態では、コンタクト収容空間360は、前壁310と後壁320と隔壁350とで、上下方向に貫通するように形成されている。そして、それぞれのコンタクト収容空間360に1つのコンタクト40を下方から挿入するようになっている。このように、本実施形態では、ハウジング30には、前壁310の後面311と、後壁320の前面321と、隣り合う隔壁350,350の互いに対向する側面350a,350aとで上下を除く四方が画成された複数のコンタクト収容空間360が幅方向に並ぶように形成されている。
なお、本実施形態では、隔壁350は、図9に示すように、前壁310の後面311から後壁320側に向けて延設されている。このとき、隔壁350の後面351と後壁320の前面321との間に隙間が形成されるようにしている。こうすることで、シート状のケーブル20の収容空間300への挿入が、隔壁350によって邪魔されないようにしている。
さらに、コンタクト収容空間360を画成する隔壁350は、幅方向(Y方向:隔壁350の厚さ方向)に沿って視た状態で、後部が多段状となるように形成されている。
具体的には、隔壁350の後面351が、上部(開口側)に位置し、上方かつ前方に傾斜する開口側傾斜面351aと、開口側傾斜面351aの下端(奥側の端縁)に連設され、上下方向に延在する開口側鉛直面351bと、開口側鉛直面351bの下端(奥側の端縁)に連設され、上方かつ前方に傾斜する奥側傾斜面351cと、奥側傾斜面351cの下端(奥側の端縁)に連設され、上下方向に延在する奥側鉛直面351dと、を有する屈曲面となっている。なお、本実施形態では、開口側傾斜面351aは、前壁310の傾斜面311aを含む平面にほぼ沿うように形成されており、幅方向に沿って視た際に、開口側傾斜面351aと傾斜面311aとがほぼ重なり合うようにしている。
このように、隔壁350の後部を多段状とすることで、隔壁350の後面351と後壁320の前面321との間の隙間が、開口側(上側)から奥側(下側)に向けて段階的に狭くなるようにしている。そして、奥側鉛直面351dと後壁320の前面321との間の隙間が、ケーブル20の厚さ(挿入領域201の最大厚さ)よりも若干大きくなるようにしている(図13参照)。
さらに、本実施形態では、前後方向に沿って視た際に、各保持孔24に対応する部位に、上下方向に貫通するロック金具挿通孔343が幅方向に並ぶように2つずつ形成されている。そして、ロック金具50も、ロック金具挿通孔343から収容空間300内に挿入されてハウジング30に固定保持されるようになっている。すなわち、各ロック金具50も、下方(ハウジング30のケーブル挿入開口300aが形成された側とは反対側)からハウジング30に挿入することでハウジング30に固定保持されるようになっている(図6参照)。
本実施形態では、ロック金具挿通孔343を収容空間300に連通させることで、ハウジング30に、ロック金具50を収容するロック金具収容空間370が上下方向(Z方向)に貫通するように複数設けられるようにしている。さらに、それぞれのロック金具収容空間370が、前後方向および上下方向に延在する隔壁350Aによって幅方向Yの両側が仕切られるようにしている(図6参照)。すなわち、ロック金具収容空間370は、前壁310と後壁320と隔壁350Aとで、上下方向に貫通するように形成されている。そして、それぞれのロック金具収容空間370に1つのロック金具50を下方から挿入するようになっている。このように、本実施形態では、ハウジング30には、前壁310の後面311と、後壁320の前面321と、隣り合う隔壁350A,350Aの互いに対向する側面350aA,350aAとで上下を除く四方が画成されたロック金具収容空間370が、複数のコンタクト収容空間360が形成される領域よりも幅方向の外側に2つずつ形成されている。
なお、本実施形態では、隔壁350Aも、前壁310の後面311から後壁320側に向けて延設されており、隔壁350Aの後面351Aと後壁320の前面321との間に隙間が形成されるようにしている(図10参照)。こうすることで、シート状のケーブル20の収容空間300への挿入が、隔壁350Aによって邪魔されないようにしている。
さらに、本実施形態では、ロック金具収容空間370が形成された部位における前壁310の後面311は、幅方向に沿って視た際に、傾斜部が隔壁350の開口側傾斜面351aとほぼ重なり合うようになっており、鉛直部が隔壁350の開口側鉛直面351bとほぼ重なり合うようになっている。
そして、隔壁350Aは、前壁310の後面311における鉛直部の奥側に形成されており、幅方向(Y方向:隔壁350の厚さ方向)に沿って視た状態で、略直角台形状をしている。具体的には、隔壁350Aの後面351Aが、上部(開口側)に位置し、上方かつ前方に傾斜する傾斜面351aAと、傾斜面351aAの下端(奥側の端縁)に連設され、上下方向に延在する鉛直面351bAと、を有する屈曲面となっている。
そして、幅方向に沿って視た際に、隔壁350Aの傾斜面351aAが、隔壁350の奥側傾斜面351cとほぼ重なり合うようになっており、鉛直面351bAが、奥側鉛直面351dとほぼ重なり合うようになっている。したがって、鉛直面351bAと後壁320の前面321との間にも、ケーブル20の厚さ(挿入領域201の最大厚さ)よりも若干大きくなる隙間が形成されている。
こうすることで、ケーブル20をハウジング30内に挿入した際には、ケーブル20の挿入領域201は、まず初めに、隔壁350の上部(開口側傾斜面351a、開口側鉛直面351bおよび奥側傾斜面351c)や隔壁350Aの上部(傾斜面351aA)により前方が画成された空間に導入されることとなる。その後、鉛直面351bAおよび奥側鉛直面351dにより前方が画成されたスリット状の空間に配置されることとなる。
このように、本実施形態では、ケーブル20の挿入領域201が初めに導入されるケーブル導入空間301と、ケーブル導入空間301に連設されてケーブル20の挿入領域201を受け入れるケーブル受入空間302と、を有する収容空間300をハウジング30内に形成している(図9および図10参照)。
また、後壁320には、図9に示すように、下側が前方に突出する段差部323が形成されている。具体的には、後壁320の前面321の下端に、水平面323aが前方に向けて延在するように連設されるようにするとともに、水平面323aの前端に、鉛直面323bが後方に向けて延在するように連設することで、段差部323を形成している。そして、上方に面する水平面323aによって、ケーブル20の下方(ケーブル挿抜方向の一方側:ケーブル20を挿入させる際にケーブル20が移動する方向)への移動が規制されるようにしている(図15参照)。
コンタクト40は、上述したように、ハウジング30の幅方向(Y方向)に複数並設されている。各コンタクト40は、図11に示すように、1枚の帯板状の金属部材を板厚方向に曲げた形状をしており、側面視で略U字状をしている。このようなコンタクト40は、例えば、帯板状の金属部材に曲げ加工を施すことで形成することができる。
本実施形態では、コンタクト40は、前壁310の近傍で上下方向(Z方向)の上方に延在する鉛直片410と、鉛直片410の上端に連設されて略半円弧状に湾曲する湾曲部420と、湾曲部420の下端に連設され、上下方向の下方に延在するばね片430と、を備えている。すなわち、鉛直片410およびばね片430は、それぞれの上端同士が湾曲部430によって連結されており、湾曲部430を撓ませることで、ばね片430が鉛直片410に対して弾性的に相対移動できるようにしている。
また、本実施形態では、鉛直片410の下部には、上部よりも幅方向(Y方向)に幅広となる幅広部411が形成されており、この幅広部411には、幅方向の外側に突出する圧入突起412が形成されている。そして、コンタクト40をコンタクト収容空間360内に挿入した際に、圧入突起412が隔壁350の側面350aに食い込むようにしている。すなわち、コンタクト40が圧入突起412によってハウジング30に圧入されるようにしている。このように、本実施形態では、コンタクト40がハウジング30に圧入保持されるようにしている。
また、前壁310のコンタクト収容空間360が形成された部位における後面311は、コンタクト収容空間360に収容されたコンタクト40の幅広部411(鉛直片410の下部)が接触する奥側鉛直面311bと、奥側鉛直面311bの上端から前後方向(X方向)の前方に延設される水平面311cと、水平面311cの前端に連設され、上方かつ前方に傾斜する傾斜面311dと、傾斜面311dの上端に連設されてケーブル挿入開口300aまで延在する開口側鉛直面311eと、を有する屈曲面となっている(図5および図9参照)。
このように、前壁310のコンタクト収容空間360が形成された部位における後面311を屈曲させることで、コンタクト40をコンタクト収容空間360に収容した状態で、鉛直片410の上部が後面311に隙間を介して対向するようにしている。すなわち、本実施形態では、コンタクト40を収容した状態で、鉛直片410が奥側鉛直面311bの上端との接触部位を基点として前方に弾性変形できるように、コンタクト収容空間360を形成している。
また、鉛直片410の下端には、実装材料(半田およびフラックス)70によって回路基板(被実装部材)60に実装される実装片(実装部)413が前後方向(X方向)の前方に延設されている。この実装片413は、コンタクト40のコンタクト収容空間360への挿入時におけるコンタクト40のハウジング30に対する最大挿入量を規制するストッパとしても機能している。すなわち、コンタクト40のコンタクト収容空間360への挿入時には、実装片413の上面が底壁340の下面に当接することで、コンタクト40の上方への移動が規制されるようにしている。
また、実装片413は、前後方向に延在しており、コンタクト40をコンタクト収容空間360に収容した状態で、先端が前壁310の前方に突出するように形成されている。そして、実装片413の先端(ハウジング30から突出した部分)を実装材料(半田およびフラックス)70によって半田付けすることで、コネクタ10が回路基板60に実装されるようにしている(図5参照)。こうすることで、実装片(実装部)413を回路基板(被実装部材)60に実装した際に、ケーブル挿抜方向(上下方向:Z方向)が回路基板(被実装部材)60の実装面60aと交差する方向となるようにしている。
一方、ばね片430の途中には、後方に向けて略半円弧状に突出する接触部431が形成されている。この接触部431は、例えば、ばね片430の一部を板厚方向に湾曲させることで形成することができる。そして、略半円弧状に突出する接触部431を導体22aに接触させることで、ケーブル20とコンタクト40とを導通接続させている。なお、本実施形態では、接触部431の幅方向(Y方向)の両端がプレス加工等により押しつぶされている。こうすることで、幅方向(Y方向)の中央部に導体22aへの押圧力を集中させて、接触部431の導体22aへの押圧力を向上させている。
また、ばね片430における接触部431の下方には、接触部431の下端に連設されて上下方向(Z方向)に延在する鉛直片432と、鉛直片432の下端に連設されて、前後方向(X方向)の後方に屈曲した屈曲部433と、屈曲部433の下端に連設されて上下方向(Z方向)に延在する位置決め片434と、が形成されている。
そして、コンタクト40をコンタクト収容空間360に収容した際に、位置決め片434が後壁320に形成された段差部323の鉛直面323bに前方から接触するようにしている(図5参照)。このとき、位置決め片434は鉛直面323bに接離可能に接触している。
また、本実施形態では、コンタクト40は、ばね片430が自由状態よりも鉛直片410側に位置するように弾性変形させた状態で、コンタクト収容空間360に収容されるようにしている。すなわち、位置決め片434を鉛直面323bに接触させた状態で、位置決め片434が鉛直面323bを押圧する(後側に付勢される)ようにしている。
このように、本実施形態では、コンタクト40は、鉛直片410が奥側鉛直面311bの上端との接触部位を基点として前方に弾性変形できるようにするとともに、ばね片430を鉛直片410に対して相対変位させることができるようにした状態で、コンタクト収容空間360に収容されている。すなわち、コンタクト収容空間360にコンタクト40を収容した状態で、鉛直片410における奥側鉛直面311bの上端との接触部位(幅広部411との境界部分)から位置決め片434までの略U字状の部位が、ばね部(弾性変形可能な部位)として機能するようにしている(図14および図15参照)。
