JP7397362B2 - タイヤ用ゴム組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、耐摩耗性、ドライ性能およびウェット性能に優れた、高性能タイヤ向けタイヤ用ゴム組成物に関する。
高性能タイプのタイヤには、耐摩耗性、ドライ性能およびウェット性能を高いレベルで兼備することが求められる。また、長期に使用した後でもグリップ性能を維持していることも求められている。ウェット性能や耐摩耗性を改良するタイヤ用ゴム組成物として、タイヤ用ゴム組成物に芳香族変性テルペン樹脂を配合することが提案されている(例えば特許文献1を参照)。
しかし、特許文献1に記載された発明では、優れたドライ性能や長期に使用した後にグリップ性能の高いレベルで維持するには必ずしも十分ではなかった。
特開2013-166864号公報
本発明の目的は、耐摩耗性、ドライ性能およびウェット性能に優れると共に、長期に使用した後でもグリップ性能を高いレベルで維持するようにしたタイヤ用ゴム組成物を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のタイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴムを80質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に、熱可塑性樹脂を15質量部以上配合したタイヤ用ゴム組成物であって、前記スチレンブタジエンゴムのガラス転移温度が-55℃以下、前記スチレンブタジエンゴム中のスチレンモノマー由来単位およびビニルモノマー由来単位の合計が50モル%以下であり、前記ジエン系ゴムおよび熱可塑性樹脂が以下の(i)および(ii)の関係を満たすと共に、前記スチレンブタジエンゴムの少なくとも1つの末端が官能基で変性されており、かつ前記熱可塑性樹脂が、テルペン、変性テルペン、ロジン、ロジンエステル、C5成分、C9成分から選ばれる少なくとも1つからなる樹脂、およびそれら樹脂の二重結合の少なくとも一部が水添された樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする。
(i)前記ジエン系ゴムおよび熱可塑性樹脂を質量比1:1で配合した混合物において、前記ジエン系ゴムおよび熱可塑性樹脂のガラス転移温度から計算される前記混合物のガラス転移温度の理論値Tgaと、前記混合物のガラス転移温度の測定値Tgmとの差Tga-Tgmが10℃以下である。
(ii)前記熱可塑性樹脂をすべてオイルに置き換えたことを除き前記タイヤ用ゴム組成物と同じ組成を有するゴム組成物Bとの関係で、前記タイヤ用ゴム組成物の-40℃~60℃における損失正接の最大値tanδMAXAと、前記ゴム組成物Bの-40℃~60℃における損失正接の最大値tanδMAXBが、下記式(1)を満たす。
tanδMAXA/tanδMAXB > 0.8 (1)
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、特定のスチレンブタジエンゴムを含むジエン系ゴムに、特定の熱可塑性樹脂を配合するようにしたので、耐摩耗性、ドライ性能およびウェット性能に優れると共に、長期に使用した後でもグリップ性能を高いレベルで維持することができる。
前記タイヤ用ゴム組成物に含まれるオイルの合計が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、10質量部未満あるとよい。
前記スチレンブタジエンゴムの少なくとも1つの末端が官能基で変性されているとよく、また、前記スチレンブタジエンゴムの油展量が、該スチレンブタジエンゴム100質量部に対し、10質量部以下あるとよい。
前記熱可塑性樹脂は、そのガラス転移温度が40℃~120℃であるとよく、また、テルペン、テルペンフェノール、ロジン、ロジンエステル、C5成分、C9成分から選ばれる少なくとも1つからなる樹脂、およびそれら樹脂の二重結合の少なくとも一部が水添された樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つであるとよい。
上述したタイヤ用ゴム組成物からなるトレッド部を有するタイヤは、特に高性能タイヤとして好適であり、耐摩耗性、ドライ性能およびウェット性能に優れると共に、長期に使用した後でもグリップ性能を高いレベルで維持することができる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量%中、特定のスチレンブタジエンゴムを55質量%以上含む。特定のスチレンブタジエンゴムを含むことにより、シリカの分散性を良好にし、引張破断強度を大きくし耐摩耗性を高くすると共に、0℃のtanδを大きくしウェット性能を優れたものにすることができる。特定のスチレンブタジエンゴムは、ジエン系ゴム100質量%中55質量%以上、好ましくは55~80質量%、より好ましくは60~75質量%であるとよい。特定のスチレンブタジエンゴムが55質量%未満であると、シリカの分散性を良好にする作用が十分に得られず、耐摩耗性およびウェット性能を充分に向上することができない。
