JP2019081872A - ゴム組成物およびこれを用いたタイヤ - Google Patents

ゴム組成物およびこれを用いたタイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP2019081872A
JP2019081872A JP2017210935A JP2017210935A JP2019081872A JP 2019081872 A JP2019081872 A JP 2019081872A JP 2017210935 A JP2017210935 A JP 2017210935A JP 2017210935 A JP2017210935 A JP 2017210935A JP 2019081872 A JP2019081872 A JP 2019081872A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
group
rubber composition
mass
hydrocarbon group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017210935A
Other languages
English (en)
Inventor
聖一 田原
Seiichi Tahara
聖一 田原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2017210935A priority Critical patent/JP2019081872A/ja
Publication of JP2019081872A publication Critical patent/JP2019081872A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】ウェット性能、操縦安定性および耐オゾンクラック性をバランスさせたゴム組成物およびこれを用いたタイヤを提供する。【解決手段】ゴム成分(A)と熱可塑性樹脂(B)とを含むゴム組成物であり、ゴム成分(A)が、天然ゴムと、ガラス転移点が−50℃以下の変性ゴムと、エチレン−プロピレン−ジエンゴムと、を含み、熱可塑性樹脂(B)が、全ゴム成分(A)100質量部に対して5〜70質量部である。【選択図】なし

Description

本発明は、ゴム組成物およびこれを用いたタイヤに関し、詳しくは、ウェット性能、操縦安定性および耐クラック性をバランスさせたゴム組成物およびこれを用いたタイヤに関する。
車両の安全性を向上させる観点から、乾燥路面のみならず、湿潤路面、氷雪路面等の様々な路面上でのタイヤの制動性や駆動性を向上させるために、種々の検討がなされている。例えば、湿潤路面での性能を向上させるために、天然ゴム(NR)やブタジエンゴム(BR)等のゴム成分と共にアロマオイルを配合したゴム組成物をトレッドゴムに用いる手法が知られている。このような中、特許文献1では、乾燥路面での制動性能が高く、かつ、マンホール等の、アスファルトと比して滑りやすい湿潤路面においても高い制動性能を有するトレッドゴムを製造可能なゴム組成物が提案されている。
特許文献1によれば、C系樹脂、C〜C系樹脂、C系樹脂、テルペン系樹脂、テルペン−芳香族化合物系樹脂、ロジン系樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、およびアルキルフェノール系樹脂より選ばれる熱可塑性樹脂の配合は、ゴム組成物全体のガラス転移点(Tg)を高め、0℃における損失正接(tanδ)を向上させ、タイヤの湿潤路面での性能を向上させることができる。また、ゴム成分自体も、天然ゴムを70質量%以上含有することで高い柔軟性を有し、乾燥路面や、マンホール等の滑りやすい湿潤路面においても高い制動性能を示す。
国際公開第2015/079703号
特許文献1で提案されているゴム組成物は、天然ゴム相に石油系炭化水素樹脂を相溶させてゴム組成物を柔軟にすることで、tanδを下げて低発熱性(低ロス性)を改善し、かつ、樹脂によるウェット性能を発揮させている。しかしながら、ウェット性能の向上のために樹脂の添加量を増やすと、30℃における貯蔵弾性率E’(E’(30℃))が低下してしまい、操縦安定性が低下してしまう。また、天然ゴムは、耐オゾンクラック性についても、改善の余地が残されていた。
そこで、本発明の目的は、従来よりも、ウェット性能、操縦安定性および耐オゾンクラック性をバランスさせたゴム組成物およびこれを用いたタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解消するために鋭意検討した結果、ゴム成分と熱可塑性樹脂とを含有するゴム組成物の、ゴム成分の組成および熱可塑性樹脂の添加量を所定の範囲と知ることで、上記課題を解消させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のゴム組成物は、ゴム成分(A)と熱可塑性樹脂(B)とを含むゴム組成物において、
前記ゴム成分(A)が、天然ゴムと、ガラス転移点が−50℃以下の変性ゴムと、エチレン−プロピレン−ジエンゴムと、を含み、前記熱可塑性樹脂(B)が、前記ゴム成分(A)100質量部に対して5〜70質量部であることを特徴とするものである。
本発明のゴム組成物においては、前記変性ゴムは、シラン変性スチレン−ブタジエンゴムであることが好ましい。また、本発明のゴム組成物においては、前記熱可塑性樹脂(B)は、C系樹脂、C〜C系樹脂、C系樹脂およびジシクロペンタジエン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物がトレッドゴムに用いられてなること特徴するものである。
本発明によれば、ウェット性能、操縦安定性および耐オゾンクラック性をバランスさせたゴム組成物およびこれを用いたタイヤを提供することができる。
