JP2019099748A - インクセット、インクセットを使用して形成された積層体、インクセットを使用して像を形成する像形成方法及び積層体の製造方法 - Google Patents

インクセット、インクセットを使用して形成された積層体、インクセットを使用して像を形成する像形成方法及び積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】第1のインクと第2のインクとを含むインクセットを基材上に塗布した場合であっても基材上に塗布された第1のインクの硬化性が良好であるインクセットを提供する。【解決手段】基材上に塗布される第1のインクと、第1のインク上に塗布される第2のインクと、を含む光線硬化型のインクセットであって、第1のインク及び第2のインクには、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、が含まれ、第1のインクと第2のインクから色材を除いた各クリアインクに光線を照射する吸光度測定において、光線の350nmから420nmまでの波長に対する吸光度の関係が吸光度曲線において、第2のインクにおけるクリアインクの吸光度よりも第1のインクにおけるクリアインクの吸光度が大きくなる範囲の面積が0.5以上であるインクセットである。【選択図】図2

Description

本発明は、主にインクジェット用インクとして用いられる光線硬化型のインクセット、インクセットを使用して形成された積層体、インクセットを使用して像を形成する像形成方法及び積層体の製造方法に関する。
紫外線等の光線によって硬化する光線硬化型インク組成物の開発が進められている。光線硬化型インク組成物は速乾性があるため、プラスチック、ガラス、コート紙等、インクを吸収しない又は殆ど吸収しない基材に印字する場合であっても、インクの滲みを防止できる。光線硬化型インク組成物は、活性エネルギー線重合性モノマー、光重合開始剤その他の添加剤等から構成されている。
又、光線硬化型インク組成物には、例えば基材として透明シートや金属蒸着シートなどにインクの発色性が得られるように、先に基材上に白インク(第1のインク)を塗布し、その白インク上に種々のカラーインク(第2のインク)を塗布する印刷方法がある。そしてこの印刷方法は、第2のインクが塗布された側から光線を照射することによりインクを硬化する印刷方法である。このような第1のインクと、第2のインクと、を含むインクセットの開発も行われている。
例えば、特許文献1には、所定の光重合開始剤を含有するインクセットが開発されている。特許文献1によればこのインクセットはLED光に対する硬化性に優れポリ塩化ビニル系シートに対する密着性が良好なインクセットである。
特開2014−84415号公報
さて、第1のインクと、第2のインクと、を含むインクセットを基材上に塗布する方法として、インクジェット方式による塗布手段が存在する。この場合、インクジェット方式には、インクジェットヘッドを左右方向に移動させ数回に分けてインクを吐出するスキャニング方式の他、インクジェットヘッドを固定させ、基材をインクジェットヘッドに1度通過させることにより画像を形成するシングルパス方式がある。
シングルパス方式は、1度通過させることにより画像を形成することができるため印刷速度が速く印刷物(積層体)の生産性が高いという利点がある。
しかしながら、本発明者らの見解によれば、シングルパス方式などにより、第1のインクと第2のインクとこの順にそれぞれ基材上に塗布し、第2のインクが塗布された側から光線を照射した場合には、第1のインクの硬化性が悪化することがあることが見出された。第1のインクの硬化性が悪化すると、基材と第1のインクとの密着性が低下し、印刷物(積層体)として好ましいものであるとはいえない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、第1のインクと第2のインクとを含むインクセットを基材上に塗布した場合であっても基材上に塗布された第1のインクの硬化性が良好であるインクセットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討をした結果、第1のインクと第2のインクから色材を除いた各クリアインクに光線を照射する吸光度測定において、光線の350nmから420nmまでの波長に対する吸光度曲線が所定の範囲に調整すること又は、所定の光重合開始剤の含有量比を調整することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明では、以下のようなものを提供する。
(1)基材上に塗布される第1のインクと、該第1のインク上に塗布される第2のインクと、を含み、該第2のインクが塗布された側から光線を照射することにより前記基材上に塗布されたインクが硬化する光線硬化型のインクセットであって、
前記第1のインク及び前記第2のインクには、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、必要に応じて色材と、が含まれ、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートによって100倍に希釈され、前記色材を含まない前記第1のインク及び前記第2のインクの各クリアインクに光線を照射する吸光度測定において、該光線の350nmから420nmまでの波長に対する吸光度の関係が吸光度曲線によって表され、
前記吸光度測定における前記吸光度は以下の式により定義され、
λ=−log10(I/I
(式中、λは波長(単位はnm)、Aλは波長λのときの吸光度、Iは波長λのときの入射光強度、Iは波長λのときの透過光強度を意味する。)
前記第1のインク及び前記第2のインクの各クリアインクにおける前記吸光度曲線を描図するグラフにおいて、前記第2のインクにおけるクリアインクの前記吸光度よりも、前記第1のインクにおけるクリアインクの前記吸光度が大きくなる範囲の面積が0.5以上であるインクセット。
(2)基材上に塗布される第1のインクと、該第1のインク上に塗布される第2のインクと、を含み、該第2のインクが塗布された側から光線を照射することにより前記基材上に塗布されたインクが硬化する光線硬化型のインクセットであって、前記第1のインク及び前記第2のインクには、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、が含まれ、前記第1のインク全量中における、前記第1のインクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるX質量%と、前記第2のインク全量中における、前記第2のインクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるY質量%と、の関係式であるY/X×100が0以上90以下であるインクセット。
(3)前記第2のインクには、チオキサントン系光重合開始剤及び/又はアルキルフェノン系光重合開始剤が含まれる(2)に記載のインクセット。
(4)インクジェット用インクとして用いられ、且つ、固定されたインクジェットヘッドに基材を1度通過させることにより該基材上に画像を形成するシングルパス方式により、前記基材上にインクを塗布する(1)から(3)のいずれかに記載のインクセット。
(5)基材上に、(1)から(4)のいずれかに記載のインクセットの硬化膜であるインク硬化膜層が形成された積層体。
(6)(1)から(4)のいずれかに記載のインクセットを使用して基材上に画像及び/又は凹凸像を形成する像形成方法。
(7)(1)から(4)のいずれかに記載のインクセットを使用して基材上に画像及び/又は凹凸像を形成する積層体の製造方法。
(8)基材上に、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、必要に応じて色材と、が含まれた第1のインクを塗布する工程と、
前記第1のインク上に、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、必要に応じて色材と、が含まれた第2のインクを塗布する工程と、
前記第2のインクが塗布された側から光線を照射することにより前記基材上に塗布されたインクを硬化し、基材上に第1のインクの硬化膜と第2のインクの硬化膜とを形成する工程と、
を含み、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートによって100倍に希釈され、前記色材を含まない前記第1のインク及び前記第2のインクの各クリアインクに光線を照射する吸光度測定において、該光線の350nmから420nmまでの波長に対する吸光度の関係が吸光度曲線によって表され、
前記吸光度測定における前記吸光度は以下の式により定義され、
λ=−log10(I/I
(式中、λは波長(単位はnm)、Aλは波長λのときの吸光度、Iは波長λのときの入射光強度、Iは波長λのときの透過光強度を意味する。)
前記第1のインク及び前記第2のインクの各クリアインクにおける前記吸光度曲線を描図するグラフにおいて、前記第2のインクにおけるクリアインクの前記吸光度よりも、前記第1のインクにおけるクリアインクの前記吸光度が大きくなる範囲の面積が0.5以上である前記第1のインク及び前記第2のインクを用いた積層体の製造方法。
(9)基材上に、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、が含まれた第1のインクを塗布する工程と、
前記第1のインク上に、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、が含まれた第2のインクを塗布する工程と、
前記第2のインクが塗布された側から光線を照射することにより前記基材上に塗布されたインクを硬化し、基材上に第1のインクの硬化膜と第2のインクの硬化膜とを形成する工程と、
を含み、
前記第1のインク全量中における、前記第1のインクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるX質量%と、
前記第2のインク全量中における、前記第2のインクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるY質量%と、
の関係式であるY/X×100が0以上90以下である前記第1のインク及び前記第2のインクを用いた積層体の製造方法。
本発明のインクセットは、基材上に塗布された第1のインクの硬化性が良好であるインクセットである。
本発明のインクセットを使用するのに好適なシングルパス方式のインクジェットプリンタを模式的に表した図である。 実施例3のインクセットにおける第1のインクであるインク1から製造したクリアインク及び第2のインクであるインク2−3から製造したクリアインクの吸光度曲線である。
以下、本発明の具体的な実施形態について、詳細に説明するが、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
<第1実施形態のインクセット>
本実施形態のインクセットは、第1のインクと、第2のインクと、を含むインクセットである。第1のインクとは、基材上に塗布するインクである。第2のインクとは、塗布された第1のインク上に塗布されるインクである。