また、本実施形態では、コンタクト40は、互いに隣り合う隔壁350,350の間に形成される溝部に大半が収容された状態でハウジング30に保持されており、接触部431の先端(後端)が、隔壁350の後面351よりも後側に位置し、ケーブル受入空間302(収容空間300)内に露出するようにしている(図13参照)。すなわち、コンタクト40がハウジング30に保持された状態(コンタクト40をコンタクト収容空間360に収容した状態)で、接触部431の少なくとも一部がケーブル受入空間302(収容空間300)内に存在する(配置される)ようにしている。
また、ケーブル20がケーブル受入空間302(収容空間300)に挿入されていない状態では、接触部431の先端と、後壁320の前面321(接触部431とケーブル厚さ方向で対向する面)との間に第1のギャップG1が形成されるようにしている。この第1のギャップG1は、ケーブル20の厚さ(挿入領域201における導体22aが露出する部分の厚さ)T1よりも小さくなるように形成されている(図13参照)。
このように、本実施形態では、コンタクト40をハウジング30に保持するとともに、収容空間300にケーブル20が挿入されていない状態で、ケーブル厚さ方向に広がる第1のギャップG1が形成されるようにしている。この第1のギャップG1は、ケーブル受入空間302(収容空間300)における接触部431が配置された部位に形成される間隔であり、接触部431よりもケーブル20が挿入される側に形成されるケーブル厚さ方向の間隔のことである。そして、この間隔(第1のギャップG1)がケーブル20の厚さT1よりも小さくなるようにしている。
また、本実施形態では、コンタクト40は、ケーブル挿抜方向に力が加えられたケーブル20によって第1のギャップG1が開く方向に弾性変形できるようにしている。
具体的には、ケーブル20をケーブル挿入開口300aから収容空間300に挿入する際にケーブル20の先端(挿入領域201)に加えられる下方(ケーブル挿抜方向の一方側)への力によって、接触部431が前方に移動するようにコンタクト40を弾性変形させている。すなわち、下方(ケーブル挿抜方向の一方側)に力が加えられたケーブル20を接触部431に当接させることでコンタクト40を弾性変形させて、接触部431が前方に移動するようにしている。こうすることで、第1のギャップG1(接触部431の先端と後壁320の前面321との間の間隔)が大きくなるようにしている。
このように、本実施形態では、コンタクト40をハウジング30に保持した状態でケーブル20を収容空間300内に挿入した際に、接触部431がケーブル20と当接するように、コンタクト40を構成している。そして、ケーブル挿抜方向(上下方向:Z方向)に力が加えられたケーブル20に接触部431が当接することで、コンタクト40が弾性変形するようにしている。
なお、本実施形態では、ケーブル20を収容空間300に挿入する際には、ケーブル20が接触部431の上面(上方かつ後方に凸となる円弧状の湾曲面)431aに最初に当接するようにしている。すなわち、湾曲部420のばね片430との連結部分よりも後側の位置でケーブル20がコンタクト40に当接するようにしている。このように、本実施形態では、コンタクト40は、湾曲部420の後端と後壁320の前面321との間の前後方向の間隔がケーブル20の厚さT1よりも大きくなるようにした状態で、コンタクト収容空間360に収容されている。こうすることで、ケーブル20を収容空間300に導入した際には、接触部431の上面431aがケーブル20の先端面20eと対向することとなって、ケーブル20の先端が接触部431の上面431aに当接することとなる。
なお、コンタクト40は、帯板状の金属部材に曲げ加工を施すことで上記の形状となるようにする必要はなく、例えば、金型等を用いて上記の形状をしたコンタクト40を製造することも可能である。また、コンタクト40を上記の形状とする必要もなく、コンタクト40の形状は様々な形状とすることが可能である。また、打抜き加工やプレス加工等によってコンタクト40を形成することも可能である。
ところで、本実施形態のように、いわゆるNON−ZIF(Non-Zero Insertion Force)タイプのコネクタ10とした場合、ケーブル20のハウジング30への保持をコンタクト40の弾性復元力だけで行うと、ケーブル保持力を高めることができず、ケーブル20がハウジング30から簡単に抜けてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、ケーブル保持力を高めることができるようにした。
このとき、いわゆるZIF(Zero Insertion Force)タイプのコネクタのように、アクチュエータ等の可動部材を用いてケーブル保持力を高めるようにすると、ケーブルの挿抜時にアクチュエータ等の可動部材を操作する必要があるため、ケーブルの挿抜作業性が悪化してしまう。
そのため、本実施形態では、ケーブルの挿抜作業性が悪化してしまうのを抑制することもできるようにした。
具体的には、コネクタ10が、ケーブル20に形成された保持孔(被ロック部)24に係合するロック部521,531を有するロック金具(ロック部材)50を備えるようにし、このロック金具50をハウジング30に保持させるようにした。
そして、ケーブル20自体をケーブル挿抜方向(Z方向)に押し込んだり引っ張ったりすることで、ロック金具50によるケーブル20のロックやロック解除も行えるようにした。
本実施形態では、ロック金具50は薄板状に形成されており、板厚方向を幅方向(Y方向)に略一致させた状態でハウジング30に形成されたロック金具収容空間370に下方から挿入されている(図6および図12参照)。このようなロック金具50は、例えば、薄板金属を打抜き加工することで形成することができる。
本実施形態では、ロック金具50は、基部510を備えており、この基部510の上部が圧入部511となっている。そして、この圧入部511を前壁310の後面311と後壁320の前面321との間に圧入することで、ロック金具50がハウジング30に保持されるようにしている。このように、本実施形態では、コンタクト40だけでなくロック金具50もハウジング30に圧入保持されるようにしている。このとき、圧入部511を含む基部510が、ハウジング30に対する相対移動が規制された状態で保持されている。
また、基部510の下端には、実装材料(半田およびフラックス)70によって回路基板(被実装部材)60に取り付けられる取付片(実装部)512が前後方向(X方向)の後方に延設されている。この取付片512は、ロック金具50のロック金具収容空間370への挿入時におけるロック金具50のハウジング30に対する最大挿入量を規制するストッパとして機能させることもできる。すなわち、ロック金具50のロック金具収容空間370への挿入時に、取付片512の上面を底壁340の下面に当接させることで、ロック金具50の上方への移動を規制させるようにすることができる。
また、取付片512は、ロック金具50をロック金具収容空間370に収容した状態で、先端が後壁320の後方に突出するように形成されている。そして、取付片512の先端(ハウジング30から突出した部分)が実装材料(半田およびフラックス)70によって半田付けされている(図6参照)。
このように、本実施形態では、コンタクト40の実装片413がハウジング30の前方で実装材料(半田およびフラックス)70によって半田付けされており、ロック金具50の取付片512がハウジング30の後方(実装片413とは、ハウジング30を挟んでケーブル厚さ方向の反対側)で実装材料(半田およびフラックス)70によって半田付けされている。
また、圧入部511の前部には、前壁310の近傍で上下方向(Z方向)に延在する略棒状の前側アーム部(第1のアーム部)520が連設されている。一方、圧入部511の後部には、前側アーム部520と前後方向(ケーブル厚さ方向)で対向し、後壁320の近傍で上下方向(Z方向)に延在する略棒状の後側アーム部(第2のアーム部)530が連設されている。そして、前側アーム部520および後側アーム部530は、それぞれ圧入部511に弾性変形可能に連設されており、圧入部511に対してXZ平面(前後方向および上下方向)に沿って相対移動できるようになっている。また、後側アーム部530は、前側アーム部520に対してXZ平面(前後方向および上下方向)に沿って相対移動できるようになっている。
そして、前側アーム部520の先端部には、後方(挿入したケーブル20)に向かって突出したロック部521が形成されており、後側アーム部530の先端部には、前方(挿入したケーブル20)に向かって突出したロック部531が形成されている。
本実施形態では、ロック部521は、開口側傾斜面521aおよび奥側傾斜面521bで画成された略山型の突起となっており、開口側傾斜面521aの方が奥側傾斜面521bよりも傾斜が緩くなるようにロック部521を形成している。すなわち、開口側傾斜面521aの方が奥側傾斜面521bよりも、幅方向および上下方向に延在する鉛直面(YZ平面)とのなす角(鋭角)が小さくなるようにしている。
また、ロック部531は、開口側傾斜面531aおよび奥側傾斜面531bで画成された略山型の突起となっており、開口側傾斜面531aの方が奥側傾斜面531bよりも傾斜が緩くなるようにロック部531を形成している。すなわち、開口側傾斜面531aの方が奥側傾斜面531bよりも、幅方向および上下方向に延在する鉛直面(YZ平面)とのなす角(鋭角)が小さくなるようにしている。
そして、ロック部521およびロック部531は、前後方向(ケーブル厚さ方向)に対向するように形成されている。すなわち、ロック部521およびロック部531は、ロック部材50をハウジング30に保持した状態で、Y方向(ケーブル挿抜方向およびケーブル厚さ方向と直交する方向)に沿って視た際に、Z方向(ケーブル挿抜方向)において略同位置となるように形成されている。
さらに、ロック部521およびロック部531は、ロック金具50をハウジング30に保持するとともに、ケーブル20をハウジング30の収容空間300に挿入した状態(挿入完了状態)で、ケーブル20の保持孔(非ロック部)24と対応する位置に存在するように形成されている。すなわち、挿入完了状態において、ロック部521およびロック部531が保持孔24に係止されるように、前側アーム部520および後側アーム部530のアーム長をそれぞれ設定している。
そして、コンタクト40およびロック部材50をハウジング30に保持した状態で、Y方向(ケーブル挿抜方向およびケーブル厚さ方向と直交する方向)に沿って視た際に、接触部431およびロック部521,531がZ方向(ケーブル挿抜方向)において略同位置となるようにしている(図6参照)。すなわち、本実施形態では、コンタクト40およびロック部材50をハウジング30に保持した状態で、接触部431およびロック部521,531が幅方向(Y方向)に略一直線上に並ぶようにしている。
なお、本実施形態では、ロック金具収容空間370が形成された部位における後壁320に、前方および下方に開口する溝部324が形成されており、この溝部324内に後側アーム部530の大半が収容されるようにしている(図6参照)。そして、ロック部材50をハウジング30に保持し、ケーブル受入空間302(収容空間300)にケーブル20が挿入されていない状態では、後側アーム部530のロック部531がケーブル受入部300内(溝部324の外側:ケーブル受入空間302内)に露出するようにしている。
すなわち、ロック金具収容空間370が形成された部位における後壁320の前面321は、上部(開口側)に位置し、上下方向に延在する開口側鉛直面321bと、開口側鉛直面321bの下端(奥側の端縁)から後方に延設された水平面321cと、水平面321cの後端に連設され、上下方向に延在する奥側鉛直面321dと、を有する屈曲面となっている。そして、ロック金具50をハウジング30に保持させた状態で、ロック部531の先端が、開口側鉛直面321bよりも前側に位置し、ケーブル受入空間302(収容空間300)内に露出するようにしている。
すなわち、ロック金具50がハウジング30に保持された状態(ロック金具50をロック金具収容空間370に収容した状態)で、ロック部521,531の少なくとも一部がケーブル受入空間302(収容空間300)内に存在する(配置される)ようにしている。
一方、前側アーム部520は、互いに隣り合う隔壁350A,350Aの間に形成される溝部に大半が収容された状態でハウジング30に保持されており、ロック部521の先端が、隔壁350Aの後面351Aよりも後側に位置し、ケーブル受入空間302(収容空間300)内に露出している。
そして、ケーブル20がケーブル受入空間302(収容空間300)に挿入されていない状態では、ロック部521の先端(後端)と、ロック部531の先端(前端)との間に第2のギャップG2が形成されるようにしている。この第2のギャップG2も、ケーブル20の厚さ(挿入領域201における導体22aが露出する部分の厚さ)T1よりも小さくなるように形成されている(図16参照)。