以下、本発明のゴム組成物について、詳細に説明する。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分(A)と熱可塑性樹脂(B)とを含むゴム組成物であり、ゴム成分(A)は、天然ゴムと、ガラス転移点が−50℃以下の変性ゴムと、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)と、を含む。また、本発明のゴム組成物においては、熱可塑性樹脂(B)が、前記ゴム成分(A)100質量部に対して5〜70質量部である。
<ゴム成分(A)>
前述のとおり、NRに熱可塑性樹脂を配合することで、ゴム組成物を柔軟にし、これによりtanδを下げて低ロス性を改善し、かつ、樹脂によるウェット性能を発揮させている。好適には、NRは、ゴム成分(A)100質量部に対して50〜100質量部である。
また、本発明のゴム組成物においては、ゴム成分(A)として、ガラス転移点が−50℃以下の変性ゴムを用いる。ガラス転移点が−50℃以下であるため、低温における柔軟性を確保し、よりウェット性能を向上させている。また、変性ゴムであるため、未変性NRのみの場合よりも、熱可塑性樹脂(B)の効果が充分に発揮されやすい、という効果を奏する。すなわち、変性ゴム相に熱可塑性樹脂(B)が相溶しやすくなり、ゴムが柔軟になり、低ロス化とウェット性能とスノー性能を向上させることができる。また、充填剤の分散性を高めることができるため、低温時の貯蔵弾性率E’を下げることができ、さらに、室温から高温域にかけてのtanδを下げることができ、転がり抵抗の低減にもつながる。本発明のゴム組成物においては、ガラス転移点が−50℃以下の変性ゴムは、ゴム成分(A)100質量部中0〜50質量部が好ましい。
さらに、本発明のゴム組成物においては、EPDMを添加している。EPDMは分子中に二重結合が少ないため、耐オゾンクラック性が向上する。一方で、EPMDを添加するとE’(30℃)が上昇してしまい、ウェット性能が低下する恐れがある。しかしながら、NR中に熱可塑性樹脂を添加したゴム組成物中では、低応力条件下でロスを発生することから、ウェット性能を損なうことなく、操縦安定性を向上させることができる。なお、EPDMの含有量が多すぎると、E’(30℃)が上昇してしまい、未加硫ゴムの作業性が悪化してしまう他、路面凹凸による変形が小さくなり、ウェット性能を損なうおそれがある。かかる観点から、EPDMの配合量は、ゴム成分(A)100質量部中5〜20質量部が好ましい。
本発明のゴム組成物に用いられる天然ゴムとしては、特に制限はなく、例えば、RSS#1、RSS#2、RSS#3、RSS#4、TSR20、SIR20等のグレードの天然ゴムを挙げることができる。また、天然ゴムラテックス中のタンパク質を機械的分離方法により部分脱蛋白処理してなるラテックスから得られる部分脱タンパク処理した天然ゴム(PNR)も用いることができ、PNRとしては、総窒素含量が0.1質量%を超え、かつ0.4質量%以下であるものを好適に用いることができる。
本発明のゴム組成物に用いられるガラス転移点が−50℃以下の変性ゴムとしては、特に制限はなく、例えば、変性天然ゴム(変性NR)、変性ポリイソプレンゴム(変性IR)、変性ポリブタジエンゴム(変性BR)、変性スチレン−ブタジエンゴム(変性SBR)、変性スチレン−イソプレンゴム(変性SIR)等が挙げられる。好ましくは、シラン変性SBRである。
シラン変性SBRを得るための重合方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。このような重合方法として、例えば、アニオン重合、配位重合および乳化重合等が挙げられる。変性SBRを得るための変性剤は、アルコキシシラン化合物、ヒドロカルビルオキシシラン化合物およびこれらの組み合わせからなる群より選択される1種以上であることが好ましい。
アルコキシシラン化合物は、特に限定されないが、下記一般式(I)で表されるアルコキシシラン化合物であることがより好ましい。
Figure 2019081872
一般式(I)中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素原子数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基または炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基を示し、aは0〜2の整数であり、ORが複数ある場合、各ORは互いに同一でも異なっていてもよく、また分子中には活性プロトンは含まれない。
一般式(1)で表されるアルコキシシラン化合物の具体例としては、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−トリエトキシシリル−1−プロパンアミン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリプロポキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメトリジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、N−(1,3−ジメチルブチリデン)−3−(トリエトキシシリル)−1−プロパンアミン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシランが好適である。アルコキシシラン化合物は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2019081872