これらの第1のインク及び/又は第2のインクは、それぞれがいずれかの色材(例えば、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)を含有する単数のインクであってもよいが、例えば白い色材(ホワイト)を含有するホワイトインク、又は、色材を含有しないインクであってもよい。又、第1のインク及び/又は第2のインクは、単数のインクであってもよいが、例えば、イエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクからなる複数のインクであってもよい。尚、例えば第1のインクが単数のインクであって第2のインクが複数のインクであってもよい。更に、例えば第1のインクが複数のインクであって第2のインクが単数のインクであってもよい。
そして、第1のインク及び第2のインクには、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、が含まれる。光重合開始剤が含まれることにより、活性エネルギー線重合性モノマーの重合反応を促進し、第1のインク及び第2のインクの硬化膜をそれぞれ形成することができる。
第1のインク及び第2のインクには、色材を含有してもよいし、色材を含有しないインクであってもよい。又、必要に応じて、重合禁止剤、分散剤、表面調整剤、艶消し剤、可塑剤、光安定化剤、酸化防止剤等を含有してもよい。
そして、本実施形態のインクセットは、第1のインクと第2のインクにおける各クリアインクに光線を照射する吸光度測定において、光線の350nmから420nmまでの波長に対する吸光度が調整されている。具体的には、光線の350nmから420nmまでの波長と、以下の式による定義される吸光度と、の関係が吸光度曲線によって表された場合に、第2のインクにおけるクリアインクの吸光度よりも第1のインクにおけるクリアインクの吸光度が大きくなっている範囲の面積が0.5以上である。
λ=−log10(I/I
(式中、λは波長(単位はnm)、Aλは波長λのときの吸光度、Iは波長λのときの入射光強度、Iは波長λのときの透過光強度を意味する。)
本明細書において、吸光度測定に用いられる第1のインク及び第2のインクの各クリアインクとは、各インク中に含まれる色材以外の各成分を同一質量部含有したインクをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートによって100倍に希釈したインクを意味するものである。
尚、第1のインク及び第2のインクにおいて各クリアインクの吸光度の関係が上記の面積が0.5以上とする本実施形態のインクセットは、光重合開始剤の種類・添加量を調整されていればよい。例えば、第1のインクには、光重合開始剤としてアシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤を用いて、第2のインクには光重合開始剤としてチオキサントン系光重合開始剤及び/又はアルキルフェノン系光重合開始剤を用いてもよい。第2のインクに第1のインクに含有されるアシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤の含有量よりも少ない量のアシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤を更に含有してもよい。第1のインクと、第2のインクにチオキサントン系光重合開始剤及び/又はアルキルフェノン系光重合開始剤を用いて、その含有量比を調整してもよい。
第2のインクに第1のインクに含有されるアシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤の含有量よりも少ない量のアシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤を更に含有する場合、本実施形態のインクセットにおいても、第1のインクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるX質量%と、第2のインク全量中における、第2のインクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるY質量%と、の関係式であるY/X×100が0以上90以下であることが好ましく、0以上70以下であることがより好ましく、0以上50以下であることが更に好ましく、0以上20以下であることが更に尚好ましく、0であることが最も好ましい。尚、第2のインクに、第1のインクに含有されるアシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤の含有量よりも少ない量のアシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤を更に含有する場合、第2のインクの硬化性を確保するために、アシルフォスフィンオキサイド類以外の光重合開始剤(例えば、チオキサントン系光重合開始剤及び/又はアルキルフェノン系光重合開始剤)を含有することが好ましい。
本明細書において、第2のインクにおけるクリアインクの吸光度よりも第1のインクにおけるクリアインクの吸光度が大きくなっている範囲の面積とは、例えば、図2の斜線で示した範囲を意味する。吸光度測定において、第1のインクにおけるクリアインクの吸光度曲線と、第2のインクにおけるクリアインクの吸光度曲線と、によって囲まれている範囲であり、且つ、第2のインクにおけるクリアインクの吸光度よりも、第1のインクにおけるクリアインクの吸光度が大きくなっている範囲(図2中、斜線の範囲)の面積を意味するものである。
本明細書において、吸光度の面積とは、いわゆる近似面積を意味する。近似面積とは、例えば測定波長の測定間隔を0.5nmとした場合に(((波長Xnmのインクの吸光度Aλ)+(波長(X+0.5)nmのインクの吸光度Aλ))×0.5/2から算出される四角形(台形)の面積をXが350nmから420nmの範囲で足し合わせた面積を意味する。
そして、本明細書において、第2のインクにおけるクリアインクの吸光度よりも、第1のインクにおけるクリアインクの吸光度が大きくなっている範囲の面積は、第2のインクにおけるクリアインクの四角形(台形)の面積よりも第1のインクにおけるクリアインクの四角形(台形)の面積の方が大きくなっている波長領域についてその範囲で足し合わせて各インクの吸光度面積を求め、その吸光度面積から差分を計算することにより求めることができる。尚、より正確な近似面積を求めるには、測定波長の間隔を小さくすればよく、例えば波長0.5nm程度の間隔で350nmから420nmまでの波長で吸光度測定を行えばよい。
本発明者らの見解によれば、第1のインクの硬化性が悪化する理由は、第2のインクが塗布された側から光線を照射した場合に、第2のインクに含有される光重合開始剤等の各成分によって、350nmから420nmまでの波長の光線が吸収され、第1のインクにまで350nmから420nmまでの波長の光線が届かないためである。第1のインクにまで350nmから420nmまでの波長の光線が充分に届かないと、第1のインクの硬化性が悪化する。
そこで、本実施形態のインクセットでは、第1のインクと第2のインクにおける各クリアインクに光線を照射する吸光度測定において、第2のインクにおけるクリアインクの吸光度よりも第1のインクにおけるクリアインクの吸光度が大きくなっている範囲の面積が0.5以上であることが特定されている。この範囲の面積を0.5以上とすることにより、第1のインクが硬化するだけの350nmから420nmまでの波長の光線が第1のインクに届くようになり、第1のインクの硬化性が向上する。
尚、例えば第1のインクが1色(1種)のホワイトインクであり、第2のインクがイエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクからなる4色(4種)のインクのような複数のインクである場合、第1のインクにおけるクリアインクと、第2のインクにおけるクリアインクと、の少なくとも1色(1種)のクリアインクとの関係において上記の吸光度の関係(第2のインクにおけるクリアインクの吸光度よりも第1のインクにおけるクリアインクの吸光度が大きくなっている範囲の面積が0.5以上の関係)があれば本発明の効果を有する。第1のインクにおけるクリアインクと第2のインクにおけるクリアインクとの少なくとも1色(1種)のクリアインクとの関係において上記の各クリアインクにおける吸光度の関係があれば、所定の画像が形成されている積層体全体において第1のインクの層全体の硬化性は向上するためである。尚、第1のインクにおけるクリアインクと、第2のインクにおけるクリアインクと、の少なくとも2色(2種)のクリアインク(例えば、イエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクの4色(4種)のインクにおけるクリアインクうちの少なくとも2色(2種)のインクにおけるクリアインク)との関係において上記の吸光度の関係があること(即ち、1色(1種)の第1のインクにおけるクリアインクAと、4色(4種)の第2のインクのうちの2色(2種)のインクのクリアインクB−1、B−2があった場合に、「クリアインクA」と「クリアインクB−1」との吸光度曲線を描図するグラフにおいて、「クリアインクB−1」における吸光度よりも、「クリアインクA」における吸光度が大きくなる範囲の面積が0.5以上である関係であり、且つ、「クリアインクA」と「クリアインクB−2」との吸光度曲線を描図するグラフにおいて、「クリアインクB−2」における吸光度よりも、「クリアインクA」における吸光度が大きくなる範囲の面積が0.5以上である関係があることを意味する。以下、同様の意味である。)が好ましく、第1のインクにおけるクリアインクと、第2のインクにおけるクリアインクと、の少なくとも3色(3種)のクリアインク(例えば、イエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクの4色(4種)のインクにおけるクリアインクうちの少なくとも3色(3種)のインクにおけるクリアインク)との関係において上記の吸光度の関係があることがより好ましく、第1のインクにおけるクリアインクと、第2のインクにおけるクリアインクと、の少なくとも4色(4種)のクリアインク(例えば、イエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクの4色(4種)のインクにおけるクリアインク)との関係において上記の吸光度の関係があることが更に好ましい。
第1のインクが4色(4種)のインクであって第2のインクが1色(1種)のインクであるインクセットや、第1のインクが4色(4種)のインクであって第2のインクが4色(4種)のインクであるインクセットであっても同様である。更に、第1のインクが4種(4色)超又は4種(4色)未満のインクであって第2のインクが4種(4色)超又は4種(4色)未満のインクであるインクセットであっても同様である。
尚、第2のインクがイエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクからなる4色(4種)のインクである場合において、上記の吸光度の関係を満たす第2のインクの1つのインクはシアンインクであることが好ましい。シアンインクは、比較的長波長の可視光を吸収するインクであるが、波長370nm〜410nm程度の光を多く吸収する光重合開始剤(例えば、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤)を多く含むと、光線の照射によって発生する光重合開始剤由来の化合物によって若干黄色に呈する場合があり、それによりシアンインクの硬化膜自体がわずかに変色するおそれがある。シアンインクに含まれる光重合開始剤を波長370nm〜410nm程度の光をあまり吸収しない光重合開始剤(例えば、チオキサントン系光重合開始剤及び/又はアルキルフェノン系光重合開始剤)を選択することにより、シアンインク(第2のインク)と第1のインクとの関係で上記の吸光度の関係を満たすことが可能となり、且つ、シアンインクの硬化膜が光重合開始剤由来の化合物により変色する可能性を軽減することができる。