特定のスチレンブタジエンゴムは、ガラス転移温度(以下、「Tg」と記載することがある。)が-55℃以下、好ましくは-80℃~-58℃、より好ましくは-75℃~-60℃である。スチレンブタジエンゴムのTgが-55℃より高いと、耐摩耗性が悪化する。スチレンブタジエンゴムのTgは、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件により得られたサーモグラムから転移域の中点の温度として測定することができる。また、ジエン系ゴムが油展品であるときは、油展成分(オイル)を含まない状態におけるジエン系ゴムのTgとする。
特定のスチレンブタジエンゴムは、含有するスチレンモノマー由来単位およびビニルモノマー由来単位の合計が50モル%以下、好ましくは10~50モル%、より好ましくは15~50モル%である。スチレンモノマー由来単位およびビニルモノマー由来単位の合計が50モル%を超えると、Tgが高くなる傾向があり、耐摩耗性が悪化する。本明細書において、スチレンモノマー由来単位は、スチレンブタジエンゴムを構成する繰り返し単位のうちスチレンモノマーに由来する繰り返し単位である。また、ビニルモノマー由来単位は、スチレンブタジエンゴムを構成する繰り返し単位のうちブタジエンモノマーが1,2-結合することにより形成された繰り返し単位である。1,2-結合したブタジエンモノマーは、その繰り返し単位がビニルエチレン(-CH-CH(CH=CH)-)の形になるので、本明細書では、これをビニルモノマーというものとする。スチレンブタジエンゴム中のスチレンモノマー由来単位およびビニルモノマー由来単位の量(モル%)は、H-NMRにより測定することができる。
スチレンブタジエンゴム中のスチレンモノマー由来単位の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは5~45モル%、より好ましくは8~42モル%であるとよい。スチレンモノマー由来単位の含有量をこのような範囲内にすることにより、耐摩耗性が良好になり好ましい。
スチレンブタジエンゴム中のビニルモノマー由来単位の含有量は、特に限定されるものではないが、好ましくは5~45モル%、より好ましくは8~42モル%であるとよい。スチレンモノマー由来単位の含有量をこのような範囲内にすることにより、ドライグリップ性能を長期に使用した後でも高いレベルで維持することができ、好ましい。
なお、スチレンブタジエンゴム中のスチレンモノマー由来単位の含有量は、ビニルモノマー由来単位の含有量より多いことが好ましい。スチレンモノマー由来単位の含有量の方が多く、かつスチレンモノマー由来単位およびビニルモノマー由来単位の合計が50モル%以下にすることにより、耐摩耗性とドライグリップ性能のバランスが良好になり好ましい。
本発明において、特定のスチレンブタジエンゴムは、その少なくとも1つの末端が官能基で変性されているとよく、シリカの分散性を良好にし、タイヤの転がり抵抗をより小さくすることができる。官能基として、例えばエポキシ基、カルボキシ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シリル基、アルコキシシリル基、アミド基、オキシシリル基、シラノール基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、カルボニル基、アルデヒド基等が挙げられ、なかでもポリオルガノシロキサン構造またはアミノシラン構造を有するものが好ましく挙げられる。ポリオルガノシロキサン構造またはアミノシラン構造を有する官能基を有することにより、シリカの分散性を良好にし、耐摩耗性、ドライ性能およびウェット性能を優れたものにすることができる。
スチレンブタジエンゴムは、油展成分を含有することができる。その油展量は、スチレンブタジエンゴム100質量部に対し、好ましくは10質量部以下であるとよい。油展量を10質量部以下にすることにより、タイヤが老化した後のグリップ性能の低下を抑制することができる。油展量は、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下であるとよい。
