JP2019099747A - ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤ - Google Patents

ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤ Download PDF

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Abstract

【課題】氷上性能の低下を最小限に抑制しながら、耐摩耗性を向上するゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤを提供すること。【解決手段】天然ゴム30質量%以上、及び変性ジエン系重合体20質量%以上を含むゴム成分(A)と、該ゴム成分(A)に対して所定量の直鎖状多価アルコール(B)及び発泡剤(C)を含み、かつ充填剤(D)を含むゴム組成物、該ゴム組成物を加硫してなる加硫ゴム、並びにこれらを用いたタイヤである。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤに関する。
近年、通常の路面上に加えて、氷上でも安全に走行するためのタイヤとして、スタッドレスタイヤが用いられるようになっている。スタッドレスタイヤは、トレッドゴムを柔らかくすることで、タイヤの氷上性能を向上したタイヤである。しかしながら、一般に柔らかいトレッドゴムを備えるタイヤは、通常の路面における耐摩耗性に劣る傾向にあり、タイヤの氷上性能と耐摩耗性とは二律背反の関係にあるといえる。
また、氷上性能の向上を図る手法として、発泡剤、熱膨張マイクロカプセルといった材料を配合する手法が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されるゴム組成物は、ジエン系ゴム及び所定性状を有する熱可塑性樹脂粒子からなる熱膨張マイクロカプセルを所定量で含むというものである。
特開2005−120183号公報
しかしながら、特許文献1に記載されるゴム組成物は、氷上性能には一定の効果を示すものの、耐摩耗性の点で十分とはいえず、更なる改善が求められている。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、氷上性能の低下を最小限に抑制しながら、耐摩耗性を向上するゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤを提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、下記の構成を有する発明により、上記課題を解決できることを見出した。
1.天然ゴム30質量%以上、及び変性ジエン系重合体20質量%以上を含むゴム成分(A)、直鎖状多価アルコール(B)、発泡剤(C)及び充填剤(D)を含み、該ゴム成分(A)100質量部に対して、該直鎖状多価アルコール(B)の含有量が1質量部以上6質量部以下であり、該発泡剤(C)の含有量が0.1質量部以上20質量部以下であるゴム組成物。
2.前記変性ジエン系重合体が、変性ポリブタジエンゴム及び変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムから選ばれる少なくとも1種を含む上記1に記載のゴム組成物。
3.前記直鎖状多価アルコール(B)が、3以上の水酸基を有するものである上記1又は2に記載のゴム組成物。
4.前記直鎖状多価アルコール(B)が1分子中に有する水酸基の数が、1分子中の炭素原子の数の半分よりも多い上記1〜3のいずれか1つに記載のゴム組成物。
5.前記直鎖状多価アルコール(B)の融点が、170℃以下である上記1〜4のいずれか1つに記載のゴム組成物。
6.前記発泡剤(C)が、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム及び炭酸アンモニウムから選らばれる少なくとも1種である上記1〜5のいずれか1つに記載のゴム組成物。
7.前記ゴム成分(A)100質量部に対する充填剤(D)の含有量が、30質量部以上120質量部以下である上記1〜6のいずれか1つに記載のゴム組成物。
8.更に、複合繊維を含む上記1〜7のいずれか1つに記載のゴム組成物。
9.上記1〜8のいずれか1つにに記載のゴム組成物を加硫してなる、加硫ゴム。
10.発泡率が、5%以上50%以下である上記9に記載の加硫ゴム。
11.上記1〜8のいずれか1つに記載のゴム組成物、又は上記9もしくは10に記載の加硫ゴムを用いたタイヤ。
本発明によれば、氷上性能の低下を最小限に抑制しながら、耐摩耗性を向上するゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤを提供することができる。
複合繊維作製用の二軸押出機に取り付けられるダイの断面図である。
以下、本発明について、その実施形態に基づき詳説する。なお、以下の説明において、数値範囲の記載に関する「以上」、「以下」、「〜」にかかる上限及び下限の数値は任意に組み合わせできる数値であり、実施例における数値を該上限及び下限とすることができる。
〔ゴム組成物〕
本発明のゴム組成物は、天然ゴム30質量%以上、及び変性ジエン系重合体20質量%以上を含むゴム成分(A)、直鎖状多価アルコール(B)、発泡剤(C)及び充填剤(D)を含み、該ゴム成分(A)100質量部に対して、該直鎖状多価アルコール(B)の含有量が1質量部以上6質量部以下であり、該発泡剤(C)の含有量が0.1質量部以上20質量部以下である、ことを特徴とするものである。
本発明における発明の発現機構は定かではないが、その一部は以下のように推測される。
まず、発泡剤(C)を含むことにより、加硫時に発泡剤から発生したガスが加硫ゴムに内包され、加硫ゴムの軽量化が図れるとともに、加硫ゴムの優れた氷上性能が得られる。
そして、ゴム成分(A)と充填剤(D)との関係において、ゴム成分(A)に含まれる変性ジエン系重合体が特に充填剤(D)との相互作用が大きいことから、ゴム成分(A)による天然ゴム相と変性ジエン系重合体相のうち、該変性ジエン系重合体相に充填剤(D)が偏在しやすくなる。かかる偏在によって、充填剤(D)の有する剛性に寄与しやすい性質により耐摩耗性が向上し、かつ変性ジエン系重合体相にミクロな凹凸を発現させて該変性ジエン系重合体相に柔軟性を付与することにより優れた氷上性能を示すものと考えられる。
上記の偏在に加え、ゴム成分(A)中の天然ゴムと直鎖状多価アルコール(B)との何らかの相互作用によって、発泡剤により発泡した加硫ゴムとした場合であっても、耐摩耗性を向上させることができる。かくして、本発明においては、氷上性能と耐摩耗性という二律背反の関係にある性能について、氷上性能の低下を最小限に抑制しながら、耐摩耗性を向上させるという格別の効果を獲得できると考えられる。
《ゴム成分(A)》
本発明のゴム組成物は、天然ゴム30質量%以上、及び変性ジエン系重合体20質量%以上を含むゴム成分(A)を含む。
(変性ジエン系重合体)
変性ジエン系重合体としては、例えば、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、1,3−ヘキサジエン等の共役ジエン化合物由来の構成単位を有する重合体が変性されたものであれば特に制限はない。共役ジエン化合物由来の構成単位を有する重合体としては、具体的には、例えばスチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)等が挙げられ、中でもポリブタジエンゴム(BR)が好ましい。すなわち、本発明において、変性ジエン系重合体としては、変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、変性ポリブタジエンゴムが好ましい。中でも変性ポリブタジエンゴムを含むことが好ましい、といえる。変性ポリブタジエンゴムを含むことで、ゴム組成物が柔らかくなる傾向にあり、例えばゴム組成物をトレッド部に用いると、トレッドの設置面積が大きくなるため、氷上性能を向上させることができる。
変性ジエン系重合体の結合スチレン量(重合体に含まれるスチレン単位の割合)は少なければ少ないほど好ましく、具体的には30%以下が好ましく、25%以下がより好ましく、20%以下が更に好ましく、15%以下がより更に好ましい。共役ジエン化合物部分の結合スチレン量が上記範囲内であると、氷上性能の低下を抑制しながら、耐摩耗性を向上させることができる。ここで、変性ジエン系重合体の結合スチレン量は、赤外法(モレロ法)により求めることができる。
変性ジエン系重合体の結合スチレン量は、重合に用いる単量体の量、重合度等により適宜調整することができる。
変性ジエン系重合体は、ジエン系重合体の主鎖、側鎖、末端(片末端又は両末端)のいずれの部位が変性されていてもよく、氷上性能の低下を抑制しながら、耐摩耗性を向上させる観点から、末端が変性されていることが好ましい。また、変性剤としては、例えばグリシドキシ基を有するシラン化合物、アルコキシシラン化合物、ヒドロカルビルオキシシラン化合物等のシラン化合物が好ましく挙げられる。シラン化合物を変性剤として用い、かつ充填剤としてシリカを用いる場合、変性ジエン系重合体と充填剤との相互作用がより強くなるため、氷上性能の低下をより抑制し、かつ耐摩耗性を向上させることができる。