又、マゼンダインクは、比較的中波長の可視光を吸収するインクであるが、波長370nm〜410nm程度の光を多く吸収する光重合開始剤を多く含むと、光線の照射によって発生する光重合開始剤由来の化合物によって若干黄色に呈する場合があり、それによりマゼンダインクの硬化膜自体がシアンインクの硬化膜程ではないがわずかに変色するおそれがある。マゼンダインクに含まれる光重合開始剤を波長370nm〜410nm程度の可視光をあまり吸収しない光重合開始剤(例えば、チオキサントン系光重合開始剤及び/又はアルキルフェノン系光重合開始剤)を選択することにより、マゼンダインク(第2のインク)と第1のインクとの関係で上記の吸光度の関係を満たすことが可能となり、且つ、マゼンダインクの硬化膜が光重合開始剤由来の化合物により変色する可能性を軽減することができる。
尚、イエローインクは、比較的短波長の可視光を吸収するインクであり、ブラックインクは短波長を含む可視領域全体の可視光を吸収するインクである。そのため、イエローインク及びブラックインクは既に比較的短波長の可視光を吸収するインクであることから、光重合開始剤由来の化合物によって黄色に呈したとしても硬化膜の変色は殆ど起こらない。
よって、第2のインクがイエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクからなる4色(4種)のインクである場合において、上記の吸光度の関係を満たす第2のインクが1色(1種)である場合には、そのインクはシアンインクであることが好ましい。上記の吸光度の関係を満たす第2のインクが2色(2種)である場合には、そのインクはシアンインクとマゼンダインクであることが好ましい。上記の吸光度の関係を満たす第2のインクが4色(4種)である場合には、そのインクはシアンインクとマゼンダインクとブラックインクとイエローインクであることが好ましい。
本実施形態のインクセットは、第1のインクと、第2のインクと、をこの順で基材に塗布し、第2のインクが塗布された側から光線により光を照射することにより第1のインクと、第2のインクと、を硬化するインクセットであれば、その塗布方法は限定されない。しかしながら、本実施形態のインクセットは、インクジェット方式による塗布方法の1つであるシングルパス方式で用いることが好ましい。シングルパス方式とは、インクジェットヘッドを固定した状態で基材を1度通過させることにより基材上に画像を形成する塗布方法である。
シングルパス方式は、以下の塗布方法の方式である。まず図1に示すように、各インクジェットヘッド(図1中、インクジェットヘッド21とインクジェットヘッド22)を固定し、基材13を各インクジェットヘッドに通過させ、ロールトゥーロールで搬送して、基材13上にインクジェットヘッド21より第1のインク11を塗布する。そして、第1のインク11上にインクジェットヘッド22より第2のインク12を塗布する。そして、光線23により光線を照射することにより第1のインク11と第2のインク12とを同時に硬化(本硬化)させる。本実施形態のインクセットは、シングルパス方式により基材上にインクを塗布するインクセットとして用いられることが特に好ましい。尚、第1のインク11と第2のインク12とを同時に硬化(本硬化)させる光源23としては、375〜415nmの範囲の照度が1500mW/cm以上、好ましくは2000mW/cm以上となるような光線を照射できるような比較的強い光源であることが好ましく、例えばメタルハライドランプを使用することが好ましい。照度及び積算光量の測定には例えば、EIT社製 UV POWER PUCK IIを用いることができる。
図1に記載のプリンタのように第1のインク11は、第2のインク12を塗布する前に光源24より光を照射して第1のインク11を硬化(仮硬化)させておくことが好ましい。第1のインク11を硬化(仮硬化)させておくことにより第2のインク12を塗布した場合であっても第1のインク11が流動性を有することにより第2のインク12と混ざり、インク同士が混ざることによるにじみ等が生じることを防ぐことができる。尚、第1のインク11を硬化(仮硬化)させる光源24としては、第1のインク11の流動性を低下させる程度に硬化させればよいので比較的弱い光源であってもよい。光源としては、375〜415nmの範囲の照度が1000mW/cm以上、好ましくは1500mW/cm以上となるような光線を照射でき、及び/又は375〜415nmの範囲外の照度が10mW/cm以下、好ましくは5mW/cm以下、最も好ましくは0mW/cmとなるような比較的弱い光源であることが好ましく、例えばLEDランプを使用することができる。尚、LEDランプは、375〜415nmの範囲の光を照射可能なLEDランプであることが好ましい。
尚、図1に記載のプリンタは、第1のインクを塗布するインクジェットヘッド21を単色のインクを塗布するためのインクジェットヘッドであり、第2のインクを塗布するインクジェットヘッド23を4色(多色)のインクを塗布するためのインクジェットヘッドであるような構成となっている。しかし、例えば、第1のインクを塗布するインクジェットヘッドを多色のインクを塗布するためのインクジェットヘッドであるような構成であってもよい(図示せず)。又、第2のインクを塗布するインクジェットヘッドを単色のインクを塗布するためのインクジェットヘッドであるような構成であってもよい(図示せず)。
本実施形態のインクセットのように、印刷物(積層体)の第1のインクの硬化性に着目し、第1のインクと第2のインクにおける各クリアインクの吸光度が特定されたインクセットは新規のインクセットである。
第2のインクの吸光度よりも第1のインクの吸光度が大きくなっている範囲の面積は0.7以上であることが好ましく、1.0以上であることがより好ましい。
<第2実施形態のインクセット>
本実施形態のインクセットは、第1のインクと、第2のインクと、を含むインクセットである。第1のインクとは、基材上に塗布するインクである。第2のインクとは、塗布された第1のインク上に塗布されるインクである。
これらの第1のインク及び/又は第2のインクは、それぞれが色材(例えば、イエロー、マゼンダ、シアン、ブラック)を含有する単数のインクであってもよいが、例えば白い色材(ホワイト)を含有するホワイトインク、又は、色材を含有しないインクであってもよい。又、第1のインク及び/又は第2のインクは、単数のインクであってもよいが、例えば、イエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクからなる複数のインクであってもよい。尚、例えば第1のインクが単数のインクであって第2のインクが複数のインクであってもよい。更に、例えば第1のインクが複数のインクであって第2のインクが単数のインクであってもよい。
そして、第1のインク及び第2のインクには、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、が含まれる。光重合開始剤が含まれることにより、活性エネルギー線重合性モノマーの重合反応を促進し、第1のインク及び第2のインクの硬化膜を形成することができる。
第1のインク及び第2のインクには、色材を含有してもよいし、色材を含有しないインクであってもよい。又、必要に応じて、重合禁止剤、分散剤、表面調整剤、艶消し剤、可塑剤、光安定化剤、酸化防止剤等を含有してもよい。
そして、本実施形態のインクセットは、第1のインク及び第2のインク中の光重合開始剤において、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量が調整されている。
具体的には、第1のインクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるX質量%と、第2のインク全量中における、第2のインクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるY質量%と、の関係式であるY/X×100が0以上90以下である。
本発明者らの見解によれば、第1のインクの硬化性が悪化する理由は、第2のインクが塗布された側から光線を照射した場合に、第2のインクに含有されるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤によって、350nmから420nmまでの波長の光線が吸収され、第1のインクにまで350nmから420nmまでの波長の光線が届かず、第1のインクの硬化性が悪化する。
そこで、本実施形態のインクセットでは、第1のインクと第2のインクに含有されるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量を特定されている。Y/X×100が0以上90以下とすることにより、第1のインクが硬化するだけの350nmから420nmまでの波長の光線が第1のインクに届くようになり、第1のインクの硬化性が向上する。
尚、本実施形態のインクセットでは、第2のインクの硬化性を確保するために、アシルフォスフィンオキサイド類以外の光重合開始剤(例えば、チオキサントン系光重合開始剤及び/又はアルキルフェノン系光重合開始剤)を含有することが好ましい。
尚、例えば第1のインクが1色(1種)のホワイトインクであり、第2のインクがイエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクからなる4色(4種)のインクである場合、第1のインクと、第2のインクの少なくとも1つのインクとの関係において上記の第1のインクと第2のインクに含有されるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量の関係があれば本発明の効果を有する。第2のインクの少なくとも1色(1種)のインクとの関係において上記の含有量の関係があれば、所定の画像が形成されている積層体全体において第1のインクの層全体の硬化性は向上するためである。第1のインクと、第2のインクの少なくとも2色(2種)のインク(例えば、イエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクの4色(4種)のうちの少なくとも2色(2種))との関係において上記の第1のインクと第2のインクに含有されるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量の関係があること(即ち、1種の第1のインクにおけるインクAと、4種の第2のインクのうちの2種のインクB−1、B−2があった場合に、「インクA」に含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるX質量%と「インクB−1」に含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるYB−1質量%との関係式であるYB−1/X×100が0以上90以下であり、且つ、「インクA」に含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるX質量%と「インクB−2」に含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるYB−2質量%との関係式であるYB−2/X×100が0以上90以下であることを意味する。以下、同様である。)が好ましく、第1のインクと、第2のインクの少なくとも3色(3種)のインク(例えば、イエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクの4色(4種)のうちの少なくとも3色(3種))との関係において上記の第1のインクと第2のインクに含有されるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量の関係があることが好ましく、第1のインクと、第2のインクの4色(4種)のインク(例えば、イエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクの4色(4種))との関係において上記の第1のインクと第2のインクに含有されるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量の関係があることが好ましい。