このように、本実施形態では、ロック金具50をハウジング30に保持するとともに、収容空間300にケーブル20が挿入されていない状態で、ケーブル厚さ方向に広がる第2のギャップG2が形成されるようにしている。この第2のギャップG2は、ケーブル受入空間302(収容空間300)におけるロック部521,531が配置された部位に形成される間隔であり、ロック部521,531よりもケーブル20が挿入される側(ロック部521とロック部531との間)に形成されるケーブル厚さ方向の間隔のことである。そして、この間隔(第2のギャップG2)がケーブル20の厚さT1よりも小さくなるようにしている。
さらに、本実施形態では、ロック金具50をロック金具収容空間370に収容した状態で、前側アーム部520の前面と前壁310の後面311とが隙間を介して対向し、後側アーム部530の後面と後壁320の前面321とが隙間を介して対向するようにしている。こうすることで、前側アーム部520が圧入部511との連結側を基点として前方に弾性変形できるようにし、後側アーム部530が圧入部511との連結側を基点として後方に弾性変形できるようにしている。
そして、ロック金具50が、ケーブル挿抜方向に力が加えられたケーブル20によって第2のギャップG2が開く方向に弾性変形できるようにしている。
具体的には、ケーブル20をケーブル挿入開口300aから収容空間300に挿入する際にケーブル20の先端(挿入領域201)に加えられる下方(ケーブル挿抜方向の一方側)への力によって、ロック部521が前方に移動するように前側アーム部520を弾性変形させるとともに、ロック部531が後方に移動するように後側アーム部530を弾性変形させるようにしている。すなわち、下方(ケーブル挿抜方向の一方側)に力が加えられたケーブル20をロック部521,531に当接させることでロック金具50を弾性変形させて、ロック部521が前方に、ロック部531が後方に移動するようにしている。こうすることで、第2のギャップG2(ロック部521とロック部531との間の間隔)が大きくなるようにしている。
このように、本実施形態では、ロック金具50をハウジング30に保持した状態でケーブル20を収容空間300内に挿入した際に、ロック部521,531がケーブル20と当接するように、ロック金具50を構成している。そして、ケーブル挿抜方向(上下方向:Z方向)に力が加えられたケーブル20にロック部521,531が当接することで、ロック金具50が弾性変形するようにしている。
なお、本実施形態では、ケーブル20を収容空間300に挿入する際には、ケーブル20がロック部521,531の開口側傾斜面521a,531aに最初に当接するようにしている。すなわち、ロック金具50は、ケーブル20の先端(挿入領域201)を開口側鉛直面321bに当接させた状態で、開口側傾斜面521aの上端がケーブル20の前面20aよりも前方に位置するとともに、開口側傾斜面531aの上端がケーブル20の後面20bよりも後方に位置するように、ロック金具収容空間370に収容されている。
こうすることで、ケーブル20を収容空間300に挿入した際に、ケーブル20の先端が開口側傾斜面521a,531aに当接するようにしている。
また、本実施形態では、ロック金具50は、上方(ケーブル挿抜方向の他方側:ケーブル20を抜去させる際にケーブル20が移動する方向)への力が加えられたケーブル20にロック部521,531が当接することによっても、第2のギャップG2が開く方向に弾性変形できるようにしている。
すなわち、収容空間300内に挿入されたケーブル20を抜去する際には、ケーブル20がロック部521,531の奥側傾斜面521b,531bに当接するようにしている。そして、上方(ケーブル挿抜方向の他方側)に力が加えられたケーブル20をロック部521,531の奥側傾斜面521b,531bに当接させることでロック金具50を弾性変形させて、ロック部521が前方に、ロック部531が後方に移動するようにしている。
このように、本実施形態では、コンタクト40およびロック金具50がハウジング30に保持された状態で、接触部431の少なくとも一部およびロック部521,531の少なくとも一部が収容空間300内に存在するようにしている。
そして、コンタクト40およびロック金具50が保持されたハウジング30をケーブル挿抜方向に沿って視た状態で、収容空間300内に導入されたケーブル20を下方に移動させた場合に、接触部431の一部(収容空間300内に存在する先端部)がケーブル20の先端面20eと重なり合うとともに、ロック部521,531の一部(収容空間300内に存在する先端部)がケーブル20の先端面20eと重なり合うようにしている。
こうすることで、ケーブル20を収容空間300内に挿入するときには、ケーブル20が必ず接触部431およびロック部521,531に当接するようにしている。すなわち、コネクタ10の構成を、コンタクト40およびロック金具50の両方を弾性変形させなければ、ケーブル20を収容空間300の奥側まで挿入することができない構成としている。
本実施形態では、ケーブル20の先端面20eが収容空間300のケーブル受入空間302内に導入されているがコンタクト40およびロック金具50には接触していない状態をケーブル挿抜方向に沿って視た際に、接触部431の一部およびロック部521,531の一部が先端面20eと重なり合うようにしている。
ケーブル受入空間302は、収容空間300の奥側(下部)に形成されており、ハウジング30の内面の下部によって画成されている。
具体的には、収容空間300は、ケーブル挿抜方向に延在するように形成されており、前壁310側の内面を多段状とすることで、ケーブル挿入開口300a側から奥側に向けて段階的に狭く(ケーブル厚さ方向の間隔が狭く)なるように形成されている。そして、収容空間300のうちケーブル厚さ方向の間隔が最も狭くなる奥側がケーブル受入空間302となっている。
また、ハウジング30をケーブル挿入開口300a側からケーブル挿抜方向に沿って視た場合にケーブル受入空間302となる領域には、幅方向に細長い略長方形状の領域R1が含まれている(図19参照)。この領域R1は、鉛直面351bAと奥側鉛直面351dとを結ぶ線分により前方が画成されている。また、領域R1は、後壁320の前面(第2の内面)321により後方が画成されており、一対の連結壁330,330の側面(第3の内面)331,331により側方が画成されている。
そして、領域R1は、ケーブル20の先端面20eよりも一回り大きくなっており、この領域R1が、下方に移動させたケーブル20を受け入れることが可能なケーブル受入開口となっている。
ここで、本実施形態では、コンタクト40は、図19に示すように、接触部431の先端側が領域R1に存在するようにした状態でハウジング30に保持されている。
このとき、領域R1の後方を画成する後壁320の前面321と接触部431の先端(後端)との間には、ケーブル厚さ方向の間隔D1が形成されることとなる。この間隔(領域R1に形成されるケーブル厚さ方向の間隔)D1は、ケーブル20の先端面20eを接触部431よりも奥側に移動させる際に先端面20eが通過する隙間で、ケーブル20の厚さT1よりも小さくなっている。本実施形態では、領域R1に形成されるケーブル厚さ方向の間隔D1が第1のギャップG1となっている。
また、ロック金具50も、ロック部521,531の先端側が領域R1に存在するようにした状態でハウジング30に保持されている(図19参照)。
このとき、互いにケーブル厚さ方向で対向するロック部521の先端とロック部531の先端との間には、ケーブル厚さ方向の間隔D2が形成されることとなる。この間隔(領域R1に形成されるケーブル厚さ方向の間隔)D2は、ケーブル20の先端面20eをロック部521,531よりも奥側に移動させる際に先端面20eが通過する隙間で、ケーブル20の厚さT1よりも小さくなっている。本実施形態では、領域R1に形成されるケーブル厚さ方向の間隔D2が第2のギャップG2となっている。
さらに、本実施形態では、ケーブル受入空間302の後方を画成する後壁320の前面321にケーブル20の後面20bを接触させた状態における先端面20eをケーブル挿抜方向に沿って視たとき(図19に示す状態のとき)に、接触部431の上面431aが、ケーブル20の先端面20eの前辺20fによって前後に分断されるようにしている。
また、図19に示す状態のときに、ロック部521の開口側傾斜面521aが、ケーブル20の先端面20eの前辺20fによって前後に分断されるとともに、ロック部531の開口側傾斜面531aが、ケーブル20の先端面20eの後辺20gによって前後に分断されるようにしている。
こうすることで、ケーブル20をケーブル受入空間302内に挿入させる際に、接触部431の上面431aおよびロック部521,531の開口側傾斜面521a,531aにケーブル20が接触するようにしている。すなわち、ケーブル20をケーブル受入空間302内に挿入させる際に、ケーブル20がコンタクト40の接触部431以外の部位にあたることでコンタクト40の弾性変形が阻害されてしまうことを抑制できるようにしている。さらに、ロック金具50のロック部521,531以外の部位にあたることでロック金具50の弾性変形が阻害されてしまうことも抑制できるようにしている。
このように、本実施形態では、ケーブル20の先端面20eをコンタクト40およびロック金具50の近傍に配置させた状態におけるケーブル20の先端面20eをケーブル挿抜方向に沿って視た場合に、先端側の一部のみが先端面20eと重なり合うように接触部431およびロック部521,531を構成している。
こうすれば、収容空間300内にケーブル20の先端面20eが導入されてから挿入完了状態となるまでの間で、ケーブル20を接触部431およびロック部521,531に当接させることができ、コンタクト40およびロック金具50をより確実に弾性変形させることができるようになる。
なお、ロック金具50は、薄板金属を打抜き加工することで上記の形状となるようにする必要はなく、例えば、金型等を用いて上記の形状をしたロック金具50を製造することも可能である。
また、ロック金具50を上記の形状とする必要もなく、ロック金具50の形状は様々な形状とすることが可能である。例えば、ハウジング30の前壁310には、下方に開口する圧入凹部312が形成されており、この圧入凹部312に圧入される圧入突起が形成されたロック金具とすることができる。なお、本実施形態では、前壁310に圧入凹部312を設けないようにすることができる。
また、帯板状の金属部材に曲げ加工を施すことやプレス加工等によってロック金具50を形成することも可能である。
次に、ケーブル挿抜時におけるコンタクト40およびロック金具50の動作を、図13〜図18に基づいて説明する。
まず、ケーブル20のケーブル受入空間302(収容空間300)内への挿入途中、かつ、ケーブル20がコンタクト40に接触していない状態のときには、図13に示すように、ケーブル20の挿入領域201の先端は、コンタクト40の接触部431とは離間した状態で配置されている。このとき、ケーブル20の挿入領域201の先端(下端)は、接触部431の上面431aと隙間を介して上下方向に対向している。
また、ケーブル20がコンタクト40に接触していない状態のときには、図16に示すように、ケーブル20は、ロック金具50にも接触していない状態となっている。すなわち、ケーブル20の挿入領域201の先端は、ロック金具50のロック部521,531とは離間した状態で配置されている。このとき、ケーブル20の挿入領域201の先端は、開口側傾斜面521aおよび開口側傾斜面531aと隙間を介して上下方向に対向している。
したがって、図13および図16に示す状態では、ケーブル20は、コンタクト40にもロック金具50にも接触していない非接触状態となっている。
そして、非接触状態のケーブル20を収容空間300の奥側にさらに挿入すると、ケーブル20の先端が接触部431の上面431aに当接することとなる。また、ケーブル20の先端は、接触部431の上面431aへの当接とほぼ同時に、ロック部521,531の開口側傾斜面521a,531aに当接することとなる。
その後、ケーブル20の先端を、接触部431の上面431aおよび開口側傾斜面521a,531aに当接させた状態でケーブル20を所定値以上の力で下方にさらに押し込むと、ケーブル20の上面431aとの当接位置および開口側傾斜面521a,531aとの当接位置が先端側(上面431aおよび開口側傾斜面521aは後側、開口側傾斜面531aは前側)に移動することとなる。
このように、ケーブル20の上面431aとの当接位置を、先端側に移動させることで、接触部431が前方に移動するようにコンタクト40が弾性変形することとなる。具体的には、鉛直片410が奥側鉛直面311bの上端との接触部位を基点として前方に弾性変形するとともに、湾曲部420が撓んで、ばね片430が鉛直片410に向けて相対変位することとなる(図14参照)。