タイヤ用ゴム組成物は、特定のスチレンブタジエンゴム以外の他のジエン系ゴムを含むことができる。他のジエン系ゴムとして、例えば、Tgが-55℃超のスチレンブタジエンゴム、スチレンモノマー由来単位およびビニルモノマー由来単位の合計が50モル%超のスチレンブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、乳化重合スチレンブタジエンゴム、ハロゲン化ブチルゴム、アクリロニトリル-ブタジエンゴム、およびこれらゴムに官能基を付した変性ゴム等を例示することができる。これら他のジエン系ゴムは、単独又は任意のブレンドとして使用することができる。他のジエン系ゴムの含有量は、ジエン系ゴム100質量%中、好ましくは45質量%以下、より好ましくは20~45質量%、さらに好ましくは25~40質量%であるとよい。
タイヤ用ゴム組成物は、Tgが-55℃超のスチレンブタジエンゴムを配合することにより、ウェット性能が良好になり好ましい。Tgが-55℃超のスチレンブタジエンゴムは、ジエン系ゴム100質量%中、好ましくは3~45質量%、より好ましくは5~35質量%であるとよい。Tgが-55℃超のスチレンブタジエンゴムとして、タイヤ用ゴム組成物に通常使用されるものを用いるとよい。
タイヤ用ゴム組成物は、天然ゴムを配合することにより、耐摩耗性が良好になり好ましい。天然ゴムは、ジエン系ゴム100質量%中、好ましくは5~35質量%、より好ましくは10~30質量%であるとよい。天然ゴムとして、タイヤ用ゴム組成物に通常使用されるものを用いるとよい。
また、ブタジエンゴムを配合することにより、耐摩耗性が良好になり好ましい。ブタジエンゴムは、ジエン系ゴム100質量%中、好ましくは2~25質量%、より好ましくは4~20質量%であるとよい。ブタジエンゴムとして、タイヤ用ゴム組成物に通常使用されるものを用いるとよい。
タイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴムに白色充填剤を配合することができる。白色充填剤を配合することにより、ウェット性能を向上させることができる。白色充填剤として、例えばシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレイ、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウムを挙げることができる。これらを単独または2種以上を組合わせて使用してもよい。なかでもシリカが好ましく、ウェット性能および低発熱性をより優れたものにすることができる。白色充填剤は、ジエン系ゴム100質量部に、好ましくは300質量部以下、より好ましくは250質量部以下、更に好ましくは200質量部以下であるとよい。また、白色充填剤は、ジエン系ゴム100質量部に、好ましくは10質量部以上、より好ましくは25質量部以上、更に好ましくは50質量部以上であるとよい。
シリカとして、タイヤ用ゴム組成物に通常使用されるものを用いるとよく、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは、カーボンブラック表面にシリカを担持させたカーボン-シリカ(デュアル・フェイズ・フィラー)、シランカップリング剤又はポリシロキサンなどシリカとゴムの両方に反応性或いは相溶性のある化合物で表面処理したシリカなどを使用することができる。これらの中でも、含水ケイ酸を主成分とする湿式法シリカが好ましい。
また、シリカとともに、シランカップリング剤を配合することによりシリカの分散性を向上し、ウェット性能および低発熱性がさらに改善されるので好ましい。シランカップリング剤の種類は、特に制限されるものではないが、硫黄含有シランカップリング剤が好ましく、例えばビス-(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフィド、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、3-メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、2-メルカプトエチルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、及びエボニック社製のVP Si363等特開2006-249069号公報に例示されているメルカプトシラン化合物等、3-トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピルメタクリレートモノスルフィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリエトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ビス(3-ジエトキシメチルシリルプロピル)テトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド、ジメトキシメチルシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3-オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン、3-プロピオニルチオプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-(β-アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシランなどを挙げることができる。