第1のインクが4色(4種)のインクであって第2のインクが1色(1種)のインクであるインクセットや、第1のインクが4色(4種)のインクであって第2のインクが4色(4種)のインクであるインクセットであっても同様である。更に、第1のインクが4種(4色)超又は4種(4色)未満のインクであって第2のインクが4種(4色)超又は4種(4色)未満のインクであるインクセットであっても同様である。
尚、第2のインクがイエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクからなる4色(4種)のインクである場合において、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量の関係を満たす第2のインクの1つのインクはシアンインクであることが好ましい。シアンインクは、比較的長波長の可視光を吸収するインクであるが、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を多く含むと、光線の照射によって発生する光重合開始剤由来の化合物によって若干黄色に呈する場合があり、それによりシアンインクの硬化膜自体がわずかに変色するおそれがある。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤をあまり含まないか、又はアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤以外の重合開始剤(例えば、チオキサントン系光重合開始剤及び/又はアルキルフェノン系光重合開始剤)を選択することにより、上記のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量の関係を満たすことが可能となり、且つ、シアンインクの硬化膜が光重合開始剤由来の化合物により変色する可能性を軽減することができる。
又、マゼンダインクは、比較的中波長の可視光を吸収するインクであるが、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤を多く含むと、光線の照射によって発生する光重合開始剤由来の化合物によって若干黄色に呈する場合があり、それによりマゼンダインクの硬化膜自体がシアンインクの硬化膜程ではないがわずかに変色するおそれがある。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤をあまり含まないか、又はアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤以外の重合開始剤(例えば、チオキサントン系光重合開始剤及び/又はアルキルフェノン系光重合開始剤)を選択することにより、上記のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量の関係を満たすことが可能となり、且つ、シアンインクの硬化膜が光重合開始剤由来の化合物により変色する可能性を軽減することができる。
尚、イエローインクは、比較的短波長の可視光を吸収するインクであり、ブラックインクは短波長を含む可視領域全体の可視光を吸収するインクである。そのため、イエローインク及びブラックインクは既に比較的短波長の可視光を吸収するインクであることから、光重合開始剤由来の化合物によって黄色に呈したとしても硬化膜の変色は殆ど起こらない。
よって、第2のインクがイエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインクからなる4色(4種)のインクである場合において、上記のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量の関係を満たす第2のインクが1色(1種)である場合には、そのインクはシアンインクであることが好ましい。上記のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量の関係を満たす第2のインクが2色(2種)である場合には、そのインクはシアンインクとマゼンダインクであることが好ましい。上記のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量の関係を満たす第2のインクが4色(4種)ある場合には、そのインクはシアンインクとマゼンダインクとブラックインクとイエローインクであることが好ましい。
本実施形態のインクセットのように、印刷物(積層体)の第1のインクの硬化性に着目し、第1のインクと第2のインクに含有されるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量比が特定されたインクセットは新規のインクセットである。
尚、本実施形態のインクセットは、上記の第1実施形態のインクセットと同様に、シングルパス方式により基材上にインクを塗布するインクセットとして用いられることが特に好ましい。その他、塗布方法についての記載は第1実施形態のインクセットと同様である。
尚、Y/X×100は、0以上70以下であることが好ましく、0以上50以下であることがより好ましく、0以上20以下であることが更に好ましく、0であることが最も好ましい。
又、第2実施形態のインクセットにおいても、光線の350nmから420nmまでの波長と、上記の式(Aλ=−log10(I/I))による定義される吸光度と、の関係が吸光度曲線によって表された場合に、第2のインクにおけるクリアインクの吸光度よりも第1のインクにおけるクリアインクの吸光度が大きくなっている範囲の面積が0.5以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましく、1.0以上であることが更に好ましい。
以下、第1実施形態及び第2実施形態のインクセットに含有される各成分について説明する。
[光重合開始剤]
光重合開始剤は、上記の実施形態を満たすことができる光重合開始剤であれば特に制限はされない。例えば、波長350nmから420nmまでの光を含む光線を照射することにより活性エネルギー線重合性モノマーの重合反応を促進する光重合開始剤を用いることができる。波長350nmから420nmまでの光を含む光線を照射することにより活性エネルギー線重合性モノマーの重合反応を促進する光重合開始剤であることが好ましい。このような光重合開始剤は硬化速度、照射装置の入手容易さ、価格等の観点において優れた光重合開始剤である。
光重合開始剤としては、従来公知の光重合開始剤を用いることができる。重合開始剤の具体例として、例えば、チオキサントン等を含む芳香族ケトン類、α−アミノアルキルフェノン類、α−ヒドロキシケトン類、アシルフォスフィンオキサイド類、芳香族オニウム塩類、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、及びアルキルアミン化合物等が挙げられる。
上記の第1の実施形態のインクセットとしては、例えば、第1のインクに含有される光重合開始剤と、第2のインクに含有される光重合開始剤と、をそれぞれそれらの吸収波長の異なる光重合開始剤を用いることにより、第1のインクと第2のインクの吸光度測定において、第2のインクの吸光度よりも第1のインクの吸光度が大きくなっている範囲の面積が0.5以上となる。
上記の第1の実施形態のインクセットにおいて、例えば、第1のインクには、光重合開始剤としてアシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤を用いて、第2のインクには光重合開始剤としてチオキサントン系光重合開始剤及び/又はアルキルフェノン系光重合開始剤を用いるとよい。第2のインクに第1のインクに含有されるアシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤の含有量よりも少ない量のアシルフォスフィンオキサイド類の光重合開始剤を更に含有してもよい。第1のインクと、第2のインクにチオキサントン系光重合開始剤及び/又はアルキルフェノン系光重合開始剤を用いて、その含有量比を調整してもよい。
上記の第2の実施形態のインクセットにおいて、第1のインクにはアルキルフェノン系光重合開始剤は含有されるが、Y/X×100が0以上90以下を満たすならば特に限定はされない。例えば、第2のインクにはアルキルフェノン系光重合開始剤は含有していなくてもよい(その場合、Y/X×100は0となる。)。なお、第2のインクの硬化性を確保するために第2のインクには、アルキルフェノン系光重合開始剤以外の光重合開始剤が含有されていることが好ましい。アルキルフェノン系光重合開始剤以外の光重合開始剤としては、例えば、チオキサントン系光重合開始剤及び/又はアルキルフェノン系光重合開始剤を挙げることができる。
本実施形態に関する光重合開始剤の量は、活性エネルギー線重合性モノマーの光重合反応を適切に開始できる量であればよく、インク組成物全体に対して1.0質量%以上であることが好ましく、3.0質量%以上であることがより好ましい。又、インク組成物全体に対して20.0質量%以下であることが好ましい。
[活性エネルギー線重合性モノマー]
上記第1及び第2の実施形態のインクセットにおける各インクには、活性エネルギー線重合性モノマーを含有する。活性エネルギー線重合性モノマーは、エチレン性不飽和二重結合を有し、活性エネルギー線が照射されることにより光重合開始剤により重合性を有するモノマーであれば特に限定されない。活性エネルギー線重合性モノマーは、エチレン性不飽和二重結合が化合物中に1個有する単官能モノマーであってもよいし、エチレン性不飽和二重結合が化合物中に2個以上有する多官能モノマーであってもよい。なお、本明細書における「活性エネルギー線重合性モノマー」のモノマーとは、その分子量によってはオリゴマーとも称される化合物をも含む概念である。