また、ケーブル20の開口側傾斜面521a,531aとの当接位置を先端(ロック部521,531の先端)側に移動させることで、ロック部521の先端が前方に移動するように前側アーム部520が弾性変形するとともに、ロック部531の先端が後方に移動するように後側アーム部530が弾性変形することとなる。具体的には、前側アーム部520が圧入部511との連結側を基点として前方に弾性変形するとともに、後側アーム部530が圧入部511との連結側を基点として後方に弾性変形することとなる(図17参照)。
すなわち、コンタクト40およびロック金具50は、ケーブル20の先端(挿入領域201)に加えられる下方(ケーブル挿抜方向の一方側)への力によって、第1のギャップG1および第2のギャップG2が開く方向に弾性変形することとなる。
そして、ケーブル20の上面431aとの当接位置が先端まで移動すると、コンタクト40の弾性復元力によって接触部431が導体22aを押圧することとなり、接触部431が導体22aに圧接することとなる(図14参照)。また、ケーブル20の開口側傾斜面521a,531aとの当接位置が先端まで移動すると、前側アーム部520の弾性復元力によってロック部521の先端がケーブル20の前面20aを押圧し、後側アーム部530の弾性復元力によってロック部531の先端がケーブル20の後面20bを押圧することとなる(図17参照)。このとき、ケーブル20の保持孔24よりも先端側(下側)が、前側アーム部520のロック部521および後側アーム部530のロック部531によって挟持されることとなる。
このように、図14および図17に示す状態では、ケーブル20は、ケーブル受入空間302(収容空間300)への挿入途中で、ケーブル20に接触部431およびロック部521,531を圧接させた状態(挿入途中状態)となっている。そして、この挿入途中状態では、ケーブル20を上下方向(ケーブル挿抜方向)に移動させた際には、接触部431が所定の接圧を持って導体22a上を摺動することとなる。また、ロック部521の先端が所定の接圧を持ってケーブル20の前面20a上を摺動し、ロック部531の先端が所定の接圧を持ってケーブル20の後面20b上を摺動することとなる。
したがって、接触部431による押圧力およびロック部521およびロック部531による挟持力に抗してケーブル20をさらに下方に押し込むと、接触部431が導体22a上を摺動しながらケーブル20がハウジング30の下方に移動することとなる(図15参照)。また、ロック部521の先端がケーブル20の前面20a上を摺動し、ロック部531の先端がケーブル20の後面20b上を摺動することとなる。すなわち、ケーブル20は、前側アーム部520のロック部521および後側アーム部530のロック部531によって挟持されながら、ハウジング30の下方に移動することとなる。
そして、ケーブル20の先端(下端)が段差部323の水平面323aに接触するまでケーブル20を下方に押し込むようにすると、コンタクト40の接触部431が、導体22a上をさらに摺動して、導体22aの本体部20c側の部位を圧接することとなる(図15参照)。
一方、前側アーム部520のロック部521および後側アーム部530のロック部531は、ケーブル20の先端(下端)が段差部323の水平面323aに接触する前に、保持孔24に導入されるようになっている(図18参照)。すなわち、ケーブル20をケーブル受入空間302(収容空間300)の最奥部まで押し込む直前に、ロック金具50のロック部521,531が保持孔24に係合して、ケーブル20がロック金具50によりロックされるようになっている。
この図15および図18に示す状態では、ケーブル20は、ケーブル受入空間302(収容空間300)への挿入が完了した状態(挿入完了状態)となっている。そして、この挿入完了状態では、ケーブル20は、ロック金具50によってロックされた状態で、コンタクト40に導通接続されている。
なお、挿入完了状態においては、ロック部521,531の奥側傾斜面521b,531bが保持孔24の内側面24aと対向しており、奥側傾斜面521b,531bが保持孔24の内側面24aに係止されることで、ケーブル20の抜け止めがなされるようにしている。
このように、本実施形態では、図13〜図15に示すように、ケーブル20自体を下方に押し込むことで、コンタクト40を弾性変形させ、コンタクト40の接触部431をケーブル20の導体22aに接触させることができるようにしている。
具体的には、コンタクト40を弾性変形させて、上下方向(ケーブル挿抜方向)に延在する導体22aの先端側から本体部20c側に向けてコンタクト40の接触部431を摺動させることで、接触部431が導体22aの本体部20c側の部位を圧接するようにしている。
また、図16〜図17に示すように、ケーブル20自体を下方に押し込むことで、ロック金具50のアーム部(前側アーム部520および後側アーム部530)を弾性変形させ、前側アーム部520のロック部521および後側アーム部530のロック部531をケーブル20の保持孔24に係止(係合)させることができるようにしている。
具体的には、ロック部521がケーブル20の先端を前面20a側から乗り越えて、保持孔24に係止(係合)されるようにしており、ロック部531がケーブル20の先端を後面20b側から乗り越えて、保持孔24に係止(係合)されるようにしている。すなわち、ロック金具50に形成されたロック部521,531がケーブル厚さ方向の両側から保持孔(非ロック部)24に係止(係合)されるようにしている。
このとき、前側アーム部520は、ロック部521の先端が前方に移動するように弾性変形しており、後側アーム部530は、ロック部531の先端が後方に移動するように弾性変形している。すなわち、前側アーム部520および後側アーム部530は、それぞれ板厚方向と交差する方向に弾性変形させることで、ロック部521およびロック部531を保持孔24に係止(係合)させるようにしている。
なお、コンタクト40は、板厚方向に弾性変形させることで、接触部431をケーブル20の導体22aに圧接させる(導通接続させる)ようにしている。
また、本実施形態では、上述したように、ケーブル20の先端(下端)が段差部323の水平面323aに接触する前に、ロック部521およびロック部531が保持孔24内に導入されるようにしている。すなわち、ロック部521,531を保持孔24内に導入した状態で、ケーブル20を下方に移動させる(段差部323の水平面323aに接触させる)ために必要な力(ケーブル挿入力)が、図14および図17に示す状態(挿入途中状態)のときよりも小さくなるようにしている。こうすることで、ケーブル20がロック部521,531によってロックされるときにクリック感が得られるようにし、このクリック感によってケーブル20のハウジング30への挿入が完了したことを確認できるようにしている。
一方、挿入完了状態のケーブル20を上方に引っ張った場合には、ケーブル20の先端(挿入領域201)に加えられる上方(ケーブル挿抜方向の他方側)への力によって、接触部431を導体22aの本体部20c側から先端側に摺動させるようにしている。
さらに、ケーブル20の先端(挿入領域201)に加えられる上方(ケーブル挿抜方向の他方側)への力によって、前側アーム部520をロック部521が前方に移動するように弾性変形させ、後側アーム部530をロック部531が後方に移動するように弾性変形させるようにしている。
具体的には、挿入完了状態のケーブル20を上方に引っ張った際には、ケーブル20の保持孔24の内側面24aが奥側傾斜面521b,531bに当接するようにしている。
そして、保持孔24の内側面24aを奥側傾斜面521b,531bに当接させた状態でケーブル20を上方に所定値以上の力で引っ張った際に、ケーブル20の奥側傾斜面521bとの当接位置を先端(ロック部521の先端)側に移動させて、ロック部521の先端が前方に移動するように前側アーム部520を弾性変形させるようにしている。また、ケーブル20の奥側傾斜面531bとの当接位置を先端(ロック部531の先端)側に移動させて、ロック部531の先端が後方に移動するように後側アーム部530を弾性変形させるようにしている。
したがって、挿入完了状態のケーブル20を上方に引っ張った場合には、コンタクト40およびロック金具50が下記のように動作することとなる。
まず初めに、挿入完了状態にあるケーブル20を上方に引っ張ると、コンタクト40の接触部431が導体22a上をケーブル挿入時とは逆方向(本体部20c側から先端側)に摺動することとなる。そして、接触部431の導体22a上の摺動の途中で、ロック部521,531の奥側傾斜面521b,531bが保持孔24の内側面24aに当接することとなる。
その後、ロック部521,531の奥側傾斜面521b,531bを保持孔24の内側面24aに当接させた状態でケーブル20を所定値以上の力で上方にさらに引っ張ると、内側面24aの奥側傾斜面521b,531bとの当接位置が先端側に移動することとなる。すなわち、保持孔24の内側面24a(ケーブル20の挿入領域201)に加えられる上方(ケーブル挿抜方向の他方側)への力によって、ロック部521が前方に移動するように前側アーム部520が弾性変形し、ロック部531が後方に移動するように後側アーム部530が弾性変形することとなる。
そして、内側面24aの奥側傾斜面521b,531bとの当接位置が先端まで移動すると、前側アーム部520の弾性復元力によってロック部521の先端がケーブル20の前面20aを押圧し、後側アーム部530の弾性復元力によってロック部531の先端がケーブル20の後面20bを押圧することとなる。すなわち、ケーブル20の保持孔24よりも先端側(下側)が、前側アーム部520のロック部521および後側アーム部530のロック部531によって挟持されることとなる。
こうすることで、前側アーム部520のロック部521および後側アーム部530のロック部531によるケーブル20の保持孔24の係止(係合)が解除されて、ケーブル20は、図14および図17に示す状態(挿入途中状態)となる。なお、ケーブル20が、挿入完了状態から挿入途中状態まで移動する間、コンタクト40の接触部431は、導体22a上をケーブル挿入時とは逆方向(本体部20c側から先端側)に摺動している。
そして、挿入途中状態となったケーブル20を、接触部431による押圧力およびロック部521およびロック部531による挟持力に抗してさらに上方に引っ張ると、ロック部521の先端がケーブル20の前面20a上をケーブル20の先端側に向けて摺動することとなる。また、ロック部531の先端がケーブル20の後面20b上をケーブル20の先端側に向けて摺動することとなる。
すなわち、ケーブル20は、前側アーム部520のロック部521および後側アーム部530のロック部531によって挟持されながら、ハウジング30の上方に移動することとなる。このとき、コンタクト40の接触部431は、導体22a上をケーブル20の先端側に向けて摺動することとなる。
そして、ケーブル20の先端(下端)が接触部431を過ぎることで、接触部431と導体22aとが非接触状態となって、ケーブル20のコンタクト40との導通接続が解除されることとなる。すなわち、コンタクト40が元の状態(ハウジング30に保持されただけの状態)に戻ることとなる。
また、ケーブル20のコンタクト40との導通接続が解除されるのとほぼ同時に、ケーブル20の先端(下端)がロック部521の先端およびロック部531の先端を過ぎることとなる。このように、ケーブル20の先端(下端)がロック部521の先端およびロック部531の先端を過ぎることで、ケーブル20の先端とロック部521,531とが非接触状態となって、ロック金具50によるケーブル20のロックが解除されることとなる。すなわち、ロック金具50も元の状態(ハウジング30に保持されただけの状態)に戻ることとなる。
こうすることで、ケーブル20のコンタクト40との導通接続が解除されるとともに、ケーブル20のロック金具50によるロックが解除されて、ケーブル20のハウジング30からの抜去が完了することとなる。
このように、本実施形態では、ケーブル20自体を上方に引っ張ることで、導体22aの本体部20c側の部位を圧接する接触部431をケーブル20の先端側に摺動させ、ケーブル20のコンタクト40との導通接続が解除されるようにしている。
また、ケーブル20自体を上方に引っ張ることで、ロック金具50のアーム部(前側アーム部520および後側アーム部530)を弾性変形させ、前側アーム部520のロック部521および後側アーム部530のロック部531によるケーブル20のロックが解除されるようにしている。
すなわち、ケーブル20自体を上方に引っ張ることで、ケーブル20をハウジング30から抜き去ることができるようにしている。