変性ジエン系重合体としては、例えば、単量体として共役ジエン化合物を使用して得た、該共役ジエン化合物の重合体又は共重合体(以下、「(共)重合体」と称することがある。)、あるいは単量体として共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物とを使用して得た、該共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物との共重合体の分子末端及び主鎖の少なくとも一方を変性したものを使用することができる。分子末端を変性した公知の変性ジエン系重合体としては、具体的には、国際公開第2003/029299、国際公開第2003/046020号、特表2004−513987号公報、特開平11−29603号公報、特開2003−113202号公報、及び特公平6−29338号公報に開示の変性ジエン系重合体を例示することができ、主鎖を変性した公知の変性ジエン系重合体としては、特表2003−534426号公報、及び特開2002−201310号公報に開示の変性ジエン系重合体を例示することができる。
分子末端が変性された変性ジエン系重合体は、例えば国際公開第2003/046020号、特開2007−217562号公報に記載の方法に従って、活性末端を有する共役ジエン系重合体の末端に、種々の変性剤を反応させることで製造できる。好ましい一態様として、該分子末端が変性された変性ジエン系重合体は、国際公開第2003/046020号、特開2007−217562号公報に記載の方法に従って、シス−1,4結合含有量が75%以上の活性末端を有する共役ジエン系重合体の末端に、シラン化合物(例えば、ヒドロカルビルオキシシラン化合物)を反応させた後、多価アルコールのカルボン酸部分エステルと反応させて安定化を行うことで製造することができる。
上記の好ましい一態様の製造において用いられる多価アルコールのカルボン酸部分エステルとは、多価アルコールとカルボン酸とのエステルであり、かつ水酸基を一つ以上有する部分エステルを意味する。
多価アルコールのカルボン酸部分エステルとしては、具体的には、炭素数4以上の糖類又は変性糖類と脂肪酸とのエステルが好ましく用いられる。このエステルとしては、(a)多価アルコールの脂肪酸部分エステル、特に炭素数10〜20の飽和高級脂肪酸又は不飽和高級脂肪酸と多価アルコールとの部分エステル(モノエステル、ジエステル、トリエステルのいずれであってもよい。)、(b)多価カルボン酸と高級アルコールの部分エステルを、多価アルコールに1〜3個結合させたエステル化合物等が好ましく挙げられる。
部分エステルの原料に用いられる多価アルコールとしては、好ましくは少なくとも三つの水酸基を有する炭素数5又は6の糖類(水素添加されていても、水素添加されていなくてもよい)、グリコールやポリヒドロキシ化合物等が用いられる。また、原料脂肪酸としては、好ましくは炭素数10〜20の飽和又は不飽和脂肪酸であり、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸が用いられる。
多価アルコールの脂肪酸部分エステルの中では、ソルビタン脂肪酸エステルが好ましく、具体的には、ソルビタンモノラウリン酸エステル、ソルビタンモノパルミチン酸エステル、ソルビタンモノステアリン酸エステル、ソルビタントリステアリン酸エステル、ソルビタンモノオレイン酸エステル、ソルビタントリオレイン酸エステル等が挙げられる。
ジエン系重合体の変性に用い得る変性剤である、上記グリシドキシ基を有するシラン化合物としては、具体的には、2−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、(2−グリシドキシエチル)メチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)メチルジメトキシシラン等が挙げられ、これらの中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが特に好ましい。
ジエン系重合体の変性に用い得る変性剤である、上記アルコキシシラン化合物は、アルコキシ基とケイ素原子との結合を有するものであれば特に限定されず、例えば、下記一般式(1)で表されるアルコキシシラン化合物が好ましく挙げられる。
一般式(1)中、R11及びR12は、各々独立に炭素数1〜20の1価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基を示し、a11は0〜2の整数であり、複数のOR12は同じでも異なっていてもよく、a11が2の場合、複数のR11は同じでも異なっていてもよい。また、分子中には活性プロトンは含まれない。
一般式(1)で表されるアルコキシシラン化合物の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトリジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジエトキシシランなどが挙げられる。これらの中でも、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが好ましく挙げられる。アルコキシシラン化合物は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
ジエン系重合体の変性に用い得る変性剤である、上記ヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、下記一般式(2)で表されるものが好ましく挙げられる。
一般式(2)中、R21は、炭素数1〜20の1価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基であり、n21が2以上の場合には同一でも異なっていてもよい。
22は、炭素数1〜20の1価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基であり、窒素原子及びケイ素原子から選ばれる少なくとも1種の元素を含有していてもよい。n22が2以上の場合、複数のR22は同じでも異なっていてもよく、また互いに結合して環状構造を形成してもよい。
23は、炭素数1〜20の1価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子であり、n23が2以上の場合、複数のR23は同一でも異なっていてもよい。
24は、炭素数1〜20の2価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の2価の芳香族炭化水素基であり、n24が2以上の場合、複数のR24は同じでも異なっていてもよい。
21は、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基、(チオ)エポキシ基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、炭酸ジヒドロカルビルエステル基、ニトリル基、ピリジン基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、アミド基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸エステルの金属塩残基、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化合物残基、加水分解性基を有する第一もしくは第二アミノ基、又は加水分解性基を有するメルカプト基である。ここで、加水分解性基を有する第一もしくは第二アミノ基、加水分解性基を有するメルカプト基における加水分解性基としては、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。また、n24が2以上の場合、複数のA21は、同じでも異なっていてもよく、またSiと結合して環状構造を形成してもよい。
一般式(2)中、n21+n22+n23+n24=4(ただし、n22は1〜4の整数であり、n21、n23及びn24は0〜3の整数である。)である。
一般式(2)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(3)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
一般式(3)中、R31は、炭素数1〜20の1価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基である。
32は、炭素数1〜20の1価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基又は含窒素有機基であり、窒素原子及びケイ素原子から選ばれる少なくとも1種の元素を含有していてもよい。n32が2の場合、複数のR32は同じでも異なっていてもよく、また互いに結合して環状構造を形成してもよい。
33は、炭素数1〜20の1価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子である。
34は、炭素数1〜20の2価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の2価の芳香族炭化水素基である。
31は、NR35(R35は1価の炭化水素基、加水分解性基又は含窒素有機基である)、又は硫黄原子である。ここで、加水分解性基としては、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基が好ましく挙げられ、トリメチルシリル基が特に好ましい。
一般式(3)中、n31+n32+n33=2(ただし、n32は1〜2の整数であり、n31及びn33は0〜1の整数である。)である。