単官能モノマーの例として、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)、トリメチロールプロパンフォルマルアクリレート(CTFA)、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)アクリレート、(2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)(メタ)アクリレート、(シクロヘキサンスピロ−2−(1,3−ジオキソラン−4−イル))(メタ)アクリレート、アルキルシクロアルキルアクリレートである4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、γ−ブチロラクトンアクリレート、クレゾールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−アクリロイロキシプロピルフタレート、パラクミルフェノキシエチレングリコールアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、1−アダマンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、3−3−5−トリメチルシクロヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルカプロラクタム、イミドアクリレート、イソオクチルアクリレート、トリデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ステアリルアクリレート、イソデシルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、メトキシポリエチレングリコールアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び、これらのアクリレートにアルコキシ変性、及びカプロラクトン変性等の各種変性を有するもの、を挙げることができる。
多官能モノマーの例として、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、長鎖脂肪族ジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンジ(メタ)アクリレート、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、メトキシ化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、アクリル化イソシアヌレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールSジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジ(メタ)アクリレート、リン酸ジ(メタ)アクリレート、亜鉛ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート及びこれらの変性数違い、変性種違い、構造違いの(メタ)アクリレート等が挙げられる。
尚、上述したこれらの単官能(メタ)アクリレート及びこれらの多官能(メタ)アクリレートを活性エネルギー線重合性モノマーとして含有する場合、これらの(メタ)アクリレートの含有量は、活性エネルギー線重合性モノマー全量中90質量%以上であることが好ましく、95質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることが更に好ましい。
又、単官能(メタ)アクリレートと、多官能(メタ)アクリレートを適宜組み合わせて用いることもできる。単官能(メタ)アクリレートと、多官能(メタ)アクリレートを組み合わせて用いる場合の含有比率は、用途に応じて適宜調整すればよく、特に限定されない。中でも、硬化膜の密着性と膜強度を両立させる点から、単官能(メタ)アクリレート全量に対して、多官能(メタ)アクリレートが60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。
上記第1及び第2の実施形態の活性エネルギー線重合性モノマーは、1種単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。本実施形態の活性エネルギー線硬化型インク組成物においては、無溶剤型、即ち有機溶剤を含まないことが好ましいため、通常、当該エチレン性不飽和結合を有する化合物が溶媒又は分散媒の代わりとなる。そのため、硬化性や、硬化後における膜物性の他に、溶媒又は分散媒となり得る観点から、適宜選択して組み合わせることが好ましい。
溶媒又は分散媒となり得る活性エネルギー線重合性モノマーとしては、室温(25℃)で液状であるものの中から適宜選択すればよく、例えば、分子量が150以上のもの又は分子量が400以下のものが好適に用いられる。
又、溶媒又は分散媒となり得る活性エネルギー線重合性モノマーは、中でも、活性エネルギー線硬化型インク組成物のゲル化を防ぐ観点から、水酸基やカルボキシ基を含まないものが好ましい。
溶媒又は分散媒となり得る活性エネルギー線重合性モノマーとして、好ましいものの具体例としては、例えば、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、エチルカルビトールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジビニルエーテル、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、シクロヘキサンスピロ−2−(1,3−ジオキソラン−4−イル))(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
上記第1及び第2の実施形態の活性エネルギー線重合性モノマーの含有量は、特に限定されない。硬化膜における硬化性の点から、本実施形態の活性エネルギー線硬化型インク組成物全体における活性エネルギー線重合性モノマーにおける含有量は、30質量%以上であることが好ましく、45質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。
[重合禁止剤]
上記第1及び第2の実施形態のインクセットにおけるインク組成物は、必要に応じて重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤としては、特に限定されず、例えば、ジフェニルピクリルヒドラジド、トリ−p−ニトロフェニルメチル,p−ベンゾキノン、p−tert−ブチルカテコール、ピクリン酸、塩化銅、メチルハイドロキノン、メトキノン、tert−ブチルハイドロキノン、フェノチアジン類、ニトロソアミン類等の重合禁止剤を用いることができる。
[色材]
上記第1及び第2の実施形態のインクセットにおけるインク組成物は、必要に応じて色材を含有してもよい。尚、上記第1及び第2の実施形態のインクセットにおけるインク組成物は、色材を含有しないインクであってもよい。色材を含有することで、硬化膜を加飾用の硬化膜として好ましく用いることができる。色材は、染料であってもよく、顔料であってもよい。顔料は、従来のインク組成物に通常用いられている無機顔料又は有機顔料であればどのようなものであってもよく、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、モリブデンレッド、クロムイエロー、カドミウムイエロー、チタンイエロー、酸化チタン、酸化クロム、ビリジアン、チタンコバルトグリーン、ウルトラマリンブルー、プルシアンブルー、コバルトブルー、ジケトピロロピロール、アンスラキノン、ベンズイミダゾロン、アンスラピリミジン、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体顔料、アルミペースト、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、クレー、沈降性硫酸バリウム、パール顔料等が挙げられる。
顔料の好ましい分散粒径は、レーザー散乱法による体積平均粒径で10nm以上であることが好ましい。又、上記第1及び第2の実施形態のインクセットにおけるインク組成物において顔料の好ましい分散粒径は、レーザー散乱法による体積平均粒径で300nm以下であることが好ましい。体積平均粒径を10nm以上、300nm以下、又は10nm以上300nm以下にすることで、耐候性を維持することが可能となることや、分散の安定化が可能となり顔料の沈降や記録装置で活性エネルギー線硬化型インク組成物を吐出する際でのヘッド詰まりや吐出曲がりが発生する可能性を軽減することが可能となる。
上記第1及び第2の実施形態のインクセットにおけるインク組成物において、顔料を用いる場合、その含有量は適宜調整されればよい。顔料の種類によっても異なるが、活性エネルギー線硬化型インク組成物全量における、顔料の含有量は、分散性と着色力を両立する点から、有機顔料の場合、0.1質量%以上が好ましく、0.2質量%以上がより好ましい。又、分散性と着色力を両立する点から、有機顔料の場合、20.0質量%以下が好ましく、10.0質量%以下がより好ましい。又、分散性と着色力を両立する点から、無機顔料の場合、1.0質量%以上が好ましく、5.0質量%以上がより好ましい。又、無機顔料の場合、40.0質量%以下が好ましく、20.0質量%以下がより好ましい。
[分散剤]
上記第1及び第2の実施形態のインクセットにおけるインク組成物は、必要に応じて分散剤を含有してもよい。分散剤としては例えば高分子分散剤が挙げられる。この高分子分散剤の主鎖はポリエステル系、ポリアクリル系、ポリウレタン系、ポリアミン系、ポリカプロラクトン系等からなり、高分子分散剤は、側鎖としてアミノ基、カルボキシル基、スルホン基、ヒドロキシル基等の極性基やこれらの塩を有するのが好ましい。
高分子分散剤としては、ビックケミー社製「ANTI−TERRA−U100」、「DISPERBYK−103」、「DISPERBYK−106」、「DISPERBYK−111」、「DISPERBYK−118」、「DISPERBYK−161」、「DISPERBYK−162」、「DISPERBYK−163」、「DISPERBYK−164」、「DISPERBYK−167」、「DISPERBYK−168」、「DISPERBYK−170」、「DISPERBYK−171」、「DISPERBYK−174」、「DISPERBYK−182」、「DISPERBYK−182」、「DISPERBYK−185」、「DISPERBYK−2008」、「DISPERBYK−2009」、「DISPERBYK−2013」、「DISPERBYK−2055」、「DISPERBYK−2096」、「DISPERBYK−2152」、「DISPERBYK−2155」、「DISPERBYK−2163」、「DISPERBYK−2164」、「DISPERBYK−2200」、「BYK−9076」、「BYK−9077」、「BYKJET−9142」、「BYKJET−9150」、「BYKJET−9151」、「BYKJET−9152」;ビーエーエスエフ社製「Dispex Ultra FA 4420」、「Dispex Ultra FA 4425」、「Efka PX 4701」、「Efka PX 4731」、「Efka PX 4732」、「Efka PX 4733」;ルーブリゾール社製「ソルスパース(SOLSPERSE)3000」、「ソルスパース5000」、「ソルスパース9000」、「ソルスパース12000」、「ソルスパース13240」、「ソルスパース13940」、「ソルスパース16000」、「ソルスパース17000」、「ソルスパース18000」、「ソルスパース20000」、「ソルスパース21000」、「ソルスパース22000」、「ソルスパース24000」、「ソルスパース26000」、「ソルスパース27000」、「ソルスパース28000」、「ソルスパース32000」、「ソルスパース33000」、「ソルスパース36000」、「ソルスパース39000」、「ソルスパース41000」、「ソルスパース54000」、「ソルスパース55000」、「ソルスパース56000」、「ソルスパース71000」「ソルスパースX300」、「ソルスパースJ100」、「ソルスパースJ180」、「ソルスパースJ200」、「ソルスパースM386」、「ソルスパースM387」、;楠本化成社製「ディスパロン DA−325」、「ディスパロン DA−375」、「ディスパロン DA−234」、「ディスパロン DA−550」;味の素ファインテクノ社製「アジスパーPB821」、「アジスパーPB822」、「アジスパーPB824」、「アジスパーPB881」;共栄社化学社製、「フローレンG−700」、「フローレンKDG−2400」、「フローレンGW−1500」;エボニックデグサジャパン社製「TEGO Dispers652」、「TEGO Dispers656」、「TEGO Dispers685」、「TEGO Dispers688」、「TEGO Dispers690」等が挙げられる。