シランカップリング剤は、シリカの質量に対し3~20質量%、好ましくは5~15質量%配合するとよい。シランカップリング剤がシリカ質量の3質量%未満の場合、シリカの分散性を向上する効果が十分に得られない。また、シランカップリング剤が20質量%を超えると、ジエン系ゴム成分がゲル化し易くなる傾向があるため、所望の効果を得ることができなくなる。
タイヤ用ゴム組成物は、白色充填剤以外の他の充填剤を配合することにより、ゴム組成物の強度を高くし、タイヤ耐久性を確保することができる。他の充填剤として、例えばカーボンブラック、マイカ、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の無機フィラーや、セルロース、レシチン、リグニン、デンドリマー等の有機フィラーを例示することができる。
なかでもカーボンブラックを配合することにより、ゴム組成物の強度を優れたものにすることができる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどのカーボンブラックを配合してもよい。これらの中でも、ファーネスブラックが好ましく、その具体例としては、SAF、ISAF、ISAF-HS、ISAF-LS、IISAF-HS、HAF、HAF-HS、HAF-LS、FEFなどが挙げられる。これらのカーボンブラックは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのカーボンブラックを種々の酸化合物等で化学修飾を施した表面処理カーボンブラックも用いることができる。
タイヤ用ゴム組成物は、特定の熱可塑性樹脂を配合することにより、その動的粘弾性の温度依存性を調節することができる。特定の熱可塑性樹脂は、ジエン系ゴム100質量部に対し15質量部以上、好ましくは20質量部以上、より好ましくは25質量部以上配合する。熱可塑性樹脂が15質量部未満であると、耐摩耗性、ドライ性能およびウェット性能に優れ、長期に使用した後でもグリップ性能を高いレベルで維持するという本発明の目的を達成することができない。また特定の熱可塑性樹脂は、ジエン系ゴム100質量部に対し好ましくは150質量部以下、より好ましくは120質量部以下であるとよい。特定の熱可塑性樹脂が120質量部を超えると、耐摩耗性が低下する虞がある。
特定の熱可塑性樹脂は、ジエン系ゴムとの間で以下の(i)の関係を満たすものとする。
(i)上述したジエン系ゴムおよび熱可塑性樹脂を質量比1:1で配合した混合物において、ジエン系ゴムおよび熱可塑性樹脂のガラス転移温度から計算される混合物のガラス転移温度の理論値Tgaと、混合物のガラス転移温度の測定値Tgmとの差Tga-Tgmが10℃以下になるようにする。
差Tga-Tgmを10℃以下にすることにより、耐摩耗性およびウェット性能に優れ、かつ転がり抵抗性を小さくし、その温度依存性を小さくすることができる。差Tga-Tgmは、好ましくは7℃以下、より好ましくは5℃以下であるとよい。差Tga-Tgmが10℃以下であると、ジエン系ゴムおよび熱可塑性樹脂が相溶関係にあり、その熱可塑性樹脂を比較的多量に配合することにより、ゴム組成物の引張破断強度を大きくし、tanδなどの粘弾性特性の改良に寄与すると考えられる。本明細書において、混合物のガラス転移温度の理論値Tgaは、ジエン系ゴムおよび熱可塑性樹脂のガラス転移温度および質量比から加重平均値として算出することができる。また、ジエン系ゴムおよび熱可塑性樹脂のガラス転移温度、並びに混合物のガラス転移温度Tgmは、示差走査熱量測定(DSC)により20℃/分の昇温速度条件によりサーモグラムを測定し、転移域の中点の温度として測定するものとする。なお、サーモグラムに複数の転移域があるときは、最も大きな転移域における中点を混合物のガラス転移温度Tgmとする。
更に、特定の熱可塑性樹脂は、ジエン系ゴムとの間で以下の(ii)の関係を満たすものとする。
(ii)本発明のタイヤ用ゴム組成物をゴム組成物Aとし、ゴム組成物Aに含まれる熱可塑性樹脂をすべてオイルに置き換えたことを除き、ゴム組成物Aと同じ組成を有するものをゴム組成物Bとし、ゴム組成物Aの-40℃~60℃における損失正接の最大値をtanδMAXA、ゴム組成物Bの-40℃~60℃における損失正接の最大値をtanδMAXBとするとき、tanδMAXAおよびtanδMAXBが、下記式(1)の関係を満たす。
tanδMAXA/tanδMAXB > 0.8 (1)