一般式(II)中、n1+n2+n3+n4=4(ただし、n2は1〜4の整数であり、n1、n3およびn4は0〜3の整数である)であり、Aは、飽和環状3級アミン化合物残基、不飽和環状3級アミン化合物残基、ケチミン残基、ニトリル基、(チオ)イソシアナート基、(チオ)エポキシ基、イソシアヌル酸トリヒドロカルビルエステル基、炭酸ジヒドロカルビルエステル基、ニトリル基、ビリジン基、(チオ)ケトン基、(チオ)アルデヒド基、アミド基、(チオ)カルボン酸エステル基、(チオ)カルボン酸エステルの金属塩、カルボン酸無水物残基、カルボン酸ハロゲン化合物残基、並びに加水分解性基を有する第一もしくは第二アミノ基またはメルカプト基の中から選択される少なくとも1種の官能基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、Aは、Siと結合して環状構造を形成する二価の基であってもよく、R21は、炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、n1が2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、R23は、炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基またはハロゲン原子であり、n3が2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、R22は、炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、いずれも窒素原子および/またはケイ素原子を含有していてもよく、n2が2以上の場合には、互いに同一もしくは異なっていてもよく、あるいは、一緒になって環を形成しており、R24は、炭素原子数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、n4が2以上の場合には同一でも異なっていてもよい。
加水分解性基を有する第一もしくは第ニアミノ基または加水分解性基を有するメルカプト基における加水分解性基として、トリメチルシリル基またはtert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。
一般式(ll)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(III)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2019081872
一般式(III)中、p1+p2+p3=2(ただし、p2は1〜2の整数であり、p1およびp3は0〜1の整数である)であり、Aは、NRa(Raは、一価の炭化水素基、加水分解性基または含窒素有機基である)、あるいは、硫黄であり、R25は、炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R27は、炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基またはハロゲン原子であり、R26は、炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基、炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基または含窒素有機基であり、いずれも窒素原子および/またはケイ素原子を含有していてもよく、p2が2の場合には、互いに同一でも異なっていてもよく、あるいは、一緒になって環を形成しており、R28は、炭素原子数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である。加水分解性基として、トリメチルシリル基またはtert−ブチルジメチルシリル塞が好ましく、トリメチルシリル塞が特に好ましい。
一般式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(IV)または(V)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2019081872
一般式(IV)中、q1+q2=3(ただし、q1は0〜2の整数であり、q2は1〜3の整数である)であり、R31は炭素原子数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R32およびR33はそれぞれ独立して加水分解性基、炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R34は炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q1が2の場合には同一でも異なっていてもよく、R35は炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、q2が2以上の場合には同一でも異なっていてもよい。
Figure 2019081872
一般式(V)中、r1+r2=3(ただし、r1は1〜3の整数であり、r2は0〜2の整数である)であり、R36は炭素原子数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R37はジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、メチルシリル(メチル)アミノメチル基、メチルシリル(メチル)アミノエチル基、メチルシリル(エチル)アミノメチル基、メチルシリル(エチル)アミノエチル基、ジメチルシリルアミノメチル基、ジメチルシリルアミノエチル基、炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r1が2以上の場合には同一でも異なっていてもよく、R38は炭素原子数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、r2が2の場合には同一でも異なっていてもよい。
一般式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(VI)または(VII)で表される2つ以上の窒素原子を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。これにより低ロス性および耐摩耗性をより高度に両立することができる。
Figure 2019081872
一般式(VI)中、R40はトリメチルシリル基、炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R41は炭素原子数1〜20のヒドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、R42は炭素原子数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である。