[表面調整剤]
本実施形態の活性エネルギー線硬化型インク組成物は、更に表面調整剤を含有していてもよい。表面調整剤としては特に限定されないが、具体例としては、ジメチルポリシロキサンを有するビックケミー社製「BYK−302」、「BYK−307」、「BYK−322」、「BYK−331」、「BYK−333」、「BYK−354」、「BYK−377」、「BYK−378」、「BYK−361N」、「BYK−377」、「BYK−378」、「BYK−3455」、「BYK−UV3500」、「BYK−UV3505」、「BYK−UV3510」、「BYK−UV3535」、「BYK−UV3560」、「BYK−UV3570」、「BYK−UV3575」、「BYK−UV3576」;エボニックデグサジャパン社製「TEGO Flow370」、「TEGO Flow425」、「TEGO Glide100」、「TEGO Glide110」、「TEGO Glide130」、「TEGO Glide410」、「TEGO Glide432」、「TEGO Glide435」、「TEGO Glide440」、「TEGO Glide450」、「TEGO GlideZG400」、「TEGO Twin4000」、「TEGO Twin4100」、「TEGO Twin4200」、「TEGO Wet270」、「TEGO Wet500」、「TEGO Wet505」、「TEGO Rad2010」「TEGO Rad2011」、「TEGO Rad2100」、「TEGO Rad2200N」、「TEGO Rad2250」「TEGO Rad2300」、「TEGO Rad2500」、「TEGO Rad2600」、「TEGO Rad2700」;共栄社化学社製「ポリフローKL−401」、「ポリフローKL−402」、「ポリフローKL−403」、「ポリフローKL−404」;アクリルポリマー系では、共栄社化学社製「ポリフローNo.75」、「ポリフローNo.77」、「ポリフローNo.90」、「ポリフローNo.95」、「ポリフローNo.99C」等が挙げられる。
表面調整剤の含有量は、インク組成物全量中0.1質量%以上であることが好ましい。又、表面調整剤の含有量は、インク組成物全量中5.0質量%以下であることが好ましい。0.1質量%以上、又は、5.0質量%以下とすることで、インク組成物が熱可塑性樹脂基材等に対し好ましい濡れ性を有することとなり、基材上に記録する(像を形成する)際に活性エネルギー線硬化型インク組成物がハジキを生じることなく濡れ広がることが可能となる。
[艶消し剤]
本実施形態の活性エネルギー線硬化型インク組成物は、必要に応じて、艶消し剤を含有してもよい。艶消し剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウムなどの各種粉粒体を使用することができる。艶消し剤は、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。
[その他の添加剤]
又、本実施形態の活性エネルギー線硬化型インク組成物は、その他の添加剤として、可塑剤、光安定化剤、酸化防止剤等、種々の添加剤を含有していてもよい。溶剤は本願の目的を達成する範囲内で添加することもできる。
又、本実施形態の活性エネルギー線硬化型インク組成物の表面張力は、活性エネルギー線硬化型インク組成物の吐出性、吐出安定性の点から、40℃での表面張力が20mN/m以上であることが好ましい。又、40℃での表面張力が40mN/m以下であることが好ましい。
<インクの製造方法>
本実施形態のインクの製造方法は、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を用いることができる。又、粒状の色材、粒状の艶消し剤などを用いる場合は、分散機を用いて、活性エネルギー線重合性モノマー、分散剤等で分散し、その後、光重合開始剤と、必要に応じて表面調整剤等を添加して均一に撹拌し、更にフィルターで濾過することによってインクが得られる。
<積層体の製造方法>
本実施形態の積層体の製造は、上記の実施形態のインクセットを、基材上へ好ましくはインクジェット方式で印刷した後、波長200nmから450nm位までの光を含む光線で硬化することによって行われる。印刷は、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スプレー方式、刷毛塗り方式など従来公知の方式で印刷可能であるが、小ロット多品種に対応できる点でインクジェット方式であることが好ましい。又、インクジェット方式の中でもインクジェットヘッドを固定した状態で基材を1度通過させることにより基材上に画像を形成するシングルパス方式であることがより好ましい。インクジェット方式で印刷する際にインクジェットヘッドを加熱した状態で印刷してもよいし、室温のまま印刷してもよい。
上記の実施形態のインクセットを使用して基材に画像を形成することができる。例えば、様々な色合いの色材をそれぞれ含有させた活性エネルギー線硬化型インク組成物のインクセットを用意し、インクジェット方式により印刷後、インク組成物を硬化することによって、基材に様々な画像を形成することができる。このような硬化膜を形成するインク組成物や基材上に画像を形成する像形成方法も本発明の範囲である。尚、本明細書において「画像」とは、単色又は複数の色からなる文字、図表、図形、記号、写真等を含む視覚を通じて認識することができる装飾的な像を意味し、例えば、木目、石目、布目、砂目、幾何学模様、文字などからなる絵柄等も含まれる。
[第1実施形態のインクセットを用いた積層体の製造方法]
第1実施形態のインクセットを用いた積層体の製造方法は、例えば次の工程を含む積層体の製造方法を挙げることができる。
具体的には、(1)基材上に、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、必要に応じて色材と、が含まれた第1のインクを塗布する工程(2)第1のインク上に、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、必要に応じて色材と、が含まれた第2のインクを塗布する工程(3)第2のインクが塗布された側から光線を照射することにより基材上に塗布されたインクを硬化し、基材上に第1のインクの硬化膜と第2のインクの硬化膜とを形成する工程の(1)〜(3)の工程を含む積層体の製造方法である。尚、(1)の工程の後、且つ(2)の工程の前に、基材に塗布された第1のインクに光線を照射することにより流動性が無くなる程度に硬化(仮硬化)する工程を備えていてもよい。
そして、第1実施形態のインクセットは上述した通り、第1のインクが硬化するだけの350nmから420nmまでの波長の光線が第1のインクに届くように第2のインクにおけるクリアインクの吸光度よりも第1のインクにおけるクリアインクの吸光度が大きくなっている範囲の面積が特定されている。そのため、第1実施形態のインクセットを用いた積層体の製造方法は、第1のインクにより形成される硬化膜の硬化性が向上することのできる積層体の製造方法である。
[第2実施形態のインクセットを用いた積層体の製造方法]
第2実施形態のインクセットを用いた積層体の製造方法は、例えば次の工程を含む積層体の製造方法を挙げることができる。
具体的には、(1)基材上に、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、が含まれた第1のインクを塗布する工程(2)第1のインク上に、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、が含まれた第2のインクを塗布する工程(3)第2のインクが塗布された側から光線を照射することにより基材上に塗布されたインクを硬化し、基材上に第1のインクの硬化膜と第2のインクの硬化膜とを形成する工程の(1)〜(3)の工程を含む積層体の製造方法である。尚、(1)の工程の後、且つ(2)の工程の前に、基材に塗布された第1のインクに光線を照射することにより流動性が無くなる程度に硬化(仮硬化)する工程を備えていてもよい。尚、第1のインク及び第2のインクには必要に応じて色材を含有してもよい。
そして、第2実施形態のインクセットは上述した通り、第1のインクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるX質量%と、第2のインク全量中における、第2のインクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるY質量%と、の関係式であるY/X×100が0以上90以下である。第1のインクが硬化するだけの350nmから420nmまでの波長の光線が第1のインクに届くようになり、第1のインクの硬化性が向上する。そのため、第2実施形態のインクセットを用いた積層体の製造方法は、第2のインクにより形成される硬化膜の硬化性が向上することのできる積層体の製造方法である。
[基材]
基材は特に限定されず、例えば塗工紙、非塗工紙、布帛等の吸収体、非吸収性基材のいずれも使用することができる。具体的には、非塗工紙としては、更紙、中質紙、上質紙、塗工紙としては、コート紙、アート紙、キャスト紙、軽量コート紙、微塗工紙、布帛等の吸収体としては、綿、化繊織物、絹、麻、布帛、不織布、皮革等を例示でき、非吸収性基材としては、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系合成紙、塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、金属、金属箔コート紙、ガラス、合成ゴム、天然ゴム等を例示できる。可撓性を有する基材であっても可撓性を有しない基材であってもよい。
[活性エネルギー線による硬化]
上記の実施形態のインクセットを硬化させた硬化膜(以下、「硬化膜」と表記することがある。)を形成するための活性エネルギー線は、波長200nmから450nmまでの光を含む光線であることが好ましく、波長350nmから420nmまでの光を含む光線であることがより好ましい。光源は、波長200nmから450nmまでの光を含む光線を照射できる光源であれば特に限定されるものではなく、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザー、太陽光、LEDランプ等が挙げられる。
第1のインク11と第2のインク12とを同時に硬化(本硬化)させる光源23としては、比較的強い光源であることが好ましく、例えばメタルハライドランプを使用することが好ましい。第1のインク11を硬化(仮硬化)させる光源24としては、第1のインク11の流動性を低下させる程度に硬化させればよいので比較的弱い光源であってもよく、例えばLEDランプを使用することができる。