損失正接の最大値の比tanδMAXA/tanδMAXBが0.8より大きいと本発明のタイヤ用ゴム組成物(ゴム組成物A)の引張破断強度が大きくなり、タイヤにしたときの耐摩耗性がより優れたものになる。ゴム組成物Bは含有するジエン系ゴムおよびオイルの相溶性が高く引張破断強度が大きい傾向がある。ゴム組成物AのtanδMAXAが、ゴム組成物BのtanδMAXBに近い値であることは、ゴム組成物の粘弾性挙動が類似し、ジエン系ゴムおよび熱可塑性樹脂の相溶性が良好で、熱可塑性樹脂が破壊の起点になるのが抑制され引張破断強度が大きくなるものと推測される。比tanδMAXA/tanδMAXBは、より好ましくは0.85より大、さらに好ましくは0.9より大であるとよい。本明細書において、tanδMAXAおよびtanδMAXBは、ゴム組成物AおよびBの硬化物の動的粘弾性を、粘弾性スペクトロメーターを用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度-40℃~60℃の条件にて測定し、測定温度を横軸、損失正接(tanδ)を縦軸にした粘弾性カーブを求め、tanδの最太値(ピーク値)を、それぞれtanδMAXAおよびtanδMAXBとすることができる。
熱可塑性樹脂とは、タイヤ用ゴム組成物へ通常配合する樹脂であり、分子量が数百から数千くらいで、タイヤ用ゴム組成物に粘着性を付与する作用を有する。熱可塑性樹脂として、テルペン、変性テルペン、ロジン、ロジンエステル、C5成分、C9成分から選ばれる少なくとも1つからなる樹脂が好ましい。例えば、テルペン系樹脂、変性テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、ロジンエステル系樹脂などの天然樹脂、C5成分、C9成分からなる石油系樹脂、石炭系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン系樹脂などの合成樹脂が挙げられる。
テルペン系樹脂としては、例えばα-ピネン樹脂、β-ピネン樹脂、リモネン樹脂、水添リモネン樹脂、ジペンテン樹脂、テルペンフェノール樹脂、テルペンスチレン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水素添加テルペン樹脂等が挙げられる。ロジン系樹脂としては、例えばガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、水素添加ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジンおよびフマル化ロジン等の変性ロジン、これらのロジンのグリセリンエステル、ペンタエリスリトールエステル、メチルエステルおよびトリエチレングリコールエステルなどのエステル誘導体、並びにロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
石油系樹脂としては、芳香族系炭化水素樹脂あるいは飽和または不飽和脂肪族系炭化水素樹脂が挙げられ、例えばC5系石油樹脂(イソプレン、1,3-ペンタジエン、シクロペンタジエン、メチルブテン、ペンテンなどの留分を重合した脂肪族系石油樹脂)、C9系石油樹脂(α-メチルスチレン、o-ビニルトルエン、m-ビニルトルエン、p-ビニルトルエンなどの留分を重合した芳香族系石油樹脂)、C5C9共重合石油樹脂などが例示される。
熱可塑性樹脂は、そのガラス転移温度が好ましくは40℃~120℃、好ましくは45℃~115℃、より好ましくは50℃~110℃であるとよい。熱可塑性樹脂のガラス転移温度を40℃以上にすることにより、ドライグリップ性能が向上し好ましい。また。120℃以下にすることにより、耐摩耗性が向上し好ましい。熱可塑性樹脂のガラス転移温度は、上述した方法で測定することができる。
タイヤ用ゴム組成物には、上記成分以外に、常法に従って、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、加工助剤、可塑剤、液状ポリマー、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などのタイヤトレッド用ゴム組成物に一般的に使用される各種配合剤を配合することができる。このような配合剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの配合剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。タイヤ用ゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって調製することができる。
タイヤ用ゴム組成物は、高性能タイヤのトレッド部やサイド部を形成するのに好適であり、とりわけ高性能タイヤのトレッド部を形成するのに好適である。これにより得られた高性能タイヤは、耐摩耗性、ドライ性能およびウェット性能に優れると共に、長期に使用した後でもグリップ性能を高いレベルで維持することができる。