一般式(2)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(4)又は下記一般式(5)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
一般式(4)中、R41は、炭素数1〜20の2価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の2価の芳香族炭化水素基である。
42及びR43は、各々独立して、加水分解性基、炭素数1〜20の1価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基である。
44は、炭素数1〜20の1価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基であり、n41が2の場合、複数のR44は同じでも異なっていてもよい。
45は炭素数1〜20の1価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基であり、n42が2以上の場合、複数のR45は同一でも異なっていてもよい。
また、n41+n42=3(ただし、n41は0〜2の整数であり、n42は1〜3の整数である。)である。
一般式(5)中、R51は、炭素数1〜20の2価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の2価の芳香族炭化水素基である。
52は、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、メチルシリル(メチル)アミノメチル基、メチルシリル(メチル)アミノエチル基、メチルシリル(エチル)アミノメチル基、メチルシリル(エチル)アミノエチル基、ジメチルシリルアミノメチル基、ジメチルシリルアミノエチル基、炭素数1〜20の1価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基であり、n51が2以上の場合、複数のR52は同じでも異なっていてもよい。
53は炭素数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、炭素数1〜20の1価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基又は炭素数6〜18の1価の芳香族炭化水素基であり、n52が2の場合、複数のR53は同じでも異なっていてもよい。
また、n51+n52=3(ただし、n51は1〜3の整数であり、n52は0〜2の整数である。)である。
一般式(5)で表されるアルコキシシラン化合物の具体例としては、例えば、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−トリエトキシシリル−1−プロパンアミンが挙げられる。
主鎖が変性された変性ジエン系重合体は、例えば、(i)上記単量体の(共)重合体に極性基含有単量体をグラフト重合させる方法、(ii)上記単量体と極性基含有単量体を共重合させる方法、(iii)上記単量体の(共)重合体に極性基含有化合物を付加させる方法等で製造することができる。極性基含有単量体を用いた共重合は、乳化重合で行ってもよいし、リビングアニオン重合やリビングラジカル重合で行ってもよく、上記単量体と極性基含有単量体の共重合体は、共役ジエン化合物及び芳香族ビニル化合物から選択される単量体と極性基含有単量体とがブロック重合したものであってもよい。
上記(i)共役ジエン化合物や芳香族ビニル化合物等の(共)重合体に極性基含有単量体をグラフト重合させる方法、上記(ii)共役ジエン化合物や芳香族ビニル化合物等と極性基含有単量体を共重合させる方法において、使用する極性基含有単量体としては、極性基含有ビニル系単量体が好ましい。
また、上記(iii)共役ジエン化合物や芳香族ビニル化合物等の(共)重合体に極性基含有化合物を付加させる方法において、使用する極性基含有化合物としては、極性基含有メルカプト化合物が好ましい。
ここで、上記極性基の具体例としては、アルコキシシリル基等を好適に挙げることができる。
上記(i)及び(ii)で好ましく用いられる極性基含有ビニル系単量体としては、具体的には、(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン(ここで、「(メタ)アクリロオキシ」は、アクリロオキシ及びメタクリロオキシの少なくとも一方であることを示す。以下同じ。)、(メタ)アクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルメトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルエトキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルトリプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルメチルジプロポキシシラン、(メタ)アクリロキシメチルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルプロポキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルフェノキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジベンジロキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルベンジロキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、6−トリメトキシシリル−1,2−ヘキセン、p−トリメトキシシリルスチレン等が挙げられる。これらの単量体は、単独で、又は複数種を組み合せて用いてもよい。
上記(iii)で好ましく用いられる極性基含有メルカプト化合物としては、具体的には、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、メルカプトメチルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの化合物は、単独で、又は複数種を組み合せて用いてもよい。
変性ジエン系重合体は、末端がスズ原子(Sn)及び窒素原子(N)の少なくとも一方を含む化合物で変性されていることが好ましい。変性ジエン系重合体がスズ原子及び窒素原子の少なくとも一方を含む化合物により変性されていることで、変性ジエン系重合体と充填剤(D)、とりわけカーボンブラックとの相互作用がより向上し、変性ジエン系重合体相中での充填剤(D)の分散性が更に向上して、ゴム組成物の耐摩耗性がより向上する。
分子末端がスズ原子(Sn)及び窒素原子(N)の少なくとも一方を含む化合物で変性された変性ジエン系重合体は、例えば、上記単量体をスズ原子及び窒素原子の少なくとも一方を含む重合開始剤を用いてリビング重合させた後、重合活性末端をスズ原子及び窒素原子の少なくとも一方を含む変性剤で変性させる方法で製造することができる。なお、上記リビング重合は、アニオン重合で行うことが好ましい。
アニオン重合を採用する場合、重合開始剤としては、リチウムアミド化合物を用いることが好ましい。該リチウムアミド化合物としては、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチムジ−2−エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムメチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミド等が挙げられる。
また、上記リチウムアミド化合物としては、Li−AM[AMは、下記式(6):
(一般式(6)中、R61及びR62は、各々独立して炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基を示す。)で表される置換アミノ基、又は下記一般式(7):
(一般式(7)中、R71は、3〜16のメチレン基を有する、アルカンジイル基、置換アルカンジイル基、オキシアルカンジイル基又はN−アルキルアミノ−アルカンジイル基を示す。)で表される環状アミノ基である。]で表される化合物が挙げられる。
上記一般式(6)において、R61及びR62は、各々独立に炭素数1〜12の、アルキル基、シクロアルキル基又はアラルキル基であり、具体的には、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、シクロヘキシル基、3−フェニル−1−プロピル基及びイソブチル基等が好ましく挙げられる。なお、R61及びR62は、同じでも異なってもよい。
また、上記一般式(7)において、R71は、3〜16個のメチレン基を有する、アルカンジイル基、置換アルカンジイル基、オキシアルカンジイル基又はN−アルキルアミノ−アルカンジイル基を示す。ここで、置換アルカンジイル基には、一置換から八置換のアルカンジイル基が含まれ、置換基としては、炭素数1〜12の、直鎖状もしくは分枝状のアルキル基、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基等が挙げられる。また、R71として、より具体的には、トリメチレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オキシジエチレン基、N−アルキルアザジエチレン基、ドデカメチレン基及びヘキサデカメチレン基等が好ましく挙げられる。置換基を複数有する場合、置換基は同じでも異なっていてもよい。