Figure 2019081872
一般式(VII)中、R43およびR44はそれぞれ独立して炭素原子数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R45は炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり、各R45は、同一でも異なっていてもよい。
一般式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(VIII)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2019081872
一般式(VIII)中、r1+r2=3(ただし、r1は0〜2の整数であり、r2は1〜3の整数である)であり、R46は炭素原子数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R47およびR48はそれぞれ独立して炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基である。複数のR47またはR48は、同一でも異なっていてもよい。
一般式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(IX)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2019081872
一般式(IX)中、Xはハロゲン原子であり、R49は炭素原子数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基であり、R50およびR51はそれぞれ独立して加水分解性基、炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であるか、あるいは、R50およびR51は結合して二価の有機基を形成しており、R52およびR53はそれぞれ独立してハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の一価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の一価の芳香族炭化水素基である。R50およびR51としては、加水分解性基であることが好ましく、加水分解性基として、トリメチルシリル基またはtert−ブチルジメチルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基が特に好ましい。
一般式(II)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、下記一般式(X)〜(XIII)で表される構造を有するヒドロカルビルオキシシラン化合物であることが好ましい。
Figure 2019081872
Figure 2019081872
Figure 2019081872
Figure 2019081872
一般式(X)〜(XIII)中、記号U、Vはそれぞれ0〜2かつU+V=2を満たす整数である。一般式(X)〜(XIII)中のR5492は同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜20の二価の脂肪族もしくは脂環式炭化水素基または炭素原子数6〜18の二価の芳香族炭化水素基である。一般式(XIII)中のαおよびβは0〜5の整数である。
一般式(X)〜(XII)の化合物の中でも、N1,N1,N7−テトラメチル−4−((トリメトキシシリル)メチル)−1,7−ヘプタン、2−((ヘキシルージメトキシシリル)メチル)−N1,N1,N3,N3−2−ペンタメチルプロパン−1,3−ジアミン、N1−(3−(ジメチルアミノ)プロピル−N3,N3−ジメチル−N1−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)プロパン−1,3−ジアミン、4−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−N1,N1,N7,N7−テトラメチル−4−((トリメトキシシリル)メチル)ヘプタン−1,7−ジアミンが好ましい。
一般式(XIII)の化合物の中でも、N,N−ジメチル−2−(3−(ジメトキシメチルシリル)プロポキシ)エタンアミン、N,N−ビス(トリメチルシリル)−2−(3−(トリメトキシシリル)プロポキシ)エタンアミン、N,N−ジメチル−2−(3−(トリメトキシシリル)プロポキシ)エタンアミン、N,N−ジメチル−3−(3−(トリメトキシシリル)プロポキシ)プロパン−1−アミンが好ましい。
上記一般式(II)〜(XIll)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、SBRの変性剤として用いることが好ましいが、その他のゴム成分の変性剤として用いてもよい。
一般式(II)〜(XIII)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物は、アルコキシシラン化合物であることが好ましい。
変性ゴムとしての変性重合体をアニオン重合によって得る場合に好適な変性剤としては、例えば、3,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)−1−ビニルベンゼン、3,4−ビス(トリメチルシリルオキシ)ベンズアルデヒド、3,4−ビス(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ベンズアルデヒド、2−シアノピリジン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよび1−メチル−2−ピロリドンから選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