以下、実施例によって本発明をさらに説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
表7に示す共通の添加剤処方を有し、表1~6に示す配合からなる21種類のタイヤ用ゴム組成物(標準例1~3,実施例1~21、比較例1~18)を調製するに当たり、それぞれ硫黄および加硫促進剤を除く成分を秤量し、1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、そのマスターバッチをミキサー外に放出し室温冷却した。このマスターバッチを同バンバリーミキサーに供し、硫黄および加硫促進剤を加えて混合し、タイヤ用ゴム組成物を得た。表中、SBR-3は、25質量部の油展品であるため、下段の括弧内に油展成分抜きの配合量を記載した。なお、表7の添加剤処方は、表1~6に記載したジエン系ゴム100質量部に対する質量部で記載している。また、上述した実施例1~21、比較例1~18のタイヤ用ゴム組成物をそれぞれゴム組成物Aとし、熱可塑性樹脂をすべてオイルに置き換えたことを除き、各ゴム組成物Aと同じ組成を有するものをゴム組成物Bとして、上記と同様に調製した。さらに、各実施例および比較例のタイヤ用ゴム組成物を構成するジエン系ゴムおよび熱可塑性樹脂を質量比1:1で配合した混合物において、ガラス転移温度(Tgm)を上述した方法で測定すると共に、ガラス転移温度の理論値Tgaを算出し、ガラス転移温度の測定値Tgmとの差Tga-Tgmを算出し、表1~6に記載した。
上記で得られたタイヤ用ゴム組成物を、それぞれ所定形状の金型中で、160℃、20分間加硫して評価用試料を作製した。得られた評価用試料を使用し、動的粘弾性(損失正接tanδ)、耐摩耗性を以下の方法で測定した。また得られたタイヤ用ゴム組成物をタイヤトレッドに使用してサイズ205/55R16のタイヤを加硫成型し、ウェットグリップ性能、ドライ性能および熱老化後のドライグリップ性能を以下の方法で測定した。
動的粘弾性(損失正接tanδ)
得られたタイヤ用ゴム組成物(ゴム組成物A)およびゴム組成物Bの評価用試料の動的粘弾性を、岩本製作所(株)製の粘弾性スペクトロメーターを用い、伸張変形歪率10±2%、振動数20Hz、温度-40℃~60℃の条件にて測定し、-40℃~60℃の粘弾性カーブを作成し、ゴム組成物Aおよびゴム組成物Bのtanδの最太値(ピーク値)をtanδMAXAおよびtanδMAXBとし、tanδMAXA/tanδMAXBを算出し、得られた結果を表1~6に記載した。
耐摩耗性
得られたタイヤ用ゴム組成物の評価用試料をJIS K6264に準拠し、ランボーン摩耗試験機(岩本製作所株式会社製)を使用して、荷重15.0kg(147.1N)、スリップ率25%の条件にて、摩耗量を測定した。得られた結果それぞれの逆数を算出し、表1~2では標準例1の摩耗量の逆数、表3~4では標準例2の摩耗量の逆数、表5~6では標準例3の摩耗量の逆数をそれぞれ100にする指数として表1~6の「耐摩耗性」の欄に記載した。耐摩耗性の指数が大きいほど、耐摩耗性に優れていることを意味する。
ウェットグリップ性能
得られたタイヤを標準リムに取付け、排気量2000ccのABSを搭載した試験車両に装着し、フロントタイヤおよびリヤタイヤの空気圧を220kPaにした。試験車両を水深2.0~3.0mmに散水したアスファルト路面上を走行させ、速度100km/hからの制動停止距離を測定した。得られた結果は、それぞれの逆数を算出し、標準例の値を100とする指数とし、表1~6の「ウェット性能」の欄に示した。この指数が大きいほど、ウェットグリップ性能が優れることを意味する。
ドライグリップ性能
得られたタイヤを標準リムに取付け、排気量2000ccのABSを搭載した試験車両に装着し、フロントタイヤおよびリヤタイヤの空気圧を220kPaにした。試験車両を比較的凸凹の少ない乾燥路面上を走行させ、速度100km/hからの制動停止距離を測定した。得られた結果は、それぞれの逆数を算出し、標準例の値を100とする指数とし、表1~6の「ドライ性能」の欄に示した。この指数が大きいほど、ドライグリップ性能が優れることを意味する。
熱老化後のドライグリップ性能
得られたタイヤを70℃で7日間、熱老化処理を行った。熱老化処理後のタイヤを使用した以外は、上述したドライグリップ性能と同様にして、熱老化後のドライグリップ性能を評価した。得られた結果は、それぞれの逆数を算出し、標準例の値を100とする指数とし、表1~6の「熱老化後のドライ性能」の欄に示した。この指数が大きいほど、熱老化後のドライグリップ性能が優れることを意味する。
Figure 0007397362000001
Figure 0007397362000002
Figure 0007397362000003
Figure 0007397362000004