なお、本実施形態では、ロック部521は、奥側傾斜面521bの方が開口側傾斜面521aよりも傾斜がきつくなるようにしており、ロック部531は、奥側傾斜面531bの方が開口側傾斜面531aよりも傾斜がきつくなるようにしている。こうすることで、ロック部521およびロック部531の保持孔24への係止(係合)を解除させる際に必要な引っ張り力が、ロック部521およびロック部531を保持孔24に係止(係合)させる際に必要な押し込み力よりも大きくなるようにしている。
そのため、ロック部521およびロック部531の保持孔24への係止(係合)を解除させる際には、ロック部521およびロック部531を保持孔24に係止(係合)させる際に必要な押し込み力よりも大きな引っ張り力が必要となる。
したがって、挿入完了状態にあるケーブル20を、ロック部521およびロック部531を保持孔24に係止(係合)させる際に必要な力以下で上方に引っ張ったとしても、奥側傾斜面521b,531bの保持孔24の内側面24aへの係止が解除されないようになっている。すなわち、挿入完了状態にあるケーブル20を、ロック部521およびロック部531を保持孔24に係止(係合)させる際に必要な力以下で上方に引っ張った場合には、ケーブル20の上方(ケーブル挿抜方向の他方側)への移動が規制されて、ケーブル20の抜け止めがなされるようにしている。
以上説明したように、本実施形態にかかるコネクタ10は、シート状のケーブル20が挿抜される収容空間300が形成されたハウジング30を備えている。また、コネクタ10は、ケーブル20に形成された導体22aに電気的に接続される接触部431を有し、ハウジング30に保持されるコンタクト(端子)40を備えている。さらに、コネクタ10は、ケーブル20に形成された保持孔(被ロック部)24に係合するロック部521,531を有し、ハウジング30に保持されるロック金具(ロック部材)50を備えている。
また、コンタクト40は、当該コンタクト40をハウジング30に保持した状態でケーブル20を収容空間300内に挿入した際に、接触部431がケーブル20と当接するように構成されている。
また、ロック金具50は、当該ロック金具50をハウジング30に保持した状態でケーブル20を収容空間300内に挿入した際に、ロック部521,531がケーブル20と当接するように構成されている。
そして、ケーブル挿抜方向(上下方向:Z方向)に力が加えられたケーブル20が接触部431に当接することでコンタクト40が弾性変形するようにしている。
さらに、ケーブル挿抜方向(上下方向:Z方向)に力が加えられたケーブル20がロック521,531に当接することでロック金具50が弾性変形するようにしている。
このように、本実施形態にかかるコネクタ10は、ロック部材としてのロック金具50を備えている。そのため、ハウジング30内に挿入されたケーブル20のケーブル保持力をより高めることができる。
また、コンタクト40およびロック金具50は、ケーブル挿抜方向(上下方向:Z方向)に力が加えられたケーブル20によって弾性変形するように構成されている。
こうすることで、ケーブル20自体にケーブル挿抜方向の力を加えるだけで、ケーブル20とコンタクト40とを導通接続させたり、ケーブル20とコンタクト40との導通接続を解除させたりすることができるようになる。さらに、ケーブル20自体にケーブル挿抜方向の力を加えるだけで、ロック金具50のロック部521,531によってケーブル20をロックさせたり、ケーブル20のロックを解除させたりすることができるようになる。
すなわち、アクチュエータ等の可動部材やロック解除機構をハウジング30の外部に露出するように設けることなく、ハウジング30に対するケーブル20の挿抜を行うことができるようになる。
その結果、アクチュエータ等の可動部材やロック解除機構を操作することなくケーブル20のハウジング30に対する挿抜を行うことができるようになるため、ケーブル20の挿抜作業性が悪化してしまうのを抑制することができるようになる。
このように、本実施形態によれば、ケーブル保持力を高めつつ、ケーブル20の挿抜作業性が悪化してしまうのを抑制することのできるコネクタ10を得ることができる。
また、アクチュエータ等の可動部材やロック解除機構をハウジング30の外部に設ける必要がないため、コネクタ10の組立作業性をより向上させることができる。
また、アクチュエータ等の可動部材やロック解除機構をハウジング30の外部に露出させる必要がないため、コネクタ10の外郭形状(ハウジング30の形状)をより簡素な形状とすることができ、より容易に製造することが可能となる。また、コネクタ10の小型化を図ることもできるようになる。
また、アクチュエータ等の可動部材やロック解除機構を操作するためのスペースをコネクタ10の周囲に確保する必要がなくなるため、回路基板(被実装部材)60への実装時に必要なスペースをより小さくすることができる。すなわち、回路基板60上の比較的小さな実装スペースにもコネクタ10を実装させることができるようになる。このように、本実施形態にかかるコネクタ10を用いれば、回路基板(被実装部材)60の実装スペースをより有効活用することができるようになる。
また、本実施形態では、コンタクト40をハウジング30に保持するとともに、収容空間300にケーブル20が挿入されていない状態で、収容空間300における接触部431が配置された部位に、ケーブル20が挿入される側のケーブル厚さ方向(前後方向:X方向)の間隔がケーブル20の厚さT1よりも小さい第1のギャップG1が形成されるようにしている。
さらに、コンタクト40は、ケーブル挿抜方向(上下方向:Z方向)に力が加えられたケーブル20によって第1のギャップG1が開く方向に弾性変形できるように、ハウジング30に保持されている。
また、ロック金具50をハウジング30に保持するとともに、収容空間300にケーブル20が挿入されていない状態で、収容空間300におけるロック部521,531が配置された部位には、ケーブル20が挿入される側のケーブル厚さ方向の間隔がケーブルの厚さT1よりも小さい第2のギャップG2が形成されている。
さらに、ロック金具50は、ケーブル挿抜方向に力が加えられたケーブル20によって第2のギャップG2が開く方向に弾性変形できるように、ハウジング30に保持されている。
このように、本実施形態では、コンタクト40およびロック金具50は、第1のギャップG1および第2のギャップG2がケーブル20の厚さT1よりも小さくなるようにした状態で、ハウジング30に保持されている。そして、ケーブル20に加えられるケーブル挿抜方向の力によって、コンタクト40およびロック金具50を第1のギャップG1および第2のギャップG2が開く方向に弾性変形させることができるようにしている。
こうすることで、より簡素な構成で、ケーブル20とコンタクト40とを導通接続させたり、ケーブル20とコンタクト40との導通接続を解除させたりすることができるようになる。また、より確実に、ロック金具50のロック部521,531によってケーブル20をロックさせたり、ロック部521,531によるケーブル20のロックを解除させたりすることができるようになる。
また、本実施形態では、コンタクト40およびロック金具50が保持されたハウジング30をケーブル挿抜方向に沿って視た状態で、収容空間300内に導入されたケーブル20を下方に移動させた場合に、接触部431の一部(収容空間300内に存在する先端部)がケーブル20の先端面20eと重なり合うとともに、ロック部521,531の一部(収容空間300内に存在する先端部)がケーブル20の先端面20eと重なり合うようにしている。
こうすれば、ケーブル20を挿入する際に、より確実にケーブル20を接触部431およびロック部521,531に当接させることができるようになる。その結果、より確実に、ケーブル20とコンタクト40とを導通接続させたり、ケーブル20とコンタクト40との導通接続を解除させたりすることができるようになる。また、より確実に、ロック金具50のロック部521,531によってケーブル20をロックさせたり、ロック部521,531によるケーブル20のロックを解除させたりすることができるようになる。
また、本実施形態では、コンタクト40が、板状の部材を板厚方向に曲げた形状をしている。そして、コンタクト40を板厚方向に弾性変形させることで、コンタクト40の接触部431をケーブル20の導体22aに接触させるようにしている。
こうすることで、コンタクト40が塑性変形してしまうのが抑制され、より確実にコンタクト40の接触部431をケーブル20の導体22aに接触させることができるようになる。
また、本実施形態では、ロック金具50が薄板状に形成されており、ロック金具50を板厚方向と交差する方向に弾性変形させることで、ロック部521,531を保持孔24に係合させるようにしている。
こうすることで、ロック金具50を弾性変形させにくくすることができ、ロック金具50によるケーブル20のロック力をより高めることができるようになる。その結果、ケーブル20がハウジング30から意図せずに抜けてしまうのをより確実に抑制することができるようになる。
また、本実施形態では、コンタクト40が、下側(ハウジング30のケーブル挿入開口300aが形成された側とは反対側)からハウジング30に挿入されている。
こうすることで、ハウジング30に挿入されたケーブル20を抜き去る際に、コンタクト40がハウジング30に対して上側(ケーブル挿入開口300aが形成された側)に相対移動してしまうのを抑制することができるようになる。したがって、ハウジング30に挿入されたケーブル20を抜き去る際に、コンタクト40がハウジング30から抜けてしまうのを抑制することができるようになる。
また、本実施形態では、ロック金具50が、下側(ハウジング30のケーブル挿入開口300aが形成された側とは反対側)からハウジング30に挿入されている。
こうすることで、ハウジング30に挿入されたケーブル20を抜き去る際に、ロック金具50がハウジング30に対して上側(ケーブル挿入開口300aが形成された側)に相対移動してしまうのを抑制することができるようになる。したがって、ハウジング30に挿入されたケーブル20を抜き去る際に、ロック金具50がハウジング30から抜けてしまうのを抑制することができるようになる。
また、本実施形態では、ロック金具50を複数備えている。
こうすれば、ロック金具50によるケーブル20のロック力をより高めることができ、ケーブル20がハウジング30から意図せずに抜けてしまうのをより確実に抑制することができるようになる。
また、ロック金具50を複数備えることで、ロック部521,531が保持孔24に係合された際のケーブル挿入力の落ち込み量をより大きくすることができるようになるため、ケーブル20がロック部521,531によってロックされるときに、より明確なクリック感を得ることができるようになる。
また、本実施形態では、ロック部521,531が、ケーブル厚さ方向の両側から保持孔24に係合するようにしている。
このように、ロック部521,531をケーブル厚さ方向の両側から保持孔24に係合させるようにすれば、ロック時やロック解除時には、ロック金具50をケーブル厚さ方向の一方側および他方側にそれぞれ弾性変形させることになる。そのため、保持孔24との係合代を同量とした場合、ケーブル厚さ方向の一方側からのみ係合させるロック金具と較べて、ロック時やロック解除時におけるケーブル厚さ方向の一方側への弾性変形量を小さくすることができる。さらに、ケーブル厚さ方向の他方側への弾性変形量も、ケーブル厚さ方向の一方側からのみ係合させるロック金具よりも小さくすることができる。
このように、ロック部521,531をケーブル厚さ方向の両側から保持孔24に係合させるようにすれば、同一方向に大きく弾性変形させることなくケーブル20のロックやロックの解除を行うことができるようになる。その結果、ロック金具50が塑性変形してしまうのを抑制することができるようになる。
また、本実施形態では、コンタクト40には、回路基板60に実装される実装片(実装部)413が形成されている。そして、実装片413を回路基板60に実装した際に、ケーブル挿抜方向が回路基板60の実装面60aと交差する方向となるようにしている。
すなわち、ケーブル20を実装面60aに沿って移動させずにハウジング30に対して挿抜させることができるようにしている。こうすれば、ケーブル20のハウジング30に対する挿抜を行いやすくなる。また、ハウジング30に対する挿抜時にケーブル20を移動させるためのスペースをコネクタ10の周囲に確保する必要がなくなる。その結果、回路基板60への実装時に必要なスペースをより小さくすることができ、回路基板60の実装スペースをより有効活用することができるようになる。