上記リチウムアミド化合物は、二級アミンとリチウム化合物から予備調製して重合反応に用いてもよいが、重合系中で生成させてもよい。
リチウムアミド化合物の生成に用いられる二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジイソブチルアミン等の他、アザシクロヘプタン(すなわち、ヘキサメチレンイミン)、2−(2−エチルヘキシル)ピロリジン、3−(2−プロピル)ピロリジン、3,5−ビス(2−エチルヘキシル)ピペリジン、4−フェニルピペリジン、7−デシル−1−アザシクロトリデカン、3,3−ジメチル−1−アザシクロテトラデカン、4−ドデシル−1−アザシクロオクタン、4−(2−フェニルブチル)−1−アザシクロオクタン、3−エチル−5−シクロヘキシル−1−アザシクロヘプタン、4−ヘキシル−1−アザシクロヘプタン、9−イソアミル−1−アザシクロヘプタデカン、2−メチル−1−アザシクロヘプタデセ−9−エン、3−イソブチル−1−アザシクロドデカン、2−メチル−7−tert−ブチル−1−アザシクロドデカン、5−ノニル−1−アザシクロドデカン、8−(4’−メチルフェニル)−5−ペンチル−3−アザビシクロ[5.4.0]ウンデカン、1−ブチル−6−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、8−エチル−3−アザビシクロ[3.2.1]オクタン、1−プロピル−3−アザビシクロ[3.2.2]ノナン、3−(tert−ブチル)−7−アザビシクロ[4.3.0]ノナン、1,5,5−トリメチル−3−アザビシクロ[4.4.0]デカン等の環状アミンが挙げられる。
リチウムアミド化合物の生成に用いられるリチウム化合物としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチル−フェニルリチウム、4−フェニル−ブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、シクロペンチルリチウム、ジイソプロペニルベンゼンとブチルリチウムとの反応生成物等のヒドロカルビルリチウムが挙げられる。
スズ原子及び窒素原子の少なくとも一方を含む変性剤としては、例えばスズ原子を含む変性剤(以下、「スズ含有化合物」と称することがある。)が挙げられる。スズ含有化合物としては、例えば下記一般式(8):
(一般式(8)中、R81は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基を示し、X81は塩素又は臭素を示し、a81は0〜3であり、b81は1〜4であり、a81+b81=4である。また、a81が2以上の場合、複数のR81及びは同じでも異なっていてもよく、b81が2以上の場合、複数のX81及びは同じでも異なっていてもよい。)で表されるスズ含有カップリング剤が好ましく挙げられる。ここで、R81としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−ブチル基、ネオフィル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
一般式(8)で表されるカップリング剤としては、より具体的には、四塩化スズ、R81SnCl、R81 SnCl、R81 SnCl等が好ましく、特に四塩化スズが好ましい。
また、一般式(8)で表されるスズ含有カップリング剤で変性した変性ジエン系重合体は、少なくとも一種のスズ−炭素結合を有する。
スズ原子及び窒素原子の少なくとも一方を含む変性剤としては、例えば窒素原子を含む変性剤(以下、「窒素含有化合物」と称することがある。)が挙げられる。窒素含有化合物としては、例えば、置換又は非置換のアミノ基、アミド基、イミノ基、イミダゾール基、ニトリル基、ピリジル基等を有する窒素含有化合物が挙げられ、より具体的には、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン(すなわち、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン)、N−メチルピロリドン、4−ジメチルアミノベンジリデンアニリン、4,4’−ビス(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]メチルエチルケトン、4,4’−ビス(1−ヘキサメチレンイミノメチル)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(1−ピロリジノメチル)ベンゾフェノン、4−(1−ヘキサメチレンイミノメチル)ベンゾフェノン、4−(1−ピロリジノメチル)ベンゾフェノン、[4−(1−ヘキサメチレンイミノ)フェニル]メチルエチルケトン、3−[N,N−メチル(トリメチルシリル)アミノ]プロピルジメチルエトキシシラン等が好ましく挙げられる。
(天然ゴム)
ゴム成分(A)は、上記変性ジエン系重合体とともに、天然ゴムを含有する。天然ゴムとしては一般的に用いられる天然ゴム、例えばRSS及びTSRの他、高純度天然ゴム、エポキシ化天然ゴム、水酸基化天然ゴム、水素添加天然ゴム、グラフト化天然ゴム等の改質天然ゴムなどを用いてもよい。
(その他のゴム成分)
ゴム成分(A)は、上記変性ジエン系重合体、天然ゴムの他、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、エチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム(EPDM)、多硫化ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等の他のゴム成分を含んでいてもよい。これらの他のゴム成分は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、他のゴム成分としては、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)が好ましく、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)がより好ましく、特にブタジエンゴム(BR)を含むことが好ましい。
ブタジエンゴム(BR)としては、耐摩耗性を向上させる観点から、ハイシスポリブタジエンゴムを含むことが好ましい。ハイシスポリブタジエンゴムとは、FT−IRによる測定において、1,3−ブタジエン単位中のシス−1,4結合含有量が90%以上99%以下のハイシスポリブタジエンゴムのことである。ハイシスポリブタジエンゴムの1,3−ブタジエン単位中のシス−1,4結合含有量は、好ましくは95%以上99%以下である。
ハイシスポリブタジエンゴムの製造方法は特に限定されず、公知の方法により製造すればよく、例えば、ネオジム系触媒を用いてブタジエンを重合する方法が挙げられる。
ハイシスポリブタジエンゴムは市販されており、例えば、「BR01」、「T700」(以上、JSR(株)製)、「ウベポールBR150L」(宇部興産(株)製)等が挙げられる。
(変性ジエン系重合体及び天然ゴムの含有量)
ゴム成分(A)中の上記変性ジエン系重合体の含有量は、20質量%以上であることを要する。変性ジエン系重合体の含有量が20質量%未満であると、氷上性能の低下を最小限に抑制しながら、耐摩耗性を向上するという効果が得られない。ゴム成分(A)中の上記変性ジエン系重合体の含有量は、氷上性能の低下を最小限に抑制しながら、耐摩耗性を向上する観点から、好ましくは25質量%以上、より好ましくは35質量%以上、更に好ましくは40質量%以上であり、上限として好ましくは70質量%以下である。
ゴム成分(A)中の上記天然ゴムの含有量は、30質量%以上であることを要する。天然ゴムの含有量が30質量%未満であると、氷上性能の低下を最小限に抑制しながら、耐摩耗性を向上するという効果が得られない。ゴム成分(A)中の上記天然ゴムの含有量は、氷上性能の低下を最小限に抑制しながら、耐摩耗性を向上する観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは45質量%以上であり、上限として好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。
《直鎖状多価アルコール(B)》
本発明のゴム組成物は、直鎖状多価アルコール(B)を前記ゴム成分100質量部に対して1質量部以上6質量部以下の含有量で含むことを要する。直鎖状多価アルコール(B)を上記所定量で含まないと、ゴム成分(A)中の天然ゴムと直鎖状多価アルコール(B)との相互作用が十分に得られず、また含有量が多すぎると破壊特性が低下し、耐摩耗性の向上効果が得られない。
直鎖状多価アルコールはそのまま配合してもよく、また、上記ゴム成分(A)、後述する充填剤(D)、その他樹脂等に担持したもの、予めこれらの各成分と混練したもの(マスターバッチしたもの)等を配合してもよい。
直鎖状多価アルコール(B)は、1分子中に3以上の水酸基を有することが好ましい。1分子中に3以上の水酸基を有することで、直鎖状多価アルコール(B)とゴム成分(A)中の天然ゴムと相互作用を向上させて、特に耐摩耗性を向上させることができる。これと同様の観点から、直鎖状多価アルコール(B)の1分子中に有する水酸基の数は多いことが好ましいが、ゴム成分(A)中に直鎖状多価アルコール(B)をより均一に分散させて、ゴム成分との相互作用の向上により耐摩耗性を向上させる観点から、1分子中に有する水酸基の数は、好ましくは4以上10以下、より好ましくは5以上8以下である。