上記変性剤は、アニオン重合における重合開始剤として用いられるリチウムアミド化合物のアミド部分であることが好ましい。このようなリチウムアミド化合物としては、例えば、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、リチウムジメチルアミド、リチウムジエチルアミド、リチウムジブチルアミド、リチウムジプロピルアミド、リチウムジヘプチルアミド、リチウムジヘキシルアミド、リチウムジオクチルアミド、リチウムジ−2−エチルヘキシルアミド、リチウムジデシルアミド、リチウム−N−メチルピペラジド、リチウムエチルプロピルアミド、リチウムエチルブチルアミド、リチウムエチルベンジルアミド、リチウムメチルフェネチルアミドおよびこれらの組み合わせが挙げられる。例えば、リチウムヘキサメチレンイミドのアミド部分となる変性剤はヘキサメチレンイミンであり、リチウムピロリジドのアミド部分となる変性剤はピロリジンであり、リチウムピペリジドのアミド部分となる変性剤はピペリジンである。
変性ゴムとしての変性重合体を配位重合によって得る場合に好適な変性剤としては、例えば、2−シアノピリジンおよび3,4−ジトリメチルシリルオキシベンズアルデヒドから選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
変性ゴムとしての変性重合体を乳化重合によって得る場合に好適な変性剤としては、例えば、3,4−ジトリメチルシリルオキシベンズアルデヒドおよび4−ヘキサメチレンイミノアルキルスチレンから選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。乳化重合において好ましく用いられるこれらの変性剤は、窒素原子および/またはケイ素原子を含むモノマーとして、乳化重合時に共重合されることが好ましい。
変性ゴムにおける変性率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。変性率は、例えば、30%以上が好ましく、35%以上がより好ましく、70%以上が特に好ましい。
本発明のゴム組成物に用いられるエチレン−プロピレン−ジエンゴムとしては、特に制限はない。エチレン−プロピレン−ジエンゴムは、エチレンとプロピレンとの共重合体であるエチレンプロピレンゴム(EPM)に、少量の第3成分を導入し、主鎖中に二重結合をもたせた合成ゴムであり、第3成分の種類や量の違いにより様々な合成ゴムがあり、代表的な第3成分としては、エチリデンノルボルネン(ENB)、1,4−ヘキサジエン(1,4−HD)、ジシクロペンタジエン(DCP)等の非共役ジエンが挙げられる。エチレン、プロピレンおよび第3成分の割合は、特に制限されるものではないが、エチレン成分の含有量が5〜95質量%、プロピレン成分の含有量が5〜95質量%、第3成分の含有量がヨウ素価で0〜50とすることが好ましい。なお、ヨウ素価の異なる2種以上のEPDMを混合して用いることもできる。
本発明のゴム組成物においては、本発明の効果を損なわない範囲で、その他のゴム成分を含有していてもよい。その他のゴム成分としては、例えば、未変性の共役ジエン−芳香族ビニル共重合体、例えば、乳化重合スチレン−ブタジエンゴム、未変性の溶液重合スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−イソプレンゴム等や、エチレン−α−オレフィン共重合ゴム、エチレン−α−オレフィン−ジエン共重合ゴム、クロロプレンゴム、ハロゲン化ブチルゴムおよびハロゲン化メチル基を持つスチレンとイソブチレンの共重合体等が挙げられる。
<熱可塑性樹脂(B)>
本発明のゴム組成物においては、熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系熱可塑性樹脂、ポリエステル系熱可塑性樹脂、オレフィン系熱可塑性樹脂、ポリウレタン系熱可塑性樹脂、塩化ビニル系熱可塑性樹脂、ポリスチレン系熱可塑性樹脂等を用いることができるが、好ましくは、C系樹脂、C〜C系樹脂、C系樹脂およびジシクロペンタジエン樹脂である。
本発明のゴム組成物において「C系樹脂」とは、C系合成石油樹脂を指し、例えばAlClやBF等のフリーデルクラフツ型触媒を用い、C留分を重合して得られる固体重合体を指す。具体的には、イソプレン、シクロペンタジエン、1,3−ペンタジエンおよび1−ペンテン等を主成分とする共重合体、2−ペンテンとジシクロペンタジエンとの共重合体、1,3−ペンタジエンを主体とする重合体等が挙げられる。なお、熱可塑性樹脂(B)としてC系樹脂を用いれば、さらに氷雪路面上での制動性能を向上させることもできる。
本発明において「C〜C系樹脂」とは、C〜C系合成石油樹脂を指し、例えば、AlClやBF等のフリーデルクラフツ型触媒を用い、C〜C11留分を重合して得られる固体重合体を指す。「C〜C系樹脂」としては、例えばスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、インデン等を主成分とする共重合体等が挙げられる。本発明においては、このC〜C樹脂として、C以上の成分の少ない樹脂が、ゴム成分(A)との相溶性の観点から好ましい。ここで、「C以上の成分が少ない」とは、樹脂全量中のC以上の成分が50質量%未満、好ましくは40質量%以下であることをいうものとする。なお、熱可塑性樹脂(B)としてC〜C系樹脂を用いれば、さらにハンドリング特性を向上させることもできる。なお、「C〜C系樹脂」としての固体重合体の重合に用いられるC〜C11留分には、C留分およびC留分以外の留分が含まれるものとする。
本発明において「C系樹脂」とは、C系合成石油樹脂を指し、例えば、AlClやBF等のフリーデルクラフツ型触媒を用い、C留分を重合して得られる固体重合体を指す。「C系樹脂」としては、例えば、インデン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等を主成分とする共重合体等が挙げられる。なお、熱可塑性樹脂(B)としてC系樹脂を用いれば、さらにハンドリング性能を向上させることもできる。