また、本実施形態では、ロック金具50には、回路基板60に取り付けられる取付片(取付部)512が形成されている。そして、取付片512が、実装片413とはケーブル厚さ方向の反対側で回路基板60に取り付けられている。
こうすることで、ハウジング30は、比較的倒れやすい方向であるケーブル厚さ方向の両側が実装片413および取付片512により固定されることとなる。その結果、より安定した状態で、コネクタ10を回路基板60に実装させることができるようになる。また、ハウジング30内に挿入されたケーブル20にケーブル厚さ方向の力が加えられた場合に、コネクタ10が回路基板60から外れてしまう(ケーブル厚さ方向のいずれかに倒れてしまう)のを、より確実に抑制することができるようになる。
また、本実施形態では、コンタクト40およびロック金具50をハウジング30に保持した状態で、ケーブル挿抜方向およびケーブル厚さ方向と直交する方向(幅方向:Y方向)に沿って視た際に、接触部431およびロック部521,531がケーブル挿抜方向において略同位置となるようにしている。
こうすれば、ケーブル20を、コンタクト40への当接とほぼ同時にロック金具50に当接させることができる。すなわち、コンタクト40およびロック金具50を、ケーブル挿入力によってほぼ同時に弾性変形させることができる。そのため、ケーブル20がコンタクト40およびロック金具50に当接した後におけるケーブル挿入力を比較的滑らかに増加させることができるようになる。すなわち、ケーブル20のコンタクト40およびロック金具50への当接時からロック部521,531が保持孔24に係合されるまでの所定の範囲において、ケーブル挿入力を徐々に増加させることができるようになる。
こうすれば、ロック部521,531が保持孔24に係合される直前のケーブル挿入力がピークとなるため、ロック部521,531が保持孔24に係合された際のケーブル挿入力の落ち込みをより強調させることができる。
その結果、ケーブル20がロック部521,531によってロックされるときに、より明確なクリック感を得ることができるようになる。
なお、コネクタ10は、上記実施形態で示した構成に限られるものではなく、様々な構成とすることができる。
例えば、図20および図21に示すコネクタ10とすることができる。
具体的には、図20および図21に示すコネクタ10も、FPCやFFC等のケーブル(被接続部材)20が挿入される絶縁性のハウジング30を備えている。さらに、コネクタ10は、ハウジング30に保持され、ケーブル20に導通接続されるコンタクト(端子)40と、ハウジング30に保持され、挿入されたケーブル20の保持力を高めるためのロック金具(ロック部材)50と、を備えている。
そして、このコネクタ10も、回路基板(被実装部材)60に実装するとともに、ハウジング30内にケーブル20を挿入してコンタクト40に導通接続させることで、ケーブル20と回路基板60とを電気的に接続させるものである。
図20および図21においても、コネクタ10が回路基板60に、ケーブル挿抜方向が回路基板60の実装面60aと交差する方向となるようにした状態で実装されるようにしている。
また、図20および図21に示すコネクタ10も、いわゆるNON−ZIF(Non-Zero Insertion Force)タイプのコネクタであり、ケーブル20自体をケーブル挿抜方向(Z方向)に押し込んだり引っ張ったりすることで、ケーブル20の挿抜が行えるようになっている。そして、ケーブル20自体をケーブル挿抜方向(Z方向)に押し込んだり引っ張ったりすることで、ロック金具(ロック部材)50によるケーブル20のロックやロック解除も行えるようになっている。
ここで、図20および図21では、ロック金具50のロック部521がケーブル20の先端を前面20a側から乗り越えて、保持孔24に係止(係合)されるようにしている。一方、ロック金具50には、ケーブル20の後面20b側から保持孔24に係止(係合)されるロック部は形成されないようにしている。すなわち、ロック金具50には、導体22aが形成された側であるケーブル厚さ方向の一方側から保持孔(非ロック部)24に係止(係合)されるロック部521のみが形成されている。
そして、図20および図21に示すコネクタ10においても、ロック金具50をハウジング30に保持した状態でケーブル20を収容空間300内に挿入した際に、ロック部521がケーブル20と当接するように、ロック金具50を構成している。そして、ケーブル挿抜方向(上下方向:Z方向)に力が加えられたケーブル20にロック部521が当接することで、ロック金具50が弾性変形するようにしている。
なお、図20および図21に示すコネクタ10では、上記実施形態で示したケーブル20、ハウジング30およびコンタクト40と同一のものが用いられている。
したがって、コンタクト40をハウジング30に保持した状態でケーブル20を収容空間300内に挿入した際に、接触部431がケーブル20と当接するように、コンタクト40を構成している。すなわち、コンタクト40がハウジング30に保持された状態(コンタクト40をコンタクト収容空間360に収容した状態)で、接触部431の少なくとも一部がケーブル受入空間302(収容空間300)内に存在する(配置される)ようにしている。
さらに、ケーブル挿抜方向(上下方向:Z方向)に力が加えられたケーブル20に接触部431が当接することで、コンタクト40が弾性変形するようにしている。そして、コンタクト40の弾性復元力によって接触部431が、ケーブル20の前面20aに形成された導体22aを押圧するようにしている。
このように、図20および図21に示すコネクタ10においては、ケーブル20のハウジング30に対する挿抜時には、ロック部521が、コンタクト40の接触部431と同じ方向からケーブル20に接触することとなる。
図20および図21に示すロック金具50は、基部510を備えており、この基部510の前端に圧入部511が上方に延在するように連設されている。そして、この圧入部511を前壁310に形成された圧入凹部312に圧入することで、ロック金具50がハウジング30に保持されるようにしている。
また、基部510の後端には、実装材料(半田およびフラックス)70によって回路基板(被実装部材)60に取り付けられる取付片(実装部)512が前後方向(X方向)の後方に延設されている。
また、基部510の前後方向の略中央部には、前壁310の近傍で上下方向(Z方向)に延在する略棒状の前側アーム部520が連設されている。この前側アーム部520は、基部510に弾性変形可能に連設されており、基部510に対してXZ平面(前後方向および上下方向)に沿って相対移動できるようになっている。
そして、前側アーム部520の先端部には、後方(挿入したケーブル20)に向かって突出したロック部521が形成されている。
このロック部521も、上記実施形態で示すロック部521と同様に、開口側傾斜面521aおよび奥側傾斜面521bで画成された略山型の突起となっている。そして、開口側傾斜面521aの方が奥側傾斜面521bよりも傾斜が緩くなるようにロック部521を形成している。すなわち、開口側傾斜面521aの方が奥側傾斜面521bよりも、幅方向および上下方向に延在する鉛直面(YZ平面)とのなす角(鋭角)が小さくなるようにしている。なお、図20および図21に示すロック金具50には、ケーブル厚さ方向の一方側から保持孔24に係止するロック部521しか形成されていないため、奥側傾斜面521bは、上記実施形態で示した奥側傾斜面521bよりも傾斜がきつくなっている。こうすることで、ロック解除時に必要なケーブル挿抜方向の力が、上記実施形態で示したものと近くなるようにしている。
そして、ロック部521は、ロック金具50をハウジング30に保持するとともに、ケーブル20をハウジング30の収容空間300に挿入した状態(挿入完了状態)で、ケーブル20の保持孔(非ロック部)24と対応する位置に存在するように形成されている。
また、図20および図21においても、コンタクト40およびロック部材50をハウジング30に保持した状態で、Y方向(ケーブル挿抜方向およびケーブル厚さ方向と直交する方向)に沿って視た際に、接触部431およびロック部521がZ方向(ケーブル挿抜方向)において略同位置となるようにしている。すなわち、コンタクト40およびロック部材50をハウジング30に保持した状態で、接触部431およびロック部521が幅方向(Y方向)に略一直線上に並ぶようにしている。
また、図20および図21に示すハウジング30においても、ロック金具収容空間370が形成された部位における後壁320に、前方および下方に開口する溝部324が形成されている。なお、図20および図21に示すロック金具50を用いる場合、溝部324を設けないようにすることもできる。
さらに、前側アーム部520は、互いに隣り合う隔壁350A,350Aの間に形成される溝部に大半が収容された状態でハウジング30に保持されており、ロック部521の先端が、隔壁350Aの後面351Aよりも後側に位置し、ケーブル受入空間302(収容空間300)内に露出している。
このように、図20および図21に示すコネクタ10においても、コンタクト40およびロック金具50がハウジング30に保持された状態で、接触部431の少なくとも一部およびロック部521の少なくとも一部が収容空間300内に存在するようにしている。
そして、コンタクト40およびロック金具50が保持されたハウジング30をケーブル挿抜方向に沿って視た状態で、収容空間300内に導入されたケーブル20を下方に移動させた場合に、接触部431の一部(収容空間300内に存在する先端部)がケーブル20の先端面20eと重なり合うとともに、ロック部521の一部(収容空間300内に存在する先端部)がケーブル20の先端面20eと重なり合うようにしている。
こうすることで、ケーブル20を収容空間300内に挿入するときには、ケーブル20が必ず接触部431およびロック部521に当接するようにしている。
また、図20および図21においても、ケーブル20を収容空間300に挿入する際には、ケーブル20がロック部521の開口側傾斜面521aに最初に当接するようにしている。
具体的には、図20および図21に示すコネクタでは、ケーブル20の先端面20eが収容空間300のケーブル受入空間302内に導入されているがコンタクト40およびロック金具50には接触していない状態をケーブル挿抜方向に沿って視た際に、接触部431の一部およびロック部521の一部が先端面20eと重なり合うようにしている。
すなわち、図20および図21に示すコネクタでは、ケーブル受入空間302の後方を画成する後壁320の前面321にケーブル20の後面20bを接触させた状態における先端面20eをケーブル挿抜方向に沿って視た図は、図19からロック部531を除いた図となる。
したがって、図20および図21に示すコネクタにおいても、コンタクト40は、接触部431の先端側が領域R1に存在するようにした状態でハウジング30に保持されることとなる。
また、領域R1の後方を画成する後壁320の前面321と接触部431の先端(後端)との間には、ケーブル厚さ方向の間隔D1が形成されることとなり、この間隔(領域R1に形成されるケーブル厚さ方向の間隔)D1が、ケーブル20の厚さT1よりも小さくなっている。
また、ロック金具50は、ロック部521の先端側が領域R1に存在するようにした状態でハウジング30に保持されることとなる。
なお、図20および図21に示すコネクタでは、ロック部521の先端と領域R1の後方を画成する後壁320の前面321との間が、領域R1に形成されるケーブル厚さ方向の間隔(ケーブル20の先端面20eをロック部521よりも奥側に移動させる際に先端面20eが通過する隙間)となっており、この間隔もケーブル20の厚さT1よりも小さくなっている。
そして、ケーブル受入空間302の後方を画成する後壁320の前面321にケーブル20の後面20bを接触させた状態における先端面20eをケーブル挿抜方向に沿って視たときに、接触部431の上面431aおよびロック部521の開口側傾斜面521aが、ケーブル20の先端面20eの前辺20fによって前後に分断されるようにしている。
こうすることで、ケーブル20をケーブル受入空間302内に挿入させる際に、接触部431の上面431aおよびロック部521の開口側傾斜面521aにケーブル20が接触するようにしている。
このように、図20および図21に示すコネクタでは、ケーブル20の先端面20eをコンタクト40およびロック金具50の近傍に配置させた状態におけるケーブル20の先端面20eをケーブル挿抜方向に沿って視た場合に、先端側の一部のみが先端面20eと重なり合うように接触部431およびロック部521を構成している。
以上説明したように、コネクタ10の構成を図20および図21に示す構成としても、上記実施形態で示すコネクタ10と同様の作用、効果を奏することができる。