直鎖状多価アルコール(B)の融点は、ゴム成分(A)中により均一に分散させて、特に耐摩耗性を向上させる観点から、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、更に好ましくは145℃以下、特に好ましくは130℃以下である。下限についての制限は特にないが、通常60℃以上である。
直鎖状多価アルコール(B)としては、例えば直鎖状の脂肪族多価アルコールが挙げられる。多価アルコールには、直鎖状多価アルコールの他、分岐状多価アルコール、脂環式多価アルコール、芳香族多価アルコール等の環状構造を有する多価アルコールが存在するが、本発明においては、分岐状多価アルコール、環状構造を有する多価アルコールを用いず、直鎖状多価アルコールを用いることにより、特に優れた耐摩耗性の向上効果が得られる。
直鎖状脂肪族多価アルコールとしては、直鎖状脂肪族炭化水素に2以上の水酸基が置換した化合物が挙げられ、置換する水酸基の数としては3以上が好ましいことは既述の通りである。また、脂肪族炭化水素としては、飽和脂肪族炭化水素及び不飽和脂肪族炭化水素のいずれでもよく、特に耐摩耗性を向上させる観点からは、飽和脂肪族炭化水素が好ましい。
直鎖状多価アルコール(B)が1分子中に有する水酸基の数は、直鎖状多価アルコール(B)の1分子中の炭素原子の数の半分より多いことが好ましい。すなわち、直鎖状多価アルコール(B)が1分子中に有する水酸基の数をNOH、1分子中の炭素原子の数をNとしたとき、下記式(I)の関係が成立することが好ましい。
OH>N/2 (I)
上記式(I)の関係が成立すると、ゴム成分(A)中により均一に分散させて、特に耐摩耗性を向上させることができる。これと同様の観点から、NOH/Nは、好ましくは0.65以上、より好ましくは0.8以上、更に好ましくは0.9以上である。
直鎖状多価アルコール(B)の沸点は、ゴム組成物の作製時(混練時)また加硫時に直鎖状多価アルコール(B)の揮発を抑制し、直鎖状多価アルコール(B)の添加効果を効率的に得る観点から、好ましくは160℃以上、より好ましくは180℃以上、更に好ましくは200℃以上である。また、特に上限は規定されないが、通常500℃以下であり、好ましくは400℃以下である。
直鎖状多価アルコール(B)としては、より具体的には、糖アルコール類を例示することができる。具体的には、エリスリトール(沸点=329〜331℃、融点=121℃)、トレイトール(沸点=330℃、融点=88〜90℃)等のテトリオール類;アラビトール、キシリトール(沸点=216℃、融点=92〜96℃)、リビトール等のペンチトール類;ソルビトール(沸点=296℃、融点=95℃)、マンニトール(沸点=290〜295℃、融点=166〜168℃)、ガラクチトール(沸点:275〜280℃、融点:98〜100℃)等のヘキシトール類;ボレミトール等のヘプチトール類;D−エリスロ−D−ガラクトオクチトール等のオクチトール類;ノニトール類;デシトール類などが挙げられる。これらの糖アルコール類の立体配置には制限はなく、D体でもL体でもよく、D体とL体を任意の比率で有するDL体であってもよい。
これらの中でも、マンニトール、ガラクチトール、キシリトール、ソルビトールが好ましく、キシリトール、ソルビトールがより好ましく、ソルビトールが更に好ましい。
ゴム成分(A)100質量部に対する直鎖状多価アルコール(B)の含有量は、既述のように1質量部以上6質量部以下であることを要し、ゴム成分との相互作用の向上により耐摩耗性を向上させる観点から、好ましくは1.5質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、上限として好ましくは5質量部以下、より好ましくは4質量部以下である。
《発泡剤(C)》
本発明のゴム組成物は、発泡剤(C)を前記ゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上20質量部以下の含有量で含むことを要する。発泡剤(C)を上記所定量で含まないと、氷上性能の低下の抑制効果が得られない。
発泡剤(C)としては、従来ゴム組成物の発泡剤として使用されてきた発泡剤を特に限定なく使用することができ、無機系発泡剤、有機系発泡剤のいずれを用いることができ、具体的には、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、ジニトロソペンタスチレンテトラミン、ベンゼンスルホニルヒドラジド誘導体、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、窒素を発生するニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジド等が挙げられる。発泡剤(C)は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、氷上性能の向上効果、製造加工性等を考慮すると、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムが好ましく、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)がより好ましく、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)が更に好ましい。
ゴム成分(A)100質量部に対する発泡剤(C)の含有量は、既述のように0.1質量部以上20質量部以下であることを要し、より優れた氷上性能の低下の抑制効果を得る観点から、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上であり、上限として好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下、更に好ましくは5質量部以下である。
本発明において、発泡剤(C)は、発泡助剤を併用することが好ましい。発泡助剤を併用することにより、発泡反応を促進して反応の完結度を高め、経時的に不要な劣化を抑制することが可能となる。
発泡助剤としては、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛、亜鉛華等が挙げられる。発泡助剤は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
発泡剤と発泡助剤との質量比(発泡剤/発泡助剤)は、好ましくは0.3〜2.0、より好ましくは0.6〜1.8、更に好ましくは1.0〜1.5である。
《充填剤(D)》
本発明のゴム組成物は、充填剤(D)を含むことを要する。充填剤(D)を含まないと、充填剤(D)の元来有する剛性に寄与しやすい性質による耐摩耗性が得られず、またゴム成分(A)における変性ジエン系重合体相との相互作用による耐摩耗性及び氷上性能の向上効果も得られない。
充填剤(D)としては、例えば、カーボンブラック、シリカ、水酸化アルミニウム、クレー、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム等が挙げられる。これらは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
本発明においては、充填剤(D)としては、カーボンブラック、シリカの少なくとも一方を用いることが好ましく、カーボンブラック及びシリカを併用することがより好ましい。
カーボンブラックとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、FEF、GPF、SRF、HAF、IISAF、ISAF、SAF等が挙げられる。これらのカーボンブラックは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いることができる。
シリカとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばCTAB(セチルトリメチルアンモニウムブロミド)比表面積が、好ましくは50m/g以上、更に好ましくは90mg以上であり、また上限として好ましくは350m/g以下、より好ましくは300m/g以下のものが好ましく用いられる。シリカのCTAB比表面積が50m/g以上であると、耐摩耗性が向上し、また、シリカのCTAB比表面積が350m/g以下の場合、転がり抵抗が小さくなるので低燃費性等が得られる。
シリカとしては、例えば、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらの中でも、湿式シリカが好ましい。これらのシリカは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
充填剤としてシリカを使用する場合、ゴム組成物中の充填剤の分散性向上により耐摩耗性を向上させ、かつゴム成分(A)における変性ジエン系重合体相との相互作用による氷上性能を向上させる観点から、シランカップリング剤を併用することが好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、ビス−トリエトキシシリルプロピルテトラスルフィド、ビス−トリエトキシシリルプロピルジスルフィド等を挙げることができる。これらのシランカップリング剤は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