ジシクロペンタジエン樹脂は、例えば、AlClやBF等のフリーデルクラフツ型触媒等を用い、ジシクロペンタジエンを重合して得られる樹脂を指す。ジシクロペンタジエン樹脂の市販品の具体例としては、クイントン1920(日本ゼオン製)、クイントン1105(日本ゼオン社製)、マルカレッツM−890A(丸善石油化学製)等が挙げられる。なお、熱可塑性樹脂(B)としてジシクロペンタジエン樹脂を用いれば、さらに湿潤路面上での制動性能を向上させることもできる。
熱可塑性樹脂(B)は、ゴム成分(A)100質量部に対して、5〜70質量部、好ましくは5〜50質量部配合される。熱可塑性樹脂(B)の配合量をゴム成分(A)100質量部に対して5〜70質量部とすることで、所望のウェット性能を確保することができる。熱可塑性樹脂(B)の配合量が5質量部未満であると、湿潤路面での制動性能が充分に発揮されにくく、一方、70質量部超であると、本発明の効果が得られにくくなるおそれがある。
<充填剤>
本発明のゴム組成物には、充填剤が配合されていてもよい。この場合、充填剤は、ゴム成分(A)100質量部に対して20〜120質量部、好ましくは50〜100質量部である。また、充填剤中には、シリカが50〜100質量%、好ましくは80〜100質量%、さらに好ましくは90〜100質量%含まれる。すなわち、本発明のゴム組成物には、ゴム成分(A)100質量部に対して、シリカが10〜120質量部含まれていることが好ましく、より好ましくは45〜100質量部である。充填剤の配合量をゴム成分(A)100質量部に対して20〜120質量部とすることで、一方でゴム成分(A)の柔軟性等の特性を損ねることなく、その補強効果を奏することができる。さらに、充填剤中のシリカの配合量を50〜100質量%とすることで、特に、転がり抵抗の低減、湿潤路面での制動性能の向上といった効果を奏しつつ、かつ、ゴム成分の柔軟性を損ねにくい、という利点が得られる。
本発明のゴム組成物におけるシリカ配合の効果は、ゴム成分(A)と熱可塑性樹脂(B)とが良好に分散した状態で、その柔軟性を損ねることなく、充分な補強性と低発熱性とを付与することができることである。そのため、本発明のゴム組成物は、その柔軟性により、摩擦係数の低い路面(例えば、マンホール等の滑りやすい湿潤路面)への追従性が高く、このような滑りやすい湿潤路面で充分な制動性能を奏することができる。
シリカとしては、例えば湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられるが、中でも、湿式シリカを好適に使用できる。この湿式シリカのBET比表面積は40〜350m/gであるのが好ましく、150〜300m/gであるのがより好ましく、200〜250m/gであるのが更に好ましい。BET比表面積がこの範囲であるシリカは、ゴム補強性とゴム成分中への分散性とを両立できるという利点がある。この観点から、BET比表面積が80〜300m/gの範囲にあるシリカが更に好ましい。このようなシリカとしては東ソー・シリカ(株)社製、商品名「ニプシルAQ」、「ニプシルKQ」、エボニック社製、商品名「ウルトラジルVN3」等の市販品を用いることができる。このシリカは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、BET比表面積については、BET法の一点値により測定されるものである。
充填剤としては、シリカの他に、カーボンブラック、酸化アルミニウム、クレー、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、チタン酸カリウム、硫酸バリウム等を適宜配合することができる。
<軟化剤>
本発明のゴム組成物には、さらに、軟化剤を配合してもよい。ここで、軟化剤としては、アロマオイル、パラフィンオイル、ナフテンオイル等の石油系軟化剤や、パーム油、ひまし油、綿実油、大豆油等の植物系軟化剤が挙げられる。軟化剤を配合する場合には、軟化剤としては、取り扱い容易性の観点から、上述した中でも、25℃等の常温で液体であるもの、例えば、アロマオイル、パラフィンオイル、ナフテンオイル等の石油系軟化剤を配合することが好ましく、また、植物系軟化剤を配合しないことが好ましい。そして、軟化剤を配合する場合には、ゴム組成物は、軟化剤を、ゴム成分(A)100質量部に対して、10質量部以下で配合してなるのが好ましく、5質量部以下で配合してなるのがより好ましい。軟化剤の配合量がゴム成分(A)100質量部に対して10質量部以下であることにより、マンホール等の、アスファルトと比して滑りやすい湿潤路面における制動性能の向上効果を高めることができる。ただし、湿潤路面における制動性能の観点から、本発明のゴム組成物には、軟化剤を配合しないことが特に好ましい。
<シランカップリング剤>
本発明のゴム組成物においては、配合するシリカの補強性および低発熱性をさらに向上させる目的で、シランカップリング剤を配合してもよい。シランカップリング剤としては、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピル−N、N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピル−N、N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2−トリエトキシシリルエチル−N、N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルベンゾリルテトラスルフィド、3−トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、ビス(3−ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、ジメトキシメチルシリルプロピル−N,N−ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等が挙げられるが、これらの中で補強性改善効果等の点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィドおよび3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアジルテトラスルフィドが好適である。これらのシランカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物においては、好ましいシランカップリング剤の配合量は、シランカップリング剤の種類等により異なるが、シリカに対して、好ましくは2〜25質量%の範囲で選定される。この量が2質量%未満ではカップリング剤としての効果が充分に発揮されにくく、また、25質量%を超えるとゴム成分のゲル化を引き起こすおそれがある。カップリング剤としての効果およびゲル化防止等の点から、このシランカップリング剤のより好ましい配合量は2〜20質量%の範囲であり、さらに好ましい配合量は5〜18質量%の範囲であり、特に好ましい配合量は5〜15質量%の範囲である。