また、図20および図21では、ケーブル厚さ方向の一方側からロック部521を保持孔(被ロック部)24に係合させている。
こうすれば、ロック金具50を一方向に弾性変形させるだけで、ケーブル20のハウジング30に対する挿抜が行われるため、より容易にケーブル20のハウジング30に対する挿抜を行うことができるようになる。
また、図20および図21では、少なくともケーブル厚さ方向の一方側に導体22aが形成されており、ケーブル厚さ方向の一方側からロック部521を保持孔(被ロック部)24に係合させている。すなわち、ロック金具50のロック部521を、コンタクト40の接触部431と同一の方向からケーブル20に接触させるようにしている。
このように、ケーブル20のハウジング30に対する挿抜時に、ケーブル20の一面が接触部431およびロック部521によって押圧されるようにすれば、ケーブル20の前面20a上における押圧箇所が分散される(より広い領域が押圧される)ため、ケーブル20の前面20a上における押圧箇所が偏ってしまうのを抑制することができる。その結果、ケーブル20のハウジング30に対する挿抜をより安定して行うことができるようになる。
また、図22および図23に示すコネクタ10とすることもできる。
図22および図23に示すコネクタ10は、図20および図21に示すコネクタ10とほぼ同様の構成をしている。そして、ロック金具50のロック部531がケーブル20の先端を後面20b側から乗り越えて、保持孔24に係止(係合)されるようにしている点が、図20および図21に示すコネクタ10と主に異なる点である。
すなわち、図22および図23に示すコネクタ10においては、ケーブル20のハウジング30に対する挿抜時には、ロック部531が、コンタクト40の接触部431とは反対側の方向からケーブル20に接触するようにしている。
図22および図23に示すロック金具50は、基部510を備えており、この基部510の前端に圧入部511が上方に延在するように連設されている。そして、この圧入部511を前壁310に形成された圧入凹部312に圧入することで、ロック金具50がハウジング30に保持されるようにしている。
また、基部510の後端には、実装材料(半田およびフラックス)70によって回路基板(被実装部材)60に取り付けられる取付片(実装部)512が前後方向(X方向)の後方に延設されている。
また、基部510の前後方向の略中央部よりも後側には、後壁320の近傍で上下方向(Z方向)に延在する略棒状の後側アーム部530が連設されている。この後側アーム部530は、基部510に弾性変形可能に連設されており、基部510に対してXZ平面(前後方向および上下方向)に沿って相対移動できるようになっている。
そして、後側アーム部530の先端部には、前方(挿入したケーブル20)に向かって突出したロック部531が形成されている。
このロック部531も、上記実施形態で示すロック部531と同様に、開口側傾斜面531aおよび奥側傾斜面531bで画成された略山型の突起となっている。そして、開口側傾斜面531aの方が奥側傾斜面531bよりも傾斜が緩くなるようにロック部531を形成している。すなわち、開口側傾斜面531aの方が奥側傾斜面531bよりも、幅方向および上下方向に延在する鉛直面(YZ平面)とのなす角(鋭角)が小さくなるようにしている。なお、図22および図23に示すロック金具50には、導体22aが形成された側とは反対側であるケーブル厚さ方向の他方側から保持孔24に係止するロック部531しか形成されていないため、奥側傾斜面531bは、上記実施形態で示した奥側傾斜面531bよりも傾斜がきつくなっている。こうすることで、ロック解除時に必要なケーブル挿抜方向の力が、上記実施形態で示したものと近くなるようにしている。
そして、ロック部531は、ロック金具50をハウジング30に保持するとともに、ケーブル20をハウジング30の収容空間300に挿入した状態(挿入完了状態)で、ケーブル20の保持孔(非ロック部)24と対応する位置に存在するように形成されている。
また、図22および図23においても、コンタクト40およびロック部材50をハウジング30に保持した状態で、Y方向(ケーブル挿抜方向およびケーブル厚さ方向と直交する方向)に沿って視た際に、接触部431およびロック部531がZ方向(ケーブル挿抜方向)において略同位置となるようにしている。すなわち、コンタクト40およびロック部材50をハウジング30に保持した状態で、接触部431およびロック部531が幅方向(Y方向)に略一直線上に並ぶようにしている。
また、図22および図23に示すハウジング30においても、ロック金具収容空間370が形成された部位における後壁320に、前方および下方に開口する溝部324が形成されており、この溝部324内に後側アーム部530の大半が収容されるようにしている。そして、ロック部材50をハウジング30に保持し、ケーブル受入空間302(収容空間300)にケーブル20が挿入されていない状態では、後側アーム部530のロック部531がケーブル受入部300内(溝部324の外側:ケーブル受入空間302内)に露出するようにしている。
このように、図22および図23に示すコネクタ10においても、コンタクト40およびロック金具50がハウジング30に保持された状態で、接触部431の少なくとも一部およびロック部531の少なくとも一部が収容空間300内に存在するようにしている。
そして、コンタクト40およびロック金具50が保持されたハウジング30をケーブル挿抜方向に沿って視た状態で、収容空間300内に導入されたケーブル20を下方に移動させた場合に、接触部431の一部(収容空間300内に存在する先端部)がケーブル20の先端面20eと重なり合うとともに、ロック部531の一部(収容空間300内に存在する先端部)がケーブル20の先端面20eと重なり合うようにしている。
こうすることで、ケーブル20を収容空間300内に挿入するときには、ケーブル20が必ず接触部431およびロック部531に当接するようにしている。
また、図22および図23においても、ケーブル20を収容空間300に挿入する際には、ケーブル20がロック部531の開口側傾斜面531aに最初に当接するようにしている。
具体的には、図22および図23に示すコネクタでは、ケーブル20の先端面20eが収容空間300のケーブル受入空間302内に導入されているがコンタクト40およびロック金具50には接触していない状態をケーブル挿抜方向に沿って視た際に、接触部431の一部およびロック部531の一部が先端面20eと重なり合うようにしている。
すなわち、図22および図23に示すコネクタでは、ケーブル受入空間302の後方を画成する後壁320の前面321にケーブル20の後面20bを接触させた状態における先端面20eをケーブル挿抜方向に沿って視た図は、図19からロック部521を除いた図となる。
したがって、図22および図23に示すコネクタにおいても、コンタクト40は、接触部431の先端側が領域R1に存在するようにした状態でハウジング30に保持されることとなる。
また、領域R1の後方を画成する後壁320の前面321と接触部431の先端(後端)との間には、ケーブル厚さ方向の間隔D1が形成されることとなり、この間隔(領域R1に形成されるケーブル厚さ方向の間隔)D1が、ケーブル20の厚さT1よりも小さくなっている。
また、ロック金具50は、ロック部531の先端側が領域R1に存在するようにした状態でハウジング30に保持されることとなる。図22および図23に示すコネクタでは、領域R1に形成されるケーブル厚さ方向の間隔(ケーブル20の先端面20eをロック部531よりも奥側に移動させる際に先端面20eが通過する隙間)が、ロック部531の先端と領域R1の前方を画成する鉛直面351bAとの間に形成されている。この間隔は、ケーブル20の厚さT1よりも小さくなっている必要はない。図22および図23に示すコネクタでは、領域R1に形成される実質的なケーブル厚さ方向の間隔は、接触部431の先端とロック部531の先端との間のケーブル厚さ方向の距離であり、この距離がケーブル20の厚さT1よりも小さくなっている。なお、実質的なケーブル厚さ方向の間隔は、コンタクト40およびロック金具50を弾性変形させることなく挿入することのできるケーブルの最大厚さと略一致するものである。
そして、ケーブル受入空間302の後方を画成する後壁320の前面321にケーブル20の後面20bを接触させた状態における先端面20eをケーブル挿抜方向に沿って視たときに、接触部431の上面431aがケーブル20の先端面20eの前辺20fによって前後に分断されるとともに、ロック部531の開口側傾斜面531aがケーブル20の先端面20eの後辺20gによって前後に分断されるようにしている。
こうすることで、ケーブル20をケーブル受入空間302内に挿入させる際に、接触部431の上面431aおよびロック部531の開口側傾斜面531aにケーブル20が接触するようにしている。
このように、図22および図23に示すコネクタでは、ケーブル20の先端面20eをコンタクト40およびロック金具50の近傍に配置させた状態におけるケーブル20の先端面20eをケーブル挿抜方向に沿って視た場合に、先端側の一部のみが先端面20eと重なり合うように接触部431およびロック部531を構成している。
以上説明したように、コネクタ10の構成を図22および図23に示す構成としても、図20および図21に示すコネクタ10と同様の作用、効果を奏することができる。
また、図22および図23では、ケーブル厚さ方向の他方側からロック部531を保持孔(被ロック部)24に係合させている。
こうすれば、ロック金具50を他方向に弾性変形させるだけで、ケーブル20のハウジング30に対する挿抜が行われるため、より容易にケーブル20のハウジング30に対する挿抜を行うことができるようになる。
また、図22および図23では、少なくともケーブル厚さ方向の一方側に導体22aが形成されており、ケーブル厚さ方向の他方側からロック部521を保持孔(被ロック部)24に係合させている。すなわち、ロック金具50のロック部531を、コンタクト40の接触部431とは反対側の方向からケーブル20に接触させるようにしている。
このように、ケーブル20のハウジング30に対する挿抜時に、ケーブル20の両面が押圧されるようにすれば、ケーブル20が接触部431およびロック部531によって挟持されることとなる。そのため、ケーブル20がハウジング30から抜けてしまうのを抑制することができ、ケーブル保持力をより向上させることができるようになる。
また、図24に示すように、アーム長の異なる2種類のロック金具50,50Aを用いるようにすることも可能である。
例えば、ハウジング30の幅方向の一方側に保持される2つのロック金具として、図24(a)に示すロック金具50および図24(b)に示すロック金具50Aを1つずつ用い、1つの保持孔24にアーム長の異なる2種類のロック金具(ロック金具50およびロック金具50A)が係止(係合)されるようにすることができる。
こうすることで、複数のロック金具をハウジング30に保持した状態で、ケーブル挿抜方向およびケーブル厚さ方向と直交する方向に沿って視た際に、ケーブル挿抜方向にずれた位置に形成されたロック部521A,531Aを有するロック金具50Aが少なくとも1つ存在することとなる。
なお、ケーブル20に形成された2つの保持孔24のそれぞれに、アーム長の異なる2種類のロック金具(ロック金具50およびロック金具50A)が係合されるようにすることもできる。
また、2つの保持孔24のうちの一方の保持孔24にロック金具50を係合させるとともに、他方の保持孔24にロック金具50Aを係合させるようにしてもよい。
なお、アーム長の異なる2種類のロック金具の形状は、図24に示したものに限られず、それぞれ様々な形状とすることができる。例えば、ロック金具の形状を、図20および図21に示す形状としたり、図22および図23に示す形状としたりすることができる。また、3種類以上のロック金具を用いることも可能である。
このように、図24に示す構成としても、上記実施形態で示した構成と同様の作用、効果を奏することができる。
また、図24では、複数のロック金具をハウジング30に保持した状態で、ケーブル挿抜方向およびケーブル厚さ方向と直交する方向に沿って視た際に、ケーブル挿抜方向にずれた位置に形成されたロック部521A,531Aを有するロック金具50Aが少なくとも1つ存在するようにしている。
こうすることで、ロック部が保持孔24に係合される際には、ケーブル挿入力を2段階(多段階)で落ち込ませることができるため、より容易にケーブル20をハウジング30に挿入させることができるようになる。
また、ケーブル20をハウジング30から抜去させる際には、ケーブル抜去力を2段階(多段階)で増大させる必要があるため、ケーブル20がハウジング30から抜けてしまうのをより確実に抑制することができるようになる。