また、その含有量は、特に制限されるものではないが、充填剤(D)のシリカの含有量に対して、好ましくは1〜12質量%、より好ましくは3〜10質量%である。シランカップリング剤の含有量が充填剤のシリカの含有量に対して1質量%以上であることで、充填剤の分散性の向上効果が得られやすくなり、10質量%以下であることで、シランカップリング剤の配合過多を抑制し、効率的に添加効果が得られるので、経済的なメリットもある。
ゴム成分(A)100質量部に対する充填剤(D)の含有量は、好ましくは30質量部以上、より好ましくは40質量部以上、更に好ましくは50質量部以上であり、上限として好ましくは120質量部以下、より好ましくは100質量部以下、更に好ましくは90質量部以下である。充填剤(D)の含有量が30質量部以上であると、ゴム組成物中の充填剤の分散性を向上させて耐摩耗性を向上させ、かつゴム成分(A)における変性ジエン系重合体相との相互作用による氷上性能を向上させることができ、また120質量部以下であると、良好な作業性を保持することができる。
(複合繊維(E))
本発明のゴム組成物は、更に複合繊維(E)を含有することができる。
複合繊維(E)は、表面に被覆層が形成された親水性樹脂からなることが好ましい。複合繊維(E)を含有することにより、加硫時に発泡剤(C)から発生したガスが複合繊維(E)の内部に浸入し、複合繊維(E)の形状に対応した形状を有する気泡を形成することができ、また該気泡は壁面が複合繊維(E)に由来する樹脂で覆われて親水化されている。そのため、発泡剤(C)と複合繊維(E)とを含むゴム組成物を、例えばトレッドに使用すると、タイヤの使用時において気泡の壁面がトレッド表面に露出することで、水との親和性が向上し、気泡が水を積極的に取り込むことができるようになるので、タイヤに優れた排水性が付与され、氷上性能を大幅に向上させることができる。
複合繊維(E)を構成する親水性樹脂は、水に不溶であることが好ましく、水に不溶な親水性樹脂を採用することにより、例えばタイヤ等の製品の表面に複合繊維(E)が露出した際にも、複合繊維(E)の溶解が抑制されて、複合繊維(E)の使用による氷上性能の向上効果を維持することができる。
このような親水性樹脂としては、水との間に親和性を発揮し得る樹脂、すなわち分子内に親水性基を有する樹脂であれば特に限定されないが、具体的には、酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を含む樹脂であることが好ましく、例えば、−OH、−C(=O)OH、−OC(=O)R(Rはアルキル基)、−NH、−NCO、及び−SHから選ばれる少なくとも1種の基を含む樹脂が挙げられる。これらの基の中でも、−OH、−C(=O)OH、−OC(=O)R、−NH、−NCOが好ましい。
親水性樹脂としては、より具体的には、ビニルアルコール単独重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸樹脂及びそのエステル樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂等のポリアミド樹脂、ポリエチレングリコール樹脂、カルボキシビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルピロリドン単独重合体、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体等のポリビニルピロリドン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、メルカプトメタノール等が挙げられる。
これら中でも、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ビニルアルコール単独重合体等のビニルアルコール樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸樹脂、脂肪族ポリアミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース系樹脂が好ましく、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ビニルアルコール単独重合体、ポリ(メタ)アクリル酸樹脂がより好ましく、特にエチレン−ビニルアルコール共重合体が好ましい。
親水性樹脂からなる繊維の表面は、ゴム成分(A)に対して親和性を有し、好ましくは、加硫最高温度よりも低い融点を有する低融点樹脂からなる被覆層が形成されていることが好ましい。
かかる被覆層を形成することで、親水性樹脂自体が有する水との親和性を有効に保持しつつ、該被覆層とゴム成分(A)との親和性が良好なため、複合繊維(E)のゴム成分(A)への分散性が向上する。また、かかる低融点樹脂が加硫時に溶融することで流動性を帯びた被覆層となってゴム成分(A)と複合繊維(E)との接着を図ることとなり、良好な排水性と耐久性とが得られる。
被覆層の厚みは、親水性樹脂の配合量や複合繊維(E)の平均径等によって変動し得るが、好ましくは0.001μm以上であり、上限として好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下である。上記範囲の厚みで被覆層を形成することにより、本発明における所望の効果が充分に得られる。また、上記被覆層は、親水性樹脂の全表面にわたって形成されていてもよく、親水性樹脂の一部の表面に形成されていてもよく、具体的には、少なくとも親水性樹脂の全表面積の50%を占める割合で被覆層が形成されていることが好ましい。
上記低融点樹脂は、その融点が加硫最高温度よりも低い樹脂であることが好ましい。ここで、加硫最高温度とは、ゴム組成物の加硫時にゴム組成物が達する最高温度を意味する。例えば、モールド加硫の場合には、上記ゴム組成物がモールド内に入ってからモールドを出て冷却されるまでに該ゴム組成物が達する最高温度を意味し、かかる加硫最高温度は、例えば、ゴム組成物中に熱電対を埋め込むこと等により測定することができる。
上記低融点樹脂の融点の上限としては、特に制限はないものの、以上の点を考慮して選択するのが好ましく、一般的には、ゴム組成物の加硫最高温度よりも10℃以上低いことが好ましく、20℃以上低いことがより好ましい。ゴム組成物の工業的な加硫温度は、好ましくは最高で約190℃程度であるが、例えば、加硫最高温度がこの190℃に設定されている場合には、上記低融点樹脂の融点としては、好ましくは190℃以下の範囲で選択され、より好ましくは180℃以下、更に好ましくは170℃以下である。樹脂の融点は、それ自体公知の融点測定装置等を用いて測定することができ、例えば、DSC測定装置を用いて測定した融解ピーク温度を前記融点とすることができる。
低融点樹脂である上記ポリオレフィン系樹脂は、直鎖状、分岐状等のいずれであってもよい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリスチレン等の単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の共重合体、及びこれらのアイオノマー樹脂等が挙げられる。また、これらの低融点樹脂は、無水マレイン酸等により変性されたものであってもよい。これらの低融点樹脂は、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。
中でも、ポリエチレン、エチレンを構成単位として含む共重合体等のポリエチレン樹脂、ポリプロピレン、プロピレンを構成単位として含む共重合体等のポリプロピレン樹脂、ポリオレフィンアイオノマー、無水マレイン酸変性α−ポリオレフィンが好ましい。ポリオレフィンアイオノマーや無水マレイン酸変性α−ポリオレフィンを用いた場合、親水性樹脂の水酸基とも接着するため、ゴム強度をより向上させることが可能となる。
低融点樹脂を用いた被覆層が形成された親水性樹脂からなる複合繊維(E)を製造は、これらの樹脂を混合ミルを用いてブレンドし、溶融紡糸して未延伸糸を形成して、かかる未延伸糸を熱延伸しながら繊維状にする方法を採用することができる。また、上記樹脂を図1(a)及び(b)に示されるようなダイ1を具えた二軸押出機を2台用いてブレンドした後、同様にして繊維状にする方法を採用してもよい。この場合、ダイ出口2からは親水性樹脂が、ダイ出口3からは低融点樹脂が各々同時に押し出され、これから未延伸糸が形成されることとなる。
これら樹脂の混合ミル又はホッパーへの投入量は、得られる複合体(繊維)の長さや径によっても変動し得るが、親水性樹脂100質量部に対し、上記低融点樹脂を好ましくは5〜300質量部、より好ましくは10〜150質量部の量である。これらの樹脂を上記範囲内の量で投入することにより、延伸工程を経た後に得られる親水性樹脂からなる複合体(繊維)の表面に、所望の効果を発揮し得る被覆層が有効に形成される。
複合繊維(E)の平均長さは、好ましくは0.1〜50mm、より好ましくは0.1〜7mmであり、平均径は、好ましくは1μm〜2mm、より好ましくは5μm〜0.5mmである。平均長さ及び平均径が上記範囲内であると、複合繊維同士が必要以上に絡まりにくく、良好な分散性が得られる。
また、アスペクト比は好ましくは10〜4000、より好ましくは50〜2000である。アルペクト比とは、複合繊維の長軸の短軸に対する比を意味する。