硬化膜の厚さは、1μm以上であることが好ましい。又、硬化膜の厚さは、50μm以下であることが好ましい。1μm以上にすることで、色材を含有する硬化膜の色濃度が薄くなることなく、意匠性や装飾性の低下や密着性、伸長性等の物性が向上するため、より好ましい。50μm以下にすることで、インク組成物に対して活性エネルギー線を照射した際に、インク組成物をより短時間で充分に硬化することができるようになるため、より好ましい。
硬化膜の厚さの測定方法は、作製した硬化膜と同様の塗布条件でPETフィルム(東洋紡績社製、コスモシャインA4300)に上記の実施形態のインク組成物を塗布し、得られた硬化膜の厚さをマイクロメーターにより測定することができる。尚、本明細書において、硬化膜の厚さとは1サンプルにつき10箇所行い、これらの平均値を厚さ(平均厚さとする)。後述の保護層及びプライマーについても同様のものとする。
[硬化膜]
上記の実施形態のインクセットにより形成される硬化膜は、加飾層として用いることができるが、色材を含有せずに加飾層上に吐出すれば本硬化膜自体を硬化膜を保護するオーバーコート層として利用することもできる。
基材にオーバーコート層を形成する場合、これらの層を形成する方法としてはどのような方法であってもよく、例えば、スプレー塗布、タオル、スポンジ、不織布、ティッシュ等を用いた塗布、ディスペンサー、刷毛塗り、グラビア印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷、インクジェット、熱転写方式等のいずれであってもよい。
上記の実施形態のインクセットを吐出し、波長350nmから420nmまでの光を含む光線などの活性エネルギー線を照射することにより、基材上に画像を形成することができる。更に、インクの吐出量やインクを吐出してから活性エネルギー線照射までの時間等の条件を調節することで、硬化膜に画像以外の意匠性を付与することもできる。例えば、1回の吐出量を吐出箇所によって増減させることで凹凸を付与することもできるし、又同一箇所でインクの吐出と活性エネルギー線の照射とを繰り返すことで他の箇所との凹凸差を付与することもできる。このような画像及び/又は凹凸像を形成する像形成方法も本発明の範囲である。
[オーバーコート層]
積層体の耐久性をより向上させることを目的に、上記の実施形態のインク組成物の硬化膜の表面に、従来公知のオーバーコート剤からなるオーバーコート層又は上記の実施形態のインク組成物と同様の組成であって色材を含有しないインクをオーバーコート剤として用いて形成されるオーバーコート層が更に形成されていてもよい。なお、オーバーコート層は、インク組成物の硬化膜からなる層の表面に形成される場合に限らず、基材の表面に直接形成されていてもよいし、基材の表面に形成されたプライマー層の表面に形成されていてもよい。
オーバーコート層の厚さは、1μm以上であることが好ましい。1μm以上とすることで、硬化膜を適切に保護することができるため好ましい。又、オーバーコート層の厚さは、50μm以下であることが好ましい。50μm以下とすることで、オーバーコート層を形成するために乾燥時間が短縮され、生産性に優れたものとすることができるため好ましい。
以下、実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に何ら制限を受けるものではない。
<インクの調整>
各材料を表1に示す割合(単位は質量部)になるように混合し、室温(20〜25℃)にて1時間撹拌した。その後、溶け残りがないことを確認した。その後、メンブレンフィルターを用いて濾過を行い、実施例、及び比較例のインクを調製した。
表1中、「ホワイトミルベース」は、以下の方法により製造した。225mlガラスビンに高分子分散剤(日本ルーブリゾール株式会社製「SOLSPERSE32000」)4gを、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートHDDA(共栄社化学株式会社製「1,6HX−A」)56gに溶解させ、次いで、ホワイト顔料(酸化チタンJR405、テイカ株式会社製)40gを加えた後、直径0.3mmのジルコニアビーズを200g入れ、ペイントシェーカー(浅田鉄工株式会社製)により分散しホワイトミルベースを作製した。
表1中、「シアンミルベース」は、以下の方法により製造した。225mlガラスビンに高分子分散剤(日本ルーブリゾール株式会社製「SOLSPERSE32000」)6gを、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートHDDA(共栄社化学株式会社製「1,6HX−A」)82gに溶解させ、次いで、シアン顔料(LIONOL BLUE FG−7400−G、東洋インキ製造社製)12gを加えた後、直径0.3mmのジルコニアビーズを200g入れ、ペイントシェーカー(浅田鉄工株式会社製)により分散しシアンミルベースを作製した。
表1中、「イエローミルベース」は、以下の方法により製造した。225mlガラスビンに高分子分散剤(日本ルーブリゾール株式会社製「SOLSPERSE32000」)6gを、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートHDDA(共栄社化学株式会社製「1,6HX−A」)82gに溶解させ、次いで、イエロー顔料(INKJET YELLOW 4GC、Clarinat社製)12gを加えた後、直径0.3mmのジルコニアビーズを200g入れ、ペイントシェーカー(浅田鉄工株式会社製)により分散しシアンミルベースを作製した。
表1中、「マゼンダミルベース」は、以下の方法により製造した。225mlガラスビンに高分子分散剤(日本ルーブリゾール株式会社製「SOLSPERSE32000」)6gを、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートHDDA(共栄社化学株式会社製「1,6HX−A」)82gに溶解させ、次いで、マゼンダ顔料(FASTGEN SUPER MAGENTA RG、DIC(株)社製)12gを加えた後、直径0.3mmのジルコニアビーズを200g入れ、ペイントシェーカー(浅田鉄工株式会社製)により分散しシアンミルベースを作製した。
表1中、「ブラックミルベース」は、以下の方法により製造した。225mlガラスビンに高分子分散剤(日本ルーブリゾール株式会社製「SOLSPERSE32000」)6*gを、1,6−ヘキサンジオールジアクリレートHDDA(共栄社化学株式会社製「1,6HX−A」)82gに溶解させ、次いで、ブラック顔料(MA−8、三菱化学(株)社製)12gを加えた後、直径0.3mmのジルコニアビーズを200g入れ、ペイントシェーカー(浅田鉄工株式会社製)により分散しシアンミルベースを作製した。
表1中、「HDDA」は、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート 共栄社化学株式会社製「1,6HX−A」を意味する。
表1中、「VEEA」は、アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル 日本触媒株式会社「VEEA」を意味する。
表1中、「IRGACURE TPO」は、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(BASF社製の光重合開始剤であって、「アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤」に該当する)である。
表1中、「IRGACURE 819」は、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製の光重合開始剤であって、「アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤」に該当する)である。
表1中、「DETX」は、2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オン(三菱商事ケミカル社製の光重合開始剤であって、「チオキサントン系光重合開始剤」に該当する)を意味する。
表1中、「IRGACURE 379」は、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノンBASF社製の光重合開始剤であって、「アルキルフェノン系光重合開始剤」に該当する)である。
表1中、「IRGACURE 127」は、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(BASF社製の光重合開始剤であって、「アルキルフェノン系光重合開始剤」に該当する)である。
Figure 2019099748
Figure 2019099748
[吸光度測定]
インク1−1〜1−6、インク2−1〜2−13について吸光度測定を行った。具体的には、インク1−1〜1−6、インク2−1〜2−13における色材以外の各成分を同一質量部含有したインクをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにより100倍に希釈して製造した各クリアインクについて、島津製作所社製 UV−2500Pを用いて波長350nmから420nmまでの光を照射して、測定間隔を0.5nmとして波長350nmから420nmの範囲の入射光強度I及び透過光強度Iをから吸光度Aλ(=log10(I/I))の吸光度曲線を求めた。
そして、各インクの吸光度曲線から実施例及び比較例のインクセットにおける、第2のインクにおけるクリアインクの吸光度よりも、第1のインクにおけるクリアインクの吸光度が大きくなる範囲の面積(表1中、「吸光度面積」と表記)を求めた。
[密着性試験]
実施例及び比較例のインクセットにより製造された積層体について密着性試験を行った。具体的には、シングルパス方式のインクジェットプリンタヘッド(京セラ社製 型番KJ4A−TA)を用いて、基材としてFNSツヤ50(リンテック社製)の表面に第1のインクとしてインク1−1〜1−5を塗布(ベタ印刷)し、光源としてLEDランプ(照射波長385nm)により光線を照射して(積算光量(320〜390nm):30mJ/cm)仮硬化させ、第1のインク上に第2のインクとしてインク2−1〜2−10を塗布(ベタ印刷)して、第2のインクが塗布されている側から光源としてメタルハライドランプにより光線を照射して(積算光量(320〜390nm):1850mJ/cm)、基材上に塗布された第1のインク及び第2のインクを硬化し、積層体を製造した。
積層体におけるインク硬化膜層にセロハン粘着テープを貼り付け、インク硬化膜層とセロハン粘着テープと充分に密着した後、セロハン粘着テープを角度90°で剥離したときのインク硬化膜層の基材への密着性を以下の評価基準に基づき評価した。
[評価基準]
〇:インク硬化膜層の剥離は見られなかった。
△:インク硬化膜層の一部が剥離した。
×:インク硬化膜層の大部分が剥離した。
表1より、吸光度測定において、第1のインクの前記吸光度が大きくなる範囲の面積が0.5以上であるインクセット、又は各インクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量比の関係式であるY/X×100が0以上90以下のインクセットであれば、基材と第1のインクの層との密着性が高く、第1のインクの硬化性が良好であるインクセットであることが分かる。