<その他>
本発明のゴム組成物は、さらに、ゴム工業界で通常使用される配合剤、例えば、老化防止剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して、通常の配合量の範囲内で配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。なお、本発明のゴム組成物は、ゴム成分(A)に、熱可塑性樹脂(B)と、必要に応じ適宜選択した充填剤、軟化剤、各種配合剤とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明のタイヤは、上述したゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする。本発明のタイヤは、上述のゴム組成物をトレッドゴムに用いて生タイヤを成形し、常法に従って生タイヤを加硫することで製造できる。なお、本発明のタイヤのトレッドゴムには、上述のゴム組成物が用いられているため、本発明のタイヤは、ウェット性能、操縦安定性および耐オゾンクラック性のバランスに優れている。また、本発明のタイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。
<実施例1〜5および比較例1〜3>
下記表1、2に示す配合のゴム組成物を調製した。得られたゴム組成物をトレッドゴムとし、常法に従って、サイズ185/70R13の乗用車用ラジアルタイヤを作製した。作製した各タイヤのウェット性能、操縦安定性および耐オゾンクラック性につき、下記の手順で評価した。得られた結果を表1、2に併記する。なお、表中の配合量の単位は質量部である。なお、変性SBRは、以下の手順で合成した。
<変性SBR>
乾燥し、窒素置換した800mLの耐圧ガラス容器に、1,3−ブタジエンのシクロヘキサン溶液およびスチレンのシクロヘキサン溶液を、1,3−ブタジエン67.5gおよびスチレン7.5gになるように加え、2,2−ジテトラヒドロフリルプロパン0.6mmolを加え、0.8mmolのn−ブチルリチウムを加えた後、50℃で1.5時間重合を行った。この際の重合転化率がほぼ100%となった重合反応系に対し、変性剤としてN,N−ビス(トリメチルシリル)アミノプロピルメチルジエトキシシランを0.72mmol添加し、50℃で30分間変性反応を行った。その後、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)のイソプロパノール5質量%溶液2mLを加えて反応を停止させ、常法に従い乾燥して変性SBRを得た。得られた変性SBRのTgは−60℃であった。
<ウェット性能>
排気量2000ccの乗用車に供試タイヤ4本を装着し、この乗用車をテストコースの鉄板湿潤路面評価路で走行させ、時速40km/hrの時点でブレーキを踏んでタイヤをロックさせ、停止するまでの距離を測定した。結果は、距離の逆数について、比較例1を100として指数表示した。指数値が大きい程、ウェット性能に優れることを示す。得られた結果を、表1、2に併記する。
<ハンドリング性>
排気量2000ccの乗用車に供試タイヤ4本を装着し、操縦安定性を評価した。具体的には、乾燥路面での実車試験にて、テストドライバーによるフィーリングに基づき、ハンドリング特性を評価した。比較例1を100として指数化した。指数値が大きいほど、ハンドリング特性が良好で、操縦安定性が優れることを示す。得られた結果を表1、2に併記する。
<耐オゾンクラック性>
各ゴム組成物を145℃で加硫し、幅10mm、厚さ2mmの短冊状サンプルを20%伸長下で試験した。オゾン濃度:50pphm、試験温度:40℃、伸びを保った試験片は、40℃の恒温槽に48hr(時間)放置後試験実施した。判定は72時間経過後に以下の評価基準で評価した。得られた結果を表1、2に併記する。
1:亀裂少数 せいぜい肉眼で確認できる程度のもの
2:亀裂少数 約1mm以下の亀裂が見られるもの
3:亀裂多数 1〜3mmの亀裂が見られるもの
4:亀裂多数 3mm以上の亀裂または切断を起こしそうなもの
Figure 2019081872
※1:RSS#4
※2:変性SBR
※3:JSR株式会社製、商品名:EP35
※4:カーボンブラック(N220(ISAF))(旭カーボン株式会社製、商品名:#80)
※5:シリカ(BET比表面積205m/g)(東ソー・シリカ社製、商品名:ニプシルAQ)
※6:ビス(3−エトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、Evonik社製 「Si75」(登録商標)
※7:マイクロクリスタリンワックス、日本精蝋(株)製「オゾエース0701」
※8:N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、大内新興化学工業(株)製、商品名:「ノクラック6C」
※9:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、精工化学(株)製、商品名:「ノンフレックスRD−S」
※10:1,3−ジフェニルグアニジン:大内新興化学工業(株)製、商品名:「ノクセラーD」
※11:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、三新化学工業(株)製、商品名:「サンセラーDM」