また、ゴム成分(A)100質量部に対する複合繊維(E)の含有量は、好ましくは0.1〜100質量部、より好ましくは0.3〜30質量部、更に好ましくは0.5〜10質量部、特に好ましくは1〜6質量部である。複合繊維(E)の含有量が上記範囲内であると、複合繊維(E)の内部に空洞を形成して良好な排水性を発揮しつつ、充分な耐久性を保持することが可能となる。
《その他添加剤》
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、上記ゴム成分(A)、直鎖状多価アルコール(B)、発泡剤(C)、充填剤(D)、また必要に応じて用いられる複合繊維(E)の他、その他添加剤として、例えば、硫黄系架橋剤、有機過酸化物系架橋剤、無機架橋剤、ポリアミン架橋剤、樹脂架橋剤、硫黄化合物系架橋剤、オキシム−ニトロソアミン系架橋剤等、好ましくは硫黄系架橋剤(加硫剤)等の架橋剤;グアジニン系、アルデヒド−アミン系、アルデヒド−アンモニア系、チアゾール系、スルフェンアミド系、チオ尿素系、チウラム系、ジチオカルバメート系、ザンテート系等の加硫促進剤;酸化亜鉛、ステアリン酸等の脂肪酸などの加硫促進助剤;樹脂、オイル、軟化剤、着色剤、難燃剤、滑剤、可塑剤、加工助剤、酸化防止剤、老化防止剤、スコーチ防止剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、着色防止剤、その他の配合剤等、公知の添加剤を使用することができる。
上記その他添加剤の中でも、樹脂を含むことが好ましい。樹脂を含むことにより、ゴム成分(A)と直鎖状多価アルコール(B)との相互作用による耐摩耗性をより向上させることができる。なお、その他の成分として含有する樹脂は、ゴム成分(A)及び複合繊維(E)を除く樹脂である。樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましく、脂肪族炭化水素樹脂、脂環式炭化水素樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂が挙げられ、脂肪族炭化水素樹脂及び脂環式炭化水素樹脂が好ましい。
脂肪族炭化水素樹脂としては、C5系の石油留分を重合して製造された石油樹脂が挙げられる。高純度の1,3−ペンタジエンを主原料に製造された石油樹脂としては、日本ゼオン(株)製の商品名「クイントン100」シリーズ(A100、B170、K100、M100、R100、N295、U190、S100、D100、U185、P195N等)が挙げられる。また、他のC5系の石油留分を重合して製造された石油樹脂としてはエクソンモビール社製の商品名「エスコレッツ」シリーズ(1102、1202(U)、1304、1310、1315、1395等)、三井化学(株)製の商品名「ハイレッツ」シリーズ(G−100X、−T−100X、−C−110X、−R−100X等)が挙げられる。
脂環式炭化水素樹脂としては、C5留分から抽出されたシクロペンタジエンを主原料に製造されたシクロペンタジエン系石油樹脂やC5留分中のジシクロペンタジエンを主原料として製造されたジシクロペンタジエン系石油樹脂が挙げられる。例えば、高純度のシクロペンタジエンを主原料に製造されたシクロペンタジエン系石油樹脂としては、日本ゼオン(株)製の商品名「クイントン1000」シリーズ(1325、1345等)が挙げられる。また、ジシクロペンタジエン系石油樹脂としては、丸善石油化学(株)の商品名「マルカレッツM」シリーズ(M−890A、M−845A、M−990A等)が挙げられる。
テルペン樹脂は、天然由来のテレピン油又はオレンジ油を主原料に製造された樹脂をいい、ヤスハラケミカル(株)製の商品名「YSレジン」シリーズ(PX−1250、TR−105等)、ハーキュリーズ社製の商品名「ピコライト」シリーズ(A115、S115等)が挙げられる。
テルペンフェノール樹脂としては、例えば、ヤスハラケミカル(株)製の商品名「YSポリスター」シリーズ(U−130、U−115等のUシリーズ、T−115、T−130、T−145等のT−シリーズ)、荒川化学工業(株)製の商品名「タマノル901」等が挙げられる。
ゴム成分(A)100質量部に対する上記樹脂の含有量は、好ましくは1〜50質量部、より好ましくは2〜30質量部、更に好ましくは5〜15質量部である。樹脂の含有量が上記範囲内であると、ゴム成分(A)と直鎖状多価アルコール(B)との相互作用による耐摩耗性を顕著に向上させることができる。
また、本発明のゴム組成物は、プロセスオイルを含有することが好ましい。プロセスオイルを含むことにより、ゴム成分(A)と直鎖状多価アルコール(B)との相互作用による耐摩耗性を向上させることができる。
プロセスオイルとしては、パラフィンオイル、ナフテン系オイル、アロマオイル等が好ましく挙げられる。
ゴム成分(A)100質量部に対するプロセスオイルの含有量は、好ましくは3〜100質量部、より好ましくは5〜50質量部、更に好ましくは10〜30質量部である。
また、ゴム成分100質量部に対する樹脂及びプロセスオイルの合計含有量は、好ましくは10〜80質量部、より好ましくは20〜70質量部、更に好ましくは25〜50質量部である。
プロセスオイルの含有量、樹脂及びプロセスオイルの合計含有量が上記範囲内であると、ゴム成分(A)と直鎖状多価アルコール(B)との相互作用による耐摩耗性を顕著に向上させることができる。
《ゴム組成物の調製》
本発明のゴム組成物は、上記の各成分を、バンバリーミキサー、ロール、インターナルミキサー等の混練り機を使用して混練りすることによって調製することができる。ここで、ゴム成分(A)、直鎖状多価アルコール(B)、発泡剤(C)及び充填剤(D)、また必要に応じて用いられる複合繊維(E)、樹脂、プロセスオイル、その他添加剤等の使用量は、上記各成分の含有量として記載した含有量から適宜選択すればよい。
各成分の混練は、全一段階で行ってもよく、二段階以上に分けて行ってもよく、例えば、第一段階において、ゴム成分(A)、直鎖状多価アルコール(B)、充填剤(D)、また必要に応じて用いられる複合繊維(E)、樹脂、プロセスオイル、その他添加剤を混練し、第二段階において、発泡剤(C)及び加硫剤を混練する方法が挙げられる。
混練の第一段階の最高温度は、130〜170℃とすることが好ましく、第二段階の最高温度は、90〜120℃とすることが好ましい。
〔加硫ゴム〕
本発明の加硫ゴムは、上記の本発明のゴム組成物を加硫してなるものである。本発明のゴム組成物は発泡剤(C)を含むことから、加硫時に発泡も同時に生じるので、加硫するとともに、内部に気泡を有する加硫ゴムが得られる。
ゴム組成物の加硫方法は特に限定されず、公知の加硫方法を適用することができる。未加硫のゴム組成物を成形後に加硫してもよく、予備加硫工程等を経て、一旦未加硫のゴム組成物から半加硫のゴムを得た後、これを用いて成形後、更に本加硫して得てもよい。
《発泡率》
本発明の加硫ゴムは、氷上性能の向上と、耐摩耗性との両立の観点から、発泡率が好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上、更に好ましくは10%以上、特に好ましくは20%以上であり、上限として好ましくは75%以下、より好ましくは50%以下、更に好ましくは45%以下、特に好ましくは40%以下である。
発泡率Vsは、以下の式(II)で表される。
Vs=〔{(ρ−ρ)/(ρ−ρ)}−1〕×100(%) (II)
ここで、ρは、発泡ゴムの密度(g/cm)、ρは発泡ゴムのゴム固相部の密度(g/cm)、ρは発泡ゴムの気泡内のガス部の密度(g/cm)である。
発泡ゴムは、ゴム固相部と、ゴム固相部によって形成される空洞(独立気泡)、すなわち気泡内のガス部とから形成されている。
また、ガス部の密度ρは極めて小さく、ほぼゼロに近く、かつ、ゴム固相部の密度ρに対して極めて小さいので、式(II)は下記式(III)とほぼ同等となる。
Vs={(ρ/ρ)−1}×100(%) (III)
[タイヤ]
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を用いたものである限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。かかるタイヤは、本発明のゴム組成物を用いているため、氷上性能の低下を最小限に抑制しながら、耐摩耗性を向上するものとなる。
タイヤにおける本発明のゴム組成物の適用部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トレッド、ベーストレッド、サイドウォール、サイド補強ゴム及びビードフィラー等が挙げられる。本発明のゴム組成物の氷上性能の低下を最小限に抑制しながら、耐摩耗性を向上するという優れた効果を有効活用する観点から、適用部位としてはトレッドが好ましく、特にスタッドレスタイヤのトレッドが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
(製造例1:変性ジエン系重合体の製造)
(1)触媒の調製
乾燥し、窒素置換された、ゴム栓付容積100ミリリットルのガラスびんに、以下の順番に、ブタジエンのシクロヘキサン溶液(15.2質量%)7.11g、ネオジムネオデカノエートのシクロヘキサン溶液(0.56M)0.59mL、メチルアルミノキサンMAO(東ソー株式会社製PMAO)のトルエン溶液(アルミニウム濃度として3.23M)10.32mL、水素化ジイソブチルアルミ(関東化学社製)のヘキサン溶液(0.90M)7.77mLを投入し、室温で2分間熟成した後、塩素化ジエチルアルミ(関東化学社製)のヘキサン溶液(0.95M)1.45mLを加え室温で、時折撹拌しながら15分間熟成した。こうして得られた触媒溶液中のネオジムの濃度は、0.011M(mol/L)であった。