Figure 0007397362000005
Figure 0007397362000006
表1~6において使用した原材料の種類を下記に示す。
・NR:天然ゴム、TSR20、ガラス転移温度が-65℃
・SBR-1:ポリオルガノシロキサン構造を有する末端変性のスチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol NS612、ガラス転移温度が-61℃、スチレンモノマー由来単位が8.4モル%、ビニルモノマー由来単位が28.4モル%、非油展品
・SBR-2:ポリオルガノシロキサン構造を有する末端変性のスチレンブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol NS616、ガラス転移温度が-23℃、スチレンモノマー由来単位が12.8モル%、ビニルモノマー由来単位が58.4モル%、非油展品
・SBR-3:バッチ重合で製造された末変性の溶液重合スチレンブタジエンゴム、JSR社製HPR850、ガラス転移温度が-25℃、スチレンモノマー由来単位が16.1モル%、ビニルモノマー由来単位が49.5モル%、非油展品
・SBR-4:連続重合で製造されたアルコキシシラン変性の溶液重合スチレンブタジエンゴム、LG社製M2520、ガラス転移温度が-48℃、スチレンモノマー由来単位が16.1モル%、ビニルモノマー由来単位が22.7モル%、油展量が25質量部
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製 Nipol BR1220、ガラス転移温度が-105℃
・カーボンブラック:東海カーボン社製 シースト7HM
・シリカ:Solvey社製 Zeosil 1165MP、窒素吸着比表面積が159m/g
・カップリング剤:シランカップリング剤、Evonik Degussa社製 Si69
・樹脂-1:芳香族変性テルペン樹脂、ヤスハラケミカル社製 HSR-7、ガラス転移温度が72℃
・樹脂-2:芳香族変性テルペン樹脂、ヤスハラケミカル社製YSレジンTO-105、ガラス転移温度が57℃
・樹脂-3:インデン樹脂、三井化学社製 FMR0150、ガラス転移温度が89℃
・樹脂-4:フェノール変性テルペン樹脂、荒川化学工業社製 タマノル803L、ガラス転移温度が95℃
・樹脂-5:ポリテルペン樹脂、Kraton社製 Sylvatraxx8115、ガラス転移温度が67℃
・オイル:シェルルブリカンツジャパン社製エキストラクト4号S
Figure 0007397362000007
表7において使用した原材料の種類を下記に示す。
・老化防止剤:LANXESS社製VULANOX 4020
・ワックス:NIPPON SEIRO社製 OZOACE-0015A
・硫黄:鶴見化学工業社製サルファックス5
・加硫促進剤:大内振興化学工業社製ノクセラーCZ-G
表2,4,6から明らかなように、実施例1~21のタイヤ用ゴム組成物は、耐摩耗性、ウェット性能、ドライ性能および熱老化後のグリップ性能が優れることが確認された。
表1から明らかなように、比較例1のタイヤ用ゴム組成物は、差Tga-Tgmが10℃を超え、tanδMAXA/tanδMAXBが0.8以下なので、耐摩耗性およびドライ性能が低い。
比較例2のタイヤ用ゴム組成物は、特定のスチレンブタジエンゴムが55質量部未満なので、耐摩耗性が低い。
比較例3のタイヤ用ゴム組成物は、特定の熱可塑性樹脂が15質量部未満なので、耐摩耗性、ウェット性能、ドライ性能、および熱老化後のドライグリップ性能を改良することができない。
比較例4のタイヤ用ゴム組成物は、差Tga-Tgmが10℃を超え、tanδMAXA/tanδMAXBが0.8以下なので、耐摩耗性およびドライ性能が低い。
比較例5のタイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴム(SBR-3)のTgが-55℃より高く、スチレンブタジエンゴム中のスチレンモノマー由来単位およびビニルモノマー由来単位の合計が50モル%を超えるので、耐摩耗性が低い。
比較例6のタイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴム(SBR-4)のTgが-55℃より高いので、耐摩耗性が低い。
表3から明らかなように、比較例7のタイヤ用ゴム組成物は、差Tga-Tgmが10℃を超え、tanδMAXA/tanδMAXBが0.8以下なので、耐摩耗性が低い。
比較例8のタイヤ用ゴム組成物は、特定のスチレンブタジエンゴムが55質量部未満なので、耐摩耗性が低い。
比較例9のタイヤ用ゴム組成物は、特定の熱可塑性樹脂が15質量部未満なので、耐摩耗性、ウェット性能、ドライ性能、および熱老化後のドライグリップ性能を改良することができない。
比較例10のタイヤ用ゴム組成物は、差Tga-Tgmが10℃を超え、tanδMAXA/tanδMAXBが0.8以下なので、耐摩耗性およびドライ性能が低い。