尚、実施例17〜19については、第2のインクとしてシアン以外の色のインク(インク2−11〜2−13)を用いて同様に積層体を製造し、密着性試験を行ったところ、インク硬化膜層の剥離は見られなかった。本結果から、第2のインクがシアンインク以外のインクであっても同様の効果を有することが分かる。
実施例20については、第1のインクとして、インク1−6(イエローインク)を用い、第2のインクとして、インク2−12(マゼンダインク)を用いて、積層体を製造し、同様に密着性試験を行ったところ、インク硬化膜層の剥離は見られなかった。本結果から、第1のインクがホワイトインク以外のインクであっても同様の効果を有することが分かる。
本試験結果から、本発明のインクセットは、基材上に塗布された第1のインクの硬化性が良好であるインクセットであることが確認された。
[複数の第2のインクの密着性試験]
(実施例21)
第2のインクが複数のインクであるインクセットにより製造された積層体の密着性試験を行った。具体的には、第1のインクとして、インク1−1の1種を用いて、第2のインクとして、インク2−11(イエロー)、インク2―12(マゼンダ)、インク2−3(シアン)、インク2−13(ブラック)の4種を用いた。そして、インク1−1を第1のインクの1つのインクジェットヘッド(図1中、インクジェットヘッド21に相当)に注入し、インク2−11、インク2―12、インク2−3、インク2−13の4種を第2のインクの4つのインクジェットヘッド(図1中、インクジェットヘッド22に相当)にそれぞれ注入した。そして、基材上に第1のインク(インク1−1)を塗布(ベタ印刷)し、光源としてLEDランプ(照射波長385nm)により光線を照射して(積算光量(320〜390nm):30mJ/cm)仮硬化させ、第1のインク(インク1−1)上に第2のインク(インク2−11、インク2―12、インク2−3、インク2−13)を0.5mm間隔の幅0.5mmのストライプ印刷パターンにより塗布して、第2のインクが塗布されている側から光源としてメタルハライドランプにより光線を照射して(積算光量(320〜390nm):1850mJ/cm)、基材上に塗布された第1のインク及び第2のインクを硬化し、積層体を製造した。表3には上記の各インクの吸光度測定における吸光度曲線により求めた「吸光度面積」と、各インクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量比の関係式である「Y/X×100」を示した。
(実施例22)
実施例21のインクセットにおいて、第1のインクとしてインク1−1の代わりにインク1−4の1種を用いて、第2のインクとして、インク2−11(イエロー)、インク2―12(マゼンダ)、インク2−3(シアン)、インク2−13(ブラック)の4種の代わりに、インク2−1〜2−4(いずれもシアン)の4種を用いた。そして上記実施例21同様に積層体を製造した。
(比較例11)
一方、上記の実施例17において、インク2として、インク2−1〜2−4におけるインク2−3の代わりにインク2−1を注入した。そして上記実施例22同様に積層体を製造した。
Figure 2019099748
実施例21、22、及び比較例11のインクセットにより製造された積層体について上記同様に密着性試験を行った。実施例21、22のインクセットにより製造された積層体は、インク硬化膜層の剥離は見られなかった(上記評価で「○」に相当)。一方、比較例11のインクセットにより製造された積層体は、インク硬化膜層の大部分が剥離した(上記評価で「×」に相当)。
実施例21のような第1のインクが1種のインク(ホワイトインク)であり、第2のインクがからなる4種のインク(イエローインク、マゼンダインク、シアンインク、ブラックインク)である場合であっても、実施例1〜20のインクセットと同様に第1のインクの硬化性が良好であるインクセットであることが分かる。
又、実施例22のインクセットのように、第1のインクにおけるクリアインク(インク1−4のクリアインク)と、第2のインクにおけるクリアインクのうちの少なくとも1つのクリアインク(インク2−3のクリアインク)との関係において、第2のインク(インク2−3)におけるクリアインクの吸光度よりも第1のインク(インク1−4)におけるクリアインクの吸光度が大きくなっている範囲の面積が0.5以上の関係があれば第1のインクの硬化性が良好であるインクセットであることが分かる。
本試験結果から、第1のインク及び/又は第2のインクが複数のインクである場合であっても、第1のインクと、第2のインクとの関係において第2のインクの吸光度よりも第1のインクの吸光度が大きくなっている範囲の面積が0.5以上の関係又は、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量の関係であるY/X×100が0以上90以下であれば、基材と第1のインクの層との密着性が高く、第1のインクの硬化性が良好であるインクセットであることが確認された。
11 第1のインク
12 第2のインク
13 基材
21 (第1のインクの)インクジェットヘッド
22 (第2のインクの)インクジェットヘッド
23 光源
24 光源

Claims (9)

  1. 基材上に塗布される第1のインクと、該第1のインク上に塗布される第2のインクと、を含み、該第2のインクが塗布された側から光線を照射することにより前記基材上に塗布されたインクが硬化する光線硬化型のインクセットであって、
    前記第1のインク及び前記第2のインクには、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、必要に応じて色材と、が含まれ、
    プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートによって100倍に希釈され、前記色材を含まない前記第1のインク及び前記第2のインクの各クリアインクに光線を照射する吸光度測定において、該光線の350nmから420nmまでの波長に対する吸光度の関係が吸光度曲線によって表され、
    前記吸光度測定における前記吸光度は以下の式により定義され、
    λ=−log10(I/I
    (式中、λは波長(単位はnm)、Aλは波長λのときの吸光度、Iは波長λのときの入射光強度、Iは波長λのときの透過光強度を意味する。)
    前記第1のインク及び前記第2のインクの各クリアインクにおける前記吸光度曲線を描図するグラフにおいて、前記第2のインクにおけるクリアインクの前記吸光度よりも、前記第1のインクにおけるクリアインクの前記吸光度が大きくなる範囲の面積が0.5以上であるインクセット。
  2. 基材上に塗布される第1のインクと、該第1のインク上に塗布される第2のインクと、を含み、該第2のインクが塗布された側から光線を照射することにより前記基材上に塗布されたインクが硬化する光線硬化型のインクセットであって、
    前記第1のインク及び前記第2のインクには、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、が含まれ、
    前記第1のインク全量中における、前記第1のインクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるX質量%と、
    前記第2のインク全量中における、前記第2のインクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるY質量%と、
    の関係式であるY/X×100が0以上90以下であるインクセット。
  3. 前記第2のインクには、チオキサントン系光重合開始剤及び/又はアルキルフェノン系光重合開始剤が含まれる請求項2に記載のインクセット。
  4. インクジェット用インクとして用いられ、且つ、固定されたインクジェットヘッドに基材を1度通過させることにより該基材上に画像を形成するシングルパス方式により前記基材上にインクを塗布する請求項1から3のいずれかに記載のインクセット。
  5. 基材上に、請求項1から4のいずれかに記載のインクセットの硬化膜であるインク硬化膜層が形成された積層体。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載のインクセットを使用して基材上に画像及び/又は凹凸像を形成する像形成方法。
  7. 請求項1から4のいずれかに記載のインクセットを使用して基材上に画像及び/又は凹凸像を形成する積層体の製造方法。
  8. 基材上に、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、必要に応じて色材と、が含まれた第1のインクを塗布する工程と、
    前記第1のインク上に、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、必要に応じて色材と、が含まれた第2のインクを塗布する工程と、
    前記第2のインクが塗布された側から光線を照射することにより前記基材上に塗布されたインクを硬化し、基材上に前記第1のインクの硬化膜と前記第2のインクの硬化膜とを形成する工程と、
    を含み、
    プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートによって100倍に希釈され、前記色材を含まない前記第1のインク及び前記第2のインクの各クリアインクに光線を照射する吸光度測定において、該光線の350nmから420nmまでの波長に対する吸光度の関係が吸光度曲線によって表され、
    前記吸光度測定における前記吸光度は以下の式により定義され、
    λ=−log10(I/I
    (式中、λは波長(単位はnm)、Aλは波長λのときの吸光度、Iは波長λのときの入射光強度、Iは波長λのときの透過光強度を意味する。)
    前記第1のインク及び前記第2のインクの各クリアインクにおける前記吸光度曲線を描図するグラフにおいて、前記第2のインクにおけるクリアインクの前記吸光度よりも、前記第1のインクにおけるクリアインクの前記吸光度が大きくなる範囲の面積が0.5以上である前記第1のインク及び前記第2のインクを用いた積層体の製造方法。
  9. 基材上に、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、が含まれた第1のインクを塗布する工程と、
    前記第1のインク上に、活性エネルギー線重合性モノマーと、光重合開始剤と、が含まれた第2のインクを塗布する工程と、
    前記第2のインクが塗布された側から光線を照射することにより前記基材上に塗布されたインクを硬化し、基材上に第1のインクの硬化膜と第2のインクの硬化膜とを形成する工程と、
    を含み、
    前記第1のインク全量中における、前記第1のインクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるX質量%と、
    前記第2のインク全量中における、前記第2のインクに含まれるアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の含有量であるY質量%と、
    の関係式であるY/X×100が0以上90以下である前記第1のインク及び前記第2のインクを用いた積層体の製造方法。
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