(2)活性末端を変性した変性ジエン系ゴムの製造
900mL容積のゴム栓付きガラスびんを乾燥・窒素置換し、乾燥精製されたブタジエンのシクロヘキサン溶液および乾燥シクロヘキサンを各々投入し、ブタジエン12.5質量%のシクロヘキサン溶液が400g投入された状態とした。次に、前記調製した触媒溶液2.28mL(ネオジム換算0.025mmol)を投入し、50℃温水浴中で1.0時間重合を行った。
(3)第1次変性処理
第1次変性剤として、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランをヘキサン溶液(1.0M)として、23.5(ネオジム対比のモル当量)投入し、50℃で60分間処理した。
(4)その後の処理
続いて、多価アルコールのカルボン酸エステルとしてソルビタントリオレイン酸エステルを単体で1.2mL加えて、さらに50℃で1時間変性反応を行った後、老化防止剤2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(NS−5)のイソプロパノール5%溶液2mLを加えて反応の停止を行い、さらに微量のNS−5を含むイソプロパノール中で再沈殿を行ない、ドラム乾燥することにより活性末端を変性した変性ポリブタジエンを得た。得られた変性ジエン系重合体は、ガラス転移温度が−110℃であった。
変性ジエン系重合体の共役ジエン化合物部分の結合スチレン量を、赤外法(モレロ法)で求めたところ、0%であった。
(製造例2:複合繊維の製造)
特開2012−219245号公報に開示される製造例3の方法に従い、二軸押出機を2台用い、ホッパーにポリエチレン(商品名「ノバテックHJ360」(MFR:5.5、融点:132℃)、日本ポリエチレン株式会社製)40質量部と、エチレン−ビニルアルコール共重合体(商品名「エバールF104B」(MHR:4.4、融点:183℃)、クラレ株式会社製)40質量部とを投入し、ダイ入口から各々同時に押出して、常法に従って得られた繊維を長さ2mmにカットし、エチレン−ビニルアルコール共重合体の繊維にポリエチレンからなる被覆層が形成された複合繊維を製造した。
(実施例1〜3及び比較例1〜6)
第1表に示す配合処方(質量部)にて、バンバリーミキサーを用いて、所定量の配合成分(硫黄、加硫促進剤、発泡剤及び複合繊維以外の成分)を混練し(第1混合工程)、次いで硫黄、加硫促進剤、発泡剤及び複合繊維を配合し、混練して(最終混合工程)、実施例及び比較例のゴム組成物を調製した。
得られたゴム組成物をトレッド部に用いて、常法によって試験用のタイヤ(タイヤサイズ195/65R15)を作製し、トレッドの発泡率を上記式(I)に基づき算出した。次に、該タイヤについて、下記の方法で氷上性能及び耐摩耗性を評価した。その結果を、第1表に示す。
(氷上性能の評価)
各実施例及び比較例の試験用タイヤを排気量1600ccクラスの国産自動車に4本を装着し、氷温−1℃の氷上制動性能を確認した。比較例6の試験用タイヤをコントロールとし、氷上性能=(比較例6の試験用タイヤの制動距離/比較例6以外の試験用タイヤの制動距離)×100として、指数表示した。指数値が大きいほど、氷上性能が優れていることを示す。
(耐摩耗性の評価)
各実施例及び比較例の試験用タイヤを用いた実車にて、舗装路面を1万km走行後、残溝を測定し、トレッドが1mm摩耗するのに要する走行距離を相対比較し、比較例6の試験用タイヤを100として指数表示した。指数値が大きいほど、耐摩耗性が優れていることを示す。
第1表に記載される本実施例及び比較例で用いた各成分は、以下の通りである。
(第1混合工程で使用した成分)
・天然ゴム:TSR20
・変性ジエン系重合体:製造例1で得られた変性ポリブタジエン
・BR:ポリブタジエンゴム、商品名「BR01」、JSR株式会社製
・直鎖状多価アルコール:ソルビトール(関東化学株式会社製、水酸基数6、水酸基数/炭素数=1)
・シリカ:商品名「NIPSIL AQ」、東ソーシリカ株式会社製
・カーボンブラック:SAF(商品名「ASAHI#105」、旭カーボン株式会社製)
・シランカップリング剤:ビストリエトキシシリルプロピルポリスルフィド、信越化学工業株式会社製
・樹脂:脂肪族炭化水素樹脂(商品名「HI−REZ G−100X」、三井石油化学株式会社製)
・プロセスオイル:石油系炭化水素プロセスオイル(商品名「DAIANA PROCESS OIL NS−28」、出光興産株式会社製)
・酸化亜鉛:ハクスイテック株式会社製
・ワックス:マイクロクリスタリンワックス(商品名「Selected Microcrystalline Wax」、精工化学株式会社製)
・老化防止剤:N-フェニル-N'-(1,3-ジメチルブチル)-p-フェニレンジアミン、商品名「ノクラック6C」、大内新興化学工業株式会社製
(最終混合工程で使用した成分)
・発泡剤:ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)(商品名「セルマイクAN」、三共化成株式会社製)
・複合繊維:製造例2で得られた、エチレン−ビニルアルコール共重合体の繊維にポリエチレンからなる被覆層が形成された複合繊維
・加硫促進剤CZ:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(商品名「ノクセラーCZ」、大内新興化学工業株式会社製)
・加硫促進剤MBTS:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド(商品名「ノクセラーDM−P」、大内新興化学工業株式会社製)
第1表より、本発明のゴム組成物(実施例1〜3のゴム組成物)は、比較例6のゴム組成物に比べて、氷上性能が維持又はその低下が抑制され、かつ耐摩耗性が向上されていることが確認された。
一方、変性ジエン系重合体と直鎖状多価アルコールを含まない比較例1のゴム組成物では氷上性能及び耐摩耗性は極めて低く、これに直鎖状多価アルコールを加えた比較例2のゴム組成物では比較例1のゴム組成物よりも耐摩耗性の向上傾向はみられたものの、依然として氷上性能及び耐摩耗性がいずれも低いものであった。直鎖状多価アルコールを含まない比較例3のゴム組成物は氷上性能の低下は抑制されているものの、耐摩耗性が低下するものとなった。また、発泡剤を用いない比較例4及び5のゴム組成物では、発泡剤の不使用により耐摩耗性は向上するものの、氷上性能は極めて低く、総合評価として比較例6よりも下がってしまうものであった。以上、比較例のゴム組成物は、氷上性能の低下を抑制し、耐摩耗性が向上するものとはいえないものとなった。
本発明によれば、氷上性能の低下を最小限に抑制しながら、耐摩耗性を向上するゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤを提供することができる。

Claims (12)

  1. 天然ゴム30質量%以上、及び変性ジエン系重合体20質量%以上を含むゴム成分(A)、直鎖状多価アルコール(B)、発泡剤(C)及び充填剤(D)を含み、該ゴム成分(A)100質量部に対して、該直鎖状多価アルコール(B)の含有量が1質量部以上6質量部以下であり、該発泡剤(C)の含有量が0.1質量部以上20質量部以下であるゴム組成物。
  2. 前記変性ジエン系重合体が、変性ポリブタジエンゴム及び変性スチレン−ブタジエン共重合体ゴムから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記直鎖状多価アルコール(B)が、3以上の水酸基を有するものである請求項1又は2に記載のゴム組成物。
  4. 前記直鎖状多価アルコール(B)が1分子中に有する水酸基の数が、1分子中の炭素原子の数の半分よりも多い請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  5. 前記直鎖状多価アルコール(B)の融点が、170℃以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  6. 前記発泡剤(C)が、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム及び炭酸アンモニウムから選らばれる少なくとも1種である請求項1〜5のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  7. 前記ゴム成分(A)100質量部に対する充填剤(D)の含有量が、30質量部以上120質量部以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  8. 更に、複合繊維を含む請求項1〜7のいずれか1項に記載のゴム組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴム組成物を加硫してなる、加硫ゴム。
  10. 発泡率が、5%以上50%以下である請求項9に記載の加硫ゴム。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴム組成物、又は請求項9もしくは10に記載の加硫ゴムを用いたゴム製品。
  12. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のゴム組成物、又は請求項9もしくは10に記載の加硫ゴムを用いたタイヤ。
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