※12:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、大内新興化学工業(株)製、商品名:「ノクセラーCZ」
※13:C系樹脂、C〜C系樹脂、C系樹脂
Figure 2019081872
表1、2より、本発明のゴム組成物は、タイヤのトレッドゴムとして使用した場合、ウェット性能、操縦安定性および耐オゾンクラック性がバランスされていることがわかる。

Claims (4)

  1. ゴム成分(A)と熱可塑性樹脂(B)とを含むゴム組成物において、
    前記ゴム成分(A)が、天然ゴムと、ガラス転移点が−50℃以下の変性ゴムと、エチレン−プロピレン−ジエンゴムと、を含み、前記熱可塑性樹脂(B)が、前記ゴム成分(A)100質量部に対して5〜70質量部であることを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記変性ゴムが、シラン変性スチレン−ブタジエンゴムである請求項1記載のゴム組成物。
  3. 前記熱可塑性樹脂(B)が、C系樹脂、C〜C系樹脂、C系樹脂およびジシクロペンタジエン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項1または2記載のゴム組成物。
  4. 請求項1〜3のうちいずれか一項記載のゴム組成物がトレッドゴムに用いられてなることを特徴とするタイヤ。
JP2017210935A 2017-10-31 2017-10-31 ゴム組成物およびこれを用いたタイヤ Pending JP2019081872A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017210935A JP2019081872A (ja) 2017-10-31 2017-10-31 ゴム組成物およびこれを用いたタイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017210935A JP2019081872A (ja) 2017-10-31 2017-10-31 ゴム組成物およびこれを用いたタイヤ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019081872A true JP2019081872A (ja) 2019-05-30

Family

ID=66670186

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017210935A Pending JP2019081872A (ja) 2017-10-31 2017-10-31 ゴム組成物およびこれを用いたタイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019081872A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024111601A1 (ja) * 2022-11-25 2024-05-30 株式会社ブリヂストン タイヤ用ゴム組成物、トレッドゴム及びタイヤ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024111601A1 (ja) * 2022-11-25 2024-05-30 株式会社ブリヂストン タイヤ用ゴム組成物、トレッドゴム及びタイヤ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8362118B2 (en) Rubber composition for use in tires
JP2019089911A (ja) タイヤ用ゴム組成物およびタイヤ
EP2868696B1 (en) Rubber composition for tire treads
JP7422487B2 (ja) ゴム組成物、及びタイヤ
JPWO2017077714A1 (ja) ゴム組成物およびタイヤ
WO2019039614A1 (ja) ゴム組成物及びタイヤ
JP6208422B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ
CN109196038B (zh) 橡胶组合物和轮胎
JP7473795B2 (ja) ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤ
US20200181368A1 (en) Rubber composition and tire
JP2018035241A (ja) ゴム組成物及びタイヤ
JP2019006846A (ja) ゴム組成物およびこれを用いたタイヤ
JP2017214508A (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP2019006845A (ja) ゴム組成物およびこれを用いたタイヤ
JP6431938B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP2019081872A (ja) ゴム組成物およびこれを用いたタイヤ
JP2017214509A (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP2011252069A (ja) ジエン系ゴム組成物
JP6092966B2 (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
JP7397362B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP2019099743A (ja) ゴム組成物及びタイヤ
JP7339580B2 (ja) タイヤ用ゴム組成物
JP7039895B2 (ja) スタッドレスタイヤ
JP2001098112A (ja) タイヤトレッド用ゴム組成物
WO2024111634A1 (ja) タイヤ用ゴム組成物、トレッドゴム及びタイヤ