また、図25〜図27に示すコネクタ10とすることもできる。
図25〜図27に示すコネクタ10も、FPCやFFC等のケーブル(被接続部材)20が挿入される絶縁性のハウジング30を備えている。さらに、コネクタ10は、ハウジング30に保持され、ケーブル20に導通接続されるコンタクト(端子)40と、ハウジング30に保持され、挿入されたケーブル20の保持力を高めるためのロック金具(ロック部材)50と、を備えている。
そして、このコネクタ10も、回路基板(被実装部材)60に実装するとともに、ハウジング30内にケーブル20を挿入してコンタクト40に導通接続させることで、ケーブル20と回路基板60とを電気的に接続させるものである。
ここで、図25〜図27では、コネクタ10が回路基板60に、ケーブル挿抜方向が回路基板60の実装面60aと略平行となるようにした状態で実装されるようにしている。
したがって、図25〜図27に示す構成では、コネクタ10にケーブル20を挿入した状態におけるケーブル厚さ方向が上下方向(Z方向)となり、コネクタ10の長手方向が幅方向(Y方向)となり、ケーブル挿抜方向が前後方向(X方向)となる。
そして、図25〜図27に示すコネクタ10については、収容空間300の開口側をコネクタ10の前方と規定している。
なお、図25〜図27に示すコネクタ10は、実装片413および取付片512の形状以外は、上記実施形態で示したコネクタ10とほぼ同様の構成をしている。
すなわち、図25〜図27に示すコネクタ10では、ハウジング30として、上記実施形態で示したハウジング30と同一のものが用いられている。そして、図25〜図27に示すコネクタ10は、ハウジング30を上記実施形態で示した後壁が底壁320となるようにした状態で、回路基板60に実装されている。
したがって、図25〜図27に示すハウジング30の天壁310、底壁320、一対の側壁330,330、後壁340が、それぞれ、上記実施形態で示したハウジング30の前壁310、後壁320、一対の連結壁330,330、底壁340に相当している。
また、図25〜図27に示すコネクタ10では、コンタクト40として、上記実施形態で示したコンタクト40とほぼ同一のものが用いられている。
すなわち、図25〜図27に示すコンタクト40は、天壁310の近傍で前後方向(X方向)の前方に延在する水平片410と、水平片410の前端に連設されて略半円弧状に湾曲する湾曲部420と、湾曲部420の後端に連設され、前後方向の後方に延在するばね片430と、を備えている。そして、湾曲部430を撓ませることで、ばね片430が鉛直片410に対して弾性的に相対移動できるようにしている。
また、ばね片430の途中には、下方に向けて略半円弧状に突出する接触部431が形成されており、この接触部431を導体22aに接触させることで、ケーブル20とコンタクト40とを導通接続させている。
そして、水平片410の後端には、実装材料(半田およびフラックス)70によって回路基板(被実装部材)60に実装される実装片(実装部)413が設けられている。
具体的には、水平片410の後端には、上下方向に延在する鉛直片414が下方に向けて延設されており、この鉛直片414の下端に、実装片413が前後方向(X方向)の後方に延在するように設けられている。
このように、実装片413は、前後方向に延在しており、コンタクト40をコンタクト収容空間360に収容した状態で、先端が後壁340の後方に突出するように形成されている。そして、実装片413の先端(ハウジング30から突出した部分)を実装材料(半田およびフラックス)70によって半田付けすることで、コネクタ10が回路基板60に実装されるようにしている(図26参照)。こうすることで、実装片(実装部)413を回路基板(被実装部材)60に実装した際に、ケーブル挿抜方向(前後方向:X方向)が回路基板(被実装部材)60の実装面60aと略平行となるようにしている。
なお、コンタクト40は、後方(ハウジング30のケーブル挿入開口300aが形成された側とは反対側)からハウジング30に挿入されている。
また、図25〜図27に示すコネクタ10では、ロック金具50として、上記実施形態で示したロック金具50とほぼ同一のものが用いられている。
すなわち、図25〜図27に示すロック金具50は、基部510を備えており、この基部510の上部が圧入部511となっている。
また、基部510の下端には、実装材料(半田およびフラックス)70によって回路基板(被実装部材)60に取り付けられる取付片(実装部)512が前後方向(X方向)の後方に延設されている。この取付片512は、ロック金具50をロック金具収容空間370に収容した状態で、先端が後壁320の後方に突出するように形成されている。そして、取付片512の先端(ハウジング30から突出した部分)が実装材料(半田およびフラックス)70によって半田付けされている(図27参照)。
このように、図25〜図27に示すコネクタ10では、コンタクト40の実装片413がハウジング30の後方で実装材料(半田およびフラックス)70によって半田付けされており、ロック金具50の取付片512も、ハウジング30の後方で実装材料(半田およびフラックス)70によって半田付けされている。
また、圧入部511の上部には、天壁310の近傍で前後方向(X方向)に延在する略棒状の上側アーム部(第1のアーム部)520が連設されている。一方、圧入部511の下部には、上側アーム部520と上下方向(ケーブル厚さ方向)で対向し、底壁320の近傍で前後方向(X方向)に延在する略棒状の下側アーム部(第2のアーム部)530が連設されている。
なお、圧入部511、上側アーム部520および下側アーム部530の形状は、上記実施形態で示した圧入部511、前側アーム部520および後側アーム部530の形状と略同一となっている。
また、ロック金具50も、後方(ハウジング30のケーブル挿入開口300aが形成された側とは反対側)からハウジング30に挿入されている。
さらに、図25〜図27に示すコネクタ10も、いわゆるNON−ZIF(Non-Zero Insertion Force)タイプのコネクタであり、ケーブル20自体をケーブル挿抜方向(Z方向)に押し込んだり引っ張ったりすることで、ケーブル20の挿抜が行えるようになっている。そして、ケーブル20自体をケーブル挿抜方向(Z方向)に押し込んだり引っ張ったりすることで、ロック金具(ロック部材)50によるケーブル20のロックやロック解除も行えるようになっている。
すなわち、コンタクト40およびロック金具50がハウジング30に保持された状態で、接触部431の少なくとも一部およびロック部531の少なくとも一部が収容空間300内に存在するようにしている。
そして、コンタクト40およびロック金具50が保持されたハウジング30をケーブル挿抜方向に沿って視た状態で、収容空間300内に導入されたケーブル20を下方に移動させた場合に、接触部431の一部(収容空間300内に存在する先端部)がケーブル20の先端面20eと重なり合うとともに、ロック部531の一部(収容空間300内に存在する先端部)がケーブル20の先端面20eと重なり合うようにしている。
こうすることで、ケーブル20を収容空間300内に挿入するときには、ケーブル20が必ず接触部431およびロック部531に当接するようにしている。
また、図25〜図27に示すコネクタ10においても、ケーブル20を収容空間300に挿入する際には、ケーブル20がロック部531の開口側傾斜面531aに最初に当接するようにしている。
このように、コネクタ10の構成を図25〜図27に示す構成としても、上記実施形態で示した構成と同様の作用、効果を奏することができる。
また、図25〜図27では、コンタクト40には、回路基板60に実装される実装片(実装部)413が形成されている。そして、実装片413を回路基板60に実装した際に、ケーブル挿抜方向が回路基板60の実装面60aと略平行となるようにしている。
こうすることで、コネクタ10の底背化を図ることができるようになる。
なお、実装片413を回路基板60に実装した際に、ケーブル挿抜方向が回路基板60の実装面60aと略平行となるようにする場合、図28および図29に示すコネクタ10とすることができる。
図28および図29に示すコネクタ10では、ロック金具50をロック金具収容空間370に収容した状態で、先端がハウジング30の前方に突出するように取付片512を形成している。
具体的には、図28および図29に示すコネクタ10では、ロック金具50は、図25〜図27に示すロック金具50の下側アーム部530の替わりに固定片530Aを設け、この固定片530Aの前端に取付片512を連設した形状をしている。
すなわち、圧入部511の下端には、底壁320の近傍で前後方向(X方向)に延在する略棒状の固定片530Aが底壁320よりも前方に突出するように連設されており、この固定片530Aの前端に、前後方向に延在する取付片512が鉛直片513を介して連設されている。
そして、取付片512の先端(ハウジング30から突出した部分)が実装材料(半田およびフラックス)70によって半田付けされている(図29参照)。
なお、図28および図29に示すコンタクト40は、図25〜図27に示すコンタクト40と同一の形状をしている。すなわち、実装片413は、コンタクト40をコンタクト収容空間360に収容した状態で、先端が後壁340の後方に突出するように形成されている。そして、実装片413の先端(ハウジング30から突出した部分)を実装材料(半田およびフラックス)70によって半田付けすることで、コネクタ10が回路基板60に実装されるようにしている(図28参照)。
このように、図28および図29に示すコネクタ10では、コンタクト40の実装片413がハウジング30の後方で実装材料(半田およびフラックス)70によって半田付けされ、ロック金具50の取付片512が、ハウジング30の前方で実装材料(半田およびフラックス)70によって半田付けされている。
なお、ロック金具50は、後方(ハウジング30のケーブル挿入開口300aが形成された側とは反対側)からハウジング30に挿入されるようにしてもよいし、前方(ハウジング30のケーブル挿入開口300aが形成された側)からハウジング30に挿入されるようにしてもよい。
このように、コネクタ10の構成を図28および図29に示す構成としても、図25〜図27で示したコネクタ10と同様の作用、効果を奏することができる。
また、図28および図29では、ロック金具50には、回路基板60に取り付けられる取付片(取付部)512が形成されている。そして、取付片512が、実装片413とはケーブル挿抜方向の反対側で回路基板60に取り付けられている。
こうすれば、より安定した状態で、コネクタ10を回路基板60に実装させることができるようになる。その結果、ハウジング30内に挿入されたケーブル20にケーブル厚さ方向の力が加えられた場合に、コネクタ10が回路基板60から外れてしまうのを、より確実に抑制することができるようになる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態およびその変形例には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態およびその変形例で示した構成を適宜組み合わせて、コネクタを形成することができる。
また、上記実施形態およびその変形例では、1種類のコンタクト(端子)がハウジングに収容されたコネクタを例示したが、複数種類のコンタクト(端子)が収容されるコネクタに本発明を適用することも可能である。
例えば、2種類のコンタクト(端子)をハウジングに収容し、それぞれの接触部の位置をケーブル挿抜方向にずらすようにしてもよい。この場合、ロック金具のロック部は、ケーブル挿抜方向の位置が、収容空間の奥側に位置する接触部と同じ位置となるようにするのが好ましい。こうすれば、ケーブルの収容空間への挿入が完了する直前に、ロック部を被ロック部に係合させることができ、より明確なクリック感を得ることができる。
また、上記実施形態およびその変形例では、一面側のみに導体が露出したケーブル20を挿入するコネクタ10を例示したが、両面側に導体が露出したケーブルを挿入させるコネクタとしてもよい。
また、上記実施形態およびその変形例では、先端面が平坦面となるケーブルを例示したが、ケーブルの先端面が湾曲部や屈曲部を含むようにしてもよい。
また、上記実施形態およびその変形例では、被ロック部として、幅方向の端部をケーブル厚さ方向に貫通するように切り欠いた保持孔24を例示したが、ケーブル厚さ方向に貫通する貫通孔を被ロック部としたり、ケーブル厚さ方向に凹む有底の凹部を被ロック部としたりすることができる。
また、金属以外の材料を用いてロック部材を形成することも可能である。
また、ハウジングや端子、ロック部材等、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。