比較例11のタイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴム(SBR-3)のTgが-55℃より高く、スチレンブタジエンゴム中のスチレンモノマー由来単位およびビニルモノマー由来単位の合計が50モル%を超えるので、耐摩耗性が低い。
比較例12のタイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴム(SBR-4)のTgが-55℃より高いので、耐摩耗性が低い。
表5から明らかなように、比較例13のタイヤ用ゴム組成物は、差Tga-Tgmが10℃を超え、tanδMAXA/tanδMAXBが0.8以下なので、耐摩耗性が低い。
比較例14のタイヤ用ゴム組成物は、特定のスチレンブタジエンゴムが55質量部未満なので、耐摩耗性が低い。
比較例15のタイヤ用ゴム組成物は、特定の熱可塑性樹脂が15質量部未満なので、耐摩耗性、ウェット性能、ドライ性能、および熱老化後のドライグリップ性能を改良することができない。
比較例16のタイヤ用ゴム組成物は、差Tga-Tgmが10℃を超え、tanδMAXA/tanδMAXBが0.8以下なので、耐摩耗性およびドライ性能が低い。
比較例17のタイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴム(SBR-3)のTgが-55℃より高く、スチレンブタジエンゴム中のスチレンモノマー由来単位およびビニルモノマー由来単位の合計が50モル%を超えるので、耐摩耗性が低い。
比較例18のタイヤ用ゴム組成物は、スチレンブタジエンゴム(SBR-4)のTgが-55℃より高いので、耐摩耗性が低い。

Claims (6)

  1. スチレンブタジエンゴムを80質量%以上含むジエン系ゴム100質量部に、熱可塑性樹脂を15質量部以上配合したタイヤ用ゴム組成物であって、前記スチレンブタジエンゴムのガラス転移温度が-55℃以下、前記スチレンブタジエンゴム中のスチレンモノマー由来単位およびビニルモノマー由来単位の合計が50モル%以下であり、前記ジエン系ゴムおよび熱可塑性樹脂が以下の(i)および(ii)の関係を満たすと共に、前記スチレンブタジエンゴムの少なくとも1つの末端が官能基で変性されており、かつ前記熱可塑性樹脂が、テルペン、変性テルペン、ロジン、ロジンエステル、C5成分、C9成分から選ばれる少なくとも1つからなる樹脂、およびそれら樹脂の二重結合の少なくとも一部が水添された樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
    (i)前記ジエン系ゴムおよび熱可塑性樹脂を質量比1:1で配合した混合物において、前記ジエン系ゴムおよび熱可塑性樹脂のガラス転移温度から計算される前記混合物のガラス転移温度の理論値Tgaと、前記混合物のガラス転移温度の測定値Tgmとの差Tga-Tgmが10℃以下である。
    (ii)前記熱可塑性樹脂をすべてオイルに置き換えたことを除き前記タイヤ用ゴム組成物と同じ組成を有するゴム組成物Bとの関係で、前記タイヤ用ゴム組成物の-40℃~60℃における損失正接の最大値tanδMAXAと、前記ゴム組成物Bの-40℃~60℃における損失正接の最大値tanδMAXBが、下記式(1)を満たす。
    tanδMAXA/tanδMAXB > 0.8 (1)
  2. 前記タイヤ用ゴム組成物に含まれるオイルの合計が、前記ジエン系ゴム100質量部に対し、10質量部未満あることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度が40℃~120℃であることを特徴とする請求項1または2に記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記熱可塑性樹脂が、C5系石油樹脂、C9系石油樹脂、C5C9共重合石油樹脂、C9系石油樹脂を水添した樹脂、芳香族テルペン樹脂およびインデン樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1~いずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. 前記スチレンブタジエンゴムの油展量が、該スチレンブタジエンゴム100質量部に対し、10質量部以下あることを特徴とする請求項1~いずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 請求項1~のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物からなるトレッド部を有するタイヤ。
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